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2019-04-23 第198回国会 参議院 環境委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十一年四月二十三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月十六日     辞任         補欠選任      柘植 芳文君     関口 昌一君      水落 敏栄君     佐藤 信秋君  四月十七日     辞任         補欠選任      滝沢  求君     山東 昭子君  四月十八日     辞任         補欠選任      山東 昭子君     滝沢  求君  四月二十二日     辞任         補欠選任      関口 昌一君     青山 繁晴君      二之湯武史君     三木  亨君  四月二十三日     辞任         補欠選任      佐藤 信秋君     北村 経夫君      世耕 弘成君     宮本 周司君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         那谷屋正義君     理 事                 滝沢  求君                 森 まさこ君                 宮沢 由佳君                 片山 大介君     委 員                 青山 繁晴君                 尾辻 秀久君                 大沼みずほ君                 北村 経夫君                 松山 政司君                 三木  亨君                 宮本 周司君                 芝  博一君                 柳田  稔君                 竹谷とし子君                 山本 博司君                 市田 忠義君                 武田 良介君    国務大臣        環境大臣     原田 義昭君    副大臣        環境大臣    城内  実君    大臣政務官        環境大臣政務官  勝俣 孝明君    事務局側        常任委員会専門        員        星   明君    政府参考人        資源エネルギー        庁資源燃料部        長        南   亮君        海上保安庁警備        救難部長     星  澄男君        環境省水・大気        環境局長     田中 聡志君        環境省自然環境        局長       正田  寛君        環境省環境再生        ・資源循環局長  山本 昌宏君        環境省総合環境        政策統括官    中井徳太郎君        防衛大臣官房政        策立案総括審議        官        辰己 昌良君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○自然環境保全法の一部を改正する法律案(内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、柘植芳文君、水落敏栄君及び二之湯武史君が委員辞任され、その補欠として佐藤信秋君、青山繁晴君及び三木亨君が選任されました。     ─────────────
  3. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事滝沢求君を指名いたします。     ─────────────
  5. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  自然環境保全法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省自然環境局長正田寛君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 自然環境保全法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 滝沢求

    滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。  自然環境保全法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。  四方を海に囲まれた我が国では、海から様々な魚介類の恵みを受け、また物資の運搬場等としても活用し、海洋国家として発展を成し遂げてまいりました。他方、海洋にはいまだ解明されていないことも多く、特に深海は地球上に残された最後のフロンティアとも聞き及んでおります。生命の起源の解明や生物資源開発等、多くの可能性も秘めており、その保全は国際的な潮流にもなっております。  こうした生物多様性の持続可能な利用は、その保全とともに生物多様性条約目的にも掲げられており、いわゆる海洋保護区を含む海洋生物多様性保全についても同条約でこれまで議論がされてきたと認識しております。  城内大臣におかれては、昨年十一月に開催されたCOP14に参加された際、海洋保護区に関する国際的な動向についてどう感じられたのか、伺います。
  9. 城内実

    ○副大臣城内実君) 滝沢委員の御質問にお答えいたします。  滝沢委員指摘のとおり、海洋環境保全は近年国際的な潮流となっておりまして、二〇一〇年に名古屋で開催されました生物多様性条約第十回締約国会議、いわゆるCOP10でありますが、ここにおきまして決定されました愛知目標や、国連総会で採決されましたSDGsでは、二〇二〇年までに各国海域の一〇%を海洋保護区等として保全するとされております。  委員指摘のとおり、私、昨年十一月にエジプトで開催されました生物多様性条約第十四回締約国会議、いわゆるCOP14に出席しましたが、各国閣僚等とその際意見交換をしたわけでございます。その意見交換の中で、愛知目標で掲げられました面積目標を更に超える海洋保護区の設定に大変積極的な国の意見も聞かれました。国際的に海洋生物多様性保全動きが進んでいるということを私自身感じた次第でございます。その結果、日本でもこの取組を推進する必要性を改めて認識した次第であります。
  10. 滝沢求

    滝沢求君 ただいま副大臣答弁の中にもございました、国際的にも海洋生物多様性保全動きが進んでいるということでございますが、我が国海洋生物多様性現状と、生物多様性条約COP10で愛知目標が採択されて以降、実際の保全取組はいかがでしょうか、伺います。
  11. 勝俣孝明

    大臣政務官勝俣孝明君) ありがとうございます。  日本管轄海域には計三万種以上の生物生息しておりまして、そのうち約二千種が固有種であるなど、生物多様性が非常に高い場所となっております。  環境省では、COP10が開催された翌年の二〇一一年三月に、海洋生物多様性保全戦略の中で海洋保護区の設定を推進する方針を示し、沿岸域を中心として国立公園等海洋保護区を設定、拡張してまいりました。  また、環境省では、二〇一一年度から、様々な科学的情報や多数の専門家からの意見を踏まえ、生物多様性条約の生態学的、生物学的に重要な海域、EBSAの基準を基本といたしまして、生物多様性の観点から重要度の高い海域重要海域を抽出いたしまして、二〇一六年に公表するとともに、重要海域保護在り方検討してまいりました。  この検討を経て、新たな海洋保護制度の創設を行うこととして、自然環境保全法改正案を今国会提出いたしました。
  12. 滝沢求

    滝沢求君 ただいま政務官から、二〇一一年に海洋生物多様性保全戦略の中で海洋保護区の設定を推進する方針を示したと、そして取組を進めてこられたというお話でございます。そしてまた、多数の専門家意見も踏まえて重要海域在り方検討し、これらを経て今回の国会提出ということだという説明がございました。  そこで伺いますが、自然環境保全法では既に自然環境保全地域という制度があり、実際に西表島の崎山湾、網取湾において、同制度に基づき海域特別地区が一か所指定をされております。  今回の改正法において新たに沖合海底自然環境保全地域という保護制度を創設する趣旨と、制度の概要についてお伺いをいたします。
  13. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  先ほど城内大臣から御答弁申し上げましたとおり、海洋環境保全は近年国際的な潮流となってございます。二〇一〇年に名古屋で開催されましたCOP10において決定されました愛知目標国連総会で採決されたSDGsでは、二〇二〇年までに各国海域の一〇%を海洋保護区等として保全するとされているところでございます。  我が国は、現在、領海及びEEZの八・三%に海洋保護区を設定しておりますが、これまで沖合域につきましては自然環境保全目的とする海洋保護制度がなく、御指摘崎山湾、網取湾を始め、その多くが沿岸域設定されているところでございます。  そのため、昨年五月に閣議決定されました第三期海洋基本計画におきましては、これまで設定が進んでいない沖合において海洋保護区の設定を推進することとして、環境省がその検討を進めてきたところでございます。この結果、沖合域自然環境保全するため、本法律案におきましては、沖合海底自然環境保全地域指定等に係る制度を創設することとしております。  具体的に申し上げますと、環境大臣は、沖合区域で、海底地形地質又は自然現象に依存する特異な生態系などの自然環境が優れた状態を維持していると認める区域のうち、自然的社会的諸条件から見てその区域における自然環境保全することが特に必要なものを沖合海底自然環境保全地域として指定することとしてございます。  さらに、指定されました沖合海底自然環境保全地域におきましては、改正法に定める海底の形質を変更するおそれがある鉱物の掘採でございますとか探査、さらには海底動植物捕獲等行為につきまして、許可制又は届出制により規制することにより自然環境保全を図ることとしているところでございます。
  14. 滝沢求

    滝沢求君 私の地元青森県には、秋田県にまたがって、世界自然遺産である白神山地がございます。その遺産地域は、白神山地自然環境保全地域指定されていることで保全されているわけであります。しかし、陸地である白神山地でさえ、自然環境状況把握するためには多くの労力を要すると聞いております。  また、沖合生物多様性に関する科学データ陸域沿岸域と比較して少ないと聞きます。沖合現状把握取締りも容易ではないと思いますが、どのように取り組んでいくのか、伺います。
  15. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  まず、委員指摘ございました白神山地管理状況につきまして御説明申し上げますと、青森県と秋田県にまたがります世界自然遺産白神山地は、世界遺産地域約一万七千ヘクタールのうち、およそ八割に相当いたします約一万四千ヘクタールが白神山地自然環境保全地域指定されております。  環境省では、青森県と秋田県のそれぞれに自然保護官事務所を設置し、関係省庁自治体地元の方々の御協力も得ながら、巡視活動ブナ林モニタリング調査入山カウンターによる入山者調査など、世界遺産地域管理を継続的に実施しているところでございます。  御質問にございました沖合海底自然環境保全地域につきましては、まず、現状把握につきましては、沖合海底自然環境保全地域情報収集モニタリング等のために必要な予算や人員の確保に努めるとともに、本法案において、環境大臣関係行政機関の長等に対し必要な協力を求めることができるとの規定も活用し、関係行政機関独立行政法人等とも協力しながら、同地域保全に取り組んでまいります。  なお、環境省では、沖合海底自然環境保全地域管理を的確に行うため、本年度から環境本省海洋生物多様性担当ポストを設置したところでございます。また、御指摘のございました本地域におきます取締りにつきましても、関係省庁と緊密に連携して推進していくことでその実効性を担保してまいりたいと考えております。
  16. 滝沢求

    滝沢求君 今答弁にございましたが、本年度から環境本省海洋生物多様性担当ポスト、これを設けたということでございます。取締役についても、関係省庁と緊密に連携してしっかりと進めていただきたいと思います。  次に、三陸地方でも海底生息する魚介類捕獲する底網漁が行われ、水産資源の供給が行われているほか、日本の海には石油、天然ガス、メタンハイドレートといった海洋鉱物資源も分布しており、今後の開発利用が期待されると認識しております。沖合海底自然環境保全地域では、こうした水産、鉱業による利用とどのようにバランスを確保し、保全を図っていくのか、伺います。
  17. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  沖合域海底生態系保全するためには、海底の攪乱を引き起こす蓋然性が高い行為規制することが必要でございます。このため、本法律案におきましては、沖合海底自然環境保全地域におきまして、鉱物の掘採、探査海底動植物捕獲に係る特定行為規制対象としているところでございます。  一方で、資源開発利用との調整は重要な課題と認識をしております。このため、本法案におきましては、自然環境保全基本方針検討、さらには沖合海底自然環境保全地域指定等につきまして、様々な関係者意見を踏まえ、関係省庁との緊密な連携調整の下で進めていくこととしております。  また、実際の法の運用に当たりましても、関係省庁を始め、各方面としっかりと調整をし、第三期海洋基本計画に掲げられました持続可能な開発利用環境保全との統合的な推進の実現を目指してまいります。
  18. 滝沢求

    滝沢求君 先ほど答弁にもございましたが、しっかりとこの緊密な連携関係省庁との連携、そして調整の下でしっかり進めてもらいたいと、そう考えております。  最後に、海洋生物多様性保全は重要でございます。政府一丸となって、沖合海底自然環境保全地域指定のみならず、指定後の調査モニタリングを含む管理執行にしっかりと取り組んでいただきたいと私は考えておりますが、大臣決意のほどを伺います。
  19. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) まず、お許しをいただきたいんですけど、日頃の不摂生がたたって今日はちょっと声を痛めておりますので、お許しいただきたいと思います。  ただいま滝沢委員の非常に積極的な御意見、また御質問に対して、説明したとおりでございますけれども、この沖合海底自然環境保全地域管理取締りというのは、もう何といっても大事なことは、いかにそれを実効性あらしめるかということでございます。そのためには、お話のとおり、関係省庁と緊密に連携していくということを心掛けたいと思います。  とりわけ、保護区の適正な管理を行うためには指定後の状況把握が重要と考えております。関係行政機関独立行政法人等に対し科学的知見提供等協力を要請するとともに、環境省における科学的調査に必要な予算体制確保に努めてまいりたいと、こう思っております。
  20. 滝沢求

    滝沢求君 ただいま大臣から決意のほどを伺いました。そして、最後に、大臣から、環境省における科学的調査に必要な予算体制確保にしっかりと努めるという決意を伺いました。しっかりとそれを受け止めて、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。
  21. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 立憲民主党民友会・希望の会の宮沢由佳です。質問の機会をありがとうございます。  まず初めに、沖縄ジュゴンについて、前回の環境委員会での質問の後の状況について伺いたいと思います。  死んだジュゴン調査、また科学的調査現状について教えていただきたいと思います。調査がまだでしたら、いつ行うのでしょうか。自治体との今後どのように連携を取っていくのか、環境省、お答えください。
  22. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  先日漂着したジュゴン死体につきましては、現在、今帰仁村において冷凍保管されております。今後解剖等が行われる予定と聞いておりますが、現時点では日程等の詳細は決まっていないものと詳細をしております。  なお、解剖は、今帰仁村から研究機関等協力要請をしており、関係者立会いの下、実施する予定と承知をしてございます。  環境省といたしましては、関係機関の一つとして解剖に立ち会い、死因を始めとする専門家の所見を直接把握してまいりたいと考えているところでございます。
  23. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 迅速にお願いしたいと思います。  次に、防衛省にお伺いいたします。  その他二頭の調査は現在どのようになっているでしょうか。誰がいつ、どのような方法調査を行っているのでしょうか。具体的に教えていただきたいと思います。  加えて、辺野古の埋立工事影響等についても調査しているのでしょうか。調査しているのであれば、その方法も教えてください。
  24. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) お答えいたします。  普天間飛行場代替施設建設事業におきましては、事業者である沖縄防衛局として、現在、ジュゴン生息状況に関する調査を行っております。具体的には、航空機からの目視によるジュゴン生息状況調査水中録音装置によるジュゴンの鳴音調査潜水目視による海草藻場利用状況調査、このようなものを実施しているところでございます。  さらに、この調査につきましては、航空機からの生息確認水中録音装置による観測については調査場所を追加して状況把握していきたいというふうに考えているところでございます。  なお、今委員の方から御指摘がありました二頭のジュゴンでございますが、我々、個体A個体Cというふうに言っておりますが、これにつきましては、工事影響であるとは言えないという状況確認がされていないということでございます。これにつきましては、環境監視等委員会において指導助言を受けているところでございます。  いずれにしましても、このジュゴン保護につきましては環境監視等委員会指導助言をいただきながら進めてきたところでございまして、引き続きこのような対応を取って適切に対応していきたいと思っております。
  25. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 それでは、防衛省は、次の調査結果はいつ頃公表される予定でしょうか。
  26. 辰己昌良

    政府参考人辰己昌良君) これまでも、調査の結果については環境監視委員会説明をした上でその資料を公表してきたところでございまして、今後実施する調査につきましても、環境監視委員会説明した上で適切に対応してまいりたい、このように考えております。
  27. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 このジュゴンの問題、環境省としても、また日本としても大変残念な状況であると思いますけれども、原田大臣の感想を伺いたいと思います。
  28. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) ジュゴンは、環境省レッドリストにおいても、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いとされている大事な希少種でございます。先月、そのジュゴン死体確認されたということは大変残念に考えております。今後の解剖等から解明できることは環境省としてもしっかりと把握してまいりたいと、こう考えております。
  29. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 是非、積極的に調査を進め、また対応を考えていただきたいと思います。  それでは、自然環境保全法改正案について伺っていきます。  まず、海洋保護設定済み現状について、環境省に伺いたいと思います。  八・三%の保護区全てを環境省が一元的に管理しているのでしょうか。全て管理していないとしたら、どの官庁がどのような管理をしているのでしょうか、教えてください。
  30. 城内実

    ○副大臣城内実君) お答えいたします。  我が国海洋保護区は、まず第一に、自然景観保護等、第二に、自然環境又は生物生息生育場保護等、第三に、水産動植物保護培養等目的としておりまして、こうした複数の制度に基づく区域が含まれております。これらの制度は、主目的規制対象は異なるものの、生物多様性保全に資するものとして生物多様性条約等の国際的な枠組みにおける海洋保護区の定義に沿っておりまして、環境省だけではなく、農林水産省といった各所管省庁等が所期の目的を達成できるよう、責任を持って設定管理を行っております。  例えば、自然公園法に基づく自然公園につきましては、環境省海底形状変更等規制しております。また、海洋水産資源開発促進法に基づく指定海域につきましては、農林水産省海底改変等規制しております。このように、所定の法令に基づきまして特定行為規制するとともに、必要に応じ調査巡視も行うことで、海洋保護区の管理を行っているところであります。
  31. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 管理に当たり、国としての統一性を取るために、具体的に各省庁でどのような連携を取っているのか、連携についてお聞かせください。
  32. 城内実

    ○副大臣城内実君) お答えいたします。  海洋生態系に対します人為活動影響を軽減又は回避するために、各海洋保護区におきましては、それぞれの法目的に沿って人為活動規制しているところであります。  政府全体といたしまして、生物多様性確保目的海洋保護区の設定や適切な管理を進めることは、二〇一八年五月に閣議決定されました第三期海洋基本計画に位置付けられておりまして、関係省庁が相互に必要な情報共有をするなど連携調整を図りながら、保護区の指定管理等に当たっているところであります。
  33. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 所管官庁が分かれていれば手続等もそれぞれ違い、また各所管の隙間に生じた問題の対応に関しても、国民がどこに相談すべきか迷うこともあり得ます。国民の立場に立った行政を実現する見地から、環境省が今回の改正を機に全ての保護区に関して一元的に窓口になればよいと思いますが、原田大臣、いかがでしょうか。
  34. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 各海洋保護区の設定管理は、各省庁がそれぞれの制度に応じて責任を持って行っているところであります。環境省としては、各保護区の指定管理が全体として保護区における生物多様性確保につながるように、関係省庁との一層の連携に積極的に取り組んでまいります。  また、二〇二〇年、来年でありますけれども、中国で開催される生物多様性条約、いわゆるCOP15では、新たな生物多様性世界目標ポスト二〇二〇目標が採択される予定でございます。その結果も踏まえ、生物多様性に関する政府基本計画の改定を行うに当たっても、海洋保護区に係る各省庁間の連携をより明確に位置付けていく方向で努力したいと思っております。
  35. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 一元的窓口についてはいかがでしょうか。
  36. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) できるだけそれに近づけるように実際の連携強化をしていくということだろうと思います。
  37. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。是非努力をしていただきたいと思います。  それでは、改正案の中身について環境省に伺っていきます。  三十五条の二第一項の自然的社会的諸条件については、衆議院審議で具体的に環境省から、「自然的条件といたしましては、海山、熱水噴出域海溝等の特徴的な海底地形地質や、こうした自然の現象に依存する脆弱性固有性の高い生態系の有無、また、社会的条件といたしましては、海洋基本計画におきましても、開発利用の面も考慮しつつ保護区の設定に取り組むとされていることを踏まえまして、漁業等操業状況でございますとか資源掘採の可能性等、こういったことを考慮いたしまして、同地域指定を進めてまいりたいと考えているところでございます。」と答弁されています。  その自然的社会的諸条件から見て自然環境保全することが特に必要なものであるか否かはどのように判断するのでしょうか、教えてください。
  38. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  沖合海底自然環境保全地域につきましては、我が国周辺海域生物多様性保全していく上で重要度が高い海域として抽出、公表いたしました重要海域の情報を基礎として、自然的社会的諸条件を考慮して候補地を抽出し、指定を進める予定でございます。  御指摘のございましたこの指定に当たっての必要性の判断についてでございますが、脆弱性固有性の高い生態系の有無でございますとか鉱業や漁業の利用状況等の観点から、一つは専門的な立場から中央環境審議会等の専門家意見を聴くとともに、あわせまして、いろいろ幅広く関係者調整が必要となってまいりますので、関係地方公共団体の長や利害関係者意見聴取、さらには関係行政機関の長との協議を行うなど、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。
  39. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。  三十五条の四第三項の第二号の環境大臣が経済産業大臣の同意を得て定める方法とは、どのような方法でしょうか。
  40. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  沖合海底自然環境保全地域におきましては、海底の形質の変更により沖合海底自然環境保全地域における自然環境保全に支障を及ぼすおそれがある行為特定行為として規制することとしてございます。  そのため、御指摘のあった条文におきまして規制対象とする方法といたしましては、鉱物探査のうち、海底の岩石や土砂等を機器等を用いて集中的に収集する方法である、いわゆる集中的サンプリング法を想定しておるところでございます。
  41. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。  同様に、同条同項の第三号、環境大臣が農林水産大臣の同意を得て定める方法とは、どのような方法でしょうか。漁船のトロールなどは入りますでしょうか。
  42. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  本条文の趣旨につきましても先ほど御答弁したとおりでございますが、御指摘のございました条文において規制対象とする方法といたしましては、海底生息し、又は生育する動植物捕獲し、又は採取することのうち、動力船により動植物捕獲又は採取の用に供されるものを曳航する方法を想定してございます。  具体的には、御指摘ございました漁船によるトロールを含む底引き漁業の一部等が規制対象となるものでございます。
  43. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。  同条第五項、環境省令で定める基準、同八項、環境省令で定めるものとは何でしょうか。
  44. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  まず、第三十五条の四第五項の環境省令で定める基準でございますが、これは沖合海底特別地区における特定行為の許可基準でございます。  具体的には、特定行為に伴う海底の形質の変更が同地区における自然環境保全に支障を及ぼすおそれが少ないものであることに加えて、例えば、鉱物の掘採では適切な環境状況の監視能力を有すること、海底動植物の採取等では他の場所では目的が達せられないこと、こういったことを環境省令で定めることを想定してございます。  また、三十五条の四第八項の環境省令で定めるもの、これにつきましては、沖合海底特別地区における許可等を要しない行為でございます。ここでは、沖合海底特別地区における自然環境保全に支障を及ぼすおそれのない行為を限定的に定めることを予定してございます。  具体的に申し上げますと、区域外から海底下に至る鉱物の掘採のためのボーリング調査でございますとか、科学的調査のための行為、こうしたことを環境省令で定めることを想定しているところでございます。
  45. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 さらに、三十五条の五第五項一号、環境省令で定めるものとは何でしょうか。
  46. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  御指摘ございました第三十五条の五第五項第一号の環境省令で定めるものは、沖合海底自然環境保全地域のうち沖合海底特別地区に含まれない区域における届出等を要しない行為でございます。  沖合海底自然環境保全地域における自然環境保全に支障を及ぼすおそれのない行為を限定的に定めることを予定しておりまして、具体的には、先ほど答弁申し上げました沖合海底特別地区と同様、区域外から海底下に至る鉱物の掘採のためのボーリング調査、さらには科学的調査のための行為環境省令で定めることを想定しております。
  47. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 様々な項目について丁寧に御説明いただきまして、ありがとうございます。  法律案が成立した場合、施行はいつ頃になりますでしょうか。また、施行を踏まえ、見直しを五年とした理由も教えてください。
  48. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  本法案をお認めいただいた場合、附則第一条において、施行期日は公布の日から起算して一年を超えない範囲において政令で定める日としております。具体的に申し上げますと二〇二〇年、来年でございますが、春頃の施行を目指して、政省令の整備でございますとか自然環境保全基本方針の改定作業を進めてまいりたいと考えてございます。  また、御指摘のとおり、附則第五条でございますが、施行五年後の検討の規定を置いてございます。この趣旨でございますが、近年の規制改革等の方針も踏まえまして、また、最近の他法令の例も参照いたしまして、施行五年後に検討を行わなければならないものとしたものでございます。
  49. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 二〇二〇年の春というお話でございました。よろしくお願いいたします。  では次に、法律の実効性担保に関して、環境省と海上保安庁について伺いたいと思います。  外国船舶に関しては、条約を踏まえて懲役刑を科せられないと伺っています。そこで、改正案では罰金刑を科すことにしていると思いますが、違法に採取した鉱物海洋資源の値段が罰金等費用を加えた額よりも大きければ、いわゆる取り得になってしまうのではないでしょうか。この件に関する政府の見解と対応を伺います。
  50. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  今後新たに設置する沖合海底自然環境保全地域においては、許可を受けずに又は届出を行わずに規制対象鉱物の掘採、探査動植物捕獲等行為を行った場合等においては、罰則や措置命令等の対象となるところでございます。  違法行為によって得られる利益がその違法行為に対する罰則よりも大きいような、いわゆる取り得が発生することのないように、罰則につきましては十分に厳しいものを規定しており、十分な抑止効果があるものと考えております。例えば、他の法令等に倣いまして、外国船舶に対しましては従来の罰金の十倍という形で規定をしたところでございます。また、漁業や鉱業に係る活動につきましては、そもそもそれぞれの関係法令に基づいて規制されているところでございます。  関係省庁と緊密に連携して、沖合海底自然環境保全地域管理取締りを推進してまいりたいと考えております。
  51. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 取り得になるおそれは拭い去れませんけれども、罰則を適用するためには前提として違法な鉱物等の採取がないか取り締まるためのパトロール等が必要になりますが、海上保安庁が主として行うことになるのでしょうか。環境省、お答えください。また、どのように取り締まるのでしょうか。環境省、また海上保安庁にもお答えいただきたいと思います。
  52. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  沖合海底自然環境保全地域のパトロール等については、今後、海上保安庁を始めといたします関係省庁と緊密に連携して推進してまいりたいと考えております。このため、取締りに係る手順でございますとか関係省庁との連絡体制についても具体的に整理を行い、効果的な取組を進めてまいりたいと考えております。
  53. 星澄男

    政府参考人(星澄男君) お答えいたします。  海上保安庁では、これまでも我が国周辺海域におきまして、巡視船艇や航空機により各種法令の取締りを行っているところでございます。  具体的な取締り手法につきましては警備上の観点からお答えは差し控えさせていただきますが、海上保安庁におきましては、一般的に、巡視船艇や航空機に搭載されたレーダーや高性能カメラなどの監視機器を活用するなどして、適切な取締りに努めているところでございます。  本法案における違反行為につきましても、環境省連携しつつ、海上犯罪として位置付けられる他の法令違反と同様にしっかりと対応してまいります。
  54. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 海上保安庁に伺います。  更に業務が加わることで、体制を強化する必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
  55. 星澄男

    政府参考人(星澄男君) お答えいたします。  委員指摘のとおり、我が国周辺海域をめぐる情勢につきましては一層厳しさを増しているところであります。そういった中で、海上保安庁におきましては、平成二十八年十二月に関係閣僚会議におきまして決定された海上保安体制強化に関する方針に基づき、法令執行能力や監視能力などを強化するための大型巡視船や新型ジェット機の増強、また必要な要員の確保や教育訓練施設の拡充など、体制の強化を進めているところでございます。  いずれにいたしましても、体制の強化を進めつつ、本法案における違反行為につきましても、環境省連携をしながらしっかりと対応してまいります。
  56. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 よろしくお願いいたします。  体制の強化については、環境省の方はいかがでしょうか。
  57. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  環境省では、沖合海底自然環境保全地域管理を的確に行うため、まず本年度から、環境本省海洋生物多様性担当ポストを設置したところでございます。  引き続き、沖合海底自然環境保全地域管理のために必要な予算や人員の確保に努めてまいります。あわせまして、関係省庁連携にも努めてまいります。
  58. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 では、環境省と海上保安庁の連携について具体的に教えていただけますでしょうか。
  59. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  関係省庁としっかり連携していくことは非常に重要なことだと考えてございます。海上保安庁との連携につきましては、先ほどお答え申し上げましたパトロール等に加えまして、違反行為取締り等も重要であると考えておりまして、今後緊密に連携を図ってまいりたいと考えております。  さらには、沖合海底自然環境保全地域において規制対象となります鉱物の掘採、探査動植物捕獲等については、漁業や鉱業、こういったことと密接な行為であることから、当該業を所管しております農林水産省や経済産業省の専門的知見を踏まえ、相互に連携協力して制度を運用する必要がございます。  このため、本法案におきましては、環境大臣、農林水産大臣及び経済産業大臣が、沖合海底自然環境保全地域における自然環境保全に関する事項について、相互に緊密に連絡し、協力しなければならない旨の規定を新設することとしてございます。このほかにも、本法律案におきまして、協力を求めることができるという規定もございます。  必要に応じて関係する行政機関と緊密に連携して、沖合海底自然環境保全地域管理に取り組んでまいりたいと考えております。
  60. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。連携強化、いろいろな課題があるとは思いますけれども、是非環境省がリードをして、連携強化進めていただきたいと思います。  次に、沖合自然環境調査について伺います。  今回の沖合自然環境調査はどのくらいの規模で行われるのでしょうか。また、愛知目標達成後の沖合などの調査の頻度、スケジュール、予定を教えていただきたいと思います。さらに、愛知目標達成したらおしまいとはならないと思います。最終的にどのくらいの目標を持つのかについても併せてお答えいただきます。
  61. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  これまで、環境省におきましては、我が国管轄海域対象といたしまして、様々な科学的情報の収集や多数の専門家からの意見の聴取を行い、生物多様性条約の生態学的、生物学的に重要な海域の基準を基本といたしまして、生物多様性の観点から重要度の高い海域重要海域を抽出し、二〇一六年に公表してまいりました。当面、沖合自然環境保全地域指定につきましては、こうした知見を通じて、これまでに蓄積してまいりました情報を活用してまいりたいと考えております。  また、指定後の沖合自然環境保全地域管理指定地域の見直しには、引き続き科学的知見を蓄積していくことが重要と認識をしてございます。このため、本法案では、関係行政機関独立行政法人等に対し科学的知見提供等協力を要請することができる規定を新設するほか、三十五条の八という規定で科学的知見の充実を国の責務としているところでございます。  これらを踏まえ、今般の沖合海底自然環境保全地域制度が導入された暁には、沖合における生物の分布データ等の情報収集について、今後とも継続して関係者連携し、積極的に対応してまいります。  また、新たな国際目標につきましては、来年、COP15が開催されます。その場で多様性をめぐる議論でありますとか目標の議論がされると思います。そういったものを踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
  62. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。是非、意欲的な目標を定めていただければと思います。  沖合や深海を含む海底調査するのに際し、環境省調査船や深海に対応できる調査潜水艦を持つべきと考えます。世界の環境問題解決へ向けてリーダーシップを発揮するためにも、必要なら調査潜水艇を持てるような予算を付けるべきと考えますが、来年度は要求しますでしょうか。
  63. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 海洋環境保全を適切に進めるためには、申し上げましたように、海底地形や海流等の物理環境データ、生物の分布データといった科学的知見の充実が何よりも重要でございます。このため、環境省では、科学的調査に必要な予算体制確保できるよう努めるとともに、関係行政機関独立行政法人等に対し、科学的知見提供等協力を要請してまいります。  御指摘のあった調査船等を保有することについては、今のところ現実的には困難だと考えておりますが、まずは関係機関が有する調査船の活用等も検討し、効果的、効率的な調査の実施に努めてまいりたいと、こう思っております。
  64. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 文科省の方にはそういった予算があるかもしれませんけれども、やはり環境省が未来の環境を考えたときに、是非固有にこういったものを活用して、こういったものは、やっぱり深海生物について子供たち大変興味を持っていまして、とても人気のある分野でもございますので、この深海域の情報を子供たちにも伝えながら、環境に対する興味、また環境教育に役立てていただきたいという思いから、是非検討いただきたいと思います。  また、調査の結果は公表されるのでしょうか。未知の生物や貴重な鉱物を発見したなど、子供たちの興味を引くものは積極的に発表していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、調査の機材、方法も子供たちに分かりやすく公表していただきたいんですが、いかがでしょうか。
  65. 勝俣孝明

    大臣政務官勝俣孝明君) ありがとうございます。  ふだん一般の方が目にすることの少ない沖合域海底については、保全対象となる独特な環境状況やその価値を知っていただくために、積極的に情報を発信していくことが必要だというふうに考えております。  最近では、深海生物などを特集したテレビ番組や、また博物館、水族館の展示も見かけるようになりまして、深海への関心の高まりを感じているところでもございます。実は、私の地元の静岡県の沼津でも、この深海に特化した沼津港深海水族館というものがございまして、本当に、子供たちを含め、連日大変なにぎわいを見せているところでございます。  今後、環境省関係機関が実施する調査で得られた新たな発見などの成果については、関係機関連携いたしまして、子供たちにも分かりやすい形での情報発信に努めてまいりたいというふうに思っております。
  66. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。  海のない、私の山梨県でも、沼津の深海水族館が今話題になっているんですね。早く私も伺いたいと思っております。  今回の法改正は、愛知目標達成を図り、達成後も沖合海底等を含む自然環境保全するために必要だと思います。さらに、子供たちの環境教育の観点からも、この機会を積極的に活用してほしいと思います。  最後に、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  67. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 今回の改正は、沖合域対象にした、新たに生物多様性保全の仕組みを創設するものでございます。これにより環境省は、陸域沿岸域から沖合域に至るまで、生物多様性保全について総合的に取り組めるようになります。  豊かな生物多様性は、全ての生命が存立する基盤として暮らしの安全、安心を支えるものであり、世代を超えて受け渡していくことが重要だと考えております。世界的に見ても多様性に富んだ我が国自然環境を次世代に受け渡していくため、子供たちに対する環境教育を促進し、生物多様性保全と持続可能な利用を担う人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
  68. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございました。  質問を終わらせていただきます。
  69. 柳田稔

    ○柳田稔君 おはようございます。  今日は、海洋環境保全、それと資源開発利用調整という観点から質問させていただきたいと思います。  我が国は、大体鉱物資源というのは輸入しています。ところが、その輸入、まあ輸出ですね、相手の国にとってみると、その輸出国というのがいろいろと変化してきていまして、なかなかレアメタルを含めて鉱物資源というのが高くなってきていまして、なかなか難しい問題になっております。  今日は資源エネルギー庁からも来ていただいていますので、現在の鉱物資源、認識、どのように思っているか、まず教えてください。
  70. 南亮

    政府参考人(南亮君) 今先生から御指摘ありましたが、我が国は、メタル、金属鉱物も含めまして鉱物資源を海外から輸入しております。そういう意味でいいますと、こういった鉱物資源をしっかり国内で確保していくということは、非常に重要なエネルギー資源政策の一つというふうに認識をしているところでございます。
  71. 柳田稔

    ○柳田稔君 基本的な考え、分かりました。  例えば、国の名前は言いませんけど、レアメタル、ある国から日本はたくさん買っていました。買っていましたが、その国が経済発展をした。よって、輸出が難しくなったということで、日本は輸入が、なかなか必要なものが手に入らなくなったということもありましたし、例えばアルミにしても、自国で物を作って売るという方向転換をして、日本のアルミというのがなかなか手に入らなくなったということも今起きていまして、なかなか変化をしていると思うんですが、この変化については、エネルギー庁としては何か考えていますか。
  72. 南亮

    政府参考人(南亮君) まさにレアアースにつきましては、数年前にこれはある国の政策が変わりまして、我が国としてもその獲得に困難を生じまして、政府全体で、企業の方々とも連携をしまして対策を講じて、今どうにかなっているという部分もございます。  また、先生御指摘のとおりですが、その他のものでも、なかなか海外のいろいろな不慮の状況などもありまして獲得が難しくなるケースも多々あると思っておりまして、そういった状況にも変化できるように、柔軟な形で、また強靱な形で資源の確保というものを常日頃から用意周到にしておかなければいけないというのは常に資源エネルギー庁としても考えている、また日々行政に励んでいるというところでございます。
  73. 柳田稔

    ○柳田稔君 というところで、海洋における資源というのが重要視されてきていまして、大分資源エネルギー庁としても進めているというふうに聞いております。  そういった中で今回の自然環境保全法改正されるわけでありますけれども、海洋鉱物というと、大体熱床の辺りですよね。そうすると、今回のテーマに上がっている分と大分重なってくるんじゃないかと、そんな気がしているんです。そうはいっても環境も大切ですから、海洋環境保全を図りつつ、海洋資源の持続的な開発及び利用、これが必要だと、これが両立すればいいんだろうと、そう思うんです。  先ほど局長にも答えていただきましたけれども、経済産業省も、今年の二月に今後五年程度の開発計画の方向性を定める海洋エネルギー・鉱物資源開発計画を改定しており、引き続き海洋エネルギー・鉱物資源の開発が進められると、そのように聞いております。一方、環境省の方では、中央環境審議会の答申では、沖合海底自然環境保全地域指定に当たっては、資源開発利用等との調整を図って、社会的選択として候補地選定を行うというふうに聞いております。  先ほども触れましたように、お互いが両立すればいいんですけれども、なかなか両立しない面が出てきますよね。その両立しない面が出てきた場合という言葉を念頭に置きながら、環境省としては、今後の開発環境保全、どのように調整図っていくつもりか、基本的な考えを教えてください。
  74. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  沖合域海底生態系保全するためには、海底の攪乱を引き起こす蓋然性が高い行為規制することが必要と考えてございます。このため、本法案では、沖合海底自然環境保全地域においては、鉱物の掘採、探査等に係る特定行為規制対象としているところでございます。  また、委員指摘のとおり、環境保全資源開発利用との調整は非常に重要な課題と認識しております。昨年五月に閣議決定されました第三期海洋基本計画におきましても、開発利用という面も考慮しつつ、海洋保護区の設定に取り組むとされているところでございます。  このため、本法案におきましては、自然環境保全基本方針の策定や沖合海底自然環境保全地域指定等に当たっては、様々な関係者意見を踏まえ、関係省庁との緊密な連携調整の下で進めていくこととしてございます。個々のケースに当たりまして、しっかりと連携を図っていくこととしてございます。  さらに、法の運用に当たりましても、関係省庁を始め各方面としっかり調整をし、第三期海洋基本計画に掲げられました持続可能な開発利用環境保全との統合的な推進の実現を目指して努力をしてまいります。
  75. 柳田稔

    ○柳田稔君 抽象論はよく分かりました。ただ、世の中はよく両立しない場面が出てくるんですよね。  例えばレアメタルでいうと、もうほとんど日本国内では取れませんよね。輸入に頼るしかない。でも、輸出国の状況が変わると激変するんですよね、今日まで。激変して手に入らなくなると日本の産業はストップしちゃうんですね。例えば携帯でも、ほとんどレアメタルがないとできませんよね。  そういった意味では、資源というのは大変大切なので、そういった観点から考えると、例えば、環境省指定しました、でも調査の結果そこにレアメタルが大量に見付かりました。なかなかこれ採取するのは難しいですよね、簡単ではない。そうすると、何かが起きますよね。環境と相対立しますよね。  そういったときに、どっちに軸足を置くのかというのが気になるんですよ。いや、あくまでも環境保全だというのか、それとも、いや、もうそこにしかないのでそこから採掘するしかない、取るしかない、これが日本の産業や国民生活を守るためだという意見が対立したときに、さあ果たしてどっちが重きが置かれるようになるのかなというのはちょっと心配しているんですが、どうぞお互いに自分たちの考えを言ってみてもらえますか。
  76. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  沖合海底自然環境保全地域につきましては、海洋資源の利用等の状況も踏まえて指定を行いますが、将来的に、そうした指定の前提となりました自然環境の変化でございますとか科学的知見の充実、さらには海洋資源の利用等の自然的社会的諸条件の変化も想定されるところでございます。こうした自然的社会的諸条件の変化が確認された場合には、必要に応じて地域の見直しを行うことが適当と考えております。  こうしたことから、資源開発利用との観点から沖合海底自然環境保全地域の見直しを行うというケースも想定されるところでございまして、この場合には、沖合域における自然環境保全の程度が全体として維持されることが重要と認識しておりますので、しっかりと関係者調整を図ってまいりたいと考えております。
  77. 南亮

    政府参考人(南亮君) 私もお答えさせていただきます。  まさに先生おっしゃるとおり、我が国にとって鉱物資源、海洋鉱物も含めまして大変重要だということはもう繰り返すまでもございませんが、まさに私たちとしてもそういった方針に基づいて新たな鉱床の発見、こういったものに取り組んでいるところでございます。  この調査におきまして海洋鉱物資源の存在が確認された場合には、沖合海底自然環境保全地域指定及び指定の解除並びにその区域の変更の検討に当たりまして資源開発可能性が適切に考慮される必要があると、これは私たちも考えております。  このため、これからの調査におきまして資源が確認された場合には、私たち経済産業省としましては、自然環境保全法の規定に基づきまして、資源が持つ安定供給上の意義ですとか、またその経済的な価値、さらには将来的な意義付け、そういったものも含めまして、環境省を始め関係機関とそれを共有して、沖合海底自然環境保全地域指定や、また指定の解除、こういったものについてもしっかり協議をしてまいりたいというふうに考えております。
  78. 柳田稔

    ○柳田稔君 まあ、そこまでしか言えませんよね。  実際に採掘しようとしたら、深海ですからね、相当の技術開発もあるでしょうし、技術が及ばないまでも採掘しようという思いもあるでしょう。そうすると、必ず何か起きますよね。そうすると、環境保全と対立してしまうということも考えられますので、言葉は適切に調整しますという、その適切というのはよく分からないんだけどね。私は、どちらかというと物づくりの方の出身なもので、必要な鉱物はないとこの国の産業は成り立たない、環境国民の生活とどっちが大切なんだと言われたときに、なかなか難しい課題の一つになるなと、そんな気がしておりますので、しっかりと調整をしてもらいたいし、願わくば、私は国民の生活を守ってほしいなと、そんな気がいたしております。  そういった中で、小笠原の方面で、具体的に言いますと小笠原近辺ですかね、環境省の方も何か指定したいというふうな意向があるように聞いていますし、そして、エネルギー庁の方からのあれでいくと、あの辺にもあるらしいというふうな報告も来ていますよね。となると、直近に考えられるとすると、この伊豆・小笠原海域指定のことが出てくるんではなかろうかと実は思っております。  今後、資源エネルギー庁としてもいろいろ調査を進めると思いますし、そして環境省の方もなかなか、指定したいなという思いも伝わってきますので、どうかしっかりとした調整をしながら、困ったときどうするか、そのときは大臣の出番でしょうけど、いろいろと調整が難しい面もあるかと思いますが、しっかりとした対応をしていただきたいと思います。  終わります。
  79. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 本改正沖合海底自然環境保全地域を創設するもので、生物多様性確保を一層促進し、愛知目標及びSDGsにおいて位置付けられる、二〇二〇年までに管轄圏内の水域の一〇%を適切に保全管理する目的の達成にも資すると考えますので、賛成です。  私の地元、東京の中にあります小笠原諸島周辺では、貴重な海洋資源であるサンゴを狙い、外国船が違反行為を働くという被害があります。本法案によって、外国船における違反行為の抑止効果が更に強化されるようにしていただきたいと思っております。原田大臣に伺います。
  80. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 外国船舶による違反行為に対しましては、国連海洋条約の規定に従いまして懲役等はできないことになっておりまして、罰金刑のみを科すということで、それによって抑止力を維持しようというふうに考えておるところであります。例えば、現行の百万円に対して十倍の一千万円とするなど、罰金額を大幅に引き上げることとしております。  この罰金の引上げ額は、同様に、国連海洋条約の規定に従った他の法律の例に学んだものでございます。この罰則についても、制度そのものや指定地域と併せて、国内外に周知していくことによって抑止力は十分期待できると、こういうふうに考えております。  また、取締りにつきましては、環境省における人員や体制確保に努めるとともに、関係省庁と緊密に連携しながら取り組んでいきたいと、こう思っております。
  81. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。  法によって海洋保護区を定め、直接的な人為活動による生態系への影響を軽減又は回避するということは重要だと思います。それとともに、間接的な人為活動による影響回避も大変に重要だと思っております。  資料一にありますように、近年、海洋中のマイクロプラスチックが生態系に及ぼす影響が懸念をされております。この海洋漂着物に多い漁具、ポリタンク、洗剤容器などのプラスチック製品の排出抑制、回収をどのように行っていくのか、環境省に伺います。
  82. 田中聡志

    政府参考人(田中聡志君) 海岸漂着物などの海洋ごみの中には、プラスチックがたくさん含まれているところでございます。その回収、処理とともに、排出抑制対策の取組が大変重要でございます。  海洋プラスチックごみの、まず排出抑制対策でございますけれども、これまでも3Rの考え方に基づき行ってきたところでございます。プラスチック資源循環戦略案や海岸漂着物処理推進法の改正を踏まえた基本方針の改定案に基づきまして、具体的な対策を更に推進してまいります。  その具体的な対策でございますが、代替素材への転換や、消費者のライフスタイルの変革を促すことなどによりまして、ワンウエープラスチックの排出抑制に努めてまいります。  また、漁具でございますけれども、海洋への非意図的な流出防止のために、日頃から資材を点検していただく、陸域での回収を徹底する、使用済漁具のリサイクルの推進、こうした取組が推進されますように、関係省庁とも連携して取り組んでまいります。  それから、海洋ごみの回収、処理でございますけれども、海岸漂着物等地域対策推進事業におきまして、平成三十年度第二号補正予算で約三十一億円を確保し、平成三十一年度予算の四億円と合わせまして三十五億円を計上しております。これを用いまして、地方自治体による円滑な海洋ごみの回収、処理等を支援してまいります。
  83. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 海洋を漂流するプラスチックの多くは陸から出ているということですが、プラスチック廃棄物を削減する、そもそも発生を抑制していくということが我が国環境政策の重要な柱の一つでもあると認識をしております。明確に目標を定めて、具体的な施策を着実に進める必要があると思っております。  資料二の方には、二〇一三年の我が国のプラスチックのリサイクル処理が、この資料の右端にありますけれども、材料リサイクル、ケミカルリサイクル、また発電やRPFなどの熱回収、そして焼却、埋立てと分けて、それぞれ何トンを処理されているのかということが示されております。削減目標を確実に達成をしていくためには、施策を目標に結び付けて進捗を図れるように具体化すべきというふうに考えております。  プラスチック資源循環戦略の野心的なマイルストーン、これが実現した場合、二〇三〇年の我が国におけるプラスチックの排出、回収、リサイクル処理の量はそれぞれどのように変わるか、環境省に伺います。
  84. 山本昌宏

    政府参考人山本昌宏君) 委員指摘ありましたマイルストーンが実現した場合どのような形になるかということですが、これはプラスチックの3Rが徹底されまして、再生材あるいは再生可能資源が最大限利用されるという形での循環型社会へと移行できると考えております。  具体的には、プラスチックの中で多くを占めております使い捨てのプラスチックにつきましては、累積で二五%のリデュースがされると。それから、残る全ての使用済プラスチックについては有効利用がされると。委員が御提示になりました資料の二でいいますと、この未利用分というのがなくなって全てが有効利用されまして、特に容器包装につきましては六割についてリユース、リサイクルがされるということでございます。  それからさらに、そうして得られた中の再生素材の利用を倍増して、さらに植物由来のバイオマスプラスチックについては最大限約二百万トンの導入を図るということになっておりますので、現状と比べましてドラスチックに変化する内容を達成できるマイルストーンとなっておりますので、この達成に向けて全力を尽くす所存でございます。
  85. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 今、再生素材、バイオプラスチックというお話もございました。代替素材への転換というのは企業の努力、取組というのが非常に重要になってくると思います。  資料三の方に、資源循環に関する企業の取組の例として、環境省で示されているものをお配りさせていただいております。  プラスチックの代わりになる材料を開発して使用したり、またプラスチックを再利用する、特にペットボトルはペットボトルの材料として利用していく等、そういった取組が非常に重要だというふうに思いますけれども、環境負荷が少ない材料や、またその方法を用いて製造された製品というのは、その分コストが高くなる傾向があると思います。環境負荷が高いままコストを安くしている製品、これも出てくるかと思います。そのまま、今のままやり続けるという製品です。  これをどのように公平性を図っていくのか、環境省に伺いたいと思います。
  86. 山本昌宏

    政府参考人山本昌宏君) 御指摘のありましたプラスチックの代替素材ということで、プラスチックの再生材、あるいは紙やバイオマスプラスチックといった再生可能資源、これを使っていく上で、御指摘ありましたようなコスト面あるいは技術面からの課題がまだまだあると考えております。そのため、その普及を図っていくためには、政府による率先調達あるいは技術開発、導入支援などの後押しをする必要があると考えてございます。  このため、プラスチック資源循環戦略案におきましても、技術革新やインフラの整備、それから低コスト化や高機能化等の支援、それからグリーン購入法等に基づく率先的な公共調達、それからリサイクル制度に基づく利用インセンティブ措置などの総合的な需要喚起策を講じることが盛り込まれておりますので、環境省としては、制度でありますグリーン購入、あるいは新規拡充をいたしました様々な支援の予算も活用して普及を後押ししてまいりたいと考えております。
  87. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 国としての努力とともに、消費者の方々にも、環境負荷が少ないので多少コストが高いものであっても買っていただく、選択をしていただくということも、理解がある方々にとっては、それでもいいですよ、協力しますよという場合もあると思います。  実際に、環境を守る取組に熱心なお母さん方から、子供たちの未来のために環境を守っていきたいという、そういう取組をされているお母さん方が集まってお話を伺ったときにも、環境にいいものを私たちは選んでいきたいのでそういう選択肢をつくっていただきたいという、そういう御意見も頂戴したところでございます。  消費者が環境負荷が少ない製品を選ぶために、分かりやすくそれを表示をするということも重要であると思っております。環境省、いかがでしょうか。
  88. 中井徳太郎

    政府参考人中井徳太郎君) お答え申し上げます。  環境負荷の少ない製品を選ぶ際の参考となる取組といたしまして、環境ラベルがございます。環境ラベルとは、例えばエコマークのように環境負荷の少ないことを示すため製品に表示するシンボルなどのことでございます。  環境省では、環境ラベルにつきまして情報収集するとともに、ホームページへの掲載を通じて一般消費者等への周知を行っております。また、事業者に消費者へのより適切な情報提供の在り方について検討いただくべく、環境表示ガイドラインを策定いたしまして公表してございます。  引き続き、こうした取組を通じまして、環境負荷の少ない製品の普及を進めてまいります。
  89. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 環境ラベルということでございますが、資料を配付させていただいております。資料の四枚目から六枚目なんですけれども、これ全部環境ラベルということで、環境省のホームページに御紹介をいただいていました。  済みません、私にはどれが環境ラベルなのかと、これが表示されていたとしても、余りにもたくさん種類があり過ぎて、環境にいいという意味がマークによっては全然分からない、そういうことだなというふうに思ったんですけれども、これ、たくさんあり過ぎて分からないと思いませんか。済みません、率直に。
  90. 中井徳太郎

    政府参考人中井徳太郎君) お答え申し上げます。  実は、環境ラベルにつきましては、国際基準でございますISOに基づきまして、ISOの14024のタイプⅠという第三者機関が認証するというタイプのものと、ISO14021、タイプⅡという、これ、認証を不要として自己宣言をするものと二つございまして、例えばエコマークというものにつきますと、日本におけまして第三者認証がなされたラベルということになりますが、このタイプⅡの自己宣言という枠組みがございまして、その自己宣言で出ているこのラベルにつきましては、環境省として情報を整理してホームページに記載しているという状況でこういうことになってございまして、この国際基準のISOの自己宣言というところにつきましては、政府としてこれを審査するとか、ちょっとそういう枠組みではないという状況の中で情報を整理させていただいているという状況がございますが、今後ともいろいろ御意見いただきながら分かりやすい啓発に努めてまいりたいと思います。
  91. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 マークを付けるだけでは、ラベルを付けるだけでは恐らく分からないので、企業の方がこれは環境にいいんですよ、我が社はこういう取組をしていますということを広報されて、消費者がそれを選んでいくんだろうというふうには思いますので、消費者教育というのが非常に重要になってくるのかなというふうに考えております。  次の質問ですが、使用済紙おむつのリサイクルでございます。  使用済紙おむつ、紙おむつは非常にいい紙の素材を使っているということであります。ただ、紙だけではなくて、いろんなものが使われておりますので、材料リサイクルをするときにはきちんと分解をして、そして、もちろんその前に回収があるわけですけれども、そして、一番いいのは紙おむつから紙おむつの材料にしていくのがいいのではないかというふうに私は思っておりますけれども、コスト面での問題も、ある程度の量が集まらなければいけないというものもありますので、RPF等の燃料にしていくというリサイクル方法もあると認識をしております。  ただ、紙おむつにつきましても、これから高齢社会になっていく中で増えていくということも既に環境省の方で予測をされております。この紙おむつ、焼却、埋立てではなくて、リサイクルを行っていくということが重要だと思っておりますが、リサイクルを行う自治体への支援策を検討していただきたいと思います。いかがでしょうか。
  92. 山本昌宏

    政府参考人山本昌宏君) お答え申し上げます。  御指摘いただいたとおり、高齢化に伴い大人用紙おむつの利用が増加するということも踏まえまして、これ重要な問題だと認識しております。  特に、リサイクル技術、今御紹介のあったような様々な技術を含めた調査、あるいはリサイクルに取り組んでいる関係者、民間の方を含めてですね、関係者に対して、事業化に向けて調査したり評価したり、あるいは実証事業をやったり、あるいは技術開発、こういったことに対する支援ということを既に実施してきております。こういった実績を踏まえまして、環境省におきましては、紙おむつリサイクルに取り組む自治体等に参考にしていただくためのリサイクル手法や取組事例を整理したガイドラインを今年度中に策定するという予定でおります。  また、紙おむつリサイクルにつきましては、今御指摘いただいたように、地域で循環させていくという意味では環境省で進めております地域循環共生圏の構築にも資するということにありますので、こうした観点からも、自治体の実施する実現可能性調査、いわゆるFS調査の支援事業と、こういったことも実施しているところでございます。  こうした取組を通じまして、環境省として地域における紙おむつリサイクルの普及促進に努めてまいりたいと考えております。
  93. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 またプラスチックの話になりますけれども、プラスチックを利用した各種サービスに関する市民アンケート調査というものを環境省が発表しておりますけれども、進めていくべき、協力できると思う取組の中に、生鮮食品容器の簡易包装化、紙包装化、またコンビニのレジ袋有料化、あるいはイベント会場等におけるリユース容器の使用というようなものもございました。  過剰包装につきましては国としてどのように取り組むか、伺いたいと思います。  よくデパートの地下などに行きますと、一個一個、保冷剤を入れて、ビニールでくるんで、更にデパートの二重の紙袋に入れてとか、すごく丁寧にやっていただくんですけれども、そこまでしなくていいんですけれども、もうそれが当たり前になってしまっている中で、なかなか断る隙もないような、そんなような状況になっていたり、あるいは、汁物についてはやはりビニールで包まなきゃいけないので、レジ袋要らないですと言っても、結局ビニールで包むというようなことになったりもします。  この過剰包装の削減のためにどのように国として取り組むか、伺いたいと思います。
  94. 山本昌宏

    政府参考人山本昌宏君) 過剰包装に関しましては、これまでも容器包装リサイクル法に基づきまして小売業者に簡易包装等のリデュースの取組を要請してきたということでございますが、まだまだ取り組む必要があるということで、プラスチック資源循環戦略案の中におきましても、重点戦略として不必要な容器包装の使用削減の具体策を盛り込んで、さらにワンウエープラスチックの排出抑制のマイルストーンを盛り込むということで、これをもってしっかりと関係者で取り組んでいこうという方向性を示してございます。  さらに、最近では店頭に商品を陳列しない形でインターネット通販などでのEコマースの分野というのも伸びておりますが、こういったところでは、店頭販売でこれまで使われてきたプラスチック製のラベルあるいは包装資材の使用そのものをやめるといったような我が国発の革新的取組も進みつつあるということでございます。  こういった取組は、我が国のみならず世界の容器包装削減にも貢献すると考えておりますので、今後はこうした取組をG20の機会を通じて広く発信していくということを通じてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  95. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 今、G20というお話ありましたけれども、海外に発信をしていくという意味におきましては、本年のラグビーワールドカップ、また明年の東京オリンピック・パラリンピックのイベントには海外からたくさんのお客様がいらっしゃいます。そこで販売される飲食料品の容器また食器、これにワンウエー容器を減らす、使い捨ての容器を減らすためにどのように取り組むのでしょうか。
  96. 山本昌宏

    政府参考人山本昌宏君) 今御指摘のありましたラグビーワールドカップあるいは東京オリンピック・パラリンピックといった大きなイベントにつきましては、これはやはりリユース容器を可能な限り利用し、利用できない場合はリサイクルと、そういった方針を具体的に定めているということで承知してございます。  それから、環境省では、昨年からプラスチック・スマートということで、プラスチックを賢く使うというキャンペーンを展開しておりまして、こういった中にもリユース容器の貸出し、あるいはイベントで使用している団体なども多く参加、登録をしていただいております。  今後、環境省自身としても、環境省主催のエコライフ・フェアなどではリユース容器を積極的に利用するということもやっておりますので、そういった自身がやることはもとより、先ほど御紹介したような各種のイベント主催者に向けてリユース容器、関連団体等の優良な取組といったようなものについてしっかり情報提供を行うなどによりまして、使い捨て容器の削減を推進してまいりたいと考えております。
  97. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 リユースもリサイクルも回収が必要でございます。回収のインセンティブを与えるために、デポジット制によって確実な回収を促進すべきと考えます。今おっしゃられたような環境省の主催のイベントで是非それをやっていただきたいと思います。いかがでしょうか。
  98. 山本昌宏

    政府参考人山本昌宏君) 先ほど御紹介しましたエコライフ・フェアなどのリユースの取組というところでは、ある意味そういった形で取り組ませていただいておりますが、そういった回収が重要という御指摘は本当にそのとおりでございまして、その点につきまして、プラスチック資源循環戦略案の中でも、回収拠点の整備、店頭回収、拠点回収の推進、それから、さらには最新のIoT技術も活用した、より回収が進む方法を幅広く検討することということが盛り込まれておりますので、御指摘いただいた点を含めて、しっかりと幅広く検討を進めて回収促進に努めてまいりたいと考えております。
  99. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。  最後に、宮古島に漂着しました廃油ボールの回収状況、これは海洋生態系への影響が懸念されます。この影響、また原因について伺いたいと思います。
  100. 田中聡志

    政府参考人(田中聡志君) お答え申し上げます。  本件につきましては、四月十四日頃から沖縄県宮古島に油状物が漂着するようになったと十七日に通報がございました。十九日に宮古島市、陸上自衛隊宮古島警備隊、宮古島海上保安部等が連携をして除去作業を実施し、同日の午後五時時点でこれまで認められた油状物は全て除去されたというふうに海上保安庁から聞いているところでございます。それで、昨日の時点で当該油状物の漂着による環境への影響に関する情報は確認されていないということでございます。  当該油状物の漂着の原因でございますけれども、海上保安庁で調査がなされていると承知しておりますが、現時点では不明ということでございます。  引き続き、関係機関連携をして対応をしてまいります。
  101. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 しっかり原因を調査をして、これからいろんなところにそういうことが起きると大変なことになりますので、対策をしっかりと取っていただきたいと思います。  終わります。
  102. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  私も少し似た質問になる可能性ありますけど、そこは御容赦いただければと思います。  それで、今回の法改正は、九年前の生物多様性条約締約国会議で採択された愛知目標がきっかけになっていると。それで、来年まで、二〇二〇年までに管轄海域の一〇%を海洋保護区に設定することが求められているんだけれども、日本は今のところまだ八・三%にとどまっていると。そうした中での今回の法改正をしようという話なんですが、アメリカやイギリスは既に四〇%を超えていると。全世界の国家管轄権内の水域では既に一七%が海洋保護区に設定されているのに、日本は遅れてきたと。  これ環境省に聞いたら、日本は三年前に重要海域というのも公表して検討を行ってきた、だからそんな遅くない、世界もこんなものだと言っているんですが、数字から見るとやっぱり日本は遅れてきたと思うんですけど、日本でのその制度設計が遅れた、制度整備が遅れてきた理由についてまずお伺いしたいと思いますが。
  103. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 海洋保護区の設定各国に委ねておりまして、諸外国との進捗を一概に比較するということはできないと思いますけれども、私は率直に、今委員が言われたように、やっぱり世の中の流れにしっかり沿って頑張らなきゃいけないなと、私はそう思っております。  環境省では、お話にもありましたように、一〇%の国際目標設定された、これ愛知目標、二〇一〇年でありますけど、翌年の二〇一一年度から様々な科学的情報専門家からの意見を踏まえていわゆる重要海域生物多様性の観点から重要度の高い海域を抽出いたしまして、二〇一六年に公表したところであります。その後、沖合域に適用できる自然環境保全目的とする制度がそれまでなかったものですから、これらの地域保護在り方検討するための調査等を行ったところであります。この結果も踏まえて、二〇一八年度には、沖合における海洋保護制度について、専門家等の意見を踏まえて中環審で答申をいただきました。  このように、海洋保護区の指定に向けて丁寧なプロセスを継続して進め、本国会改正法案を提出したところでございます。
  104. 片山大介

    ○片山大介君 それで、これまでのその海洋保護区、日本の八・三%の内訳見ると、これ先ほど宮沢委員からもちょっと指摘があったですけれども、自然景観保護などを目的にした保護区が〇・四%、それから自然環境又は生物の生育、生育場保護などが〇・一%、水産生物保護培養などが八・一%。要は、これまでは漁業活動を前提とした水産資源保護に重点を置いたというか、そこに主眼をした、設定されたものがほとんどだったと。  これ、生物多様性条約における海洋保護区の定義は、海洋生物多様性が周辺よりも高いレベルで保護されている効果を有する区域、要は海洋生物多様性確保に力点を置いてきた。これ、先ほど副大臣答弁だったと思いますが、条約趣旨にこれまでの日本海洋保護区、これが合致してきていると言っているけど、これ読むと余り合致もしてこなかったように思うんですが、これについてどのようにお考えでしょうか。
  105. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) どのような地域海洋保護区に当たるかというのは、生物多様性条約COP7、締約国会議における海洋保護区の定義や、同会議で活用を促す決議がなされたIUCNのガイドラインに沿って整理をされているところであります。具体的には、我が国は、自然景観保護自然環境又は生物生息生育場保護水産生物保護、様々な目的をそれぞれの法律に基づいて整理をしているところ、海洋保護区として位置付けているところでございます。  これまで、沿岸域については国立公園の指定等により適切に保全を図ってまいりましたけれども、沖合域については限定的な取組でございました。今回の法改正により沖合海底自然環境保全地域指定することで自然環境保全を一層進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  106. 片山大介

    ○片山大介君 だから、これまで日本ではなかなかできていなかったところを今後これからやっていこうというのだから、是非これはもう積極的にやっていただきたいのと、これ、くれぐれも愛知目標一〇%達成のためだけのものにならないようにしてもらいたいなというふうには思います。  それで、この沖合海底自然環境保全地域指定ですけれども、これ私ちょっと分からないのが、これは何で海底だけに着目しているのかなというか、生物の中には、海底だけじゃなくて、同じ沖合の表層だとか中層だとか回遊している生物も多いわけですから、もしこれ、自然環境保全ということを多様性の観点からやるというのであれば、その表層や中層の自然環境にも着目した保全地域設定というのも必要なんじゃないのかなと思いますが、ここら辺についてはどのようにお考えでしょうか。
  107. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 御指摘のように、表層、中層にもたくさんの生物がおるわけでありますけれども、沖合域海底には特異な生態系生物資源が存在しており、沖合海底自然環境保全地域におきましては、当該生態系等を保全するため、海底を攪乱するおそれのある行為を許可等の対象とすることとしております。  表層、中層の海洋生態系保全については、これまでも関係省庁による資源管理や種レベルでの保存、管理等目的に既に行われており、今後も引き続きこの面からも関係省庁連携して取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
  108. 片山大介

    ○片山大介君 そうなんです。だから、この点は関係省庁とのやっぱり連携になってくるところですよね。だから、それは是非やっていただきたいと思います。  それから、今回の沖合海底自然環境保全地域、これ、取りあえずは今、小笠原方面の沖合域指定して、それで取りあえず一〇%を確保しようという考えだというふうに聞いておりますけれども、それ以降、その後また新たに指定する、検討する候補地というのはどのようにお考えになっているのか、教えていただけますか。
  109. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 御指摘のように、当該目標目標年次である二〇二〇年が近づいている状況の中で、我が国海洋保護区の設定は八・三%にとどまっており、まだ愛知目標の達成には至っていないところであります。このため、沖合域での海洋保護区を設定できる制度を今回創設することで、まずは確実に一〇%の目標を達成し、自然環境保全を図ることが重要と考えているところであります。  あわせて、我が国は、愛知目標の下で進められている取組が更に発展して継続的に行われるように、COP10議長国として、来年開催されるCOP15、これは中国で行われますけど、新たな目標の議論に積極的に貢献していきたいと、こういうふうに思っております。将来的な海洋保護区の設定については、その結果も踏まえて検討調整を進めていきたいと、こういうふうに考えております。
  110. 片山大介

    ○片山大介君 今大臣が言われた来年中国で行われるCOP15ですか、そこではポスト愛知目標の採択も行われるというふうにも言われていますよね。  だから、そうすると、同じようにまた数値目標が出てくるようになると思いますが、そうするとなかなかこれ、きちんとまた計画的にやっていかないと、後々でやっていくようになるのは余りよろしくないかなというふうに思いますが、そこら辺はどういうふうにお考えですか。
  111. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) まさに来年のCOP15におきましてはポスト愛知目標の話も当然出ようかと思っておりますけれども、ただ、あわせて、私どもはこの愛知目標をいかにフォローアップしていくかと。日本自らもまだ十分それを達成していないという状況でありますから。  実は先週、私も含めて、中国との経済閣僚会議がございました。環境大臣ともしっかり議論したときに、このCOP15、今まさに検討中でありますけど、日本意見是非くれというお話もありましたし、私どもも、愛知目標のフォローアップをこれからしっかりまた中国の側にも、事務局の側にも、これを考えていこう、訴えていこうと、こういうふうに思っております。そのことによって、日中の、また日本と他国との協調関係、協力関係を進めていきたいと、こう思っております。
  112. 片山大介

    ○片山大介君 是非頑張っていただきたいと思います。  それで次に、私、特定行為について聞きたいんですけれども、この特定行為自然環境保全資源開発の兼ね合いがいろいろ難しくなってくるのかなというのはやっぱり聞いていて思います。  それで、例えば鉱物の掘採、よく例に挙げられていますが、これは許可が必要、許可を得ることが必要となる行為なんですけれども、例えば、この沖合海底自然環境保全地域指定されたところで既にその掘採がもう決まっていた場合なんかはどのようになるのか、これケースとして教えていただけますか。
  113. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 沖合海底自然環境保全地域は、自然的社会的条件から見てその区域における自然環境保全することが特に必要なものを指定することとしております。この社会的条件として、漁業等操業状況、資源掘採の可能性等を考慮することとしております。  漁業等が既に行われている場合であっても、具体的な利用実態や自然的条件を総合的に勘案して、個々のケースに応じ、指定の適否等を検討することとしております。
  114. 片山大介

    ○片山大介君 そうなんですよね。それで、中環審の答申なんかも読むと、海洋保護区で商業的な資源開発利用検討される場合は、限定的に資源開発利用のために海洋保護区の指定解除を行うことも考えられると書いてある。  だから、要は、自然環境保全資源開発利用、どちらに主眼が置いているか分からないというか、法律の本来の趣旨は、保全すべき地域指定する、そして、そこで環境影響を及ぼすおそれがある行為については規制するというのが法律の流れだと思うんだけれども、そこがちょっと不透明になっちゃうんじゃないのかなと思うんですが、そこら辺はどのようにお考えですか。
  115. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) これはいろいろな側面において調整が必要ということで、先ほどのお話の中でも、適切な更に調整が必要だということだろうと思っております。  この自然環境保護につきましては、仮にそれが縮小されるようなことがあるとすれば、それは全体として面積なりなんなりが維持されるように、減らないように、そういうことを前提として、かように産業開発なり利用の観点から調整を図らなければいけないなと、こういうふうに思っております。  指定の見直しに当たっては、あらかじめ学者、学識経験者等で構成されております中環審の意見を聴くこととしており、客観性が担保できるものと、そういうふうに考えているところであります。
  116. 片山大介

    ○片山大介君 だけど、環境省の立場としては、やはり資源開発よりも環境保全の方にもちろん力を入れた形で各省庁ともやっていかなきゃいけないという大前提があると思いますが、そこをどのようにお考えですか。
  117. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) それは、基本としてとにかく私どもが心掛けなければならないことだと思っております。  この調整の問題というのはどんな分野でも起こり得ますけど、私ども環境省としては、まさに環境保護ということを最大限に叫ばなきゃならないと、こう思っております。
  118. 片山大介

    ○片山大介君 是非頑張っていただきたいです。  それで、あと、指定後の課題もちょっと聞きたいんですけど、その自然環境保全のために、これ先ほど大臣も言われましたけれども、指定後も情報収集を継続していくこと、それでデータ蓄積して、それからきちんと調査研究をしていく必要があると。特に、その特定行為が行われた後は、自然環境影響について、影響がないか、モニタリングとか経過観察も必要だという話なんですけれども、これ実際に、だけどこれが、本当にこれやるには広い範囲にわたって、調査船も出して、人も金もと、これはさっき同じような質問も出たんですけど、これ本当にやれるのかどうか。あと、これ法の施行が、今回成立すれば来年施行になるんだと思うんですけど、そこまでにある程度対策というのをしっかりとつくるのかどうか。  ちょっとそこら辺、やるやるじゃなくて、具体的な計画どのように見ているのか、教えていただけますか。
  119. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) まさに法律を作っていただいた以上は、当然のことながらやる覚悟でやらなきゃいけないと思います。環境省としては、科学的調査に必要な予算体制確保できるように最大限の努力をしていきたいと思っております。  また、本法案では、関係行政機関独立行政法人等に対し科学的知見提供等協力を要請することができるようになりますし、また、科学的知見の充実を国の責務として規定を新設することとしております。  これらを踏まえて、今般の沖合海底自然環境保全地域制度が導入された暁には、同地域情報収集調査について、関係者連携して万全の対策が取れるように努力したいと思っております。
  120. 片山大介

    ○片山大介君 じゃ、是非施行までに、そこは目に見える形で我々にも報告していただけるように頑張っていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  121. 武田良介

    ○武田良介君 日本共産党の武田良介です。  本法案は、自然環境保全法改正し、沖合海底域の貴重な生物多様性のある区域保全区域指定をする、保全計画を策定していくものであります。一〇%以上を指定しようとする条約を果たすために必要なものだというふうに承知をしております。小笠原諸島の海域指定し、一〇%を超えていく、これ自身は必要なことだというふうに思っております。  最大の懸念は、今もお話がありましたけれども、今後行われるかもしれない海底資源の開発行為に対して、今回の法改正によって保全地域指定することが実効性ある保全になるかどうかということであります。  第三期海洋基本計画では、海洋の産業による開発利用、また海底資源開発利用に考慮をして、保全利用の両輪で進めていく方針となっていると。よって、この法改正では、予防的広がりを持って保全地域指定し、順応的管理を行うと。これが、この環境省の今回の法律案の概要の説明にもあることだと思います。で、小笠原の海域指定する、ただ、その小笠原の後、その後の見通しはないというふうにもお聞きをしております。  予防的広がりを持って指定すると言うけれども見通しはなくて、指定しても、例えば農水だとか経産省との調整をしながら順応的に見直しをしていくと。これで海底自然環境生物多様性、守れるんでしょうか。正田局長
  122. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  海洋保護区の設定に当たりましては、今後の海洋の産業による開発利用にも考慮することとしてございます。これは、委員指摘のとおり、第三期海洋基本計画にも位置付けられているものでございます。  一方で、一旦設定されました保護区につきましては、保護区の総面積でございますとか自然環境保全の程度を縮小、低下させるような見直しを原則として行うべきではないとされておりまして、この点は中央環境審議会からも同様の答申を受けているところでございます。  このため、産業による開発利用の観点から、沖合海底自然環境保全地域の見直しを行う場合には、沖合域における自然環境保全の程度が全体として維持されることを前提とすることが適当と考えておりまして、この点につきましては関係者としっかりと調整をしてまいりたいと考えております。また、指定の見直しに当たりましては、あらかじめ、学識経験者で構成されております中央環境審議会の意見、これは専門的な御意見を聴くこととしてございます。  そういった観点からも、生物多様性保全は図れるものと認識をしてございます。
  123. 武田良介

    ○武田良介君 保全が前提、原則としては守らなければいけないという趣旨答弁ありましたけど、原則としてはということで、実際、見直しは見直しということでされるわけです。  富山湾を例にちょっとお話しいただきたいんですが、環境省は、先ほどもお話に出てきました重要海域にこの富山湾も選んでおられます。そこで、正田局長に簡潔に分かりやすく御説明いただきたいんですが、重要海域とは何かということと、富山湾を選んだ理由ですね、そこの生物多様性だとか、その重要さについて簡潔にお願いします。
  124. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  まず、重要海域についてでございますが、環境省では、生物多様性条約第十回締約国会議COP10が開催された翌年の二〇一一年度から、我が国周辺海域生物多様性保全していく上で重要度が高い海域、これを主な重要海域として抽出をいたしまして、二〇一六年に公表をしてございます。  この重要海域についてでございますが、様々な科学的情報や多数の専門家からの御意見を踏まえまして、生物多様性条約第九回締約国会議にて示されました生態学的、生物学的に重要な海域の基準を基本といたしまして、例えば、固有種の分布等に着目いたしました唯一性又は希少性など八つの基準に基づいて抽出をしたものでございます。この結果、沖合海底域に関する重要海域につきましては、合計三十一か所、総面積百万平方キロメートルを選定したところでございます。  また、委員指摘ございました富山湾についてでございますが、富山湾、富山海底におきましては、富山湾内の急峻な地形に加えまして複数の丘陵を含み、これらの丘陵には海山も存在する、こういった地形的な特徴がございます。また、冷水性サンゴを始めとする脆弱な生態系も認められているところでございます。こうしたことを踏まえまして、重要海域の抽出基準のうち、先ほど申し上げました唯一性又は希少性でございますとか、人為活動等による影響を受けやすいといった脆弱性、感受性又は低回復性等の基準に照らして選定を行ったものでございます。
  125. 武田良介

    ○武田良介君 唯一性又は希少性、脆弱性、感受性又は低回復性等々、御説明いただいたような重要なものがあると。  私もお聞きをしましたが、この富山湾はベニズワイガニだとかバイガイなどを漁獲する籠漁というのも行われている。一方で、メタンハイドレートも見付かり調査が行われていると。この開発がされるとなれば、漁獲もされているベニズワイガニ、バイガイなどの生息地と重なるということもこれ実際に指摘をされております。日本海では、このメタンハイドレートを食べる微生物がいて、その微生物を食べる生物もいて、そういうカニもいてということで、生物多様性が豊かであるということが分かってきているんだというお話も、私お聞きをしてまいりました。  このメタンハイドレートの開発は、メタンガスの漏えいだとか海底の地すべりだとかそういったことを起こし得る、影響が大きく懸念されるということを聞いているわけですが、この富山湾でのメタンハイドレートの開発生物多様性を著しく損ねることになるんじゃないでしょうか。正田局長
  126. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  上越沖、富山湾、佐渡西方海域につきましては、経済産業省が平成二十五年から二十七年度にかけて実施をいたしました表層型メタンハイドレートの資源量把握に向けた広域的な地質調査の結果、メタンハイドレートが存在する可能性のある地質構造が確認されたと承知をしておりますが、現在の段階で申し上げますと、表層メタンハイドレートにつきましては、まずはこれを回収する技術の調査研究の段階であると伺っておるところでございます。  また、本年二月に経済産業省が改定いたしました海洋エネルギー・鉱物資源開発計画において、生産技術の開発と並行いたしまして、こうした鉱物資源の開発を行う際の環境影響評価手法の研究や海洋研究調査に取り組むこととされてございます。  海洋生物多様性影響にも配慮した形で、今後、表層型メタンハイドレートの開発が進められることになるものと承知をしております。
  127. 武田良介

    ○武田良介君 今御説明あったこと、私も事前にもお聞きをしましたけれども、だから前段階の調査といいますか研究をしている段階だということですよね。二〇二三年からだったですかね、民間の方もそこに入って、実際に開発ができるかどうか調査研究を始めていきたいというふうな話もお聞きをしておりますので、十分に対応できるというお話をされるんですけれども、本当にそうなんだろうかと。  確かに、その法案では、保全地域指定に関してだとか特定行為の規定に関して、それから特別地域での特定行為の許可、それから違反が疑われるような場合の最終的には中止命令なども含めて、これはやはり環境大臣に権限が一定与えられている、そういうものになっているとは思うんですが、富山湾は、環境省重要海域指定するような生物多様性が豊かな海域だと先ほど御説明いただいて、漁業関係者の皆さんもその主体となって環境改善が図られてきた海域だというふうに思うんですね。  そういうことを踏まえれば、まずこの富山湾の生物多様性保全するために、本法案指定できることとなる保全地域指定すべきじゃないかというふうに思うんですけど、大臣はいかがですか。
  128. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 先ほどの説明にもございますけれども、中央環境審議会からの答申を踏まえまして、まずは小笠原方面の沖合域を優先的、先行的に検討するということが私どもの今の考えでございます。  一方で、将来的な海洋保護区の在り方については、二〇二〇年、来年に中国で開催されるCOP15において行われる議論や、また同会議で決定されるであろう二〇一〇年以降の新たな目標も考慮しながら今後検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。  いずれにいたしましても、この自然保護とまた開発に向けての様々な議論、これは当然のことながらしっかりとした調整が必要になろうかと思います。そのためには、環境省としては、何としても自然保護という大原則をしっかりまた踏まえてこの調整に当たりたいと、こう思っております。
  129. 武田良介

    ○武田良介君 局長からも大臣からも中環審を踏まえてという答弁があったんですけど、その中環審の答申で、見直しを行うことも可能だと。その保全地域指定されていても、メタンハイドレート、例えばですね、その開発があれば見直しもやっていくんだということがその答申でも言われているわけですから、保全していくということが前提だという答弁はあるけれども、その心構えだけではこれはやはりならないというふうに私は指摘をさせていただきたいというふうに思いますし、今答弁あったとおり、自然環境保全が維持されるということが前提だと言うわけですが、本改正案保全地域にしたならば、しっかりそれを守っていくという大臣の姿勢、決意ということがどうしてもなければ、これは、指定はしたけれども、やはり開発があるから、結論、守れませんでしたというふうになってしまいますので、ちょっとそこのところ、大臣、いかがですか。決意、姿勢という点が必要だと思いますけど。
  130. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 当然のことながら、この保全地域として指定した以上は最大限それを守らなきゃいけないと、こういうふうに思っております。  同時に、この見直しを行うということの必要性が将来出てこないとも限らないわけでありますから、その場合には、資源開発利用の観点からこの沖合海底自然環境保全の見直しをどうしても行わなきゃならぬ場合には、沖合域における自然環境保全の程度が全体としてしっかりと維持されるようなことを方針として維持していくことが必要ではないかと、こう思っております。
  131. 武田良介

    ○武田良介君 先ほどの質疑じゃないですけれども、環境省基本的な仕事とすれば、やはり生物多様性、そこの環境保全ということが基本なわけですから、その部分を譲るわけにはいかないと思うんですけど、見直していくことがもう指定される前から既に念頭に置かれているという、こういう状況ですから、本当に私は今環境省の姿勢を問いたいというふうに思うんです。  その姿勢を問うということに関連して、ジュゴンの話を私からも質問させていただきたいと思います。  ジュゴンの死骸が、三月十八日、沖縄県の今帰仁村に漂着をしたと。生存が確認をされていた三頭のうち一頭が亡くなったという現状があるわけです。この事態を受けて、環境省が行ってきたこの海域における生物多様性保護希少種保護のための取組はどうだったのかということを質問させていただきたいというふうに思います。  沖縄の本島周辺では、確認されてきた三頭のうち一頭が亡くなり、二頭は今どこにいるか分からないという状況だと思いますけれども、また、最近では、南西諸島で親子と見られるジュゴンが目撃されていたということもありますが、いずれにしても、日本ジュゴンは数える程度になってしまっているということだと思うんですが、まず環境省にお伺いしたいと思いますが、ジュゴンを守るためにこれまでどんな取組をされてきたのか。
  132. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  ジュゴンは、環境省レッドリストにおいて絶滅危惧ⅠA類、すなわちごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い種に選定をされてございます。このジュゴンにつきましては、まず生息状況について把握する必要があったことから、環境省におきましては、平成十三年度から十七年度にかけましてジュゴン生息数を把握するための航空調査や藻場の調査等を行いました。  その調査結果等を踏まえ、近年は生息数が極めて少なくなっている中、一九九〇年代以降、漁網や定置網による混獲が相次いだことから、まずは漁網による混獲事故を未然に防ぐことが一番重要であると考え、網に掛かってしまったジュゴンの救出訓練でございますとか、漁業とジュゴンの共生できる地域づくりを目指して、漁業者を含む地域住民の理解を得るための普及啓発活動や、漁業者によるジュゴンのはみ跡のモニタリング調査等を実施してきているところでございます。  また、昨年度は、これは委員から御指摘ございましたが、これらの取組に加えまして、近年調査が行われていなかった先島諸島の周辺のジュゴン生息状況について、漁業者、観光事業者、有識者、行政機関等にヒアリングを行い、この中でジュゴンの目撃情報等の収集を行ったところでございます。  環境省としては、引き続きこれらの取組を実施していく考えでございます。
  133. 武田良介

    ○武田良介君 まずは漁網に掛かってしまうようなジュゴンもいるからその対策をということが今答弁にありましたが、今説明のあったようなことだけで本当によかったのかということを思っているわけであります。  種の保存法は一九九三年に成立をいたしました。これは国内希少野生動植物種、まあ国外もありますけれども、指定をし、指定されればその生息域を保護するように指定することができる法律だと思いますが、やっぱりこの種の保存法でジュゴンをしっかりと指定をして保護をしていくということが必要だったんじゃないかというふうに思うんですが、これ、今も指定をされていないわけであります。  生息域を保護するために速やかに指定すべきだったと。なぜ今に至るも指定していないのか。正田局長、いかがですか。
  134. 正田寛

    政府参考人正田寛君) お答えいたします。  ジュゴンにつきましては、国内的には鳥獣保護管理法の対象になってございます。個体の捕獲、殺傷が原則禁止とされているところでございます。また、国際的に申し上げますと、ワシントン条約において附属書Ⅰに掲載されておりまして、商業目的での取引が禁止されております。  こういったことを踏まえますと、既に必要な規制はなされているということを考慮いたしまして、国内希少野生動植物種に指定をしていないところでございます。
  135. 武田良介

    ○武田良介君 私は、それ理由になっていないと思いますし、もう皆さん御承知だと思いますけど、やはりあそこの、辺野古の新基地建設ということもあるわけです。そのことも答弁されないということは私は驚きですし、そういうことはもう皆さん分かっているわけだから、新基地の建設の障害になるような指定はできないんだというようなことを考えているんじゃないかというふうに誰もが思っているわけだから、もう本当に許し難い話だと私は思っておりますが。  ちょっとお聞きをいたします。大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この新基地建設にも関わって出されておりますが、国際自然保護連合、IUCNというところが三度にわたってジュゴンに関わる保護勧告というのを出しておりますけれども、大臣、そういう勧告が出されているということ自身は御存じですか。御存じかどうかだけで結構です。
  136. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) そういう方向についてはお聞きしております。
  137. 武田良介

    ○武田良介君 この勧告は二〇〇〇年、それから二〇〇四年、二〇〇八年と三度出されていると承知をしております。こういった勧告と相まって、自然保護団体だとか市民の皆さんからもジュゴンを守れという声と行動が大きく広がりました。こうした勧告だとか専門家指摘には、ジュゴンを守るために保護区を設定すべきだという指摘は繰り返しされてきたわけです。  先ほどの答弁では、まず漁網に掛かるような、ジュゴンが亡くならないようにというようなことで対策してきたという話なんですが、しかし、こういう勧告も出されてきたわけだから、環境省ジュゴンを守るためにもっと踏み込んで、ジュゴンを守るための対策を取る姿勢という意味では闘う姿勢をもっと示すことができたんだと思うんですね。  少なくとも、環境省自身が先ほど答弁にあった調査をやって、二〇〇三年には個体数が最少で五頭しかいないかもしれないということを環境省自身が認識をされた。とすれば、種の保存法におけるこの国内希少種に選定の対象であるということも環境省は認めていました。だったら、このときにやっぱり指定すべきだったというふうに思うわけです。  これ、経過の関係もありますので、まず、正田局長、いかがですか。
  138. 正田寛

    政府参考人正田寛君) まず、ジュゴン生息調査等につきましては、今委員の御指摘、また私の方から答弁したとおりでございます。  その中で、国内希少種への指定につきましては、また、先ほど御答弁申し上げましたとおり、例えば、鳥獣保護法におきまして捕獲等が原則禁止されていることでございますとか、ワシントン条約の関係で取引等が、商業目的の取引が禁止されている、こういったことで、施策効果の面から考えまして、現時点におきまして希少野生植物種に指定は行っていないというところでございます。  例えば、その中で、まず、非常に個体数が少なくなっていることでございますから、まずは個体の保護が必要だと。九〇年代以降、やっぱり相当混獲が、事故が相次いだわけでございまして、これに対する対策というのが最も個体の保護のためには大切だと考えまして、その取組を進めているところでございます。
  139. 武田良介

    ○武田良介君 私は、その指定しない理由として全く理解できないんですよね。だって、現実問題、もうミニマム五頭なんですよね。もう今、個体Bが亡くなったというような話もあって、これから本当どうしていくのかということだと思うんですよ。もし本当に絶滅ということになったら、環境省責任問題だと私思いますし、環境行政の汚点だと、これ後々言われたって仕方がないような話だと思います。  私も調べてみましたら、新生物多様性国家戦略、これは二〇〇二年に作られ、その後も作られておりますけど、これを作るに当たっての小委員会でどんな議論がされていたのか、私もちょっと調べましたら、例えば、自然環境保護協会の吉田さんという方、この方は、ジュゴンについて、絶滅を防ぐことが重要であり、さらに一歩踏み出して回復を図ることが必要だという指摘をされております。日本獣医畜産大学の羽山さんという方も、生物多様性保全上で最優先の課題というのは、絶滅回避ということ、絶滅に瀕した生き物たちの回復、あるいは絶滅の阻止が緊急の課題というふうに指摘をされておりまして、種の保存法の対象種に広げるべきだということを述べられておるわけですね。  そういう小委員会の議論を経て、実際のその国家戦略の中でも、ジュゴン保護について、必要に応じ個体の保護生息環境保全などの措置を講ずる必要がありますと、国家戦略の中でもこれ言っているんじゃないですか。国家戦略の中でも言っているのに指定をしない。で、現状どんどんどんどんジュゴンは危機に瀕していると、そういう認識の答弁もありました。そういう状況になっている。これではやっぱりいけないんじゃないかと。  大臣、どうですか、指定すべきじゃないですか、種の保存法で。
  140. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 局長から御答弁いたしましたように、鳥獣保護管理法もしっかり運営することによって、個体の捕獲、殺傷の原則禁止などは守られているものと考えておるところであります。  ただ、ジュゴン自身が減ってきていることについては、私どもも非常に深刻に考えておりまして、新たな種の保存法等に基づく指定等によることも、既にある施策がどこまで足りずに、また指定による施策効果をどれほど出るかということも含めまして、今後必要性検討は進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  141. 武田良介

    ○武田良介君 いや、効果といっても、だから絶滅の危機に瀕しているわけです、実際に。  大臣の政治姿勢といいますか、基本的認識、ちょっと、じゃ、お伺いしたいんです、今の答弁聞いて。絶滅危惧種の絶滅回避とともに、絶滅回避、それから回復ということが必要だと、大臣、そういう立場でいらっしゃるということでよろしいですか。
  142. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) それは重要なことだというふうに思っております。
  143. 武田良介

    ○武田良介君 やっぱり回復ということも含めて、絶滅回避、回復ということも含めて考えれば、個体を保護するためにはその生息域をしっかり指定をしていく、保護できるように指定をしていくということは、これ当然のことだと思うんですね。  これ、やっぱり必要なんじゃないですか。大臣、どうですか。
  144. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 絶滅を回避し、そしてまた回復を図るという、これは非常に重要なことだと思っていますが、個体数を回復させるための人工増殖の取組までについては、現時点ではなかなか困難ではないかというふうに認識しております。  今後、ジュゴンの混獲等による死亡を避けるための取組を継続しつつ、更に必要な調査等について検討を加えていきたいと、こう思っております。
  145. 武田良介

    ○武田良介君 私、本当に基本的に問いたいのは環境省の姿勢なんですね。なかなか難しいという話で、お手上げということで、じゃ、いいのかということもあると思うんですよ。それでいいのかと本当に私は思いますし、国連の環境計画というのも私見ましたら、ジュゴン報告というのが出ていますけれども、保護に向けての提案という中に、優先事項として海草藻場保全、漁業の影響の減少、そのための保護区の設定ということも明記されているわけですね、優先事項として。保護対策を取らなければジュゴン日本近海で近い将来絶滅するだろうと、国連がここまで言っているわけなんですね。本当に今姿勢が問われていると思うんです。  大臣最後にお伺いしたいと思いますけれども、そういう中で辺野古に米軍の新基地建設、これは論外だというふうに思うんです。ジュゴンは絶滅の危機に瀕しているわけです。この影響があるないなんという話、いろいろありますが、少なくとも、この海域保全をする、ジュゴンを守るということを考えたら、防衛省に対しても基地の建設やめるべきだと大臣言うべきじゃないですか。いかがですか。
  146. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 大浦湾における工事の実施に際しての環境配慮につきましては、環境影響評価の結果等も踏まえて、事業者である沖縄防衛局において適切に行われているものと、そういうふうに認識しているところであります。ジュゴンに対する環境配慮に、適切に行われているものと認識をしているところでございます。
  147. 武田良介

    ○武田良介君 終わりますが、適切にといっても、ジュゴンが亡くなって見付かったわけですよね。だからこそ守れという声が更に広がっている。  先日、沖縄三区の衆議院補欠選挙もありましたけど、これはもう明確に基地問題争点に選挙戦われて、屋良候補が勝利をするという結果になっておりましたけど、こういう民意しっかり受け止めて、ジュゴンを守るために環境省がしっかりと仕事をしていくことが大事だということを重ねて申し上げて、質問を終わりたいと思います。     ─────────────
  148. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、佐藤信秋君及び世耕弘成君委員辞任され、その補欠として北村経夫君及び宮本周司君が選任されました。     ─────────────
  149. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  自然環境保全法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  150. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、宮沢君から発言を求められておりますので、これを許します。宮沢由佳君。
  151. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 私は、ただいま可決されました自然環境保全法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     自然環境保全法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一、沖合海底自然環境保全地域指定に当たっては、愛知目標の達成にとどまらず、関係省庁等との連携調整を十分に図ることにより、海山、熱水噴出域及び海溝等を中心として、可能な限り多様な生態系が含まれる区域指定されることとなるよう配意すること。また、絶滅のおそれがある種が存在する可能性がある場合における種の保存法に基づく科学委員会や多様な利害関係人など、幅広い意見を聴取した上で検討すること。  二、海洋環境保全をより一層進めるため、外国船舶による活動も踏まえ、国内外への沖合海底自然環境保全地域指定及びその規制内容等の周知徹底を図ること。  三、沖合海底自然環境保全地域保全措置の実効性確保するため、改正法第三十五条の六の規定に基づく立入調査等を機動的に行うなど、同地域保全活動を関係者等と協力して行うよう努めること。また、当該地域で実施される特定行為自然環境に及ぼす影響把握し、当該区域保全措置に適宜反映させるよう努めること。  四、沖合区域生物多様性確保その他の自然環境保全に関する科学的知見がいまだ不十分な分野について、関係する省庁調査研究機関等との連携を図ることにより、調査研究を推進させ、より充実した保全施策を実行すること。  五、我が国生物多様性保全上重要な海域を後世に引き継ぐために、沿岸域を含めた我が国の周辺海域について、自然環境保全基礎調査による調査を充実させ、海洋保護区の指定の推進を図ること。また、的確な調査の実施のために十分な予算及び人員を確保するよう努めること。  六、海洋保護区の設定に当たっては、平成二十八年四月に環境省が公表した「生物多様性の観点から重要度の高い海域」を踏まえ、沖合域に限定することなく、幅広く海洋保護区化を推進するよう努めること。また、持続可能な漁業と生物多様性保全の両立を目指した保護区の創設など、我が国における海洋保護区の在り方について幅広く検討すること。  七、海域生態系と密接なつながりを持つ陸域生態系については、絶滅危惧種の多くが里地里山に生息・生育することから、人の手が入ることで保たれる自然環境保全目的とした保護区の在り方についても検討を進めること。  八、保護区の設定による生物多様性保全が有効であるかを検討した上で、改正法の施行五年後を目途に本改正内容の見直しを検討すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  152. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) ただいま宮沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  153. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 全会一致と認めます。よって、宮沢提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、原田環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。原田環境大臣
  154. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力してまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  155. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  156. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十三分散会