○大塚耕平君 共同会派、立憲・
国民.新緑風会・社民の大塚耕平です。
会派を代表して、
総理の所信に対して質問させていただきます。
この夏、千葉県を始め各地で台風等の被害に遭われた皆様に、改めて心よりお見舞い申し上げます。国会としても、
復旧復興の促進に資する審議や立法に腐心することが必要である旨を申し上げ、質問に入らせていただきます。
本年八月の台風十号等に伴う九州を中心にした被害、九月の台風十五号による千葉県を中心にした被害を含め、閉会中の自然
災害による住宅、事業所、
農林水産業、電力設備、
地域経済の被害等について
政府が把握している情報を
総理にお伺いします。
被害の
復旧復興状況とともに、今後の
復旧復興対策としてどのようなことを
検討中であるか、及び国会提出を
検討している
補正予算及び法案等の内容について、
総理に伺います。
倒木や倒れた電柱の撤去について、
対応の管轄が縦割りであることが復旧を遅らせ、停電を長引かせた原因の一つです。電力会社、通信会社、
自治体等の間で
災害時の
対応に関する申合せ等が行われていれば、より迅速かつ円滑に撤去や復旧に着手できたと思われます。
和歌山県では、電力会社と通信会社の間でそうした協定が結ばれているそうです。気候変動の影響で台風の規模、強度が増しています。強い台風に頻繁に向き合う和歌山のような県とそうではない千葉のような県では、そうした協定、台風襲来前の
対応、復旧への備え等にどのような違いがあるか、
政府の認識を伺います。
その上で、今後の
対応の
強化充実を
自治体任せにするのか、
政府も
支援するのか、基本方針を伺います。
政府は、
災害対策を企図して電柱地中化等も進めるようですが、
自治体と
事業者の負担が重く、進捗の妨げになる
可能性があります。国との負担割合の見直しについて、
総理の考えをお伺いします。
所信では、景気の現状認識について言及がありませんでした。珍しいケースです。一昨日発表された景気動向指数による景気の基調判断は、四か月ぶりに悪化しました。
内閣府の
国民経済計算によると、第二次安倍政権発足後の二〇一三年第一・四半期から二〇一九年第二・四半期までの実質
成長率は年平均で一・一%、民主党政権時の二〇〇九年第四・四半期から二〇一二年第四・四半期までは同一・三%です。
厚労省毎勤統計によれば、二〇一二年に一〇四・五であった実質賃金指数は、二〇一五年に一〇〇まで急落し、昨年も一〇〇・八止まり。賃金が相対的に低くなっている結果、物価も低迷。最近のインバウンド増加には、外国人の所得が上がる一方、
日本人の所得、とりわけ実質賃金が低迷し、
日本が安い国になっていることも影響しています。今こそ、家計第一の
経済政策が必要です。
第二次安倍政権下の六年間は、
世界的に技術革新が加速度的に進み、中国や新興国が急速に
発展し、欧米諸国も含め、新興
企業が多数勃興しています。中国では、IT系ユニコーンの
企業数が米国並みになり、一日の起業数が一万八千社を超えています。
こうした
世界の時流と比べ、第二次安倍政権下の
日本は、技術革新への
対応、
社会への適用、応用、新興
企業や新産業の勃興等が立ち遅れ、そのことが実質
成長率や実質賃金の低さにも反映されています。
そこで、
総理の認識を伺います。実質
成長率及び実質賃金の伸びが低い原因は何か。名目ベースではなく、あくまで実質ベースについてお伺いします。
あわせて、さきに公表された年金財政検証において、実質賃金上昇率が過去三十年の平均値よりも高い水準を設定した理由と合理性について伺います。
また、技術革新や産業の構造改革、新興
企業の勃興等の面で、
世界の時流に遅れぎみの理由は何か。産業
政策等の面で、何か不適合なことをしているのではないか等々、その原因について
総理の認識を伺います。
金融
政策では異常な緩和を続け、
世界に類を見ない
社会実験をしているかのごとくです。日銀の総資産対名目GDP比は昨年七月に一〇〇を超え、直近でも一〇三と過去最悪を更新し、政権発足時の三・三倍になりました。異常な緩和を六年続けても、
消費者物価上昇率は目標の二%に達する気配がありません。
政策手段が間違っているのか、あるいは異常な緩和によってインフレになるという理論的裏付けが脆弱なのか。
そこで、伺います。今の
政策目標に対して、現在の金融
政策の手段及びアプローチが適切であることの根拠について、
総理はどのような認識でいるのか、あるいは日銀からのどのような説明を了解しているのか伺います。
また、
政府、日銀とも、二%のインフレになれば
経済が好循環すると強弁し続けていますが、その理論的裏付けについて、
総理の認識を伺います。
一方、異常な緩和の弊害をどのように認識しているのでしょうか。MアンドA税制を見直し、
企業の二百四十兆円に及ぶ現預金、四百六十三兆円の内部留保を
投資に生かすとしていますが、この内部留保には、マクロ的に見れば、過去二十数年間に家計の金利収入の逸失、
企業の金利負担の軽減等によって家計部門から
企業部門へ所得移転が起きたことも反映されています。
戦後平均に近い水準にある一九九一年又は一九九三年の金利水準をベースにした
国民のこの間の逸失金利収入の直近までの規模を
総理にお伺いします。二十数年間で数百兆円に及ぶ逸失金利収入は、確実に消費を抑圧し、
経済を低迷させているという認識があるか否かをお伺いいたします。
超低金利は金融機関経営も圧迫しています。預貸業務を中心とする本業が赤字の地方銀行は二〇一九年三月期で全体の四割強に及び、一部は赤字が慢性化しています。
政府は、
地域金融機関立て直しのため、独禁法の例外を認めてでも再編を促す方向のようですが、再編促進の方針及び想定する効果について、
総理の認識を伺います。
過去十数年の日米欧各国の経験を顧みると、超低金利の影響は、当該国の金融システムが間接金融中心か直接金融中心かで違いが出ています。直接金融中心の下では、超低金利はより一層
投資資金を直接金融にシフトさせます。根強い間接金融構造が続く
日本では、異常な緩和によって直接金融が活発化することもなく、
経済も産業も
企業も停滞する悪循環に陥っています。
所信では、事業承継の際には、先代経営者と後継者からの二重取りを原則禁止すると述べていますが、経営者保証の二重取りのような現象は、収益悪化に苦しむ金融機関が陥りがちな悪弊であり、まさしく超低金利が金融機関も
企業も苦しめている典型例です。
二重取りの定義、実情、及び二重取りを原則禁止することを具体的にいつまでにどのように
実現するのか、
総理にお伺いします。
また、間接金融中心の
日本における六年間のアベノミクスの経験、検証を踏まえ、その限界と弊害について、
総理の認識を伺います。
次に、今月からの
消費税率引上げ前に駆け込み消費はあったのか否か、
総理の認識を伺います。また、今後の影響について、現時点での
総理の見通しを伺います。
二〇一四年四月に八%に引き上げられた際は、四―六月はマイナス
成長となりました。今回は、十―十二月の動向を見極めた上で、来年通常国会で
補正予算等による景気
対策を講じる考えがあるか否か、お伺いいたします。
二〇二三年からインボイスが正式
導入される予定ですが、円滑な
導入と納税者、
事業者の負担軽減にどのように
対応するのか、現時点での考え方を伺います。
インボイスを発行できない免税
事業者は、取引排除を受けたり、廃業に追い込まれるおそれがあります。こうしたインボイスの弊害をどのような方向で見直すのか、お伺いします。免税
事業者の準備や設備
導入負担に対する補助など、今から
検討しても早過ぎることはありません。
総理の考えをお伺いします。
社会保障と税の一体改革により、
消費税率引上げによる増収分を含む消費税収は、全て
社会保障の財源にすることになっています。今回、
消費税率引上げに伴う今年度の増収見込額及びその使途についてお伺いします。
一体改革は、三党合意に基づき法制化されました。その際に約束された議員定数削減をほごにして参議院議員定数を増やしたこと、消費税に複数税率を
導入したこと、総合合算
制度導入を見送ったこと、
社会保障の充実に逆行する介護要
支援切りを行ったことなどから、三党合意は守られなかったものと認識しています。
消費税率が一〇%となった今、
総理は、三党合意のどの部分は守り、どの部分は守れなかったと認識しているのか、また、全体として三党合意の何割程度は守ったと認識しているのか、お伺いいたします。
今月から
幼児教育、
保育の
無償化が始まりましたが、
無償化対象外の類似施設の扱いについてお伺いします。
通常国会で成立した関連法には、施行後五年を目途として行われる
検討に際し、
幼児教育類似施設等を利用給付対象とすることを
検討するという趣旨の附帯決議が付されました。今後どのように
対応するのか、御説明ください。
入管
法改正に伴い四月から
導入された特定技能の申請は、十月四日時点で約二千三百件、許可は四百四十三件と聞いています。出足は低調な状況です。
受入れ十四分野のうち試験実施済みが三分野にとどまっていることなどが影響しているようですが、
総理は低調の原因をどのように分析し、
対策をどのように講じるのか、お伺いします。拙速に
導入された
制度ですから、更に拙速な
対策を重ねて無理に受入れ数を増やす必要はないと思いますが、現時点の
総理の認識を伺います。
所信では、
社会保障制度に関して三つの改革に取り組むと述べており、いずれも
少子高齢化に
対応した内容です。現在の
社会保障制度が構築される過程でこれほどの
少子高齢化は想定していなかったからです。
制度構築時における想定外の事態はもう一つあります。それは、外国人の増加です。
昨年末の在留外国人数は約二百七十三万人、前年末に比べ約十七万人増加し、過去最高です。在留外国人が増え続ければ
社会保障制度の負担と給付に影響を及ぼすことが想定されます。在留外国人のうち、
国民年金、国保及び厚生年金、被用者保険への加入者数及び全体に占める割合を伺います。それぞれの財政状況に対し今後どのような影響があると想定しているのか、
総理の認識を伺います。
入管
法改正に際し、参議院では、外国人労働者及びその家族に関する
社会保障制度及び
日本語教育を含む教育
制度について必要な措置を講ずるとの附帯決議が付されました。その後、医療保険に関して、被扶養者に国内居住要件を課す
法改正が行われましたが、パッチワーク的な
対応にはデグレードが伴う場合もあります。例えば、
日本人加入者の海外在住被扶養者にもこの改正は適用されるのでしょうか。その場合、これまで扶養対象であった者が対象にならなくなることをどのように受け止めているのか、
総理の認識を伺います。
それ以外の
社会保障制度について、具体的な改正は行われていません。外国人増加に伴い、医療、介護、年金、雇用等の
制度にどのような影響が出ることを想定し、どのような見直し等の
検討点があり、どのように
対応するのか。医療、介護、年金、雇用それぞれについて、現時点の
総理の認識を伺います。
教育についても伺います。
現在でも、
日本に住む外国人の義務教育学齢期の子供約十二万四千人のうち約二万人が就学していない
可能性があることが明らかになりました。家族帯同が認められる特定技能二号の外国人労働者が増加すれば、不就学の子供が更に増える
可能性があります。不就学の子供の実情とともに、今後不就学の子供を発生させない仕組みをどのように構築するのか、
総理の考えをお伺いします。
社会保障に関連し、去る九月二十六日に公表された
地域医療構想の進め方について、再検証要請対象となった医療機関の今後の
対応方針をどのような場でいつまでに決定するのか、その手順を
総理にお伺いします。
次に、通商産業問題です。
一昨日署名した日米貿易協定に関し、
総理は所信でもウイン・ウインと述べていますが、日米それぞれ何がウインなのか、
総理の認識を伺います。
一方、トランプ
大統領は記者会見等で米国の大勝利と公言しています。このギャップについて、
総理の認識をお伺いします。
トランプ
大統領は、牛肉、豚肉、ワイン、オレンジ等の関税引下げ等に成功した一方、
日本が求めた自動車の関税撤廃は先送り、協議継続としました。
TPPを離脱したトランプ
大統領は、自動車関税を二五%まで引き上げる考えを示唆するとともに、昨年九月二十六日の日米共同声明の項番五において、
日本から米国への輸出数量規制か
日本企業の米国内での生産増がなければ
実現しない内容を盛り込みました。その時点で今回の結果は予測されていたと言えます。交渉の
ハードルを上げ、威嚇項目は見送る代わりに所期の目的を達成する常套手段です。
サービス貿易や
投資等に関するセカンドラウンドの交渉に向け米国が再び他の条件を引き上げてくる
可能性について、
総理の認識を伺います。
自動車関税撤廃交渉に進展がなければセカンドラウンドに応じないなど、
日本も米国に先んじて条件を引き上げるべきと思いますが、
総理の考え、今後の交渉スタンスを伺います。
米中貿易摩擦の影響は各国に波及し、OECDは
世界の
成長率見通しを下方修正しました。
日本も例外ではなく、工作機械の受注減が見られるほか、日銀九月短観では、大
企業製造業の業況判断指数が三四半期連続で悪化しました。
米中貿易摩擦の現状、
日本への影響及びその
対策について、
総理の認識を伺います。
政府は、昨年十二月、各省庁の情報通信機器調達の新たな指針をまとめ、
安全保障上のリスクがある場合、当該製品を調達しない方針を申し合わせています。米国からファーウェイ排除の要請を受けているか否か、仮に受けている場合、
日本はどのようなスタンスで臨むのか、
総理の考えを伺います。
ファーウェイ排除要請への
対応は各国で分かれています。ファーウェイ排除に同調することは、将来、OSや5G通信チップ、規格等の面でファーウェイが勝りデファクトスタンダードを獲得した場合などを想定すると、
日本の不利益になる懸念もありますが、
総理の見解を伺います。
中国資本進出への警戒も広がっています。EUでは二〇一六年に産業用ロボット有力メーカー、クーカの買収を契機に警戒が広がり、その後はEU指令等で
投資スクリーニング規制や通商防衛措置の
強化を図っています。米国でも、通商法二百三十二条国防条項や外国
投資リスク近代化法、対米外国
投資委員会などを駆使して外国資本、特に中国資本の動きに警戒を強めています。
総理は、所信で、
日本企業への海外からの直接
投資残高は五年連続で過去最高を更新し、政権発足後に十兆円以上増加したと述べました。そのうち直接、間接、中国資本がどの程度含まれているか、
総理にお伺いします。
また、EUや米国のような外国
投資規制の枠組みとして、現在どのようなことを行い、あるいは今後行う予定があるか、事実
関係と
総理の考えを伺います。
所信の中で、決済のキャッシュレス化を進めることに言及していました。九月に北京を訪問した際、昨年よりも一段とスマホ決済が浸透し、市内では現金決済を拒否される場合が多く、現金をほぼ使わない人は北京人口の約半分と聞きました。
総理は、スマホ決済が進むことは良いことと考えているのか。そうであるならば、それが進まない
日本固有の理由は何か、それを今後どのようにしようとしているのか、お伺いいたします。
スマホ決済に付随して、中国では二〇一五年から芝麻信用、セサミ・クレジット等による個人信用評価サービスも普及しています。決済履歴のみならず、個人の信用、資産、人的情報、
政府データベースとも連動して作成されています。個人の信用格付であり、国家による過度な個人管理とも言えます。国務院が二〇一四年に
社会信用システム構築計画を発表し、セサミ等はその国策と連動しているようです。中国人民銀行は、セサミを含む八社を評価機関に認定し、信用情報を共有しています。
中国系決済システムの普及によって、
日本でもそれに類するサービスが始まる
可能性がありますが、これらに関する
総理の現状認識、今後の
対応方針を伺います。
所信では、第四次産業革命が急速に進む
時代において、新たな付加価値の源泉はデジタルデータですとも述べています。
本年八月にアマゾンのクラウドサービスであるアマゾンウェブサービスが大規模
障害を起こし、決済やSNS、
企業システム等に多大な影響が及びました。事実
関係を伺うとともに、クラウドの
社会的影響が高まる中、同分野への産業、
企業支援策、危機管理策に関する
総理の認識と方針を伺います。
この分野でも中国アリババ系のクラウドが
日本に進出し、グレートファイアウオールを越えられるなどの理由で活用する
企業が増えていますが、
企業情報のセキュリティー上の問題が指摘されています。
ファーウェイと同様に、中国のクラウドインフラが
日本に普及すること、
日本企業が利用することのメリットとリスクを
総理はどのように認識し、どのように対処しようとしているのか、お伺いいたします。
産業の最後に、関電問題について付言します。
エネルギーの安定供給という重要な使命を担う
企業において、現場を守る勤労者や
利用者の信頼を損なう信じ難い不祥事が起きたことは極めて遺憾です。
本件を踏まえた上で、
我が国の
企業、産業、
経済の健全な
発展のために、コンプライアンスやガバナンスの
在り方、法制
強化等について、
総理の所見を伺います。
次に、豚コレラです。
昨年九月の感染確認以来、私の地元愛知県を始め八府県の養豚場に感染が及び、既に約十三万五千頭が殺処分され、養豚農家への打撃は甚大な上、
自治体職員や自衛隊員が防疫作業に駆り出され、心身共に疲弊しています。
国民民主党は、当初からワクチン接種を求めてきました。農水省はようやく接種方針を打ち出しましたが、輸出への影響にこだわり、接種の
検討を遅らせてきた責任は重大です。そもそも豚肉輸出はごく少量です。ワクチン接種ちゅうちょの背景には
政治的圧力があったとの指摘も聞きます。
輸出量及び国内生産量に占める輸出の割合を伺うとともに、初動
対応及び過去一年の
対応、ワクチン接種の判断の遅れ等に関する
総理の認識を伺います。
農水省が
検討しているワクチン接種の枠組みは、国が接種推奨
地域を設定し、当該
地域の知事の判断で接種プログラムを作成、実施するものであり、国の関与は小委員会と相談してプログラムの確認を行う程度です。ワクチン接種は国家防疫と位置付け、地方
自治体の判断に任せるのではなく、国が責任を持って実施すべきと考えますが、
総理の認識を伺います。
また、より深刻な
アフリカ豚コレラが、既に中国、韓国、フィリピン等で発生しています。海外からの病原体の侵入阻止、水際
対策が最大の防御策です。
空港等で活躍する検疫探知犬は、嗅覚を維持する時間に限界があり休憩が必要なこと、犬とペアを組むハンドラーと呼ばれる職員の勤務時間に制約があることなどの問題があります。検疫探知犬は、羽田の五頭を含め、国内八か所の空港等に三十三頭です。探知犬もハンドラーも、徹底した水際
対策を行うには頭数、人数が足りません。
国民民主党は、検疫探知犬の配置充実や持込禁止肉製品の持込み者の入国拒否等、水際
対策徹底のための議員立法を提出しました。抜本的防疫
対策や水際
対策強化について、
総理の認識及び関連法制の見直しの意向を伺います。
次は外交です。
北朝鮮は、短距離弾道ミサイル、新型SLBM等の発射を繰り返し、先週は二年ぶりに
日本のEEZに落下しました。
そうした中、韓国が八月にGSOMIA破棄を決定したため、GSOMIAは十一月二十三日に終了します。直近のミサイル発射に関し、韓国がGSOMIAに基づく情報共有を
日本に要請したと報道されていますが、それは破棄見直しに向けたメッセージではないでしょうか。情報提供要請の事実
関係、
日本側の
対応について、
総理に伺います。
GSOMIA破棄に関して、
日本としても再考を要請しているのか、破棄までに状況が改善する見通しはあるのか、また、実際に破棄された場合の
安全保障上の影響について、
総理の認識を伺います。
水産庁漁業取締り船「おおくに」と衝突した北朝鮮漁船に関し、違法操業を行っていなかったことの根拠、他の北朝鮮漁船に乗務員を引き渡した経緯等について、昨日以降更に明らかになった事実
関係を伺うとともに、事故当時の現場の映像の公開を求めたいと思います。お答えください。
北方四島の返還交渉について、今年一月の
首脳会談以降、
総理の発言が明らかにトーンダウンしています。九月の日ロ
首脳会談の内容を含め、北方領土返還交渉の現状を伺います。
日本の公式な立場を内外に示す本年度版の外交青書において、北方四島は
日本に帰属するという表現が削除され、北方四島の帰属に関する言及がなくなりました。二月六日の予算委員会での私との質疑において、
総理が北方四島を固有の領土と表現しなくなったことには驚きました。
改めて
総理に伺います。北方領土は固有の領土という認識でよいか、固有の領土と表現できないのであれば、なぜ表現できなくなったのか、その理由を伺います。
米国とイランの
関係悪化等を受け、米国はホルムズ海峡の安全確保のための有志連合への参加を各国に呼びかけています。
日本への要請の有無及び
日本のイラン問題への
対応方針を
総理に伺います。
緊迫する香港情勢は中国の内政問題でもあり、関与するには慎重を要するものの、
日本としては中国に平和的解決を呼びかけるべきではないでしょうか。香港情勢に関する
総理の認識と
対応スタンスをお伺いいたします。
国際情勢は一段と厳しい
時代になりました。そうした中、所信の最後で、牧野伸顕外相の一九一九年パリ講和
会議における逸話に言及していました。
日本による人種差別撤廃提案は、当時植民地を抱えていた主要国に反対され、議長の米国ウィルソン
大統領も反対の立場であり、成立しませんでした。しかし、今や国際人権規約を始め
国際社会の
基本原則になったとの史実から、大いなる理想を目指そうという文脈を展開し、なぜか最後は憲法審査会の話に無理につなげています。
文章構成上の努力を多としつつも、大いなる理想を掲げ、目指すというのであれば、一九二八年パリ不戦条約の理想を
世界で初めて条文化した
日本国憲法第九条という大いなる理想を守ろうという文脈の方が素直なような気がします。
誤解を恐れずに申し上げれば、憲法九条のような定めがあっても、為政者の姿勢、国際
環境、
国民の雰囲気等によっては争いになります。逆に、憲法九条のような定めがなくても、為政者の姿勢、国際
環境、
国民の雰囲気によって、争わない国は争いません。象徴的条文として大切にすることも大いなる理想ではないでしょうか。
ちなみに、大久保利通公の子息であり、麻生副
総理の曽祖父でもある牧野伸顕翁は、政界引退後に太平洋戦争を凝視し、戦争に至った原因として、
国民の
政治への関心の低さ、
政府監視の不十分さを指摘したそうです。
その史実を
総理の所信を契機に学んだことを申し上げ、あわせて、週末に
日本上陸が予想される超大型台風十九号への
政府としての備えに万全を期すことを求め、
代表質問とさせていただきます。(拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕