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脇田政府参考人 お答えいたします。
今、まとめてということでしたので、順番にお答えしたいと思いますけれども、まず、新型コロナにかかった場合に免疫反応ができるのかということもありました。
それは、一般的には、
感染症にかかりますと免疫反応が誘導されて再
感染をしにくくなるということがありますが、今般の
新型コロナウイルス感染症につきまして、多くの症例では、その
感染後に免疫反応を獲得する可能性が高いと言われています。
ただ、免疫反応の持続時間がどのぐらいあるのかということは、まだ研究が進められている
状況で、例えば、いわゆる終生免疫が誘導されるのか、あるいは免疫ができる期間が短いのか、それについてはまだ今研究が進められているというところであります。
それから、変異のスピードがどの程度で、何種類のコロナウイルスがあるのかということですけれども、新型コロナウイルスは約三万の塩基のRNAをゲノムに持つウイルスです。
RNAウイルスというのは変異の速度が速いということが知られていますけれども、新型コロナウイルスは比較的変異の速度が低いということが知られていて、大体二週間に一カ所程度の変異が入るということが知られていますので、
日本に侵入してから一月から約十カ月程度ですけれども、それを考えますと、平均して二十カ所程度の変異が入っているということになります。
種類ということになりますけれども、このウイルスは、生物学的、ウイルス学的に申し上げれば、コロナウイルス科、そしてベータコロナウイルス属に属する新型コロナウイルス、SARSコロナウイルス2型ということで、これは一種類でありまして、まだ本当にこのウイルスは生まれたてほやほやのウイルスで、ウイルス学的には一種類のウイルスということになっております。
世界のコロナウイルスの
感染状況が大きく違う理由はどうかという御
指摘ですけれども、確かに各国で大きく
感染状況は異なっています。
この要因につきましては、例えば、ウイルスがどのように流入してきたかということも国によってかなり違っております。それから、各国において、文化でありますとか習慣、そして
生活様式、それからこれまでの対策、そういったものもかなり違っているということですので、それが複合的に関与しているということですから、一概に比較することはなかなか難しいわけですが、そういった文化であったり習慣であったり、それから対策ということに関しては、どのようなものがウイルスを抑えることに効いているのかということも研究が進められているという
状況だと認識をしております。
したがいまして、我が国におきましては、市民の衛生意識の高さであったり、
保健所が一生懸命クラスター対策に取り組んでいただいていたり、あるいは、
医療機関の
皆様が一生懸命治療に当たっていただいているということが
感染拡大を抑えるためには効果的であったと考えますが、現状、
感染が
拡大をしているということですので、我々も強い危機感を持って対策に当たっていく必要があるということを考えております。
最後に、BCGのことをお尋ねになったと思います。
BCGワクチンが
新型コロナウイルス感染症の
感染を予防する効果があるのではないかというようなお話があります。一方で、
日本ワクチン学会が四月の三日に
見解をまとめております。新型コロナウイルスに対するBCGワクチンの有効性というのは、いまだにその真偽が科学的に確認されたものではないということですから、現
時点では否定も肯定もされておらず、推奨されていないというふうに承知しています。BCGワクチン接種の効能、効果というのはあくまで結核の予防ということですので、
新型コロナウイルス感染症の発症あるいは重症化ということに特異的に予防が可能というものではないということが
指摘されています。
ですから、現
時点において、BCGワクチンの
感染予防効果、新型コロナウイルスに対する効果としては、特異的な効果が認められているものではないというふうに認識をしております。