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2016-10-26 第192回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年十月二十六日(水曜日) 午後一時開会 ─────────────
委員
の
異動
十月十四日
辞任
補欠選任
小川
克巳
君
佐藤
信秋
君 こやり
隆史
君
藤木
眞也君
杉尾
秀哉
君
羽田雄一郎
君
平山佐知子
君
小林
正夫
君
武田
良介
君 紙
智子
君 十月二十五日
辞任
補欠選任
馬場
成志君
進藤金日子
君
小林
正夫
君
難波
奨二君 紙
智子
君
武田
良介
君
石井
章君
室井
邦彦
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
若松
謙維君
理 事 そのだ
修光
君
山田
俊男
君
川合
孝典
君
平木
大作
君 委 員 足立 敏之君
佐藤
啓君
佐藤
信秋
君 酒井
庸行
君 自見はなこ君
進藤金日子
君 関口 昌一君
藤木
眞也君
難波
奨二君
羽田雄一郎
君 浜口 誠君
武田
良介
君
室井
邦彦
君
木戸口英司
君
薬師寺みちよ
君
国務大臣
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
防災
) )
松本
純君 副
大臣
内閣
府副
大臣
松本
洋平
君
大臣政務官
内閣
府
大臣政務
官
務台
俊介
君
事務局側
常任委員会専門
員 田中 利幸君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
災害対策樹立
に関する
調査
(
派遣委員
の
報告
) (
平成
二十八年八月以降の
台風
による
被害状況
等に関する件) ─────────────
若松謙維
1
○
委員長
(
若松謙維君
) ただいまから
災害対策特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 昨日までに、
杉尾秀哉
君、
平山佐知子
君、
小川克巳
君、こやり
隆史
君、
石井章
君及び
馬場成志
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
羽田雄一郎
君、
佐藤信秋
君、
藤木眞也君
、
室井邦彦
君、
難波奨
二君及び
進藤金日子
君が選任されました。 ─────────────
若松謙維
2
○
委員長
(
若松謙維君
) この際、
松本国務大臣
、
松本内閣府副大臣
及び
務台内閣
府
大臣政務官
から発言を求められておりますので、順次これを許します。
松本国務大臣
。
松本純
3
○
国務大臣
(
松本純
君)
国土強靱化担当大臣
、
防災
を担当する
内閣
府
特命担当大臣
として、一言御挨拶を申し上げます。
我が国
は、その
自然的条件
から、
各種
の
災害
が
発生
しやすい
特性
を有しております。こうした
我が国
の
特性
を踏まえ、
防災
は国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、
災害
に強くしなやかな
国づくり
を進めてまいる
所存
です。 いまだ記憶に新しい
東日本大震災
を始め、今年に入ってからも
台風
や
豪雨
、
地震等
による
災害
が多数
発生
しております。特に、四月の
熊本地震
や、
岩手
県及び
北海道
を
中心
に甚大な
被害
をもたらした
一連
の
台風
、今月二十一日に
発生
した鳥取県中部を震源とする
地震
により、多数の
方々
が
被災
されております。これらの
災害
によりお亡くなりになられた
方々
とその御
遺族
に対し、深く
哀悼
の意を表しますとともに、全ての
被災者
の
方々
に心からお
見舞い
申し上げます。
政府
は、これらの
災害
に対して
被害状況
の
早期把握
及び
被災者
の
救援救助活動
に
全力
を尽くすとともに、
熊本地震
においては
プッシュ型物資支援
や
被災者生活支援チーム
を設置し
対応
を行うなど、
関係省庁
が
一体
となって
対応
してまいりました。また、
災害救助法
の執行や
被災者生活再建支援法
の適用のほか、
激甚災害
の
早期指定
についても尽力してきたところです。 今後とも、
被災者
の
皆様方
の切実な声に真摯に耳を傾け、一日も早く
日常
の
生活
を取り戻していただけるよう、
被災者支援
、
復旧復興対策等
に
全力
で取り組んでまいります。 続きまして、
防災対策
の主な
課題
と
取組方針
について御
説明
いたします。 まず、
地震対策
の
強化
です。 先般の
熊本地震
の
教訓
を踏まえた
防災対策
の見直しのため、
中央防災会議
の下に
熊本地震
を踏まえた
応急対策
・
生活支援策検討ワーキンググループ
を設置し、
発災
時における
地方公共団体
への
支援
や
生活物資
の
支援
の
在り方
、
避難生活
の
改善
、
復旧復興
に向けた住まいの場の円滑な
確保等
について具体的な
検討
を進めています。
年内
にも取りまとめられるこの
ワーキンググループ
の
報告
を受けて、速やかに
改善策
を取りまとめ、必要な
対策
を講じてまいります。 また、
地方公共団体
の
受援体制
に関する
検討会
を設置し、
地方公共団体
が国や他の
地方公共団体
、
民間企業
、
NPO等
からの人的、
物的支援
を円滑に受け入れられるよう、
受援計画
の
策定
の
促進方策
を
検討
し、
支援
してまいります。 広範囲かつ甚大な
被害
が懸念される
南海トラフ地震
については、
中央防災会議
の下に設置した
南海トラフ沿い
の
地震観測
・評価に基づく
防災対応検討ワーキンググループ
において、
地震発生予測
の
可能性
や何らかの異常が観測された場合の具体的な
対応
の
在り方
について
検討
を進めているところであり、その
報告
を受けて必要な
対策
を講じてまいります。 また、今後
発生
が懸念される
首都直下地震
についても、四年後の
東京オリンピック
・パラリンピックの開催に向けて、必要な
対策
を
強化
してまいります。 具体的には、本年三月に
策定
した
首都直下地震
における具体的な
応急対策活動
に関する
計画
について、
南海トラフ地震
における具体的な
応急対策活動
に関する
計画
と併せて、
関係省庁
や
地方公共団体
、
民間企業等
と
連携
した
各種防災訓練
の
実施
を通じて、
実効性
の
確保
、
向上
に向けた
取組
を進めてまいります。 次に、
水害対策
の
強化
についてです。 先般の
一連
の
台風災害
を踏まえた
対策
については、
地方公共団体
による
避難勧告等
の発令の
在り方
や、
社会福祉施設
における
避難体制
の
確保
、
避難準備情報
の
名称変更
も含めた
情報提供
の
在り方
といった
課題
に対し、
防災
、
福祉等
の
関連分野
の有識者から成る
検討会
において議論を行い、
年内
をめどに結論を得る
予定
です。 また、
気候変動等
による大
規模水害
の
発生
が危惧されることから、
中央防災会議
の下に設置した
洪水
・
高潮氾濫
からの大
規模
・
広域避難検討ワーキンググループ
において、
首都圏等
における
洪水
や
高潮氾濫
からの大
規模
かつ広域的な
避難
の
在り方
について
検討
を進めます。 さらに、頻発する
火山災害
の
対策
については、御嶽山の噴火を踏まえて改正された
活動火山対策特別措置法
に基づき、
警戒避難体制
の
整備
や、
火山専門家
の育成、
監視観測
・
調査研究体制
の
整備
など、
関係省庁
と
連携
して進めてまいります。また、各
火山地域
における
避難計画
の
策定支援
や大
規模降灰
への
対応策
についても
検討
を進めるなど、必要な
対策
を講じてまいります。 これらの様々な
災害対策
の
推進
に当たっては、
公助
のみならず、
自助
、
共助
の
取組
いずれもが重要であると考えております。そのため、
各界各層
において
我が国
を代表する
団体
により構成された
防災推進国民会議
を
中心
に、
自助
、
共助
の
取組
を
国民運動
として一層
推進
してまいります。 さらに、
地区防災計画制度
の
推進
を始め、
災害教訓
の継承、
防災ボランティア活動
の
環境整備
、
企業
における
事業継続計画
の
普及等
の
取組
を進めるとともに、
国民
の
皆様
にも、日頃から水、
食料品等
の備蓄や
災害保険
への
加入等
の
災害
への備えに取り組んでいただけるよう、
防災意識
の
啓発
に努めてまいります。 また、昨年十二月に、
我が国
を始めとする百四十二か国が共同提案した
世界津波
の日が
国連総会
において採択されたことも踏まえ、
津波防災
の
啓発活動
に、より一層取り組むとともに、
総合防災訓練大綱
に基づき、国や
地方公共団体等
において、
防災訓練
を総合的かつ
計画
的に
実施
することで、多様な主体の
連携
による
防災力
の
向上
に努めてまいります。 また、
国際防災協力
については、昨年三月に
我が国
で開催された第三回
国連防災世界会議
において採択された国際的な
防災
の
取組指針
である
仙台防災枠組
二〇一五―二〇三〇に基づき、
東日本大震災
を始めとする幾多の
自然災害
から得られた
我が国
の知見や
教訓
、
防災技術
や
防災体制等
を
世界
と共有し、
国際社会
における
防災
の
主流化
に積極的に貢献してまいります。
国土強靱化
につきましては、
国土強靱化基本計画
や毎年度の
アクションプラン
の着実な
推進
を図るとともに、特に
市区町村
における
国土強靱化地域計画
の
策定
を
支援
してまいります。さらに、
事業継続
に取り組む
企業等
を認証する仕組みの周知を始めとする
取組
により、
企業等
の主体的な
取組
を促すほか、
啓発活動
の
推進
により、
国土強靱化
に対する
国民
の理解と関心が深まるよう努めてまいります。 今後とも、施策の
重点化
、
優先順位付け
を行い、ハード、ソフトの
対策
を適切に組み合わせながら、国、
地方
、
民間
が
一体
となって、効率的かつ効果的に
国土強靱化
を進めてまいります。 以上申し上げましたとおり、
東日本大震災
や
一連
の
災害
からの迅速かつ円滑な
復旧復興
と、これらの
災害
を
教訓
とした
災害対策
の一層の
充実
を実現し、
災害
に強くしなやかな
国づくり
を進めるため、大きな
使命感
と
責任感
を持って
全力
を尽くしてまいる
所存
です。
若松委員長
を始め、
理事
、
委員各位
の格別の御
指導
、御
鞭撻
を賜りますようお願い申し上げます。
若松謙維
4
○
委員長
(
若松謙維君
) 次に、
松本内閣府副大臣
。
松本洋平
5
○副
大臣
(
松本洋平
君)
国土強靱化担当
、
防災担当内閣府副大臣
の
松本洋平
でございます。
東日本大震災
以来、
地震
や
豪雨
、
台風
などの
一連
の
災害
によりお亡くなりになられた
方々
と御
遺族
に対しまして、深く
哀悼
の意を表しますとともに、
被災者
の
方々
に心からお
見舞い
を申し上げます。
災害
から
国民
の生命、身体、財産を守ることは国政の最
重要課題
の一つです。
国土強靱化担当
、
防災担当内閣府副大臣
として、
松本純大臣
を補佐し、
一連
の
災害
からの
復旧復興
、今後の
災害対策
と強靱な
国づくり
に
全力
で取り組んでまいります。
若松委員長
を始め、
理事
、
委員各位
の御
指導
、御
鞭撻
を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
若松謙維
6
○
委員長
(
若松謙維君
) 次に、
務台内閣
府
大臣政務官
。
務台俊介
7
○
大臣政務官
(
務台俊介
君)
内閣
府
大臣政務官
の
務台俊介
でございます。
東日本大震災
以来、今年に入ってからも、
熊本地震
や
一連
の
台風災害
を始め、
各地
で
自然災害
が
発生
しております。これらの
災害
によりお亡くなりになられました
方々
と御
遺族
に対しまして、深く
哀悼
の意を表しますとともに、
被災者
の
方々
に心からお
見舞い
を申し上げます。 また、九月一日の
岩手
県岩泉町の
被災現場視察
時におきます私の不適切な行動につきましては、この場をお借りして改めて深くおわび申し上げます。今後は、一層の
責任感
と
緊張感
を持って、
松本洋平
副
大臣
とともに
松本純大臣
を補佐し、
災害対策
や
国土強靱化
に
全力
を尽くしてまいります。
若松委員長
を始め、
理事
、
委員各位
の御
指導
、御
鞭撻
を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 ─────────────
若松謙維
8
○
委員長
(
若松謙維君
)
災害対策樹立
に関する
調査
を議題といたします。 まず、去る二十四日に行いました
平成
二十八年
台風
第十
号等
に係る
被害状況等
の
実情調査
のための
委員派遣
につきまして、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。
山田俊男
君。
山田俊男
9
○
山田俊男
君 去る二十四日、
北海道
において、
平成
二十八年
台風
第十
号等
に係る
被害状況等
の
実情
を
調査
してまいりました。
参加者
は、
若松謙維委員長
、そのだ
修光理事
、
川合孝典理事
、
平木大作理事
、
紙智子委員
、
石井章委員
、
木戸口英司委員
、また、
現地
参加されました
徳永エリ議員
、そして私、
山田俊男
の九名であります。
現地調査
の
概要
を御
報告
いたします。
北海道
では、
平成
二十八年八月十七日から二十三日の一週間に、
台風
第七号、第十一号、第九号と
観測史上
初めて三個の
台風
が
上陸
し、道東を
中心
として
大雨
により
河川
の
氾濫
や
土砂災害
が
発生
しました。さらに、
台風
第十号が八月三十日に
北海道
に接近したことなどにより、八月の
降水量
は
道内
の
観測地点
の約四割で過去
最大値
を更新するなど、
各地
で記録的な
大雨
となり、過去に類例のない大きな
被害
が
発生
しました。
道内
においては、十月十九日現在で
死者
四名、
行方不明者
二名、
負傷者
十五名、
住家
の全
半壊
・一部損壊千九十件となっております。また、道及び
市町村分
を合わせた
被害額
は、九月二十七日の
時点
で
農業
が約五百四十億円、
道路
、
橋梁等
の
公共土木施設等
が約千二百億円になるなど約二千億円に上っており、特に
十勝地方
においては、全道の
被害総額
のおおむね半分を占めるなど、甚大な
被害
に見舞われました。
現地
におきましては、まず、
帯広空港
に到着した後、
バス車中
にて、
北海道十勝総合振興局
、
内閣
府、農林水産省、
国土交通省
から
被害
の
状況等
について、それぞれ
説明
を聴取しました。 次に、
芽室
町の
めむろ駅前プラザ
「
めむろー
ど」に赴き、
荒川北海道
副
知事
に
見舞金
を手交した後、同副
知事
から、国道二百七十四号の
早期復旧
や
JR北海道
への
支援
を始めとする
地域
・
産業
・
物流
を支える
交通網
の
確保
、
観光需要
の
早期回復
に向けた特段の
支援
、
災害対策関連事業等
における柔軟な
対応
、
復旧
・
復興
に対する十分な
地方財政措置
を
内容
とする
要望書
を、また、
十勝圏活性化推進期成会
副
会長
の
吉田鹿追町長
から、冬期の
災害復旧事業等
への柔軟な
対応
、
JR根室線
・
石勝線
の
完全復旧
など
十勝地方
の
物流
と
旅客輸送
を支える
交通網
の
確保
、
観光地
に対する
支援等
を
内容
とする
要望書
を、さらに、
十勝地区農業協同組合長会
の有
塚会長
から、
被災農家
に対する
経営支援対策
、
農地
の
復旧事業
に係る
上限単価
の引上げ、
農地
の
基盤整備対策
の継続的・
計画
的な
実施等
を
内容
とする
要請書
を、それぞれ受領しました。 次いで、
荒川
副
知事
から、
台風等大雨
による
被害
及び
復興状況等
について、
国土交通省北海道開発局
から、今夏の
大雨
による
被災状況等
について、それぞれ
説明
を聴取するとともに、
吉田鹿追町長
、有
塚会長
から、
要望書
の
内容等
について
説明
を聴取しました。 次に、
前田帯広
市副市長、
浜田新得町長
、
高薄清水町長
、
宮西芽室町長
から、それぞれ
意見
・
要望
を聴取しました。その後、
派遣委員
との間において、
加工工場
の
被災
により出荷が困難となった
農作物被害
への
対応状況
、
被災農家
の減収に対する
支援
の
在り方等
について
意見交換
を行いました。 次いで、
宮西芽室町長
の
説明
を受けながら、
同町
の
芽室
南二線
地区
の
被災現場
を視察しました。同
地区
では、
台風
第十号により
芽室川
の
堤防
が決壊し、約十五ヘクタールの
農地
が冠水して、
土砂
が流入する等の
被害
に見舞われました。現在、
堤防
の
応急復旧工事
が進められており、
堤防
は
ブルーシート
で覆われた
状態
でありました。 引き続き、
車中
より、
日本罐詰
十勝
工場
を視察しました。同
工場
は、
台風
第十号により、
工場裏側
にある
芽室川
が決壊して、
工場
内に汚泥が堆積し、
設備等
に大きな
被害
が生じているとのことであります。そのため、
全国シェア
の七割以上を占めている
国産原料
の
コーン缶詰
については、操業を停止しているとのことでした。 次いで、
清水
町に移動し、
旭山地区
の
被災農地
を視察しました。同
地区
では、
台風
第十号により約三百メートル離れた久山川が
氾濫
し、
農地
が
浸水
した結果、数メートルの深さで
農地
が抉れ、水の流れていない水路が延々と続いているような
状態
となっておりました。 また、
同町
では
町道
の
ペケレベツ橋
と
石山橋
を視察しました。
台風
第十号によりペケレベツ川の
堤防
が決壊したため、橋に接続する
道路
や周辺の
民家
が流される
被害
が生じました。現在も、両橋は通行できない
状況
であり、
民家
が複数流されたままとなっておりました。 次いで、
新得
町に移動して、
JR根室線新得
駅構内の
下新得
川
橋梁
に赴き、
JR北海道
から
橋梁
及び線路の
被害状況
について
説明
を受けました。
根室線
・
石勝線
内では、同
橋梁
のほかにも、
台風
第十号による
河川増水
のため、
橋梁
や路盤が流失している箇所があるとのことでした。現在、
帯広
と札幌をつなぐ大動脈である
根室線
・
石勝線
については、他の
河川
で使う
予定
であった橋脚を転用することなどにより
工事
を進め、
年内
の
復旧
を目指しているとのことであります。 最後に、
帯広
市の中島町
地区
に赴き、
国土交通省北海道開発局
から、札内川の
堤防決壊
による
被害状況
について、また、
帯広大正農業協同組合
から、同
地区
での
農地
の
浸水被害状況
について、それぞれ
説明
を受けました。同
地区
では、札内川と戸蔦別川の
合流地点付近
で
堤防
が決壊し、四戸の
農家
の約三十ヘクタールの
農地
において、作物及び
土壌
の流出、
流倒木
・砂礫の
堆積等
による甚大な
被害
に見舞われました。表土が流され、豊かな
土壌
を取り戻すためには時間が掛かることから、今後の営農への深刻な
影響
が懸念されており、
離農者
を出さないための
対策
の
重要性
について、
農家
の
方々
の切実な声を伺いました。 以上が、
調査
の
概要
であります。 今回の
調査
を通じまして、
地域
・
産業
・
物流
を支える
道路
や鉄道など
交通
・
流通網
における
被害
、そして
我が国
の
食料生産基地
である
十勝地方
の
農業
及び
関連工場等
における
被害
の甚大さを痛感いたしました。今後は、
災害
に強い
交通
・
流通網
の
整備
、そして、
被災
された
農林水産業者
の
方々
が離職せずに将来にわたって生業と
生活
を見通すことを可能とする
支援
の
方策
などについて、更なる
充実
を図っていくことの
重要性
を改めて認識した次第であります。 終わりに、今回の
調査
に当たり御
協力
をいただきました
皆様
に心から御礼を申し上げ、
被災地
の一日も早い
復旧
・
復興
をお祈りし、
派遣報告
といたします。 以上です。
若松謙維
10
○
委員長
(
若松謙維君
) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 次に、
平成
二十八年八月以降の
台風
による
被害状況等
について
政府
より
報告
を聴取いたします。
松本防災担当大臣
。
松本純
11
○
国務大臣
(
松本純
君)
平成
二十八年八月以降の
一連
の
台風
による主な
被害状況
及びその
対応
につきまして御
報告
いたします。 まず、
一連
の
台風
によりお亡くなりになられた
方々
の御冥福をお祈り申し上げます。また、
被災
された全ての
方々
に対し、心よりお
見舞い
申し上げます。 この夏、
台風
第十号を始め、
日本各地
で記録的な
豪雨
が相次ぎました。特に、
北海道
、
東北地方
に相次いで
上陸
、接近した
台風
第七号、第十一号、第九号及び第十号の
影響
で、
東日本
から北日本を
中心
に
大雨
となり、
北海道
では総雨量が八百ミリを超え、例年の八月の四倍近くの降雨となる
地点
があるなど、記録的な
大雨
となりました。 この
一連
の
台風
により、
北海道
、
岩手
県を
中心
に
河川
の
氾濫
、
浸水
、
土砂災害
が
発生
し、十月二十五日
時点
で把握しているところでは、
全国
で
死者
二十四名、
行方不明者
五名等の
人的被害
や、二千七百棟を超える
住家
の全
半壊
や多数の床上・
床下浸水等
の
被害
が出ております。また、
道路
や電気、
水道等
のライフライン、
農地
や
農林水産業
の
施設
、収穫間近であった
農作物等
にも大きな
被害
が生じております。
政府
としては、
台風上陸
前から
関係省庁災害警戒会議
を開催するとともに、
台風
第十号の
発災
直後には、
総理
からの指示を踏まえ、直ちに
関係省庁局長会議
や
関係省庁災害対策会議等
を開催し、
一連
の
台風
に対して適時適切な
対応
を取ってまいりました。 また、
被害
の大きかった
北海道
、
岩手
県に
政府調査団
を派遣するとともに、孤立が多数の
地域
で
発生
していた
岩手
県に
政府現地連絡調整室
を設置するなど、
被災自治体
と緊密に
連携
を図りつつ、人命の
救命救助
、
被災者
に対する
支援
や速やかな
復旧
に向け、
政府一丸
となって
全力
で
対応
してきたところです。
被害状況
と
現地
の
課題
を確認するため、私自身が九月五日に
北海道
を、九月十一日に
岩手
県を訪れ、
道県知事
、
被災自治体
から
被害状況
、当面の
課題
をお聞きするとともに、
避難所
を訪問し、
現地
の
状況
をつぶさに把握してまいりました。 さらに、
安倍総理
が九月十四日に
北海道
を、十月八日に
岩手
県をそれぞれ視察し、
道県知事
、
被災自治体
と
意見交換
を行っております。 このような中で、九月十六日には、
北海道
や
東北地方
に甚大な
被害
をもたらした八月後半の
台風
による
災害
を
一連
の
災害
として
激甚災害
に指定し、
公共土木施設
や
農地
及び
農林水産業共同利用施設等
の
災害復旧事業
に係る
特別措置等
を講じております。 その後も、立て続けに
台風
第十二号、第十三号、第十六号及び第十八号が接近、
上陸
しておりますが、
関係省庁
が緊密な
連携
を図り、
対応
しているところです。 中でも、鹿児島県、宮崎県を始め、
各地
に甚大な
被害
をもたらした
台風
第十六号による
災害
については、十月二十一日に
激甚災害
に指定し、
農地等
の
災害復旧事業
に係る
特別措置等
を講じております。 今後とも、
被災者
の
皆様方
の切実な声に真摯に耳を傾け、一日も早く
日常
の
生活
を取り戻していただけるよう、
被災者支援
、
復旧復興等
に
全力
で取り組んでまいります。
若松謙維
12
○
委員長
(
若松謙維君
) 以上で
政府
からの
報告聴取
は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十六分散会