2020-01-28 第201回国会 衆議院 財務金融委員会 第1号
○黒田参考人 先ほど来申し上げているとおり、あくまでも財政運営は政府、国会の責任において行われているものでありまして、中央銀行が政府、国会の責任において行われている財政運営に何か特別な影響を与えようとかそういったことはどこの国の中央銀行でも行っておらないわけでありまして、あくまでも中央銀行は、物価の安定、そして金融、特に決済システムの安定というこの二つの目的のために金融政策なりさまざまな政策を行っているということをぜひ
○黒田参考人 先ほど来申し上げているとおり、あくまでも財政運営は政府、国会の責任において行われているものでありまして、中央銀行が政府、国会の責任において行われている財政運営に何か特別な影響を与えようとかそういったことはどこの国の中央銀行でも行っておらないわけでありまして、あくまでも中央銀行は、物価の安定、そして金融、特に決済システムの安定というこの二つの目的のために金融政策なりさまざまな政策を行っているということをぜひ
○黒田参考人 先ほど来申し上げているとおり、財政運営につきましては、あくまでも政府、国会の責任において行われるものというふうに認識しております。 私どもとしては、先ほど来申し上げているとおり、二%の物価安定の目標を実現するという金融政策上の目的のために現在の金融緩和を行っておりまして、引き続き、物価の安定というのは、これは日本銀行法にも書いてございますけれども、みずからの使命でございますので、それを
○黒田参考人 財政運営につきましては、基本的に政府、国会の責任において行われるものというふうに認識しておりまして、私から具体的なコメントをするのは差し控えたいと思いますが、その上で、一般論として申し上げますと、やはり我が国の政府債務残高が極めて高い水準となる中で、政府が中長期的な財政健全化について市場の信認をしっかりと確保することは重要であるというふうに考えております。二〇一三年に政府、日本銀行が公表
○参考人(黒田東彦君) 足下、まず最近の企業の設備投資を見ますと、またそれらの資金調達を見ましても、かなり長い期間のデフレあるいはリーマン・ショックの経験などから、かつては慎重さが見られておりましたけれども、ここ数年、企業収益は高水準を維持して、企業の投資スタンスが徐々に積極化する下で、設備投資は増加傾向にあり、企業の資金需要も増加を続けております。貸出しも、二〇一〇年代の前半から前年比プラスに転じまして
○参考人(黒田東彦君) 確かに、経済活動が活発化して民間の資金需要が大きく増加するような経済情勢であれば、税収の増加などによって財政収支の改善がより容易になることは確かであります。 もっとも、民間経済活動と財政は相互に影響を与える関係にありまして、一方方向の因果関係があるわけではないと認識をしております。民間の経済活動が活発になれば財政健全化に資する一方で、財政健全化に対する信認が失われますと、金利上昇
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、一九九〇年代のバブル崩壊後、我が国では深刻な景気後退が続き、金融危機も発生いたしました。そうした下で、設備投資などの経済活動が停滞し、民間部門の資金需要は減少した、その結果、民間部門の借入れが減少したというふうに思われます。 この間、政府は、経済活動を支えるため景気対策などの目的から財政支出を拡大した一方で、税収が減少したため財政赤字が拡大したと思います。こうした
○黒田参考人 物価の安定を実現するために中央銀行の独立性が必要であるという考え方は、歴史的な経験を踏まえて、今や世界的に確立しているというふうに思います。 他方で、マクロ経済政策の運営に当たって、政府と中央銀行が十分な意思疎通を図るということも重要であることも事実でありまして、いわゆる政府、日銀の共同声明もこうした考え方に基づくものでありまして、そこでは、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のために
○黒田参考人 今委員御指摘のポリシーミックスということについては、抽象的な議論もさることながら、現在の日本のコンテクストで申し上げますと、いわば、中央銀行が物価安定目標を実現するために金融緩和政策を推進している、そういう状況で、政府が必要に応じて財政政策を活用するという、この政策の組合せを指すものであろうというふうに思います。 このように、金融財政政策を組み合わせると、その相乗効果によって景気刺激効果
○黒田参考人 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。 まず、我が国の経済金融情勢について御説明いたします。 我が国の景気は、輸出、生産や企業マインド面に海外経済の減速の影響が引き続き見られるものの、所得から支出への前向きの循環メカニズム
○参考人(黒田東彦君) 今御指摘になったような点について、様々な議論がいろいろなフォーラムで行われていることは事実でありますけれども、日本銀行として、他国の通貨政策あるいは通貨主権についてコメントするというのは必ずしも適切でありませんので、発言は控えたいと思います。 その上で申し上げますと、日本銀行としては、実は世界各国におけるデジタル通貨に関する取組あるいはその影響について今後とも注意深く見てまいりたいと
○参考人(黒田東彦君) リブラといったいわゆるステーブルコインには、コストや決済時間などの面で課題のある様々なグローバルなクロスボーダー決済を改善するという面もありますし、また、金融包摂、いわゆるフィナンシャルインクルージョンを促進するという可能性もございます。 ただ、そうした便益というものは、マネロン、あるいはテロファイナンス、さらにはサイバーセキュリティー、市場の健全性、データ保護、消費者、投資家保護
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。 まず、我が国の経済金融情勢について御説明いたします。 我が国の景気は、輸出、生産や企業マインド面に海外経済の減速の影響が引き続き見られるものの、所得から支出への前向きの循環
○黒田参考人 このMMTの観点というか、その点からいろいろな議論があることは事実ですけれども、MMTについて、しっかりしたマクロ経済学的な裏づけがあって議論になっているというよりも、むしろ、基本的な考え方として、財政政策は財政赤字や債務残高などを考慮せずに景気安定化に専念して、中央銀行がこれをファイナンスするということで大丈夫だという議論だと思いますが、そこは、マクロ経済学が教えるように、仮にそういうことをすれば
○黒田参考人 日本銀行総裁の立場から、一般論としてお答えします。 日本国債が市場で消化されているというのは、やはり日本国債の償還能力に対する信認が前提になっていると思います。したがいまして、仮に市場の信認を失う事態が発生すれば、金利の上昇などを通じて国の市場からの資金調達が困難になる可能性もあるというふうに考えております。 したがいまして、中長期的な財政健全化について市場の信認をしっかりと確保することが
○参考人(黒田東彦君) この十月に実施されました消費税率引上げが消費行動に与える影響につきましては、まず、九月までの個人消費に関する各種データを見ますと、今回の消費税率引上げ前の需要増というものが、いわゆる駆け込みですけれども、二〇一四年の引上げ時と比べますと小幅なものであったというふうに判断をしております。 次に、税率引上げ後の家計の支出動向につきましては、現時点ではまだ把握できるデータが限られておりまして
○参考人(黒田東彦君) これも委員が御指摘されましたように、二〇一六年の九月に、いわゆるイールドカーブコントロール、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入いたしました。この下では、国債の買入れ額を目標としていた以前の枠組みに比べまして、経済、物価、金融情勢に応じた柔軟かつ効果的な対応が可能となるということで、政策の持続性が高まったことは事実だと思います。 その導入に際しまして、二〇一三年からやっておりました
○参考人(黒田東彦君) ただいま委員がおっしゃったように、確かにグローバル金融危機、いわゆるリーマン・ショック以降、多くの先進国で金利が下がっているわけですけれども、これはいわゆる潜在成長率の低下、それから恒常的な資金余剰などによって、景気に中立的な実質金利、いわゆる自然金利そのものが趨勢的に低下してきたということがやや長い目で見た世界的な低金利の背景にあるというふうに考えております。 なお、昨年末以降
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、日本銀行が短期政策金利である付利金利を引き上げますと、この日銀当座預金に係る支払利息が増加して、収益を下押しするということになります。もっとも、この付利金利を引き上げるというような際は、経済・物価情勢が好転して、委員御指摘のとおり、長期金利も相応に上昇していくというふうに考えられます。したがいまして、当座預金に対する支払利息が増える一方で、日本銀行の保有国債がより
○参考人(黒田東彦君) これも御案内のとおり、日本銀行の長期国債の評価につきましては、従来からの評価方法を取っておりまして、基本的に、時価との比較で評価損が出たということで、それを何か日本銀行の損に計上するということはしておりません。基本的には長期に保有するということでありますが、ただ、先ほど申し上げたように、将来、二%の物価安定の目標が達成されれば、当然拡大したバランスシートを見直していくということになるということは
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、二〇一三年の量的・質的金融緩和の導入以来、日本銀行は大規模な金融緩和を実施しております。その下で、国債等の資産買入れによって日本銀行のバランスシートは御指摘のように大きく拡大しております。この先も、物価安定の目標の実現に向けて大規模な金融緩和を継続する考えでありまして、バランスシートの拡大は続くというふうに考えております。 もっとも、日本銀行としては、現在の
○黒田参考人 御案内のとおり、各国の金融政策は、それぞれの国の経済、物価、金融情勢に合わせて最適な政策をとるということでやっておりまして、我が国の場合は、二%の物価安定の目標に向けて緩和を続けてきたわけですけれども、まだそれに到達していないという中で、大幅な金融緩和を続けているわけです。 他方、御案内のとおり、米国は、一時は物価安定目標の二%をほとんど達成したという中で、いわば一種の正常化というのを
○黒田参考人 議員御指摘のシャドー金利の計算も含めて、日本銀行、FRB、そしてECBの間で、どこが一番金融緩和的になっているかと言われると、いろいろな考え方はあろうと思いますけれども、確かに日本銀行が極めて緩和的な金融政策を行っているということは事実だと思います。 ただ、そのことが直ちに、現在のようないわゆる非伝統的金融緩和政策というものの中で、このシャドー金利の計算もそうですけれども、いわば短期金利
○参考人(黒田東彦君) このイールドカーブコントロールというものは二〇一六年の九月に導入したわけでございますけれども、これが引締め的ではないかという御指摘ありましたけれども、私どもはそのようには考えておりません。 二〇一六年九月の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入以降、我が国の長期金利は海外の金利が大きく上昇するような局面でもゼロ%近傍で安定的に推移しておりますし、貸出金利も二〇一六年九月以降一段
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、米国におきまして、十年物国債の利回りがフェデラルファンドレートを下回っているということは承知しております。これが俗に逆イールドと言われることでございまして、過去、米国においては長短金利の逆転が起きた後に景気後退入りしたことがかなりありまして、一部で将来の景気後退リスクを指摘する声も聞かれるわけでございます。 ただ、昨今の長短金利の逆転現象につきましては、FRB
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、最近の海外経済につきましては、米中間の貿易摩擦の影響、あるいはそれを含めた中国経済の動きなど、下方リスクが大きい状況にあるということは私どももそう見ております。こうした海外経済の動向につきましては、あしたからの金融政策決定会合においても当然政策委員の間でしっかり議論していく必要があるというふうに考えております。 その上で、一般論として申し上げますと、日本銀行
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、日本銀行は、二〇一三年の四月に量的・質的金融緩和を始めまして、その後も必要に応じて金融緩和の幅を拡大してまいりました。そうした中で、全体として日本経済が改善して、マクロ的な需給ギャップも、この数年プラスの状態が定着するまでに改善してきていることは事実であります。 ただ、これも委員御指摘のとおり、銀行の融資というものは、金利が下がって低い金利で貸し出せるようになったとしても
○黒田参考人 短観は、あくまでも企業に対する短期経済観測調査ということで、企業に対してアンケート調査をしているものでございます。
○黒田参考人 日銀の短観は、いわゆる企業の短期経済観測調査ということですので、企業から見た業況判断であるとか、売上げの見込み、収益等々であります。 業況判断を見る限り、製造業の業況判断は確かに若干低下をしております、レベルとしては依然としてかなりプラスなんですけれども、低下している。他方、非製造業を見ますと、非常に高いレベルで、ほとんど低下していないということで、若干、製造業と非製造業で業況判断は
○黒田参考人 先ほど内閣府の方が述べられたように、輸出は確かに、国内の付加価値の増加を輸出増というのは示しているわけですけれども、輸入増は、その分を国内の付加価値の増から引かないとGDPが出てきませんので、今回のように、輸出も減ったけれども輸入の方が大きく減った場合には、その分だけGDPを押し上げるというのは、ある意味で、こういった統計の性格からいって当然のことであるというふうに思います。
○黒田参考人 中央銀行はどこでも、やはり物価の安定というのが最大の使命であるということを旨としておりますので、当然、日本銀行も物価の安定を第一に考えるということであります。 なお、対外的な理由で、例えば、原油価格が大幅に上がった、第一次石油ショック、第二次石油ショックとありましたね。そういう場合の対応として、第一次石油ショックの教訓から、第二次石油ショックのときに日銀も含めて各国の中央銀行がわかったことは
○黒田参考人 そこはなかなか、経済学でいうアイデンティフィケーションの難しいところでありまして。 例えば、ほかの国の例を出すのもちょっと失礼かもしれませんが、アルゼンチンを見ますと、委員御指摘のとおり、まずアルゼンチンの通貨が大幅に下落して、それがインフレになる、それでまたインフレが通貨の下落を招くという悪循環になっているということで、為替安が先導したように見えるわけです。ただ、どうして為替安になったかと
○黒田参考人 まず、MMTの議論の前提が、委員も御指摘のとおり、自国通貨建て国債であれば償還資金を中央銀行による国債引受けで必ず調達できるのでデフォルトは起こらないということを前提にして、そういうもとで、したがって、財政赤字や債務残高を全く気にせずにどんどん財政の拡張をし、それを中央銀行で引き受けてもらっていたら大丈夫ですと。 ただ、そういうことを一旦始めますと際限がなくなって結局インフレになる、
○参考人(黒田東彦君) はい。 CLOを含む海外クレジット投資残高自体は増加基調にありますけれども、実はアメリカの金融機関も相当このクレジット投資残高を増やしておりまして、そういう意味では、ある意味で日本もアメリカも、あるいは欧州もそうですけれども、従来に比べるとやや低金利環境が続いているという下で、大手行、大手金融機関を中心にそういったものの投資が増えているというのはかなり一般的な現象のように思
○参考人(黒田東彦君) 二〇一三年の四月にいわゆる量的・質的金融緩和導入以降、金利を、特に短期金利、長期金利も含めて低位にすることによって経済を活性化し、それを通じて賃金、物価が徐々に上がっていくということを狙いとしてやってきているわけでございます。 そうした下で、デフレではないという状況にはなりましたが、まだ二%の物価安定の目標には道半ばということでありますので、現在の金融緩和を当分持続する必要
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のように、近年、我が国の金融機関は、国内の低金利環境の長期化もありまして、有価証券運用においてリスクテークを行っております。こうした下で、大手金融機関を中心に今議論になっておりますCLOを含む海外クレジット投資残高は増加基調にあるというふうに認識しております。現状、本邦の金融機関が保有するCLOは、先ほど来の議論でもありましたように、格付が最上位のものが中心であるほか、
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げましたように、政府が国債を発行した時点の資金の動きだけを捉えますと、民間金融機関は保有する日銀当座預金を減らすことで国債保有を増やしているように見えます。もっとも、民間の日銀当座預金は政府が調達した資金を支出する段階では再び増加するものでありまして、その意味では基本的にはニュートラルな要因であります。 そのため、こうしたプロセスを全体として見れば、民間金融機関
○参考人(黒田東彦君) 新規国債の発行時点においては、民間金融機関の日銀当座預金が減り、政府の日銀当座預金が増えることになります。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、我が国経済の動向と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。 まず、我が国の経済金融情勢について御説明いたします。 我が国の景気は、輸出、生産面に海外経済の減速の影響が見られるものの、基調としては緩やかに拡大しています。やや詳しく見
○黒田参考人 いわゆる地域銀行の基礎的収益力というものは、人口や企業数の減少などに加えまして、低金利環境の長期化から、趨勢的に低下をしております。 そうしたもとで、委員御指摘のとおり、有価証券の売却益であるとか、あるいは信用コストの低下ということによって、全体としての収益状況はかなりよい状況を維持してきたわけですが、御指摘のとおり、有価証券売却益が将来とも続けられるわけではありませんし、信用コスト
○黒田参考人 まず、海外経済の動向について申し上げますと、米国経済は昨年三%成長したわけですが、本年は恐らく二%台半ばの成長ではないかと言われておりまして、米国の潜在成長率が二%弱と言われている中で、堅調な成長を続けるだろうというふうに見られております。 次に、中国でございますが、御指摘のとおり、昨年の後半以来かなり減速はしておりますけれども、既に中国政府は、昨年そしてことしと、かなり大幅な減税を
○黒田参考人 我が国の物価というものは、景気の拡大あるいは労働需給の引き締まりに比べまして弱目の動きが続いております。この背景には、長期にわたる低成長あるいはデフレの経験などから、賃金、物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行が根強く残るもとで、企業の慎重な賃金、価格設定スタンスや、値上げに対する家計の慎重な見方が明確に転換するに至っていないことが大きく影響しております。 もっとも、マクロ的
○黒田参考人 御指摘のとおり、日本銀行は現在、長短金利操作つき量的・質的金融緩和、いわゆるイールドカーブコントロールという枠組みのもとで、物価安定目標の実現のために適切なイールドカーブをつくるということを促しております。具体的には、短期政策金利をマイナス〇・一%、長期金利をゼロ%程度とする金融市場調節方針と整合的なイールドカーブが形成されるように、国債買入れを実施しております。 その際、金利は、経済
○黒田参考人 その点は私どもも十分留意しておりまして、雇用、賃金の動向というものは、毎回の金融政策決定会合においてもつぶさに検討して、それを金融政策の決定に役立てているということでございます。
○黒田参考人 まず、一月の展望レポートで示しました、二〇一九年度についてプラス一・一%、二〇二〇年度について一・五%という見通しは、委員御指摘のとおりであります。これは、消費税率引上げの影響と教育無償化の影響を両方織り込んだ見通しであります。 このうち、消費税率引上げが直接消費者物価に及ぼす影響を機械的に計算いたしますと、二〇一九年度と二〇二〇年度において、それぞれプラス〇・五%ポイント物価を押し
○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、マネーストック、マネーサプライのほとんどが銀行預金から構成されておりまして、これが民間銀行による信用創造活動を通じて増加するということはそのとおりであります。 その上で、いわゆるMMTの評価については、これが必ずしも体系化された理論ではなくて、全体の把握が容易でないということで、その本質をつかむことはなかなか難しいのではないかと感じておりますが、MMTの
○参考人(黒田東彦君) まず第一に、いわゆるマネーストックあるいはマネーサプライというものは企業や家計などが保有する現金と預金を幅広く集計したものですが、その大宗は確かに銀行預金から成っております。 そして第二点ですが、こうした銀行預金は、企業や家計の資金需要を受けて銀行などが貸出しなどの与信行動、信用を与える行動、すなわち信用創造を行うことにより増加することになるということで、この点も委員御指摘
○参考人(黒田東彦君) まず、金融機関の状況でございますけれども、御指摘のように、地域銀行について基本的な収益が低下しているのではないかということが指摘されておりまして、その背景には、やはり人口や企業数の減少に加えまして低金利環境の長期化ということで、趨勢的に基礎的収益力が低下しているということが指摘されております。 ただ、そうした中でも、現状、地域銀行は十分な資本と流動性を備えておりまして、銀行貸出
○参考人(黒田東彦君) まず先ほどの御質問の点について補足いたしますと、長期金利も別に一挙に上がるというわけではなくて徐々に上がっていくわけですので、その間に徐々に高い金利のものに買い換えていくというわけでありまして、委員のおっしゃるように長期金利が一挙に上がると、そういうことを考えているわけではございません。 そこで、このETFの評価方法については原価法を採用しておりますが、その上で、保有ETF
○参考人(黒田東彦君) まず、先ほどの御質問の関係で、日本銀行が持っております国債の平均残存期間というのは七年強であります。平均残存期間が二十年、三十年あるわけではありません。 その一方で、先ほど申し上げたように、長期金利が次第に上がっていく、景気が回復し、更に回復し物価も上がっていく中で、なだらかな形で金利が上がっていくときには、先ほど申し上げたように、金利の高い国債の方に乗り換えていきますので
○参考人(黒田東彦君) この量的・質的金融緩和というものは、これを実施している際はバランスシートの拡大によって収益が押し上げられる一方、出口の局面では日銀当座預金に対する付利金利の引上げ等によって収益が減少しやすいという特徴があります。 もっとも、将来、経済・物価情勢が好転し日本銀行が付利金利を引き上げる場合には、長期金利も相応に上昇すると考えられます。したがいまして、当座預金に対する支払利息が増
○参考人(黒田東彦君) 私どもは、量的・質的金融緩和ということを通じて大幅な金融緩和を粘り強く続けているということでありますので、自分で言うのも変ですけれども、恐らく日本銀行はハト派ということになると思います。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の民間債務の対GDP比が非常に急速に拡大して、いわゆるシャドーバンキングの膨張ということで、中国政府もかなり懸念をして数年前からその抑制を図ってきたわけでして、結果的には今言わばピークアウトして安定した状況になりつつあるように思われます。 ただ、その一方で、中国の実体経済の方がやや弱めの動きが広がっております。特に輸出は、米国による対中関税率の引上げ、あるいはITセクター
○参考人(黒田東彦君) 二〇一六年九月に導入いたしました長短金利操作付き量的・質的金融緩和によって、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、もちろん必要に応じて物価安定の目標の実現のために最も適切なイールドカーブの形成を促しております。 こうした下で、我が国の長期金利は、実は海外の金利が大きく上昇するような局面でもゼロ%近傍で安定的に推移しておりますし、貸出金利も二〇一六年九月以降一段と低下して、既往最低水準
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げましたとおり、少子高齢化あるいは労働力人口の減少ということは、それ自体としては非常に我が国経済にとって大きな課題の一つであることは事実でございます。 もっとも、その中にありまして、資本の蓄積あるいはイノベーションを促すということによって、やや長い目で見た我が国経済のこの成長率を引き上げていくという可能性があるわけでございます。実際、最近の我が国の状況を見ますと
○参考人(黒田東彦君) 一般論として申し上げますと、やはり、人口減少あるいは高齢化によって経済成長率が低下いたしますと、資金需要が伸び悩んで低金利環境が続くことになりやすいわけでございます。そうなりますと、金融セクターの収益への影響について注視していく必要があるというふうに思います。 他方で、人口動態の変化というものは、これに対応しようとする企業活動の前向きな変化やイノベーションを促すという面はございます