○山田(修)
参議院議員 ただいま議題となりました
商業捕鯨の
実施等のための
鯨類科学調査の
実施に関する
法律案につきまして、その趣旨及び主な
内容について御
説明申し上げます。
我が国の伝統と文化である捕鯨に関しては、国際捕鯨
委員会における
商業捕鯨の一時停止の決定以降、
商業捕鯨の再開のために必要な科学的知見を収集するため、国際捕鯨取締条約に基づく鯨類捕獲調査が
実施されてきました。
しかしながら、近年、反捕鯨団体による過激な妨害活動により調査の
実施に支障が生じ、また、国際司法裁判所の南極における捕鯨訴訟において
我が国にとって厳しい判決が出されました。
現在、新たな計画に基づく調査が開始されておりますが、
平成二十六年四月の衆議院及び
参議院の
農林水産委員会における調査捕鯨
実施等に関する決議を踏まえ、鯨類に関する科学的調査を国の責務として位置づけ、安定的かつ継続的に
実施するための
法律の
制定が必要とされています。
本
法律案は、このような
状況を踏まえ、
商業捕鯨の
実施等のための
鯨類科学調査を安定的かつ継続的に
実施するために必要な事項について定めることにより、
商業捕鯨の
実施による水産業等の発展を図るとともに、海洋生物資源の持続的な利用に寄与しようとするものであります。
以下、本
法律案の主な
内容を御
説明申し上げます。
第一に、
鯨類科学調査の基本原則として、主として
商業捕鯨の
実施のための科学的知見を得ること、条約及び科学的知見に基づくこと等の基準を全て満たし、かつ、原則として捕獲を伴うことを定めております。
第二に、
鯨類科学調査を国の責務として位置づける観点から、基本方針及び
鯨類科学調査計画の策定を
政府に義務づけ、指定
鯨類科学調査法人等により調査を
実施することとしております。
第三に、
鯨類科学調査の費用の補助について定めるとともに、調査研究を行う人材の養成、調査用船舶の確保等の
実施体制の
整備に必要な
措置を講ずることとしております。
第四に、妨害行為の防止及び妨害行為への対応のための施策として、調査
実施主体に対する支援、調査
実施海域への
政府職員及び船舶の派遣、
関係行政機関による情報共有等について
規定しております。
第五に、科学的知見の
国内外における
普及活用、鯨類文化等についての広報活動の充実、捕獲した鯨類の調査終了後における有効かつ合理的な利用及び学校給食における利用の促進等について必要な
措置を講ずることとするほか、財政上の
措置等について
規定しております。
第六に、
鯨類科学調査以外に地域で取り組まれている鯨類の科学的な調査についても、必要な
措置を講ずることとしております。
なお、この
法律は、公布の日から施行することとしております。
以上が、この
法律案の趣旨及び主な
内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますよう
お願い申し上げます。
ありがとうございました。