○自見はなこ君 自民党の自見はなこです。どうぞよろしくお願いいたします。
健康増進法の一部を改正する
法律案についての
質問の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。本日は、閣法を中心に
質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
法治国家の
日本で、
法律により社会全体で望まない
受動喫煙を減らすという観点からすれば、今回の
法案は、一歩前進ではなく〇・一歩前進であるというふうに私は
認識をしております。
午前中の
答弁の中にもございました
WHOのFCTC条約によれば、今回の
法律案は、いわゆるゴールにたどり着いたと言うには程遠い
内容だということは
政府としても十分に確認しているというふうに私も
認識いたしましたが、同時に、今後これらのゴールにどうやってたどり着くかということを、
受動喫煙に対しての対策を
段階的に、そして確実に進めていきますよというメッセージも同時に受け取らせていただきました。小さな前進の意義も同時に感じているところであります。
ただしかし、私にもこの場を借りて主張したいことがございますので、発言をさせていただきたいというふうに思っております。
今回の
健康増進法の一部を改正する
法律案につきましては、昨年来から自民党内でも様々な
議論がございました。多くの
立場の
方々がここに至るまでの間に意見形成に関わったことも事実ですが、私は、今回の
法律案の提出に至るまでの間に、今回の基本的考え方の第一にも掲げられております望まない
受動喫煙をなくすというその中身に対して、大変残念ながら科学的な正しい理解の
認識が共有できなかった、又は科学的な正しい理解を政策に反映するための力が医療界や患者団体からの支援も受けて国政に送っていただいている我々に足りなかったがためにこのような形での
法案提出になったんだということで、大変じくじたる思いでございます。
何度も繰り返しになりますが、あえて
お話をさせていただきます。
直接
喫煙の話では、皆様ももう既にもう耳にたこができるほど御存じかとは思いますが、ブリンクマン係数というものがございます。
たばこは、一日吸う本数と、そして年数を掛け合わせたものが四百を超えると肺がんになりやすいと言われております。その係数が六百を超えると、更に飛躍的に肺がんの
リスクが高まるわけでございます。タールやその他の
発がん性物質等を中心としたこの
たばこの健康被害により、COPD、慢性閉塞性肺疾患や肺がん、咽頭がん、喉頭がん、動脈硬化などの病気や病態を引き起こしますし、また、動脈硬化が進んだ状態で、全身の体液バランスなどの条件も加わり、そこに
ニコチンによる血管収縮作用が加わりますと、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患になりやすくなります。
子供の誤嚥、誤って飲んでしまうということ、子供の誤嚥にも多いのが
たばこでございますが、
たばこ一本が子供の
ニコチンの致死量であります。妊娠期の
喫煙と、そして生後の
受動喫煙が子供の聴覚障害に与える
影響も、つい先日、京都大学大学院より
研究発表が出されたばかりでございます。
ここまでは、どちらかというと直接的な
喫煙の話であります。ここまでの話だと、人に迷惑を掛けずに
たばこを吸っているんだと皆さんおっしゃいます、何が悪いんだと。よって、ここからは直接
喫煙のこの害を踏まえた上で、
受動喫煙について
お話をしたいと思います。
今回の
法案提出に至る過程でも
議論した際に、私も気付いた科学的な
認識のずれについて三つの
お話をしたいというふうに思いますので、もう少しあえてお時間をいただきたいと思います。
まず、
一つ目の
認識の違いは、その粒子の小ささと、その小ささが持つ
意味の
認識が共有できなかったということであります。
たばこは、その煙の粒子が一マイクロメートル以下であると言われております。このマイクロメーターというのは一ミリの千分の一であります。驚くほど小さな細かな粒子によって成り立っているんだということが分かると思います。これが、人間の肺の奥にある、ガス交換をする肺胞というブドウの房のようになっている
場所までも容易に届きます。そして、その小ささゆえに、空気の僅かな流れにも乗って拡散をいたします。分煙をしているはずの
喫煙室のドアの開閉で起こる対流もあり、また、いわゆるエアカーテンと言われるものでもこの拡散は大変残念ながら抑えることが困難だというふうに言われております。
二つ目の
認識のずれでありますが、これは、副
流煙の方がより低い温度で燃やされ、かつフィルターを通過しないために、
喫煙者により体内に吸い込まれる
主流煙よりも含まれる有害
物質の含有量が多いということも知らない
方々が大変大勢おられます。
主な有害
物質の
ニコチンやタールなどでも、
主流煙よりも副
流煙の方が三倍から五倍であり、また、粘膜を刺激することで知られるアンモニアやホルムアルデヒドやニトロソアミンは約五十倍とも言われています。
三つ目の
認識のずれは、残留
受動喫煙の話であります。
たばこを直接吸うことを一次
喫煙と言います。そして、副
流煙を吸い込むということを二次
喫煙、いわゆる
受動喫煙と言いますが、
たばこを吸った
喫煙者やその周囲の壁や布などに付着した有害
物質を吸うことを三次
喫煙や残留
受動喫煙というふうに呼びます。
たばこの煙に含まれる有害
物質の粒子が布など至る所に付着し、空気中の
物質と化学反応を起こし、発がん性などの毒性がより強くなるということも報告をされています。車の中での
喫煙や家庭の中での
喫煙による三次
喫煙による
影響は、呼吸中枢がまだ未熟で、かつ呼吸回数が多い乳幼児により
影響するというふうにも言われております。
たばこを吸った方の吐く息の中に四十五分間にわたり有害
物質が検出されるということも明らかになり、これを基に、生駒市役所では、四十五分間
たばこを吸った後はエレベーターの使用を四月の一日から禁止をしています。この決定は、
産業医大の三次
喫煙の調査の結果を基に決定をされ、行われているものでございます。
私もぜんそく持ちでございますので、本当に敏感にこの
たばこのにおいでせき込んでしまいます。講演会などでマイクを前にして
お話しするときなども、前列にスモーカーの方がいて、そのときはもう
たばこを吸い終わって並んで座っておられたとしても、その方のお洋服に付いている
たばこの有害
物質に反応し、私自身が大きく息を吸ってしまうとせきが止まらなくなります。これも三次
喫煙による健康被害の一例でございます。
このような、科学的には常識的な話ですが、通常、ここまでの
お話をすると
喫煙者の
方々は皆様一様に顔をしかめます。そして、そんなはずはない、俺は人には絶対に迷惑を掛けていないとおっしゃいます。認めたくない、その気持ちも十二分に分かります。ですが、科学は科学で事実でありまして、直接的と間接的な健康被害の実際については否定しようがないというところでございます。
今申し上げた三点でございますが、この粒子の小ささ、それから副
流煙の害の強さ、そして残留
受動喫煙の三つの
認識のずれ、こういったものを正したその上で対策をするのであれば、基本的には分煙というものを同じ敷地内で厳密に行うことはかなり困難であるということも分かるかと思います。FCTC条約はここに根拠があるというふうに思っております。
よって、敷地内全面禁煙で、かつ
喫煙所の設置なしというのがやはり望まない
受動喫煙を減らすそのゴールになろうかというふうに思っておりますので、ここはしっかりと確認をさせていただきたいと思っております。
そういった科学的な話を念頭に置いた上で、目指すべきゴールを確認した上で、社会で望まない
受動喫煙対策を行うということのために最低限の例外を認めることで
対応したということですが、まず、そのラインで今回の
法律に落とし込めたのかということについて、
質問に移らせていただきたいと思っております。
一問目ですけれども、義務
内容及びその義務に違反したときの
対応についての
質問になります。
今回の
法律案では、全ての者に対して、
喫煙禁止場所における
喫煙の禁止、紛らわしい
標識の掲示、そして
標識の汚損の禁止、そして、
管理権原者に対し、
喫煙禁止場所での
喫煙器具、
設備などの設置の禁止、
喫煙室への二十歳
未満の者の立入禁止をうたっていただいております。それぞれに対して適用される罰則がある中で、四番目の二十歳
未満の者の立入りの禁止についてだけ罰則がないというのが現状でございます。
そこでお尋ねでございますが、こういった二十歳
未満の者に対しての罰則がないという中で、この対策に対しては不十分ではないかというふうに思いますが、お考えをお聞かせください。