運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2018-04-26 第196回国会 参議院 予算委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年四月二十六日(木曜日)    午後零時五十五分開会     ─────────────    委員異動  三月二十九日     辞任         補欠選任      青山 繁晴君     今井絵理子君      井上 哲士君     山下 芳生君      石井 苗子君     片山 大介君      有田 芳生君     蓮   舫君  三月三十日     辞任         補欠選任      今井絵理子君     青山 繁晴君  四月六日     辞任         補欠選任      滝沢  求君     岡田  広君      大島九州男君     浜口  誠君      小西 洋之君     古賀 之士君      藤田 幸久君     矢田わか子君  四月九日     辞任         補欠選任      岡田  広君     滝沢  求君      高野光二郎君     片山さつき君      古賀 之士君     小西 洋之君      浜口  誠君     大島九州男君      矢田わか子君     藤田 幸久君  四月十日     辞任         補欠選任      片山さつき君     高野光二郎君      滝沢  求君     松山 政司君  四月十一日     辞任         補欠選任      松山 政司君     滝沢  求君  四月十三日     辞任         補欠選任      辰巳孝太郎君     吉良よし子君  四月十六日     辞任         補欠選任      吉良よし子君     辰巳孝太郎君  四月二十五日     辞任         補欠選任      元榮太一郎君     塚田 一郎君      杉  久武君     河野 義博君  四月二十六日     辞任         補欠選任      塚田 一郎君     元榮太一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 宇都 隆史君                 高野光二郎君                 二之湯武史君                 丸川 珠代君                 横山 信一君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 有村 治子君                 上野 通子君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 島田 三郎君                 滝沢  求君                 塚田 一郎君                 中泉 松司君                 中野 正志君                 平野 達男君                 舞立 昇治君                 松川 るい君                 元榮太一郎君                 山田  宏君                 吉川ゆうみ君                 和田 政宗君                 渡邉 美樹君                 河野 義博君                 熊野 正士君                 竹内 真二君                 三浦 信祐君                 浅田  均君                 片山 大介君                薬師寺みちよ君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        文部科学大臣        国務大臣     林  芳正君        防衛大臣     小野寺五典君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    茂木 敏充君    副大臣        外務大臣    佐藤 正久君        財務大臣    木原  稔君    事務局側        常任委員会専門        員        小野 亮治君    政府参考人        内閣府政策統括        官        日下 正周君        内閣地方創生        推進事務局長   河村 正人君        財務大臣官房長  矢野 康治君        財務省理財局長  太田  充君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省地方協力        局長       深山 延暁君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○予算執行状況に関する調査  (内外の諸情勢に関する件)     ─────────────
  2. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  議事に先立ち、申し上げます。  民進党・新緑風会、日本共産党立憲民主党、希望の会(自由・社民)の所属委員出席が得られません。理事及び事務方をして出席の要請をいたさせますので、しばらくお待ちください。  速記を止めてください。    〔速記中止
  3. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。  まず、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事高野光二郎君及び辰巳孝太郎君を指名いたします。     ─────────────
  5. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  7. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 予算執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、内外の諸情勢に関する集中審議を行うこととし、質疑往復方式で行い、質疑割当て時間は百分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・こころ四十分、公明党二十八分、日本維新の会二十分、無所属クラブ十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  8. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 予算執行状況に関する調査を議題とし、内外の諸情勢に関する集中審議を行います。     ─────────────
  9. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) この際、安倍内閣総理大臣より報告を聴取いたします。安倍内閣総理大臣
  10. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私は、四月十七日から二十日まで米国フロリダマーラ・ラゴを訪問し、トランプ大統領と二日間にわたり日米首脳会談を行いました。その概要を報告いたします。  まず、来る米朝首脳会談への対応を含めた北朝鮮政策に関し、トランプ大統領と、具体的かつ相当突っ込んだ形で方針の綿密なすり合わせを行い、日米が完全に連携していくことを確認しました。  最近、北朝鮮の側から対話を求めてきていることは、日米韓三か国が緊密に協力し、中国、ロシアなど国際社会とも連携して北朝鮮最大限圧力を掛けてきた成果です。  最大限圧力を維持し、北朝鮮に対し、実際に非核化に向けた具体的行動を取るように求めていく、こうした確固たる方針を、トランプ大統領との間で改めて完全に共有しました。  全ての選択肢がテーブルの上にあるとのトランプ大統領の信念を持った姿勢への支持を私から改めて表明しました。  日米両国は、北朝鮮に対して、完全、検証可能かつ不可逆的な方法で核兵器を含む全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの廃棄を求めていく、対話に応じることのみをもって北朝鮮に見返りを与えるべきではないとの方針国際社会として堅持する必要があることについても、トランプ大統領確認しました。  最重要課題である拉致問題に関しては、訪米に先立ち、拉致被害者の御家族皆様にお会いし、直接切実な思いをお伺いしました。その思いを胸に、トランプ大統領に、我が国にとって拉致問題がいかに重要か力を込めて説明し、来る米朝首脳会談において拉致問題を取り上げるよう要請しました。  トランプ大統領は、身を乗り出すように私の目を真剣なまなざしで見ながら、私の話に聞き入っていました。そして、米朝首脳会談拉致問題を提議する、ベストを尽くすと力強く述べられました。  今後一層、日米で緊密に連携しながら、全ての拉致被害者即時帰国に向け、北朝鮮への働きかけを強化していく決意であります。  北朝鮮には、勤勉な労働力があり、資源も豊富です。北朝鮮が正しい道を歩めば、国民を豊かにすることができる。北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、日朝平壌宣言に基づいて、不幸な過去を清算し、国交正常化への道も開けてくる。  そのためには、拉致、核、ミサイルの諸懸案を包括的に解決することが大前提であります。今回の歴史的な米朝首脳会談を通じて事態が打開されることを、我が国も強く期待しています。  経済においても、日米両国がリードして、インド太平洋地域に自由で公正なマーケットをつくり上げていく、そのための方策について、トランプ大統領と時間を掛けて率直な議論を行いました。  日米双方の利益となるように、日米間の貿易や投資を更に拡大させていく、そして、その基盤の上に、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域経済発展を実現する、こうした目的で、今回、トランプ大統領と、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議を開始することで合意しました。  米側が二国間ディールに関心を有していることは承知しています。いずれにせよ、我が国としては、TPPが日米両国にとって最善と考えており、その立場を踏まえた上で議論に臨んでまいります。  二日間の滞在を通じ、トランプ大統領と極めて長い時間を共に過ごし、首脳同士信頼関係を一層深めることができました。引き続き、揺るぎない日米同盟の下、地域国際社会の平和と繁栄のために積極的な役割を果たしてまいります。  最後に、一昨日、文在寅大統領電話会談を行い、日米首脳会談におけるトランプ大統領との合意事項について説明をしました。その際、私から、来る南北首脳会談において拉致問題を提議してほしいと改めて要請しました。  これに対し、文大統領からは、南北首脳会談安倍総理立場を伝える、拉致問題の解決北東アジアにおける平和構築に資すると金正恩委員長に話す考えであるとの発言がありました。  引き続き、日米韓の強固な連携の下に、北朝鮮問題に対応してまいります。     ─────────────
  11. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) これより質疑を行います。塚田一郎君。
  12. 塚田一郎

    塚田一郎君 自由民主党塚田一郎です。  今日は、北朝鮮、とりわけ拉致問題を中心に安倍総理に質問をさせていただきたいと思います。  今から四十年前、私は、新潟市立寄居中学校の二年生、十四歳でありました。そのとき、一つ下の学年、一年生のクラスに横田めぐみさんが在学をされていらっしゃいました。十三歳のときであります。  昭和五十二年十一月十五日、めぐみさんはバドミントン部の練習を終えて帰宅途中、まさに家を目前とした場所で姿を消し、以来消息を絶ったという出来事がありました。当時、横田滋さんは日銀にお勤めで、新潟支店に勤務をされていて、私の同級生もよく日銀の方がいらっしゃった。私も、当時の住んでいた家はめぐみさんの家から間もなくで、同じ通学路を毎日通っていました。決して人ごとではない、もしかすると自分だったかもしれない、そんな出来事でありました。滋さんも早紀江さんも毎日海岸に、そして町にめぐみさんを捜して回りましたけれども、消息は全く分からない。当時は神隠しというふうに言われていました。私も、中学生ではありましたけれども、警察の方から事情を聴かれてお話をしたことを今でもよく覚えています。  それから歳月が二十年流れ、北朝鮮めぐみさんが暮らしているという情報が入った。それから、拉致問題、二〇〇二年の小泉訪朝により五名の被害者皆さん、御家族帰国をされましたけれども、めぐみさん始め多くの被害者は依然として帰国ができない状況にあります。更に二十年という歳月が流れてしまい、今四十年。今のめぐみさんの年は、当時の横田早紀江さんより年を取られた。本当に長い年月この問題が解決できないまま、私も政治家の一人としてじくじたる思いで、一日も早い解決に向けて取り組ませていただいています。  この拉致問題を政治家として最も真剣に取り組んできていただいているのが安倍晋内閣総理大臣であります。総理は、訪米に先立ち、拉致被害者の御家族と面会をされ、そして横田滋さんのお見舞いをされたというふうに伺っております。訪米に臨む首脳会談の前にどのような御家族の切実な思いを受けて、どのような決意で今回の会談に臨まれたか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
  13. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 訪米に先立ちまして、先月三十日に拉致被害者家族と面会するとともに、今月十五日には横田滋さんをお見舞いしたところでございます。御家族皆様とお目にかかり、改めて、皆様も相当お年を召されたなと感じた次第でございます。  御家族からは、現下の情勢を千載一遇のチャンスと捉え、米朝首脳会談において拉致問題を取り上げ、全ての拉致被害者の一日も早い帰国に結び付けてほしいとの切実な思いを直接お伺いをしました。  また、滋さんをお見舞いをした際には、滋さんの手を握って、必ずトランプ大統領米朝首脳会談において拉致問題を取り上げていただき、そして早期解決に向けて北朝鮮に強く要請していただく、そのことをしっかりと首脳会談トランプ大統領に申し上げるとお約束をしたところでございます。  拉致問題は安倍内閣の最重要課題、最優先の課題でありまして、御家族高齢化が進む中で、こうした皆様の切なる思いを、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するとの決意で、この思いを胸に刻んで、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するとの決意日米首脳会談に臨んだところでございます。
  14. 塚田一郎

    塚田一郎君 総理は、帰国後、国民集会にも御出席をいただきました。ありがとうございます。その折に、決意総理からも語っていただき、今のお話も聞かせていただきました。  その四月二十二日の国民集会で決議が採択をされました。その中には、政府拉致被害者一括帰国を実現せよというふうに明記をされています。御家族皆さんは、調査報告はもう要らない、そんなものは望んでいないんだ、全ての被害者即時一括帰国、これを求めている。これが、御家族皆さん、そして多くの国民にとっての思いであります。  総理がこれからこの拉致問題に取り組み大きな成果を上げていく中で、調査報告ではなく一括帰国を強く求めていくという決意だと思いますが、その点を確認をさせてください。
  15. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 被害者家族皆様思い、今、塚田委員紹介をしていただいたところでございますが、私も皆様思いはよく分かっているつもりでございます。  全被害者一括帰国皆様が求められている、この思いを私はしっかりとトランプ大統領にもお伝えをしたところでございます。そして、首脳会談の後の共同記者会見においてトランプ大統領は、彼らを日本帰国させますと、私たちは可能な限りのことをし、彼らを日本帰国させます、私はあなたに約束します、拉致問題は私にとって非常に重要な問題である、なぜなら、それが安倍総理にとって非常に重要だからである、昨夜、その夕食会の席で私は、私たちでこの問題にとても熱心に取り組み、その方々帰国、帰宅させようと伝えた、とてもとても熱心にであるということを記者会見を通じて世界、そして北朝鮮に伝えていただいたと、こう思っております。  拉致被害者の御家族が望んでおられるのは、調査報告ではなくて、全ての拉致被害者一括帰国であります。二〇〇二年に五名の拉致被害者方々帰国されましたが、それ以来、十五年以上、一人の拉致被害者帰国も実現されていないわけであります。拉致問題の解決に当初から取り組んできた政治家の一人として、また日朝首脳会談官房副長官として同席した者として、いまだに拉致問題が解決をしていない、痛恨の極みであり、もはや一刻の猶予も許されないと、このように思っております。  全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向け、私が司令塔となって、北朝鮮拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいりたいと思います。
  16. 塚田一郎

    塚田一郎君 今、総理から、トランプ大統領との協議、そして、どれだけトランプ大統領が真剣にこの拉致問題、総理の問題でもあり日本国民の問題でもあり、トランプ大統領としてもそれを受け止めているかというお話の御紹介がありました。  トランプ大統領米朝首脳会談に臨む際、この拉致問題を提起するということは間違いないことだと思います。問題は、その提起をするという中身が、今お話があったとおり、日本拉致被害者を返せという、その拉致被害者全員帰国を迫ると、こういう内容でなければ私はならないと思うんですが、その点について、総理としてその確認ができたというふうに理解してよろしいでしょうか。
  17. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今回、マーラ・ラゴにおいて、二日間、十一時間以上にわたってトランプ大統領と時を共にしたのでございますが、その多くの場面で、拉致問題について今までの経緯説明させていただきました。そして、被害者のお気持ち、あるいは曽我ひとみさんが、あるいは帰国を果たした拉致被害者皆さんが経験してきたこと等についてお伝えをした。この問題の交渉を進めてきた経緯、どんなことを北朝鮮がこの問題について言ってきたかということについても説明をさせていただいたところでございます。私の話は真剣に、まさに身を乗り出すように聞いていただいたと思います。  そして、米朝首脳会談拉致問題を提議する、ベストを尽くすと力強く述べられたわけでございまして、そして共同記者会見で、先ほど御紹介をさせていただきましたように、彼らを日本帰国をさせますと、私はあなたに約束しますと力強く発言をしていただいたわけでございまして、この後、米朝首脳会談予定をされておりますが、更に日米でしっかりと連携を取りながら、どのような対応北朝鮮がしてくるかという可能性も、様々な可能性も念頭に置きながら、どう対応していくかということについてもしっかりと米側すり合わせを行っていきたいと、このように思います。
  18. 塚田一郎

    塚田一郎君 ありがとうございます。  総理北朝鮮のことを最もよく御存じの政治家でありますから、その安倍総理から、これまでの経緯北朝鮮が一体どんな国で、どんなこれまで交渉をしてきたか、それをしっかりとトランプ大統領お伝えをいただいたということは、大変大きいことだと思います。やはりその背景を分かった上で米朝首脳会談に臨んでいただくということが何よりも私は大きなことだというふうに理解をしております。  今回、総理もおっしゃっているとおり、トランプ大統領共同記者会見で自らの言葉で語られたということが大変に私は大きな成果だと思います。シンゾウにとってこれがとても大事な問題であること、そして、この人たち拉致被害者日本に帰れることを大事に考えている、そして、私はこのことをシンゾウに約束したのです、拉致被害者帰国できるよう最大限の努力をいたします、これをトランプ大統領記者会見の場でアメリカ国民に向かって、そして全世界に向かって、それは当然北朝鮮も含まれるわけで、これを語ったことが極めて私は重要な成果だというふうに思います。  まさに、総理熱意が伝わった記者会見の結果だと思いますし、トランプ大統領は今アメリカで最も拉致問題を理解している人になったんではないかなと思うんですね。総理熱意、そして御家族に昨年会われた、そういったことがこのトランプ大統領の心を動かしたというふうに思うんですが、そのトランプ大統領の人柄、そして、この拉致問題を総理が語る中でどんなふうにこのことを理解をして取り組んでいただける姿勢になったのか、その辺りのところを少しお話しいただければと思います。
  19. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) トランプ大統領にこの拉致問題を理解していただく上において一番大切なことは拉致被害者の御家族皆さんに会っていただくことだろうと、こう思っておりました。そこで、昨年、トランプ大統領が来日された際に、拉致被害者の御家族皆さん、また曽我ひとみさんとも会っていただいたわけでございますが、その際、予定時間をオーバーして、お一人お一人の話に真剣に耳を傾けておられました。また、早紀江さんが持ってこられためぐみさんの写真を本当に食い入るように見詰めておられたわけでございまして、大統領も、同じ娘を持つ親として、本当に早紀江さんの悲しさ、苦しさがよく分かるという趣旨の発言もしておられたところでございます。言わば、被害者皆さん気持ち理解をしていただくということが一番大切であろうと、こう考えたわけでございます。  言わば、その意味におきましては、トランプ大統領は、同盟国として、日本の友人として、そして、めぐみさんの御両親や被害者の御家族と直接言葉を交わした人間としてこの問題に真剣に向き合っていただけると、こう期待をしているところでございますし、信頼もしているところでございます。  そうした思いトランプ大統領を通じて金正恩委員長に伝わっていく、この問題の解決につながっていくことを期待しているところでございます。
  20. 塚田一郎

    塚田一郎君 ありがとうございます。  是非、拉致問題を含む北朝鮮懸案事項が今後解決をしていくというふうに期待をしたいと思いますし、その中で、総理の今後の取組についてお尋ねをしたいんですが、国民集会の席で総理は、拉致被害者方々北朝鮮から取り戻すためには、日本政府が主体的に取り組まなければなりません、まず南北、そして米朝首脳会談の際に拉致問題が前進するよう、私が司令塔となって全力で取り組んでまいりますというふうに述べられております。  いずれ拉致被害者帰国につながる実質的な協議ができる、その局面が来たときには日朝首脳会談に臨むという決意かと思いますが、いかがでしょうか。
  21. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まず、明日、南北首脳会談が行われるわけでございます。そして、その後、米朝首脳会談が行われるわけでありますが、当然、その中で核の問題、ミサイルの問題がしっかりと前進をしていく必要があるんだろうと思います。また、具体的な行動北朝鮮が取っていく。  そして、北朝鮮国際社会との関係における問題というのは、この核の問題、ミサイルの問題だけではなくて、拉致問題もあるわけでございます。この拉致問題が解決をしていかなければ、北朝鮮国際社会の中において、言わばそうした北朝鮮をめぐる様々な課題解決をしてきた国として、国際社会の中でその未来を形作っていくことはできないんだろうと、こう思うわけでございます。  今、塚田委員が言われたように、拉致問題が前進をしていくということに資する、もし日朝首脳会談をやるのであれば、資するものにしなければならないんだろうと、こう思っているところでございます。この首脳会談を行う以上は拉致問題についても成果が見込まれなければならないと、こう考えております。  いずれにせよ、南北そして米朝首脳会談が行われ、その際に拉致問題が前進するよう、引き続き私が司令塔となって全力で取り組んでいく考えでございます。
  22. 塚田一郎

    塚田一郎君 総理の、拉致問題が実質的な協議として帰国につながる形が、展望が開けたときは首脳会談に臨む決意だという思いだというふうに受け止めさせていただきました。  とにかく、北朝鮮懸案事項は、もちろん拉致問題だけではありません、核問題もミサイル問題もありますし、それぞれその当事者の国があるわけですが、この拉致問題に関しては我が国の最重要、最優先課題ですから、これはもう総理が最後、日朝の首脳会談の場で決着を付けていただくということを私は期待をしていますし、そのときが来ることを強く願っております。  防衛大臣にもお尋ねをいたします。  この間、日米防衛相会談防衛大臣アメリカで行われております。北朝鮮問題についてどのような議論が行われたのか、御説明いただきたいと思います。
  23. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 安倍総理トランプ大統領首脳会談の後、四月二十日でありますが、私は、マティス国防長官とワシントンの国防総省で日米の防衛相会談を行いました。  実は、このマティス長官との防衛相会談の冒頭、カメラが入っている前で、マティス長官が、まず、この拉致問題について向こうから取り上げて話がありました。私は、この拉致問題については、トランプ大統領個人のみならずトランプ政権全体でこの問題の重要性を認識している、そのような実感を得ました。  今回のマティス長官との間の議論の中で、特に北朝鮮の核、ミサイルの問題、これが重要な課題でありました。北朝鮮に核、ミサイルを廃棄させるため最大限圧力が必要である旨述べ、北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法で全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの計画の放棄に向けて圧力、制裁を維持していくことを確認をいたしました。この際、マティス長官から、海上自衛隊による瀬取りへの取組を称賛する旨の発言がありました。  次に、ガイドラインと平和安全法制下での日米協力を一層促進すること、また、FMSの諸課題の改善も含め、我が国の防衛力整備に向けた協力を確認いたしました。  最後に、私から、横田飛行場に配備されるCV22や沖縄の米軍機を含め、米軍の安全な運用の確保を要請し、マティス長官から、安全な運用の確保が重要であるとの認識が示され、地元の理解を得る取組について協力していくことで一致をいたしました。  日米首脳会談に続き、日朝首脳会談の前に、北朝鮮問題への対応方針日米で一致していることを確認できたことは、大きな意義があります。引き続き、マティス長官との信頼関係の下、地域課題解決に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
  24. 塚田一郎

    塚田一郎君 今、マティス国防長官も拉致問題について言及をされたというお話がありました。  私も議員になってから約十年間、ほぼ毎年、家族会、救う会の皆さんとともに拉致議連のメンバーとして訪米をしております。今年もゴールデンウイークに、来週ですね、総理の後、トランプ政権主要な皆さんとお会いをして拉致問題の解決についてお願いをしていきたいというふうに思っていますが。  確かに、トランプ政権になってからのこの拉致問題の認識というのは非常に高くなっているという実感が、去年、今年とあります。それはやはり、この間、安倍総理トランプ大統領との間でこの拉致問題の重要性をお話をいただいたことがトランプ政権そのものの中で認識をされてきているということの表れだと思うんですね。ですから、このアメリカ全体を巻き込む動きというのは非常に重要であって、このことによってやはり北朝鮮を動かしていくということになってくるんだと思います。  日米首脳会談でも瀬取りの取締りについての話が出たというふうに聞いていますが、北朝鮮の違法な貨物輸出入を防ぐための瀬取りについて、今回の日米首脳会談を含めて、今後どのように我が国として取組を強化をしていくか、防衛大臣にお尋ねします。
  25. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 米国を始めとする諸外国がいわゆる瀬取りを含む北朝鮮による制裁逃れへの対応を強化し、国際社会が緊密に連携して取り組んでいくことは、安保理決議の実効性を一層高めるものであります。こうした取組の重要性について、我が国と米国は認識を共有しております。  今月二十日にマティス国防長官と会談した際にも、マティス長官から、海上自衛隊による取組を称賛するとともに、米国は他の多様なパートナーとともに日本連携してこの取組を進めていくことが表明されました。このような日米共通の認識の下で、現在、我が国は、米国と連携して関係国とともに瀬取り対策のためにどのような取組が可能かについて検討を行っております。  検討の具体的な内容については、現時点では各国と調整中のためお答えは差し控えますが、いずれにしても、北朝鮮による完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの廃棄を実現するため最大限圧力を維持していくという方針の下、米国を始めとする国際社会と緊密に連携しながら、安保理決議の実効性を確保してまいります。
  26. 塚田一郎

    塚田一郎君 この最大限圧力北朝鮮に掛かった結果、北朝鮮がまさに対話を求めてきたということだと思います。したがって、この圧力は決して緩めてはいけない、むしろ更に強化をしていく今は大事な局面だと思いますので、まさに瀬取りというのはその一つの大きな取締りの形ですから、しっかりとこれからも我が国も取り組んで、各国とも連携を図っていただきたいというふうに思います。  四月二十一日、北朝鮮金正恩委員長は朝鮮労働党中央委員会全員会議で決定書を発表いたしました。いわゆる核実験、そして弾道ミサイルの発射実験を中止するという内容であります。ここで、南北会談の前、直前、そしてさらには米朝首脳会談を控えて、北が一つ、私はパフォーマンスだと思いますけれども、してきたのかなというふうに思います。  まず、この中止の表明を受けて、どのように政府として我が国は評価をしているのか、お聞かせ願います。
  27. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 北朝鮮が核実験及びICBMの試験発射の中止、そして核実験場の廃棄等を発表したことは、前向きな動きとして歓迎したいと思います。  ただ、大切なことは、今回の発表が非核化に向けた具体的な行動につながっていくかどうかであります。過去の教訓を踏まえれば、対話に応じることのみをもって北朝鮮に見返りを与えるべきではありません。最大限圧力を維持し、北朝鮮に対し具体的な行動を取るよう求めていく、この方針国際社会として堅持していく必要があります。  まずは、明日の南北首脳会談、その後の米朝首脳会談を通じて北朝鮮から具体的な行動を引き出すべく日米韓三か国で緊密に協力をしていく、同時に、中国、ロシアなど関係国とも連携し、安保理決議の完全な履行などを通じ、最大限圧力を維持していく考えであります。
  28. 塚田一郎

    塚田一郎君 決して油断をしてはならないところに今いると思います。これ、内容を見てみると、核兵器を絶対に使用しない、核兵器と核技術を移転しないと言っているんです。つまり、核兵器を保有するということは前提としてのこれは発言だというふうに考えられるわけで、決して核の廃棄を何も語ってはいないわけであります。もう使い古されたであろう核実験場を使わないということは何ら北にとっては不利益なことでもありませんし、ここは、本当に今後の核廃棄に向けた動きになっていくかをしっかりと見極めていく、その局面だろうと思います。  各国の反応を見てみると、トランプ大統領は、最初のツイートでは、北朝鮮世界にとってとても良いニュース、大きな進展だというふうに四月二十日の現地時間の十八時五十分にツイートしていますが、二日後の四月二十二日の二十二時〇二分のツイートでは、我々は北朝鮮に関して結論からまだ程遠い状態にあると、全然違う感じで語られているわけですね。  トランプ大統領も、最初はこれはいい進展だと思いながらも、いろいろな情報を収集してみると、内容を見てみると、そんな簡単なことではないと認識をされたのかなというふうに思いますが、総理も前進ではあるけれどもということですが、ここは慎重に対応を見極めていくことが必要だというふうに御理解をいただければというふうに思います。  今後、そうした中でどのように、では核廃棄に向けて進んでいくかということになるわけですが、既に核実験を繰り返し行い、核を保有している北朝鮮非核化、完全な廃棄は大変に難しい道のりだと思います。完全、検証可能な、かつ不可逆的な非核化に向け、日米はどのような形でその解決を図ることを今回の日米首脳会談確認をされたのか。二〇二〇年までに廃棄をさせるという案も出ているように伺っておりますが、その辺りのスケジュール感があるのかも含めてお話をいただければと思います。
  29. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 核・ミサイル問題については、北朝鮮に対して、米国に届くICBMのみならず、日本を射程に収める中距離や短距離の弾道ミサイルも含めたあらゆる弾道ミサイルの廃棄を求めること、核兵器のみならず生物化学兵器も含む全ての大量破壊兵器の廃棄を求めること、これらの廃棄に当たっては部分的ではなく完全に廃棄すること、廃棄したことの検証が可能な形で行うこと、そして後戻りできない、つまり不可逆的な方法で行うことについてトランプ大統領と完全に一致したところでございます。  この方向に向けてどのように進めていくか、あるいはどのようなスケジュール感を持っているかという御質問でございますが、そうしたこと等についてもトランプ大統領とじっくりとお話をさせていただきましたし、重要なポイントでもあろうと思いますが、まさにそうしたことが、そうした議論南北あるいは米朝で始まろうとしているわけでございまして、我々が今どういうスケジュール感を持っているかということを、具体的な進め方はどうすべきかということを考えているかということについては、手のうちを明かしていくということになりますので、この場ではこれを御説明させていただくことは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにせよ、そういう点等についても日米でしっかりとすり合わせを行っているということは申し上げさせていただきたいと思います。
  30. 塚田一郎

    塚田一郎君 手のうちは見せられないというのは当然のことだと思いますが、しっかりと確認をしたということを確認をさせていただけたと思います。  過去にも北朝鮮は同じことを繰り返しているんですね。枠組み合意があって核を廃棄すると言いながら、実は取るものだけ取って核開発をどんどん進めて、ついには核保有をしてしまったと。まさにこれが北朝鮮との我々の交渉の歴史でありまして、安倍総理はそのことをいつも語られているわけですから、今回は同じ轍を絶対に踏んではいけないということでありますので、今後、IAEAの査察が始まったとしても、そこで何かを、取引材料を必ず要求をしてくる、サラミ戦術とよく言われますが、もうこれは北の常套手段でありますので、是非その点をしっかりと今回は見極めて、実質的な核の廃棄、そして弾道ミサイルの廃棄につながるように努めていっていただきたいというふうに思います。  文在寅大統領と日韓首脳電話会談を行われ、今お話があったとおり、拉致問題についても提起されたということは大変に大きなことだと思います。  明日、南北首脳会談が行われる予定でありますが、どのような展開を総理としては期待をされているのか。仮に終戦宣言が行われた場合でも、それで圧力を弱めることにはならないと私は思いますが、その点について見解を聞かせてください。
  31. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 核問題、ミサイル問題については、完全、検証可能、不可逆的な方法での廃棄に向けて具体的な行動が取られる、具体的な行動を取っているという認識を持つに至らなければ、これ圧力を、あるいは制裁を緩和していくということはできないと、するべきではないと考えております。  南北首脳会談の具体的な結果について予断をすることは差し控えたいと思いますが、過去の教訓を踏まえれば、対話に応じることのみをもって北朝鮮に見返りを与えるべきではありません。この方針国際社会として堅持する必要があります。そして、最大限圧力を維持し、北朝鮮に対し具体的行動を取るように求めていかなければならないと考えております。
  32. 塚田一郎

    塚田一郎君 今回の日米首脳会談でも、両国で、首脳として、対話に応じることのみをもって見返りを与えるべきでないということを確認されたということは、これは当然のことだと思います。問題は、南北でそういった進展があった場合に、韓国はやはり融和ムードになってくる可能性があるということを我々は警戒をしなければいけないわけで、まさに日米韓のこの連携が、圧力についてもしっかりと引き続き継続をしていくということを総理はもちろん文在寅大統領確認をされていると思いますが、ここはしっかりとやっていかないと、まさにこの分断を北朝鮮は狙ってくるというのが今の北朝鮮側の動きになってくるので、注意をしていただきたいというふうに思います。  北朝鮮の核問題は、北朝鮮側から見ると朝鮮半島の非核化という議論になっている、すり替えられていると。我々が目指しているのは北朝鮮非核化ですけれども、彼らからすれば朝鮮半島の非核化というキーワードを使っているわけで、そのことがいずれ米軍の韓国からの撤退要求につながってくる可能性があると思いますが、防衛大臣政府としての見解をお聞かせいただきたいと思います。
  33. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 北朝鮮はこれまでも、南朝鮮人民が望んでいるのは在韓米軍の無条件の撤収であると主張するなどしております。北朝鮮が在韓米軍の撤収を要求する可能性があるとの見方があるということは承知をしています。その上で、国際社会の度重なる警告を無視してミサイル発射や核実験を強行し、地域の安全保障を脅かしているのは北朝鮮の方であり、国際社会の一致した要求に従い非核化を実現しなければならないのは北朝鮮の方であることをまず明確にしておくことが必要だと思います。  一方、在韓米軍を含むアジア太平洋地域の米軍の抑止力は、地域の平和と安定に不可欠なものであります。四月二十日の日米防衛相会談においても、在韓米軍を始め、この地域への米軍の抑止力をしっかり維持していくことの重要性について、マティス長官と認識が一致いたしました。これは、北朝鮮非核化のための条件として論じられるようなものでは全くないということであります。  我が国は、国際社会とともに、北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの廃棄を実現するため、最大限圧力を維持してまいります。そして、南北首脳会談米朝首脳会談を通じて北朝鮮から具体的な行動を引き出すべく、あらゆる機会を捉えて日米韓三か国の間で緊密に政策のすり合わせを行ってまいります。
  34. 塚田一郎

    塚田一郎君 日米韓連携をしっかりと強化をしていっていただきたいということを再度お願いをさせていただきます。  麻生財務大臣、お待たせをいたしました。  G20を始めとする一連の会合で、保護主義や地政学的リスクに対する懸念が高まる中で、世界経済の動向など、どのような議論がされたのか、御説明をいただければと思います。
  35. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、去る四月の十九日、二十日、ワシントンでこのG20の会議が行われておりますけれども、今、塚田先生御指摘のとおり、世界経済へのリスクに対応するためにというので、これは結構活発な論議が今回行われたと思っております。  世界経済の、いろいろセッションが分かれているんですが、この世界経済のセッションは私の方がリードということで最初スピーカーをさせてもらったんですが、この保護的、保護経済主義的な措置をとるという内向きな政策というのはどの国の利益にもならない。また同時に、保護主義的な処置に対して報復する行為という行為も当然起きてくるんですけれども、それも間違いなく、マーケットというか、特に金融市場のマーケットをえらく混乱して、ボラティリティー、変動幅をえらい高めるということになりますので、それも断固避けるべきというような話をして、少なくとも自由で公正な貿易を通じたものが大事なんであって、保護主義を始めとした内向き政策への懸念というものをG20の関係している参加国の間で共有が、全員で共有という、みんなで一致という点は大きかったと、成果だと思っております。  また、そのほかにも今世界で、何という、ワールド・ヘルス・カバレッジというんですか、何というんですかね、ユニバーサルな、いろんな地域間格差によっていわゆる保健衛生等々というようなことに関しては、これはとにかく日本を見ろと。俺たちのところはまだそんなに豊かじゃない時代から保険を始めて、皆保険をやってこうなっているんであって、貧しい国だからできないということはないと。俺たちだってこれだけ貧しいときからやってきているんだからというようなシステムをこれ間違いなくやるべきなんであって、保健大臣とか環境大臣とかそれだけでやっているんじゃないと。これ、財務大臣も入れてこういう話をちゃんとするような話をしないと、とてもじゃないけど、低開発国とか発展途上国とかいろんな表現がありますけれども、そういった国々できちんとしたものができ上がらないと、間違いなくしっかりした経済国というのになっていかないんだという。その最初のところは貧しいからできないということはないという話やら何やらは、それでセミナーやら何やらを世銀またWHOと一緒にやらせてもらいましたけれども、そういったようなのを含めて、いろんな意味で少し、IMF含めまして、世界の中の物の見方が随分いろんなものに変わりつつあるなという感じは正直な実感です。
  36. 塚田一郎

    塚田一郎君 ありがとうございます。  麻生財務大臣には、引き続き、日本経済そして世界経済の安定と成長のために頑張っていただきたいというふうに思います。  最後になります。こうしたマターに、北朝鮮問題、外交の重要課題、また内政でも大きな課題が山積です。まさにそうしたときだからこそ、国民の信を得た安倍総理のリーダーシップを私は発揮をしていただきたい。残念なことに、財務省の文書問題、あるいは加計学園をめぐるやり取りの経緯、そして防衛省の日報問題など、行政の信頼を損なう様々な事案が今起きているということであります。  このまさに行政の信頼、シビリアンコントロールに国民の疑問の目が向けられることのないように、総理は、行政の長としてうみを出し切るというふうにおっしゃいました。国民信頼をいかに回復するか、最後に総理決意をお聞かせいただきたいと思います。
  37. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 行政をめぐる様々な問題について、行政全体に対する国民皆様信頼を揺るがす事態となっており、行政府の長として、そして、あるいは自衛隊の最高指揮官として、その責任の重さを痛感しているところでございまして、行政に対する最終的な責任は内閣総理大臣たる私にあり、改めて国民皆様におわびを申し上げたいと思います。  信なくば立たず。国民皆様信頼を得るためには、行政のトップである私が、一つ一つの問題について責任を持って必ず全容を解明し、そしてうみを出し切っていかなければなりません。そして、真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないように組織を根本から立て直し、国民信頼回復に向けて内閣総理大臣としてその責任を果たしていく決意でございます。
  38. 塚田一郎

    塚田一郎君 終わります。
  39. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で塚田一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  40. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、河野義博君の質疑を行います。河野義博君。
  41. 河野義博

    河野義博君 公明党の河野義博です。  私も、冒頭、行政の信頼回復について安倍総理のお言葉をいただきたいと思っております。  森友学園、加計学園問題をめぐります文書管理問題、また防衛省の日報に関する件、また政府高官の言動、こういった種々の課題に対しまして、国民皆様からは本当に厳しい評価をいただいているんだろうというふうに私は思います。  行政全般の信頼回復に向けて、総理の御決意国民に届く具体的なお言葉で伺いたいというふうに思います。
  42. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 行政をめぐる様々な問題について、国民皆様の行政に対する信頼を揺るがす事態となっており、行政府の長として、そして自衛隊の最高指揮官として、その責任を痛感をしております。行政に対する最終的な責任は内閣総理大臣たる私にあります。国民皆様に改めておわびを申し上げたいと思います。  信なくば立たず。国民信頼を得るために、行政のトップである私が、私自身が、一つ一つの問題について責任を持って必ず全容を解明し、そしてうみを出し切っていく考えであります。そして、真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないように組織を根本から立て直し、国民信頼回復に向けて内閣総理大臣としてその責任を果たしていく決意であります。
  43. 河野義博

    河野義博君 次に、外交問題に入ります。  一方で、第二次安倍政権以降、外交の分野では本当に大きな成果を立て続けに上げてきたんだというふうに私は高く評価をさせていただきます。  四月十七日、日米首脳会談が行われました。両首脳は、完全で、検証可能で、かつ不可逆的な方法で核及び弾道ミサイルの廃棄を北朝鮮に対して求めていく、また、北朝鮮非核化に向けた具体的な行動を取らない限り最大限圧力を維持するという方針で一致をしたと報道がなされております。その後、北朝鮮は核実験と大陸間弾道ミサイルの試射を中止すると発表いたしましたけれども、この対話路線への変更というのも、安倍外交が推進をして、国際協力を得て協調主義で対話を強めてきた、この成果があったればこそだろうと私は思っております。  一方で、この発言も、過去の経緯から見て、これをうのみにするということは到底できないというふうに思いますし、日本の脅威になっております中距離、短距離の弾道ミサイルを含む弾道ミサイルの廃棄、これは先日のG7の外相会談でも合意をなされておりますけれども、日本の脅威になっているこういったミサイルも含めて廃棄をしない限りこの最大限圧力というのは緩めないということを確認をさせていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
  44. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今回、北朝鮮対話姿勢を示したことは、まさに昨年、総選挙の際にも申し上げたんですが、しっかりと国際社会北朝鮮最大限圧力を掛け、そして北朝鮮の側から対話を求めてくる、そういう状況をつくっていかなければならないと、こう国民皆様に御説明をしたところでございますが、国際社会において圧力最大限まで高めていく、抜け道は許さないという方向について国際的な世論をリードしてきたところでございます。  その中において、北朝鮮が今般、平昌オリンピックを機会に対話路線に切り替えたかの姿勢を示しているところでございますが、北朝鮮が核実験及びICBMの試験発射の中止、核実験場の廃棄等を発表したことは前向きな動きとして歓迎したいと考えています。  ただ、大切なことは、今回の発表が非核化に向けた具体的な行動につながっていくかどうかであります。我々が申し上げていることは、非核化も含めて核、ミサイルの廃棄ということは、言わばミサイルといっても、ICBM、アメリカに到達をするICBMだけではなくて、日本を射程に入れる中距離そして短距離の弾道ミサイルも含まなければならない、あらゆる弾道ミサイルを完全、検証可能、不可逆的な形で廃棄をしていくということであります。  トランプ大統領にもその重要性については説明をいたしました。日本にとっては、ノドンミサイル等、この中距離・短距離弾道ミサイルが大きな脅威となっており、韓国、日本には多くの米国、数十万人の米国人が生活をしているわけでありまして、彼らにとってはこの中・短距離ミサイルも脅威ですよという説明をさせていただき、そして日米でその認識を共有することができたと思っております。  また、核兵器にとどまらず、核兵器を含めて、生物化学兵器、VXガス、サリン等の多くの生物化学兵器を北朝鮮は保有していると見られておりますので、核兵器を含む全ての大量破壊兵器を先ほど申し上げましたCVIDを目指していくということでございまして、そういう点においては一致をしたところでございます。  そして同時に、今委員が御指摘になったように、具体的な、その方向に向かって具体的な行動を取るまでは圧力をしっかりと維持する必要があると考えております。対話のための対話対話によって圧力を解除するということは我々考えてはいないということであります。  まずは明日の南北首脳会談、その後の米朝首脳会談を通じて、北朝鮮から具体的な行動を引き出すべく日米韓三か国で緊密に協力をしていきます。同時に、中国、ロシアなど関係国とも連携し、国際社会連携して安保理決議の完全な履行などを通じ最大限圧力を維持していく考えであります。
  45. 河野義博

    河野義博君 次、日中韓の首脳会談予定されておりますので、その件に関連して伺いますけれども、金正恩氏の訪中、また中国共産党の高官の訪朝など、中朝関係の改善が見られます。また、明日には南北首脳会談が控える中で、日米日米韓、さらには日中韓といった国際社会が緊密に連携して引き続き北朝鮮対応していくことが重要だと思います。  やはり、安倍総理の御努力によりましてトランプ政権を北朝鮮問題に本気にさせた、そのことによって中国も巻き込んだ、貿易の九三%は中国でありましたので、中国に経済制裁を巻き込んだ、この成果があったればこそ、この対話路線というのが浮き彫りになってきたんだろうなというふうに思いますけれども、五月には日中韓の首脳会談の開催が調整をされております。  この会談の中で北朝鮮問題にどういうふうに挑まれるのか、方針をお聞かせください。
  46. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ゴールデンウイーク後にも開催されると考えている日中韓サミットは、南北首脳会談の直後、そして米朝首脳会談を控える重要なタイミングで開催されることとなります。この際、開催を予定しておる文在寅大統領との首脳会談においては、フェース・ツー・フェースで南北首脳会談の内容について説明をいただく予定にしているところでございます。  北朝鮮の側から対話を求めてきているということは、日米韓三か国が緊密に連携し、そして同時に、大きな影響力を持っている中国が、今回国際社会連携をして、もちろんロシアも入っておりますが、北朝鮮最大限圧力を掛けてきた成果であろうと、こう考えております。  その意味におきましても、今回、李克強首相が中国の首相として八年ぶりに公式の訪問をされるわけでございます。その際、日中の首脳会談予定をしているところでございますが、この北朝鮮の問題についてもしっかりと連携して対応していく、そういう方針について一致をしたいと、こう考えているところでございます。  いずれにせよ、過去の教訓を踏まえれば、対話に応じることのみをもって北朝鮮に見返りを与えるべきではありませんとのその方針について、国際社会として堅持をしていく必要があります。そういう理解を共有する機会にもしていきたいと、このように思うところでございます。  日中韓サミットでは、李克強首相及び文在寅大統領との間で、北朝鮮による核兵器を含む大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全、検証可能かつ不可逆的な方法での廃棄、最重要課題である拉致問題の早期解決に向けて、連携を改めて確認したいと考えております。
  47. 河野義博

    河野義博君 続いて、拉致問題です。  安倍総理からの要請を受けまして、日米首脳会談では、米朝首脳会談のときにおいても拉致問題を取り上げるということを合意をされております。トランプ大統領からも、日本にとって最善となるようにベストを尽くすという言葉が寄せられたと聞いております。  トランプ大統領との間では、議題としてこうやって上がったということのみならず、被害者全員の帰国が大事だということを北朝鮮アメリカからも求めるという姿勢会談に臨むという認識を共有できたんでしょうか、詳細にお聞かせいただければと思います。
  48. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 昨年、トランプ大統領が来日をされた際には、拉致被害者曽我ひとみさん、そして拉致被害者家族会の皆さんと直接会って話を聞いていただきました。まさに膝を突き合わす距離で直接皆様のお気持ちを伝えていただき、トランプ大統領皆さんの痛切な思いを受け止められたと、このように思っています。  その上で、今回、首脳会談におきましては、拉致問題の歴史等々についてお話もさせていただきました。この解決がいかに大切であり重要であるかということについてもお話をさせていただき、トランプ大統領も身を乗り出して、目を見ながら耳を傾けていただいたと思います。  首脳会談におきましては、米朝首脳会談拉致問題を提議する、ベストを尽くすと力強く述べていただきました。そして、共同記者会見においてトランプ大統領は、拉致被害者帰国に向け可能な限り全てのことをし、彼らを日本帰国させる、私はあなたに約束すると表明したわけでございます。この共同記者会見の模様は米国のテレビ局を通じてライブで報道されていたわけでございます。米国民にも、あるいは北朝鮮にも伝わったのではないかと、このように思います。  拉致被害者方々北朝鮮から取り戻すためには、日本政府自体が主体的に取り組まなければならないわけでございますが、同時に、米国や韓国等、また国際社会の協力も必要だと考えております。しかし、最終的には日本が主体的に解決をしていかなければなりません。  引き続き、私が司令塔となって全力で取り組んでいく考えでございます。
  49. 河野義博

    河野義博君 次に、通商問題に関しまして、茂木大臣にお越しをいただいております。  二国間の貿易協定を求めるトランプ大統領に対しまして、総理は、TPPが日米両国にとって最善と考えているというふうな、述べられたということでございます。日米に今こうした隔たりがある中で、日米貿易協定について今後どのように交渉を行っていくのか。  これに関連しまして、TPP11、先日、タイ王国も参加の意思ありという報道もなされておりますけれども、TPP11の協定発効を目指した取組、これは今までどおり進んでいくというふうに確認をしておきたいと思いますけれども、茂木大臣の御所見をお聞かせください。
  50. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) 今回の日米首脳会談で合意した自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、いわゆるFFRでありますが、これは、日米間の貿易、投資を更に拡大させ、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域における経済発展を実現するための方策について日米議論するというものであります。  一方、TPP11参加国は、三月八日、チリ・サンティアゴでの署名式の際の閣僚声明にもあるとおり、TPP11の早期発効に全力を挙げると、これが共通の認識でありまして、現在、各国におきまして、国内手続、順次かなりスピード感を持って進んでいるところでありますし、メキシコにおきましては、おととい、既にこれが上院で可決をされると、こういう状況まで来ているところであります。  TPP、六か国が国内手続を終わりますと、その六十日後に発効ということでありまして、発効後はこのTPPの新しいルールというものを世界に広げていくと、こういったことが視野に入ってまいりまして、御指摘のタイ、コロンビア、台湾、英国、様々な国・地域がTPPに関心を示しているという、このことを歓迎をしたい、このように思っております。    〔委員長退席、理事高野光二郎君着席〕  我が国としては、関係国と緊密に連携しながらTPPの早期発効に目指すと、この立場に全く変わりはございません。このことは、先日の日米首脳会談におきましても、安倍総理からトランプ大統領に対して明確に説明をしたところであります。  今回の日米協議、決して簡単な協議ではないと、このように考えておりますが、この協議の場を通じて、TPPの持つ経済的また戦略的意義、重要性、とりわけ世界の中でも一番グローバル化、そして技術革新、これが進んでいるのはアメリカですから、TPPはアメリカ経済や雇用にとってもプラスになるということをしっかりと訴えていきたいと、このように思っております。
  51. 河野義博

    河野義博君 当初、TPPは、アメリカ日本が中心となって協議を進めてまいりましたし、安倍政権になってその大きな実を結ぶことができました。当初の想定では、やはり貿易の過半を占めるアメリカとのこの貿易の壁を下げていくことによって我が国経済貢献も大きく見積もっていたわけでありますので、やっぱり何としてもアメリカを巻き込んでいくということが大事だろうと思いますし、アメリカが加入しやすい情勢をつくっていくということも必要なんだろうというふうに思います。  もう一問、茂木大臣に伺いますけれども、日米の通商問題を協議する新たな枠組みの設置が発表されまして、茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で今後協議をされることになります。新たな枠組みでは、日米の間での貿易協定についても協議を行われるということでよろしいでしょうか。また、新たな枠組みと既存の日米経済対話との関係、役割分担についても、これ端的に御説明をいただけたらと思います。
  52. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) 委員御指摘のように、今回の日米首脳会談におきまして、私とライトハイザー通商代表との間で、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議を開始することで合意をいたしました。そして、大きな枠組みでいいますと、この協議議論の進展がありましたら、それについて麻生副総理とペンス副大統領の間の日米経済対話、これに報告をする、こういう仕組みをつくったところであります。  本協議、FFRと呼んでおりますが、フリー、自由で、フェア、公正、これに加えてレシプロカルですから、まさに日米双方の利益となるように、日米間の貿易、投資を更に拡大させ、そして、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域における経済発展を実現するものであります。  確かに、米側が二国間のディール、これに関心を示していることは事実でありますが、一方、我が国としては、日米両国にとってTPPが最善と考えておりまして、その立場を踏まえた上で建設的な議論していきたいと考えております。
  53. 河野義博

    河野義博君 茂木大臣のリーダーシップに期待をいたします。  次に、在沖縄の米軍問題に関連した質問を行います。  先日、沖縄県の宜野湾市にあります、米軍の普天間飛行場所属のヘリコプター、窓枠が落ちたという普天間第二小学校にお邪魔をしてまいりました。  沖縄防衛局の調査によりますと、校庭の使用が再開された今年の二月十三日、落下事故は昨年末でございますけれども、今年の二月から校庭は利用が再開をされています。二月十三日から三学期の修了三月二十三日まで、米軍機の接近によります際には児童を避難をさせていまして、屋上から、監視員がおりまして、近づいてくると避難の指示が出て、昼休み遊んでいる状況であっても、体育で校庭を使っている状況であっても、避難指示が出た場合は一時避難をする、その回数が一か月余りの期間で二百十六回にも上っているという報道がなされております。  今も、新学期、新年度が始まりましてもこの状態は続いておりまして、一日約十件以上、十回以上実際に避難措置が行われているわけでありまして、私がお邪魔をしたときにもこの指示が出され、本当に駆け足で小学生たちが軒下に逃げ込むという状況を目の当たりにしてまいりました。校長先生からも、教員、児童共に今、大きなストレス掛かっている、一日も早く正常な状態に戻してほしいと、こういった切実な要望がございました。  私も本当に、これは生徒さんにとって本当に申し訳ないなという思いで帰ってまいりましたけれども、文部科学省として、文科大臣、いかに取り組んでいかれるか、また防衛省としても今後どういうふうに取り組んでいかれるのか、文科省、防衛省の御所見をお聞かせください。
  54. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) 校庭での体育の授業中にヘリコプターの窓が落下する事故が発生いたしまして、現在も児童生徒の安全が脅かされているということは誠に遺憾に思っております。    〔理事高野光二郎君退席、委員長着席〕  文科省では、平成三十年二月に取りまとめております危機管理マニュアル策定の手引におきまして、各学校の実情に応じて想定される危険を明確にし、危険等発生時にどのように対処し、いかに児童生徒等の生命や身体を守るかについて検討すること、そして、その際には、学校、家庭、地域、教育委員会、関係機関等が連携すること、こういうふうに示しております。  今回のこの米軍機接近による避難についてでございますが、こうした考え方を踏まえて、やはりまずは学校と教育委員会と、そしてこのケースの場合は沖縄防衛局等の間で、この学校の実情をよく踏まえて、よく御相談の上で対応を御検討されることが必要だというふうに考えております。  また、昨年十二月のこの事故を受けまして、沖縄県教育委員会においてはスクールカウンセラーを派遣いたしまして在校生の心のケアに対応しておると、こういう報告を受けておるところでございます。  文科省としても、県の教育委員会の要望を踏まえながら、在校生の心のケアについても必要な支援を行ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
  55. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 防衛省の取組について申し上げます。  普天間第二小学校につきましては、昨年十二月の事故を受けて、学校側やPTAからの御要望に基づきまして、防衛省として、本年一月十一日からこの普天間第二小学校に監視員を配置いたしまして、米軍機の飛行を確認いたしているところでございます。この監視員は、学校側が定めた避難指示パターンに基づいて、運動場や野外にいる児童の皆さんに対して避難指示を出しているところでございます。  避難回数が多いとの御指摘につきましては、防衛省としては、避難の在り方について、学校側の御意向を踏まえた上で適切に対応してまいりたいと、学校側とも御相談を更にしてまいりたいと考えているところでございます。  一方、補足して申し上げますと、米側も、昨年の事故を受けまして、普天間第二小学校の上空を飛ばないようにということを内容とするノータム、航空情報を二月二十六日に発出いたしました。このように、米側としても、普天間第二小学校の上空の飛行を回避すべく取り組んでいるものと承知しております。  いずれにいたしましても、米軍の運用に際しましては、安全の確保は大前提でございます。引き続き、米側に対し、安全面に最大限配慮するとともに、地域住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めてまいりたいと考えております。
  56. 河野義博

    河野義博君 学校側の要望に基づいた措置だということではありますけれども、その原因をつくっていること、これを非常にもっともっとやっぱり重く受け止めるべきなんだろうというふうに思います。  私が行ってきたときにも、固定翼機、変動翼機ですけれども、ヘリコプターのタッチ・アンド・ゴーの訓練が住宅密集地で行われているといった状況でありましたので、やっぱり米軍の方とも引き続き対話を深めていただいて、根本の危険性、この在り方をしっかりと考えてもらって、努力していただきたいと思いますし、また、施設整備の要望もありました。校舎側に逃げられる位置にあれば校舎に逃げられるんだけれども、校舎の反対の方に逃げるときには何もないという御要望も承っておりますし、もう声も届いていると思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがですか。
  57. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 委員今御指摘のありました反対側に行くとき、例えば、これは現在詰めている段階と承知していますけれども、例えば野球場のベンチのように覆いがあって中に入れるようなものを整備してはどうかという御指摘もいただいておりまして、沖縄防衛局において検討していると承知しております。そうした御要望につきましては、検討させていただいた上に、できる限りの対処をさせていただきたいと考えているところでございます。
  58. 河野義博

    河野義博君 もう一問。同じく宜野湾市にアメラジアン・スクール・イン・オキナワというNPO法人がありまして、アメラジアンという言葉アメリカ人のお父さんとアジア人のお母さんの下に生まれた子供という造語のようですけれども、主に在沖縄のアメリカ軍人軍属と日本人女性との間に生まれた子供のことを指しておりまして、年間で三百人、今でも生まれておられます。こういったお子さんたちが様々な理由で、言葉や家庭の事情、地域の事情、様々な問題で地元の学校に通えないといったお子さんたちがこのフリースクールに通っておられまして、幼稚園から高校生まで六十五人のお子さんたちが今も学んでおられます。  こちらにもお邪魔してまいりましたけれども、施設は県と市の建物の一部を借りて利用しておりますけれども、クラスも七教室しかありませんので、三クラスでは複数の学年が同じタイミングで授業を受けざるを得ないと。また、図書館も理科の実験室もないといった状況で、もちろん体育館もありません。非常に沖縄特有の問題から発する学校でありまして、国としてもしっかりと支援をすべきというふうに思います。  これまで一括交付金を利用した支援が行われてきましたけれども、継続的な支援、また支援の拡充が必要と考えますけれども、文科省それから内閣府の御意見を聞かせていただきたいと思います。
  59. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) アメラジアンと呼ばれる子供の就学機会を確保することは、文部科学省としても大変重要な問題であるというふうに認識をしております。  このアメラジアンへの指導上の取扱いにつきましては、沖縄県の教育委員会において、学校外の民間施設で相談、指導を受けている児童生徒について出席扱いとするという弾力的な措置を講じているということでございますので、このアメラジアン・スクール・イン・オキナワというのがございますが、ここで出席をしていただくと出席扱いということになって、ここでの出席をもって公立学校の卒業認定ができると、こういうことになっておるというふうに聞いております。  また、今御紹介いただきましたように、御指摘のアメラジアンスクールに関しては、内閣府の一括交付金によって財政的な支援が行われているというふうに承知をしております。  我々としては、アメラジアンの就学機会がしっかりと確保されますように、関係省庁、また自治体とも連携を図りながら、対応に努めてまいりたいと思っております。
  60. 日下正周

    政府参考人(日下正周君) お答え申し上げます。  御指摘のアメラジアンスクールにつきましては、内閣府において、本来の学籍のある小中学校へ児童生徒が復学できるようにするための学習指導、カウンセリング等に要する経費について、一括交付金により支援を行っているところでございます。  内閣府としましては、今後とも、沖縄県から丁寧に事情をお伺いし、アメラジアンの児童生徒に対する支援に適切に取り組んでまいりたいと考えております。
  61. 河野義博

    河野義博君 終わります。
  62. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で河野義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  63. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
  64. 片山大介

    片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  今日の集中審議ですが、残念ながら、ほかの野党は欠席をしました。あしたは南北首脳会談が行われ、内外の政治情勢がこれだけ動いているのに、今、日本の国会は残念ながらこのような状況になってしまっています。そして、維新の考えでは、やっぱりほかの野党の皆さんにも出てきてもらって議論をして政府姿勢をただしてもらいたいと思っています。  ただ、一番の問題はやはり政府にあるんです。やはりこのモリカケ問題、セクハラ問題、日報問題など余りにもたくさんの不祥事が相次いでいて、その説明責任はおろか、そして、その後の対応だってとても納得できるものではないという、この状況を生んだ責任について、行政府の長として、まず総理のお考えを聞きたいと思います。
  65. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 行政をめぐる様々な問題について、国民皆様の行政に対する信頼を揺るがす事態となっており、行政府の長として、また自衛隊の最高指揮官として、その責任を痛感しております。行政に対する最終的な責任は内閣総理大臣たる私にあります。国民皆様に改めておわびを申し上げたいと思います。  信なくば立たず。国民信頼を得るため、行政のトップである私自身が、一つ一つの問題について責任を持って必ず全容を解明し、うみを出し切っていく。そして、真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないように組織を根本から立て直し、国民信頼回復に向けて総理大臣としてその責任を果たしていく決意でございます。
  66. 片山大介

    片山大介君 総理が今言われたそのうみを出すためにどういうふうにやっていただけるのか、聞いていきたいと思います。  まず、加計学園の問題なんです。  維新は今回のこの集中審議に当たって柳瀬さんの参考人を求めたんですが、これ認められませんでした。これは本来ならば証人喚問したってよいはずで、柳瀬さんは堂々と出てきて事実を述べればいいだけなんです。それで、本人も国会に呼ばれれば誠実に答えるというふうに答えているんですから、それができないということは、やはりこれも何らかのそんたくのような気もしないでもない。  そこで、まず総理にお伺いしたいんですが、この問題を決着させるためにも柳瀬さんに話をさせた方がいいんだと思うんですけれども、総理はどのように考えているか、お伺いしたい。
  67. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 御指摘のとおり、柳瀬元秘書官は、国会の判断に従い、国会に呼ばれればしっかりと誠実にお答えする旨を述べているものと承知をしております。  私としても、しっかりと全容を明らかにすることが信頼回復の大前提であると考えています。国会の運営は国会がお決めになることではありますが、何らかの機会があれば、柳瀬元秘書官には、様々な指摘に対し知っていることを全て明らかにしてもらいたいと考えております。
  68. 片山大介

    片山大介君 この場で改めてその柳瀬氏の証人喚問を求めたいと思います。
  69. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  70. 片山大介

    片山大介君 それで、その柳瀬さんなんですが、愛媛県の文書が見付かった後のコメントでも、やっぱり記憶の限りでは会ったことがないと言っている。そして、でも、その後でも、内閣府が文科省に宛てた同様の趣旨のメールが見付かって、そしてそれを作った人まで認めているので、いわゆる物証というものが次々に出てきているんですね。  総理はこれまで、関与を疑うんだったらその証拠をというふうに言われてきた。この愛媛県の文書というのは、私はこれ一つの証拠になると思う。この愛媛県の文書に対して総理は国としてコメントする立場にないと言っているが、やはりこれも私はおかしいと思っています。  それで、その審議の中で総理は、官邸に来たのかどうかもう一度調べてみるというふうにおっしゃっていた。その結果どうなったのか、どのような調査をしたのかも含めて教えていただきたいんですが。
  71. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 官邸の入邸記録については、使用目的終了後、遅滞なく廃棄する取扱いとされており、昨年六月、当時の萩生田副長官が答弁したとおり、二〇一五年四月二日の今治市の官邸訪問については確認できなかったところであります。  本年四月十一日の衆議院予算委員会質疑の中で、私から、二〇一五年四月二日の今治市職員の官邸訪問についてもう一度確認させたいと答弁申し上げ、改めて官邸内の関係各室への確認調査を行ったところでありますが、愛媛県や今治市の職員が官邸を訪問したかどうかについて記録を確認することはできなかったところでございます。
  72. 片山大介

    片山大介君 そうですか。  それで、これも何度も出ている質問なんですけど、総理が加計学園の獣医学部設置について知った日にち、これ一月二十日と言っています。  これ、改めての質問になるんですけれども、この一月二十日まで全く聞いたことすらないということでいいのか。いや、頼まれたことなんというのはなかったかもしれないですけれども、これ全くそれまで聞いたこともないというのはなかなかこれは違和感があるし、やはりそれも国民皆さん思っていると思います。これについて明確な御意見を。
  73. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 国民皆様は、私の友人であるからそういう話はしているんではないかというふうに思われるかもしれません。  しかし、この加計氏は、理事長となられてからは様々な学部をつくっておられます。看護学部あるいは薬学部等々もつくっておられますが、そのたびごとに何か私が依頼を受けたり、あるいはそういう話を聞いたこともこれはほとんどないわけでございまして、言わば友人同士の会話においても、お互いの興味が一致する点については話はこれだんだん盛り上がっていくということもあるわけでございますが、この点について、私がもう何回も述べてきたとおり、それが事実でございまして、実際に彼が獣医学部をつくりたいという話を聞いたことは実際ないわけであります。ただ、様々なことに挑戦していきたいという趣旨の話は聞いたことがございますが、具体的な話を聞いていないのは事実でございまして、これまで繰り返し答弁してきたとおり、私が加計学園の計画について知ったのは昨年の一月の二十日であります。  ただし、先ほども申し上げましたように、長年の友人が関わる話であり、片山議員の御指摘のように、国民皆さんから疑念の目が向けられることはもっともなことだろうと、このように思います。そうした点を十分に認識した上で、今後とも事実に基づき丁寧な上にも丁寧に説明を心掛けていきたいと考えております。
  74. 片山大介

    片山大介君 それで、よく総理はそれに併せて、あと、決定までのプロセスに一点の曇りもないというふうにおっしゃっているんですが、ただ、この諮問会議の議事録とか見ると、例えば獣医学部設置の地域が限定されたことや、それから一校に限られたことの経緯というのは、これ記載がないんです。だから、その議論された形跡もないんです。これ、いずれも、だから後で国会で追及されて担当大臣等が答えたにすぎない、こういうことなんですね。  これでオープンなプロセスというのもちょっと余り胸を張って言えるものじゃないかと思っていますし、これ以外には、やっぱり、今回のように森友学園の問題とか含めて、政府の一連のこの不祥事の問題の特徴というのは情報が後出しで出てくることなんですよ、これ報道などを通して。その都度、政府は問題ないというふうな説明をするんだけれども、国民を含めて皆この情報の後出しに実はうんざりしているんだと、こういうふうに思いますよ。これについては、総理、どうお考えですか。
  75. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 詳細については内閣府から答弁させますが、今回のプロセスは、民間有識者が加わった特区諮問会議やワーキンググループが主導し、適切に行われてきたと考えています。また、節目節目で関係大臣の間に異論がないことを確認をして、合意の上で関係法令に基づいて実施してきたものと理解をしております。  その際、国会において答弁がなされたわけでございますが、それは特に別に隠していたということではなくて、どういうプロセスについて、どういうプロセスにのっとってそういう決定がなされていったかということについて、御質問についてはしっかりと答えているところでございますが、多くは議事録等がはっきりと残っているんだろうと、こう思うところでございまして、こうしたプロセスについては民間有識者も一点の曇りもないと述べているところでございまして、今後ともこうした事実について丁寧に説明する努力を重ねていきたいと、このように思います。  詳細については内閣府から答弁させたいと思います。
  76. 河村正人

    政府参考人(河村正人君) お答え申し上げます。  今回のプロセスでございますけれども、特区の指定、規制改革項目の追加、それから事業者の選定、いずれにつきましても、民間有識者も加わった特区諮問会議やワーキンググループが主導し、適正に行われたと考えております。  具体的に申し上げますと、御指摘の空白地帯要件、これは平成二十八年十一月九日の特区諮問会議で決定、公表し、それから、一校に限るあるいは平成三十年度に開設するという要件でございますけれども、これにつきましては昨年一月四日の内閣府、文科省の共同告示で公表、決定いたしました。それから、一月十二日の分科会や二十日の区域会議及び特区諮問会議にも告示を報告したものでございます。  その上で、これらの文書は全てホームページで公開するとともに、付議した会議の議事要旨につきましても全て速やかに公開をしておるところでございます。さらに、節目節目で、会議でオープンにしてきた文書につきましては、お尋ねに応じ、経緯等を含め、この国会の御審議の場でこれまでも丁寧に御説明することにより、更なる透明性を確保しているものと考えております。
  77. 片山大介

    片山大介君 決定になったことの発表ではなくて、やっぱりその過程ですよね。例えば、一校に絞ったのは獣医師学会の働きかけがあったとかいろいろありますけど、その過程は別に明らかにもなっていないんですよ。一校になったということしか言われていない。だから、そういうものをやはり明らかにすること、それがやはり疑念を招かないようにすることだと私は思いますよ。  それで、ちょっと時間がないから、森友のことも一つ聞きたいんですけど、今日はもう官房長いらっしゃっているから、後手の対応というか、情報がやっぱり遅い、その調査がどこまでやっているのか、これについて説明聞きたいんですが。
  78. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。  決裁文書の書換えの件でございますけれども、調査につきましては、今裏付けを取りながら丁寧に作業を進めているところでございまして、また捜査当局の捜査との関係にも留意して進める必要がございますので、簡単に終わるものでないことは御理解いただけると存じますが、しっかりとした調査を尽くして、できるだけ早く御報告できるようにしたいと思っております。
  79. 片山大介

    片山大介君 これは、やはり捜査を待たなきゃ出せないんですか。今分かっていることでも言えばいい。これもやっぱり情報が先、新聞情報などが先出しになっているんですよね。  これ、分かっていることから言うべきでないかと思いますが、どうでしょうか。
  80. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。  論理的には、捜査の終結を待たずして調査結果を御報告するということは全く不可能ではございませんが、しかしながら、捜査当局がどのような見解を示されるかということについて、事実上それを見ないうちに、それを視野に入れないうちに担当省庁で調査結果を出すということは、これまで捜査当局が入った不祥事事件いろいろございますけれども、事実上例がないところでございまして、現実的には難しいと思っております。
  81. 片山大介

    片山大介君 続いて、セクハラ問題についてもちょっとやっぱり聞きたいと思います。  今回、その経緯を見ると、まず事実関係を否定し、そしてその被害者は名のり出てほしいと要請をした。私、それを見たときに、最初に、あたかもこれ冤罪だというふうに財務省は考えているのかなと思って、その明確な根拠があるのかなというふうにも思った、そのときの雰囲気は。だけど、それ聞いてみると、やっぱり官房長が、部下である官房長が聞き取りをした結果に基づいているものと。そして、その後でやっぱり音声テープが出てきて、そして世論の批判が高まると、本人は辞意を表明した。そして、言い方も、当初の否定から、途中からは全体を見れば該当しないという言い方に変わっていて、そして、高過ぎる退職金についても、これ問題視されると留保すると、こういう経緯になっているんですよね。だから、どうもやり方が後手だし、どうもこうかつ的な感じがするんです。  それで、今回のこの一連の対応について、この問題について総理はどう考えているのか、お伺いしたいです。
  82. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 財務省の事務方のトップである財務次官が辞任するような事態に至ったことは、誠に遺憾であります。この事態をしっかりと我々深刻に受け止めなければならないと考えています。セクハラはあってはならないことであります。今後、一層の緊張感を持って行政の信頼回復に向けて取り組んでいきます。  前財務次官に関する報道については、財務省において早急に調査を進めさせ、適切な対応を取らせてまいりたいと考えております。
  83. 片山大介

    片山大介君 その調査なんですが、事実関係を正確に確認しなきゃいけない、これは財務省側も同じように言っています。ですけど、やはり私、やり方が良くないというか、やっぱり中立的な第三者機関に任せるべきだと思います。  これ、厚生労働省は全ての事業者を対象にしたセクハラ問題の対応指針というのを作っているんですね。その指針を見ると、双方の事実確認が困難な場合には中立な第三者機関に委ねると書かれているんですよ。それに照らし合わせれば、今回の件で財務省が自前の顧問弁護士でと言っているのはおかしくて、やはり中立性を担保できる機関に委ねるべきだと思いますが、これについては麻生大臣はどのようなお考えでしょうか。
  84. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) 恐縮でございます。  我が省の前事務次官が起こしましたセクハラ疑惑につきまして、きちんと事実認定をするために双方の主張を聞きながら事実認定をしていくという調査のプロセスに入っておるわけでございますけれども、それにつきまして第三者機関あるいは客観性が担保されておらないという御批判をいただいておることは重々承知しておりますけれども、今どうなっておるかと申しますと、私どもの顧問弁護士の事務所が中心になって、これ自体が御批判をされておったわけですけれども、それに対しましてお一人の記者さんの所属する会社が手を挙げてこられたという状況にございまして、今双方の顧問弁護士同士で相談を進めているところでございます。事実上、これが滞ったということにはなっておりません。  ただ、より望ましいやり方があったのではないかということにつきましては反省をしておるところでございます。
  85. 片山大介

    片山大介君 余りそれをこだわる必要がないというか、やはり中立的なところにやればよくて、それで、今双方のそれぞれの弁護士でやり取りと言っていることも、やはり調査が遅れるというか、時間掛かるということで、だから、そこは中立的なところに、弁護士にきちんと頼めばいいだけの話じゃないかと思いますが、じゃ、麻生大臣、お願いできますか。
  86. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは、片山先生、この種の話というのは極めてタッチーというか、微妙な話なものですから、まずははっきりしておかないかぬのは、もうセクハラはこれ問題にならぬ、最初からアウトだと、私、申し上げておりましたのは御存じのとおりです。  その上で、この話は人事院の規則によれば省内できちんとやるという手続になっておりまして、各省内にはその担当者がどこの、ちょっと財務省以外は知りませんけど、ほかのところ、置いてあるんだと思いますが、今回は少なくとも次官の話なんだから担当者じゃ駄目というので、じゃ、弁護士ということになるんじゃないのかということで、私どもは弁護士と。しかし、全然知らない弁護士を公募するというような話じゃないと思いましたので、私どもは弁護士としてやるというので、私どもとしては、はっきりしておりますのは、別に相手の名前の方を秘匿したいという、何か向こうの方から言われたみたいですけど、私どもの方としては十分に、名前を秘匿するのも自由です、また第三者を使われるのも自由、またその会社の上司の方が来られるのもそちらにお任せしますということで、本人の人権等々を考えてきちんと対応をしておるということだけは、いかにも、財務省がいかにもその本人が出てこなきゃ駄目よなんて言っているような話が流布されていますけど、それは全然違います。  現実としてはそういうことをいたしておりませんので、結果として今出てきておられますから、その方と、その方というか、その方本人ではありませんから、抗議文が来ておりますので、その方の弁護士と私どもの弁護士が今話をさせていただいているというのが経緯であります。
  87. 片山大介

    片山大介君 今、麻生さんが言われた、その省内の処分というのは、これは恐らくセクハラは想定されていなかったと、ないものだと思いますよね。しかも、今回のその対象者が財務省のトップの方であるから、そういうことも考えれば、なかなか省内の調査というのは、私、省内の関係者の弁護士でやるというのは難しいんじゃないかなというふうに思って言っているわけですけど。
  88. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、この種の話は、本人は否定しておりますから、本人は否定しておりますので、その上で、週刊誌の情報だけで本人を何とかと言われても、なかなかこれは私どもとしては、ちょっと一方的な話なので、週刊誌の情報だけでわんわんわんわんやっていると、これはえらいことになりかねませんから。  したがって、私どもは、きちっとした話をさせていただかないかぬということですから、なかなか役所だけじゃまた一方的じゃないかと言われかねませんから、弁護士をということでやらせていただいたというのが背景なので、私どもとしては、次官だか何とかというので、矢野は官房長ですから、そういった意味ではなかなかと言うんですけど、ただ規則ではそういうことになっていますので、それ以外にというので弁護士を使わせていただいたというので、もうちょっとほかのやり方があったんじゃないかと言われて、弁護士を公募しろとかいろんな御意見はいろいろ伺っているとは知ってはおりますけど、今は申し上げているような経緯でございます。
  89. 片山大介

    片山大介君 ちょっと時間がないので。  それで、あと、今回の問題が今後の財政政策に与える影響というのはあるのか、これを確認させていただきたいんですが、政府は、今後、財政健全化計画、財政健全化の新たな目標を策定したりだとか、消費増税、来年一〇%に向けての最終的な判断も行うとなっているんですけれども、これについてそのスケジュール、考え等に変更が出る可能性はあるのかどうか。
  90. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今回の財務次官が辞任に至ったということについては、その事態については、先ほど申し上げましたように、我々大変遺憾、誠に遺憾に考えているところでございますし、また官房長が答弁したとおり、対応においても反省すべき点はあったかどうかということについては、しっかりとこれは財務省において考えなければいけないと考えているところでございます。  こうした事柄というのは、ある程度相手方の気持ちになって寄り添いながら考えるという姿勢も大切なんだろうと、こう思う次第でございます。その中において、言わば規則にのっとって対応しているところでございますが、そうした当然配慮も必要ではないかと、こう思うところでございます。  そこで、こうした事態あるいは書換え問題等の中において、この財政再建に対する姿勢が変わるのではないかと、こういうことだろうと思いますが、これはまさに政府一体で財政再建を行ってきているところでございまして、財政再建に対する姿勢が変わるということはないわけでございます。もちろん、財政再建を進めていくためには経済をしっかりと成長させていくことが大切であるという考え方の下、経済成長と財政再建、共に達成していきたいと、こう考えているところでございます。
  91. 片山大介

    片山大介君 終わります。
  92. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  93. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
  94. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブ薬師寺みちよでございます。  刻々と変化していく対外情勢の中で、国民も大変この日本における脅威というものが迫ってきているんじゃないかということを不安に思っていらっしゃいます。私は、今日は議論を通じまして、この日本世界における立ち位置というものを明確にしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  世界的にも保護主義という言葉が使われるようになり、懸念が広がってきております。日米首脳会談では二国間協定に対する発言もあったのではないかと報道がなされました。今後、アメリカ経済的な姿勢総理はどのような感触を持たれたのか、まずは教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  95. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今回の日米首脳会談において、経済に係る問題については主にワーキングランチで話をしようということになっておりまして、一時間を予定しておりました。一時間でも、同時通訳で行いますから、逐語の通訳でやった時間としては例えば大体二時間分の中身になるわけでございますが、実際に一時間オーバーをいたしまして、二時間費やしたことになります。というのも、相当お互いに率直な話をいたしました。トランプ大統領も極めて率直な姿勢で御自身のお考えを述べておられました。私は、日本立場、あるいは今世界が保護主義が台頭していく中で、世界は、しかし、自由貿易こそがそれぞれの国々が、世界が豊かになっていく道であるということについてお話をさせていただいたところでございます。  トランプ大統領とは、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域経済発展を実現することで一致をしたところでありまして、この基盤の上に、日米双方の利益となるように日米間の貿易や投資を更に拡大させていく、こうした目的で、今回トランプ大統領と自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議を開始することで合意をしました。  米側は二国間ディールに関心を有している旨述べておりましたが、これに対して、我が国としては、TPPが日米両国にとって最善。これは先ほど申し上げましたように、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域、アジア太平洋地域経済圏をつくっていく。このルールの中においては、例えば知的財産がしっかりと保護されていく、そして国有企業はその行動が制限されていくということになりますし、あるいは環境、労働条件等々がこれ配慮されるということになっていくわけでありまして、これは日本アメリカも目指していく方向ではないでしょうかと、こうしたルールを広げていくためにはむしろTPPの方がいいんですよという話もさせていきました。そして今、様々な物を作るにも一国だけではなくて様々な国を経由していろんな製品ができていくという意味においては、こうしたTPPのようなマルチ型の仕組みの方がいいんではないか等々を、相当トランプ大統領に時間を掛けてお話をさせていただいたところでございます。  もちろん完全に納得していただいたわけではございませんが、しかし、しかしですね、この二国間ディールを米国は求めているけど、我々の立場はこういう立場に立っているということは理解をいただき、この二つの立場を満足させる道というのについてじっくり話をしていこう、それは、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議ということで開始をしようということになったわけでございまして、茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で具体的な議論を進めていき、それを麻生副総理、ペンス副大統領日米経済協議経済対話報告をしていくということが決まったところでございます。
  96. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  もう日本にとって経済発展というものは欠かせない課題でございますので、まさにその立場というものを堅持しながら、これからどのように国内で展開していくのかということは大変難しいかじ取りを要されているところだと思います。  ところで、茂木大臣もその席に同席をなさって、TPPとアメリカの距離感というものは逆にどのようにお感じになられましたか、教えていただけますでしょうか。
  97. 茂木敏充

    国務大臣(茂木敏充君) 日米首脳会談の全体像につきまして今総理の方から答弁されたとおりでありますが、二日間にわたって、全体では十一時間以上と、こういった議論が行われまして、恐らく、世界の常識から見ると、これは相当じっくり時間を掛けて、日米間で様々な問題について、安全保障でも経済でもすり合わせをしたんだろうな、こういう印象を持ったと思っております。  日本立場日本だけではなくて、TPP参加国は、チリでの署名式、三月の八日に行われたわけでありますが、この共同声明にもあるとおり、TPP11、この早期発効に全力を挙げると、これが共通の認識であります。  そして、TPPが発効した後は、新たな国・地域の加盟によりまして、台頭する保護主義に対してTPPの新しいルールというものを世界に拡大するということが視野に入ってまいります。今、コロンビアであったり、タイ、台湾、英国、様々な国・地域がTPPへの参加に関心を示している、このことは歓迎したいと思っておりまして、我が国、これまで、TPP11と、この署名までこのプロセスをリードしてきたわけでありまして、こういった関心国に対する情報提供等々もこれから引き続き中心的にやっていきたいと思っております。  そういった我が国立場につきましては、先ほど総理の答弁のとおり、先日の日米首脳会談でもトランプ大統領に対して、TPPの持つ意義であったり、マルチの枠組みというのはこれから極めて重要なんだと、こういったことをしっかり説明をしたところであります。  もちろん、トランプ大統領、二国間のディールと、これを志向しているのは間違いないところでありますが、ではTPPそのものと、完全否定しているかというと、そうではないという印象を持ちましたし、このTPPというのがアメリカにとって受け入れられるいいものになるのならそこまでは否定しない、こういう発言もしていたところであります。  今後、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、トークス・フォー・フリー・フェア・アンド・レシプロカル・トレード・ディールズ、FFRと呼んでおりますが、この協議の場を通じて、日米経済関係、さらにはアジア太平洋地域の発展にいかに両国が協力していくか、TPPの意義も含めて建設的な議論、これを進めてまいりたいと考えております。
  98. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  TPP11に対する日本の主導、いわゆるイニシアチブに関しましては、世界的にも大変高い評価を受けております。  そこで、麻生財務大臣が、さきのG20でも、このような保護主義に対する様々な話題が上がってきたかというふうに、実は私も報道で拝見させていただきました。行き過ぎの保護主義に対しまして、これは国際社会がやっぱり一丸となって調整力を発揮していくべき私は大切な場であったかと思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  99. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは、薬師寺先生御存じのとおりに、過日の総理トランプ大統領との話やら何やら、また、トランプ大統領の一連の発言の内容、一回だけじゃありませんけど、何となく保護貿易的、アメリカ・ファーストという話になっておりますので、そればっかりが大体出てきますが、普通の話もしているんですけどそっちは報道されませんから、こっちの話ばっかりでいうと、何となく世の中全体こっちに行っちゃっているんじゃないかというような状況のまんまでムードが流れるとこれは極めてゆゆしき話になりますから、そういった意味では、いや、とんでもないということで、今回のG20の中においては、自由貿易という体制を維持し続けた結果が今日世界の繁栄を、過去七十数年にわたって繁栄し続けた最大の理由は自由貿易が基本なんだからという点を、これは共通認識としてG20の中で持ってもらった、また中央銀行総裁、財務大臣が全員共通させたというところが大きな値打ちだったと思いますし、来年がG20は日本で行われますので、そういった意味では、きちんとした日本としての状況、こういったものをリードするといういい機会だと思いますので、きちんと対応してまいりたいと考えております。
  100. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  まさに大臣おっしゃいましたように、日本、来年は議長国ということで、更に難しいかじ取り、微妙な調整というものも要求されてくると思いますので、是非、今回の会議、また実績を積み上げていただきたいと願っております。  ところで、海外の情勢では、アサド政権による化学兵器使用疑惑というものも世界的に大変な脅威を与えたということでございます。アメリカ、イギリス、フランスというものが化学兵器の製造に使っていると断定した施設にミサイル攻撃を行ったということも報道されました。  この三か国の攻撃について日本として外務省がどのようなスタンスでいらっしゃるのか、そして外務省は今後シリア情勢についてどのような分析を行っていらっしゃるのか、副大臣、教えていただけますでしょうか。
  101. 佐藤正久

    ○副大臣(佐藤正久君) 化学兵器の使用は非人道的な行為であり、いかなる場合でも決して許されるものではなく、我が国として断じて容認することはできないという立場でございます。  化学兵器の拡散と使用、これは絶対に許さないとの米国、英国、フランスの決意日本政府は支持しております。その上で、今回の行動は、これ以上の事態の悪化、これを防ぐための措置と理解しております。  今回の米国等の措置がシリア情勢に及ぼす影響について予断することは差し控えたいと思いますが、我が国は、シリアの危機は軍事的手段、これによって解決できる問題ではなく、政治的解決を追求しなければならないと考えております。そのため、我が国は、国際社会連携しつつ、全ての紛争当事者に対し、軍事的措置を停止し、人道支援の実施を可能とし、国連主導の政治プロセスを進展させるため努力することを呼びかけております。
  102. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  総理、最後に、やっぱり国際情勢がこれだけ流動的になってきております。北朝鮮の動き、しっかりと私は見極めていただきたいと思いますが、一言いただけますか。
  103. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 明日、南北首脳会談が行われ、その後、米朝首脳会談が行われるわけでございます。  核兵器を含む全ての大量破壊兵器、そして、あらゆる弾道ミサイルの完全、検証可能、不可逆的な廃棄に向けて、そして何よりも大切な拉致問題に向けて、それぞれが前進していく会談となることを期待しておりますし、そうなるように私も全力、政府としても全力を挙げていく考えでございます。
  104. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
  105. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて内外の諸情勢に関する集中審議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十八分散会