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青山繁晴君 皆様、改めまして、おはようございます。自由民主党の
青山繁晴です。党利党略のためでなく、国益のためにこそ質問いたします。
まず、
世耕大臣におかれては、先ほど
井原委員からの質問もありましたとおり、
万博の招致
成功、ありがとうございました。お疲れさまでございました。
その上で、実は
大臣に、まずは正直残念なことを一つお聞きしたいと思います。
今国会の始まりに当たって
大臣から所信的挨拶をいただいたんですけれども、その中で、我が国の自前資源についての言及がなぜかありませんでした。やっぱり招致にお忙しかったのかもしれませんが。
もう
大臣には釈迦に説法ですけれども、我が国は資源がない国と刷り込まれてきたのは実はもうとっくに間違っておりまして、特に海洋にメタンハイドレート、熱水鉱床、マンガンノジュール、コバルトリッチクラスト、このようなものが使える資源として存在していると。海の深さなどの問題はありますけれども、将来にわたって使えるであろう資源があることは既に確認されています。
この中で、特にメタンハイドレートは、要は凍った天然ガスでありますから、海から取り出せばほぼそのまま既存の火力発電所でコストを安く発電できますし、天然ガスですからCO2の排出も石油よりは少ないです。したがって、世界から注目を集めておりまして、実は
日本がトップランナーだったんですけれども、最近になりまして
アメリカやドイツの後塵を拝するように残念ながらなっております。その焦点になっているのがメタンプルームというものであります。
ちょっと時間も限られましたので詳しく説明する時間がないんですけれども、簡単に言えば、海底面から海の中へメタンが湧き出てきます。メタンというのは天然ガスの主な成分です。湧き出てきたときに、当然高圧で低温ですから、このメタンハイドレートでコーティングされた粒々、つまり固体ですね、あ
るいは固体にならない泡として、この資源そのものが海底から海面方向へほぼ真っすぐに浮上してきます。そこに魚群探知機、つまり非常にコストを安く、超音波を当てますと、プルーム、これがメタンプルームですが、ちょっと手を、済みません、
委員長、お許しをいただいて、見ていただくと、海底がありますと、こういうふうに立ち上がっております。この格好をしたもの、プルームが大体平均でスカイツリーぐらい、六百五十メートルぐらいの巨大な高さがありまして、ちっちゃいものでも東京タワーぐらい、三百数十メートルの高さがあります。
これは、さっき言いましたとおり、資源そのものなんですけれども、最近、私たちが見付けてきた
日本海だけではなくて、ノルウェーのスピッツベルゲン島の辺り、あ
るいは
アメリカのノースカロライナの沖合、そういうところからも大量に出まして、さっき申しましたとおり、そこに着目したドイツの
経済エネルギー省や
アメリカのDOE、
エネルギー省が多額のコストも予算も投じながら、あ
るいは民間のファンドを募って
調査を行い、残念ながら
日本は
政府の
取組が誠に弱いですから、さっき申しましたとおり、あっという間に後塵を拝しかねない
状況になっております。
したがって、今まで我が国では表層型メタンハイドレートと砂層型メタンハイドレートの二種類と言ってきたんですけれども、私自身も
出席しています、参加しています、あ
るいは発表している国際学会では既に三つになっていて、表層型と砂層型とメタンプルームです。
その上で、
日本がトップランナーと申しましたが、実は
日本では一九九七年に
日本海で世界で初めてこのメタンプルームを発見し、二〇〇四年から民間の資金を中心に
調査観測を行ってきました。
ちょっと迷ったんですけれども、伏せるとかえって変なので、はっきり申し上げます。最初に発見した科学者は
青山千春博士でありまして、現在東京海洋大学准教授で、私の配偶者です。
まさか公私混同してお話ししているんじゃなくて、ここをきちんと聞いていただきたいんですけれども、十八歳の女子高生として船乗りになろうとしたときに、女は船に乗るな、女が船を操船すると沈むと東京商船大学に言われて受験ができなかった。その後、防衛大学校も海上保安大学校も全部受験を断られて、そしてやっと東京水産大学の航海科に入って、
日本女性で初めて大型船の船長の資格を取った。そして、遠洋航海に出たときには、ちっちゃい子供二人を政治記者だった私が子育てもいたしました。
その果てに、九七年に、魚群探知機というそれまで誰も注目していなかったものを使ってこのメタンプルームを発見しました。九七年ですから、実にもうそろそろ四半世紀に近づこうかという時間がたっておりまして、しかも二〇〇四年からは、実際にここを指標にして海の底からメタンハイドレートの塊を取り出して、コンビニで売っている白いシャーベットそっくりです、そこに単純に火近づけるだけで、ぼっと青い炎を出して燃えます。熱も大変手のひらに感じます。ということは、燃焼効率がいかに高いかということであります。
それにもかかわらず、ずっと
政府の
取組が弱くて、最近になって
世耕大臣のリーダーシップがあってようやく計画が作られて
取組が始まっていますが、遅々として進みません。現実に出る予算は、実は海洋実験はできないどころか、国立大学の学内の実験施設も使うことができない。したがって、机の上で計算するだけです。足りない部分は、研究者が研究資金をかき集めたり、あ
るいは篤志によって研究を進めているという現状があります。
お聞きしたいのは、なぜ
アメリカやドイツの後塵を拝するようになってなお予算を拡充されないのか。さっき言いましたとおり、一定の計画で前進しつつあるのは評価しますけれども、ここは
大臣のリーダーシップで、中国、韓国も非常に関心を持っておりますから、その
状況を鑑みても、どうぞリーダーリップを発揮していただきたいと思います。いかがでしょうか。