○滝沢求君 去る二月二十日及び二十一日の二日間、富山県及び石川県の
環境及び
公害問題に関する実情を
調査し、もって本
委員会に付託を予定される
大気汚染
防止法の一部を改正する法律案の審査に資するため、
牧山委員長、
三木理事、
鉢呂理事、片山
理事、寺田
委員、平山
委員及び私、滝沢の七名で
調査を行ってまいりました。
以下、
調査の
概要について御
報告いたします。
一日目は、まず富山県庁を訪れ、
海岸漂着物対策及びレジ袋の無料配布廃止について
説明を聴取するとともに、
意見交換を行いました。富山県の
海岸漂着物の約八割が県内で発生したものであり、発生抑制のため、河川の上流域から海岸までの清掃活動や啓発活動を
推進するとともに、スマホアプリ「ピリカ」を用いた清掃美化活動の見える化等に取り組んでいるとの
説明がございました。また、本年七月から全国的にレジ袋の有料化義務化が予定されておりますが、富山県は全国で初めてレジ袋の無料配布廃止の
取組を平成二十年度から行っており、これまでに十五億枚以上のレジ袋の削減効果があったとのことでございます。
派遣委員からは、
海岸漂着物の大部分が県内由来であるとの認識を県民に広める必要性、レジ袋の無料配布廃止の開始時における
企業の参加率、国の
取組において有料化の例外とされるレジ袋の今後の取扱い等について質疑がございました。
県庁訪問後に、地元スーパーである大阪屋ショップ藤木店を視察いたしましたが、ほとんどの
利用客がマイバッグやマイバスケットを持参して買物を行っており、県民一人一人にレジ袋削減の
取組が浸透していることを実感してまいりました。
次に、富山県動物管理センターを訪問し、
動物愛護管理行政に関する
説明を聴取し、
施設を視察いたしました。
保護された犬、猫は、病気やけがを治療し、しつけをした上で、新たな飼い主への譲渡を積極的に行っていること、ペットの
防災対策として富山県総合
防災訓練において動物同行避難訓練を
実施していること等の
説明がございました。加えて、昨年の通常
国会で改正された
動物愛護管理法により犬、猫の販売業者にマイクロチップの装着が義務付けられていることを踏まえ、マイクロチップの読み取り作業を実際に体験するなど、知見を深めることができました。
派遣委員からは、富山県における多頭飼育崩壊の現状、他県の
動物愛護管理センターとの
連携等について質疑がございました。
次に、富山県立イタイイタイ病資料館を訪問いたしました。同資料館は、
我が国の四大
公害病の一つであるイタイイタイ病を克服した道のりと、その教訓を後世に語り継ぐために平成二十四年に開館したものであり、イタイイタイ病による
被害の実態、神通川流域の土壌復元の工事に関する展示等を視察した後、
意見交換を行いました。
派遣委員からは、新たな発症者の有無、女性の発症者が多い原因、他にカドミウムの
影響を受けた
地域等について質疑がございました。当時の健康
被害の深刻さを痛感するとともに、
公害による健康
被害をこの先二度と発生させてはいけないとの
思いを強くいたしました。
二日目は、まず、金沢市より、
環境施策及びアスベストの飛散
防止対策について
説明を聴取いたしました。金沢市は、「持続可能な都市「金沢」をつくる」を基本理念とし、家庭ごみの有料化によるごみの減量化、食品ロス
対策、全国唯一の市営発電事業としての水力発電の
活用など、様々な
環境施策を講じているとの
説明がございました。また、アスベストの飛散
防止対策として、
大気汚染
防止法に基づく建築物の
解体工事に関する手続、届出数や立入り件数等について
説明がございました。
次に、太陽テクノリサーチ株式会社を訪問し、アスベストの
調査に関する
説明を聴取するとともに、分析に用いる機器やアスベストの拡大画像等を見させていただきました。同社は、価格や納期を明示し、インターネット経由の受注に特化したアスベスト
調査を提供しており、近年注目を集めております。見落としをなくすための分析方法の在り方、
解体現場におけるアスベストの粉じん濃度の基準値の必要性等について
説明がございました。今後、アスベストを含む建物の
解体がピークを迎える中で、アスベスト事前
調査を正しく
実施することの重要性を実感いたしました。これらの知見を踏まえ、より実効性のある
規制強化につながるよう、法案審査において
議論を深めたいと考えております。
最後に、古新聞、古雑誌等の古紙をリサイクルして板紙を製造する加賀製紙株式会社を訪問し、板紙の製造ラインや排水
処理施設などを視察いたしました。同社は、百年以上にわたり金沢で板紙の製造を営んでおり、主に石川県内で排出される古紙を回収し、本のハードカバーやお菓子の箱など、幅広い用途の板紙製品として再生をしております。
地域と協調した
企業を目指し、
公害対策にも熱心に取り組んでおられるとの
説明がございました。
派遣委員からは、紙離れが進む中で需要を増やす方策、
プラスチックの代替品として紙を
活用する可能性等について質疑がございました。
以上が
調査の
概要であります。
最後に、今回の派遣に際し、お世話になった関係各位の
皆様方に厚く御礼を申し上げて、御
報告を終わらさせていただきます。
ありがとうございました。