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川田龍平君 先ほどちょっと述べられなかったことについて、特に
障害者のインクルーシブ
教育について、
障害者の人がしっかりと普通学級においても在籍をして授業を受けることが、
教育を受けることができる、そういう
社会の
仕組みを、まずそういった、これは、
障害者が
学校教育を通じて普通学級の中で学べるということだけではなく、普通学級に
教育を受ける
人たちも
障害者が
社会の中にいるということを認識していく上でも非常に、
障害者がどこか特別
支援学校など隔離されたところで
教育を学ぶことをつくっていくことももちろん必要かもしれませんが、でも、やっぱりインクルーシブ
教育の中で
社会全体が
ユニバーサルな状態というのを感じていくことが非常に重要ではないか、それを
子供のときからやっていくことの
制度や
仕組みというのが大変重要ではないかというふうに感じております。
そういった意味で、
障害者の問題というのは、大変今、今年一月に、旧優生保護法の下、強制不妊手術をされたという宮城県の六十代の女性が国を相手に全国初の訴訟を起こしました。これは今、NHKのニュースでもやっておりましたけれども、出生前診断、選択的妊娠中絶の件数も大変増えておりまして、胎児に
障害が見付かった場合、九割の両親が中絶をするということになっております。しかし、これが、
障害のある
子供も安心して育てられる
環境が
整備されていたら、この数字も変わってくるのではないかと思います。
私は生まれながらにして血友病という、自分も
障害を、遺伝的な疾患として持っている
障害でもありますので、そういった遺伝性の疾患を持った
子供が、やっぱりしっかりと産み育てることができる
社会というものを、
ユニバーサルな
社会をつくる上で非常に重要ではないかと感じております。
そこには、人間としての尊厳をやっぱりしっかりと重要にしていくということができない
社会であれば、かつてドイツの国で、優生思想の下で
障害者が二十万人これは殺されたという背景がありますけれども、
社会の役に立たない
人たちというのが不要な存在として殺されてきたという歴史があります。
今、効率やスピードというものを追い求めて生産性のないものが切り捨てられるような、こういった今の新自由主義とも言える、非常に弱者が不要にされる価値観の下で、やっぱり今非常に生きにくい
社会ということを感じているのが、
障害を持った
人たちや、様々、今この
格差の中で非常に苦しんでいる
人たち、弱者の視点というのが大変重要ではないかと思います。
全ての
障害者は、ほかの者との平等を
基礎として、その心身がそのままの状態で尊重される権利を有するという国連
障害者権利条約、この
障害者権利条約がしっかりと生きるような
障害者差別禁止法であるとか、この国でもこの
障害者権利条約に基づいた法律が数多く誕生しております。そういった、
障害者が
社会や他者に合わせて生きることを強いられるのではなく、
社会の側から
障害者の側を受け入れるような
社会の
仕組みをつくっていくという、この共生
社会というものを
是非実現するための中長期的な決議なり提案を
是非この
調査会でもまとめ上げていただきたいと思います。
そして、現在のこの
日本社会、大変高齢化を迎えている中で、現在、六十五歳以上の四人に一人が
認知症及び予備軍と言われております。二〇二五年には
認知症の人口が七百万人を超えるともされており、この高齢化
社会、世界の中でも
日本が抱えている高齢化というのは、非常に急速な高齢化は人類の指針になる政策になると思います。
その中で、何があっても安心して自分の住み慣れた
地域で住み続けることができる、そうした安心した
社会の
構築というのは、これは世界にとっても非常に重要な政策になり得るものだと思いますので、
是非、省庁横断型の提案をしっかりとできるような議会としての
役割、参議院としての
役割をこの
調査会として発揮していただけるように
皆さんと
協力していきたいと思います。
ありがとうございました。