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2016-05-19 第190回国会 参議院 総務委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年五月十九日(木曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
五月十二日
辞任
補欠選任
井原
巧君
山谷えり子
君
石井
正弘
君
石井みどり
君
大沼みずほ
君
溝手
顕正
君
柘植
芳文
君
中西
健治
君
吉川
沙織
君
石橋
通宏
君 五月十三日
辞任
補欠選任
石井みどり
君
石井
正弘
君
中西
健治
君
柘植
芳文
君
溝手
顕正
君
大沼みずほ
君
山谷えり子
君
井原
巧君
石橋
通宏
君
吉川
沙織
君 五月十八日
辞任
補欠選任
林
久美子
君
野田
国義
君 五月十九日
辞任
補欠選任
羽田雄一郎
君
森本
真治
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
山本
博司
君 理 事
大沼みずほ
君 島田 三郎君 藤川 政人君 石上 俊雄君 寺田
典城
君 委 員
井原
巧君
石井
正弘
君 礒崎
陽輔君
関口 昌一君
柘植
芳文
君
二之湯
智君 松下 新平君 森屋 宏君 江崎 孝君 難波 奨二君
野田
国義
君 藤末 健三君
森本
真治
君
吉川
沙織
君 横山 信一君
吉良よし子
君
片山虎之助
君 又市
征治
君 主濱 了君
国務大臣
総務大臣
高市
早苗
君 副
大臣
総務
副
大臣
土屋 正忠君
大臣政務官
総務大臣政務官
古賀
篤君
事務局側
常任委員会専門
員 小野 哲君
政府参考人
内閣官房内閣審
議官
藤本
康二
君
内閣官房内閣審
議官
谷脇 康彦君
警察庁長官官房
総括審議官
村田 隆君
個人情報保護委
員会事務局長
其田
真理
君
総務大臣官房地
域力創造審議官
原田 淳志君
総務省行政管理
局長
上村
進君
総務省政策統括
官 南 俊行君
国税庁長官官房
審議官
柴崎
澄哉君
厚生労働大臣官
房情報政策
・政
策評価審議官
安藤 英作君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
行政機関等
の保有する
個人情報
の適正かつ効果 的な
活用
による新たな
産業
の
創出
並びに活力あ る
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資する ための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ─────────────
山本博司
1
○
委員長
(
山本博司
君) ただいまから
総務委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日までに、
林久美子
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
野田国義
君が
選任
されました。 ─────────────
山本博司
2
○
委員長
(
山本博司
君) まず、
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が一名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山本博司
3
○
委員長
(
山本博司
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
大沼みずほ
君を指名いたします。 ─────────────
山本博司
4
○
委員長
(
山本博司
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
行政機関等
の保有する
個人情報
の適正かつ効果的な
活用
による新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
の審査のため、本日の
委員会
に、
理事会協議
のとおり、
内閣官房内閣審議官藤本康二
君外八名を
政府参考人
として
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山本博司
5
○
委員長
(
山本博司
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
山本博司
6
○
委員長
(
山本博司
君)
行政機関等
の保有する
個人情報
の適正かつ効果的な
活用
による新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
を議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
井原巧
7
○
井原巧
君 おはようございます。自由民主党の
井原
でございます。 本案につきまして順次
質問
を行いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 まず、
社会
の事象ということ、
社会
不安という
言葉
があるんですけれども、
基本
的に私たちの
社会
というのは、本来
信頼
が当たり前のものが崩れたときに
社会
不安というのが起こってくるんですけれども、例えば
行政
とか、あるいは司法というか裁判所とか、あるいは警察とか治安とか、本来はそれが、
信頼
が当たり前のところで成り立っているものに、後ろに不安とか不信という
言葉
が続くような、そういう時世になると
社会
不安が起こってくるということでありますけれども、今回の
法案
の
個人情報
ということは、実はそれぞれ
国民
にとっては非常に大切なものというふうにみんな思っております。まして、
行政
が保有する
個人情報
というのは、任意ではなくて、
法律等
で半ば強制的にその
目的
のために徴集されたというものでありますから、仮にそれが一つでも漏えいするようなことがあればそれはもう大きな
社会
不安につながってくると、そういう
基本
的な
認識
を持った上で本日は
質問
を続けてまいりたいと思いますけれども。 今
法案
は、
パーソナルデータ
の
利活用
により、
経済
の
効率化
や新
産業
の
創出
につながる、もって
消費者
の
生活
の豊かさや
利便性
が向上することの
期待
とか、あるいは何より防災とか健康とか医療とか福祉とか、その
分野
での
公益性
が向上できるというふうに伺っておりますが、今申し上げたように、そこに
社会
不安が生まれては元も子もないというふうな
認識
を私は持っております。 そこで、改めて確認の意味でお
伺い
をいたします。これまでは
情報公開
という、
個人情報
を避けたものをそのまま出すという、そういう手法しかなかったわけでありますけれども、今回は
利活用
という、そういう見地に立ってこの
制度
の
法案
を
改正
したというふうに
理解
しております。今回、非
識別加工情報
の
提供制度
を
整備
するわけでありますけれども、この
法案
の
基本理念
を改めて確認することと、またその国際的な潮流をどのように踏まえているのか、お
伺い
をいたします。
高市早苗
8
○
国務大臣
(
高市早苗
君) 近年の
情報通信技術
の進展によりまして、いわゆる
ビッグデータ
の
収集
、
分析
というものが可能になりました中で、特に
利用価値
が高いとされる
パーソナルデータ
の
利活用
を適正かつ効果的に進めていくということは、新たな
産業
の
創出
、活力ある
経済社会
や豊かな
国民生活
の
実現
に資するものでありまして、
官民
を通じた重要な
課題
でございます。 今回の
制度改正
でございますが、
行政機関等
が保有する
個人情報
の効果的な
利活用
を図るものですが、
個人
の
権利利益
の
保護
、これが
確保
されるということが大前提でございます。
利活用
と
保護
の
調和
の取れた
制度
とするということを
基本
といたしております。 このような
制度設計
に当たりましては、国際的な動向にも留意しております。第三十二回
国際データ保護
・
プライバシー
・
コミッショナー会議
で議決されました
プライバシー
・バイ・デザイン、ここでは、一見すると相反するように捉えられがちな
個人情報
の
保護
と
利用
をゼロサムで捉えるのではなく
ポジティブサム
で捉え、その
両立
を図るという
考え方
が取られておりまして、今回の
改正
はこのような
考え方
に合致したものになっております。 この
法律案
によりまして、
個人
の
権利利益
の
保護
に支障がない形で
利活用
するための環境を
整備
した上で、
民間事業者
の
創意工夫
による
利活用
が図られることで豊かな
国民生活
に寄与するということを
期待
しております。
井原巧
9
○
井原巧
君
保護
とその
利活用
の
調和
ということでありまして、
保護
を確実に
皆さん方
に担保できるように今後も取り組んでいただきたいというふうに思っておりますが。 昨年の九月には、先ほど
お話
ありましたように、
民間部門
の
個人情報保護法
が
改正
されて、そこでは
匿名加工情報
という
仕組み
が設けられております。また、本
改正
では
行政機関等
という
公的機関
の
パーソナルデータ
を
活用
するということでありますが、そこでは非
識別加工情報
という名前になっているわけでありますけれども、共にどちらも
加工
をして
パーソナルデータ
を
提供
するという
制度
でありますけれども、まずは、具体的にそういうふうな
取組
を行ってどのような
民間
からの
ニーズ
があるというふうに考えているのか、その辺のことについてお聞きしたいと思いますし、また、果たして、それだけ苦労してつくるのに
ニーズ
があるのかなという不安の声も聞いたりもいたします。 そこで、三点ほどお
伺い
したいと思いますが、
衆議院
の
質疑
でも
お話
があったようでありますが、
民間対象
の
個人情報保護法
では
個人情報
の
匿名化
への
加工
を、先ほど申し上げましたように、
匿名加工情報
としたのに対して、本
法案
では非
識別加工情報
という、
言葉
が違うわけですが、
利用
する側からは少し分かりにくいというふうに思うんですが、同じ
名称
にしなかった
理由
、その違いは何なのか、使う側の立場に立って分かりやすく御
説明
をお願いいたします。
上村進
10
○
政府参考人
(
上村進
君) お答え申し上げます。 非
識別加工情報
と申しますのは、
行政機関
が保有する
個人情報
、これを適正に
加工
することによりまして、
特定
の
個人
、これを識別できないようにした上で
民間事業者
に
提供
するものでございます。 したがいまして、
個人情報保護法
で言います
匿名加工情報
、それから今回の非
識別加工情報
は、双方とも
特定
の
個人
を識別できず、元の
個人情報
を復元できないように
加工
したものである点、この点で共通しております。
提供
を受けた
民間事業者
におきましては、非
識別加工情報
は
個人情報保護法
上の
匿名加工情報
に当たるものとして取り扱われることになります。 それで、これを別の
名称
とした
理由
でございますけれども、新
制度
が
施行
されていく中におきまして、
行政課題
を
解決等
をするために非
識別加工情報
につきまして
提供元
の
行政機関等
におきまして
照合行為
を行う必要が生じることがあり得ます。このため、今回の
改正案
では
照合禁止義務
を
措置
していないわけでございます。このため、理論上、
作成
の元となった
データ
、これを
行政機関
は保有しているわけでございますので、
行政機関
の
内部
ではこの元となった
データ
と照合することが可能でございますので、
基本
的にこれは
個人情報
に該当するということで厳格に取り扱うことが求められるわけでございます。このため、今回の
改正案
につきましては、
個人情報
に該当しないとされております
匿名加工情報
、それから
個人情報
に該当する非
識別加工情報
、これを峻別するために別の
名称
としているということでございます。 いずれにいたしましても、この非
識別加工情報
という
名称
、それからこれが
個人情報
として取り扱われるということ、これは
行政機関個人情報保護法
が適用される
行政機関内部
のみに係るものでございまして、この
提供
を受けました
民間事業者
には
個人情報保護法
のみが適用されるものでございます。このため、
適用法律
の区分は明確であると考えてございまして、この二者の間で紛れが生じるおそれはないものと考えております。
井原巧
11
○
井原巧
君 生じるものはないというふうに考えているということでありますけれども、いずれにしろ、取る側からすればこれは同じことなんですよね。要は
匿名加工情報
ということだろうと思うんですけれども、後ほど
質問
しますが、その辺の
周知
についてもお聞きしたいと思いますが、具体的に
行政機関等
が保有する
パーソナルデータ
というのはいろいろ考えられるんですけれども、どのような種類があって、どのような
分野
での
利活用
が可能と考えているのか、
ニーズ
が
民間
からあるのかどうか、省庁としてどのように考えているのか、見込みをお
伺い
したいと思います。
上村進
12
○
政府参考人
(
上村進
君) まず、
行政機関
がどのような
パーソナルデータ
を持っているかということでございますけれども、それぞれの
行政機関等
の
所掌事務
に応じて多種多様なものがございます。幾つか例を申し上げれば、まず、法令に基づきまして申請、
届出等
により提出されたものがございます。それから、
行政機関等
が
サービス提供主体
となりまして、この
サービス
の相手方の
個人情報
を管理するために保有しているものもございます。その他、
各種相談対応
に係るもの、それから
施設利用
とか
入館者
に係る
ファイル
、こういったものがあるわけでございます。 他方、
ニーズ
についてのお尋ねでございますが、今回の非
識別加工情報
の
提供制度
は初めて設けるものでございますので、具体的にどのような
情報
の
利活用
が見込まれるか、これにつきまして現段階で確定的に述べること、これはちょっと困難な面があるということを御
理解
いただきたいと思います。 その上で申し上げますれば、有識者の
研究会等
におきまして、
経済団体
からのヒアリングにおきましては、この
公共データ
という非常に
信頼性
が高い
基礎データ
ですので、こうしたものへの
活用
の
期待
が非常にあるということが述べられるとともに、
行政機関
が保有する
パーソナルデータ
、これを適正な
利用
促進するために
利用
可能な
パーソナルデータ
についての
データカタログ
を
整備
してほしい、こうした
要望
は示されておるところでございます。 また、本年四月十九日、これは
日本経済団体連合会
からの提言でございますが、ここで、
官民
の保有する
パーソナルデータ等
、幅広い
データ
の
収集
、
分析
、
利活用
、これを促進することが必要であるというふうに述べられておりまして、これまでより踏み込んだ
取組
が求められているとされているところでございます。 さらに、先週十二日のこちらでの
参考人質疑
では、例えば
外国人出入国記録マスタファイル
、こういったものを
観光振興
に
利用
する、それから二輪
自動車
の
検査ファイル
、
自動車不具合情報ファイル
、こうしたものを
利用
して
自動車
の設計する際の
安全性
を向上させる、こういったことも想定されるという御意見もあったところでございます。 いずれにいたしましても、今回のこの
制度
は
民間側
の
要望
に応えていくものなのでございますので、新
制度
につきましては、
産業界等
への丁寧な
説明
を行ってまいりたいと考えております。
井原巧
13
○
井原巧
君 ありがとうございます。 いずれにしろ、様々、
有用性
について
期待
もされるわけですけれども、
先ほど答弁
にもあったように、
ニーズ
の掘り起こしということをやっぱり手掛けていかなきゃならないと、こういうふうに思います。
利用
する
民間企業
から、先ほど申し上げたように、その
制度
が分かりづらいというか、なかなか伝えづらいというところもあろうと思いますが、その運用の、
利活用
をしていただくように、
周知等
についてどのように今後取り組んでいくのか、お
伺い
いたします。
上村進
14
○
政府参考人
(
上村進
君) 御指摘いただきましたように、この
改正案
によります非
識別加工情報
の
提供制度
に関しましては、
民間事業者
から積極的に
提案
をいただくことが極めて重要なわけでございます。このため、この
法案
、御審議いただいている
法案
の第五十一条の二では、
民間事業者
に対する
情報提供等
を規定しているところでございます。 また、今回、
法案
の成立をいただきましたならば、
施行
に向けまして
各種説明会
を開催するですとか、ホームページ、それから
広報誌
の
活用
を始め様々な形で
民間事業者向け
に
制度
の
周知
を行いまして、
相談
をいただきましたら丁寧に
対応
する等によりまして、円滑な
利活用
をしっかり
確保
してまいりたいと思ってございます。 また、先般の
個人情報保護法改正
も含めました一般的な
パーソナルデータ利用
、こうしたものにつきましても、
個人情報保護委員会
その他の
関係機関
と連携いたしまして、
民間事業者
の
理解
が深まるように適切な
対応
を図ってまいりたいと考えております。
井原巧
15
○
井原巧
君
是非周知方
、よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、
個人情報
での
個人
の
権利利益
の
保護
と
有用性
、
先ほど両立
の話がありましたが、その
理念
としては非常に
理解
もできました。対等ではなくて
保護
をまず優先しましょうと、
ポジティブサム
でやりますと、こういうふうな話でしたが、そこで、具体的に、今回、非
識別加工情報
を
作成
、
提供
するということになっておりますが、しっかりとその過程で
個人
の
権利利益
の
保護
に立脚して取り組むという
仕組み
となっているかどうか、是非具体的な
説明
を
古賀大臣政務官
にお
伺い
したいと思います。
古賀篤
16
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) 今、
井原委員
御指摘ありました
個人
の
権利利益
の
保護
の観点でありますが、本
法案
におきましては、
個人情報保護法
と同様に、一定の
基準
に従って
加工
を行い、
情報漏えい防止措置
を講じる、あるいは
提供
を受けた
民間事業者
には
識別行為
の
禁止義務
が課せられる、また
官民
を通じて
個人情報保護委員会
が一元的に
監視
、
監督
をするといった
措置
を講じているところであります。
個人情報保護委員会
は、
個人
の
権利利益
を
保護
するために、
義務違反
を行った
事業者
に対し勧告あるいは
命令
といった権限を行使し、さらに
命令
に従わなかった者には
刑事罰
を科すると、こういったことも設けているところであります。さらに、
行政部門
におきましては、
行政機関
非
識別加工情報
の
対象
となる
個人情報
を公表されている
個人情報ファイル簿
に掲載されているものに限定する、そしてその
対象範囲
をそういったことで適切に設定するということ、あるいは不適格な
提案者
を排除するといった規定も設けておりまして、
個人
の
権利利益
の
保護
に万全を期することとしているところであります。
井原巧
17
○
井原巧
君 ありがとうございました。
保護
について非常に
強化
されていることに大変心強く思っております。 その中で、今
お話
ありました
個人情報保護委員会
についてお
伺い
したいと思います。 今回の
改正
では、この非
識別加工情報
というんですけれども、今
お話
しいただきましたように、
個人情報保護委員会
が独立して
監視
、
監督等
を行うということになっております。 ただ、この
委員会
は既に、当
委員会
の
所管
でもありますけれども、
マイナンバー
の適正な取扱いの
確保
を図るための
業務
を担っている、そして先ほどの、
行政機関
じゃなくて
民間
の方の
個人情報保護法
も
所管
しておると。今回新たに
行政機関等
の今回の
法案
についての
所管
が増えて
業務
が増えるということを非常に懸念をしております。 例えば、その
業務
の中でも、今回の
行政機関個人情報保護法
、題名が長くて大変ですけれども、これの仕事が増えるだけで、
ただ量
が増えるだけじゃなくて、その
加工基準
というのは非常に今の時代難しいと思うんですね。
インターネット
とか広がって、今までは
個人情報
じゃないなと思っていても、様々な
データ
が
インターネット
で照合できたら本人を
特定
できるとか、非常に線引きが、昔よりは
不安感
があるので非常に明確に
基準
を作らなきゃならないと。そうなると、
保護委員会
の役目というのは、しっかりそれを守ってあげなきゃならないですから、
保護
の
基準
を明確にしなきゃならないし、その能力というのも非常に問われることになってくるというふうに思っているわけであります。 そういうことで、今の
信頼
される
第三者機関
である同
委員会
の
体制整備
というのは非常に最
重要課題
ではないのかなというふうに思っておりまして、お
伺い
いたしますのは、単純な
業務
の増加に加えて、今申し上げた非
識別加工情報
の
加工基準
に関する
個人情報保護委員会
の
規則
の
策定
とか、あるいは
事業者
の
監督
のためには
専門性
を有した人材の
確保
も必要と思いますが、
現状
の
体制
と今後どのように
充実
を図っていくのか、お
伺い
いたします。
其田真理
18
○
政府参考人
(
其田真理
君) ただいま先生から御指摘をいただきましたように、
個人情報保護委員会
は、
マイナンバー
に関する
監視
、
監督
を行うとともに、
改正個人情報保護法
の
全面施行
に向けまして政令、
規則等
の
策定
、また
全面施行
後には
事業者
の
監督
を一元的に担うことになりますので、
体制
の
整備
は大変重要なテーマだというふうに
認識
をしております。
現状
までの
事務局
の
体制
について申し上げますと、
平成
二十六年度末定員が三十二名でございましたけれども、
平成
二十七年度末が五十二名、今年度は七十八名と拡充してきていただいておりまして、現在は
IT
の
専門家
、弁護士、
相談員
など外部から採用した
職員等
を含めまして九十名の
体制
になっております。また、七月以降は百名の
体制
になることを想定をしております。 また、今後の
事務局
の
体制強化
につきましても、引き続き、
関係機関
と御
相談
しながら、
委員会
として必要な
体制
の
整備
に努めてまいりたいと思います。
井原巧
19
○
井原巧
君 ありがとうございます。これは、この
強化
は
信頼
の基なので、
是非充実
に努めていっていただきたいと思います。 次に、
国際化
に向けた今後の
個人情報保護行政
の
課題
について少し
お話
を申し上げたいと思います。 この
パーソナルデータ
の
利活用
というのは、
インターネット
と同じように、
インターネット
ももう瞬く間に国境を越えて
世界
中で
利用
されたということがありますけれども、この
パーソナルデータ
の
利活用
も多分
世界規模
で今後
利活用
される方向に向かうんだろうというふうに思っております。逆に言うと、
個人情報保護
の
体制
に不安がある国だと漏えいするというおそれがありますから、当然他の国からは敬遠されて、その
利活用
の
世界
の輪には入れないということになってしまいますから、やはり
世界標準
という中に我が
日本
も入っていなきゃ駄目だなというふうに思います。 これまで我が国始め
各国
の
個人情報保護
の
考え方
は、お聞きしますと、一九八〇年九月二十三日に
OECD
の
理事会
で採択された、これはなかなか長くなるんですけれども、
OECD
八
原則
というものが採択されたそうで、
収集制限
、
データ内容
、
目的明確化
、
利用制限
、
安全保護
、
公開
、
個人参加
、責任という八
原則
が
皆さん
で確認されて、それに基づいてこれまで
個人情報保護
の
取組
が
各国
でされてきたというふうにお聞きしていますけれども、ところが、その後、一九九五年十月に、これもまた長いんですけれども、
個人データ処理
に係る
個人
の
保護
及び
当該データ
の自由な移動に関する
欧州議会
及び
理事会
の
指令
という非常に長い
言葉
で、一般的には
EU個人データ保護指令
というふうなものが制定されて、その二十五条の中に、
加盟国
による
個人データ
の
第三国
への移転は、
当該第三国
が十分なレベルの
保護
措置
を
確保
している場合に限って行うことができるという旨の規定がありますから、EUの方からここは十分だよと言われれば
データ
の流通ができますけれども、駄目だよと言われたら不安があるからいただけないと、こういうことになるわけでありまして、前回の法
整備
後十年以上たっても我が
日本
はその十分性の認定をもらえていなかったと、こういう
現状
があって、今回のこの
民間
の方のも
行政機関
の方のも、
改正
はこのことを一つ視野に入れて恐らく
改正
されたものだと思いますし、その内容を見たら、かなり前進しているというふうに私も
理解
はいたしております。 なかなか受け取ってくれなかったその
理由
を調べると、一つは独立した
第三者機関
の設置がなかったじゃないかと、この辺のことが言われていたり、あるいは
社会
的差別につながるおそれのあるような要配慮
個人情報
ですね、配慮が必要な
個人情報
の規定がなかったり、あるいは開示請求権等の明確化による司法的救済の
確保
がなかったり、そういうものが
整備
されているかどうかということがEU側が受け入れるかどうかということであったというふうにお聞きいたしておりまして、今回それを見ると、ほぼそれが含まれているような法
改正
になっているというふうに思っております。 そこで、お
伺い
するわけですけれども、今回の
改正
は
EU個人データ保護指令
の十分性認定に向けた
改正
と評価いたしますけれども、まだ着手すべき
課題
もあるというふうに考えております。十分性認定の見込みと、あわせて、その
課題
と思われます、今回の
法案
では
個人情報
の取扱い部分については
先ほど答弁
もありましたけれども変更していないわけでありますが、より独立性を持ち、十分性認定を受ける上でも評価されると思われる
行政機関等
の
個人情報
の部分についても
個人情報保護委員会
が将来的には
監督
すべきと思いますが、その検討についての御所見をお
伺い
いたします。
上村進
20
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 まず、
監督
機関の方からちょっとお答えをさせていただきたいと思いますけれども、今回の
改正案
では、非
識別加工情報
が
行政機関等
から
民間事業者
に
提供
されるものでございまして、そういう意味で、国の
行政部門
と
民間部門
の
監視
、
監督
、これを同じ機関が行うことが合理的であろうということから、
個人情報保護委員会
にこの部分は一元化するということにしているわけでございます。 他方で、
行政機関等
における
個人情報
の取扱いにつきましては、今回の
改正案
では法律の
基本
的な構造は変更するということにはしておりませんので、現行の、そういう意味では
監督
体制
は変更することとはしていないわけでございます。 一方、
個人情報
のこうした取扱いに関する
監督
体制
につきましては、昨年の
改正
の
個人情報保護法
等、これの附則第十二条六項におきまして、
個人情報
の
保護
に関する法制、このいろいろな規定の集約、一体化等の在り方についてのこうした検討に関わるものであると考えております。その附則の十二条六項では、今後、今回の
改正案
の
施行
状況等も踏まえましてこうしたものを検討するということになってございますので、御指摘の
監督
体制
の問題につきましても、これを踏まえて
対応
していくことになるんであろうと思っております。 それで、お尋ねのEUの十分性認定の見込みでございますけれども、この認定の
基準
というのはいまだ明確に示されているものは存在していないと承知しております。 私どもといたしましては、国際的な
データ
の流通が
委員
御指摘のように適切に
確保
される必要がございますので、EUと積極的に
情報
交換を行いまして、まずはこの互いの
制度
につきまして
理解
を深めていくことが必要であろうと
認識
をしているところでございます。 また、先ほども
委員
からも御指摘をいただきましたけれども、今回の
法案
では新たに要配慮
個人情報
の規定を設けるなどの
対応
を図ってございます。これは、一つにはEUの関心事項の一つであろうと推測される点でございまして、こうした点につきましては
対応
を図っているということでございます。 以上でございます。
井原巧
21
○
井原巧
君 御答弁のとおり、ほぼほぼ多分十分性認定はいただけるのかなと私も思うんですけれども、今後更なる
課題
として、先ほどの
個人情報保護委員会
が
行政機関等
の
個人情報
の部分についても
監督
する方向で今後また検討を進めていただきたいと思います。 次に、少し飛ばしまして、地方公共団体の
対応
についてお
伺い
したいと思いますが、地方自治体は今回の法
改正
の
対象
外とはなっております。しかし、今回お示しされた本
法律案
の附則第四条にはこのように書いておりまして、
個人情報
の一体的な
利用
促進に係る
措置
について規定され、具体的には、政府は、法律公布後二年以内に、
民間
の
個人情報
取扱
事業者
、国の機関、地方公共団体、独立
行政
法人等及び地方独立
行政
法人が保有する
個人情報
について一体的に
利用
されることが公共の利益の増進及び豊かな
国民生活
の
実現
に特に資すると考えられる
分野
における
個人情報
の一体的な
利用
促進のための
措置
を講ずると、こういう附則をされているわけでありまして、今後の方向性を考えると、国際的だけではなくて、地方公共団体の
パーソナルデータ
の
利活用
も
期待
されるところであります。 そこで、お
伺い
したいと思うんですけれども、現行の
体制
ではなかなか、地方公共団体も実力というか能力にかなりばらつきがありますし、それぞれの自治体で条例を制定しているという状況であります。一体的な
利用
の促進のためには一律的な
取組
を将来的には求めることにはなりますけれども、
現状
は今言ったように能力に非常に差があって、
保護
の危険性も感じるところであります。 そこで、お
伺い
いたしますけれども、地方公共団体の今後の
対応
についてどのような御所見をお持ちなのか、土屋副
大臣
にお尋ねいたします。
土屋正忠
22
○副
大臣
(土屋正忠君) 市長を経験された
井原
先生の御
質問
は、地方自治の本質に関する内容を含んだ大変重い御
質問
かと存じます。 地方公共団体が保有している
個人情報
を非
識別加工情報
として
活用
に係る
制度
の構築については、それぞれ地方自治体の条例で定めるということになるわけでございます。これは、
個人情報保護
条例も全てそういう体系になっているわけであります。 政府としては、一方で、この法律が公布された後は附則に基づいて一定の
措置
をとっていくということになるわけでございますが、これは地方自治の
原則
からして助言ということに、上意下達から対等、平等になったわけでありますから、助言という形を取ることになったり、あるいはガイドラインを作ったりとかということになっていくのかなと。現在そういうプログラム規定をしかと持っているわけではございませんが、そのように考えているものでございます。 とはいえ、仮にそういうプログラム規定を作ったとしても、例えば三百七十万の横浜市から小さなところでは二百人の地方自治体まであるわけでありますから、これは相当、これを実施していくに当たっては、その自治体の能力に応じて様々なことを考えつつ取り組んでいく必要があると、このように考えております。 地方自治を
所管
する
総務
省としても、これらの実態を踏まえながら取り組んでいきたいと、このように考えております。
井原巧
23
○
井原巧
君 あと一問ぐらいしかできませんが、やっぱり地方自治体は多分福祉の
データ
なんかは宝の山のようにあると思うので、結構
民間企業
から
ニーズ
があるというふうに思いますが、今副
大臣
から御答弁いただいたように、地方公共団体で同じようにこれ非
識別加工情報
の
仕組み
を導入するということになるとかなり大きな負担が今後生じるものと思っておりまして、やろうと思ってもちょっと負担が大き過ぎるなということになると思うんですね。 また、そういう状況の中ですから、さっき助言とかガイドラインというふうなことありましたけれども、もう少し具体的に支援を、そういう希望する自治体があったら支援をしていくということがなければなかなか前に進まないのかなというふうには思っておりまして、その支援をどういうふうに想定しているのかお
伺い
したいということと、もう一つは、その
作成
をする上での人材の
確保
、そのためにはやっぱり国ともう少し一体的にやるような
仕組み
づくりなんかを導入するのがいいのかなというふうにも思いますけれども、御所見をお
伺い
したいと思います。
土屋正忠
24
○副
大臣
(土屋正忠君) 地方公共団体が持つもの、とりわけ基礎的な自治体が持っている
情報
には、相当機微に関わる
情報
がございます。例えば、要介護者の
情報
とかあるいは医療に関係するもの、そのほか、法定受託事務ですが、戸籍だとかいろんなことがあると思います、身分に関わるもの。こういうことを含めて様々な
情報
を持っているわけでありますが、今御指摘のあった地方自治体の持つ能力あるいは具体的な支援の内容等については、この法律を
施行
するまでの間、相当期間として長く取っておりますので、この間十分注意しながら、地方自治の本旨を曲げないように、きちっと地方自治体の意向を踏まえながら取り組んでいきたいと、このように考えております。
井原巧
25
○
井原巧
君 土屋副
大臣
の御尽力をよろしくお願い申し上げて、
質問
を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
石上俊雄
26
○石上俊雄君 おはようございます。民進党・新緑風会の石上俊雄でございます。 今日は、
行政
等の
個人情報
の効率的な運用ということに係る法律の
改正案
につきまして
質問
させていただきたいと思います。
情報
的には
行政機関
がたくさん持っているということで、それを
個人
が
特定
できないような
加工
をして
経済
の成長とか
産業
の発展等に
利活用
するために
対応
していくんだということでありますが、
行政機関
が持っている
情報
はその特性を様々考えていかないと大変なことになりますので、ちょっと
基本
的なところからまず
質問
させていただきたいというふうに思います。 今日は、
言葉
でしゃべりますとなかなか長くなりますので、分かりにくい面が、結構難しい法の
改正
だというふうに思っていますので、今日は資料も結構私準備させていただきましたので、それを見ながらちょっと
質問
をさせていただければと思います。 まず、
個人情報保護法
制における行個法等の位置付けについて
質問
させていただきたいというふうに思います。 資料一の①に示させていただきましたが、我が国の
個人情報保護法
制は、ここの図にありますように、今回審議をする行個法と
個人情報保護法
と独立
行政
法人の
個人情報保護法
と先ほどちょっとありましたが各地方公共団体の条例等で構成をされていると、こういう複雑な構図になっているわけなんですよ。しかし、なかなかこれが難しくて、
個人情報保護法
というのが昨年
改正
されまして新しいものができたんです。その下に今回審議する行個法とかが連なるわけですが、この中身をよく読んでいきますと、それぞれの領域で完結していないんですね。行個法は、非
識別加工情報
にして外に出すと、それ以降の取扱いについてというのは、要はどこを参照するのかというか、
個人情報保護法
の中に書いてあるものをやりながら
対応
するということになってくるわけです。 そういった意味で
質問
させていただきたいと思いますが、この四つの分類がされていますけれども、その相互の関係ですね、相互それぞれあることによってその効果はどこにあるのか。この関係性の、だから、行個法で、含まれていない、関係があるということを今回の行個法の中でどこで規定されているのか。何でこの変則的な五角形的な
体制
を組んでいるのか。この辺について、
総務
省、御
説明
いただけますでしょうか。
上村進
27
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 この資料で御
説明
いただきましたように、まずこの三角形のてっぺんにありますのが昨年
改正
をされました
個人情報
でございまして、これは各機関、各主体ごとの
個人情報
に通ずる通則的なまず
基本理念
、
基本
的なところを定めると同時に、この三角形の左下半分、
民間部門
については、これがそういう意味では個々を規制する法律となっているわけでございます。 どうしてこういうことになっているかということをちょっと御
説明
いたしたいと思いますけれども、もちろん、前提といたしまして、
個人情報
の取扱いに伴います
個人
の
権利利益
の
保護
の必要性は公的部門と
民間部門
とで異なるものではございません。 しかしながら、その取扱いにつきましては、政府と
国民
との間というのは、
行政
に対する
国民
の
信頼
の
確保
というまず命題が一つございます。それから、私人間といいますか、
民間部門
は
基本
的に
民間
と
民間
とのやり取りでございまして、一つには、例えば企業活動における営業の自由、こうした問題との調整があるとは思いますが、他方、公的部門の方では法律による
行政
の
原則
、こういうものがございます。そういう意味では、
国民
一般の利益とこうしたものとの調整が重要であるということでございまして、こうした違いを踏まえますと、取扱いについての具体的な規律内容は異ならざるを得ないというふうに思ってございます。 このため、
行政機関
、独立
行政
法人もそうでございますが、こうしたところにおきます
個人情報
の取扱いに当たりましては、法令に基づく厳格な
保護
管理、この下に置かれるよう特別の配慮が必要であるとされたところでございます。 その趣旨でございますけれども、これ、
平成
十五年に
行政機関個人情報保護法
が制定する前の
個人情報保護法
、これはもう今はなくなった条項でございますが、第六条一項で、国の
行政機関
については別途法制化の
措置
を講ずると、こうした義務規定がございました。これに基づきまして、
個人情報保護法
とは別に、今御指摘の
行政機関
の
個人情報保護法
、独立
行政
法人等の
個人情報保護法
が設けられることになったものでございます。 そういう意味では、こうした法律間の連携というのは、今申し上げました条項に基づいて我々が今御審議願っている法律が別個のものとしてできたという経緯であるというふうに御
理解
をいただければ有り難いと思います。
石上俊雄
28
○石上俊雄君 できたその、何というんですかね、背景でいろいろばらばらになっちゃったというんですけど、分かりやすくするためには、もう少し一つの法律で全部カバーできるようなそういうような内容になればいいんじゃないかなと、そういうふうに思っています。 次なんですが、資料一の②ですね、下に書いてありますが、今回の行個法と同じように、
個人
の
情報
に対する
制度
の位置付けについてちょっとお聞きしたいんですが、行個法と同じように、その
情報
の
提供
を要求する
対応
として、
行政機関
情報公開
法とか統計法とか、そういう法律もあります。さらには、法律じゃありませんが、各種オープン
データ
政策というものもあるわけでございます。 これ、中身見ていくと何か余り変わらないんじゃないかなというところもあるわけでございまして、まずは
制度
が様々存在する
理由
、そして、今回の法の
改正
ですね、
行政機関
情報公開
法や統計法で行わない
理由
ですね、それじゃ駄目だという
理由
について、
総務
省、教えていただけますでしょうか。
上村進
29
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 御指摘のとおり、こうした
行政機関等
が持っています
情報
を
利活用
、
公開
する法律あるいは政策というのはいろいろあるわけでございます。これは当然のことながら、それぞれの趣旨、
目的
から、別の
制度
や
取組
として設けられ運用されているものでございますが、今回御
提案
を申し上げております非
識別加工情報
、この
提供制度
というものをどのような法的な枠組みで
措置
するかにつきましては十分検討を重ねてきたところでございますが、先ほど来御答弁申し上げておりますが、
個人情報
を元に
作成
する
情報
でございますので、これを
民間事業者
に
提供
し、
利活用
を促進していくに当たりましては、
国民
の
信頼
それから安心、これを
確保
することが極めて重要であるというふうに思っております。 したがいまして、御指摘のような、例えば
行政機関
情報公開
法等ではなくて、
個人情報
に係る
個人
の
権利利益
の
保護
、これを
目的
とする
行政機関個人情報保護法
等の
改正
によることが最適であると判断したものでございます。 なお、ほかの法律ではどうして、何といいましょうか、適切ではないのかということでございますが、
情報公開
法でございますが、これはまず
特定
の
個人
が識別される場合は
原則
として不開示となります。一方、部分開示と、その部分を部分的に削除する等の開示はできるわけでございますが、これは削除しかできないわけでございまして、他方、本
法案
におきましては、識別される部分をほかの
情報
に置き換えるとか、それからグルーピングするということが可能でございますので、より
民間事業者
にとって有用な
情報
がそういう意味では柔軟に
提供
ができるということになると考えております。 また、統計でございますが、統計
データ
というのは、これまた御承知のとおりでございますけれども、ある種、このいろいろな
情報
の共通の部分というのを抽出しましてまさに集計をすると数値として非常に抽象度が高い
データ
にしてしまいますので、
ビッグデータ
として使うのには抽象度がちょっと高いというふうなことがございます。 また、オープン
データ
といいますのは、
基本
的には
情報
をそのまま出していくということでもございますので、
個人情報
となりますとなかなかそのまま使えないという場合が出てくるかと思っております。 以上のような
理由
ということでございます。
石上俊雄
30
○石上俊雄君 何となく分かったかな、ちょっと分かんないなというところもありますが、ちょっと、一応様々なことを確認したいので次に行きますが。 先ほど、
井原
先生の方からもちょっと
質問
がありましたが、今回の
法案
というのは
保護
法なのか
活用
法なのかといったところですね。
保護
と
活用
は比較考量されるのかということについて
質問
をさせていただきたいと思いますが、先日の
参考人質疑
でも
質問
をさせていただいたわけでありますけれども、昨年の
個人情報保護法
の第一条の
目的
規定ですね、ここで、「
個人情報
の適正かつ効果的な
活用
が新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するものであることその他の
個人情報
の
有用性
に配慮しつつ、
個人
の
権利利益
を
保護
することを
目的
とする。」と変更されたわけでありますけど、これはその
有用性
といったところの
説明
だというふうに
理解
をされているわけであります。 しかし、一方で、資料の二の②にも付けさせていただきましたが、資料の二の①は
個人情報保護法
の条文の
改正
ですけど、②が今回の行個法の
改正
の部分なんですけれども、今回の現行法には
個人情報
の
有用性
の表現が元々存在しないわけでございます。いきなりこの条文の中に先ほど言った
個人情報
で入れ込まれたものがすとんと入ってきているということになるわけであります。 で、それ自体が追加ということになるので、この条文をよく読んでいくと、冒頭で
個人情報
の
利用
が拡大するということでのマイナスの影響に言及するわけでありますが、後半では、
個人情報
の
有用性
とプラス面への配慮に触れた直後に、ただ単に
個人
の
権利利益
を
保護
が
目的
と条文を締めくくっているわけでございまして、
権利利益
にはマイナスからの
保護
とプラス
利活用
の権利があると読めなくもなくて、
改正案
では
個人情報
の
保護
と
活用
はバランスされる関係にあると考えておられるのか、さらには行個法本来の
目的
が書き換えられたという批判もあるわけでありますが、このことについて
総務
省の
認識
をお
伺い
します。
上村進
31
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えをいたします。 今回の
法案
、御
提案
申し上げている
法案
では、
個人情報保護法
、
行政機関個人情報保護法
、そうした本来の
目的
は変更することなく、従来
制度
的な位置付けがなかった
個人情報
の適切な
利活用
に向けた道、これを開こうとするものでございまして、
個人
の
権利利益
の
保護
それから
利活用
の推進、この二つの
調和
の取れた法
制度
として立案しているものでございます。 それで、
委員
御指摘のように、今回の
改正案
につきまして、
個人情報
の適切な
利活用
、こういう要素が
目的
に追加されたということは事実ではございますが、国や独立
行政
法人において
個人情報
を適正に取り扱いましてこの
個人
の
権利利益
を
保護
すると、こういう大前提は何ら変更しているわけではないわけでございます。というふうなことで、御
理解
を賜れば有り難いと思っております。
石上俊雄
32
○石上俊雄君 なかなかこの辺、何かいろいろ読めば読むほどちょっと難しくて分からなくなるんですけれども、何かもうちょっと明確になればいいなというふうに思います。 それで、この中に新たな
産業
の
創出
という
言葉
があるわけでありますが、このことに対して、責務や
基本
姿勢についてお
伺い
をさせていただきたいと思います。
改正案
では、
行政機関
は
民間
からの
提案
を審査して、
提案
が新たな
産業
の
創出
又は活力ある
経済社会
若しくは豊かな
国民生活
の
実現
に資するものであれば
情報
を
匿名化
して
提供
をするということになるわけでありますが、しかし、これはよく読むと、責務ではなくて
行政機関
の長の裁量のため、
基本
姿勢は言わば受動的というか受け身というふうになるわけでございます。 しかし一方で、
世界
経済
フォーラムの有名な報告書でございます
パーソナルデータ
・新たな資産の誕生というところでは結構
期待
をしているわけですね。
パーソナルデータ
は新しい石油と、二十一世紀の価値ある資源とまで言っているわけでございますので、この積極的な
利活用
ということが時代の要請だというふうなことを言えるんだというふうに思うわけです。 しかし一方で、今回の
改正案
というのは、報道等によりますと、要は官庁の出し渋りへの
対応
に対してまるっきり
対応
していないというような批判もあるわけでございますが、このことについて私は的外れなのかなとも思わないわけでありますが、要はこの行個法は
ビッグデータ
の
利活用
ということについて、
利用
を促進するということに対して、今回、どの立ち位置にいるのか、推進するのか中立的な立場なのかといったところについて、
総務
省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
上村進
33
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 まさに
委員
御指摘のとおり、
行政機関
は
民間
からの
提案
を審査する、その上で
基準
に合致したものを
提供
するということでございますけれども、まずこの
提案
募集につきましてですけれども、まず
対象
となる、
提案
の
対象
となる
個人情報
を、まず
個人情報ファイル簿
が
作成
、公表されているものとした上で、そのほかの条件もございますが、
提案
対象
となる
個人情報
ファイル
を
国民
に明らかにする、そういう責務はあるわけでございます。したがいまして、こういう
提案
の
対象
となるという条件に該当しながら
行政機関
の長の裁量で
提案
募集をしないと、そういうことはできないという
仕組み
にしておるわけでございます。 また、
民間事業者
から
提案
をいただきました場合、これを
行政機関
が審査するわけでございますが、審査
基準
を満たしている場合、この場合は
行政機関
は
提案者
に対し契約締結ができる旨を通知するものとされております。この場面におきましても、
行政
の恣意的な判断で非
識別加工情報
を
提供
するかしないか、それを左右するようなことはないというふうな
仕組み
にしております。 このように、本
法案
に基づく非
識別加工情報
の
提供
におきましては、裁量による出し渋りというものはないものと考えておりまして、
委員
のお尋ねにお答えするならば、
ビッグデータ
としての
個人情報
の
利活用
を推進するものであるというふうに考えております。
石上俊雄
34
○石上俊雄君 ありがとうございます。 いろいろ機微な
情報
にも関わりますので、その辺はしっかりしながら推進をしていくという位置付けで是非お願いしたいというふうに思います。 それでは、その新しい
産業
の
創出
というところで、
個人情報
の
活用
に対する事業
提案
を行い得る者の範囲についてちょっと
質問
をさせていただきたいと思います。 条文的には、今回の
改正案
の事業
提案
を行える者、第四十四条の五になるわけでありますが、事業の
提案
を行える者は国内企業に限られるのかどうかということなわけですね。要は、具体的に言うと、外国企業でもいいのかとか、国内にありますけど、拠点はほぼ海外で、株主、従業員も
日本
社会
とはまるっきり関係がない企業でもいいのか。要は、もう食うか食われるか、国際競争というかグローバルな競争が激しくて、そういうふうに国外の、海外の企業と戦っている状況下にあるにもかかわらず、その外資系の企業からの
提案
も受けることが可能なのかということについて
総務
省のお考えをお聞かせください。
上村進
35
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えをいたします。 今
委員
御指摘をいただきましたように、このお諮りをしている
改正案
の四十四条の五では、
民間事業者
からの
提案
、どういう
提案
内容を受け付けるかということを書いてあるわけでございます。また、その次の第四十四条の六では、この
提案者
に係る欠格事由というものを定めております。これは六号ございまして、未成年者、破産決定を受けて復権を得ない者、その他条項があるわけでございますが、この中に、外国企業であること、あるいは外国人であるということは含まれておりません。したがいまして、
法案
上はこうした主体であっても非
識別加工情報
に係る事業
提案
を行うことは可能でございます。 ただ、外国の企業の場合も、これは国内の
民間事業者
の場合も同じでございますけれども、
提案
に当たりまして、この非
識別加工情報
を
利用
した事業活動が本当に我が国における新たな
産業
の
創出
あるいは我が国の
国民
の豊かな
生活
の
実現
に資するかということ、これは明らかにしていただく必要があるわけでございます。 そういう意味では、外国企業等からそうした
提案
があった場合は、その
提案
を受けた
行政機関等
では、真にそうした
目的
に沿うものにこの
提案
がなっているか、具体的な
説明
に基づいて適切に審査をしていただく必要があるんだろうと思っております。
石上俊雄
36
○石上俊雄君 一条のところで、先ほど
局長
言っていただきましたが、
目的
が書かれているわけなので、やっぱり
国民
の
皆さん
の豊かな
国民生活
の
実現
に資する内容ということをしっかり審査をいただいて
提供
先を決めていただきたいなと、そういうふうに考えているわけでございます。 続きまして、
個人情報
の定義についてお
伺い
します。 資料の三の①に示させていただきましたが、
個人情報
とは
特定
の
個人
を識別することができるものとされております。 そこで、具体的にお聞きしたいと思うんですが、右の黒枠で囲んだ部分に十個ほど書いてございます。一つは亡くなられた方の
情報
、二つ目が外国の方の
情報
、三が法人の
情報
、四が
個人
の携帯電話番号、五がIPアドレス、六はウエブの閲覧記録、七、カルテ番号、八、遺伝子
情報
、九が通行人のビデオ映像、十が顔認証
データ
というのは、これ具体的に
個人情報
に当たるのかどうか。できれば、簡単で構わないので、その
理由
についてもお聞かせをいただけますでしょうか。
個人情報保護委員会
、お願いします。
其田真理
37
○
政府参考人
(
其田真理
君)
個人情報保護法
におきましては、
個人情報
というものにつきまして、生存する
個人
に関する
情報
であって、
特定
の
個人
を識別することができるものというふうに規定をしております。 今お尋ねいただきました事項のうち、死者の
情報
、外国人の
情報
、法人の
情報
につきましては、法律の条文の解釈としてこれまで国会審議等におきましても
考え方
を明らかにされておりますけれども、死者の
情報
については、生存するという要件に該当いたしませんので、
個人情報
には該当しないと考えられます。外国人の
情報
については、
個人
に関する
情報
であることから、該当し得るものと考えます。法人の
情報
につきましては、代表者氏名等が含まれているなど
個人情報
に該当する場合もございますが、
基本
的には
個人
に関するという要件に該当いたしませんので、
個人情報
に該当しないと考えられます。 次に、ウエブ閲覧記録でございますが、
個人情報保護法改正
の国会審議で政府側の
考え方
が示されておりますが、
情報
に含まれる内容の詳細さ、特異さ、あるいは蓄積度の度合いによっては
特定
の
個人
を識別できる場合もありますけれども、
基本
的には
個人情報
に該当しないものと考えられます。ただ、これを取り扱う
事業者
が氏名や顔写真その他の
個人情報
を保有していて、これと容易に照合できる場合などは
個人情報
に該当することになると考えられます。 さらに、次に、通行人のビデオ映像につきましては、昨年まで
個人情報保護法
を
所管
しておりました
消費者
庁
作成
のQアンドAにも示されておりますけれども、
特定
の
個人
が識別できるものについては
個人情報
に該当すると考えられます。 その他お尋ねいただきました事項につきましては、
改正個人情報保護法
の
個人
識別符号に該当するかどうかというお尋ねであるかと存じますけれども、これらにつきましては、現在、
個人情報保護委員会
におきまして各方面の御意見を
伺い
ながら、政令に定める内容の検討を行っているところでございます。
石上俊雄
38
○石上俊雄君 ありがとうございました。 なかなか難しいところですね、線引きが。なので、しっかりと議論をしていただきたいと思います。 続きまして、保有
個人情報
についてお
伺い
したいと思います。 保有
個人情報
とは、
行政
文書としての正式に記録、保管されたものだけで、例えば職員の
皆さん
の記憶ですとか
個人
的なメモですとか、念のために撮影をしておいた映像、写真等は、そういうものは当たらないというふうに考えていいのか、この辺について、
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
39
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 この法律で、現行法でございますが、に言う保有
個人情報
とは、現行法二条三項に定義があるわけでございまして、
行政機関
の職員が職務上
作成
し、又は取得した
個人情報
であって、当該
行政機関
の職員が組織的に
利用
するものとして、当該
行政機関
が保有している
行政
文書ということになってございます。 したがいまして、今の
委員
の御
質問
にありましたような職員の記憶ですとか
個人
的メモ、それから念のための撮影写真等は職員
個人
が保有、
利用
するものでございまして、組織として保有するものではないために保有
個人情報
ということには当たらないというふうに解釈をされております。
石上俊雄
40
○石上俊雄君 ちょっとそれと関連しているんですけれども、匿名
加工
の
対象
となるのは公表された
個人情報
ファイル
だけになるのか、さらにはその量や内容、取得プロセス等についてはどのような特質があるのか、
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
41
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。
委員
御指摘のとおり、
行政機関
非
識別加工情報
の
作成
に用います
個人情報
は、御審議いただいております
改正
法案
二条九項第一号によりまして、
個人情報ファイル簿
が
作成
、公表されているものに限られているわけでございます。 その量、内容ということでございますが、これから
法案
の成立をいただきまして、
施行
に向けますと、また、どういうものが
対象
となるかというのは、今申し上げました二条九項第一号に続きまして、第二号、第三号というのがございます。第二号というのは、これは
情報公開
請求があったとしたならば部分開示されるもの、それから第三号というのは、
行政
の適正、円滑な運営に支障を生じないものと、こういうふうにされております。 こうした法の要件は、法律の成立をいただきましたならば、各
行政機関
でそれの該当性というものを精査いたしまして選定していくことになります。したがいまして、現段階で、その量がどのぐらいのものになるのか、あるいはどういうものが含まれているのかという内容等につきましては、ちょっと今、現段階ではお示しすることが困難であるということを御
理解
いただければと思います。
石上俊雄
42
○石上俊雄君 ありがとうございました。 次に行きますが、これは参考人の方の
質疑
でもちょっと
質問
をさせていただきましたが、照合性と容易照合性についてお
伺い
をさせていただきたいと思います。 資料の三の②に示させていただきましたが、行個法の
個人情報
の定義は、「他の
情報
と照合することができ、それにより
特定
の
個人
を識別することができることとなるものを含む。」とある一方、
基本
法では、「他の
情報
と容易に照合することができ、」となっているわけでございます。 この資料四の①もちょっと参考にしながら聞いていただきたいんですが、この容易の存否ですね、これ容易があるかないかでどういうふうな変わりがあるのか、設けた
理由
をお聞かせいただくとともに、その行個法の非
識別加工情報
と
基本
法の
匿名加工情報
には、この容易があることによってどんな違いが生じるのか、できればその容易照合性に当たらないが照合性に当たる分かりやすい具体例がありましたら、この辺も含めまして、
総務
省、御答弁いただけますでしょうか。
上村進
43
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 まず、
行政機関個人情報保護法
でございますけれども、これ
委員
も御承知のとおり、今御
説明
いただいたとおりなんでございますが、
行政機関
が保有する
個人情報
の取扱いにつきましてより厳格に規律する必要がございます。そのため、容易に照合できるものというふうな中で狭めてはいないわけでございます。より広い範囲の
情報
が、照合性があれば
個人情報
に該当するということにしまして、より広い範囲の
情報
を
個人情報
としているということでございます。 それで、具体的に容易な照合とそうでない照合は何かということでございますが、例えば通常の
業務
で一般的な方法でやっているような照合、これは容易な照合というふうに当たると考えられます。ただ、その反面、容易でない照合というのは、通常
業務
でやっていない方法で、例えば日常的な照会ではなくて特別に、逐一関係の機関、関係のところに照会をかける、そうした上で入手できるというようなものは容易でないというふうに通常解されているところでございます。 他方、今回御
提案
を申し上げている非
識別加工情報
についてこれがどう関係してくるのかということでございますけれども、この
加工
の元となる、
作成
対象
となる
個人情報
につきましては、今申し上げましたような
個人情報保護法
と
行政機関個人情報保護法
では違いがあるわけですが、今回お諮りしている
法案
で非
識別加工情報
を
作成
するに当たりましては、
官民
一体的な
利用
、これを促進するということを念頭にしておりますので、御
提案
を申し上げている第二条第八項の規定によりまして、
作成
の元となる
個人情報
の範囲は同じものにそろえると。つまり、
民間部門
の
個人情報
と同じ容易照合性があるものに限定しているということになっております。 これによりまして、非
識別加工情報
は
民間事業者
が
作成
する
匿名加工情報
と同じ範囲の
情報
から作るということになりますので実質的に同じものになるということでございまして、この御
提案
の非
識別加工情報
につきましては、容易照合性による、あるいは照合性による違いというのは生じないということになっております。
石上俊雄
44
○石上俊雄君 違いは生じないというところが分かりましたが、何となく、
言葉
だけ入って、ちょっと
理解
に苦しむところがあるわけでございますが、照合性と容易照合性について今
説明
をいただいたわけでありますが、そもそも照合性と容易照合性とは、
情報
がどこに存在する時点での話になるかということなわけであります。 ちょっと頭がこんがらがってくるんですけれども、
提供元
にあるとき、いわゆる
提供元
基準
説か、それとも
提供
先にあるとき、
提供
先
基準
説か。このことについて、
総務
省、もし
理由
もありましたらお答えいただけますでしょうか。
上村進
45
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 多少繰り返しになりますけれども、我が国の
個人情報保護法
の法体系というのは保有主体ごとにそれぞれ法律で規律を設けているわけでございまして、
行政機関個人情報保護法
は
個人情報保護法
の特別法と、先ほど資料で
委員
からお示しをいただいたとおりでございますけれども、特別法として厳格な規律を課しているわけでございます。 その上で、いわゆる
提供元
の
基準
というものは何かということでございますけれども、
民間
の方の
個人情報保護法
といいますのは、
民間事業者
による
個人情報
の第三者
提供
、こういうものがございます。この第三者
提供
をするに当たって照合の容易性をどこで判断するかという話に関わってくるわけでございますけれども、誰にこの
情報
を
提供
するか、この
提供
先が誰であるか、その状況に応じて、それが本当に容易であるのか容易でないとかいうのは変わり得るわけでございます。それをなかなか一律に判断するのが難しゅうございますので、これは、
提供元
である保有者を
基準
に一律に判断するということとしたものであるというふうに
理解
をしているわけでございます。 他方、今回御
提案
をしております
行政機関
の
個人情報保護法
でございますけれども、今、
民間
の方の
個人情報保護法
で申し上げましたような
利用
目的
以外の
目的
のために第三者に
提供
するという場面は例外的な場合に限られておりまして、一般的には発生しないということから、特に、今
委員
から御
質問
いただきましたような
提供
先か
提供元
かという
基準
は設けていないところではございます。 ただ、慎重な判断が求められる場合には、当該
個人
を識別するためにその
提供
先の方がどういう実施可能と考えられる手段を用いられるのか、あるいは誰であるかということを例外的な場合には判断をする必要がございますので、これはもうケース・バイ・ケースでそういうことも含めて考慮をするという必要があるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、今回御
提案
をしている非
識別加工情報
というのは、
提供
を受けました
民間事業者
におきまして一律に
照合禁止義務
が掛かってございます。したがって、照合をするかしないか、容易か容易でないかという問題は発生をいたしませんので、判断
基準
をどこに置くかというような問題もこれに伴って発生しないものと
認識
をしております。
石上俊雄
46
○石上俊雄君 ありがとうございました。 先ほど資料三の②にちょっと出してありました照合される他の
情報
ということについて、これ、具体的に他の
情報
って何を指すのかといったところをお聞きしたいと思います。 例えば、出てくる機関と別の機関が持っている
情報
もいうのか。さらに、公になっている
情報
や図書館などの公共施設で入手可能な
情報
も指すのか。逆に、特別の調査をしなければ入手ができないかもしれないような
情報
を他の
情報
というのか。このことについて、
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
47
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 まず、特に
行政機関
の場合においてでございますが、ほかの
情報
との照合により
特定
の
個人
を識別できる場合というのは、これは本当にケース・バイ・ケースでございますので、個別具体的に考える必要がございますので、一般論ではなかなかお答えすることは難しいという面があります。 その上で、お尋ねに沿ってお答えを申し上げれば、
行政機関個人情報保護法
における他の
情報
と照合することができるという場合の他の
情報
ですけれども、これは御指摘のように、その保有者が他の機関である場合も含まれます。それから、公知の
情報
、それから図書館等公共の施設で入手可能なものなど一般人が入手し得る
情報
も含まれるということになります。 それから、もう一つのお尋ねで、特別な調査をすれば入手し得るかもしれないような
情報
と。これにつきましては、通例は、ここでいうほかの
情報
、他の
情報
に含めて考える必要はないとされておりますが、これもケース・バイ・ケースの事案によりまして、
個人
の
権利利益
を
保護
する観点からより慎重な判断が求められる場合もございます。こうした場合は、こうした特別な調査をすれば入手できる、でき得るような
情報
もほかの
情報
に含まれる場合はあると考えております。
石上俊雄
48
○石上俊雄君 ありがとうございました。 それでは、続きまして、非
識別加工情報
についてお
伺い
をしたいと思います。 これも資料を付けさせていただきました。資料五の①にお示しをさせていただきましたが、
改正案
の第二条第八項で非
識別加工情報
の定義についてうたっております。そこの中では、
特定
の
個人
を識別することができないと、
個人情報
を復元することができないと、一見似通った要件が二つあるわけでありますが、これは冗長的なものというか、重畳的な、要は重ねたようなことだけなのか、意味がですね、そもそも別々の二要件なのか。とはいっても、様々、二つあるわけですから意味があるんだというふうに思います。このことについて、
総務
省、御
説明
をお願いします。
上村進
49
○
政府参考人
(
上村進
君) お答え申し上げます。
委員
御指摘のように、お諮りしている
改正案
二条八項では、非
識別加工情報
の定義につきまして、
特定
の
個人
を識別できないように
個人情報
を
加工
して得られる
個人情報
であって、当該
個人情報
を復元することができないようにしたものと規定しておるわけでございます。これは、昨年の
改正
におきまして設けられました
個人情報保護法
第二条第九項の
匿名加工情報
の定義と同様にしているわけでございます。 その上で、御
質問
の識別と復元でございますけれども、
特定
の
個人
を識別できないというものは、
加工
した後の
情報
から、その
情報
と、元となったといいますか、具体的な誰かという人物との一致、これを認めることができないということを識別できないというふうに言っております。それから、
個人情報
を復元することができないということにつきましては、これは元の
個人情報
に含まれていた
特定
の
個人
を識別することとなる記述等を
特定
して元の
個人情報
へ戻すということを意味しているわけでございます。 したがいまして、それぞれ独立した要件であるというふうに解釈をされております。
石上俊雄
50
○石上俊雄君 ありがとうございました。よく分かりました。 それではさらに、資料の五の①で赤くちょっと塗り潰させていただいたところがあるんですが、「ように」ですね、ちょっとこだわって申し訳ないんですが、
特定
の
個人
を識別することができないようにと、
個人情報
を
加工
とか、
個人情報
を復元することができないようにと書きぶりがあるわけであります。この「ように」という曖昧化、留保的なニュアンスを挿入した意味はそもそもどこにあるのか、教えていただきたいんでございます。 例えば、
個人情報
を識別できない
情報
加工
とか、
個人情報
を復元できない
情報
加工
とした場合と比べて何がどう違うのか。あえて表現をそうした
理由
について、
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
51
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 御指摘のこの
改正案
第二条八項の「できないように」という文言でございますが、これは
委員
から御指摘いただきましたような曖昧化とかあるいは留保するというニュアンス、これを挿入するというものではございません。この「ように」という
言葉
でございますけれども、この非
識別加工情報
が、これは定義そのものになってしまうわけでございますが、
特定
の
個人
を識別することができない、それから元の
個人情報
に復元することができないという、この二つの要件を満たすために
加工
がなされるという、言わばそのプロセスを示す表現でございます。 なお、この規定ぶりは先ほどの御
質問
にも関係するわけでございますが、この二条八項の書きぶりは昨年
改正
されました
個人情報保護法
における
匿名加工情報
の定義、これも、
特定
の
個人
を識別することができないように等々となってございまして、同様の表現としたということでございます。
石上俊雄
52
○石上俊雄君 曖昧化、留保的なニュアンスではないということで
理解
をしました。 続きまして、非
識別加工情報
の
作成
、
提供
、流通の
仕組み
についてお
伺い
をさせていただきたいと思います。 今回の
改正案
に対する最大の関心事の一つに、
個人情報
の
匿名化
、
提供
ルールの在り方やその
安全性
、
信頼性
問題があるというふうに考えるわけでございます。
行政機関
の保有する
個人情報
は、言うまでもなく取得プロセスが義務的、強制的で、かつ内容自体が
個人
にとって秘匿性が高いこともあるわけでございまして、取扱いには厳格性や慎重さが求められるのは、これは当たり前のことだというふうに思っているわけであります。 昨年、年金機構の
個人情報
流出事件がありましたが、これはセキュリティーとかそういうことになるわけでありますが、言語道断的なところがありますが、二〇〇三年の
個人情報保護法
成立から昨年の
基本
法
改正
まで約十数年になるわけでありますが、その中で大きな影響を与えた事件として、資料の五の②にちょっと付けさせていただきましたが、二〇一三年のSuicaの乗車履歴販売騒動があるわけでございます。四千三百万枚の
データ
が外に出ていったということになりますが、まず、この事案はどのような内容で、このときの匿名
加工
の問題はどう
分析
され、教訓として何を得たかにつきまして、
個人情報保護委員会
、教えていただけますでしょうか。
其田真理
53
○
政府参考人
(
其田真理
君) お答え申し上げます。 ただいま
委員
から御指摘のあった事案は、JR東
日本
が記名式のSuicaに記録された乗降履歴
情報
につきまして、氏名や電話番号を削除するなど一定の
加工
を行った上で本人の同意を得ずに第三者に
提供
しようとしたところ、多くの
利用
者から
個人情報
の
保護
、
プライバシー
の
保護
、
消費者
への配慮に欠けるのではないかとの批判や不安が多く表明されまして、これを受けてJR東
日本
としてはその
データ
の
提供
を取りやめたものと承知をしております。 お尋ねの
匿名化
という観点からは、
利用
者から本当に
特定
できないのかという不安が寄せられたほかに、有識者からはどのような
加工
をすれば第三者
提供
に際して本人の同意等が義務付けられている
個人情報
に該当しないのかが明らかではないとの見解が示されていたものと承知をしております。 こうしたことも踏まえまして、政府の
世界
最先端
IT
国家創造宣言において、
個人情報
や
プライバシー
の
保護
に配慮した
パーソナルデータ
の
利活用
のルールを明確にするといったことが盛り込まれまして、これを受けて、
IT
総合戦略本部の下で
匿名加工情報
制度
についての検討が行われまして、
個人情報保護法
の
改正
に至ったものというふうに承知をしております。
石上俊雄
54
○石上俊雄君 そこで、
改正案
の第四十四条の十で、「
行政機関
の長は、」「
個人情報保護委員会
規則
で定める
基準
に従い、当該保有
個人情報
を
加工
しなければならない。」とあるわけでございますが、今まで
総務
省の研究会の議事要旨を、研究会が開かれていて、その要旨をちょっと見させていただいたわけでございますが、
匿名化
手法自体の議論はほぼなかったんじゃないかなというふうに読み取れるわけでございます。 ちなみに、資料の六の①に示させていただきましたが、
匿名化
技術というのは世の中に様々ございまして、ここにも一番上の方に書いてありますが、属性
情報
の削除、削除するんですね、あと、曖昧にするとか、ノイズを入れるとか、セル自体を取ってしまうとかという様々なやり方が存在するわけですが、技術の進化は年々著しくなっております。 こういうことの中で、
個人情報保護委員会
規則
で定める
基準
は、先ほど
井原
先生からもちょっと御
質問
がありましたが、どういうふうな内容になっていくのか。例えば、氏名は削除する、生年月日は年だけにするとか、住所は都道府県で止めるとか、そういったような例示だけにとどまるのか、このことについて
個人情報保護委員会
、お答えいただけますでしょうか。
其田真理
55
○
政府参考人
(
其田真理
君) お答え申し上げます。
事業者
の
サービス
や取り扱う
個人情報
の内容が様々に異なりますので、
個人情報保護法
等の
改正
法案
の国会審議におきましても、
委員会
で定めることとされております匿名
加工
に関する
基準
につきましては、全てのケースに共通する内容、項目などについて最低限の規律を定めることとし、詳細なルールは
事業者
の自主的なルールに委ねるとの方向性が示されております。 現在、
委員会
におきましては、こうした国会審議等の状況も踏まえまして、具体的な
規則
について検討しているところでございます。
石上俊雄
56
○石上俊雄君
加工
の程度ですね、これって結構難しいんだと思いますけど、
加工
程度の
考え方
をちょっとこの後お聞きしますが、
データ
の
有用性
と
プライバシー
の
保護
というのは一般的にトレードオフの関係にあるというふうに考えておるわけでありますが、非
識別加工情報
の
有用性
、これを高めようとしますと、
加工
の程度を低く抑えて、その代わり安全管理
措置
の厳格化が追加されることになるわけであります。
専門家
の方々から意見が出されておるわけでありますが、結局、企業の
提案
の
利用
目的
に応じたオーダーメードの非識別
加工
で
情報
提供
するしかないんじゃないかというような解説もあるわけであります。 ということは、
委員会
規則
は概略的、一般的で、他方、ぎちぎちに詰めた
加工
ルール等は各省庁独自に検討し、少なくとも、当初は極めて少数の案件に絞った個別
対応
の運用、スモールスタートで行くというイメージじゃないのかなというふうに考えられるわけでありますが、
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
57
○
政府参考人
(
上村進
君) お答え申し上げます。 まさに
委員
御指摘のとおり、この
データ
の
有用性
と、それから
プライバシー
保護
の強度と申しますか、これはトレードオフの関係にあるわけでございます。 それで、まず
加工
の
基準
でございますが、これはまさにこれから検討を進めていくことになるわけでございますけれども、御指摘のような
個人情報
の
保護
、それから
データ
利活用
のバランスが必要でございますので、こうした
加工
の
基準
、それから契約の在り方もそうでございまして、これはそのバランスを考慮して適切に定めていく必要があるんだろうと思っております。 また、
提供
先をどうするかということでございますが、先ほども少し御
説明
いたしましたけれども、今回御
提案
しております
改正
法の条項では、まず、
提案
ができる方の欠格事由というのを定めておりまして、これは不適格な方を排除するという
保護
の方向でございます。 それから、
民間事業者
がどのような安全管理
措置
を講じていただけるのか、こうしたものも審査をさせていただくというのも同様でございます。その他、
利用
の
目的
とかも審査をするということでございまして、そういう意味で、
提供
先というのを限定といいますか選んでいくということになります。 いずれにいたしましても、このバランスをどう取っていくかということは、今後、この
法案
の成立をいただきましたならば、特に、この
加工基準
は
個人情報保護委員会
の方で検討されると思いますけれども、この
個人情報
の
利活用
、それから
権利利益
の
保護
、これが適切な
調和
の下で運用される必要があると思いますので、そうした観点を持ちまして検討してまいる必要があるんだろうと思っております。
石上俊雄
58
○石上俊雄君 この行個法の非
識別加工情報
というのが、いろいろ
加工
すると
個人情報
から外れるというふうになるわけなんですが、
個人
識別ができない匿名
加工
を託した、この時点で外れるのか、また、復元できないようにした時点で、かつ照合禁止とセットで初めて
個人情報
から外れるという整理でいいのか、この点について御
説明
をいただきたいのと、ちなみに、いろいろ資料を読んだり調べたりすると非
識別加工情報
は
世界
初の法的
データ
類型と聞くんですけれども、本当なのかどうか、この辺についてもお答えいただきたいと思いますし、資料六の②の青いやつですね、これはアメリカのFTCという米国連邦取引
委員会
が出している
匿名化
三要件とあるわけでありますけれども、このことと大体合わせたような形でやっていこうと考えられているのか、この辺の御
認識
というかお考えを
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
59
○
政府参考人
(
上村進
君) 今回御
提案
申し上げています非
識別加工情報
は、
特定
の
個人
が識別できないように
加工
したものでありまして、当該
個人情報
に復元できないようにしたものでございますけれども、
行政機関等
の中におきまして
行政課題
の解決のために
照合行為
を行う必要が生じるということは、これはあり得ると思っております。したがって、
行政機関
につきましては照合禁止の規定を置いておりませんので、理論上、
行政機関
の
内部
ではこれは
個人情報
に該当するということになります。 一方、この非
識別加工情報
が
民間事業者
に
提供
された場合は、受け取る側の
民間事業者
につきましては、その取扱いにつきましてはこれは
個人情報保護法
が適用されることになります。これは、
特定
の
個人
が識別できない、又は復元できないということでございますので、受け取った段階で
個人情報
に該当しない
匿名加工情報
となっております。 もう少し
説明
させていただきますと、そもそも
民間
の
事業者
はこの
作成
の元となった
個人情報
というものを保有していないわけでございますから、これをなかなかといいますか、容易照合性の問題もございますので、これは
事業者
の中でこれを照合して
個人情報
に該当させるということは想定し難いと思っております。さらに、これに加えまして、法律上、
識別行為
の
禁止義務
というのも課せられておりますので、
制度
的にも
民間事業者
の方にとりましては、
個人情報保護法
で
個人情報
に該当しないということが
制度
的に担保されているということになっております。
石上俊雄
60
○石上俊雄君 なかなか、何ですかね、いろいろなケースがあったり、分かりづらいんですけれども、ちょっともう少し聞かせていただきたいと思いますね。 行個法の
提供
先での照合禁止についてちょっとお
伺い
したいと思うんですが、資料七の①に示させていただきましたが、匿名
加工
された
情報
を受領した方が、
基本
法第三十六条の五項で
照合禁止義務
が課せられているわけでありますが、その
監視
性は低いというふうに周りから言われているわけでありますね。こっそり照合することをどうやって見付けるのかというところが疑問だということをよく聞くわけであります。 今回の行個法
改正案
ではこの点をどう整理されて、今回それでよしというふうにされた、このことに至った
理由
について、
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
61
○
政府参考人
(
上村進
君) お答え申し上げます。 やや繰り返しになりますけれども、非
識別加工情報
といいますのは、
民間事業者
にとりましては、受け取った後につきましては、これはもう
個人情報
に復元するということはもう困難でございます。したがって、非常にこれは安全なものというふうなことにしております。また、更に適切な安全
確保
の
措置
を講ずることとしているわけでございます。 さらに、加えまして、
民間事業者
におきましてこの
情報
を受け取る方といいますのは、先ほども御
説明
をいたしましたけれども、欠格要件、それからいろいろな
提案
の審査等を行いますので、適切な
民間事業者
の方に
提供
されるという
仕組み
になっているわけでございます。さらに、契約というものを結ぶことになってございまして、仮に契約違反がありますれば、
行政機関
の方でこの契約をフォローする何らかの
仕組み
というのを設けることも考えられるわけでございますが、これに違反した場合は契約解除ということにもなりまして、以後この
情報
の
利用
はできなくなるということはもちろんでございますし、将来にわたって一定期間は
提案
を行うこともできなくなるというふうなことでございます。 他方、
個人情報保護委員会
でございますけれども、これは、もしそうした
民間事業者
の方におきまして不適切な行為があれば勧告
措置
命令
という権限を行使することができるということになってございますが、例えば各種の苦情の受付、それから
情報
提供
というものを通じて、こうした仮に
義務違反
行為があるとすればこうしたものを把握していくということになるんであろうと思っております。 このように二つございまして、
行政機関
の作ります非
識別加工情報
、これは元々要するに復元ができない安全なものであるということと、それから、加えて今るる申し上げましたような各種の
措置
を講じているということから、今御
提案
をしているような形にさせていただいているというところでございます。
石上俊雄
62
○石上俊雄君 続きまして、
基本
法の照合禁止についてお
伺い
したいと思います。 資料七の①の右側が書いてありますけれども、
基本
法では、
匿名加工情報
への照合禁止は
提供元
にも
提供
先にも課せられるわけであります。しかし、よく考えてみると、そもそも
加工
元は
匿名化
される前の元
データ
を保有しているわけでありますから、このような制限が何で必要なのかという、そういう疑問が浮かんでくるわけでありますので、その辺についてお答えいただきたいのと、
識別行為
禁止の適用除外が必要な場合というのは本当にないのかというところをまた考えるわけであります。 資料の七の②にちょっと示させていただきましたが、
加工
者が主観的に
匿名化
できたと考えて出したものを客観的に識別可能で苦情が寄せられた場合、法律上の紛争解決もあるわけでありますけれども、当事者間における任意解決もあるわけでありまして、言わば、俺の
情報
を何で出したんだと、これは私の
情報
だといったことを訴えられて、じゃ、それをよしとしてあげるからちょっと金銭的なという要求がなされたときに、それが事実なのかというのを確認するために照合しないとできないわけであります。こういうことが本当できなくていいのかというところの疑問があるわけでありますので、この辺について、
個人情報保護委員会
、お答えいただけますでしょうか。
其田真理
63
○
政府参考人
(
其田真理
君) お答え申し上げます。
匿名加工情報
は、
個人情報
の本人を識別することを禁止する等の
制度
的な担保を前提といたしまして、
目的
外
利用
でありますとか第三者
提供
に係る本人同意の取得が求められないことなど、
個人情報
、一般の
個人情報
の取扱いに比べて緩やかな規律の下で
利活用
を認める、可能にする
制度
でございます。
委員
御指摘の苦情
対応
のための識別の必要性につきましては、
事業者
は
作成
の元となる
個人情報
を保有しておりまして、また
加工
日時でありますとか手法等、
加工
に関する
情報
を保有しておりますので、苦情の申出のあった方の
情報
がこれに含まれているかどうかということは、
匿名加工情報
を識別のために照合しなくても可能であると考えられます。 したがいまして、
委員会
としましては、
識別行為
の
禁止義務
について例外規定を設けなくても実務上の問題は生じないものと考えております。
石上俊雄
64
○石上俊雄君 なかなかその
お話
を聞くまではちょっとよく分からなかったんですけど、匿名
加工
をした
情報
が一番下にあると、その前段で元
データ
があって、その経過をちょっと見れば分かるだろうという
考え方
なので、それは識別にならないから大丈夫、いいよという
理解
でいいのかなというふうに思いますが、ちょっとこれなかなか難しいなと思います。 あと、次にちょっと入りますが、今まで照合禁止についてお
伺い
をさせていただいたわけですが、資料七の①に示したように、今回の行個法では、
提供元
、
行政機関
ですね、での照合はこれ禁止していないんですね、可能ということになっているわけであります。
総務
省の研究会では、
基本
法同様に行個法でも、
提供元
、
行政機関
における照合禁止を明記しても問題ないんじゃないかという意見もあったわけなんですけれども、
改正案
では
行政機関
に
照合禁止義務
を置かなかったということで落ち着いたわけであります。 このことについて何なのかなというふうに疑問が湧きますので、そのことについてお答えいただきたいというふうに思いますし、照合の必要性がある場面としてどういう状況を想定しておられるのか、できれば具体的な例も挙げていただきながら御
説明
いただけますでしょうか。
総務
省、お願いします。
上村進
65
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。
委員
御指摘いただきました
総務
省の有識者研究会では、確かに検討途上におきまして、そのような照合禁止を設けても問題はないのではないかという御意見もあったと、これは事実でございます。その段階ではまだ、後で申し上げますような照合が必要になり得る場合があるという具体的な検討まで至らなかったためではないかと思ってございます。 いずれにしましても、この研究会の最終報告におきましては、
行政
を適切に執行するため、
識別行為
を行う必要が生じる場合もあり得るか、検討の上、照合必要性を判断すべきというふうにされているところでございます。 このような御議論も踏まえまして、政府で検討した結果、
委員
も今御指摘になりましたとおり、非
識別加工情報
について
照合禁止義務
というのは課していないわけでございます。これは、新
制度
が
施行
されていく中で、
行政課題
の
解決等
のために
提供元
の
行政機関
において
照合行為
を行う必要性が生じることがあり得るということを想定しております。この際、
照合禁止義務
がありますと、
行政
事務の適正かつ円滑な遂行に支障が生じるおそれがあると、そういうふうに考えるに至ったものでございます。 それで、具体例はというお尋ねでございました。なかなか、想定でございますので、実際こういうことがあるということを今思っているわけではございませんが、立案担当部局としましては、例えばの例といたしまして、交通事故
情報
に関する非
識別加工情報
の
提供
があったといたしますと、この
提供
を受けた
民間事業者
から、この事故というのは運転者の過失ではなくて車両そのものに問題がある可能性があると、こういう
情報
提供
を受けたケースがあるといたしますと、同種の事故というのは今後とも起こり得るわけでございますので、緊急に事故関係者を
特定
して調査を実施する必要というのが生じてこようかと思っております。 また、類似のケースになりますけれども、例えば製品事故
情報
に関する
情報
提供
を受けた
民間事業者
から、一定の条件下ではこの製品が重大な欠陥が原因となって事故を起こす可能性があるというふうなことが見付かった場合に、緊急にその製品を使用している本人を
特定
して通知すると、仮定の例でございますが、そういうことは想定し得ると考えております。 以上によりまして、今回の御
提案
をしている
法案
におきましては
照合禁止義務
というものは課さないということにしたところでございます。
石上俊雄
66
○石上俊雄君 ありがとうございました。 次に、
匿名加工情報
の二次流通についてお
伺い
したいと思います。 これは、資料八の①を御覧をいただきたいと思いますが、非
識別加工情報
の
作成
、
提供
の手順と
仕組み
を書いてあるわけでありますが、まずどこから始まるかというと、
行政機関等
から
提案
の募集をするというところから始まってくるわけでありまして、
提案
募集があって、その後、
提案
を受けて審査を行って、
利用
契約を締結し、
提供
に至るという、こういう流れになるわけですね。 その場合に、
民間
における
匿名加工情報
の二次流通は、
基本
法第三十七条で必要な手続が定められておるわけでございます。しかし、契約による流通制限は可能となるわけでありますが、法律上の規制はないということで確認をしております。 しかし、
匿名加工情報
の復元や
個人
の識別が行われることを
監視
、
監督
するには、そもそもその
データ
がどこに流通しているのかということが分からなければ
監視
も
監督
もできないわけでございますので、法の定める内容の
実現
というのは困難になるということになるわけです。 この二次流通の問題と、トレーサビリティーというか、どこに行っているのかということによる安心と
信頼
の
確保
の観点について、今回のこの行個法の
改正案
ではどういうふうに整理をされているのか。また、国内のみならず国外への流通はどうなっているのか。国外の流通に対する
監視
、
監督
は、法の執行の実効性はどう担保されておるのか。このことについて、
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
67
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えをいたします。 まず、この
行政機関
非
識別加工情報
でございますけれども、先ほど来御
説明
しておりますように、まず欠格事由に該当しないかどうか、
提案者
を限定しております。
提案者
がそれに当たらないかどうかの審査をすると。それから、
利用
目的
もこの法
目的
に合致したものであるかという審査をいたします。これに合致したものだけに
提供
する、それから手数料をいただくということにしております。 こうした、何といいましょうか、条件の下で
提供
するということでございますので、こうしたものを考えますと、
提供
先から自由に再
提供
させるというようなことは認めるということは適切ではないんだろうと思っております。
基本
的には
行政機関等
から一時的な
提供
の相手方のみに
利用
が認められると、その旨は契約でこれを定めるということを考えておるわけでございます。したがいまして、二次流通ということは
基本
的には考えていないと。 その上で、
提供
の相手方というのはこれは契約の相手方でございますので、
行政機関
はそれを明瞭に把握をしているということでございますので、トレーサビリティーの点で問題が生じるということはないものと考えております。 それから、国外流通の御
質問
がございましたけれども、これも先ほどもお答えをしたところでございますが、国外流通に関しまして、外国の方あるいは外国企業が
提案
を行い、それに
提供
を行うということはあり得るというふうには思っております。ただ、これは先ほどのお答えのとおりでございますけれども、これは、その
提案
が本当に我が国の豊かな
国民生活
、我が国の新たな
産業
創出
に適合するものであるかどうかということを適切に審査するということが必要になってくるということでございます。 また、その上で、国外の方に対して
提供
を行う場合であっても、これは
利用
契約で
利用
形態それから安全管理
措置
というものを定めていくことになると思いますし、必要に応じてどのように管理をされているかというフォローアップを行うこととなると思っております。この契約に基づく
義務違反
があれば契約解除ということになるのはこれは国内の
民間事業者
の方と同様でございまして、契約解除で以降の
利用
を停止する等の適切な取扱いは担保されているものと考えております。
石上俊雄
68
○石上俊雄君 だんだん時間がなくなってきたので急ぎますが、二次流通が行われた場合、
提供元
の
行政機関
に対して
情報公開
による開示請求があれば、これ先ほど冒頭に言いましたけど、
情報公開
法第五条の第一号で、要は
個人情報
というか、開示義務となってくるわけになるわけです。そうすると、よく考えると、
行政
が持っている
データ
をどういうふうに
加工
してどういうことが得られればどういうメリットがあるというのは、一生懸命要求する側が、
提案
する側が考えるわけでありますが、一回出たものがオープン
データ
化になるのであれば、その最初に頑張った人の苦労というのが何かただ取りされてしまうような感じになってくるんじゃないかなと、そういうふうに思うわけです。 そのことに対して、今回のこの行個法をどういうふうに整理されているのか、
総務
省、お答えいただけますでしょうか。
上村進
69
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 これも繰り返しになりますけれども、この非
識別加工情報
というのは、
特定
の
個人
を識別できない、あるいは元に、
個人情報
に復元できないというものではございますが、御
提案
をしている
改正案
におきましては、この
権利利益
の十分な
保護
を図ることに
対応
しますために、
情報公開
法の開示請求とは異なる面がございます。これはもう繰り返しになりますけど、例えば、欠格条項に当たらない方に
提供
する、それから
目的
がこの法
目的
に合致した
利用
目的
であるかどうかと、一連の規律を作った上で、それに合致する方、あるいは
目的
の
利用
に対して
提供
するということになってございます。 それから、今回御
提案
している非
識別加工情報
、これ
民間事業者
に参りますと
個人情報保護法
の適用になりますので、
識別行為
の禁止というふうな取扱いがなされることになります。このような点におきまして大きく
情報公開
法と
仕組み
が違うわけでございます。 そのため、お答えになるわけでございますが、この御
提案
を申し上げています非
識別加工情報
については、
情報公開
の
仕組み
で
提供
されるということにはせずに、これはもう類型的に不開示
情報
と規定すると、こういうふうなことにしてございます。したがいまして、
情報公開
法による開示請求がありましても開示されるということにはなりません。 以上でございます。
石上俊雄
70
○石上俊雄君 分かりました。 そういうことになれば安心なのかな。でももったいないような気がしますね。その辺は何か手数料で差を付けるとか、何かうまく工夫できればいいのかなと、そういうふうに思います。したがって、今あり得ないという話でありましたので、手数料の
質問
については飛ばさせていただければと、そういうふうに思います。 それでは、次の八の②に資料を付けさせていただきましたが、
総務
省の研究会の中間的な整理で、今回の行個法の
所管
の
総務大臣
や各運営、運用を行う
行政機関
の長の権限に対して、その
情報
提供
の
公益性
判断に関する意見を具申というか、申し入れるとか、
加工基準
の
策定
に関する意見をしっかり言うとか、そういう機関を持つ、専門機関を検討すべきではないかという指摘があったというふうにお聞きするわけでありますけれども。 実際に統計法とかでは、匿名
データ
を
作成
する場合、統計法の第三十五条の第二項によりまして、「あらかじめ、統計
委員会
の意見を聴かなければならない。」とあるわけでありますが、非
識別加工情報
の場合には、
個人情報保護委員会
の事前の意見聴取や同
委員会
の届出義務は、これまずあるのかどうか、こういったところもお聞きしたいと思いますし、
民間部門
の認定団体による指針決定におけるマルチステークホルダープロセスというのがあるわけでありますが、
制度
上何らかの形で加味されているのかというところ、そもそも
行政機関
には
個人情報
を
加工
提供
する動機はないということや、昨今の
IT
技術の進展、
経済社会
情勢の変化は、急激に変化するということも考えると、専門機関を含めて客観的な機動的な、要は様々意見を入れ込むといったところが
行政機関
に与える
制度
上の
仕組み
は意義があるというふうに思うわけでありますが、そもそも専門機関をつくらなかった、じゃ、この辺はどういうふうに
対応
していったらいいのかということに対して、
総務
省のお考えをお聞きしたいと思います。
上村進
71
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えをいたします。 三点御
質問
があったかと思いますが、まず最初の意見聴取等を行わないということなんですけれども、御指摘のとおり、今回の御
提案
におきましては、各
行政機関等
におきまして非
識別加工情報
を
作成
する場合、事前に意見聴取、
個人情報保護委員会
等の意見聴取を行うこととはしていないところでございます。 ただ、他方で、この一連の
民間事業者
から
提案
を受けて契約締結、
作成
するというプロセスにおきまして、例えば
提案
募集の段階、あるいは契約締結の段階、それから非
識別加工情報
の
作成
の段階、これはそれぞれ
個人情報保護委員会
規則等
の定めるところによって行うということになっておりまして、
行政機関
がそういう意味では恣意的にこれを運営するというような可能性は排除されるということになっているものでございます。 それから、二つ目に、届出義務を課さないということについてでございます。 御指摘のとおり、
個人情報保護委員会
に今回の
法案
で非
識別加工情報
の
作成
の届出というのはないわけでございますが、別途、非
識別加工情報
を
作成
した場合は、元となる
個人情報
を含んでいる
個人情報
ファイル
がございまして、その
ファイル
簿にこういう
作成
したという旨を記載するということになっております。これは
総務大臣
の通知、それから公表というものがございますので、ここで把握をしていただくことは可能でありますし、
情報
共有が可能であるというふうなことを思ってございます。 いずれにいたしましても、この
情報
というのは非常に安全なものということになってございますので、これは
民間部門
の方の
匿名加工情報
も同じであると承知をしておりますけれども、届出義務というものは課していないということでございます。 それから、三点目に、マルチステークホルダープロセスについての御
質問
でございます。 これも御指摘のとおり、今回、新たな
制度
ではいわゆるマルチステークホルダープロセスというものは組み込んでいないわけでございます。ただ、今回御
提案
の非
識別加工情報
の一連の運用を
監視
、
監督
する
個人情報保護委員会
、これのメンバーの方々は、
個人情報
の
保護
、
利活用
、それから
消費者
保護
、
情報
処理技術などに知見を有する多様な
分野
からの
専門家
の方々で構成されているものと承知をしておりますので、こうした方々の専門的知見を
活用
した的確な
制度
運営が図られていくものであると考えております。
石上俊雄
72
○石上俊雄君 ありがとうございます。 ちょっとこの辺が難しいので、しっかりやっていただきたいと思います。 続きましては、この行個法に対する
行政機関
の
対応
についてお
伺い
をしたいと思います。
改正案
が成立しますと、企業
提案
の審査次第ではありますが、資料の九の①に示させていただきましたが、大量の
ファイル
を保有する、すごいですよね、
行政機関
が持っている
ファイル
があるわけでありますが、これが非
識別加工情報
として
ビッグデータ
の出し手というか
提供元
になるわけでありますが、したがいまして、
提案
が来たらしっかりとやって受けるぞという気概がどの程度あるかといったところも実態としては重要になるのかなというふうに感じているところであります。 そもそも企業は、
行政
側が
改正案
の第四十四条の四により行うこの
提案
募集に対して
提案
することができる、これが四十四条の五ですから、だけであって、
提案
はその請求権の位置付けではないわけであります。したがって、何というんですかね、
行政
のスタンスで決まってしまうといったところが出てくるんじゃないかなと、そういうふうな気がしているわけです。 また、現行法第八条の三項には、保有する
個人情報
の
利用
又は
提供
を制限する他の法令の規定の適用を妨げるものではないというふうなこともあるわけであります。したがいまして、住民
基本
台帳法に定めるものですとか、こういったものって出せなくなってくるわけですよね。 したがって、そこで
質問
なわけですけれども、例えば資料の九の②に示させていただきましたが、納税
データ
をアメリカ等先進国並みに
利活用
すれば
経済
予想とか政策の精度も格段にアップするという指摘も
専門家
からはあるわけでありますが、国税庁は今回この
改正案
での
個人情報
利活用
をどのようなお考えで捉えられているのか、教えていただけますでしょうか。
柴崎澄哉
73
○
政府参考人
(柴崎
澄哉君
) お答え申し上げます。 国税庁が保有します納税者の
個人情報
につきましては機密性の高い
個人情報
でございまして、納税者との
信頼
関係を維持し、納税者のコンプライアンスを
確保
する観点から、国税庁におきましては、従来から、保有する税務
データ
の取扱いにつきまして税務職員に課されております厳格な守秘義務の観点に特に留意しつつ、
行政機関個人情報保護法
の規定等を踏まえまして適切に
対応
してきているところでございます。 今般の
改正
法案
におきましては、
行政機関
が保有する
個人情報
については、権力的、義務的に
収集
した秘匿性の高い
情報
も含めまして、
情報公開
法において全部又は一部の開示がなされないものにつきましては、非
識別加工情報
対象
から除外するというふうにされているところでございます。 国税庁が保有いたします
個人情報
は、
基本
的に
情報公開
法第五条第六号の不開示
情報
に該当するものとして取り扱ってきているところでございまして、これを踏まえますと、今回の
改正
法案
におきましても非
識別加工情報
の
対象
とはならないものと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、今般の
改正
法案
の新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
という趣旨を踏まえまして適切に精査してまいりたいと考えております。 他方で、今御指摘のございました
経済
予測、政策精度の向上という御指摘につきましては、国税庁におきましては、申告納税の状況等を公表することによりまして納税者の税務
行政
に対する
理解
と
信頼
を深め、もって円滑かつ適正な税務
行政
の運営を
実現
するという観点から、納税者の個別
データ
ではなく、国税庁が保有する
データ
を集計する形で各税目の課税状況等を税務統計として公表しているほか、主要税目の申告状況等につきましても可能な限り詳細に公表しているところでございまして、今後とも引き続き税務統計の適切な公表に努めてまいりたいと考えております。
石上俊雄
74
○石上俊雄君 ありがとうございました。 続きまして、警察庁にお聞きしたいんですけど、資料の十の①に示させていただきましたが、
世界
には犯罪発生頻度の地図を作るというイギリスや、犯罪発生予想ソフト、プレドポルの導入をしているアメリカとかという例があるわけであります。今回の法の
改正
が通ると、この
改正
によって、
個人情報
を
利活用
することでこういうことも可能になるんじゃないかというふうに思うんですが、警察庁のお考えをお聞きします。
村田隆
75
○
政府参考人
(村田隆君) お答えいたします。
改正
法案
第二条第九項第一号におきまして、犯罪の捜査のために
作成
、取得する
個人情報
ファイル
を構成する保有
個人情報
につきましては、機微な
情報
が含まれておるため、
行政機関
非
識別加工情報
に
加工
できる
対象
からは除かれております。当該
情報
を
行政機関
非
識別加工情報
として
活用
することはできないものと承知をしております。
石上俊雄
76
○石上俊雄君 ありがとうございました。 アメリカとかとちょっと環境が違うんですね、
日本
は。警察の皆様の頑張りで治安は安定していますし、そんなに頻度は高くないですから、そういったのは作る必要はないのかもしれません。 続きまして、医療の
ビッグデータ
の解析についてお
伺い
したいと思います。 これは先日の参考人の
質疑
でもちょっとお
伺い
をしたんですが、資料の十の②に示させていただきましたが、現在、内閣官房で、次世代医療ICT基盤協議会というところで、国の代理機関を設置して、電子カルテを集めて匿名
加工
した
ビッグデータ
を
利活用
する
仕組み
を検討中とお聞きします。せんだって言わせていただいたSS―MIX2というのがこれになるわけでありますが、議論の進捗をこれフォローしますと、
総務
省の研究会のヒアリングであった、経団連から来るわけでありますが、経団連が具体的な
ニーズ
はないというようなことを言ったので把握していないとかいうことになるわけでありますが、しかし、医療の
分野
では真逆で、
ビッグデータ
解析に道筋を付けなければ
日本
の医療と看護の未来が見えてこないということで、真剣そのものなわけですね。 したがって、議論では、資料十一の①にもありますけれども、要は、代理機関は今回
改正
された
個人情報保護法
の
対象
から逸脱した存在になるため、
公的機関
の認可に加え、制約の在り方も検討する必要がある、さらには、法律が先走ってイノベーションの芽を摘んではいけないとの意見も出ているというふうに聞くわけであります。 したがって、医療
分野
はしっかりとやっていかなくてはいかぬ、しかしいろいろあるねということで、行個法との関係ですね、今後、特別法等も考えながら進めていくのか、この方向性について議論になっているというふうに聞きますが、内閣官房、お答えいただけますでしょうか。
藤本康二
77
○
政府参考人
(
藤本
康二
君) お答えいたします。 医療の高度化や研究開発の促進等のため、医療研究
分野
の各種
情報
を
収集
、管理する機関の設置を検討し、必要な法制上の
措置
等を講じていくことにつきましては、昨年六月に閣議決定された
日本
再興戦略改訂二〇一五等に盛り込まれております。これらを受けまして、現在、健康・医療戦略推進本部の下に設けられました次世代医療ICT協議会において検討が進められているところでございます。
改正個人情報保護法
や今回の
法案
においては、病歴が含まれる
個人情報
が要配慮
個人情報
とされ、慎重な取扱いが求められることになります。そのため、検討中の新たな法制上の
措置
は、医療
情報
の特性に配慮した
情報
の安全な取扱いとともに、患者等の関係者の十分な納得が得られるものとなることが重要であるというふうに考えております。今後、議論を深めていく必要があると考えております。
制度
の
実現
に向けて、関係府省と一体になって検討をしてまいりたいと考えております。
石上俊雄
78
○石上俊雄君 そこで、せんだっての
参考人質疑
でも明らかになったわけでありますが、医療
分野
では、国立病院、市立病院、あと自治体病院、あと
民間企業
が共通、一括したルール、手続で患者
情報
を扱えて、それを匿名
加工
し、
ビッグデータ
として
利活用
するという、こういうスキームが
要望
だったわけでありますが、残念ながら今回の
改正案
ではそこまで至らなかったということでございます。 しかし、その
改正案
の下で理想に近づける方法として、資料十一の②に示したように、
民間
とタイアップしてやる、民民のマルチステークホルダープロセスと一緒にやるという、こういうこともあり得るというふうに言っているわけでありますが、この
考え方
について
総務
省としてはどういう御
認識
か、お考えをお聞かせください。
上村進
79
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えをいたします。 御指摘のように、
改正案
におきましては、先ほど私からもお答えしましたように、このマルチステークホルダーのプロセスみたいな
仕組み
はないわけでございます。ただ、他方で、お尋ねのような医療
分野
など具体的に
ニーズ
がある
分野
につきまして、
官民
一体となった
データ
の
利活用
、これにつきましては、本
法案
附則第四条というものがございまして、これに基づき、今後検討されることになってくると思ってございます。 なお、
制度
的な
仕組み
としてはないわけでございますが、今の
改正
法でできないのかできるのかということにつきましては、今後、
改正
された本
法案
あるいは
個人情報保護法
等々の
施行
の状況を見ながら、関係の部局、関係者が検討されることであるのかなとは思います。 ちょっと私からその点につきましては、そういう意味もございまして、具体的にどうこうするということを述べることはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
石上俊雄
80
○石上俊雄君 それでは次に、冒頭、
井原
先生からもEUの十分性認定に対する
質問
がございましたが、今回の行個法の
改正案
では、その
第三者機関
と
総務
省、各
行政機関
の関係についてEU十分性認定取得を念頭に様々な検討が行われたというふうにお聞きしているわけでありますが、
改正案
成立後には、このEU十分性の認定申請を行った場合、承認の見込みは、取れるというふうにお考えになられているのかどうなのかといったところをお聞きしたいというふうに思います。 さらには、先ほどの変則五角形という形を海外の人に
説明
するのもなかなかこれ難しいところがございまして、アメリカの、ちょっと、もわっ、ふわっとした形でセーフハーバーというのも作りながら
対応
しているところもあるわけでありますので、
官民
の執行機関問題で百点満点を目指すところまで突き進む必要があるのかどうか、このことについて
個人情報保護委員会
のお考えをお聞きしたいと思います。
其田真理
81
○
政府参考人
(
其田真理
君) お答え申し上げます。 企業活動のグローバル化に伴いまして、
個人情報
を
保護
しつつ、その適正かつ円滑な流通を
確保
することが重要であるというふうに
認識
をしてございます。
委員
御指摘のとおり、昨年九月に成立した
個人情報保護法
等の
改正
によりまして、独立した
第三者機関
の
整備
、機微
情報
に関する規定の
整備
、小規模取扱
事業者
に対しての法の適用、越境
データ
についての制限、開示請求権の明確化など、EUを含めまして国際的な整合の取れる枠組みが構築されたものと
認識
をしてございます。 これを踏まえまして、当
委員会
といたしましても、国際的な
データ
の流通が適切に
確保
されるよう、米国やEU等
各国
と積極的に
情報
交換を行いまして、まずはお互いの
制度
について
理解
を深めてまいりたいと思います。
石上俊雄
82
○石上俊雄君 いよいよ終わりに近づいてまいりました。 最後、資料の十二の②に
個人情報保護委員会
の定員についての
質問
を準備させていただいておりましたが、常勤ポストが五なんですね。しかし、指定
分野
が六つあるのにこれ五人でいいのかという
質問
をさせていただこうと思ったんですが、ちょっと余りにもあれなのでこれは飛ばさせていただきまして……(発言する者あり)あっ、そうですか。時間がないのでやめさせていただくということでございます。これ、六あるんですね。 最後になりますが、るる
改正案
について
質問
をさせていただいてきました。いろいろ、読めば読むほどいろいろ、ああ、もうちょっとこういうのがあればいいなとかと思うんですが、今後、政令や
委員会
規則
、あと業界の指針その他運用ルールなど、今後の作業はまだ相当量残っているというふうなことが今の
現状
じゃないかなと、そういうふうに思います。 また、今回の
改正案
は、
基本
的に
行政機関
の
匿名加工情報
を
民間
が
活用
するといったところが前提に作られているわけですが、
情報
の流れというのは、官とか独法から
民間
だけではなくて、独法から官とか、官から独法、独法から独法とか、官から官へということもあり得るわけであります。実際この辺についてどうなのかといってお聞きすると、ちょっとここは検討していないということであります。 しかし、時代は猛烈なスピードで動いているわけでありまして、問題が顕在化してから動くのではなくて、是非、有識者研究会の早期再開など、最善、最適の
対応
を常時
対応
でお願いしたいなと、そういうふうに考えているところでございます。 そこで、
高市
総務大臣
は、
行政機関等
に対する総合的な
監督
権限、現在の行個法における報告徴取及び意見陳述の権限、経験、ノウハウの集積もあるわけでございますので、法の
所管
大臣
として不断の改革を行う決意をお
伺い
したいと、そういうふうに思います。よろしくお願いします。
高市早苗
83
○
国務大臣
(
高市早苗
君) 石上
委員
におかれましては、本日、九十分にわたって
質疑
をされて、そしてもう本当にこの
法律案
について細かい点まで深く掘り下げて御
質疑
いただいたことを心から敬意を表し、また私どもも感謝を申し上げます。 そして、この
法律案
、成立をいただきましたならでございますが、まずは
個人情報保護委員会
としっかりと協力をしながら、この
法案
の
施行
に向けた準備についてしっかりと
対応
してまいります。 今
委員
がおっしゃっていただいたとおり、たくさんの準備がございます。その上で、やはり
社会
経済
情勢の変化というものもございますから、この非
識別加工情報
の
利用
者、それからまた、
国民
の皆様のお声をしっかり聞きながら、本
制度
については不断の検討を加えて、より良いものとしていくというのはこれはもう政府として当然の責務だと考えておりますので、新しい
制度
の実施状況を見ながら
対応
を進めてまいります。
石上俊雄
84
○石上俊雄君 ありがとうございました。よろしくお願いします。 以上で終わります。
山本博司
85
○
委員長
(
山本博司
君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時開会
山本博司
86
○
委員長
(
山本博司
君) ただいまから
総務委員会
を再開いたします。 休憩前に引き続き、
行政機関等
の保有する
個人情報
の適正かつ効果的な
活用
による新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
を議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
横山信一
87
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 午前中の
質疑
と多少かぶる部分も出てまいりますけれども、通告どおりに
質問
させていただきたいと思います。
世界
最先端
IT
国家創造宣言におきまして、
IT
、
データ
の
活用
はグローバルな競争を勝ち抜く鍵であり、その戦略的な
利活用
により、新たな付加価値を創造する
サービス
や革新的な新
産業
、
サービス
の
創出
と全
産業
の成長を促進する
社会
を
実現
するというふうにされております。安倍政権におきましては、これらを
実現
するために、
行政
が有する地理空間
情報
あるいは
個人
のライフログ
情報
などの
ビッグデータ
の
利活用
を推進をしていこうとしております。 そこで、今回のこの
法律案
で、
法律案
を含めて、
行政機関
における
パーソナルデータ
の
有用性
をどのように考えているのか、
伺い
ます。
古賀篤
88
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) ただいま横山
委員
から御
質問
ありました
パーソナルデータ
についてでありますが、
行政機関
の保有する
パーソナルデータ
は、元来は法令の定める
所掌事務
の遂行のために
収集
し、保有しているものであります。近年、いわゆる
ビッグデータ
の
収集
・
分析
技術が進歩する中で、
パーソナルデータ
は特に
利用価値
が高いとされておりまして、その
利活用
を適正かつ効果的に進めていくことは
官民
を通じた重要な
課題
と
認識
をいたしております。
行政機関
の保有する
パーソナルデータ
について、
個人
の
権利利益
の
保護
を前提としつつ、適切な
利活用
を図っていくことにより、新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資することが
期待
されるところであります。このような
認識
の下で本
法案
の御審議をお願いすることとしたわけでございます。 以上です。
横山信一
89
○横山信一君
行政
のための
情報
という枠から、今
社会
が大きく変化をする中で、それを企業あるいは住民のために
利活用
していくという流れが今できているわけでありまして、
各国
ともその法規制についての模索というか、続けているわけであります。 海外に目を向けた場合、
ビッグデータ
利用
の先進国でありますアメリカでは、政府の
データ
を
利活用
する
民間部門
における
個人情報保護
については自主規制それから自主統制というのが
基本
になっているというふうに聞いております。そのため、信用
情報
、医療
情報
などの各
分野
で法
整備
が行われているようであります。一方、オバマ大統領は、政府の保有する
情報
を
公開
するオープンガバメントを推進をしております。また、医療
情報
ということだけに限ってみれば、デンマーク、スウェーデンでは医療
情報
のオープン
データ
化によって両国GDPの二〇%を占める医療・健康
産業
クラスターを構築しているというふうに聞いております。 そこで、こうした先進
各国
の
取組
と比較して、我が国の
行政機関
の
パーソナルデータ
の取扱い状況をどのように
認識
しているのか
伺い
ます。
古賀篤
90
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) ただいま
委員
から、アメリカですとかデンマーク、スウェーデンの状況について御紹介いただきました。この
パーソナルデータ
の取扱いにつきましては、今御紹介あった以外にも、米国やEU諸国など、ほかの先進諸国を見ましても、
考え方
ですとか
制度
に違いがありまして、単純に比較、優劣を付け難いところがございますが、一方で、
各国
の
取組
状況ですとか国際的な動向には常に留意をしながら
取組
を進めていく必要があるというふうに
認識
をいたしております。 例えば、先日の
参考人質疑
におきまして、宇賀参考人から御紹介ございましたように、諸外国におきましても、
個人情報
の
保護
と
利用
を対立的に考える、いわゆるゼロサムではなくて、
両立
させる
考え方
、
ポジティブサム
を取っているというような御紹介がございました。今回のこの法
改正
も、こうした
個人
の
権利利益
の
保護
と
利活用
の促進を対立的に捉えるのではなくて、
両立
させることとしているところであります。 今後とも、
個人情報保護
に関する
各国
の
取組
状況や国際的な動向を的確に踏まえながら、施策の
充実
を図ってまいりたいと考えております。
横山信一
91
○横山信一君
保護
と
利活用
の
両立
という、その
ポジティブサム
というその考えに立脚して進めていくということだと思いますが。 午前中の
質疑
の中にもあったんですけれども、
行政機関
の有する
パーソナルデータ
の
利活用
への
期待
が高まる一方、
行政機関等
が保有する
パーソナルデータ
に関する研究会、いわゆる
総務
省研究会ですが、それでのヒアリングでは、
行政機関
及び独立
行政
法人等の公的部門の
パーソナルデータ
に関し、医療
分野
の
情報
の
利活用
への
期待
はあるが、それ以外の
分野
についてはオープン
データ
や
ビッグデータ
の具体的
ニーズ
は
特定
できなかったというふうにされております。だから
ニーズ
の掘り起こしが必要なんだというお考えも聞かせていただいたわけでありますけれども、
総務
省として、この医療
情報
以外の
パーソナルデータ
について、その公正
利用
の促進をどう図っていこうとしているのか、
伺い
ます。
古賀篤
92
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) 今御指摘いただきました
総務
省の研究会におきまして、確かに最終報告におきまして、御指摘いただきましたように、「
行政機関等
が保有する
パーソナルデータ
についての具体的な
利活用
の
ニーズ
は
特定
できなかった。」とされているところであります。 しかしながら、この最終報告では、同時に、公的部門の
パーソナルデータ
に対しても一般的な
利活用
への
期待
が存在するとしまして、「公的部門の
データ
の
利活用
の
対象
や範囲を適切に定め、
提供
時等における規律を課すこと等を前提として、
匿名加工情報
の
仕組み
を導入すべきである」との提言をいただいているところであります。 御審議をお願いしているこの
法案
は、このような
産業
界の
要望
ですとか有識者の提言を背景として立案したものでございます。当
法案
では、医療
分野
を含めて幅広く
利活用
を促進するために、
対象
を
特定
分野
に限定しないこととした上で、
利活用
を効果的に促進するため、
民間事業者
による
提案
により非
識別加工情報
を
作成
、
提供
する
仕組み
としているところであります。 この
法案
によりまして、幅広い
分野
の
個人情報
について、
国民
が安心できる
利活用
の環境を
整備
し、
民間事業者
の
創意工夫
による
利活用
が図られることで豊かな
国民生活
の
実現
等に期することを
期待
しているところであります。
横山信一
93
○横山信一君 まあ、まさに
ポジティブサム
の実践ということになってくるんだと思うんですけれども、ちょっと具体的な話をさせていただきたいんですが、その
総務
省研究会で医療
情報
は
利活用
の
期待
が高まっているんだということが踏まえられておりますけれども、例えばデンマークでは、医療
情報
は
匿名化
情報
であれば
世界
中の研究者が自由にアクセスできるようになっているというふうに聞いております。また、患者からの
情報
活用
の同意を得ることができれば
匿名化
されていない
情報
についても
活用
が可能であると。 先日の参考人の意見陳述の中でも、
匿名化
されない医療
情報
の重要性についての指摘もあったところでありますけれども、また一方で、我が国では
匿名化
された医療
情報
であってもその
利活用
には肯定的でないという、そういう部分の
お話
もありました。超高齢
社会
となる我が国にとっては、医療
情報
のオープン
データ
化が可能になれば、介護・医療
分野
やヘルスケア
産業
など様々な
分野
でのイノベーションが
期待
をされます。 本
法律案
によって、医療
情報
を
匿名化
しオープン
データ
化できるようになれば医療
情報
の
利活用
が進むということを考えられるんですけれども、
総務
省としてはこれにどう取り組んでいるのか、
伺い
ます。
南俊行
94
○
政府参考人
(南俊行君) お答え申し上げます。 医療
情報
の
利活用
ということにつきましては、これまで主として医療機関の間で患者の
情報
を共有するためのネットワークをつくるという形で
整備
が進められてきたところでございまして、専門医が不足しているような地域の医療圏を中心にしまして全国に二百を超えるような医療
情報
の連携ネットワークというものが現在存在しているところでございますが、その多くが、やはりランニングコストが高い、あるいは患者さんが進んで同意を与えてその
仕組み
に参加してくれないという、その
利用
率の低さという問題を抱えているところでございます。 このため
総務
省では、昨年、厚生労働省と一緒に懇談会を立ち上げましてこうした
課題
の解決に向けた方策を検討してまいりまして、二つの御提言をいただいております。 一つは、モバイルですとかクラウド、そういった最新のテクノロジーを使って、もっと低廉でセキュアな医療
情報
の連携のネットワークができないかということが一点。それから、もう一点は、本人が自らの医療
情報
、
日本
には様々な手帳文化というものが根付いてございますので、その医療
情報
を時系列的にきちんと管理をしまして、自らの望む場面でその
情報
を
活用
するような基盤となります、これPHR、パーソナル・ヘルス・レコードという言い方をしてございますが、このPHRの基盤をしっかりつくるべきじゃないかと。そうすることによりまして、救急のときに今までの既往歴を見ることができたり、あるいは災害のときにこれまでの服薬
情報
が分かったりと、これは
マイナンバー
カード辺りと組み合わせることによってそういった
提供
が可能になるのではないかというふうに考えておるところでございます。 こういった提言を受けまして、予算も
活用
しながらモデル的な実証事業に着手をしていきたいというふうに考えてございまして、医療
情報
のセンシティブな取扱いには十分留意しながらも、医療
情報
がより積極的に
活用
していけるように
取組
を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
横山信一
95
○横山信一君 私の知り合いのお医者さんが国際シンポジウムに出て、
日本
では医療
情報
のオープン
データ
化が遅れていますねというふうに言われて全然議論に参加できなかったという
お話
も聞いておりますけれども、今おっしゃっていただいたように、センシティブな部分をしっかりと
保護
するということは大事でありますが、一方で、今の
日本
の置かれている状況というのは決して進歩的な立場ではないと思いますので、そういったところを、今後のイノベーションを起こしていく上でも、
総務
省が是非イニシアチブを取って頑張っていただきたいというふうに思っております。 この医療
分野
においては、先日の
山本
参考人の
お話
にもあったとおり、実際の
データ
を用いることが重要だという
お話
がございました。国、自治体等の
行政機関
が個別に管理する
個人情報
を有機的に
利活用
できるように、
行政機関個人情報保護法
等を
所管
する
総務
省としても何らかの方策を打ち出すべきではないのかと、こんな
お話
もあったわけでありますが、これについて
大臣
はどのようにお考えになりますか。
高市早苗
96
○
国務大臣
(
高市早苗
君) 横山
委員
が御指摘いただきました点は、本
法案
の附則第四条におきまして、
個人情報
取扱
事業者
や国の機関、地方公共団体等が個別に保有する
個人情報
について、一体的に
利用
されることが公共の利益の増進及び豊かな
国民生活
の
実現
に特に資する
分野
について
個人情報
の一体的な
利用
の促進のための
措置
を講ずるということを定めています。 具体的には、本法律の公布後二年以内に必要な法令の
整備
などの
措置
を行うべく、内閣官房を中心として関係省庁が連携しながら検討を行っております。
横山信一
97
○横山信一君 検討中ということでありますので、早急な
整備
をお願いをしたいというふうに思います。 次に、ちょっと確認なんですけれども、
匿名加工情報
は、認定
個人情報保護
団体が取扱いに関する指針を定めることになっています。一方で、非
識別加工情報
は、
個人情報保護委員会
が
所管
をしますが、具体的な
加工
方法は各
行政機関
が判断することになっております。こうした
匿名加工情報
と非
識別加工情報
の運用方法に違いがあることで
民間企業
と
行政機関
との
データ
のやり取りに支障を生じることはないのか、これを確認させていただきます。
上村進
98
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 御指摘のとおり、今回の
法案
の中に、
行政機関
の中にはこの認定
個人情報保護
団体の
仕組み
はないわけでございますが、
官民
で同じような
情報
を扱う場合、こういう場合につきましては、例えば具体的な
加工
方法を定めるに当たっては、
民間
の方が
作成
いたしました、認定
個人情報保護
団体等が
策定
しました
保護
指針、こうした内容を参考にするということも考えられると思っております。また、実際にこの各
行政機関
の長が
民間
の
事業者
から
提案
を受けて非
識別加工情報
を
作成
する場合には、いろいろその過程で御
相談
もいただくということになりますので、
民間企業
の具体的な
ニーズ
に沿って
情報
が
提供
されることとなるというふうに考えております。 したがいまして、御指摘のような
民間企業
と
行政機関
との間でやり取りに支障が生じる、そういう懸念はないのではないかというふうに考えております。
横山信一
99
○横山信一君 分かりました。 午前中、
井原委員
からも
質問
があった部分でもあるんですが、再度お聞かせいただきたいんですけれども、
パーソナルデータ
の
利活用
においては、常にその流出あるいは不正
利用
について考慮する必要があるのは当然です。特に、今回の
法案
によって、
利活用
されるのは
行政機関等
が
国民
から様々な
行政
活動を経て
収集
した
データ
でありますので、不正
利用
が行われた際には
国民
が
行政
に対して大きな不信感を抱くことになりかねません。そういう意味では、
保護
体制
を整えることは大事であります。 一方で、そうした不正
利用
が発覚した場合どうしていくのか。まず、その非
識別加工情報
を
利用
する
事業者
の不正
利用
を防ぐための手だてについて
伺い
ます。
古賀篤
100
○
大臣政務官
(
古賀篤
君)
委員
の御指摘ごもっともでございまして、大変その点重要だというふうに考えております。
民間事業者
による不正
利用
によって
個人
の
権利利益
の
保護
が侵害されることを防止するために、本
法案
におきましても
個人情報保護法
と同様に
措置
を講じているところでございます。 具体的には、各
行政機関
において一定の
基準
に従って
加工
を行い、
情報漏えい防止措置
を講ずることで不正
利用
を未然に防止するということ、それから、
提供
を受けた
民間
の
事業者
には
識別行為
の
禁止義務
が課されるということ、そして、
官民
を通じて
個人情報保護委員会
が一元的に
監視
、
監督
をすることといった
措置
を講じるとしているところであります。そして、
個人情報保護委員会
は、例えば、苦情の受付や
情報
提供
を通じてこうした
義務違反
行為の存在を把握した場合に、
事業者
に対しまして勧告や
命令
といった権限を行使することができるようになっております。さらに、この
命令
に従わなかった場合には
刑事罰
を科すということも設けているところであります。 このように、厳格な規律の下で非
識別加工情報
を
作成
、
提供
することとしておりまして、
民間事業者
による不正
利用
による
個人
の
権利利益
の侵害防止を十分に図りつつ
利活用
を促進する
仕組み
であるというふうに考えております。
横山信一
101
○横山信一君 何遍も申しますけれども、
ポジティブサム
という、
保護
と
利活用
の
両立
という、そういう考えの下で進めていくわけでありますが、一方で悪用ということもやっぱりしっかりとした
体制
で臨んでいかなければいけませんので、今おっしゃられたことについてしっかりと
対応
をお願いしたいと思います。 次もちょっと確認のような
質問
になるのでありますけれども、
個人情報保護法
の
個人
識別符号は、「
特定
の
個人
の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該
特定
の
個人
を識別することができるもの」というふうに定義をされております。本
法律案
においても、
個人
識別符号が含まれる生存する
個人
に関する
情報
が
個人情報
に該当するというふうにされております。改めて、この
個人情報
の定義と、定義を明確化することによるメリット、これについて
伺い
ます。
古賀篤
102
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) ただいま
委員
の方から
個人
識別符号という御指摘がございましたが、今般のこの
改正
法案
におきましては、昨年
改正
された
個人情報保護法
と同様に、生存する
個人
に関する
情報
そのものによる
特定
の
個人
の識別に関して、指紋
データ
ですとか旅券番号等の
個人
識別符号が含まれる
情報
が
個人情報
に該当するということを明確化しているところであります。
個人情報保護法
と同様に、法の
保護
対象
を明確化することによりまして、
個人情報
該当性の判断が容易かつ客観的になります。そして、より一層適切に取り扱われることになるというふうに考えております。
横山信一
103
○横山信一君 分かりました。 午前中、
井原委員
からも石上
委員
からも
質問
が出ているところなんですが、私からも三度目の
質問
になりますけれども、EUの十分性認定についてであります。 ICTの普及は、クラウド
サービス
など国境を越えた
情報
の流通が容易な状況を生み出しています。その一方で、国際的な
調和
の取れた自由な
情報
の流通、そしてまた
パーソナルデータ
の
保護
という共通した
考え方
が求められているということにもなります。EUには、
分野
横断的な
データ
保護
指令
があります。これは、EU
加盟国
に
パーソナルデータ
保護
のための独立した
監督
機関の設置を義務付けているものでもあります。また、EU域内から
第三国
への
個人データ
の移転は十分なレベルの
保護
措置
を
確保
しているということが条件になっております。これは、独立した
監督
機関の存在と、それが効果的に機能していることというふうにされているわけでありますけれども、ここは
大臣
に
伺い
たいんですが、本
法律案
の
整備
によってEUとの
調和
を図ることができるのか、この点について
伺い
ます。
高市早苗
104
○
国務大臣
(
高市早苗
君) EUの
データ
保護
指令
につきましては、これに代わる
データ
保護
規則
が本年四月に成立しており、二〇一八年五月から
加盟国
に適用される予定だと伺っております。 EU
データ
保護
指令
や
データ
保護
規則
との
調和
ということになりますと、EUの十分性認定の取得との関係を念頭に置いた御指摘なんだろうと思うのですが、この十分性認定の具体的な
基準
については明確に示されたものは存在しないと承知しております。今後のEU側との十分性認定取得に向けた
取組
の中で明らかになっていくものだと考えます。 今回、
法律案
の中で新たに要配慮
個人情報
の規定というものを設けるといった
対応
、これがEUの関心事項であると推測される点でございまして、その中の一つでございます。先日、G7
情報
通信
大臣
会合がございました。その折に、
日本
、EU間の円滑な
データ
の流通や
利活用
に関しまして、我が国の
制度
ですとか
取組
につきまして
理解
が得られますように欧州
委員会
に働きかけを行いました。 今後も、様々な機会を捉えて
説明
に努めてまいりたいと存じます。
横山信一
105
○横山信一君 分かりました。 順調に
質疑
が進んで最後の
質問
になるんですけれども、最後、
大臣
にこれもお聞きをしたいんですが、
匿名化
情報
であっても、市民やメディアの中には過剰に反応する傾向が見られます。こういった
個人情報
であっても、慎重に
対応
していても、やはり自分の
個人情報
が勝手に使われるという漠然とした不安とか、気持ち悪いというか、根拠のない不安がどうしても付きまとっていく、そういったことを示しているんだというふうに思うのでありますが、そこで、今後、こうした非
識別加工情報
を取り扱うことに対して
大臣
はどのように考えていくのか、所見を
伺い
ます。
高市早苗
106
○
国務大臣
(
高市早苗
君)
パーソナルデータ
は
ビッグデータ
として特に
利用価値
が高いと言われておりますけれども、やはり
国民
の皆様が安心できる環境の下で適切に
利活用
するということ、これが初めて豊かな
国民生活
の
実現
などにつながる大前提だと考えております。 このために、今回御審議をいただいております
法案
では、非
識別加工情報
について、
民間部門
と同様に、一定の
基準
に従って
加工
を行い、
情報漏えい防止措置
を講じること、
提供
を受けた
民間事業者
には
識別行為
の
禁止義務
が課せられることといった
措置
を講じますとともに、
官民
を通じて
個人情報保護委員会
が一元的に
監視
、
監督
するということにしております。 さらに、
行政部門
におきましては
国民
の
信頼
をより一層
確保
する必要があるものと考えているところです。 本
法案
では、
行政機関
非
識別加工情報
の
対象
となる
個人情報
の範囲を適切に設定すること、不適格な
提案者
を排除することといった規定を設けまして、
個人
の
権利利益
の
保護
に万全を期すことにいたしております。
国民
の皆様に真に安心していただける、そんな
利活用
の環境を
整備
して、
民間事業者
の
創意工夫
による
利活用
を促進することで豊かな
国民生活
の
実現
などに寄与できるということを
期待
しております。 その上で、
国民
の皆様が不安や懸念、こういったものを持たれることがないように、法律の趣旨ですとか
仕組み
の
周知
を十分に図ってまいります。あわせて、本
法案
成立させていただきましたら、
制度
の適切な運用の
確保
に努めることが重要だと考えております。
横山信一
107
○横山信一君
大臣
からそのような答弁をいただいたということは、非常に
国民
にとっての安心の材料を与えていただいたというふうにも思うところでございます。 今後、この
法案
が通った後、次はいよいよ
個人情報
が一番ある自治体の
個人情報
について、それをどう
利活用
を進めていくか、またどう
保護
を図っていくかという議論に入っていくわけでありますので、この法律が適正に執行され運用されていくということは踏まえて進んでいくことでありますので、今後の議論に資するような、そういう形での運用を望んでまいりたいというふうに思います。 以上で
質問
を終わります。
又市征治
108
○又市
征治
君 社民党の又市です。 今日は吉良
委員
の御厚意によりまして
質問
の順序を入れ替えさせていただきました。感謝を申し上げたいと思います。 なお、この種
法案
、どうしても論点がみんな集中をいたしますから、私もどうしてもダブらざるを得ない面があるわけですが、再確認の意味を含めて
質問
をしてまいりたいと思います。 まず、十二日の
参考人質疑
に続いて本案について政府の見解を伺うわけですが、
大臣
は
法案
の趣旨
説明
において、
個人情報
の有効
活用
が
産業
創出
、活力ある
経済社会
や豊かな
国民生活
の
実現
に資するとの前提に立ち、
個人
の
権利利益
の
保護
や
行政機関等
の活動に支障がない範囲内で
行政機関等
が所有する
個人情報
を
加工
して事業用に
提供
する、このように述べられたわけです。 この間、政府は、企業が利益を上げればそれが勤労者の所得増大につながる、こういうふうに主張される、いわゆるトリクルダウン理論、こういうふうに言われてきて、
日本
を
世界
で一番企業が活躍しやすい国にしよう、こういうふうに言ってきたわけですが、しかし、企業は今最高の利益を上げているにもかかわらず、例えば今年の春闘の賃上げ状況、昨年の半分以下、こんな格好に見られるように、必ずしもそうなっていない。いわゆる今のこの
法案
に絡めて申し上げるならば、
個人情報
の有効
活用
が
産業
創出
や活力ある
経済社会
や豊かな
国民生活
の
実現
に資するという、こうした
考え方
、
認識
というのは、私は、この間の
日本
経済
の流れの中では破綻しているのではないか、こう思う。ここのところについて、改めて
大臣
の
認識
をお
伺い
しておきたいと思います。
高市早苗
109
○
国務大臣
(
高市早苗
君) 近年の
情報通信技術
の進展によりまして、いわゆる
ビッグデータ
の
収集
、
分析
が可能となる中で、特に
利用価値
が高いとされる
パーソナルデータ
の
利活用
を適正かつ効果的に進めていくということは
官民
を通じた重要な
課題
だと考えております。 新たな
仕組み
における非
識別加工情報
についての
民間事業者
の
提案
におきましては、
提案
に係る事業が新たな
産業
の
創出
、活力ある
経済社会
や豊かな
国民生活
の
実現
に資するものであることを求めております。これは単に一企業の利益のために
提供
するということではなくて、
民間事業者
における有効
活用
を通じて、ひいてはその利益が
国民
全体に還元させることになるという
考え方
に立ってそう規定をしている、そういうものでございます。 幅広い
民間事業者
の新たな
仕組み
が
利用
されて
制度改正
の趣旨が
実現
されるように、しっかりと
周知
をしてまいりますし、的確な運用を期してまいりたいと思っております。 なお、賃上げにつきましては、安倍総理の方からも幾度となく
経済
界に対して要請ということを行っていると承知をしております。
又市征治
110
○又市
征治
君 相変わらず、新たな
産業
を
創出
、活力ある
経済
が
国民生活
を豊かにすると。
日本
経済
の
現状
は必ずしもそうなっていない、そういう面もしっかりと見ていただきたいということだけ申し上げておきたいと思うんです。 そこで、先日の
参考人質疑
において
山本
参考人は、本人の了解なしに
収集
される場合もあるこの
行政機関
が所有する
個人情報
がビジネスのために
利用
されるというのも
理解
されにくいのではないかという私の
質問
に対して、
個人情報保護法
制だけで解決できる問題ではなく、今回の
法案
でそれに対する対策が書いてあるとは思えない、
個人情報
が価値を生む、価値を生んだときに、その価値の帰属がどうなるのかという問題はまだ全く解決されていないということを述べられております。 先ほども少し触れましたが、企業が伸びれば、イノベーションが進めば
国民生活
が豊かになるというのは実は極めて抽象論、いろんな見方があります。
個人情報
が価値を生む、その価値の帰属が企業であるというのであっては
国民
の
理解
が得られないのではないのかということがまず
基本
的にあると思うんです。 日弁連も意見書において、「商業
目的
での第三者
提供
は、
パーソナルデータ
の持ち主本人の
認識
している本来の
データ
の
利用
目的
以外での
利用
を意味する。特に、公権力の行使によって
収集
された
パーソナルデータ
に関して無差別な商業
目的
での
利用
を許すことについて、
国民
の
理解
が得られるとは考え難い。」、こういうふうに日弁連述べているわけですけれども、この点について
大臣
の見解を
伺い
ます。
高市早苗
111
○
国務大臣
(
高市早苗
君) イノベーションということですけれども、イノベーションというのは、単なる技術革新ではなくて、技術革新の成果がまた
国民生活
に恩恵をもたらしていく、そこまでのプロセス全体を指すものだと考えております。 今回、この
法案
でございますけれども、
パーソナルデータ
の
利活用
を適正かつ効果的に進めていくということで、新たな
産業
の
創出
や活力ある
経済社会
、豊かな
国民生活
の
実現
を図るものでございますから、あくまでも個々の企業の利益のみならず
国民
全体の利益につながる
取組
だと考えています。 例えば、先日の
参考人質疑
におきましても、二輪
自動車
の
検査ファイル
を
利用
して製品の
安全性
を向上させることが想定されるといった参考人の御意見もありましたし、このようなケースでは
国民
の皆様にも安全、安心というメリットがもたらされると考えています。 やはり
制度改正
の趣旨について十分に
民間事業者
の方にも
周知
をすることに努めまして、的確な運用を期してまいります。
又市征治
112
○又市
征治
君 現行法でも、統計の
作成
であるとかあるいは学術研究の
目的
のため、又は本人以外の者に
提供
することが明らかに本人の利益になるときは
提供
が認められている、そういう法体系になっていると思うんです。つまり、今回の
改正
というのは、本人の利益になるかどうか全く分からない、
提供
の公共性も不明なのではないのかということは指摘をしておきたいと思うんです。 次に、
行政機関等
が保有する
パーソナルデータ
に関する研究会、これは
総務
省の
内部
の研究会でしょうが、
行政機関個人情報保護法
、独法等
個人情報保護法
の
改正
に向けた
考え方
を取りまとめていますけれども、その中で
行政機関等
が保有する
パーソナルデータ
の
利活用
の
ニーズ
に触れて、一般的な
利活用
への
期待
が存在しているとしながらも、医療
分野
の
情報
以外には具体的な
利活用
の
ニーズ
は
特定
できなかった、このように述べているわけですね。 そこで伺うんですが、本
法案
では、
行政機関
非
識別加工情報
取扱
事業者
になろうとする者は
情報
利用
の
目的
及び方法等を
提供
することになっていますけれども、
総務
省はどのような
提供
内容と、量的にどの程度を想定をしているのか、まずこれは第一点
伺い
ましょう。 また、この
提供
内容の審査に関しては、当然、先ほど言及しました本
法案
の
目的
、
個人情報
の有用
活用
が
産業
創出
、活力ある
経済社会
や豊かな
国民生活
の
実現
に資するかどうかが問われるわけでありますから、この
法案
の
目的
自体が実に漠としたものであって、曖昧、こう言わざるを得ないわけで、そこで、具体的な審査
基準
、これはどういうものを考えておるのか、お示しをいただきたいと思います。
上村進
113
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えをいたします。 まず、御
提案
の
行政機関
非
識別加工情報
の
提供制度
でございますが、この
法案
によって初めて設けるものでございますために、具体的にどのような
提案
がこれから出てくるか、それから、どれほどの数になるかということにつきましては、現段階ではなかなか確定的に述べることが困難な面があるということはまず御
理解
をいただきたいと思います。 その上で、
委員
からも今御指摘いただきましたような研究会、それから
経済団体
等からは一般的な
ニーズ
がございます。それから、今し方
大臣
からも御答弁申し上げましたような、
参考人質疑
の中において述べられました二輪
自動車
の
検査ファイル
を
活用
してより安全な製品を作るという
ニーズ
、それからまた、これも
参考人質疑
にございましたけれども、外国人出入国記録
ファイル
を
利用
いたしまして
観光振興
に
利用
する、こうしたものは
提案
がなされてくるようなものではないかと思ってございます。 これをどういうふうに審査するかということでございますが、
法案
上は確かに非常に、厳密なものは書いていないわけでございますが、ただ、これがどのようにこの
提案
内容が新たな
産業
の
創出
とか
国民生活
の豊かさにつながるか、それは事業計画書などを添付いただくことになっております。これをできるだけ具体的な
説明
をいただきまして、そのメリットをきちんと見極めていくということになると思います。 いずれにいたしましても、まだ審査
基準
は、この
法案
の成立をいただきましたら、どのような審査の方法があるかも踏まえまして、
基本
的な
考え方
を含め、まとめていくということにしておりますので、これはいずれ指針なりガイドラインの形で
作成
していくということになると思っております。 以上でございます。
又市征治
114
○又市
征治
君 つまり、どういう
提案
がどの程度提出されるか予想が付かない。たまたまこの間の
参考人質疑
のときも出ましたけれども、医療関係は当然のこととして大事でしょうと、こういう話。まあ、医療や介護まで入りますかね。あるいは、今あったように観光という問題などがあるかもしれない。だけど、それ以外は予想も付かない。こういう状態の中で、それならばそれで個別法でやってもいいんではないのか。言い換えるならば、具体的な
要望
すら
産業
界から出されていないときになぜわざわざこのような
改正
を拙速に行うのかというのは、これは
理解
し難い、
国民
の側でも
理解
できない、こういう声が強いのではないのか、こう言わざるを得ないわけでありまして、その点は改めて申し上げておきたい、こう思うんです。 次に、
行政機関等
は必ずしも
個人
の同意を得て
個人情報
を
収集
するわけではないことはもう言うまでもありません。また、同意するにしても、それは
個人情報
の取扱いに対する
行政機関等
への暗黙の
信頼
があるということだと思うんですね。
行政機関
が
収集
できる
個人情報
というのは、質、量共に
民間事業者
が
収集
するものとはもう雲泥の差がある、これはもう言うまでもありません。しかし、
法案
によれば、
個人情報
は非識別
加工
されて非
識別加工情報
として
民間事業者
にビジネス
目的
で
提供
する、こういうことになるわけですね。つまり、
情報
が外部に出されていくというわけです。 この
情報
が
行政機関等
から外部に出されることによって生じる漏えいリスクの増大、
国民
各々は知ることのできない
目的
のための
情報
の
利用
ということによって、
国民
が
行政機関等
への
情報
の
提供
、提出というか
提供
ということについてまさに戸惑いを覚えるんではないのか、ここのところについてはどういう
認識
ですか。
高市早苗
115
○
国務大臣
(
高市早苗
君) この非
識別加工情報
ですが、
個人情報保護委員会
規則
で定める
基準
に従って
個人情報
を適切に
加工
するということによって
特定
の
個人
を識別できないものとなりまして、安全な形で
民間事業者
に
提供
されるものです。また、非
識別加工情報
の
提供
を受けた
民間事業者
が
加工
の方法などを入手して当該
情報
を他の
情報
と照合することを法律上禁じているほか、
個人情報保護委員会
が
官民
を通じて
監督
するということとするなど、
個人
の
権利利益
の
保護
に支障が生じないような
仕組み
としております。 やはり、
委員
が御指摘いただいたように、それぞれの皆様が、こういうことだったら
行政機関
に
情報
を
提供
できないよねというようなことになってしまっては困りますので、あくまでも
個人
の
権利利益
の
保護
を大前提として
利活用
の促進を図るものであるということを、皆様に対して新
制度
の趣旨、内容を十分に
周知
をするということで御指摘のような事態が生じないように努めてまいります。
又市征治
116
○又市
征治
君
大臣
から、リスクが低くなる、低くするようにしなきゃならぬということの
お話
なんだと思うんですが、少し具体的にこの問題について
上村
行政
管理
局長
に
伺い
ますが、
衆議院
の
委員会
質疑
において
局長
は、
匿名加工情報
は他の
情報
と照合して識別ができないように
加工
するが、現在の
情報
処理技術の進展等を考えると、復元ないし照合が不可能であるとまでは言い切れないというか、言えない、こういう旨の答弁をされたように思います。 そこで聞きますけれども、この
認識
は、現在の段階では復元ないし照合は不可能だけれども将来的には可能性もある、あるいは現在でも復元、照合は可能かもしれないという
認識
なのか。いずれにしても、今回の
法案
によって以前に比較すると
個人情報
が漏えいするリスクは増大するという、このことについての
認識
も併せて
伺い
たいと思うんです。
上村進
117
○
政府参考人
(
上村進
君) お答え申し上げます。
衆議院
の
総務委員会
でお答えいたしましたのは、現在の、あるいは今後のでもよろしいのですが、
情報
処理技術がどんどん進展してまいりますので、そうした場合に、そういうものを考えますと、どんな手段を用いても全くこれが復元ないし照合が不可能であるということは特に言えない、特に将来にわたって不可能であるとは言えないということをお答えしたつもりでございます。 そういう意味におきましては、非
識別加工情報
は、現在及び将来において通常想定し得る手段、方法によっては
特定
の
個人
は識別できない、元になった
個人情報
を復元することができない程度にまで
加工
する、しっかり
加工
すると。言い換えますと、安全な
情報
とするということが大前提になっております。 それに加えまして、
制度
的な担保といたしまして、これは午前中の
質疑
でもお答えいたしましたけれども、
個人情報保護法
の規定で、
識別行為
の禁止でありますとか
個人情報保護委員会
の
監視
、それから最終的には罰則を科すというところまで担保していることでございますので、
個人
の
権利利益
の
保護
につきましては万全を期しているというふうに考えているところでございます。
又市征治
118
○又市
征治
君 つまり、従来
行政機関
内にとどまっていた
データ
が外部に出るわけですから、リスクは当然高まるということだということですね。だから、
識別行為
の禁止等の規定が
改正個人情報保護法
にあるというのも、識別が可能だから、そういうふうに考えるのは当然だと思うので、やはり率直にリスクが高まるということを
認識
した上での対処ということがいやが応でも求められる、これ、
局長
言ったことはそういう意味でよろしいですか。
上村進
119
○
政府参考人
(
上村進
君) 繰り返しになりますけれども、通常の方法、手段ではもうこれは復元できない安全なものである、しかし全く一〇〇%かということは言い切れない、そこは念には念を入れて
制度
的な担保として
識別行為
の禁止その他を入れていると、こういうことでございます。
又市征治
120
○又市
征治
君 リスクは高まるということを前提にしてということですね。 そこで、今回の
法案
において、要配慮
個人情報
とは、本人の人種、信条、
社会
的身分、病歴、犯罪の経歴等々、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる
個人情報
と定義をされているわけですが、そこで
伺い
ますけれども、
行政機関
には、ここで、この中で言っているところの
国民
の信条を
収集
することができるのかどうか、できるとすればその
目的
は一体何なのか、そしてどのような手段、方法でそうした
国民
の信条の
収集
はできることになるのか、この点について
伺い
ます。
上村進
121
○
政府参考人
(
上村進
君) まず、一般論でございますけれども、
行政機関等
においては、従来より、
所掌事務
を遂行するために要配慮
個人情報
に当たるような機微な
情報
というのは
収集
する必要があるというふうに考えてございます。一般的には、犯罪予防のために例えば被害
情報
を
収集
するというケース、それから公衆衛生政策ですとか疾病予防等のために病歴
情報
を
収集
するケースなどがこれに当たってくると思います。 その
利用
目的
、
収集
手段というのは様々でございまして、許認可、それから補助金の申請、それからいろいろな入所等に当たってこういうものを
収集
するとか、それから
行政
施策の遂行上の調査ですとか、そういうのに当たって調べる等いろいろな態様はあると思います。
委員
御指摘の信条というのは、思想と信仰両方含むものだと思いますけれども、これもそれぞれの
行政機関
の
行政
目的
に応じまして必要な限度で
収集
されることは当然あり得るものだろうと思っております。
又市征治
122
○又市
征治
君 大変重大な問題なわけで、
国民
の信条を
収集
する、しかも、国家がそれを本人の知らないところで行うことがとても適切だとは思えません。適切だと言うなら、どういう信条なら
収集
するのか、どういう信条なら問題がないということが明らかにされて、そういう意味で
国民
の納得がなければ、これはそんなことをやれる話じゃない、まさに憲法違反になるわけで、その
基準
が適正かも検討される必要がある。今日はこのことを論議する場でもありませんから、取りあえず、極めてこれ重大な問題をはらんでいるということだけはここでは指摘しておきたい、このように思います。 次に、二〇一三年六月に閣議決定された
日本
再興戦略では、
IT
を
利用
したイノベーションを起こすとして、二〇一五年度中に
世界
最高水準の
公共データ
の
公開
内容、これ何か
データ
セット一万以上というように言うようですが、これを
実現
、あるいは、
ビッグデータ
やオープン
データ
の
利活用
が
世界
最高水準で
実現
するよう積極的に進めるとあるわけです。 当然、
世界
的にも、本
法案
のような法がEU諸国にも存在するんだろうという思いで
総務
省にも問合せを出しましたが、どうも存在をしていないようでありまして、その後何かありましたらこれはお答えいただきたいということがありますけれども。 その上でお尋ねをしますが、EU諸国では、
行政機関
が
個人情報
を
加工
するなどを行って
民間事業者
に
提供
するということはどのような枠組みにおいて行われているのか、そもそも、ビジネスのために
行政機関
が
民間事業者
に
個人情報
を
加工
すれば
提供
するということは認められているのかどうか、その点を含めてお答えをいただきたいと思います。
上村進
123
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 まず、EUにおきましては、
データ
主体が識別できないような方法で
匿名化
する、これは私どもの御
提案
をしている非識別
加工
も同じようなことでございますけれども、
個人
とひも付く可能性のない匿名
データ
、そういう定義というのは
制度
的にはございます。ただ、こういうものに関しましては、いわゆるいろいろな各種
規則
、
指令
等で定めている
データ
保護
の
原則
、規律というものは適用されないと。逆に言えば、自由に使うことができるということだと思っております。 具体的に少し、ビジネス
利用
にどういうふうに使われているかというのは、恐縮でございますが、ただいま私、手元に資料がございませんので、ちょっとお答えしかねるところでございますが、しからば、我が国においてはどういうことを考えているかということでございますが、我が国におきましても、この
個人
識別性がない匿名となっている
データ
というのは、やはりEUと同様に本来
個人情報
に該当しないものですから、自由に
提供
することができるものであります。ただ、いろいろな経緯がございまして、これまでその
利活用
のルールが明確でない、グレーゾーンがあるということもございましたので、そうした背景を踏まえまして昨年の
個人情報保護法
の
改正
に至ったというものだというふうに
理解
をしております。 今般の
行政機関
が保有する
個人情報
の
保護
法の
改正
につきましても同様の流れでございまして、昨年の
改正
を受けまして、
国民
の
権利利益
の
保護
、これを維持する、その上で
民間事業者
が
利活用
しやすい
仕組み
というものをつくると、このための
基準
ですとか安全管理の規律、これをルール化をしたというふうな形で御
理解
をいただければ有り難いと思っております。
又市征治
124
○又市
征治
君 ちょっと聞き取れなかったんですが、EUにはこの
情報
提供
のこういう枠組みがあるんですか。
上村進
125
○
政府参考人
(
上村進
君) そういう意味では自由に使えるものですので、
制度
としてこれを要するにルール化しているというものはないというふうに承知をしております。
又市征治
126
○又市
征治
君 つまり、何もEUに倣えばいいという話ではありませんけれども、EUにも存在しないような枠組み、なぜ
日本
で導入するのかなというのは、これは疑念としてあるわけです。つまり、
行政機関
の所有する
情報
を
民間
事業に
提供
するというのはもう異例なことではないのかということで、その点についての考えを併せて聞いているわけです。
上村進
127
○
政府参考人
(
上村進
君) 先ほど来
大臣
も答弁を申し上げておりますけれども、
基本
的にこれはもう
個人
とひも付くことのない
情報
として非
識別加工情報
の
提供
を考えております。その上で、いろいろな安全
措置
を考えているということでございます。 それで、先ほど来ビジネスの
利用
についての御
質問
がございますが、これは
大臣
もお答えをいたしましたように、単なる一企業の利益ですとか、そういったものを超えて、もう少しそのメリットが
社会
全体に還元される、ひいては
国民生活
の
利便性
、
安全性
、快適性が高まる、こういうものを考えているものでございます。したがいまして、これは昨年の
個人情報保護
の
改正
の流れの上ではございますけれども、そのような一企業の利益、そういうビジネス
利用
というような、大変失礼な言い方になるかもしれませんけれども、ちょっと狭い範疇のものでは必ずしもないのではないかというふうに思っております。
又市征治
128
○又市
征治
君 次に、先ほどの
委員
の
質問
ともダブってまいりますが、先日の
参考人質疑
の際にもお尋ねをした
個人情報保護委員会
の位置付けについてであります。
個人情報保護法
の
改正
に当たっては、いわゆる
EU個人データ保護指令
第二十五条の規定に基づく十分性認定を得ることが大きな
課題
であったというふうに宇賀参考人は論文でも書いておられますし、答弁されました。その際、一番大きな
課題
が、当時
個人情報保護
のための独立した
第三者機関
が設置されていなかったことだと述べているわけです。そこで
改正
によって
民間部門
の
個人情報
を一元的に
監督
する
個人情報保護委員会
が設置をされたということですね。 今回の法
改正
においても、
総務
省の研究会が
改正
に向けた
考え方
をまとめていますが、それによりますと、
個人情報保護委員会
が
行政機関
の
匿名加工情報
の
監督
の任に当たることや
行政機関等
における
匿名加工情報
の取扱いに対する
監督
、
監視
についても
委員会
が併せて行うことが
改正個人情報保護法
の趣旨に一致すると、こういうふうにされています。 しかし、本
法案
では、
改正個人情報保護法
に規定する
個人情報保護委員会
による違反行為の中止であるとか、あるいはその他違反を是正するために必要な
措置
をとること、いわゆる
措置
命令
などが当然規定をされていないわけですけれども、その
理由
は何なのか。これは
第三者機関
ということであるならば、そのことはできるんではないかと思うんですけれども、その
理由
をまず
伺い
ます。 また、これでEUの十分性認定を得ることができるのかどうか。この二点、伺っておきます。
上村進
129
○
政府参考人
(
上村進
君) 御指摘いただきましたとおり、
個人情報保護法
と違いまして、
民間
の方の
個人情報保護法
は
委員会
による
措置
命令
が定められているところでございますけれども、今回御
提案
を申し上げております
行政機関個人情報保護法
では
命令
ということまでは定めていないわけでございます。これは、権限行使の
対象
がこの当該
委員会
と同じ
行政機関
でありますので、
命令
という強制的な権限はなじまないという判断から
措置
していないということでございます。 ただ、今回の
改正
では、従来この
行政機関個人情報保護法
で
総務大臣
が持っています権限に比べまして、実地調査という権限を導入する、あるいは法に基づく勧告という強力な権限を
措置
しておりまして、そういう意味では、
行政機関
に対する
監視
、
監督
に係る権能、権限というのは大幅に
強化
されたものだと考えております。 それで、EUの十分性認定の御
質問
でございますが、先ほど来御答弁申し上げている点もございますが、この十分性認定の条件というのは何かというのは必ずしも現段階で明らかにはなっていないというふうに承知をしておりますが、当方の
制度
の
説明
、それからEUの方の
制度
の御
説明
もいただきながら、双方の
制度
の
理解
を得ていく中でそうしたものについてもきちんとした
対応
を図っていくべきものであろうというふうに思っております。
又市征治
130
○又市
征治
君
行政機関
が
行政機関
に
命令
をすることはなじまないというのは、これ一般的にはそうなんですが、だとすれば第三者
委員会
に、先ほども申し上げましたけれども、すればいいわけであって、そういう
措置
が必要だろうと思いますよ。それぐらいのことをしなけりゃ
個人情報
の
保護
に力を入れていますとは言い切れない、言えないんじゃないのかということを申し上げておかなきゃならぬと思うんです。 様々まだいろんなことがありますが、限られた時間の中でありますし、そういう意味では、いろんな、どうしても、今申し上げてきたように、この法律は極めて拙速な、まだまだ詰めなきゃならぬ問題いろいろとある中で拙速に出されている。こういう点でいうならばこれは賛成し難いということを最後に申し上げて、私の今日の
質疑
を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
片山虎之助
131
○
片山虎之助
君 それじゃ、順次
質問
いたします。 大変中途半端という話が今ありましたが、難しい法律ですよね。こういう難しい法律を審議するのも頭の体操になって大変いいと思いますけど、ただ、
質問
する方はやりにくいんですよ。だから、今までの議員、先生方の
質問
とダブる、丸々ダブるかちょっとダブるか分かりませんが、ダブることが多いと思いますし、それから初歩的な
質問
や見当外れな
質問
も、私ですよ、多いかと思いますけど、それは勘弁してください。 この前も参考人の意見を聞いて私なりにそこそこの
理解
はしたつもりなんですが、何で、
民間
だけならまだしも、国や独法までこういう
パーソナルデータ
の
提供
というようなことに引きずり込むのかというところがよく分からない。まず、
民間
と今回の国と独法が違うこういう
制度
にした
理由
を、後追いということはありますよ、分かるように言ってください。誰がいいのかな、やっぱり
局長
なんですかな。
上村進
132
○
政府参考人
(
上村進
君) 御
質問
にお答えする前に、まず今回の法
改正
でございますけれども、前提といたしまして、それは
情報通信技術
の進展、いわゆる
ビッグデータ
の
活用
ということがあるわけでございます。これは改めて申すわけでもないわけでございますけれども、そういう中で、先ほどからも申し上げましたように、
経済
界からの一般的な、これは、公共
分野
が作る
データ
というのは非常に
信頼性
が高い、それからいろいろな
分野
にもあるということで、一般的な
ニーズ
というのは非常にあるということでございます。 それから、先ほどの答弁でも申し上げましたように、例えば
参考人質疑
で出ておりましたような外国人出入記録の
利用
あるいは製品の不具合の
活用
、こうした
ニーズ
というふうなことがございます。 こうしたものからすれば、まだ現段階では
活用
対象
となる
情報
、具体的に言いますと、どういう
個人情報ファイル簿
が
提案
対象
となり、それをこれからどう選定していくかということもこれからでございますので、なかなか
民間事業者
の方からこういう
ニーズ
だというふうなことを明確に申し上げていただくような段階になっていないということは事実でございますけれども、そういう意味で、一般的な
ニーズ
、具体的な
ニーズ
というのはあるものと思ってございます。 いずれにいたしましても、今回の
制度
が幅広く
利用
されるように十分な今後
周知
をしていく必要はあるだろうと思っております。
片山虎之助
133
○
片山虎之助
君 いや、だから、
ニーズ
の話は二番目にしようと思ったのよ。それは
ニーズ
があるから国や独法も追っかけると、こういうことなんですけど、その
ニーズ
が、何か
説明
聞きましたよ、この前も、参考人の方も言われたけれども、もうひとつ腑に落ちないというか、ぴんとこないというか。 こういう大掛かりな
制度
をつくってまで応えにゃいかぬほどの
ニーズ
かどうか。そういう具体的な
提案
は恐らくまだないと思いますよ、
経済
界にも。ただ、何かうまく
利用
できるものをつくっておけば将来は金もうけを含めていいことがあるというぐらいの私は
期待
だろうと思うんですが、今、
局長
、あなたは
専門家
なんだから、国や独法で具体的な
ニーズ
というのはどういうのか、皆に分かるように
説明
してください。あなたの想定でいいわ、間違っているかどうかは別にして。
上村進
134
○
政府参考人
(
上村進
君) そういう意味では、それぞれ
所管
の
行政機関
もありますので
法案
の立案部局としての今の想定ということでございますけれども、やはり高齢化
社会
を今後迎えていく中にありまして、例えば高齢者の方の
生活
実態というものですとか、それから雇用動向ですとか、そういう非常に
生活
に密着した
データ
というのを、ちょっと各省がそれについてどのような
データ
を持っているか、今必ずしも全部把握しているわけではございませんけれども、そういったものについて
ニーズ
はあるんだろうと思っております。それを
民間
の企業がいろいろ
活用
する中で、新たな
サービス
、それから製品を作ることに
活用
されていくということは十分想定をされているものだと思います。
片山虎之助
135
○
片山虎之助
君 この前、参考人の方は、医療はみんな何となく分かるわ、それ、具体的にそう分かっているわけじゃない。観光でしょう。今、あなた高齢者と言われた。その高齢者の例えば何を、どういう
データ
を
民間
が
提案
して、それを
行政
側というか国や独法がどういう形で
提供
するという例をちょっと言ってよ。それが非常に例が適切ならみんなすぐ分かると思う。例えば。
上村進
136
○
政府参考人
(
上村進
君) 恐縮でございます。 少し考えながらの答弁になると思いますけれども、例えば高齢者の方の地域的な、何といいましょうか、居住の実態ですとか、それからまた勤労されている状態ですとか、それからいろいろな意味での介護とか支援を要する方の実態ですとか、そういうものが例えば地域的な
データ
と組み合わさることによって、例えばですけれども、新たな
サービス
展開をするときに、どういう地域にどういう
サービス
が必要であるとか、あるいはほかの
サービス
と組み合わせて今までなかったような
サービス
を
提供
できるのではないか、それから企業努力の中で研究を進める中でそういうような
活用
方法が生まれてくることはあるのではないかと思っております。
片山虎之助
137
○
片山虎之助
君 この前、
参考人質疑
でも私始め何人か
質問
したんですけど、諸外国にこういう
パーソナルデータ
を
利活用
する
仕組み
というのはどこがあるのか、どこがうまくいっているのか、いつ頃から始まったのか、分かる範囲でいいですから。
上村進
138
○
政府参考人
(
上村進
君) お答え申し上げます。 EUにつきましては先ほど又市
委員
にお答えをしたところでございまして、匿名
データ
が何であるかという
制度
的な定義とかいうのはございますが、これをどういうふうに
利用
していくかというルール化されたものはございません。 また、アメリカにつきましては、連邦取引
委員会
、FTC、これが、
民間部門
につきましてこういう
個人情報
データ
の取扱いを管轄しているところがございますが、ここにおきまして、いわゆる三要件、FTC三要件というものがございまして、これは今御
提案
している非識別
加工
にも少し近いところがございますが、
匿名化
のためのしっかりした合理的な
措置
をするというのが一つ、それから再識別をしないとしっかり約束すると、二つ目、それから、これは
制度
的に
提供
先で再識別を禁ずる、そういう契約をすると、大体この三要件を示しておりまして、これが守られていれば
個人情報
には該当しない。したがって、
個人情報
に係る規律なしで
提供
できると、こういう
仕組み
はございます。 ただ、今回私どもが御
提案
しているように、
分野
を問わずに
行政機関
の
情報
を外部に
提供
する、こういう法的な
仕組み
というのは欧米先進諸国を調べた限りにおいてはほかにないのではないかと思っております。
片山虎之助
139
○
片山虎之助
君 法律に基づく
制度
はないんですね、法律に基づく
制度
は。
上村進
140
○
政府参考人
(
上村進
君) 失礼いたしました。 二つございまして、法律に基づく
制度
ということと、それから、この
行政機関
に特に焦点を当ててこういう
制度
があるかということになると、それはないと。FTCの場合は
民間
について定めているということでございます。
片山虎之助
141
○
片山虎之助
君 ICTで圧倒的な先進国じゃないわね、
日本
は。それで、よその国がない
制度
をこうやってつくるところの、それがよく分からないのよ。大体、よその国にあるけど
日本
にないじゃないかという責められ方をよく
皆さん
もすると思うけど、よその国にないものをこうやってつくっていく、それを悪いとは言わないけれども、どうも、そこのところがもう一つ私の
理解
が乏しいのかもしれません。 そこで、厚労省から来られているんですが、医療
情報
というのは、一番需要が私もある、
ニーズ
があると思うんですけど、例えばカルテなんかのことを出すんですか。非識別
加工
するんですよ。そういう意味では
匿名化
するんですけれども、出すんですか。
安藤英作
142
○
政府参考人
(安藤英作君) 医療
情報
に関しましては、非常に機微性が高うございますので、適切な
保護
が求められる一方で、適切に
活用
することを通じまして医学研究や医療の高度化など
社会
全体の利益につながるものと考えてございます。 その中で、私どもとしましては、厚生労働省や
所管
法人等が保有しております医療
情報
につきまして、
民間事業者
の
提案
を受けまして、
改正
法の趣旨や要件に照らしまして適切に
対応
していきたいと考えてございますが、個別具体的に今どういった
情報
につきましてどう
対応
するかということにつきましてはまだ検討をしていないところでございます。
片山虎之助
143
○
片山虎之助
君 あのね、ちょっとゆっくり言うことと、それから、あなた、分かるように言わないと。対話というのはお互い分かる範囲で言うのよ、一方的に言うのは対話じゃないのよ。それは国会審議じゃありませんからね。分かるように言ってくださいよ。 カルテ等も
対象
にするんですね。もちろん、匿名で非識別化するんですよ。
安藤英作
144
○
政府参考人
(安藤英作君) 具体的な
情報
につきましてどう
対象
にしていくかということにつきましては、
改正
法案
の成立をいただきました後で、法の
施行
に向けまして、
情報公開
請求があった場合に開示されるもの等の法の要件に照らし合わせまして、
情報
を保有する
行政機関
の長におきまして適切に御判断をされるというふうに考えてございます。
片山虎之助
145
○
片山虎之助
君 いや、その
官民
を通じて
データ
を一体的に
活用
して
提供
するというのが、それはよく分かる。例えばカルテの扱いはまだ決まっていないとあなたは今言われたわね。病院だって、国立病院があるし、公立病院ね、地方団体の病院もあるし、
民間
の病院もあるし、済生会みたいなのもあるし。 しかし、そういうところの例えば医療
情報
なんというのがある種、量的にも質的にもレベルからいっても統一できるんですか。みんなそれぞれが
匿名化
して出すわけでしょう。私はどういう
利用
ができるのかなという気がしてしようがないんだけど。分かるように言ってよ、ゆっくり。
安藤英作
146
○
政府参考人
(安藤英作君) 大変申し訳ございません。 具体的にどういう
情報
を非
識別加工情報
として
提供
できるかにつきましては、
民間事業者
からの
提案
を受けまして、この法律の
改正
の趣旨や要件に照らし合わせまして、また当然費用が掛かってくるものでございますから、予算の状況等も勘案をして適切に
対応
していきたいということでございまして、現時点でどういう
対応
ができるかということにつきましてお答えをできる状況にございませんので、どうか御
理解
をいただきたいと存じます。
片山虎之助
147
○
片山虎之助
君 それでは、
総務
省に聞きますけれども、
総務
省の何とかの報告書で、最終報告書で、スモールスタートがいいと、スモールスタートがいい。
日本
にもあるような、小さく産んで大きく育てるなんというような、そういう意味だろうと私は思うんだけど。 今回のこの
仕組み
、スモールスタートがいいんだということはどういう意味なのか。それは、後で、ゴジラの卵みたいなものをやっておいて、ゴジラをつくるというのではないんだろうと思うんだけど、どういう意図があるんですか。
上村進
148
○
政府参考人
(
上村進
君) 御指摘のとおり、
総務
省の
パーソナルデータ
の研究会ではスモールスタートという
言葉
が使われております。 これは、もちろん今回の御
提案
の
法案
の
目的
でございます
匿名加工情報
を導入いたしまして
ビッグデータ
等を
活用
して新たな
産業
に結び付けるというこの必要性はある一方で、
国民
に不安を生じさせない形で導入していく必要があるということもこの中で、報告書の中で言われているところでございます。そうした文脈からいたしますと、一方的に
利活用
に偏るのではなくて、
国民
の
権利利益
の
保護
との適切な
調和
の下で進めていくと、こうした
考え方
をスモールスタートが適当であるというふうに表現されたものだというふうに
理解
をしております。
片山虎之助
149
○
片山虎之助
君 それは、
国民
というのは名前がいいけど、
経済
界じゃないの。
経済
界の要請やいろんなことに応じて、何というのか、
制度
を変えるというわけにはなかなかいかないかもしれないけれども、いろんなことを変えていくという狙いかもしれませんね。 厚労省、一つあなたに聞くのを忘れておった。この前の
参考人質疑
で、あれ、
山本
さんと言われたかな、出られた方が医療関係は個別法の方がいいんだと言ったんです。これ、全体の中に医療
情報
関係があるというより、医療
情報
は抜き出して、個別の方が適当だということを言われたんですが、それについてはどうですか。
安藤英作
150
○
政府参考人
(安藤英作君) 先般の参考人の
質疑
につきまして私どもも聞いてございました。
山本
先生の方からそのような意見があったということはもう十分承知してございますし、またほかにもそういうことをおっしゃられる有識者の方々やあるいは関係者の方々もいらっしゃるものと考えてございます。 いずれにいたしましても、附則の第四条等で検討するということになってございますので、私どもとしましては、政府の中で適切に
対応
していきたいと考えているところでございます。
片山虎之助
151
○
片山虎之助
君 このお金ですよね、実費を勘案して政令で定める額とかなんとかなっているでしょう。
提案
した人に
情報
提供
するんだから、お金をもらうわけですよね。厚労省に聞いているわけじゃないのよ、もっと適切な答弁するところがあるかもしれません。 実費を勘案する、勘案するというのはそのとおりでなくてもいいという意味なんですが、実費を勘案して政令で定める額はどういう額ですか。
上村進
152
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えをいたします。 要するに、一言で申し上げますと、非
識別加工情報
の
加工
はそれなりの人手も時間も掛かるものでございまして、そういう意味では
行政
資源を使って御
提供
申し上げるということでございますので、これは
国民
からいただきました財源を使うということでございますので、それについては回収をさせていただくと。そういう意味で、掛かった実費、大きなものは人件費だろうと思ってございますけれども、それをいただくということを述べているわけでございます。 具体的にはこれから政令等で定めることになりますけれども、例えば時間当たり人件費掛ける掛かった日時、そういうような方法というのは一つ考えられるのではないかと思っております。
片山虎之助
153
○
片山虎之助
君 だから、それは例えば準備をする経費、人件費、ソフトウエアの経費、そういうものを私は全部入れなきゃいかぬと思います。その期間は働かないんだから、
国民
のために。取りあえずはどこかの企業集団のための
データ
を出すために働くんですから。もうけるって、もうけろとは言いませんよ、しかし少しぐらいもうけてもいいと私は思うんですけど、そこはどういうあれになるのか。 そこで、外国の具合を聞きたかったんだけど、外国はどうなっているんですか。
上村進
154
○
政府参考人
(
上村進
君) 外国の場合は、先ほどの御答弁ともちょっと重なるんですが、
行政機関
から特に非
識別加工情報
のようなものを
提供
するという
制度
はないと承知しておりますので、そういう意味では、非識別
加工
に掛かる経費というのはないのではないかなと思っております。 それで、今御指摘いただきました、どの範囲までを取るかということでございますけれども、なかなか、例えば事前の
相談
まで入れるのか、それから契約のフォローアップまで入れるのかと、いろいろ
考え方
はあると思いますが、何分政令で定めるものでございますので、明確な
基準
でこれと定められるものが中核になってくるのかなと、今の段階ではそんな想定をしているところでございます。
片山虎之助
155
○
片山虎之助
君 恐らく今は何にも決まっていないと思いますけれども、やっぱり
国民
がある程度納得できる、余り安くしない方がいいかもしれませんね、そういう感じが盛んにあるので、よろしくお願いします。 そこで、今、
個人情報保護法
制二千個問題というのを御存じですか。
大臣
、御存じですか。
高市早苗
156
○
国務大臣
(
高市早苗
君) 地方公共団体では
個人情報
の
保護
というのは条例で定められております。法体系そのものが、
民間部門
は
個人情報保護法
ですし、国の公的部門などは
行政機関個人情報保護法
、また独立
行政
法人等
個人情報保護法
なんですが、国の方で
個人情報保護法
の検討が始まった時点ではもう既にそれぞれの地方で
個人情報
の
保護
に関する条例がたくさん制定されていたと承知しています。そして、もう現在では一〇〇%という状況でございますから、やはりそれぞれの地域によってたくさんの
基準
があるという形、こういう問題であると承知しております。
片山虎之助
157
○
片山虎之助
君
個人
保護
法制というのは、国の法律が三つも四つもある、それから地方は今千七百弱ぐらいの地方自治体がありますよね、それが条例を仮に全部作ったとすると、やっぱり二千弱ぐらいの主体ができるんですよ。規制の内容も
監督
の在り方も
所管
省もみんなばらばらなんですよ。それが二千個問題なんですね。
個人
保護
、あるいはそういう
質問
があったかもしれませんけれども。それを二年以内にできるだけ統一的にするということを附則か何かで書いているんですよ。私は、それはとってもできないと思うんですけれども、できますか。
上村進
158
○
政府参考人
(
上村進
君) 御指摘いただきました附則でございますけれども、これはもうまさに
委員
が御指摘のとおり、いろいろな主体に分かれて持っております
個人情報
で、そのうち、
特定
の一体的に
利用
することが公共の利益の増進とかに資する、そういう
情報
について
措置
を講ずるということを定めるものでございます。
委員
も重々御承知のこととございますが、この法制からいきますと、今の立て付けでいきますと、保有主体それぞれの間でそれぞれ所定の手続を行う必要がございますので、非常に煩雑な手続となってしまって、特にこういう一体的な
利用
が必要である
分野
ではなかなか進まないではないかと、こういう御懸念からこういう附則を設けることとしたものでございます。 具体的には、もう繰り返しになりますけれども、二年以内に必要な法令の
整備
まで含めて
措置
をすべく、現在、内閣官房が中心に、関係省庁連携して検討が進んでいくものと承知をしております。
片山虎之助
159
○
片山虎之助
君 だから、この前の
参考人質疑
でも、ある
委員
が、
個人情報保護委員会
をこの二千個問題のコミッショナーにしたらどうかと、こういうことを言われたんだけど、
制度
的になかなかこれは難しいわね。 そこで、地方団体をどうするかなんですよ。これはやっぱり
総務
省が
所管
というか責任を持つということになるんでしょうか、
大臣
。
高市早苗
160
○
国務大臣
(
高市早苗
君) 地方公共団体が保有している
個人情報
につきましては、非
識別加工情報
の
仕組み
を仮に導入するということでしたら、それぞれの条例でその旨を規定していただく必要がございます。 ですから、
総務
省の
対応
としてどうするかということですけれども、これはもう
関係機関
が密接に連携しながら、地方公共団体に対して今回の
法案
、そして
改正個人情報保護法
の趣旨を丁寧に
情報
提供
していくということになります。
片山虎之助
161
○
片山虎之助
君 ちょっと資料があったら教えてもらいたいんですけど、今千七百弱ぐらいの都道府県と市町村で
個人情報保護
条例を持っているところはどのくらいあるのか。
原田淳志
162
○
政府参考人
(原田淳志君) お答えいたします。 地方公共団体全てが、今、
個人情報保護
条例を持っております。
片山虎之助
163
○
片山虎之助
君 それはあなた方が主導したのかもしれないけど、大したものだわね。 しかし、それがちゃんと
対応
できるのは、あなたの感じでいうとどのくらい。ざっとでいいよ。大きいところは私はできると思うんですよ、大きいところは。都道府県は辛うじてみんなできると思いますけど、政令市も含めて。ただ、できないところはあるわね、条例だけ作って。どう思いますか。答えにくいかな。
原田淳志
164
○
政府参考人
(原田淳志君)
個人
的な感想ということでございますけれども、やはり都道府県なり政令指定都市というのはいろんな意味での
体制
も整っておることは事実でございます。一方で、人口規模が小さい団体になりますと相対的にいろんな意味での難しさが出てくると思います。我々もまた、もちろんそういうことも含めて、これから地方公共団体の方に丁寧に
情報
提供
をしてまいりたいと思っております。
片山虎之助
165
○
片山虎之助
君 その場合に、参考人のどなたかが言われたように、国の
個人情報保護委員会
を絡ませてそこで
基準
を作ったり判定をしたり監査をしたり指導したり、そういうことが可能ですか。あるいは、それは
総務
省がやるのかな。
原田淳志
166
○
政府参考人
(原田淳志君) お答えいたします。
個人情報保護委員会
の権能が法律で決まっておりますので、一応、法律上、地方公共団体に様々な支援を行うというような規定はございますので、事務を引き受けるというよりは、逆にこちらの方から御要請に応じていろんな意味での支援をしていくというような立て付けであろうと思っております。
片山虎之助
167
○
片山虎之助
君
個人情報保護委員会
の方はどなたか来られていますか。
個人情報保護委員会
は、大変重要なこの問題については
委員会
になると思うんですが、それを担当される御決意というかお覚悟というのか、それをひとつ言っていただきたいなと。一番地方団体が遅れているんですよ、特に小さな市町村が。こういうことについて、
委員会
としては何かお考えがありますか、絡みについて。
其田真理
168
○
政府参考人
(
其田真理
君)
個人情報保護委員会
が今担っております
マイナンバー
に関する
監視
、
監督
、それから
改正個人情報保護法
の
施行
のためのルールの
策定
でありますとか
個人情報保護
関係の仕事は、これはしっかり
体制
も
整備
しつつ担っていきたいと思いますが、地方公共団体に対して
個人情報保護
に関して私どもが何か権能があるかというと、直接的な権能はございませんので、ただ、いろいろな意味で、
情報
共有をさせていただいたりとか
情報
発信するということはお役に立てる部分でしっかり取り組んでいきたいと思います。
片山虎之助
169
○
片山虎之助
君 それは、私の意見というか
皆さん
の意見というよりは、参考人の方がそういう意見を言われておったから参考までに申し上げたので。
皆さん
のところは元々は
マイナンバー
の関係の
委員会
だったんでしょう。そういう意味では、ちゃんと
仕組み
や何かもきちっと変わったわけですね。
マイナンバー
だけではないわね。
其田真理
170
○
政府参考人
(
其田真理
君)
マイナンバー
の
監視
、
監督
に加えまして、先ほど少し申し上げました
改正個人情報保護法
の
全面施行
のための政令、
規則
の制定、また、
全面施行
後は
事業者
の
監督
を一元的に行うことになりますので、今御指摘いただきましたように、
事務局
の
体制
の
整備
は大変重要な
課題
であるというふうに
認識
をしております。
片山虎之助
171
○
片山虎之助
君 それで、やっぱりここで、この一連の中で、
情報
漏えいをどうやって防ぐかというのは大きな問題で、
情報
セキュリティーについて御所見を賜りたいんです。その関係の方、どうぞ。
谷脇康彦
172
○
政府参考人
(谷脇康彦君) お答え申し上げます。 政府機関等のサイバーセキュリティー対策につきましては、昨年の九月に閣議決定をしましたサイバーセキュリティ戦略に基づきまして、年金
情報
漏えい事案ございましたけれども、こうしたものの教訓なども踏まえながら、抜本的な
強化
策、対策を今図っているところでございます。 具体的には、私ども内閣サイバーセキュリティセンター、NISCの中にございます政府機関に対するサイバー攻撃の
監視
等を行うチームがございます。このチームが運用いたしますシステムのサイバー攻撃に係る検知ですとか解析機能あるいは運用
体制
の
強化
、こういったことを行っております。また、私どもが行っております政府機関に対する
監視
あるいは監査といったような
業務
につきまして、その
対象範囲
を独立
行政
法人、あるいは政府機関と一体となって公的
業務
を行う特殊法人などにも範囲を拡大する予定でございます。加えて、大量の
個人情報
等の重要
情報
を取り扱う
情報
システムについては、これを
インターネット
から分離をするといったような策を含む攻撃リスク低減のための対策
強化
を行っているところでございます。 政府といたしましては、このサイバーセキュリティ戦略に基づきまして、対策の
強化
に引き続き努めてまいりたいと考えております。
片山虎之助
173
○
片山虎之助
君 それに関して、ちょっと頭の体操みたいなことを言いますけれども、ある
情報
についていろんな
提案
が集中して、別々に別の
加工
をやってその
情報
を出す、それで、その受け取る方が、別々の
加工
をされて出たものを集めて突合して
情報
が分かってしまうと、そういうケースがあり得るというんですよね。そういうケース、考えられますか。
上村進
174
○
政府参考人
(
上村進
君) 匿名
加工
をされた
情報
あるいは非識別
加工
がされた
情報
でありましても、元となった
個人情報
との照合は当然ですが、
加工
の程度とかそういうものによりましては、
委員
がおっしゃいますように、複数の
データ
を突き合わせることによって識別可能性が出てくるということはあり得るだろうと思っております。
片山虎之助
175
○
片山虎之助
君 それで、可能性であり得るのなら、そうなった場合は止められる
仕組み
が必要だと思うんですよ。ストップできると。それはどうですか。
上村進
176
○
政府参考人
(
上村進
君) その点につきましては、これはるる御答弁申し上げているところでございますが、まず法律上は、これは禁止、識別禁止
措置
でございます。その上で、この禁止
措置
の
義務違反
がありました場合は、これは一義的には、
個人情報保護委員会
がそういう実態を把握したならば、その
委員会
が、当該違反行為を中止、その他是正のための必要な
措置
、まずは勧告、その後
命令
ということになると思いますが、この
命令
違反につきましては罰則も担保もあると承知をしております。 また、
行政機関
の場合は、これを契約で
提供
するということをどこかの御答弁で申し上げたと思いますが、この契約の中で当然そうした義務を課すわけでございまして、そういう
義務違反
があれば、当然その段階で契約解除、それ以降の
利用
は停止、
提供
した
情報
は廃棄と、こういう
措置
がとられるということになると思っております。
片山虎之助
177
○
片山虎之助
君 まあ大変未知の、あるいは難しい問題にこれから乗り出していくので、トライ・アンド・エラーにならざるを得ないですけど、大変プラスの効用もたくさんあるし、そうでない感じもあるし、まあ十分これから検討していきます。 終わります。
吉良よし子
178
○
吉良よし子
君
日本
共産党の
吉良よし子
です。 では、早速ですが、今回の
法案
により非
識別加工情報
の
対象
となる
個人情報
は全
行政機関等
にどのくらいあるのか、また、この全てが非
識別加工情報
として
民間事業者
等に
利活用
されるというふうに考えていいのかという点、参考人、お願いいたします。
上村進
179
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 まず、この
個人情報
の数でございますけれども、我々
ファイル
単位でこれを数えておりまして、この御
提案
を申し上げている
法案
の要件でございますが、第二条九項に三つ要件がございます。 まず、
個人情報ファイル簿
が公表されているという必要がございます。この公表されている
個人情報ファイル簿
といいますのは合計で七万九千件ございます。内訳は、国の
行政機関
が六万五千、独立
行政
法人等が一万五千、約八万でございます。これは
平成
二十七年三月現在でございます。この公表されている
個人情報ファイル簿
のうち、さらに、先ほどの二条九項でもう二つ条件がございまして、
情報公開
請求があれば部分開示をされるもの、それからもう一つは
行政
運営に支障を生じないもの、この要件がございます。これを満たすかどうかといいますことは、この
法案
の成立がいただけますれば、
施行
までの間にそれぞれ
所管
する
行政機関
及び独立
行政
法人が検討することになります。 したがいまして、現段階で
提案
対象
の
ファイル
の数は申し上げるのは困難ではございますが、御指摘のとおり、全てが
提案
の
対象
となるということではございません。
吉良よし子
180
○
吉良よし子
君 約八万件もの
情報
が今回の
対象
となると。ただ、その一方、具体的に
利活用
される
情報
はどうなるかは、これから請求があるかどうかというところも含めて決まっていくという話であり、現時点では分からないという
お話
だったかと思うわけです。 一方、今回の
法案
というのは、先ほど来ありますとおり、
産業
界からの
要望
などを受けて立案したとされているわけですが、では、
民間事業者
等から、
行政機関等
が保有する
個人情報
、どの
個人情報
を
利活用
したいと
ニーズ
が上がっているのか、これから掘り起こすというような
お話
も先ほど来あったわけですけど、現時点で上がっている
ニーズ
はどのようなものがあるのか、具体的にお答えください。
上村進
181
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 ただいまの答弁とも関係するわけでございますけれども、まず、各
行政機関
がどの
個人情報
ファイル
を
提案
の
対象
とするか、募集の
対象
とするかというのは分からないわけでございますので、現時点で
民間企業
の方が、ではこれをというふうに申し上げていただくというのは非常に難しいんだろうと思っております。 それで、るる御答弁申し上げていることの繰り返しになって恐縮でございますが、他方で、一般的な
期待
というのは非常に高いものがございます。つい最近の四月十九日の
経済団体
連合会からの提言でもそういう御
期待
をいただいていると。それから、もうここで繰り返しませんが、
参考人質疑
で、具体的な
ファイル
の名前も挙げて、こういう
提案
はあり得るのではないかというふうな御意見も承ったものでございますので、そうした
提案
がこれから生まれてくるものというふうに考えております。
吉良よし子
182
○
吉良よし子
君 先週の
参考人質疑
の中では、確かに医療
分野
における
個人情報
については医学研究や医療の現場にとって
利活用
が必要な
分野
であるということも言われ、その一方で、やはりセンシティブな内容が含まれているから慎重な取扱いもすべきだし個別法も必要なのではという議論もあったということは私も
認識
しております。 では、その医療
情報
以外の
ニーズ
は現時点であるのかといえば、先ほど
期待
は高いという声はあったけれども、具体的には今まだ出ていないという状況だと思うわけです。一体どんな
個人情報
が
利活用
され、新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するというのか、これが本当に具体的にイメージしづらい、疑問な状態にあると思うわけです。
大臣
に改めて
伺い
ますが、今回の
法案
で言う新たな
産業
の
創出
というのはどういうものだとお考えなんでしょうか。
高市早苗
183
○
国務大臣
(
高市早苗
君) まさに、新たな
産業
の
創出
でございますから、行管
局長
や私が発案できるようなレベルのものであったらそれは新たな
産業
とは言えないんではないかと思います。 この
データ
、ICTの
活用
ということで、新しい付加価値を創造するとともに、
産業
構造や
社会
生活
に従来にはなかったようなイノベーションをもたらして
社会
的な
課題
の解決にもつながっていく、そういう姿を
期待
しています。新たな
産業
の
創出
ですから、これまでにはなかったような新しい
産業
が生み出されるということで、この
法律案
によりまして非
識別加工情報
の
利活用
の
仕組み
を、当然、
安全性
、安心、安全ということは大前提ですけれども、
利活用
の
仕組み
を
整備
するということで
民間
の方々の
創意工夫
が最大限に生かされて、まさに私が今具体的にこういう
サービス
が、こういう
産業
がと言えないようなレベルの新しいものが生み出されてくる、これを
期待
いたしております。
吉良よし子
184
○
吉良よし子
君 要するに、今現時点では思い描けないような新たな従来になかったものをつくっていく。
衆議院
の方でも思いもよらなかったイノベーションが起きてくることを
期待
しているという御答弁もあったかと思いますが、もちろんそうした思いもよらなかったイノベーションが起きて
日本
経済
や
国民生活
にいい効果を生んでくれることというのは確かにあると思うわけです。ただ、今ある具体的な
ニーズ
に基づいて議論されるのではなくて、将来もしかしたら起こるかもしれないからという
期待
だけで、
行政機関
が保有している大量の
個人情報
について、言わば、先ほども
創意工夫
をしてもらうんだ、
民間事業者
にという話ありましたけれども、
民間事業者
に
利活用
を求めていくような枠組みづくりを今急ぐ必要が本当にあるのかというところが疑問なんですが、
利活用
を優先するような枠組みづくり、今必要だと思われるのでしょうか。
大臣
、いかがでしょう。
高市早苗
185
○
国務大臣
(
高市早苗
君)
利活用
をすることによって全くこれまで想像も付かなかったような新たな
サービス
が展開され、またそれが公益にも資するような姿をつくっていける、こういうことが可能な環境を今
整備
しておくことが必要だという
認識
でございます。それを阻害してしまう要因が残っていてはいけないのであって、もちろん
国民
の皆様の安心、
個人
、自分の大切な
パーソナルデータ
ですから、それに対する安心というものを
確保
するために
匿名化
をするわけでございます。そういった安心を
確保
できるということが大前提で、しかしながらそこから新たなイノベーションが生まれ、そしてまた
社会
的な
課題
が解決される、そのための環境を
整備
するというスタンスでございます。
吉良よし子
186
○
吉良よし子
君 環境
整備
ということですけれども、やはり
行政機関等
が
収集
して保有する
個人情報
というのは、先ほど来ありますように、大量に組織的に
情報
提供
者の選択の余地なく集められるような類いのものだと思うわけです。だからこそ、その扱いというのは慎重過ぎるほど慎重でなければならないと考えます。だからこそ、将来起きるかもしれない新
産業
の
創出
のためにと自ら率先して
利活用
に走るということはやめるべきなのではないかと。やっぱり、求められているのは、厳格な
個人情報保護
の下での
社会
的な要請に応えた
利活用
だというわけです。 やはり、その厳格な
個人情報保護
、先ほども安心の
確保
はするということをおっしゃっていたわけですけれども、ここで、
第三者機関
、
個人情報保護委員会
のことについて
伺い
たいと思うわけです。 先ほど来もありますとおり、
参考人質疑
でも、
個人情報保護委員会
、
第三者機関
の権限について様々議論されているわけですけれども、それについて不十分という意見も出されました。 本
法案
において
個人情報保護委員会
の管理下に入るのは
行政機関等
が
作成
、
提供
する非
識別加工情報
だけとなっておりますが、それはなぜなのか、お答えください。
上村進
187
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 今回の法
改正
でございますけれども、御
提案
している内容が、非
識別加工情報
を
民間
に御
提供
を申し上げる、これで
パーソナルデータ
の
利活用
を進める枠組みをつくっていくということでございますので、この部分に関しましてどういう
監督
体制
が最も適切なのかということを考えたわけでございます。 その検討におきまして、この運用というのは、いろいろな面で
官民
通じて
利用
される、あるいは有機的に結び付くという面がございますので、これは官と民、別々ではなくて同じ機関が行うことが合理的であろうという結論に至りましたので、今回の御
提案
を申し上げている
改正案
のうち、この非
識別加工情報
の取扱いに係る
監視
、
監督
は
個人情報保護委員会
が一元的に
監視
、
監督
を行うというのが適当であろうと考えて御
提案
に至っているものでございます。 他方で、その他の部分につきましては、現行法の取扱いの
基本
的な構造、これを変更するということにはなっていないものでございますから、そういう意味では現行の
監督
体制
をこれを維持する、変更することはしていないと、こういうことでございます。
吉良よし子
188
○
吉良よし子
君 ただ、昨年の
個人情報保護法改正
において、その
民間部門
が扱う
個人情報
については
個人情報保護委員会
が一元的に
監督
することとされた一方で、今回、この
行政機関等
が
収集
し保有している
個人情報
についてはそれぞれの省庁あるいは独立
行政
法人等が
監督
していて、それがまた非
識別加工情報
となれば今回
個人情報保護委員会
の
監督
下に置かれるというふうなことになっていくわけで、そういうのはいびつな権限配分ではないかというふうな指摘もあるわけですよ。 さらに、
参考人質疑
で清水参考人は、
個人情報保護委員会
が
個人情報
全般について
監督
できない
理由
はないんだとして、
情報
を、どこからを識別でき、どこからは識別できないかという判断は微妙な問題もあるし、また、それぞれの
行政機関等
が自分の
所管
ではないという
考え方
をしてもらっても困るということから、やはり全般的に
第三者機関
で
監督
をすべきではないかという指摘があったわけです。 やはり非識別
情報
のみならず、
行政機関
の扱う
個人情報
全般を
個人情報保護委員会
の
監督
下に置くべきではないかと私考えるのですが、
大臣
、いかがでしょうか。
高市早苗
189
○
国務大臣
(
高市早苗
君) 現行の法制では、
行政機関
が保有する
個人情報
につきましては、権力的、義務的に
収集
されるものが多いということなど、
民間事業者
が保有する
個人情報
とは性質が異なるということなどから
民間部門
とは別の法制となっていて、
行政
制度
一般に関する
基本
的事項を
所管
する
総務大臣
が政府全体としての法運用の統一性、法適合性
確保
の観点から
監督
を行っています。 なお、
個人情報保護法
等
改正
法附則第十二条第六項におきまして「
個人情報
の
保護
に関する法制の在り方について検討する」という旨の規定がございますので、これは
個人情報
の取扱いに関する
監督
体制
にも関わり得るものであります。ですから、同項に基づきまして、今後、
改正
法の
施行
状況などを踏まえて検討をしてまいりたいと思っております。
吉良よし子
190
○
吉良よし子
君
民間
とは性質が異なるとはいえ、元々は
行政機関
が保有していた
個人情報
を非識別
加工
したというところで
個人情報保護委員会
にということなわけですから、そういう意味では、もうそういう
情報
を
加工
するかどうかじゃなくて、やはりそれをどこまで
加工
したらいいのかとか、そういうことも含めて
第三者機関
の中できちんと適切に検討できるように、やはり全般的に
対象
にすべきだと私は思いますし、
大臣
、検討するということであれば、是非きちっとそこのところも含めて、権限の拡大、検討していただきたいと思うわけですよ。 やはり
第三者機関
が重要という意味合いでは、清水参考人だけではなく、ほかのお二人の参考人からも、政府からの独立、
専門性
の向上、
体制
の
強化
が必要との意見も出されておりました。そうした意味で、こうした
個人情報保護委員会
の権限そして
体制
の
強化
というのは、私、欠かせないと思うんです。 これは先ほど来も確認されていることでありますが、
個人情報保護委員会
にもう一度確認をいたします。 不十分とはいえ、非
識別加工情報
が
個人情報保護委員会
の
監督
下に置かれることで新たな
業務
の追加となる。その中で
体制
が
強化
されるのかという点と、また、今後もさらにそうした
体制
の
強化
や権限の拡大等々、やはり第三者
委員会
の扱うものというのは大きくなっていくべきと考えるわけですが、その点、いかがでしょうか。
其田真理
191
○
政府参考人
(
其田真理
君) お答え申し上げます。
個人情報保護委員会
は、
マイナンバー
に関する
監視
、
監督
を行うとともに、
改正個人情報保護法
の
全面施行
のための政令等の
作成
、また
全面施行
後は
事業者
の
監督
を一元的に行うことになりますことから、
委員
から御指摘いただきましたように、
事務局
の
体制整備
は極めて重要な
課題
と
認識
をしております。
現状
までの
事務局
の
体制
について申し上げますと、
平成
二十六年度末定員が三十二名でございましたが、二十七年度末は五十二名、今年度は七十八名と拡充してきておりまして、現在は、
IT
の
専門家
、弁護士、
相談員
など外部から採用した非常勤
職員等
を含めますと約九十名の
体制
になっております。七月以降は約百名の
体制
を予定しております。 また、今後の
体制
につきましても、引き続き、
関係機関
と御
相談
しながら、
委員会
として必要な
体制
の
整備
に努めてまいりたいと思います。 また、権限の
強化
につきましては、
委員会
といたしましては、与えられた権限を中立的かつ公正に執行する独立した機関として、法律で与えられた任務を達成できるよう全力で取り組んでまいりたいと思います。
吉良よし子
192
○
吉良よし子
君
体制
の
強化
重要だという
お話
もあって、その方向でということですので、是非権限も含めて拡大していっていただきたいと思うわけですし、改めて、
大臣
もおっしゃったように、
総務
省の検討会の中間的整理においても、将来的には
第三者機関
への一元化はあるとの意見があることや、国際的整合性の問題などを踏まえて更なる改善点があれば見直しが行われる可能性があり得るとされているわけですから、先ほど来申し上げていますとおり、非識別
情報
のみならず、
行政機関
の扱う
個人情報
全般を
個人情報保護委員会
の
監督
下に置くことを是非検討していただきたいということを重ねて申し上げた上で、もう幾つか続けて
伺い
たいんですが、やはり今回の
改正
で不十分な点というのはまだまだあると思うわけです。 まず、
個人情報保護法
においては、
匿名加工情報
の
提供
を受けた
匿名加工情報
取扱
事業者
の義務について定めています。第三十九条の安全管理
措置
等においては、
匿名加工情報
の安全管理のために必要かつ適切な
措置
、取扱いに関する苦情の処理その他適正な取扱いを
確保
するための必要な
措置
について自ら講じ、かつ内容の公表をするよう努めなければならないとしており、今回の
改正
ではそれがそのまま非
識別加工情報
の
提供
を受けた
民間事業者
に適用されることとなっております。 ただ、これが努めなければならないという努力義務規定であるという点について、
総務
省の検討会では今後の検討
課題
とされているわけですが、
行政機関等
が保有する
個人情報
の特質性に照らしてみれば、やはり努力義務規定のままでよいのか、それは問題なのではないかと思われるのですが、
総務
省、いかがでしょうか。
上村進
193
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 まず、前提といたしまして、これまでの御答弁の繰り返しにはなりますけれども、
民間事業者
の方に
提供
申し上げるこういう
情報
といいますのは、一つは、繰り返しになりますが、まず
対象
となる
個人情報ファイル簿
が公表されているもの、そういう意味では、国の安全ですとか公共の治安ですとか、そういったものは
対象
にならないと。それから、加えまして、
情報公開
請求があったならば開示がされるものである、逆に言うと全部開示にならないような、不開示になってしまうようなものは
提供
されないと。そうしたことをスクリーニングしていく中で、
国民
の
権利利益
の侵害に当たるような
情報
というのは
基本
的にはその中で絞り込まれていきまして、
基本
的には出ていかないというふうな
仕組み
になっております。 その上で、これもるる述べておるところでございますけれども、いろいろな欠格要件、それから
提案
目的
、それから
事業者
の側の安全管理
措置
、これを審査させていただくということになってございます。この点につきましては
民間
の方を規律します
個人情報保護法
にはない点でございまして、こちらの方で、こちらの方といいますのは、
個人情報保護法
で努力義務となっている安全管理
措置
、それにつきましては、私どもの方の
提案
の審査、それから契約締結の過程でそこはどうなっているかというのを見させていただくということは可能な
仕組み
になってございます。その上で、契約条項でございますので、契約違反の不適切な使われ方をしているふうなことがあれば、これも先ほど御答弁いたしましたけれども、直ちに契約解除ですとか、そういうふうに、すぐ契約解除になるかどうかはあれでございますけれども、いろいろな適切な
措置
を講じまして
利用
停止をするというふうなことも可能なところでございます。 このように、まず
情報
自体の性格、それからいろいろな規律、
制度
的な担保
措置
、幾重にも定めることによりまして適正な取扱いのための万全な
措置
を講じているということでございます。
吉良よし子
194
○
吉良よし子
君 努力義務であっても様々な段階で様々な審査もされるから大丈夫だと、なおかつ非識別
加工
なんだから大丈夫だと、そういう
お話
ですけど、ただし、先ほどもあったように、
識別行為
の禁止というのが本
法案
に書かれていること自体、再識別化のリスクがあるということを
認識
されていることだと思うわけです。 それに、やはり悪質な
民間事業者
というものが必ずいるわけでして、それが最初から悪意を持って、
識別行為
を行いますとか、安全管理
措置
なんかしませんなんということを最初から言うわけがないわけでして、様々な審査も擦り抜けて
提供
を受けたところで
識別行為
を行って
個人情報
の流出が行われてしまう、そういう危険性もないとは言い切れないわけですよね。だから、そういう段階で手を打っていてはやはり遅いわけで、努力義務規定で
民間事業者
任せにしておくということは私はやっぱり問題だと思うわけです。 先ほどその欠格事由のことが
お話
しされましたが、今回のこの
改正案
の四十四条の六において非
識別加工情報
の
提案
を行う
事業者
についての欠格事由というのが定められているわけですが、これまでにその欠格事由に該当した
事業者
というのはいるのでしょうか。
上村進
195
○
政府参考人
(
上村進
君) 今回御
提案
をしております
法案
の御指摘の四十四条の六というのは、この
法案
に関して新たに導入するということでございますので、そういう意味ではこれに該当する
民間事業者
というのはまだいないということであります。
吉良よし子
196
○
吉良よし子
君 これからだから、まだいないということでしたけれども、ということは、つまり、過去に
個人情報
の流出や漏えいに関わった、若しくは関わったとされる報道があったような
事業者
であったとしても、本
法案
がスタートする時点では
利活用
の
提案
というものができてしまう、それを妨げることはできないということなわけであり、これでは欠格事由があるから不適切な
事業者
は
提案者
として排除できるという
説明
は成り立たないのではないかと思うわけです。 この間、いわゆる名簿屋と言われるような
事業者
による
個人情報
の売り買いによる
個人情報
流出などが
社会
問題となっている中で、今までであったら統計
情報
とか学術研究のためといった具体的な
国民
のために還元するという
ニーズ
に限定して
利活用
させてきた
行政機関等
の
個人情報
が、
民間
も含め更に広く
利活用
させようというのが今回の
法案
なわけであり、まず、これで悪用が防げるのかという点は本当に疑問なわけです。 もう一点
伺い
ますけれども、本
法律案
では、非
識別加工情報
を
提供
された
民間事業者
が再
識別行為
を行うなどしてその
情報
の漏えい、流出など重大な契約違反事例が起きるなどとした場合には、先ほどもあったように、契約解除ができるとしているわけですけれども、その契約解除以外に
行政機関等
がそうした漏えいを防ぐためにどのような権限を行使できるのか、口頭注意とかそういったものがあると思うんですが、その点はいかがでしょうか。
上村進
197
○
政府参考人
(
上村進
君) これは、
基本
的には
民間事業者
の
監督
は
個人情報保護法
における
個人情報保護委員会
でございますので、例えばそれを察知した
行政機関
が
個人情報保護委員会
に通知をし、適切な
監督
権限の発動を求めると、こういうことはできると思います、これは間接的にはなりますが。それから、一般論でございますが、当然、民法上の損害賠償請求というのも可能でございます。 さらに、実際の
民間事業者
と
行政機関
の関係は契約関係でございますので、これは契約の中身によってくるわけでございますが、当然、
提供
した
情報
の適正な取扱いに関し必要な条件を付すということは考えられるわけでございまして、その条件の遵守状況をフォローするいろいろな
措置
というのは当然考えられると思っております。
委員
が今おっしゃったようなやり方も一つはあるとは思います。 いずれにいたしましても、その辺のことも含めまして、御成立をいただけましたならば
施行
までの間に十分その辺も含め検討してまいりたいと思っております。
吉良よし子
198
○
吉良よし子
君 結論としては、口頭注意とか文書による注意とか様々
行政
が行えることはあるはずなんだけれども、現時点ではそうした権限ということは付されていない、これから検討することだと、あとはもう契約時点でのやり取りだという
お話
なわけですけれども、やはりそれでいいのかということなんですね。 例えば医療
分野
のように
利活用
の必要な
個人情報
を悪用を防ぎながら適切に
利活用
するためには、その悪用リスクを未然に防ぐ何重もの構えが必要なわけですよ。何か起きたら契約解除するしかないという立て付けであれば、その
利活用
を優先する余り、何か不正を見過ごすとか黙っておいてしまうとか、そういう不正を暴くことをちゅうちょしてしまう可能性だってあり得ると思うわけですね。 やはりそういう意味合いでは、契約解除に至る前に様々な権限が行使できるようにしておかなければ、本当の意味での
保護
ということはできないと思うわけです。何か、
保護
と
利用
のバランスとか
調和
とかおっしゃりながら、現時点ではそうした契約解除以外の
制度
の詳細というのが詰めて議論されていない、これからだというところでやはり今回の
制度改正
の不十分さというのが現れているのではないかと私思うわけであります。 そして、最後にもう一点
伺い
たいのですが、やはり
参考人質疑
、今日の
質疑
でも言われておりましたとおり、
行政機関
の
個人情報
という意味合いでは市町村にその
個人情報
が一番多く集まっているとの指摘がなされております。例に出されている医療
分野
の
個人情報
に限ってみても、介護や保健など
情報
の多くが市町村に集まっているというのはもう明らかだと思うわけですが、その市町村が保有する
個人情報
の
保護
の在り方について参考人からは、附則第四条一項において公布後二年以内に
措置
を講じるようにというふうなことが書いてあるけれども、それはトップダウン方式になっているんじゃないか、そうじゃなくてボトムアップ的に考えていくべきではないかという指摘がありましたが、
総務
省、この点いかがお考えでしょうか。
上村進
199
○
政府参考人
(
上村進
君) 今御指摘の附則四条の
お話
でございますけれども、先ほどの繰り返しになりますけれども、この法律の、
個人情報保護法
自体もそうだと思いますし、
行政機関個人情報保護法
もそうでございますが、個別の保有主体と相対でそれぞれ手続をしなくてはいけないと、その煩雑さが
利用
の妨げになるというようなことがあっては
特定
の
分野
についてはいけないわけでございまして、このために設けていくというような趣旨であると
理解
しております。 繰り返しになりますけれども、地方公共団体につきましては、これは条例等でしっかりと定められているものでございまして、まず、私どもは、今回の
改正案
、これを御成立をいただけましたら、この趣旨を丁寧に
情報
提供
していくということから始まるわけでございますけれども、今のボトムアップということにつきましても、本
法案
の附則四条、これから内閣官房を中心に検討されていくわけでございますけれども、地方公共団体というものもその一体的な
利用
の主体の一つになってございます。その検討の過程においては地方公共団体の意見も適切に踏まえていく必要があると思いますし、そのようなことになるものであろうと考えております。
吉良よし子
200
○
吉良よし子
君 地方公共団体等の意見も踏まえながらと言いつつも、やはり条例で決めてほしいんだというふうなことが附則第四条の中で書かれているわけであると。もう国で決まった法律だからそれぞれの市町村でもやってくださいということでは、やはりトップダウン方式と言われても仕方がないと思うわけです。 センシティブな
個人情報
も含めその多くを住民から
収集
し、管理し、保有しているのが市町村だからこそ、そうした
参考人質疑
の際には、医療や介護など市町村が保有している
個人情報
を
利活用
しながら地域で暮らし続けられる
体制
をつくっていこうということの大切さも議論されたということは私も
認識
しているわけです。そういう議論がなされたというのは、具体的な医療
情報
に特化して、一人一人の住民の福祉の増進につなげていくためにどう
利活用
するのか、じゃ、必要な
保護
の在り方は何かという問題提起があってこその議論だったと思うわけですよ。 しかし、今日の
質疑
を振り返ってみると、やっぱり具体的な
ニーズ
があるわけでもない、その中で取りあえず法
制度
だというふうな、それを市町村にもということになっていくと、やはりそれは在り方が逆なのではないかなと思うわけです。とりわけ、先ほど来あるとおり、人的にも財政的にも非
識別加工情報
の
作成
、
提供
、手が回らないところもあるという中で、市町村の保有する
個人情報
、適切に
保護
されると、
大臣
、お考えでしょうか。
山本博司
201
○
委員長
(
山本博司
君) 時間が来ております。
高市早苗
202
○
国務大臣
(
高市早苗
君) 適切に
保護
をしていただくように必要な
情報
の
提供
、また助言も行ってまいります。
吉良よし子
203
○
吉良よし子
君
保護
と助言、提言と言われましたけれども、やはり
ニーズ
のない下で
利活用
優先の
制度
づくりというものはやめるべきだし、それをトップダウン的に市町村に押し付けていくというようなやり方もおかしいのではないか。 そういうことを申し上げまして、私の
質疑
を終わります。
主濱了
204
○主濱了君
生活
の主濱了であります。 早速
質問
に入りたいと思います。 まず、
目的
規定の
改正
から
伺い
たいと思います。 本
法律案
では、まず、
行政機関個人情報保護法
と独立
行政機関等
個人情報保護法
の
目的
規定を
改正
しようとしていると、こういうことでございます。昨年
改正
されました
個人情報保護法
の
目的
規定には、昨年の
改正
の前から
個人情報
の
有用性
に配慮することが記載をされておりました。しかし、現行の
行政機関個人情報保護法
の
目的
規定には、この
個人情報
の
有用性
に配慮する、こういう文言は全く含まれていないわけであります。仮に今回の
改正
が行われたとすれば、
個人情報
の
保護
という法律の
目的
から、
加工
されるとはいえ
個人情報
の
提供
に関することをも定められることになり、法律の
目的
を根本から変えることになるというふうに考えるわけであります。 今日の
委員会
で石上
理事
の方から
お話
がありましたけれども、よくよく考えてみますと、
個人情報
の
保護
を旨とする
行政機関個人情報保護法
に
個人情報
の
保護
とは全く逆の概念、全く逆の概念の
情報
の
提供
、すなわち
個人情報
の
利活用
の
仕組み
を盛り込もうとする、こういうことは大いに無理がある、法律上に無理があると、私はこのように考えるわけであります。与野党の
皆さん
、いかがお考えでしょうか。 で、
伺い
ますけれども、これは
総務
省に
伺い
ますけれども、この点についての御見解をお
伺い
したいと思います。
土屋正忠
205
○副
大臣
(土屋正忠君) お答えを申し上げます。 今、主濱先生が御指摘をいただきました法律の
改正
の条項でございますが、確かに
利活用
の部分が入っているわけでございますが、同時に、最後の部分をちょっと読ませていただきますが、「
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するものであることその他の
個人情報
の
有用性
に配慮しつつ、
個人
の
権利利益
を
保護
することを
目的
とする。」ということになっておりまして、法律の立て付けからいきますと、
個人情報保護
ということを法益に据えていることは間違いないところでございます。この部分は
改正
していないわけであります。 ただ、御指摘のありました
個人情報
の
保護
と
利活用
というのは少し方向が違うんじゃないかということについては御意見として承っておきますが、ただ、私どもとしては、いわゆる
ビッグデータ
と称する指摘が、
利活用
がいろいろ言われているわけであります。とりわけ、かつてICT技術が進歩しなかったときには考えられないような
収集
・
分析
技術が進歩していて、中でも特に
利用価値
が高いとされるいわゆる
パーソナルデータ
の適切な
利活用
は
官民
を通じた重要な
課題
となっているわけであります。 去年
改正
された
民間
の
個人情報保護法
でも、
目的
規定において、新たな
産業
の
創出
等の
個人情報
の
有用性
が明記されたところであります。 こういったことを踏まえまして、
民間部門
と同様の
認識
の下に
個人情報
の適切な
利活用
の環境
整備
を行う観点から、
行政機関個人情報保護法
について
改正
を行うものとしたわけであります。 先ほど申し上げましたが、国や独法における
個人情報
を適切に取り扱い、
個人
の
権利利益
を
保護
するという大前提は何ら変更いたしておりません。その上で、従来、
制度
的な位置付けがなかった
個人情報
の適切な
利活用
に向けた道を開こうとしているわけでありまして、これらの
目的
規定を明確に位置付けることで、
個人
の
権利利益
の
保護
と
利活用
の推進の
調和
の取れた法
制度
として立案をした次第でございます。 どうぞよろしくお願いします。
主濱了
206
○主濱了君 一方には
個人情報
の
保護
というものがあります、一方には
利活用
というものがあるわけであります。じゃ、
行政機関
の保有する
個人情報
の
提供
が、
利活用
、
提供
がどのように新たな
産業
の
創出
とか、それから活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するのか、これは実はまだ通告はしていなかったんですけれども、どういうシステムで、メカニズムでそういうふうなことに資するのか、これを具体的に詳しく、これはどなたでも結構ですので、お願いします。
上村進
207
○
政府参考人
(
上村進
君) お答えいたします。 一般的に
ビッグデータ
を
活用
したイノベーションというのは、先ほど副
大臣
からもお答え申し上げましたとおり、我が国の
産業
界それから
経済社会
の発展にとっても喫緊の
課題
であると思っております。それは、いろいろな
データ
を組み合わせることによりまして、
消費者
の
ニーズ
でありますとか、あるいは今後の、
パーソナルデータ
に寄せて申し上げるならば、今後のいろいろな少子高齢化の中での
消費者
の行動の実態がどう変わっていくか、あるいはどういうふうな
サービス
、それから商品
ニーズ
があるか予測する、それからいろんな
分析
の過程でいろいろな新しい技術が生まれてくると、いろんなことが想定されているわけでございます。
パーソナルデータ
一般についてはそういうことでございまして、先ほど来
ニーズ
のことにつきましてはいろいろと私も御答弁を申し上げていることでございますけれども、この
パーソナルデータ
というものの性格自体は、これは
官民
で変わることがないわけでございますので、実際に具体的な御
提案
をいただければ、今私が申し上げたような形で、
行政機関
の持っている
パーソナルデータ
、当然これは非識別
加工
した上でありますけれども、使っていただけるようなことになるんであろうというふうに想定をしておるところでございます。
主濱了
208
○主濱了君 総じて言えばこういうふうに言えると思うんですよね。結局、
行政機関
の長が
提供
する
データ
、これがその
提供
された企業だけにとどまるとすれば、これは逆に使っちゃいけないわけでしょう、それ以外の企業に流しちゃいけないわけでしょう。もし一企業に止まるとすればやはり、一企業の利益ではない、一企業の利益なんですよね、多分。そういうことになるんではないかなというふうに言わざるを得ないというふうに思っております。 ですから、今伺った答弁、これは、一〇〇%私は信ずることができません。 次の
質問
に移ります。 次は、非
識別加工情報
の
個人情報
該当性と
提供
の是非について
伺い
たいと思います。 この度の
改正案
における真に革新的な
改正
というのは、
行政機関等
について非
識別加工情報
の
仕組み
を導入すること、これであるというふうに思っております。ここがもう本当に中心部分であると私は思っているんであります。 まず、非
識別加工情報
の位置付けと
提供
の是非について
伺い
たいと思います。 昨年
改正
されました
個人情報保護法
で導入することとされました
匿名加工情報
は
個人情報
には該当しないと、このように整理をされております。それから、
行政機関個人情報保護法
に導入しようとしている非
識別加工情報
は
個人情報
に該当すると、このように
説明
をされております。これ、四月十九日の
総務委員会
で
お話
がありましたし、今日も
上村
局長
の方からも
説明
があったところであります。 現行
行政機関個人情報保護法
は、法令に基づく場合を除き、
利用
目的
以外の
目的
のために保有
個人情報
を
提供
してはならないと、こういうふうに書いているんですよ。
提供
してはならない、
個人情報
を
提供
してはならない、こういうふうに規定しているわけであります。その例外となるのは、本人の同意があるとき、あるいは本人以外の者に
提供
することが明らかに本人の利益になるときに限られると、こういうふうに
行政機関個人情報保護法
の第八条には書いてあるわけであります。 今回、非
識別加工情報
の
仕組み
を法律上定めることになれば、
行政機関等
が保有する
個人情報
が本人の利益などではなくてビジネスを
目的
とした
利用
のために外部に提出されることになると、こういうふうに言わざるを得ないというふうに思います。 このような
個人情報
の
提供
には、
法案
の中で自己矛盾がありますし、違法の可能性もあると私は思います。どうして問題がないと言えるのか、極めて極めて疑問であります。
国民
の
理解
も得られないというふうに思っております。これは、与野党の
皆さん
もこの辺多分薄々気が付いているんじゃないかなというふうに思うんですが、
総務
省の御見解を
伺い
たいと思います。
古賀篤
209
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) 主濱
委員
から今御指摘がありました非
識別加工情報
についてですけれども、まずちょっと整理させていただきたいんですが、
行政機関
の
内部
ではその元
データ
との照合が可能であることから
個人情報
という性格を有するとしておりますが、一方で、
提供
先にあっては照合される元
データ
というのは存在しないということで、さらに
照合禁止義務
も課されることから
個人情報
にはならないというふうに位置付けているところでございます。 ここはちょっと繰り返しになりますけれども、非
識別加工情報
、これ、
利活用
の促進とともに
個人
の
権利利益
の
保護
を図るということが大変重要な
課題
となっておりまして、まさにこの両者の
調和
が取れた
制度
構築ということをこの
法案
は
基本
とさせていただいているところであります。 非
識別加工情報
を
提供
する際には、
特定
の
個人
が
認識
できないように
加工
して安全な形で
提供
していくということにしておりまして、
個人情報保護法
における
匿名加工情報
と同じく、
作成
に当たって御本人の同意や本人からの除外の申請というのは定めていないところであります。 ただ、御指摘のように、安全
確保
が第一で、心配があるということもきっちりと踏まえまして、具体的な
仕組み
として、
個人情報保護法
における
匿名加工情報
と同様に、一定の
基準
に従って
加工
し、
情報漏えい防止措置
を講じている、
民間事業者
、
提供
を受けた
民間事業者
には
識別行為
の
禁止義務
を課している、
官民
を通じて一元的に
個人情報保護委員会
が
監視
、
監督
をするといった
措置
を講じているほか、さらに、
行政機関
において
個人情報
の
対象範囲
を適切に設定すると、非
識別加工情報
を
提供
する際でありますが、さらに不適格な
提案者
を排除するといった規定を設けまして、
個人
の
権利利益
の
保護
に十分配慮した
仕組み
とさせていただいているところであります。
主濱了
210
○主濱了君
行政機関個人情報保護法
第八条本則で、
提供
してはならないという
個人情報
、非
識別加工情報
と定義がされておりますけれども、まさに
個人情報
と、こういうふうに
説明
してきたというふうに私は
理解
しているんですけれども、まさに
個人情報
。この
個人情報
を
行政機関個人情報保護法
第八条の本則の下でどのように法律上構成をして外部に
提供
できるのか、ここのところをきちっと
説明
をしていただきたいと思います。
上村進
211
○
政府参考人
(
上村進
君) ちょっと適切なお答えになっているかどうか分かりませんが、今回、
法案
で新たに
行政機関
非
識別加工情報
の
提供
というのは第四章の二というのを設けております。この第四章の二の冒頭、第四十四条の二というのは、
行政機関
の長は、この章の規定に従い、
行政機関
非
識別加工情報
を
作成
し、及び
提供
することができると。したがいまして、今回のこの
改正
の
目的
というのは、まさにこの規定、この非
識別加工情報
の
作成
、
提供
というために、これがまさにこの
目的
になっているわけでございます。 その次の二項におきまして、先ほど御指摘の八条と同じようなことになるわけですが、
行政機関
の長は、法令に基づく場合を除き、
利用
目的
以外の
目的
のために
行政機関
非
識別加工情報
等を
利用
し、
提供
してはならないとなっております。この法令に基づく場合をというのは、この四十四条の二で言っていることも当然含むわけでございまして、まさにこれが今回の法律の
目的
であると。 要するに、まさに、
提供
し
利用
していただくために作るものであるということでありますので、八条との矛盾はないというふうに
理解
をしております。
主濱了
212
○主濱了君 先を急ぎます。 今度は、非
識別加工情報
から自分自身の
情報
が除外されるよう申請ができるか否か、こういう問題であります。これについても、実は
参考人質疑
の際に私から
質問
したわけですけれども、また
質問
します。 非
識別加工情報
の
作成
に当たり、自分自身の
情報
を使用してほしくないと考える
国民
が、自分自身の
情報
が非
識別加工情報
から除外されるようにまずできるんでしょうかと、こういうことですね。 これにはちょっとヒントがありまして、四月十九日の
衆議院
の
総務委員会
では、この非
識別加工情報
というのは個々の方々の
権利利益
を侵害するおそれはないと、こういうふうな答弁があったので、
基本
的には
国民
からの申請に応じて除外を行うことは想定していないのではないだろうかというふうに思われるわけであります。 あわせて、
総務
省から、
加工
の方法が十分でない、あるいは運用が十分でない、そういうふうなことがあった場合には状況に応じて適切な
対応
をしていくことになると、これも同じ十九日の
委員会
で
説明
も、答弁もありました。実は、これはとんでもないことなんですよね。とんでもないことだと私は思います。
加工
の方法が十分でない
データ
が外部に出る、出てからでは遅いわけでありますよ。出ちゃったらもう本当に遅い、そう言わざるを得ないんですよ。どうカバーしますか、出てしまったものを。これ、できないと思うんですよ。この件については、根拠のない不安と、こういうふうな御意見もありますけれども、これは根拠がないというんじゃなくて、本当に想定されるわけでありますので、本当に私はとんでもないというふうに思っております。 結局、
国民
の皆様が自分自身の
情報
を
利活用
されたくないと考えた場合にはその自分の
情報
が非
識別加工情報
から除外されるよう申請する、そういうふうな道を開いておくべきだと、こういうふうに考えますが、御見解を承りたいと思います。
古賀篤
213
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) 済みません、先ほどの答弁と少し重なるところがございますが、その非
識別加工情報
については、
利活用
の促進とその
個人
の
権利利益
の
保護
と、このバランスというのが非常に大事だ、
調和
が大事だというふうに思っております。 今おっしゃられたように、本人が
情報
を
利用
されたくないといった場合でありますけれども、
特定
の
個人
が
認識
できないように
加工
し、そして安全な形で
提供
しているということの中で、
個人情報保護法
における
匿名加工情報
と同じく、その本人の同意とか本人からの除外申請というのは定めていないところでありまして、そういった意味で、きちんと
加工
していくことが大変重要になってくると思っております。 そういう意味では、
情報
漏えいの防止
措置
ですとか
認識
行為の
禁止義務
、これは、
民間事業者
に対して、あるいは
官民
を通じての一元的な
監視
、
監督
をしていくということでありまして、そういった安全な形で
提供
できるような
仕組み
をしっかりと講じていきたいと思っております。
主濱了
214
○主濱了君 いずれ、
総務
省自体としても、
加工
の方法が十分でないとかあるいは運用が十分でない、そういったようなことが起こり得るというのは、これは
認識
しているわけですよね。そこだけは確認しておきたいと思います。 結局、
行政機関
は、
個人
の
情報
を法に基づき、あるいは職務の過程で、職務遂行の過程で合法的に
情報
を集めるわけであります。この
個人情報
には、戸籍であるとか住民票であるとか、あるいは国保のレセプトであるとか様々なものが含まれてくる、税務の関係であるとか様々なものが含まれてくるというふうに思っております。
行政
に集められた全ての
国民
のその全ての
個人情報
が、先ほどもちょっとありましたけれども、宝の山と、こういうふうに表現がありましたけれども、そういうふうな
個人情報
が
事業者
の
提案
により非
識別加工情報
として
行政
から
事業者
に
提供
されようとしているわけであります。本当にこれでいいのかと私は思っております。私は、この
法案
が可決された暁には
個人
の
プライバシー
の根幹に禍根を残すのではないか、こういうふうに危惧をしているところであります。 次の
質問
に移りたいと思います。この非
識別加工情報
の
作成
時のリスク対策についてであります。
行政機関等
において非
識別加工情報
の
作成
を行う際に、
加工
作業を外部の
事業者
に委託することが可能とされているわけであります。委託先の
事業者
には
個人情報
そのものが
提供
されるわけですね、渡されるわけですが、その当該
事業者
における
個人情報
の取扱いや
加工
が適正に行われることがどのように担保されるのか、この点であります。 一昨年に発覚したあのベネッセコーポレーションの
個人情報
漏えい事件では、再委託先の従業員が
情報
を不正に持ち出した、こういうふうな案件であります。委託先はもちろんでありますが、再委託先あるいは再々委託先、そういうふうなところにおいても
個人情報
を適正に今管理させる、これが必要だと思いますが、まず、どのような対策を講ずるのか
伺い
たいと思いますし、もう一つ、再委託以降は認めない、こういうふうな方法もあると思いますが、どのような対策を講じようとしているのか、方針を
伺い
たいと思います。
古賀篤
215
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) 非
識別加工情報
の
作成
の委託を受けた
民間事業者
についてでありますけれども、
行政機関
と同様に、
個人情報保護委員会
の
規則
で定めるところに従いまして、
加工
を行い、そして
情報
漏えい防止の
措置
を講ずる義務を課すというふうにしております。また、その受託
事業者
が
個人
の秘密に属する事項を不正に
提供
した場合あるいは保有
個人情報
を不正な利益を図る
目的
で
提供
した場合には罰則を科すことにもしているところであります。 こうした法律上の規律に加えまして、委託者たる
行政機関
は適切な
監督
を行う必要がありまして、仮に受託者において違法行為があった場合には委託契約を解除することとなります。 そして、再委託の御指摘ございましたが、非
識別加工情報
の
作成
に係る再委託につきまして、そういった必要が出てきた場合に、
個人
の
権利利益
の
保護
に支障が生じないように、契約において委託先を通じた適切な管理を
確保
するために必要な
措置
を講じる必要があると考えております。
主濱了
216
○主濱了君 私が
伺い
たいのは、その最後の適切な
措置
、そこのところを
伺い
たいわけですよ。
古賀篤
217
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) その適切な
措置
の具体的なところについては、今後、例えばガイドライン等で設けることになりますが、いずれにしましても、その契約の内容でそういったことをしっかりと定義付ける、書いていくということになるかと思います。
主濱了
218
○主濱了君 先を急ぎます。 非
識別加工情報
と元
データ
との照合、こういうことなんですが、非
識別加工情報
について、本
法律案
の要綱では、「
特定
の
個人
を識別することができないように
個人情報
を
加工
して得られる
個人
に関する
情報
であって、当該
個人情報
を復元することができないようにしたものをいう」と、こういうふうに
説明
をしているわけであります。この文言だけを見ますと、非
識別加工情報
は
加工
によって
特定
個人
が識別できない状態になっていると、こういうふうに
理解
されるわけです。 その一方で、本
法律案
の審議を通じて、
総務
省は、非
識別加工情報
について、
行政機関等
においては
民間事業者
に課せられる
照合禁止義務
に相当する規定を設けておらず、
作成
の元になった
データ
と照合することが可能であり、そのことにより
特定
個人
を識別することも行われ得ると
説明
しているわけです。これは四月十九日の
衆議院
総務委員会
ですね。 識別することができないように
加工
されたはずの非
識別加工情報
であるにもかかわらず
行政機関等
において識別が行われ得るということでは、そもそもの語義に矛盾をはらんでいるんじゃないか、こういうことでありますね。
国民
にとって
理解
が非常に難しい、こういうふうなものであるというふうに思われます。百歩譲ったとしても、非
識別加工情報
に関して、照合により
特定
の
個人
を識別することができる主体、それからできない主体、これを明確にするなど、より丁寧な規定にすることが必要ではないかなというふうに思うんですが、御見解をお
伺い
します。
古賀篤
219
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) 今御指摘いただきました
個人情報
、性格といいますか、非
識別加工情報
の性格でありますけど、
特定
の
個人
を識別できないように
加工
しているのがまさに非
識別加工情報
です。それは
個人情報保護法
での
匿名加工情報
と同じ、相当するものであるということであります。 では、なぜそれが
個人情報
になるのかということですが、
行政機関
においては、いろんな
行政課題
の
解決等
の必要性から、この
作成
した非
識別加工情報
と元
データ
の照合を行う場合というのが否定できないということで、
民間事業者
に課せられる
識別行為
の
禁止義務
に相当する規定を設けておりません。その結果、
基本
的に
個人情報
に該当する、その
内部
では
個人情報
に該当するということになります。ですから、
行政機関個人情報保護法
が適用される
内部
の法律に関わるものとしての非
識別加工情報
でございまして、そういう中での一方、
個人情報保護法
が、
提供
を受ける
民間事業者
においては
個人情報保護法
が適用されますので、
個人情報
でないということで取り扱われることになるわけでございます。
民間事業者
には
個人情報保護法
の適用、
行政機関
には
行政機関個人情報保護法
が適用されるという区分を設ける中でしっかりと、誤解とか懸念が生じることがないように
説明
等適切に
対応
していきたいと考えております。
主濱了
220
○主濱了君 最後の
質問
になります。
提供
した非
識別加工情報
等の扱いと、こういうことでありまして、まず第一番に、昨年の
個人情報保護法改正
法に基づき導入されます
匿名加工情報
については、他の
民間事業者
が
作成
した
匿名加工情報
を更に、更に別の第三者に
提供
しようとする
民間事業者
に対して一定の規律が課されております。 まず、この
匿名加工情報
を取り扱う業者は、受領した
匿名加工情報
を二次
加工
して更に自分で
加工
を加えて第三者に
提供
することはできるんでしょうか、これが第一点目。 それから、第二点目、
行政機関等
が
提供
した非
識別加工情報
について二次
加工
が行われた場合、又は非
識別加工情報
と今度は
民間
からもらってきた
匿名加工情報
とを組み合わせた形での二次
加工
情報
が行われた場合、こうした
情報
、こうした
データ
が第三者に
提供
されることが認められるのかどうか、こういう問題です。これは、
行政
からいただいた
情報
と、それから
民間
からいただいた
情報
を一か所で組み合わせたらばかなり精度の高い
情報
になってしまう可能性があるんですが、それが認められるかどうかと、こういう問題です。
古賀篤
221
○
大臣政務官
(
古賀篤
君) ただいま二次
加工
についての御
質問
をいただきましたが、非
識別加工情報
を
提供
するに当たって審査が行われるわけでございます。その際に、
利用
の
目的
とか方法の適切性、さらに
提供
先におけるその非
識別加工情報
の管理のために講じる
措置
が適切かどうか等の審査を行うわけであります。その中で、
民間事業者
の
作成
による
匿名加工情報
との組合せも含めまして二次
加工
を行うかどうか、二次
加工
した
データ
の
利用
範囲も含めた
利用
の仕方について審査を行うことになります。そして、二次
加工
及び二次
加工
情報
の第三者への
提供
につきまして、具体的には個別のケースにおいて適切に処理されるべきものと考えております。 審査を経て合意された
利用
契約の範囲で行っていただくことになるわけですが、
個人
の
権利利益
の保障に支障が来すことのないように十分な
対応
をしていきたいと考えております。
主濱了
222
○主濱了君 今ので一点だけ。これには罰則ありますでしょうか。要するに、間接強制しかできないというふうに思うんですよね。間接強制しかできない、その手段とすれば罰則があるか否かと、こういうことなんですが、いかがでしょう。
上村進
223
○
政府参考人
(
上村進
君)
行政機関個人情報保護法
の場合でございますね。この取り扱う
行政機関
職員が、例えば
個人
の秘密が含まれる
データ
を不正に
提供
するとか、それから
個人
の秘密が含まれない場合であっても、いわゆる
個人情報
の
データ
を不正に
提供
する、そうしたものにつきましては罰則がこれは直罰で掛かることになっております。
主濱了
224
○主濱了君 これは
質問
ではありませんので。 やはり本
法案
については、私は、
個人
の
情報
の
保護
と、こういうふうな名前の法律なわけですけれども、それとは逆の
個人
の
情報
の
提供
に関するものを同じ法律に入れる、これやっぱりおかしいと思いますよ。無理があると、こういうふうに思います。 以上で終わります。
山本博司
225
○
委員長
(
山本博司
君) 他に御発言もないようですから、
質疑
は終局したものと認めます。 ─────────────
山本博司
226
○
委員長
(
山本博司
君) この際、
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
羽田雄一郎
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
森本
真治
君が
選任
されました。 ─────────────
山本博司
227
○
委員長
(
山本博司
君) これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
吉良よし子
228
○
吉良よし子
君 私は、
日本
共産党を代表して、
行政機関等
個人情報保護法
など
個人情報
の
利活用
を進める
関係法律
の
整備
法案
についての反対の討論を行います。 本
法案
は、
産業
界からの
要望
に沿って、従来になかった新しい
産業
、思いもよらなかったイノベーションが起きてくることなどを
期待
して、
行政機関等
が保有する
個人情報
を
利活用
させようとするものです。
行政機関
が保有する
個人情報
は、
行政
事務の執行のため
収集
、管理されているものです。だからこそ、厳格な
個人情報
の
保護
の下で
社会
的な要請に応えた
利活用
が求められているのです。しかし、本
法案
は、
個人情報
の
保護
は不十分なままで、
行政機関
の側から
個人情報
の
利活用
を
民間事業者
に求めていくものであり、やめるべきです。 また、本
法案
は、
民間企業
等からの
提案
に沿って
行政機関等
が
個人情報
に非識別
加工
を施し
提供
します。どんなに高度な
加工
が施されたとしても、本人が想定していない
民間企業
等に
個人情報
が
提供
、
利用
されるという問題が残ります。そもそも、
識別行為
の禁止が本
法案
で明記されること自体、再識別化のリスクがあることを意味しています。 そして、もし
民間事業者
に
提供
した非
識別加工情報
や
個人情報
がリスクにさらされた場合、
情報
を
提供
した
行政機関等
が行使できる権限などについて曖昧な点が残されています。 さらに、
総務
省は不適格
事業者
を
提案者
から排除できると言いますが、いわゆる名簿屋のような
事業者
も本
法案
のスタート時には
個人情報
の
利活用
を
提案
できるという懸念が残ります。
個人情報
の非識別
加工
についても外部の
民間事業者
に委託することもできるとされ、不適切な
個人情報
の漏えいや流出につながりかねないことから、本
法案
に反対します。 また、本
法案
は、
個人情報
を多く保有している市町村にも、国がその一体的な
利用
を促進していくことを明記しており、看過することはできません。 以上を述べて、討論とします。
山本博司
229
○
委員長
(
山本博司
君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。
行政機関等
の保有する
個人情報
の適正かつ効果的な
活用
による新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
山本博司
230
○
委員長
(
山本博司
君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、石上君から発言を求められておりますので、これを許します。石上俊雄君。
石上俊雄
231
○石上俊雄君 私は、ただいま可決されました
行政機関等
の保有する
個人情報
の適正かつ効果的な
活用
による新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及びおおさか維新の会の各派共同
提案
による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。
行政機関等
の保有する
個人情報
の適正かつ効果的な
活用
による新たな
産業
の
創出
並びに活力ある
経済社会
及び豊かな
国民生活
の
実現
に資するための
関係法律
の
整備
に関する
法律案
に対する附帯決議(案) 政府は、本法
施行
に当たり、次の事項についてその
実現
に努めるべきである。 一、本法の規定に基づき
個人情報
の定義等を政令等で定めるに当たっては、
国民
及び
事業者
等に分かりやすいものとなるよう、これらの者から幅広く丁寧に意見を聴取し、
保護
対象
を可能な限り明確化すること。 二、新たに導入される非
識別加工情報
の規定の趣旨が
個人情報
の
利活用
を促進するものであることに鑑み、
行政機関
非
識別加工情報
等を
活用
する者が
個人情報保護法
に基づく
匿名加工情報
と同様に取り扱うことができることについて、十分な
周知
を行うこと。 三、
個人情報保護委員会
は、
行政機関
非
識別加工情報
等の
作成
に係る
基準
を
策定
するに当たっては、
行政機関
及び独立
行政
法人等の保有する
個人情報
の特質に十分に配慮するとともに、
情報
通信
分野
において日々進展する技術革新に伴って、
特定
の
個人
を識別される危険性を排除するために、当該
基準
に関し、適宜必要な見直しを行うこと。 四、
個人情報保護委員会
が、本法を含む
個人情報保護法
制及び
個人情報保護委員会
規則
の適切な運用、及び、
事業者
や関係団体に対する
利活用
に資する
情報
の
提供
等の必要な支援を行うため、同
委員会
の
委員
、専門
委員
及び
事務局
に、
行政機関
及び独立
行政
法人等における
個人情報保護
制度
及び
民間
における
個人情報
の
利活用
の実務について十分な知見を有する者のほか、
個人情報
が
収集
され、
提供
される
国民
の
権利利益
の
保護
に精通する者などを適切に登用すること。 五、
行政機関
非
識別加工情報
等の
制度
的な導入を含め、我が国の
個人情報
の
保護
水準が国際的に十分なものであることを諸外国に積極的に
周知
し、相互
理解
を十分に深めること。 六、
行政機関等
の保有する
個人情報
には、当該
個人情報
の取得プロセスにおける義務性・権力性が高いものや、本人にとって秘匿性が高いものが多いことに鑑み、
行政
に対する
国民
の
信頼
を
確保
する観点から、
行政機関等
は、保有する
個人情報
の
保護
に係る実効性ある
情報
セキュリティ対策の在り方について不断の検討を行い、必要な対策を遺漏なく確実に実施すること。 七、
行政機関
及び独立
行政
法人等は、非
識別加工情報
が
行政機関等
の
内部
においては
個人情報
に該当することを十分に
認識
し、非
識別加工情報
と他の
情報
との照合は、
所掌事務
の遂行に必要であり、かつ、人の生命、身体又は財産の
保護
のために緊急に必要がある場合に限るとともに、
個人情報
を取り扱う
業務
に従事する者のICTの知識とモラルの向上、法令・
情報
セキュリティポリシーの遵守の徹底を図るための研修実施等、継続的な人材育成に必要な
措置
を講ずるなど、
個人情報
の
保護
に万全の
体制
を構築すること。 八、本法の適正な運用を
確保
するため、関係各機関において責任者を定めて責任の所在を明確にするなどの管理
体制
の
整備
、指針の
作成
、研修の実施等による指導の徹底を図ること。 九、教育、広報その他の継続的な活動を通じて、非
識別加工情報
の
制度
の導入に基づく適正な取扱いの下での
個人情報
の
利活用
の推進に関する
国民
の
理解
と
信頼
を深めるよう努めること。 十、今後、各地方公共団体において、地方公共団体が
策定
し、又は実施する
個人情報
の
保護
に関する施策の見直しに向けた検討が行われる場合において、その円滑な検討に資するよう、速やかに
相談
窓口を設け、必要な
情報
提供
を行うなど、国が地方公共団体に対して協力を行うための
体制整備
に努めること。 十一、附則第四条に規定する「
個人情報
の一体的な
利用
の促進のための
措置
」を講ずるに際しては、「法制上の
措置
」も含めて検討するなど、以上の諸点を踏まえ、必要な見直しを行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
山本博司
232
○
委員長
(
山本博司
君) ただいま石上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
山本博司
233
○
委員長
(
山本博司
君) 多数と認めます。よって、石上君提出の附帯決議案は多数をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、
高市
総務大臣
から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
高市
総務大臣
。
高市早苗
234
○
国務大臣
(
高市早苗
君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたく存じます。
山本博司
235
○
委員長
(
山本博司
君) なお、審査報告書の
作成
につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山本博司
236
○
委員長
(
山本博司
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十七分散会