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2015-08-27 第189回国会 衆議院 総務委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十七年八月二十七日(木曜日)     午前九時三十分開議  出席委員    委員長 桝屋 敬悟君    理事 石崎  徹君 理事 石田 真敏君    理事 菅家 一郎君 理事 坂本 哲志君    理事 山口 泰明君 理事 奥野総一郎君    理事 水戸 将史君 理事 稲津  久君       あかま二郎君    池田 道孝君       大西 英男君    鬼木  誠君       金子万寿夫君    金子めぐみ君       黄川田仁志君    小林 史明君       新藤 義孝君    鈴木 憲和君       田所 嘉徳君    田畑 裕明君       高木 宏壽君    橘 慶一郎君       土屋 正忠君    中村 裕之君       長坂 康正君    古川  康君       武藤 容治君    宗清 皇一君       逢坂 誠二君    黄川田 徹君       近藤 昭一君    武正 公一君       福田 昭夫君    高井 崇志君       吉村 洋文君    浜地 雅一君       梅村さえこ君    田村 貴昭君       吉川  元君     …………………………………    総務大臣         高市 早苗君    内閣府副大臣       平  将明君    総務大臣        西銘恒三郎君    総務大臣        二之湯 智君    内閣大臣政務官     越智 隆雄君    総務大臣政務官      あかま二郎君    総務大臣政務官      武藤 容治君    政府参考人    (内閣官房まちひと・しごと創生本部事務局次長) 末宗 徹郎君    政府参考人    (人事院事務総局職員福祉局長)          江畑 賢治君    政府参考人    (人事院事務総局給与局長)            古屋 浩明君    政府参考人    (警察庁長官官房審議官) 露木 康浩君    政府参考人    (総務省大臣官房地域力創造審議官)        原田 淳志君    政府参考人    (総務省行政管理局長)  上村  進君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  渕上 俊則君    政府参考人    (総務省自治行政局公務員部長)          北崎 秀一君    政府参考人    (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君    政府参考人    (総務省自治財政局長)  安田  充君    政府参考人    (総務省情報通信国際戦略局長)          山田真貴子君    政府参考人    (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       武田 博之君    政府参考人    (総務省総合通信基盤局長)            福岡  徹君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           藤原 章夫君    政府参考人    (水産庁資源管理部長)  浅川 京子君    政府参考人    (防衛省防衛政策局次長) 鈴木 敦夫君    政府参考人    (防衛省地方協力局次長) 山本 達夫君    総務委員会専門員     畠山 裕子君     ————————————— 委員の異動 八月二十七日  辞任         補欠選任   金子万寿夫君     古川  康君   橘 慶一郎君     田畑 裕明君 同日  辞任         補欠選任   田畑 裕明君     橘 慶一郎君   古川  康君     金子万寿夫君     ————————————— 六月十七日  自治体正規雇用労働者雇用労働条件抜本改善に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二六三一号)  同(池内さおり紹介)(第二六三二号)  同(梅村さえこ君紹介)(第二六三三号)  同(大平喜信紹介)(第二六三四号)  同(笠井亮紹介)(第二六三五号)  同(穀田恵二紹介)(第二六三六号)  同(斉藤和子紹介)(第二六三七号)  同(志位和夫紹介)(第二六三八号)  同(清水忠史紹介)(第二六三九号)  同(塩川鉄也紹介)(第二六四〇号)  同(島津幸広紹介)(第二六四一号)  同(田村貴昭紹介)(第二六四二号)  同(高橋千鶴子紹介)(第二六四三号)  同(畑野君枝紹介)(第二六四四号)  同(畠山和也紹介)(第二六四五号)  同(藤野保史紹介)(第二六四六号)  同(堀内照文紹介)(第二六四七号)  同(真島省三紹介)(第二六四八号)  同(宮本岳志紹介)(第二六四九号)  同(宮本徹紹介)(第二六五〇号)  同(本村伸子紹介)(第二六五一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  行政基本的制度及び運営並びに恩給地方自治及び地方税財政情報通信及び電波郵政事業並びに消防に関する件      ————◇—————
  2. 桝屋敬悟

  3. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高木宏壽君。
  5. 高木宏壽

    高木(宏)委員 おはようございます。自由民主党の高木宏壽です。  本日のトップバッターとして、質問させていただきます。  まずは、公会計についてでありますけれども、昨年四月に、総務省地方公会計の統一的な基準というものを公表いたしました。これは、複式簿記発生主義を全面的に導入した東京都モデルと、総務省基準モデル、これを組み合わせたものと承知しておりますけれども、総務省調査で、平成二十九年度までには、全国自治体の九八・二%がこの基準に基づいて財務諸表を作成する予定であるということであります。  私、地方議会に籍を置いているときからこの地方公会計改革の動きをウオッチしてまいりましたけれども、公会計というのは、地方自治を進める上で、社会保障番号などと一緒に並んで重要な、整備しなければいけないインフラの一つであると思っております。  そういう意味で、ようやくここまで来たなという感がある一方、この公会計改革、しっかりとなし遂げて、本当の意味自治体にとって有益なものになる、自治体政策を合理的に判断して、限られた資源を効果的、効率的に活用できる、そうした公会計制度にするためにはまだまだ課題があると思います。  その一つが、財務情報適時開示。次年度予算案活用して、PDCAをうまく回していくには、それまでに間に合うように作成しなければいけない。  それから、自治体職員意識改革財務情報を使って行政運営自治体経営に生かしていくためには、管理会計的な意識を持った自治体職員というものを育成していかなければいけない。  それから、これは重たい課題ですけれども、資産の評価、それから開始貸借対照表作成固定資産台帳に記載のない自治体は、それぞれの資産を個別に評価して取得価額を入手していかなければいけない、そうした課題がございます。  そして、一番大きな課題が、これまでも、作成したものをどう使ったらいいかわからない、一番大きな課題でございました。  そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、国として、これから公会計制度整備に取り組む自治体をどう支援して、今申し上げたような課題を克服して、地方公会計制度確立に取り組んでいくのか。大臣の意気込みを含めてお伺いしたいと思います。
  6. 高市早苗

    高市国務大臣 高木委員が今の公会計制度有用性についてもお話をしてくださいましたが、やはりこれからの地方公会計というのは、これまでのように財務書類を単につくって見せるというだけじゃなくて、活用をしていくということが重要だと考えております。  例えば、地方公会計予算編成時に適時かつ積極的に活用すること、それによって地方公共団体の限られた財源を賢く使うという委員指摘のとおりの取り組みによって、財政マネジメント強化をするということが大切です。  活用に当たりましては、他団体との比較可能性を確保するということも重要でありますので、統一的な基準による財務書類を原則として平成二十九年度までの三年間で作成するよう、まずことし一月に地方公共団体に要請をいたしました。  この取り組み支援するために、財務書類作成手順等を取りまとめたマニュアルの公表、それから、関係機関における研修の充実強化、そのほか、今年度中に標準的なソフトウエアの無償提供予定をいたしております。  平成二十九年度までに、委員もおっしゃってくださいましたが、九八・二%の団体において整備される予定となっていますけれども、今後、全ての地方公共団体において整備がなされるようにさらに努めてまいります。
  7. 高木宏壽

    高木(宏)委員 ぜひ、公会計制度の効果的な活用例、ベストプラクティスといいますか、そうした事例集地方に落としてあげていただきたいと思います。  現実的に、公共施設統廃合等公共施設老朽化対策に既にこの公会計活用している自治体もございます。昨年四月、総務大臣名で各自治体首長宛てに、「公共施設等の総合的かつ計画的な管理推進について」という文書を発出しております。公共施設等計画的な管理を進める上でも、公会計役割というのは非常に重要であります。  公共施設等総合管理計画を進める上で、公会計をどう位置づけ、また活用していこうと考えているのか、お伺いします。
  8. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  総務省では、地方公共団体における公共施設等老朽化現状人口減少少子高齢化状況等を踏まえ、長期的な視点に立って公共施設等の総合的かつ計画的な管理を行うことが重要であると認識しているところでございます。  そこで、地方公共団体に対しまして、公共施設等総合管理計画平成二十八年度までに策定いただくよう要請しているところでございます。  この計画につきましては、地方公会計整備の前提となります固定資産台帳活用によりまして、公共施設等の今後の更新必要額の推計を行うことで、計画充実精緻化につながるということが可能だと考えております。  また、地方公会計活用いたしまして、施設別コストセグメント分析施設ごと減価償却でございますとか、人件費等が幾らかかっているのか、あるいは、それが利用人員当たり幾らになるのかといったようなことでございますが、これを実施することで、公共施設等統廃合の議論を行うということも可能になるというふうに考えているところでございます。  公共施設等計画的な管理を進める上でも公会計役割は重要でございますので、この活用によりまして、地方公共団体における公共施設等マネジメントが効率的かつ効果的に進められることを期待しているところでございます。
  9. 高木宏壽

    高木(宏)委員 公会計自治体経営行政運営のいわゆるマネジメントを支えるものであるなら、経営を監視する機能ガバナンスあり方自治体でいえば監査委員による監査というものがありますけれども、それが非常に重要になってまいります。  現行監査委員監査、二〇〇八年—一〇年に各自治体補助金不適切経理の問題が発生しましたけれども、私は、実際に自治体監査委員監査がうまく機能しているのかという問題意識を持っております。  何が監査委員に求められるかといったら、専門的能力、それから実務経験、そして外見的独立性、この三つが求められるわけですけれども、そうすると、どうしていかなければいけないのか。統一した自治体監査基準をつくったり、あるいは今首長が任命しているのを議会が任命するように変更したり、議員枠というものをどうしていくか、廃止すべきじゃないか、あるいは複数の都道府県を管轄する地方共同法人としての自治体監査機構みたいなものを創設したらどうかといった考えもございます。  そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、自治体監査あり方についての大臣のお考えと、専門性独立性を担保した自治体監査制度確立に向けてどう取り組んでいくのか、お伺いします。
  10. 高市早苗

    高市国務大臣 やはり、地方公共団体行政サービスを持続的に維持するということが求められている中で、その行政運営を適正に行っていくためには、監査制度が有効に監視機能を果たすということが重要です。  このような中で、委員もかなり具体的に御指摘をいただきましたけれども、監査による監視機能を高めるためには、まず、監査実効性確保あり方監査独立性専門性あり方、それから監査への適正な資源配分あり方について検討する必要があると考えています。  現在、総理の諮問機関であります第三十一次地方制度調査会において、議会制度監査制度等地方公共団体ガバナンスあり方などについて調査審議が進められておりますので、この調査会審議結果を踏まえまして、監査制度充実強化に取り組んでまいります。
  11. 高木宏壽

    高木(宏)委員 私の地元は積雪寒冷地であります北海道札幌でございますけれども、昨今頻発するゲリラ豪雨と同じように、予測することが困難な近年の豪雪に対して、やはり機動的な予算確保というのが必要であります。現行市町村道除雪費補助臨時特例措置などがありますけれども、やはり大きな柱というのは特別交付税であります。  毎年大きく経費が変動する除雪費について特別交付税でしっかりと予算を確保していかなければならないわけですけれども、平成二十三年度に、昭和三十三年から五十三年間維持されてきた制度が変更されて、特別交付税の枠を六%から四%に引き下げる法改正がなされました。ただし、現状は、毎年のように繰り返される豪雨豪雪などの自然災害に対応するため、同法の附則で二十七年度までは特別交付税の枠を六%に維持することになっておりますが、この措置も本年度限りで終わってしまいます。  地方自治体にとっては特別交付税は貴重な財源で、特に近年頻発する自然災害に機動的かつ適切に対処していくためには、この特別交付税をしっかりと確保していく必要があると考えます。  そこで、お伺いしますけれども、平成二十八年度以降も、特別交付税の枠を削減せず、除雪費など変動する財政需要に対して機動的な交付税配分を行うべきと考えますけれども、見解をお伺いします。
  12. 安田充

    安田政府参考人 お答えいたします。  特別交付税につきましては、平成二十二年度に、地方交付税総額に占める割合を六%から段階的に引き下げる法案を提出したところでございますが、二十三年三月十一日に東日本大震災が発生したということで、議員修正によりまして、その割合の引き下げを三年間凍結したところでございます。  その後、二十五年度には、災害対応に万全を期するためということで、平成二十七年度までの東日本大震災集中復興期間中はその割合を維持する、こういう法案が提出されまして成立をいたしたところでございまして、現行法では、二十八年度は五%、二十九年度以降四%とすることとされているところでございます。  この特別交付税割合を維持すべきではないかという御指摘でございますが、この点につきましては、集中豪雨豪雪などの災害発生状況特別交付税として措置すべき特殊な財政需要状況特別交付税として確保される額等を総合的に勘案いたしまして、地方団体の意見も踏まえ、そのあり方を検討していくべき課題であるというふうに考えている次第でございます。
  13. 高木宏壽

    高木(宏)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  時間が迫ってまいりましたので、最後に、日本郵政についてお伺いします。  ことし十一月に予定されている株式上場に向けて、今、日本郵政グループ三社の株式を売却する準備が進められております。ユニバーサルサービスを維持するという義務を負いつつ、これからは民間企業として競争していかなければならないわけで、経営自由度、イコールフッティングが十分確保されているかといったことが課題となっております。  この六月に我が党は、ゆうちょ、かんぽの限度額段階的引き上げを提言いたしました。郵便局以外に金融機関のない地域では、限度額を超える部分は、たんす預金として防犯上非常に不安のある保管を余儀なくされているという例も仄聞いたしております。  そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、国民の利便性向上観点から、この郵便貯金及び簡易保険限度額引き上げについてどう考えるのか、所見をお伺いしたいと思います。
  14. 高市早苗

    高市国務大臣 自民党でまとめていただきました提言書、拝読いたしました。これも踏まえまして、七月九日に麻生金融担当大臣とともに、郵政民営化委員会に対して、今後の郵政民営化推進あり方についての調査審議を要請したところであります。  この限度額の見直しについては、当委員会でも私の考え方を申し上げておりますが、他に金融機関がない地域にお住まいの方や高齢者が、年金や退職金が振り込まれるなどして限度額を超過してお困りになるといったこともありますので、利用者利便性観点ですとかまた日本郵政グループ企業価値向上といったことを考えますと、一定のメリットがあると考えております。  他方、やはり平成二十四年の郵政民営化法改正法案に対する附帯決議国会附帯決議がございます。また、郵政民営化法に規定されている、他の金融機関との競争関係に及ぼす事情金融二社の経営状況その他の事情ということも勘案しなければなりません。  ぜひとも、郵政民営化委員会における審議状況を踏まえつつ、関係省庁連携しながら検討してまいりますけれども、国会先生方におかれましても、附帯決議との関係もございますので、またさまざま御指導賜りますようによろしくお願いいたします。
  15. 高木宏壽

    高木(宏)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
  16. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 次に、浜地雅一君。
  17. 浜地雅一

    浜地委員 おはようございます。公明党の浜地雅一でございます。  早速質問に入りたいと思っております。  きょう、私の方は、連携中枢都市等広域連携推進状況について確認をし、来年度予算確保に向けての総務省の現在のお考えを聞きたいと思っております。  私も昨年の臨時国会よりこの総務委員会に所属をいたしまして、当時は、地方創生キーワード、現在も当然重要なキーワードでございますが、それが本当にセンセーショナルに発表され、さまざまな取り組みが本格化してまいりました。  総務省でも、この地方創生の中で、きょう表で配っておりますが、連携中枢都市圏を構築しよう、また二段目の、定住自立圏を構築しよう、そして最後は、過疎地域集落ネットワーク、小さな拠点をしっかりと守っていこうということで、地域活性化を図る取り組みが行われております。  平成二十七年度、この三つ取り組みについて約六億三千万円の予算がついております。昨年の秋には、自治体間の連携協約ができるように平成二十六年の十一月から行われて、こういった連携がしやすいような運用が始まったというふうに昨年の委員会での私の質問でもお答えをいただきました。  そこで、まずは、この一番上の連携中枢都市圏取り組み状況。具体的に言うと、連携中枢都市圏というのは、地方指定都市の中で中核となる都市、主に人口が二十万人以上いる都市で、昼夜の人口比率がおおむね一以上を満たすような中核となる都市をいいます。これを中心に、周りの自治体連携をして中核都市として機能を果たすということでございます。  現時点でこの要件を満たすのは、全国で六十一の都市が該当するということでございますが、現在の取り組み状況と、具体的な、何か特筆すべき例についてお答えをいただきたいと思っております。
  18. 渕上俊則

    渕上政府参考人 まず、連携中枢都市圏構想取り組み状況についてお答えいたします。  連携中枢都市圏となり得ます六十一都市圏のうち、昨年度に実施いたしましたモデル事業を踏まえまして、現在、四つ都市圏が形成されているところでございます。今後は、昨年度モデル事業を実施した団体のうち、まだ都市圏を形成していない五団体、本年度委託事業を実施いたします十二団体、合わせて十七団体中心に、連携中枢都市圏の形成に向けた検討が進められていくものと考えております。  次に、具体例についてお答えいたします。  都市圏を形成しております四圏域におきまして、まず、圏域全体の経済成長牽引に係る取り組み事例についてでございますけれども、例えば、姫路市におきましては、大型放射光施設SPring8などの最先端科学技術施設を生かした圏域内企業技術革新、新素材及び新製品の開発、また、宮崎市におきましては、圏域全体の回遊性滞在性を確保するための広域観光推進に取り組むことといたしております。  次に、高次都市機能集積強化取り組み事例といたしまして、例えば、福山市におきましては、救命救急センターに指定されております福山市民病院において、がん医療などの高度医療救命救急提供体制充実に向けた取り組みを実施することとしております。  次に、圏域全体の生活関連機能サービス向上の具体的な取り組み事例といたしまして、例えば、倉敷市におきましては、圏域内での保育士確保などを目的とした保育士保育所支援センター設置運営などに積極的に取り組むこととしているところでございます。
  19. 浜地雅一

    浜地委員 ありがとうございます。四つの具体的なお話をいただきました。  こちらの連携中枢都市圏構想予算は二億しかついていないということで、私は、これは二億の中でどうやってやるんだろうと思って総務省の皆さんにお聞きをいたしました。二億の使い道としては、協議会設置とか、民間調査依頼をする、さまざまなコンサルタントに調査を依頼する費用でほとんどこれを消化してしまうわけでございます。  そうなると、逆に、このように連携中枢都市圏を形成したところの都市圏に対する財政的なインセンティブがないとなかなかこれは進まないというふうに思っておりますが、こういった連携中枢都市を形成したところに対する財政的なインセンティブというのはどのようなものがあるのでしょうか。お答えください。
  20. 渕上俊則

    渕上政府参考人 圏域を形成いたします自治体に対するインセンティブとしての交付税措置についてお答えいたします。  連携中枢都市圏を構成いたします市町村のうち、連携中枢都市に対しましては、経済成長牽引高次都市機能集積強化といった機能に着目いたしまして、圏域人口の規模に応じまして普通交付税措置を講じているところでございます。なお、この普通交付税措置は、圏域全体のために連携中枢都市が実施する取り組みに対する支援でございます。また、連携する近隣市町村に対しましても、特別交付税措置を講じているところでございます。  全国で六十一の連携中枢都市圏対象都市圏におかれましては、こういった交付税措置による財政支援を積極的に活用していただきまして、都市圏の形成に積極的に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。
  21. 浜地雅一

    浜地委員 お答えいただきました。普通交付税措置として交付税の配分を多くする、また、特別交付税措置としても措置をしていくということでございます。  私があらかじめお聞きした話によりますと、経済成長牽引について、域内人口が約七十五万人のところには二億円の普通交付税を配分するというふうに聞いております。  ですので、よく、頑張っている自治体には傾斜配分をというような質問をされる委員の方々もいらっしゃいますが、このように、実際には、こういった連携中枢都市を行えば、ある程度財政的なインセンティブをもって、財政的にも総務省措置をしているということが今確認できたわけでございます。  実は、私はこのことを知りませんで、部会等で、こういった連携中枢都市にするのはいいんだけれども、予算が少ないんだけれども、実際、やったところでどういうメリットがあるのというふうにお聞きしましたら、そういう答えが返ってまいりました。  ほとんどの先生は御存じだったかと思うんですが、私は恥ずかしながらこれを知らなかったわけでございますけれども、結構まだ自治体の中でもこういった財政措置インセンティブがあるということを知らないような小さな自治体もあろうかと思っておりますので、私も含め、しっかりPRをしていきたいなというふうに思っております。  次に、定住自立圏についてお聞きをしたいと思います。  私は、この定住自立圏こそがやはり地方の核を支える中心的な存在になるのではないかと思っています。  中心となる都市の要件としては、この表にありますように、人口が大体五万人程度、昼夜人口の比率が一以上で、原則三大都市圏以外のところがこの定住自立圏中心都市になり得る市でございます。  しかし、ここの予算平成二十七年度は〇・三億円ということでございまして、これから聞きますが、どういった財政措置があるかということが問題になろうかと思っています。  当然、先ほど、連携中枢都市ではいわゆる普通交付税や特別交付税が多く配分されるということでございましたので、そういった措置がとられるとは思うんですが、人口五万人程度以上というふうに要件を絞りますと、例えば、私は九州比例でございますけれども、ある宮崎の町は三つにまたがっていまして、大体二万人、二万人、一万人ぐらいの圏域がございます。ですので、この五万人程度以上にいかないので、こういったものがなかなか使いにくいという声もあるんですが、なぜこの人口五万人程度以上という要件を決められたのか。近隣市町村への財政措置と差を設けるわけでございますが、そのことの意味について御質問をしたいと思っております。
  22. 原田淳志

    原田政府参考人 お答えいたします。  定住自立圏構想につきましては、平成二十一年度から推進をしているところでございますが、今議員御指摘のとおり、中心となる市と近隣市町村が協定を締結して圏域を形成するということでございます。  そのようなことから、中心市というところには、生活に必要な都市機能について既に一定の集積があり、近隣市町村の住民もその機能活用しているような都市を想定ということの中から、今お話のありました人口五万人程度以上というのを一つ基準にしているところでございます。  財政的な措置につきましては、この取り組みをする市町村に対しまして地方財政措置を講じておりまして、具体的には特別交付税措置でございまして、中心市には八千五百万円程度、近隣市町村には一千五百万円程度を上限に措置をしているところでございます。  このうち中心市に対しましては、中心市が圏域全体のマネジメントを担うという役割、それと、複数の近隣市町村と相互に役割分担をして連携協力するという中で多くの役割を担うことが多いことも勘案しまして、近隣市町村への財政措置とは差を設けているところでございます。  以上でございます。
  23. 浜地雅一

    浜地委員 ただいまのお答えで、特別交付税措置がこの定住自立圏の認定を受けるとある、特に中心市には八千五百万円程度、近隣市町村には一千五百万円程度の特別交付税措置がされるということでございました。  人口五万人以上に要件を定めているのは、やはりこの中心市が周りの市町村も含めて全体のマネジメントをするという役割を担っているので、とにかく周りの分もこの中心市がお世話をしてあげるんだ、そういったことが必要でございますのでこういったインセンティブがある、かつ、その中心となり得るのは人口五万人程度ということでございますので、またこの取り組みがさらに進んだときには、私もさまざまな市町村また中心都市の意見をお聞きしながら、この要件についてはぜひ議論を深めていきたいと思っております。  次に、過疎地集落ネットワーク圏というのがございます。いわゆる小さな拠点ということで、まさに過疎地、定住自立圏からも外れてしまうような過疎地の集落ネットワークというものも、やはり日本の全体を守っていくためには必要でございます。  この事業は、いわゆる市町村交付税措置をするのではなくて、さまざまな民間の事業体等に対しても、大体一事業当たり二千万円程度の予算を補助率十分の十で補助をしていくという、まさに事業に対する支援でございますけれども、この集落ネットワーク圏形成事業についての具体的な取り組みについて、特筆すべきものがあればお答えをいただきたいと思っております。
  24. 原田淳志

    原田政府参考人 お答えいたします。  集落ネットワーク圏形成支援事業につきましては、過疎地域での集落機能の低下、それと生活維持が困難になる集落が増加しているということを背景にしまして、複数の集落で連携をして圏域全体を活性化していく取り組み支援していきたいということで、本年度から進めておる事業でございます。委員指摘ありましたように、この事業は、交付金でございますので、十分の十の予算措置ということになっておるところでございます。  今年度は四十件の事業を採択しておりますけれども、具体的な例を一つ二つ申し上げますと、岡山県津山市のあば村集落ネットワーク圏では、地区唯一のガソリンスタンドが撤退する中で、住民出資の合同会社がガソリンスタンドを継承する取り組みとか、閉校した小学校を農産加工、交流施設とするための取り組みなどについて支援をしておるところでございますし、鹿児島県の垂水市の大野地区集落ネットワーク圏では、地域の特産品であるつらさげ芋の生産体制の強化やブランド化の取り組みといったようなものを支援しているところでございまして、さまざま地域課題に応じた取り組みをされていると承知しております。
  25. 浜地雅一

    浜地委員 もう時間がないので、最後質問にいたします。大臣に御質問いたします。  今、いわゆる連携中枢都市等地方創生のためのまちづくりについては、普通交付税の配分をまたふやす、そして先ほどもお話ありました特別交付税措置もしていくという話がありました。  先ほど、特別交付税はやはり災害に備えてしっかり予算を確保してほしいという高木委員のお声もありましたが、逆に、こういった集落ネットワークにも特別交付税措置していかなきゃいけない。そして、先ほどの小さな拠点の集落ネットワークには、補助事業として四億ついておりますけれども、やはり特別交付税のしっかりとした確保と、こういった事業に対する補助をしっかりと確保していくという意味で、来年度予算、非常に重要だと思っております。  その来年度予算確保に向けての大臣の所見をお聞きしまして、最後質問にいたします。
  26. 高市早苗

    高市国務大臣 もう委員がおっしゃっていただいたとおり、この時期に単独の市町村でフルセットのサービスを展開するというよりは、複数の自治体役割分担、連携を図ることは非常に重要でありますので、細かいことは飛ばしますが、来年度予算に向けて概算要求の作業を進めております中で、今年度の当初よりもかなり大幅にふやした金額で要求をさせていただきます。御協力よろしくお願いいたします。
  27. 浜地雅一

    浜地委員 ありがとうございました。
  28. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 次に、逢坂誠二君。
  29. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。  なかなか委員会が開かれなくて、お話ししたいことがたくさんあったんですけれども、きょうは久々の委員会開催ということで、大臣、よろしくお願いいたします。  まず最初に、来年の三月、北海道新幹線がいよいよ開通いたします。新青森から新函館北斗まで百四十九キロに及ぶ区間が新たに開通されて、北海道にもいよいよ新幹線が来るということで、多くの道民の皆さんが待ち望んだ開業でございます。  ところが、この北海道新幹線、百四十九キロのうち、今お手元に紙を配らせていただきましたけれども、実は九十七キロがトンネルでございます。全体の六五%がトンネル。トンネルの箇所数でいいますと、三十カ所ということになっているわけです。  そこで、ちょっと総務省にお伺いしたいんですけれども、この区間の情報通信、移動通信ですね、携帯電話あるいはデータ通信、これがどういう状況になっているのか、状況だけ、まず御説明ください。
  30. 福岡徹

    福岡政府参考人 お答えをいたします。  先生今御指摘の、今年度末開業予定の北海道新幹線のトンネルの状況につきましては御指摘があったとおりでございまして、私どももその点につきましては把握をしてございます。  一般に、鉄道、道路網を含めまして、トンネルの場合にはやはりある程度距離がございますので、トンネルに入りますと、御案内のとおり、携帯電話を受信できる設備を設置しないと携帯電話の通信ができないという状況でございます。  詳細は省かせていただきますけれども、そういうことの対策につきましては、これまで東海道新幹線初め順次取り組んできているところでございますけれども、北海道新幹線につきましては、まだほかの新幹線ですら全部できていない状況でございますので、正直申し上げましてこれからの取り組みとなりますけれども、その点につきましては十分留意してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  31. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 今お話がありましたとおり、トンネルの中は携帯電話が通じない。それから、私が地元でいろいろ聞きましたところ、トンネル以外のところでも、この北海道新幹線の区間では携帯電話が通じないところがあるというふうにも聞いております。  したがいまして、せっかく北海道新幹線ができても、そこの区間でデータ通信あるいは携帯電話が使えないということになるわけですが、現在、新幹線の利用というのは、大づかみで一日八十万人とか百万人とかいう方が新幹線を利用しているというような状況でございます。  それから、新幹線は五分乗ってすぐおりるというようなものでは必ずしもなくて、どちらかといえば、長い時間乗車される方も多いというふうに思います。  こういう時間の中で、データ通信あるいは携帯電話が使えるということは、ビジネスの上でも、あるいは観光客の皆さんがこれから訪問する土地のいろいろなことを調べるという意味でも、非常に大事なことなんだろうというふうに思います。  そこで、改めて総務省にお伺いしますけれども、これまで具体的にどんな方法でトンネルの中などの情報通信を確保するための対策をやってきたのか。今後の見通し、先ほど若干言及いただきましたけれども、簡潔にお話しいただけるとありがたいです。
  32. 福岡徹

    福岡政府参考人 まず、一般的に、携帯電話のエリアの整備につきましては、競争原理下での民間事業者による整備を基本としておりますが、トンネルなどの電波遮蔽空間につきましては、携帯電話事業者などが会員となっております公益社団法人がございます、移動通信基盤整備協会と申しますが、ここがトンネルの施設管理者と協議をして設備の設置を進めてきているところでございます。  新幹線トンネルの不感対策につきましては、国の補助事業でございます電波遮へい対策事業により順次対策を実施してきてございます。  現状を簡単に申し上げますと、東海道新幹線は全区間、山陽新幹線及び東北新幹線はおおむねの区間で携帯電話の利用が可能な状況でございますが、九州新幹線はごく一部、北陸新幹線は一部対策中、それから上越新幹線は今のところ手つかずという状況でございます。  したがいまして、北海道新幹線のトンネルにつきまして、これからの取り組みとなりますので、今後、今申し上げました社団法人やJR北海道あるいは携帯電話事業者との間で十分に検討を進めていきたいということでございます。
  33. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 大臣、二〇二〇年にはオリンピックも開催されます。また、今以上に大勢の外国人も日本にいらっしゃるだろう。そして、オリンピックを機会に全国をいろいろ回っていただける。その際に新幹線を利用するという方も少なくはないんだと思いますけれども、新幹線の携帯電話あるいはデータ通信対策というのは私は極めて大事だと思うんですね。先ほども言いましたとおり、一日に八十万とも百万とも言われる方が利用しているわけでございますので、ぜひ大臣、ここの整備を一生懸命やっていただくということで、大臣のお考えを一言お伺いできますでしょうか。
  34. 高市早苗

    高市国務大臣 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、外国人観光客の皆様のおもてなしももちろん、それから、やはり私たち国民も多く利用しております携帯電話でございますので、新幹線のトンネルにおいても携帯電話が利用できるようにすることは大変重要だと思っております。  総務省としては、JR、携帯電話事業者等の意向も踏まえながら、今後も電波遮へい対策事業の予算確保に努めてまいります。特に、概算要求の作業中でありますけれども、予算に関しましても、今年度の当初に比べかなり大きな金額を要求する予定でございます。
  35. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 ぜひ大臣、大きな金額を要求して頑張っていただきたいと思います。  それでは次に、マイナンバーのことについてお伺いをします。  この十月からいよいよマイナンバーの通知という具体的な作業がスタートするわけですが、ここで幾つか懸念といいましょうか、特に、DVなどの被害を受けている方から、このマイナンバーの通知に当たって、自分のマイナンバーが漏れるんじゃないかとか、あるいは、漏れないでうまく自分に通知が来たとしても、その後、加害者にまた再度それを見られてしまうのではないかといったような不安の声がたくさん届けられておりますので、後半の時間はこの点についてお伺いをします。  まず一つ、DV等の被害者の方が、今、住民票記載以外の場所に住んでいる、どうしても住まざるを得ないという方がいらっしゃるわけですが、こういう方々にマイナンバーを送付するための手続、これを簡潔に説明していただきたいと思います。  あわせて、添付書類。これは、お伺いしますと、本人確認書類と居所の確認書類、この二つでよいというふうには聞いているんですが、居所確認書類、そもそもそれを提出できないという方もいらっしゃるかと思います。さらにはまた、DV被害者の方は、自分が役所などへ出向いて届け出もできないというケースもあろうかと思いますので、シェルター管理者などの方が一括してこれができるかどうか、この点あわせて簡潔に説明いただければと思います。
  36. 渕上俊則

    渕上政府参考人 手続についてお答えいたします。  東日本大震災の被災者の方やDV等の被害者の方、ひとり暮らしで長期間、医療機関、施設等に入院、入所している方など、やむを得ない理由によりまして住民票の住所地で受け取ることができない方につきましては、居所を登録いただきまして、その居所に通知カードを送付することといたしております。  具体的な手続でございますけれども、八月二十四日から九月二十五日までの間に、申請書に居所情報及びやむを得ない理由などを記載していただきまして、本人確認書類などを添えて、住民票のある市区町村に持参もしくは郵送により申請していただくことにしております。  次に、居所を確認する書類が提出できない場合の対策についてお答えいたします。  被害者の安全確保の観点から、施設の所在地を明らかにできないような場合につきましては、当該施設において保護していることについての保護実施主体の証明があれば、申請を受け付けることができることとしております。  次に、申請者についてでございますが、シェルターの管理者に委任をしていただければ、一括してシェルターの管理者が申請を行うことも可能でございます。
  37. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 ありがとうございました。  こうした方法があるということをまだ全国では知らない方もいらっしゃるようにも聞いておりますので、ぜひ周知をしっかりしていただきたいと思います。  それから次ですが、今は通常の生活を営んでいる、そしてマイナンバーの通知も受けた、そういう方が後の事情の変化によってDV被害者などになり得るということは十分に想定されるわけですが、そういう事情変更があった場合、マイナンバーを変更できるのかどうかということとあわせて、その際の添付書類ですね。変更はできるけれども添付書類が山のようにあって事実上なかなか大変だということでは、これはうまくいかないと思うんですけれども、添付書類などについてもあわせてマイナンバーの変更とともに説明をいただけますでしょうか。
  38. 渕上俊則

    渕上政府参考人 番号法の七条二項の規定によりますと、市区町村は、個人番号が漏えいして不正に用いられるおそれがあると認められるときは、本人の請求または職権によりまして、個人番号の変更ができることとされております。お尋ねの件につきましては、この規定に該当するのではないかと考えております。  添付書類につきましては、変更前の通知カード、そして運転免許証等の本人確認書類等の添付が必要となります。
  39. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 ということは、さほど複雑な添付書類がなくてもやれるということで、うなずいていただきましたけれども、それでよろしいということでしょうか。はい、わかりました。  それでは次に、DV被害者などの方が加害配偶者などに知られることなくマイナンバーを取得した、そういう場合であっても、住民票上同居になっていれば、当然、加害配偶者は住民票の閲覧の請求などができるというふうに思われるわけですが、そうなってしまいますと、マイナンバーが加害者の方へ漏れてしまうということになってしまいますが、この場合の何らかの対策、DV等の被害者を保護する措置はあるんでしょうか。
  40. 渕上俊則

    渕上政府参考人 お答えいたします。  お尋ねのケースにつきましては、まず、住民票を異動していただきまして、あわせて、異動先の市区町村に対しまして支援措置を申し出ることによりまして、住民票の写しの交付などの制限ができますので、そういった手続を踏んでいただくのが適当ではないかと思っております。
  41. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 別の手続をすれば何とかなるということは今の話でわかりましたけれども、すなわち、もっとストレートにお答えいただきたいんですけれども、住民票上世帯が一緒になっていれば、加害配偶者の閲覧の権利を制限することはできないので、マイナンバーが漏れてしまうということで理解してよろしいでしょうか。
  42. 渕上俊則

    渕上政府参考人 法律上、住民票に記載されました同一世帯の者は、それを集めるということについては禁じられておりませんので、御指摘のとおりでございます。
  43. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 それでは、DV被害者などの方々は、どうしても住民票を異動することによってでなければ、マイナンバーの流出、加害者への流出が防御できないということになるわけです。  そこで、改めて、先ほど一部御答弁もいただきましたけれども、DV被害者などが世帯を分離して、安全な地域といいましょうか安全な居所に住民票を異動した後、住民票を閲覧できないようにする制度について若干説明をいただきたい。  あわせて、その際に、住民票の閲覧制限、まさに現に新しい住所で作成される住民票の閲覧制限。加えて、戸籍の付票、これは本籍地にあるわけですが、そこには住所の移転状況が全部書いてあるわけですので、これの閲覧制限。さらには、前住所地においては住民票の除票が五年間残されることになっております。この除票にもマイナンバーが記されているというふうにも思いますし、これは法律上規定があるかないかわかりませんけれども、新しくなったマイナンバー、変更したマイナンバーをそこに書くというような自治体も場合によってはあるのかもしれないわけですが、そういうようなところについても制限ができるのかどうか、一度の手続でできるのかどうか、御答弁願います。
  44. 渕上俊則

    渕上政府参考人 支援措置についてお答えいたします。  住民票の異動後の市区町村に対しまして、相談機関、警察、配偶者暴力相談支援センターなどでございますけれども、これらの相談機関の意見を付した上で、加害者への住民票の写し、戸籍の付票の写し、これらの除票の写しを含む交付の制限をすることは可能でございます。
  45. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 ということは、一度の手続で、今私が言いました住民票、戸籍の付票それから住民票の除票、これらについての閲覧制限が可能だという理解でよろしいですね。はい。  それでは次に、今お話がございましたけれども、DV等支援措置手続です。  警察や配偶者暴力相談支援センター、あるいは法テラス、こういったところに相談をして、事情を確認いただいた上で申請をするということでありますけれども、お聞きしますと、全国で多少対応にばらつきがあるのではないかといったような声も聞くわけであります。それぞれの機関において対応がちょっと違っているとか、あるいは自治体ごとに対応が違うというようなことになれば、これは相談者の方もまごつくということになりますので、ぜひ、警察などの関連団体あるいは各自治体、それらで迅速かつ統一的に対応が行われるように、総務省としても対応いただきたいというふうに思います。  あわせて、DV被害者などの皆さんが、今回、このマイナンバー制度の実施によっていろいろと心配事を抱えられているというふうにも思いますので、専門の相談窓口、これを設置する予定があるかないか、この点についてもお伺いします。
  46. 渕上俊則

    渕上政府参考人 DV等の支援措置につきましては、平成十六年以降、関係する法令や事務処理要領などによりまして、全国で統一的に運用するように要請してきているものでございます。  今後とも、さらにDV等の支援措置が迅速かつ統一的に実施されるように、改めて周知徹底を図りたいというふうに思っております。  次に、相談窓口の件でございますけれども、マイナンバー制度の導入に合わせた新たな窓口を設置することは考えておりませんけれども、御指摘のありましたような、法テラス、配偶者暴力相談支援センター、行政相談窓口、それから法務局の人権相談窓口などにつきまして可能な限りの対応をいただくようにお願いしているところでございます。
  47. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 相談窓口の件については、ぜひ、丁寧に相談を受け付けるように、総務省としても対応いただきたいというふうに思います。  最後に、大臣にお伺いします。  きょう、マイナンバーの実施に伴って幾つか懸念されることを改めて確認の意味でお伺いさせていただきました。実際始めてみると、想定していなかった課題や問題が出ることも場合によってはあり得るというふうに思いますけれども、それがないことがもちろん一番望ましいわけですが、そういった不適切な状況にならないようにぜひ大臣の指導力も発揮していただきたいと思うわけでありますけれども、この点について、大臣のお考え、意気込み、お知らせいただければと思います。
  48. 高市早苗

    高市国務大臣 やはり私自身も、逢坂委員と同じように、このマイナンバーの通知カード発送に際しまして起こり得るさまざまな問題について考えました。  特に、DV等の被害者であったり、あと、東日本大震災によって被災されて、やむを得ない状況で別の場所に避難しておられる方、長期間にわたって医療機関、施設などに入所しておられる方、そういった方が住民票の住所地と別の場所で、今いらっしゃる場所で受け取れるようにするということと、それから個人情報がしっかりと守られるということに心を砕いてきたつもりです。  登録対象者だけじゃなくて、その法定代理人、また任意の代理人の方が申請されることもできますし、申請書そのものも総務省のホームページからもダウンロードできるようにしております。  そしてまた、多くの団体に対して、特に都道府県、市区町村、それからさまざまなDV被害者等への支援を行っておられる関係機関などにも御協力をお願いいたしているところでございますので、遺漏なきよう努めてまいります。
  49. 逢坂誠二

    ○逢坂委員 それでは、大臣、ぜひよろしくお願いします。  それで、最後に一言、委員長に。  せっかく国会の会期が長期間延長されまして、総務委員会の開催が必ずしも会期延長ほどに回数がないのではないかという印象も持っておりますので、ぜひ委員長にも総務委員会をしっかり開催していただくようにお願い申し上げまして、終わらせていただきます。  ありがとうございます。
  50. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 次に、福田昭夫君。
  51. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。  本日は、一般質疑ということなので、先日の地方創生特に続きまして、普天間飛行場代替施設建設事業にかかわるキャンプ・シュワブ海域の工事にかかわる海底面の現状を変更する行為の全ての停止の指示の取り消しを求める審査請求について質問をさせていただきます。  このことについては、御案内のとおり、三月の二十三日、沖縄県の翁長知事が防衛省に作業停止を指示いたしました。翌三月二十四日、防衛省は、指示の取り消しと、審査結果が出るまでの指示の効力をとめる、執行停止の申し立てをいたしました。  執行停止につきましては、三月三十日、農水大臣がその停止を決定いたしまして、裁決をいたしました。防衛省の訴えを認めました。  一方、取り消しについては、四月の二十二日、県が農相に弁明書を提出。五月二十八日には、防衛省が農水大臣に反論書を提出。その後、またやりとりがあるようでありますけれども、まだ農水大臣からは裁決が出ない。そういう状態になっている話でございます。  そこで、本日は、まず初めに、質問の順番を変えて、二番目の方の、普天間飛行場の代替施設の必要性についてお尋ねをします。  一つ目は、沖縄に米軍海兵隊は必要なのかどうか。  六月二十三日、朝日新聞のインタビューに答えて、元駐日大使のアマコストさんがこのように述べております。  沖縄に駐留する海兵隊が死活的に重要なものだとは私には思えません、嘉手納と同様の決定的な役割を海兵隊が担っているという、納得のいく説明を私は聞いたことがありませんと。  それで、さらに沖縄における反対運動は広範で、選挙区から選ばれた国会議員と知事、名護市長の全員が反対している、これほど高い政治的コストに比べて、海兵隊基地の戦略的な価値はどれほどあるのでしょうか、こう述べております。  さらに、この移設計画を実行する価値があるのか、私の疑問は依然として残っています、基地周辺の住民の善意に頼っている現状は不幸なことであり、もし移設を強行すれば、嘉手納のような重要な基地すら住民の反発というリスクにさらされるおそれがあります、もちろん、普天間に加えて、沖縄の海兵隊駐留そのものを減らす必要があります、グアムへの移設が主に考えられますが、一時的なオーストラリアへの移転、フィリピンへの訓練移転、ハワイ、米西海岸への帰還などもあり得るでしょう、十九年間も解決されなかった問題を解くには、難しい決断も必要ですと。  このように元駐日大使のマイケル・アマコストさんが述べております。  本当に海兵隊は沖縄に必要なんでしょうか。イエスかノーでお答えください。
  52. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 戦略の要衝たる沖縄への米海兵隊の駐留というのは、沖縄を含む我が国の平和と安全を確保する上で必要不可欠なものだというふうに認識しております。
  53. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 必要だということでありますけれども、二つ目は、今回の日米防衛新ガイドラインと離島防衛についてであります。  今回改定した新ガイドラインでは、離島防衛は自衛隊が主体、米軍は支援、補完と書いてありますけれども、では、沖縄の海兵隊は何をするんですか。簡潔にお答えください。
  54. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 お答え申し上げます。  我が国の国土は非常に多くの島嶼を有しておりまして、我が国の平和と安全を確保する上で、島嶼防衛というのは非常に重要な課題でございます。  御指摘ございました、本年四月に策定されました新しい日米のガイドラインにおいても、御指摘のように、自衛隊は、島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻止、排除するための作戦を主体的に実施し、必要に応じ、島嶼を奪回するための作戦を実施することとしています。また、米軍は、自衛隊が行うこれらの作戦を支援、補完するための作戦を実施するということになってございます。  自衛隊と米軍の共同作戦の具体的な態様につきましては、現実の事象に即しましてさまざまであるので、島嶼防衛における米海兵隊の具体的態様について一概に申し上げることはできませんが、例えば、在沖海兵隊は、ヘリコプターに陸上要員を乗せて現場に急行するなど、そのすぐれた機動性、即応性及び水陸両用作戦能力を生かした作戦を実施し、島嶼防衛において極めて重要な役割を果たすことが可能であるというふうに考えてございます。
  55. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 しかし、そんなことはガイドラインに書いていないじゃないですか。それはあくまでも希望ということですね。  それでは、三つ目は、普天間基地はテニアン島に移転せよということであります。  二〇一〇年、平成二十二年ですけれども、アメリカの自治領である北マリアナ諸島上院議会が全会一致で普天間飛行場の移設先としてテニアン島への誘致を可決したそうであります。そして、この可決を踏まえて、実は、二〇一〇年六月ごろだと思いますけれども、グアムとテニアンの両知事が、当時の鳩山総理に、ぜひ我々が誘致をしたいということで日本に来ていたそうでありますが、そのことを防衛省は御存じですか。
  56. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 お答え申し上げます。  民主党政権時の平成二十二年五月、北マリアナ諸島連邦の上院議会及び下院議会が、それぞれ全会一致で、普天間飛行場の移設先として北マリアナを検討するよう求める誘致決議を行ったことは承知しております。  しかしながら、同政権時におきまして、ほかにも沖縄県外を移設先とするさまざまな案が検討され、その際、例えば、大村空港などの九州における自衛隊基地ですとか佐賀空港、さらに、グアム、テニアン、徳之島など、数え方にもよりますけれども、約六十の案について検討されましたが、結局、辺野古が唯一の有効な解決策であるということが再確認されているということも御理解いただきたいと思います。
  57. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 辺野古が唯一の解決策じゃないじゃないですか。グアム、テニアンがぜひ引き受けると言っているのに、喜んで引き受けるところになぜ持っていかないんですか。海兵隊が二千人ぐらい沖縄に残ったって抑止力にならないということは、元防衛省のOB、重要な人もそういう話をしております。  しかも、これは吉田健正さんという方の本でありますけれども、ここで吉田健正さんは、いろいろ調査した上で、こんなことを述べております。  ここで当然起きる疑問は、既に沖縄に総面積二万三千三百ヘクタールにも上る三十四もの軍事施設を置き、海兵隊一万二千人、空軍五千九百人、海軍千三百人、陸軍千七百人を駐留させている米国が、なぜグアムにほぼ似た機能を持つ軍事拠点を建設するのかという疑問が残る。  米国としては、アジア太平洋の軍事拠点をハワイと沖縄だけでなくグアムにも置いた方が、米国や同盟国の安全保障、対テロ防衛、将兵の訓練、展開、休暇、後方支援などのために都合がよい。万が一、沖縄から撤去せざるを得なくなったときに備えるためにも、自国領グアムに訓練基地を建設し、部隊とその家族を駐留させたい。それは、米国が進めている米軍再編、変革計画ともマッチする。しかも、グアムにおける施設やインフラの整備費は、算定額百二・七億ドルのうち六十・九億ドルを日本政府が負担するというのだから、米国としては公然と他人のまわしで相撲がとれるわけだ。沖縄の基地問題を幾らかでも緩和する一方で、自衛隊がグアムやテニアンの米軍基地を利用して共同演習ができるようになれば、日米同盟を強化したい日本政府にとっても都合がよいはずだ。  沖縄出身のジャーナリスト、元大学の教授も務めたようでありますが、吉田健正さんは、「沖縄の海兵隊はグアムへ行く」という本の中でこのように述べております。  したがって、出した結論は、どうもしっかりと検討した上に行われたとはとても思えない。辺野古が唯一の解決策ではないということを申し上げて、次の質問に入りたいと思います。  次に、普天間飛行場の代替施設の建設についてであります。  一つ目は、普天間飛行場の代替施設の建設は防衛省の仕事ですか、違いますか。イエスかノーで答えてください。
  58. 山本達夫

    山本政府参考人 お答え申し上げます。  普天間飛行場代替施設の建設は、防衛省設置法に基づきまして、防衛省の地方支分部局でございます沖縄防衛局において実施をしております。
  59. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 そうすると、これは、防衛省の仕事だということは、まさに防衛省の固有の事務ということになります。  二つ目でありますが、海底面の現状を変更する行為の全てを停止されると国はどういう損害をこうむるのか、具体的にお答えください。
  60. 山本達夫

    山本政府参考人 お答え申し上げます。  沖縄防衛局は、現在、沖縄県知事からの岩礁破砕等許可を受け、キャンプ・シュワブ海域において海上ボーリング調査を行っているところ、海底面の現状を変更する行為の全てを停止された場合、海上ボーリング調査を一旦停止せざるを得ず、これにより、資機材を一旦撤去し、再搬入する必要が生じることから、同調査の再開までに数カ月のおくれが生じること、また、これに加えまして、契約済みの護岸工事の請負者の準備作業が行えず、さらに数カ月から年単位のおくれが生ずることなどの損害等が生ずるものと考えております。  これらの結果として生じます移設事業のおくれは普天間飛行場の返還の大幅なおくれに直結するところであり、そのおくれの間、普天間飛行場周辺の住民の皆様方は騒音等にさらされ続けることになること、また、日米両国の合意に基づく移設事業のおくれは、日米両国間の信頼関係に回復が困難なほど悪影響が及ぶ可能性があり、外交、防衛上重大な損害が生じることになるというふうに考えております。
  61. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 今、山本地方協力局次長が話をしてくれたことは、これは全て、公、国の損害ですね。私人、私がこうむる損害ではありませんね。  それでは、三つ目は、行政不服審査法に規定する「固有の資格」はどういうものですかということでありますが、私が先に読み上げますので、イエスかノーかでお答えください。  総務省行政管理局がことしの四月にまとめた行政不服審査法の逐条解説には、「「固有の資格」の概念は、旧法第五十七条第四項と同内容であり、「一般私人が立ちえないような立場にある状態」を指すものとされる」、こう書いてあります。  つまり、一般私人では立ち得ないような立場にある状態、したがって、今回、沖縄防衛局が普天間飛行場の代替施設をつくるということは、防衛省の固有の事務です。一般人は立ち得ません。このことについて、このとおりでよろしいですか。イエスかノーかで答えてください。
  62. 上村進

    上村政府参考人 お答え申し上げます。  今委員がお読みいただきました逐条解説はそのとおりでございまして、行政不服審査法の一般の解釈でございますが、この一般の解釈におきまして、固有の資格、これは一般私人が立ち得ないような立場にある状態を指す。委員の御指摘のとおりでございます。
  63. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 ということは、まさに、今防衛省が認めたように、普天間施設の代替施設は防衛省の仕事、固有の事務であります。  したがって、今回、行政不服審査法に基づいて不服審査請求をしておりますが、防衛省にはその資格がないということになります。資格がない者が申請を出して、それを農水大臣が裁決するという権限はないということであります。農水省、いかがですか。
  64. 浅川京子

    浅川政府参考人 お答え申し上げます。  一般に、国や地方自治体の機関が、その固有の資格においてでなく、一般私人と同様の立場で処分を受ける場合には、行政不服審査法に基づく不服申し立ての資格を有すると解されると承知しております。  沖縄県漁業調整規則第三十九条は、岩礁破砕を行うに当たって必要な許可について、国が事業者である場合を特に除外しておりません。  このように、国が事業者である場合も沖縄県知事の許可が必要であることは、私人が事業者である場合と変わりがなく、沖縄防衛局にも申立人の適格が認められると考えております。  したがいまして、審査庁たる農林水産省としては、本件審査請求に対し、法令に基づいて適切に対処してまいりたいと考えております。
  65. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 それはおかしいんじゃないですか。  では、何のために埋め立てをするんですか、その目的は何ですか。農水省。
  66. 浅川京子

    浅川政府参考人 この工事の目的でございますけれども、普天間飛行場周辺住民に対する危険性や騒音の除去等であり、工事がおくれるということにより、これらの危険性や騒音の継続、日米両国間の信頼関係への悪影響が生ずるということで、私どもは、その申し立てを相当と認めたところでございます。
  67. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 農水省がこの間執行停止した裁決書、これを持っているんですけれども、この「執行停止の要件該当性について」、その理由を読むと、先ほど次長が答弁をしたように、こうむる損害は国の損害なんですよ。私人の損害じゃない。  「審査請求人が行う普天間飛行場代替施設建設事業が大幅に遅れることとなるため、普天間飛行場周辺住民に対する危険性や騒音の継続による損害、日米両国間の信頼関係への悪影響による外交・防衛上の損害等といった回復困難で重大な損害が生じ、当該損害を避ける緊急性があるとする審査請求人の申立ては相当であると認められる。」  これは公の理由じゃないですか。これは私の理由になりますか、農水省。
  68. 浅川京子

    浅川政府参考人 お答え申し上げます。  まず、執行停止の要件のうち、処分による損害については、処分の内容や審査請求人の行う行為の目的によってさまざまでございまして、必ずしも審査庁、農林水産省の所掌に限定されるものではないと考えております。  また、沖縄県の漁業調整規則第三十九条は、岩礁破砕を行うに当たって必要な許可について、国が事業者である場合を特に除外しておりませんので、私どもは固有の資格はないと認定したものでございます。
  69. 福田昭夫

    ○福田(昭)委員 それは全くの詭弁で、要するに、国の固有の事務はこの行政不服審査法や手続法からは除外されている、そこを、木を見て森を見ない議論をしているのが農水省の議論であって、とんでもない話だと思います。沖縄に海兵隊が要らないということになれば、法律破りまでして認める必要はない、私はそう思います。  そろそろ時間が来ますので、終わりにまとめたいと思いますが、残念ながら、我が国は、戦後七十年、戦後処理を行ってこなかった。少なくとも、米ソの冷戦構造が終わった時点でやはり戦後処理を行うべきだったと私は考えております。  今いろいろ問題になっている南沙諸島の近くのフィリピンでありますけれども、フィリピンでは、太平洋戦争が終わった後、米軍は一旦全て撤退してもらった。しかし、やはり心配だということで、米軍に、必要な箇所、帰ってきてもらっているというのが現状であります。  そうしたことを考えれば、我が国も、改めて米軍基地の必要性あるいは日米地位協定の公平性、平等性などについてゼロベースで議論をして、少なくとも、ことしは戦後七十年ですけれども、戦後百年にはやはり日米関係をすっきりしたものにする必要があるんじゃないでしょうか。  それこそ、今回のいろいろな対応についても、米国の属国になったのかとかいろいろな批判がされております。あるいは、アメリカに守ってもらっているんだからしようがない、そんな話も元国の役人などからも聞きます。そうしたことが言われないように、戦後百年に向けて、やはり日米関係をもっとすっきりしたものにしていく。  そうしたことを提言して、ぜひ高市大臣には、菅官房長官初め関係の二大臣、農水大臣、防衛大臣にもしっかり伝えていただいて、沖縄をしっかり解決していく。そういうことで、総務大臣は、この行政不服審査法、手続法を所管する大臣として、その責任は大きいと思いますから、ぜひその解決策をお願いして、私の質問を終わります。  以上です。
  70. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 次に、高井崇志君。
  71. 高井崇志

    ○高井委員 維新の党の高井崇志でございます。  きょうは、久しぶりの総務委員会ということで、聞きたいことが山ほどあるんですけれども。  ただ、質問に入る前に一つ紹介したいことがあって、それは、総務省行政管理局の行政情報システム課に先日、見学に行かせていただきました。大変すばらしいですね。  オフィスがペーパーレス化されている。課長が、普通であれば窓際に座っているのが常識なんですけれども、何と一番入り口のところに座っていて、そして、係員さん、課長補佐、係長さんと同じ丸テーブルに座っていて、自分のデスクはもうない。ロッカーがあって、そこに書類は置いていて、まさに、今IT企業を中心に、民間企業では随分進んでいますけれども、フリーデスク、ペーパーレス化。説明を聞きましたら、これによって文書の八割が減っている、あとコピーも半減した、あと一人当たりの床面積は一七%減ったと。  私は、非常にすばらしい、私も総務省に勤めていたんですけれども、そのときとはもう考えられない進化で、これはもうぜひもっともっとPRしていただきたいし、行政情報システム課だけじゃなくて、できるだけ総務省全体でいち早く取り組めば、これが日本全体に広がっていくし、これは省エネ化にもつながる。もう本当に世界の潮流ですから、霞が関だけがおくれていると言われない、むしろ霞が関が先頭に立って、総務省が先頭に立ってやっていけるようになれたらいいなと思っていますので、そこだけちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。  それでは、質問に入ります。  まずは、サイバーセキュリティーの問題です。  日本年金機構の情報漏えい事件が五月末から六月頭に発覚いたしまして、私は、ちょうど六月三日のその日に内閣委員会がありましたので、その日以降、実に七回、内閣委員会は七回この間開かれたんですが、七回ともこのサイバーセキュリティーについて質問してまいりました。  私は、日本年金機構が悪いとか厚生労働省が悪いという質問はしていません。これは氷山の一角で、どこにでも起こり得る話だ、むしろ我が国全体のサイバーセキュリティーにとって極めて重大な問題であると思っていまして、特に一番問題なのは地方自治体だと思っています。  ちょうど六月二日のブログで、神戸市長の久元市長、総務省の出身でございますが、こう書いています。年金機構どころじゃない、地方自治体の方が個人情報をいっぱい持っているんだから、我々はしっかり気を引き締めて対応しなければならない。本当にそのとおりだなと思って、そういったことも内閣委員会質問して、副大臣には何度かお越しをいただいておりますけれども、きょうは総務委員会で改めてお聞きをしたいと思います。  私が七回にわたって内閣委員会質問し、総務省からも副大臣以下に来ていただいて、それが功を奏したかわかりませんけれども、総務省の方でも、地方自治体のセキュリティー対策についてはかなり本気で取り組んでいただき、検討会のようなものを開かれたという新聞報道なども見ましたけれども、今後、地方自治体のセキュリティー対策について、総務省としてどのように取り組んでいくお考えか、まずお聞かせください。
  72. 二之湯智

    二之湯大臣 自治体における情報セキュリティー対策につきましては、本年三月に、標的型攻撃に対する対策等を加えて、地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを改定し、その強化を図ったところであります。  今般の日本年金機構における事案は、自治体にとって改めて重大な警鐘となりまして、直ちに、緊急時の対応体制やシステム、ネットワークの総点検を各自治体にお願いしたところであります。  総務省においても、自治体の情報セキュリティーに係る抜本的な対策を検討するために、専門家や実務家から構成される自治体情報セキュリティ対策検討チームを立ち上げ、この八月十二日には中間報告が取りまとめられました。  この報告を受けまして、インシデント発生時におけるNISCまでの連絡ルートの強化や、緊急時対応計画の見直しと訓練の徹底等を図るとともに、インシデント情報の共有や情報セキュリティー専門人材、これは民間人も含めて、ノウハウを自治体の対策に生かす仕組み等を鋭意推進しているところであります。  今後とも、NISCを初め、関係機関連携しながら、自治体における情報セキュリティー対策の充実に努めてまいりたいと思います。
  73. 高井崇志

    ○高井委員 私は、当初から問題視したのは、今のサイバーセキュリティ基本法というこの法律のたてつけでは、内閣官房にサイバーセキュリティセンター、NISCという組織があって、実はこの組織が、今、年金機構のような特殊法人は実際に監視とか監査ができない。厚生労働省を通じてしかできないから、今回の問題もなかなか迅速に対応できなかった。  自治体も同じような構造になっていて、地方自治体に直接、監視、監査はNISCは行えない。総務省を経由してやるんだということなので、だったら、では、総務省の体制がしっかりしていないと、そういうサイバーセキュリティーの専門家とかがいなくて、千七百以上ある自治体のセキュリティーをどうやってやるんだという質問をしたら、地域情報政策室という七人の室がやっています、サイバーセキュリティーの専門家はゼロですというのが一番最初の答えだったんです。  その後、多少改善はされているのではないかと思いますが、私は、今千七百八十八ですか、この地方自治体を全て見ていくためにはとてもその人数では足りないと思うし、もっと言えば、総務省がそもそもやるのには無理があるんじゃないか。やはり内閣官房、NISCに強力な専門家集団が百名体制でいるわけですから、そこがもっと地方自治体のことも直接かかわっていく。そのためには法律改正が必要なので、実は我々維新の党は参議院に、サイバーセキュリティ基本法の改正案、地方自治体にNISCがもっと関与できる、そういう改正案を出しています。  いずれにしても、もっとNISCと連携強化する、あるいは総務省の体制を強化するということが絶対に必要だと思いますけれども、総務省はいかがお考えでしょうか。
  74. 二之湯智

    二之湯大臣 委員指摘のとおり、地方公共団体の情報セキュリティー対策を効果的に推進するためには、民間の有識者などを含めて、専門的な知識を有する人材の活用が重要と認識しております。  総務省においては、情報セキュリティーに係る専門家や実務家から構成される自治体情報セキュリティ対策検討チームの中間報告を踏まえまして、NISCとの連携を深めながら、インシデント発生時におけるNISCまでの連絡ルートの強化を図るとともに、インシデント情報の共有、マニュアルの策定や自治体の問い合わせ対応の充実等、情報セキュリティー専門人材のノウハウを自治体の対策に生かす仕組みづくりを鋭意推進しているところであります。  今後においても、NISCや関係機関との密接な連携を図ることによりまして、情報セキュリティーに係る専門性を高めてまいりたいと思います。
  75. 高井崇志

    ○高井委員 ちょっと今の御答弁では、なかなか十分に、本当に千七百八十八の地方自治体は大丈夫かなと。マイナンバーもスタートするわけですから、ここは本気で、まあNISCでも基本法の改正案は検討されているんじゃないかな、我々維新の案がそのまま通るとは思いませんけれども、やはりそこを改正するときには、ぜひ総務省もしっかり意見を地方自治体を所管するという立場からおっしゃっていただいて、あと、地方自治体の情報ネットワークを統括しているJ—LISという情報システム機構がございます。ここをうまく使う、こことうまく連携するということも一つ重要な点だと思います。  これは本当に、サイバーセキュリティーをかじっている人間からすると、年金機構の職員一人が悪かったという問題では全然なくて、標的型メールというのは誰が開いても不思議がない。非常に巧妙なものになっていますから、必ずまた第二、第三と起こりますので、それをしっかり防止する体制というのを本気で考えていただきたいと思います。  次は、マイナンバーについてお尋ねをいたします。  これも内閣委員会が所管なので、私は内閣委員会で何度も質問をしてきているんですが、実は、ある自治体、名前を言ってもいいと言われているんですけれども、一応A市としておきましょう。人口三十万前後で中核市、もっと言うと県庁所在地です。この市の情報政策の課長さんからこういう話を聞いています。  マイナンバー導入に当たっては、今回国が全て補助金で面倒を見るということになっているんですが、実際この某A市が導入しようとしたシステムに対する補助金額は二千百二十四万円だった。ところが、実際にベンダー、某大手ベンダーなんですが、このベンダーから来た見積額は九千五十七万円と実に四倍以上の金額で、これは何とかならないかと言っても、今マイナンバー、非常に逼迫していて、各自治体がみんなやるからSEというシステムエンジニアの数が足りない、もうこれ以上値引きできませんと。実際は少し値引きになってきてはいるんですけれども、こういうケースがありました。  事務方ともいろいろやりとりして、いや、ちょっとこの市の場合、少し特殊ケースもありますという説明もあるんですが、しかし、この市だけじゃなくて、ほかの同様の規模の市からもそういった話を間接的ではありますけれども聞いております。  こういった場合、ではこのケースでいうと七千万近い金額を自治体が自己負担するのかということになると、それは自治体にとっても大変なことだと思いますし、そもそもそういうことが全国に本当に起こっていないんだろうか。このA市だけ、あるいは私が知っている二、三の市だけの話なのか、全国的にそういうところもあるけれどもなかなか表に出てきていないだけではないか。  こういったことを考えますと、私は、内閣府にも、小泉政務官が担当なので小泉政務官が自分でちゃんと調べてください、やってくださいと言いましたけれども、やはり地方自治体を所管している総務省が本来やるべきだと思います。  こういった全国自治体からヒアリングを行って状況を把握したり対策を講ずるということは考えておられないでしょうか。
  76. 二之湯智

    二之湯大臣 今、議員御指摘のことは、非常に珍しいケースだと思います。  今回のマイナンバー導入に当たりましては、総務省といたしましては、直接的に必要となる関係システム整備に要する経費について支援を実施しておるところでございます。  その補助金額の交付決定に当たっては、地方公共団体人口規模やシステム整備の類型別に、複数業者からとった見積額をベースに標準となる事業費を積み上げて算定をしております。  一方、地方公共団体にあっては、実際のシステム整備計画をもとに業者から見積額をとって事業費を積算し、算出された額によって総務省補助金の交付申請を行うことになっております。そのため、総務省からは、適正な見積もりをとるようお願いをしているところでございます。  総務省として、二十六年度補正及び二十七年度当初予算において、地方の要望を受けて約二百四十億円の補助額の積み増しを行ったこともあり、現状、多くの地方公共団体補助金の上限額の範囲内での改修を行っている状況にあるものと承知しております。  なお、地方公共団体の中には、独自の補助対象外のシステム整備として、付加的な機能やマイナンバー対応だけであれば必ずしも必要としない機能を有する機器を調達する団体もあると聞いておりまして、そのような場合には、当然ながら一定の負担等が生じることも承知しております。  総務省といたしましては、地方公共団体の所要額に対する補助金の充足状況については、全体として必要額を計上しているものと考えているところでありまして、制度施行に向けて着実に整備を進めてまいりたいと思います。  以上でございます。
  77. 高井崇志

    ○高井委員 非常に珍しいケースだ、そう言い切られましたので、本当に大丈夫ですよねと申し上げたいですけれども。  一方で、私は、これでマイナンバーをおくらせるべきだとは言いません。ぜひやってほしいんです。ただ、実際にSE不足になっているのも間違いありません。単価もかなり高どまっています。ぜひ、総務省もベンダーとよく協議をしていただいて、そういった便乗値上げというか、これを機にもうけようなんということがゆめゆめ起こらないように、ただでさえマイナンバーでもうかっているんですから、これ以上そういった利益にならないように、自治体に寄り添った立場で、ぜひ自治体の声を真摯にこれからも聞いていただきたいというふうに思います。  それでは次に行きますが、郵政の問題です。  先ほども自民党の委員から御質問がありました、ゆうちょ、かんぽの限度額の見直しでございます。  これも実は、私は内閣委員会で何度かお聞きをしておりまして、というのは、これは自民党さんの公約ですよね、去年の総選挙のとき。私は、実は郵政省の出身で、それまで郵便局の人から随分応援してもらっていたんですけれども、今回の選挙は、高井さん、ちょっと勘弁してくれ、この自民党の公約は極めて重いものなんだということで、やはり郵便局関係者の皆さんは自民党を応援されたと思うんですね。  ところが、これが、実際に党として政府に申し入れもあったというふうに聞いていますが、しかし、なかなか政府としては、その後の、誰が決めるのかというのがいま一つ明確じゃない。金融担当大臣総務大臣郵政民営化委員会、三者があって、どういうプロセスで決めるのかというようなこともいま一つはっきりしない。  あとは、そういう意味でいうと、実はこの間郵政民営化委員会に諮問されたというのは先ほど大臣からも答弁いただいて、郵便局長会が七月三十一日に意見書を出したというのは、これはホームページにあったので持ってきましたけれども、こう書いています。  郵政事業は七年前に民営化されましたけれども、郵便局は国営時代より使い勝手が悪くなったという厳しい批判をいただいている、でも、経営形態は変われども、お客様にとって利便性が高く、使い勝手のいい、地域社会に密着したものに戻したいんだ、ところが、限度額があったり、新規業務が認められないままでは、お客様は不便を強いられ、民営化によるメリットも享受できませんと。  決して自分たちの利益のために言っているのではなくて、お客様が、限度額オーバーになった分をわざわざ遠くの銀行まで預けに行かなきゃいけない、これは高齢者にとって負担だとか、あるいは、高齢者が年金の受取金融機関郵便局にしようとしても、限度額オーバーでそれができないとか、こう書いています、ゆうちょ、かんぽが他の金融機関から預金を剥ぎ取って、引き上げ限度額いっぱいまで資金集めをしようとしているわけじゃなくて、あくまでもお客様の利便性向上を目指すものなんだと。全く私はそのとおりだと思います。  ぜひ、これは、実は菅官房長官にもお聞きしましたら、菅長官からは前向きな御答弁、ただ、高市総務大臣とよく相談してという答弁でしたが、私は、総務大臣がリーダーシップをとって必ず実現をしていただかなければ、やはり昨年末の選挙の公約でありますから、そう思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
  78. 高市早苗

    高市国務大臣 私自身は、これまで衆参両院の委員会でかなり前向きな答弁をさせていただいております。  昨年末の総選挙の自民党の公約ということもあり、また、自民党で先般まとめていただいた提言書も受けまして、これは早く結論を出していかなきゃいけない、そういう考え方のもとで、麻生金融担当大臣にも御相談を申し上げた上で、七月九日に、郵政民営化委員会に対して調査審議を要請しました。実は、きょうの午前中、この郵政民営化委員会が開催されて、関係団体のヒアリングなども行われていると承知をしています。  やはり、ほかに金融機関がない地域にお住まいの方々、それから高齢者の方々が限度額を超過してしまう、特に、年金の振り込みや退職金で、限度額を知らないうちに超過してしまうということを考えますと、もう何といっても、利用者利便性ということ、これが最大のメリットだと思いますし、日本郵政グループ企業価値向上にもメリットはあると思います。  先ほども申し上げましたが、やはり平成二十四年の国会附帯決議もございますから、当面、限度額を引き上げないということでございますので、ぜひとも、厚かましい話ですが、各党各会派でも御意見をそれぞれまとめていただき、御議論もいただきたいと思います。  私も、これは郵政民営化委員会審議状況を十分に踏まえながら、法律に従って、政令で定める金額ということですから、対応をしてまいります。
  79. 高井崇志

    ○高井委員 この郵便局長会の意見書には、こういうことも書いているんですね。暗黙の政府保証というのがいまだにあるけれども、そんなものはないと。  これも、いまだに金融機関は暗黙の政府保証という言葉を使って反論しているわけですが、これはもう郵政民営化委員会では、はっきり、ないというふうになっていますし、この間、赤澤金融担当副大臣にも確認しましたが、それはないというふうにおっしゃっていますので、こういったことをやはりもっと政府としても言ってほしいと意見書にも書いていますから、ぜひ、暗黙の政府保証なんというものはないんだということはしっかり言っていただきたいと思います。  それと、もう一点、実は、この意見書の中にあるんですけれども、ゆうちょとかんぽ生命から日本郵便に支払われる一兆円の手数料というのがあるんですね。この一兆円の手数料に消費税がかかっているわけです。そうすると、毎年八百億円の消費税がかかる。これは、分社化していなければ、同じ会社の中の取引なので、払わなくてもいい八百億円なんですけれども、これが、消費税が一〇%に引き上げられると、今度は一千億円にもなる、これは余りにも、ちょっと過重な負担ではないかということで要望が出ているわけです。  これは、何かそういった特例措置を設けるべきじゃないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
  80. 西銘恒三郎

    ○西銘副大臣 先生御指摘のとおり、ゆうちょ、かんぽ、金融二社が日本郵便に窓口業務を委託する手数料には消費税がかかっております。この二社の窓口業務委託手数料に係る消費税につきましては、郵政民営化法が成立した時点、平成十七年度より、毎年要望を実施してきたところであります。  先生御案内のように、平成二十四年度には、改正郵政民営化法により、日本郵便は金融ユニバーサルサービスの提供責務が課されております。現在、この金融二社からの窓口業務を受託して、金融ユニバーサルサービスが提供されているところであります。  総務省としましては、これらの経緯を踏まえまして、将来にわたり金融ユニバーサルサービスを安定的に確保する観点から、平成二十八年度の税制改正要望に向けて、この窓口業務手数料に係る消費税につきまして特例措置を要望してまいる考えでございます。
  81. 高井崇志

    ○高井委員 現場の郵便局の方と話すと、限度額よりも、むしろこっちの方が重要だとおっしゃる方もいて、これから株式上場しますけれども、これは、菅官房長官も答弁していましたけれども、やはり企業価値が上がらないと株価に影響しますから、いろいろな課題を解決して、いい会社として上場しないと意味がないと思いますので、財務省との闘いになると思いますが、大臣、ぜひ、聞きませんけれども、ここはしっかり先ほどの限度額とあわせて総務大臣がリーダーシップを発揮して取り組んでいただきたいと思います。  それでは、次の話題ですが、皆さん、フィンテックという言葉は御存じでしょうか。多分、ほとんど知らないと思うんですね。私も、実は数カ月前までこの言葉を知りませんでした。IT企業の人とかに聞いても、何だその言葉という方も多いし、総務省やあるいは内閣官房のIT総合戦略室の方に聞いても、知らない人も結構いる。  フィンテックというのは、ファイナンシャルとテクノロジーを合わせた造語です。日本語で訳すとというか、ICTにより再定義された金融関連サービスということで、金融にITがどんどん入ってきて新たなサービスが生まれているということで、これは実は、欧米、特にアメリカ、イギリス、あと、外国でもシンガポールとか、そういったところでも随分盛んで、特にITベンチャーがそれを主導してやっていて、金融機関も危機感を持ってこれに取り組んでいるというのが世界の流れです。  もうちょっとわかりやすく言うと、私はこんな説明を聞いて納得したんですけれども、今、ビッグデータの時代ですから、いろいろな情報がデータ化されている。そうなると、今までベンチャー企業とか中小零細企業になかなか融資というのはできなかった。人が、銀行員が審査している段階ではなかなか融資ができなかったのが、ビッグデータ化されると、客観的データに基づいて投資できてしまう。  リスクも全てデータ化されるから、この金額を投資したらこれだけリターンが来るみたいなものが、あらゆる企業についてビッグデータ化されればできる、こういうことが行われるようになる。そうすると、本来資金が行くべきところに行く。人為的な判断じゃなくて、ビッグデータでそれができるようになるということであります。  あるいは、通貨も、中央銀行が発行する通貨じゃなくて、グーグルとかアップルとかアマゾンとか、日本でも楽天が一部やり始めていますけれども、こういったところが通貨をやれてしまうという時代が間もなく来る。  これがフィンテックでありまして、非常に世界的には大注目をされていて、金融業界も、次、このフィンテックをいかに導入するかが世界の金融市場を勝ち抜く肝だということで世界各国が取り組んでいるんですが、残念ながら、日本はおくれていると言わざるを得ないと思います。  きょうは金融担当の政務官にもお越しいただいていますので、フィンテックの先進国というのは一体金融庁としてはどこを想定されて、そして、そういった国と、日本がどこがおくれているか、あわせて法制面の課題などもあればお聞かせいただきたいと思います。
  82. 越智隆雄

    ○越智大臣政務官 今、高井委員からフィンテックについて御質問をいただきました。  今御説明いただいたとおり、ファイナンスとテクノロジーのかけ合わせの造語でございまして、このフィンテックという言葉、本当に最近、金融庁の中でもここ一年ぐらい、議論に上るようになってきた単語だというふうに思います。  このフィンテックは、金融ビジネスの構造に大きな変革をもたらす可能性があるというふうに我々も認識しておりまして、一つには、欧米等では金融機関とフィンテックベンチャーの連携、協働などの動きが活発化をしております。もう一つには、銀行間のネットワークを初め、決済インフラの高度化等に向けた取り組み強化されているというふうに認識をしております。  一方、日本においてはどうかと考えたときに、例えば日本のATMですけれども、日本のATMはかなり利便性の高いサービスを提供しておりまして、そういう意味では世界に先駆けた取り組みが行われてきたというふうに言えるかもしれません。  ただ一方で、金融機関とその他のプレーヤーとの連携、協働、あるいは決済ネットワークの高度化などについては、世界各国の取り組みに比べて改革の広がりやスピード感が不足しているというふうに考えております。  このフィンテックというものの定義がまだ定まっていない中で、各国の投資額等によります比較というのはなかなか簡単ではございませんが、幾つかの取り組みがありますので御紹介しますと、アクセンチュアの調査レポート、フィンテックと銀行の将来像というのでは、二〇一四年の世界のフィンテック投資額が一・五兆円、そのうち、アメリカが一・二兆円、英国が千八百億円。ですから、ほとんどが米と英だということでございます。  では、日本について投資額がどうかということについては、マネーフォワードというフィンテック会社が調査をしていますけれども、昨年で五十六億円ぐらいだということでございます。  金融庁としましては、こうした金融とITの融合の動きは日本の金融の将来に大きな影響を及ぼすというふうに考えておりまして、決済高度化等に向けたアクションプランの策定などについて議論を行うために、昨年から金融審議会にワーキンググループを設置して検討を進めているというところであります。  去年の九月二十六日に決済業務等の高度化に関するスタディ・グループを立ち上げて、ことしの四月二十八日に中間整理を公表しておりまして、その中で、このフィンテックの今の世界での趨勢について述べた後、今後の課題としては、決済サービスや銀行業務のあり方そのものをあわせて見直さなければ、世界的なイノベーションからおくれるおそれがあって、銀行のみならず多様なプレーヤーによって競争的にイノベーションが進められるようにすることが重要だ等々というふうに意見を言っているところでございます。  今後とも、海外の動向も踏まえつつ、ITを活用した決済高度化等に向けて積極的に取り組んでまいりたいというふうに金融庁の方では考えております。
  83. 高井崇志

    ○高井委員 ありがとうございます。  金融庁でも検討いただいているとは聞いているんですけれども、どうも金融庁が検討すると、どうしても金融機関の意見に何か左右されてしまうんじゃないかなと。  諸外国では今、本当にITベンチャーが主体にこのフィンテックというのを牽引しているんですけれども、金融庁としては、このフィンテックの推進主体というのは一体どこがメーンになると考えておられるのか。金融機関という考えもあるし、あるいはITベンダー、事業会社という考えもあるし、あるいはベンチャー企業という考えもあると思うんですが、そのあたり、いかがでしょうか。
  84. 越智隆雄

    ○越智大臣政務官 今御指摘いただきましたけれども、金融庁で検討すると金融機関中心になるんじゃないかという御指摘もございましたけれども、今私たちの認識としましては、IT企業を初めとする金融機関以外のプレーヤーを重要な核としてこのビジネスが牽引されていく可能性が高いというふうにまず認識をしております。  このために、金融機関以外のプレーヤーも含めた多様なプレーヤーが、必要に応じ相互に連携、協働しながら、決済サービス等のイノベーションを進めていくことができるような環境整備を行うことが重要な課題というふうに認識をしておりまして、今までの、従来の考え方とは一歩前に出て今審議を進めているところでございまして、金融庁としては、金融審議会での審議等も踏まえつつ、ITを活用した決済高度化等に向けて引き続き積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
  85. 高井崇志

    ○高井委員 今御答弁いただいたように、やはりITベンチャー企業が大変重要だと思うので、そこで総務大臣にぜひお聞きしたいんです。  私も総務省出身で、IT行政をずっとよく見ているんですけれども、例えば医療のIT化とか農業のIT化とか、そういった分野はかなり総務省もやっていますけれども、金融のIT化というのは余り聞いたことがなくて、どこの部署がやっているのかな、やっていないんじゃないかなとも思うんです。しかし、これは非常に重要な、我が国というか世界の経済システムを大きく変えるような重大なことで、しかも、その推進主体がITベンチャーということですから、ぜひ総務省にも積極的にかかわっていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
  86. 高市早苗

    高市国務大臣 金融庁とはまた違った切り口でこのフィンテックというものにかかわってまいりたいと思います。  これは、例えば、私たちの大変身近なところではおサイフケータイもフィンテックの一つかと思うんですけれども、やはり、金融機関に足を運んだり書類をやりとりすることなく、オンライン決済ですとか他の資産管理など多様な金融サービスを提供するものでありますので、本当に、金融機関の少ない地方、過疎地も含めて、そういうところにお住まいの方にもメリットはあります。あと、御高齢の方、障害をお持ちの方、子育て中でなかなか自分で足を運んで金融機関に出向けないという方にもメリットはありますので、ぜひ前向きに取り組みます。  ただ、やはり金融サービスでICTを利活用するために今後総務省として気合いを入れなきゃいけないのは、より高度なセキュリティー、それから処理能力を持つ情報通信インフラの整備というところになるかと思いますから、金融庁とも連携しつつ、総務省なりの地方創生という視点からも取り組んでまいりたいと思っております。
  87. 高井崇志

    ○高井委員 まさに金融庁と連携していただいて、やはり、どうしても金融庁は金融機関の意見の方が多くなると思いますし、総務省はICTの立場からぜひ進めていただきたいと思います。  それでは、最後に、全然話がかわりまして、動物愛護行政について御質問をしたいと思います。  これは、総務委員会で取り上げるのは、自治体が基本的にはやっているんですね。動物愛護センターというのが各都道府県や政令市にあります。私は、実はある方から言われて、動物愛護センター、私は岡山なんですけれども、岡山県のを見に行きました。その模様をフェイスブックにアップしたところ、何とシェアが九百です。フェイスブックをやっている方はわかっていただけると思うんですが、私は、友達が三千五百人で、いいねはせいぜい二百か三百ですが、シェアが九百という、やはり物すごい関心を持っている方がいる分野で、私がそのことを取り上げたら物すごいレスポンスが返ってきています。  やはり、これは動物のことかよと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は非常に重要だと。小さな命一つ守れずに、大きな命、人の命は守れません。  マハトマ・ガンジーがこういう言葉を残しています。国家の偉大さや道徳的水準は、その国で動物がどう扱われているかによって判断できる。私も本当にそのとおりだと思うんです。  ところが、我が国では今、殺処分というのが行われています。動物愛護センター、私も岡山県に行ったら、今、我が国全体で十三万匹の犬、猫が殺処分されている。殺処分というのはどうやるか、皆さん御存じですかね。おりに入っている犬や猫をベルトコンベヤーでだっと押し流して、ベルトコンベヤーで流れていくと、殺処分機というこういう大きな箱があって、その中に入れて、炭酸ガスを注入して窒息死させます。ところが、犬、猫は窒息死なかなかしないんですね。そうすると、半分以上の犬、猫は、そのまま、生きたまま火葬される、焼き殺される、こういうのが現実なんです。これが今、我が国では十三万匹、大分減ってきてはいるんですけれども、まだある。  ちなみに、ドイツは殺処分はゼロにしています。それから、自治体によっては、例えば、神奈川県、熊本市、川崎市、札幌市、あと広島市も殺処分ゼロを実現しているんですね。こういったことを考えると、私は、自治体の頑張りによって、もちろん国もいろいろな法制度を変えていかなければなりませんけれども、自治体が頑張ればできると思っているんですけれども、自治体を所掌する総務大臣として、お考えがあれば最後にお聞かせください。
  88. 高市早苗

    高市国務大臣 動物の愛護及び管理につきましては、動物愛護管理法に基づいて、現在、環境省と地方自治体が連携して取り組んでおられます。先生御指摘の犬や猫の殺処分につきましては、環境省が、できるだけこれを減らすために策定した人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトを掲げて、必要な取り組みを行っておられます。  私自身もこのプロジェクトの理念には賛同いたしております。環境省と地方自治体の連携に期待をしますとともに、総務省としましても、交付税措置を通じて応援をしてまいりたいと思います。
  89. 高井崇志

    ○高井委員 ありがとうございます。ぜひ大臣も御関心を持って、よろしくお願いいたします。  ありがとうございます。
  90. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 次に、田村貴昭君。
  91. 田村貴昭

    田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  初めに、この間の台風によって大きな被害をこうむりました。被災を受けた自治体と住民の方々に心からお見舞いを申し上げます。  被災地からの要望を十分に酌み取っていただき、政府においては、行方不明者の救出、そして災害復旧に全力を尽くしていただきたいことを切望し、質問に入ってまいります。  最初に、地方創生に向けた地方自治体への財政支援の中で、目玉と言われている新型交付金について質問をします。  八月四日、創生本部が決定した新型交付金の創設についての文書では、「一、新型交付金の創設」で、「地方公共団体による自主的・主体的な事業設計に合わせて、」とあります。地方自治体が地域の実態に即してこの事業が必要だと自主的、主体的に判断、企画した、そうした事業であれば、当然、日本版CCRCや日本版DMO以外でも事業の対象となるのか、このことについてまずお伺いしたいと思います。
  92. 末宗徹郎

    ○末宗政府参考人 お答えいたします。  新型交付金に関する統一的方針を決定したところでございまして、御指摘のとおり、支援対象施策について、具体的な成果目標とPDCAサイクルの確立を求める一方で、地方団体の自主性、主体性を確保するとしているところでございますので、今後の制度設計に当たりまして、地方公共団体の自主性、主体性の確保、これについては十分配慮してまいりたいと考えております。
  93. 田村貴昭

    田村(貴)委員 地方創生担当大臣の石破大臣全国知事会で、新型交付金物語をお読みいただきたいと述べたんですね。この新型交付金物語を読んでみたんですけれども、交付金活用のイメージとしては、日本版CCRCの創設、そして日本版DMOの創設、そして移住政策におけるPDCAが書かれているのみなんですよ。  どうして東京圏の高齢者の移住支援と官民連携の観光戦略だけに具体例を提示しているのか。この二つに重きを置いているのではないかというふうに私は思うんですけれども、CCRCとDMO以外の交付金活用例はなぜ示されないのか、示した例はあるのか、教えていただきたいと思います。
  94. 末宗徹郎

    ○末宗政府参考人 先駆的な取り組みの例といたしまして、御指摘のとおり、既に、日本版CCRC、生涯活躍のまちと日本版DMOというのをこれまで示してきているところでございますが、それ以外にも多々あると考えてございまして、例えば大学、研究機関、企業等の連携によるローカルイノベーションですとか、地域ぐるみの働き方改革、あるいは小さな拠点等におけるコミュニティービジネスの活性化など、創生基本方針二〇一五をまとめたところでございますが、そこに盛り込まれた主要な先駆的施策も今後新型交付金の対象になってくる、その方向で検討していきたいと考えております。
  95. 田村貴昭

    田村(貴)委員 でも、例示は二つに偏っているんじゃないかと。聞けば、この新型交付金物語は、与党の国会議員が地元に戻って、知事や市長、いわゆる首長と対話する上での参考文書だというふうに私は伺いました。そういう仕掛けをすると、必然的にやはりCCRCとDMOに集約されていくのではないかなという懸念を持つものであります。  お尋ねしたいのは、新型交付金に充てられる国費は一千八十億円です。その交付は全自治体を対象とするのか、適用となる自治体はどの程度と想定されているのか、お答えいただきたいと思います。
  96. 末宗徹郎

    ○末宗政府参考人 新型交付金の支援対象として考えておりますのは、一つは、官民協働あるいは地域連携等の視点から先駆性のある取り組み、二つ目には、既存事業の隘路を発見して打開する取り組み、三点目には、先駆的、優良事例の横展開といったことを想定しているところでございます。  したがいまして、こうした先駆的な取り組み等を行う地方公共団体は対象となってき得るところでございますが、こうした取り組みを行わない団体ですとか、あるいは要件に該当しない地方公共団体は対象となってこないものと考えているところでございます。したがいまして、必ずしも全団体に行き渡ることにはならないのではないかと考えているところでございます。  ただ、地方団体に対する財政支援措置といたしましては、こういった先駆性のある取り組み支援する新型交付金のほかに、各省庁の個別施策を対象とする関連の補助金ですとか、あるいは地方財政措置の一兆円のまち・ひと・しごと創生事業費、これは地域の実情に応じたきめ細かい施策に対応するものでございますが、こういったものをトータルで、それぞれが役割分担をしながらやっていくということを考えているところでございます。
  97. 田村貴昭

    田村(貴)委員 地方団体が八月にこのように要望しています。「今後の新型交付金の制度設計等に当たっては、その内容や規模について、地方の意見等を十分に踏まえる形で更なる検討が進められることを強く期待する。」と要望しています。  地方創生の基本方向が、仕事づくり、人の流れを変えていく、また、若い人たちの結婚、出産、子育て支援、そうした要求を実現していく、そうした基本方向に照らして、地方自治体が創意ある取り組みをやろうとするならば、それはやはり受け入れるべきだ、応援していくべきだ、そういうスタンスに立つべきだと私は思います。  地方団体との意見交換を重ねて交付金制度をつくり上げていくことを要望したいと思います。  もう一つ確認しておきます。  決定文書では、「地方創生予算全体の確保」として、「地方公共団体がそれぞれの「地方版総合戦略」に沿った施策を今後着実に実行できるよう、地方創生予算全体を安定的に確保することが必要である。」というふうにされています。  例えば、平成二十六年度補正予算地方創生先行型の交付金については、多くの自治体が手を挙げました。三月のその決定状況を見てみますと、人材育成、確保で二千五百四十八事業、産業振興で三千九十四事業、少子化対策で二千五百二十七事業を初め、総額一万二千三百五十五事業、千三百四十四億円となっています。地方自治体が自主的に、主体的に事業を考えて交付金申請を行い、そして、これは国が認めたものであります。  これらの事業が決定のとおり継続されていくのか、地方創生予算全体の中で確保されるその担保はあるのかということについてもお伺いしたいと思います。
  98. 末宗徹郎

    ○末宗政府参考人 先ほども少しお答えさせていただきましたけれども、新型交付金と個別補助金と地財措置等をあわせまして、それぞれが相まって地方創生を深化させる、そういう意味では、地方創生予算全体を安定的に確保していく必要があると考えております。  その中におきまして、二十六年度補正予算の先行型の交付金で取り組んだ事業、これが新型交付金においても対象となるかどうか。これは、改めて、今、新型交付金の制度設計をしているところでございますけれども、地方版総合戦略にどのように位置づけられるかとか、あるいはその先駆性、そういったものをよく見させていただきまして、また対応させていただければと考えております。
  99. 田村貴昭

    田村(貴)委員 日本版CCRCのきっかけとなってきたのが、六月の日本創成会議が打ち出した東京圏高齢化危機回避戦略であろうかと思います。  これによると、首都圏で七十五歳以上の高齢者が今後十年間で約百七十五万人増加し、介護施設や人材の不足などにより、全国で約四十三万人が必要な介護を受けられない、介護難民となる可能性が指摘されたわけであります。そして、医療、介護体制が整っていると言われる四十一の圏域を挙げて東京圏からの移住を促したということであります。政府もこの提言を受け入れて、地方移住支援を創生基本方針に盛り込みました。  これに対して、地方自治体やあるいは識者から異論が相次いでいます。ある県の知事は、県内で特別養護老人ホームの入所を待機している人がおり、余力があるわけではないとし、また、ある県の知事は、高齢者の介護や医療の負担だけ押しつけられ、かえって地方衰退を加速することになっては本末転倒だというふうにも指摘しています。  当の東京圏からも、東京都の舛添知事は、施設が足りないから移住をというのは乱暴だと批判し、神奈川県の黒岩知事も、無理に高齢者地方に移住させるのは違和感があると否定的な見解を示したというふうにも報じられています。  私も大変な違和感を持ちました。介護施設が足らないからといってよそに移れというのは乱暴である、こういう声がたくさん出ているわけであります。私は、それぞれの地域で住民の立場に立って考えていくのがやはり自治の基本だと思います。それから、住みなれた地域で安心して老後を送れるようにするのがまさに行政の責務ではないかなというふうに考えます。  将来不足する施設や人員など介護の体制をどうやって補っていくのか、まずそれを先に考えるのが議論ではないかというふうに考えますけれども、政府のお考えはいかがでしょうか。
  100. 平将明

    ○平副大臣 まず、無理に高齢者を移住させようという考えは全くありません。その辺の誤解はしっかり解いてまいりたいと思います。  委員指摘の日本創成会議が提言をされていますが、多分、東京都知事、神奈川知事も全文をしっかり読まれているのかなと正直思います。  確かに、今言った部分、人材、施設が足りないという事実は指摘をして、こういう地域に余力があるのではないかという指摘をしておりますが、一方で、今のうちにこういう事実を直視して、さまざまな対策を地域もしくは一都三県、さらには五つの指定都市連携をして解決をすべきだという提案も日本創成会議の方はしているわけでございます。  政府といたしましては、委員指摘のとおり、住みなれた地域に住み続けたいという高齢者の方々に対しては、しっかりと施策、地域包括ケアなどを進めていく、これは大前提であると思っております。  一方で、さまざまなアンケートなどをやると、地方に移住したいという希望もあるわけでありますので、これは地方創生観点から各地域が創意工夫をしていただいて、日本版CCRCのような、地域包括ケアにさらに付加価値を増すようなさまざまな取り組みをしていただいて、そういった魅力でそういった希望のある高齢者の方を引きつけていただく。  人の流れをつくるというのも地方創生でありますので、委員指摘のとおり、地域包括ケアもしっかりと進め、さらに希望のある方はその希望を実現すべく日本版CCRCの政策を進めていきたいと考えております。
  101. 田村貴昭

    田村(貴)委員 平副大臣の今の説明について、私は両方ともやるべきだというふうに思っています。しかし、やはり足りない医療や介護の施設、それから人員について、まずここを考えなければいけないといったところが大事だと思うんです。  今介護の現場は大変ですよね。まず人材が足りない、それからその処遇が余りにも低いから、介護職離れがとまりません。どんどん介護職離れが進行する中で、政府はその抜本対策に踏み出すことをしていますか。介護報酬を大幅に引き下げてしまう、あべこべ政治になっちゃったじゃないですか。  首都圏、地方を問わず、全国で五十二万人の特別養護老人ホームの待機者がいます。東京都では四万三千人であります。この問題を一向に解消していない。しかも、施設入所は要介護三以上に絞った。要支援者は介護給付からも外してしまった。一連の介護保険制度の後退は私は大問題だと思います。こういうことをやはりしっかりと踏まえて、逆に充実をしていくという体制が何よりも求められると思います。一都三県で必要な介護サービスを確保してほしいと要請している、そのようにも伺いました。具体的なマンパワーや施設等の達成に向けたビジョンはまだ示されていません。出てきたのはCCRC。そのイメージが余りにも先行しているということで、きょうは取り上げた次第であります。  高市大臣に、最後、お伺いしたいと思います。  老後を安心してそして健やかに過ごしていく、このことについても、また移住政策をつくるにしても、これは地方自治体の大きな課題でもあります。  老後の不安を多くの国民が今感じているわけであります。年金支給開始年齢、私の世代なんかは何歳から受けられるんだろうと言う現役の世代もおられます。また、貯蓄ゼロ世帯が三割を突破しました。生活保護受給率が年々上がっていく。こんな状況下では移住政策地域コミュニティーづくりもうまく進行していかないというふうに思うわけであります。頑張れるだけ働いて、働けるだけ働いて、そういう仕事と生活を余儀なくされている方もたくさんおられます。  地方自治体は社会保障の充実を望んでいます。そして、安心して老後が過ごせるために、その過ごし方の選択肢を広げるためにも、やはり雇用環境をよくしていく、社会保障を抜本的に充実させていく、これがこの問題の基本にあると思いますけれども、閣僚の一人として高市大臣に御所見を伺いたいと思います。
  102. 高市早苗

    高市国務大臣 全国どの地域に住んでいても御高齢の方が老後において安心した生活を送るためには、まず医療、介護を初めとした社会保障の充実が極めて重要です。また、お元気な方でお仕事を続けられたいとおっしゃる方が働ける場所を提供することも必要であります。  社会保障分野における地方自治体の果たす役割というのは大変大きゅうございますので、厚生労働省を初め関係省庁とも連携しながら、引き続き総務省もその充実に努めてまいります。
  103. 田村貴昭

    田村(貴)委員 大臣、しっかりと、ぜひ厚労省にも働きかけていただいて、力を尽くしていただきたいと思います。  次に、県費負担教職員の給与負担軽減が、政令指定都市へ移譲されることに際して生じる問題について伺いたいと思います。  再来年の二〇一七年を目途に、道府県が負担する小中学校、特別支援学校等の教職員の給料が、地方分権第四次一括法で決定されたことに伴って、政令指定都市に移譲されます。  文部科学省は、五月二十七日、参議院総務委員会で、我が党の吉良よし子議員の質問に対して次のような答弁をされています。今回の制度改正によって義務教育の実施に影響を及ぼすことがないよう的確に対応する必要があると認識しております、給与負担に必要な財源についても、道府県からの個人住民税所得割二%の税源移譲と、不足分を地方交付税措置で補うから、指定都市の教育水準は低下することはないと考えていると答えておられます。  今でもその見解に変わりありませんか。
  104. 藤原章夫

    藤原政府参考人 御指摘平成二十六年五月二十七日の参議院総務委員会におきます文部科学省の答弁の内容につきましては、現在も変わりがないところでございます。
  105. 田村貴昭

    田村(貴)委員 教育水準の低下はないと考えている、それから義務教育の実施に影響を及ぼすことはないというふうに答えられている。その方向でいかなければいけないんです。  ところが、実際に権限移譲をきっかけに教員の待遇が大きく後退する問題が生じてまいります。  その一つは、県と市の給与条件の差が大きいところでは、低い方に合わせてしまうと、かなりの不利益変更になってしまいます。ある政令指定都市の公立小中学校の常勤講師、フルタイムで働く非正規の先生なんですけれども、その賃金が市の水準に合わせると最大で月額十万円引き下げられることになってしまいます。仕事の内容は正規の先生と変わらないわけです。何の落ち度もないのに、行政側の都合で行われる権限移譲をきっかけにこんな不利益をこうむっていいのでしょうか。ただでさえ正規の教員より低い条件下で同じ仕事をしているのに、こんな労働条件の改悪を文部科学省はよしとするのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
  106. 藤原章夫

    藤原政府参考人 お答えいたします。  今回の制度改正により、指定都市立の小中学校等の教職員の給与は指定都市の条例で定められることになるわけでございますけれども、その際には、今回の制度改正前後で教職員の職務内容自体には変更がないこと、また、他の自治体との均衡等を踏まえた十分な配慮が必要であること等を十分勘案した適切な対応が必要と考えておるところでございます。
  107. 田村貴昭

    田村(貴)委員 ちょっとよくわからないんですけれども、政令市への権限移譲に伴ってこうした常勤講師の給料が大幅に引き下げられることを仕方がないと考えるんですか、それは正さなければいけないとどうやって変えていこうとされているんですか。もうちょっと具体的に答えてください。
  108. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 藤原大臣官房審議官、時間が来ております。端的に回答をお願いします。
  109. 藤原章夫

    藤原政府参考人 お答えいたします。  教職員給与につきましては各地方公共団体関係法律等に基づき適切に決定すべきものではございますけれども、文部科学省といたしましては、今回の制度改正に伴って義務教育の実施に影響が及ぼされることがないように的確に対応してまいりたいと考えております。それに際しまして、指定都市が円滑に権限の移譲に向けて体制を整えられますように情報提供や相談等の支援をしっかり行ってまいりたいと考えております。
  110. 田村貴昭

    田村(貴)委員 委員長、まだ時間がありますね。
  111. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 済みません。
  112. 田村貴昭

    田村(貴)委員 ぜひ文部科学省それから関係省庁から政令市と道府県に対して文書も出して、それから日常的に対話もし、こういう不利益変更されないようにしっかりと仕事をしていただきたいと思いますけれども、例えば文書通知なんか出すべきじゃないですか、いかがですか。
  113. 藤原章夫

    藤原政府参考人 お答えいたします。  文書の通知ということでございますけれども、これから制度の実施に向けて関係自治体と十分協議をしてまいりたいというふうに考えております。その中で、そうした点も含め、どのような形で情報提供等をやっていけるのかということをしっかり検討してまいりたいと考えております。
  114. 田村貴昭

    田村(貴)委員 しっかりやっていただきたいと思います。  学校における問題でありますけれども、大臣に聞いていただきたいのは、非正規の先生は正規の先生と待遇の差があります。しかし、教員としての仕事に誇りを持って、子供たちと向き合って懸命に頑張っています。その先生方の給料が月額にして一気に十万円も下がってしまうとなってしまうと、これは完全にモチベーションが下がってしまいます。子供たちと向き合う、その気力もなえてしまいます。家族がいる人は生活ができなくなってしまいます。やめる人も出てきます。他市へ勤務先を変える人も出てきます。教育現場は混乱してしまいます。  これが全国二十の政令指定都市で一気に起こってしまったらどうなってしまいますか。もう問題点は今の時点ではっきりしていますので、しっかりとした対応をとっていただきたいと思います。  ある学校のベテランの先生からお話を聞きました。正規の先生と同じ仕事をしています、この四月からも担任を持って校務分掌もやっています、同じ年代の正規の先生とは十万円近い給与差があるのに、また給与の引き下げかと思うと、今までの全てを踏みにじられた気分であるというふうにもおっしゃっておられます。  政令指定都市の市長会と議長会が年次要求を国の方に上げているわけであります。私も、この間、政令市の市長会からの要望書を党として受け取ったわけでありますけれども、政令市にとっても、やはり子供たちの教育条件が低下することがあってはならないという思いであると思います。  その中に、要望書に、県費負担教職員制度の見直しに伴う財政措置を、現在、道府県が提供している教育行政水準を維持できるよう、所要額全額を適切かつ確実に措置をしてほしい、そういう項目が盛り込まれています。  ぜひ、総務省総務大臣として、この声を受けとめていただきたいと思いますし、財源不足を理由に、何の落ち度もない現場の教員、とりわけ非正規の教員の給料が引き下げられるということが絶対にないように、総務省としても力を尽くしていただきたいと思いますけれども、大臣、決意のほどをお伺いしたいと思います。
  115. 高市早苗

    高市国務大臣 地方財政措置ということにつきましては、道府県と指定都市の合意をしっかり踏まえまして、財政中立を基本とし、移譲された事務、権限が円滑に執行できるように、文部科学省とも連携しながら対応してまいります。  臨時職員の方の具体的な給与水準につきましては、各職員の方々の具体的な職務の内容などに応じて、各地方公共団体の責任で適切に判断されるべきものでございます。教育水準の低下にはつながらないように、関係道府県、指定都市設置されている協議会等の中でよく御議論いただくことを期待しております。
  116. 田村貴昭

    田村(貴)委員 大都市において、一気に何百人の学校の先生方の給料が下がるということは、これはやはり給与アップでデフレ克服という政府の方針にも反することにつながりかねません。政府の対応をしっかりとしていただくことを最後にお願いして、きょうの質問を終わります。  ありがとうございました。
  117. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 次に、吉川元君。
  118. 吉川元

    ○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。  本日は、まず最初に、八月二日に行われました仙台市議選についてお聞きをしたいと思います。  この選挙におきまして、我が党公認で立候補いたしました新人候補、この候補の選挙カーが、県警の審査ミスといいますか、ミスによりまして、選挙戦最も重要な告示後二日間にわたり使用ができないという事件が発生をいたしました。  経過については御承知のことと思いますけれども、この候補者の選挙カーが、実際には許可されるべきものであったにもかかわらず、告示日前日に不許可というふうになりました。  それだけではありません。不許可にされたことを受けて、選対としては、急遽、お隣の県の福島県の社民党に相談をいたしまして、そちらから宣伝車を手配いたしました。この車は実際に福島において選挙で何度も使われてきているということでありましたから、不許可はあり得ないということで、そうした判断に立って、こうした手配を行いました。しかし、告示日当日の申請で再び不許可とされました。選対側は福島では許可をされてきたということを訴えたんですけれども、仙台南警察署の担当者は、福島は関係ない、宮城は宮城だ、こういうふうに言い放つ始末でありました。  選対としては、急遽、今度は三台目の車を手配いたしまして、看板をつくり直し、それから音響設備も全て取り外して新しい車に設置をするというようなことも起こりましたけれども、ここでも問題が発生をしております。  告示日、これは七月の二十四日の金曜日だったわけですけれども、三台目の選挙カーの準備がさすがに一日では整いませんので、申請を翌二十五日の土曜日に行いたいというふうに言ったところ、警察側からは、許可事務の窓口業務は平日に限られる、土日は受け付けないという、これまた前代未聞の対応がとられました。  選対としては、告示日の夜に、どうもこれは県警が公選法の解釈を誤っているのではないか、そうしたことに気づきまして、翌二日目にその旨を県警に通知したところ、県警が誤りを認め、申請を許可いたしました。ただ、今、つくり直している最中でありましたので、結局、選挙カーが間に合ったのはその二日目の夜ということになりました。  公選法の第七条は、「警察官は、選挙の取締に関する規定を公正に執行しなければならない。」というふうに定めております。公正な選挙の執行という重大な役割を担うはずの警察が公選法を全く理解せずに、選挙活動に重大な支障を与えた、こういうことはあってはならない事件ではないかというふうに思います。  私自身は、これは警察による一種の選挙妨害ではないか、選挙無効であってもおかしくないのではないか、そういう重大な事案と考えておりますけれども、まず、この件に関しまして、公選法の所掌をされております総務大臣に認識を伺いたいと思います。
  119. 高市早苗

    高市国務大臣 今、吉川委員から御指摘のあった事案につきましては、公職選挙法施行令第百九条の三に規定しております選挙運動用自動車としての要件を満たす車両に関して、看板等の設備外積載の許可申請を受けた宮城県警が同施行令の解釈を誤ったということによって、許可申請が取り下げられる結果となったと承知しております。  これは、候補者にとっては、一日、もう数時間でも貴重な、大切な時間でございます。政党にとっても同様でございます。公正な選挙の確保の観点から大変残念な事態だったと言わざるを得ません。  今後、このような事例が生じませんように、選挙管理委員会など選挙の執行に関係する各機関が、それぞれの立場において、公職選挙法令を正しく理解し、選挙の適正な管理、執行に努めていくことが必要だと考えます。
  120. 吉川元

    ○吉川(元)委員 この事件では、窓口の担当者は、公選法の誤った理解に基づいて二度にわたって申請を却下した。  一つ問題なのは、事前の申請というのは恐らくどこでもあると思います。私も議員になる前、選挙事務にかかわったことがありますけれども、普通は何日か、一週間前とか、その時点で申請を受けられるようになっているんですけれども、どうもここの仙台市議選は前日しか受け付けない。ですから、そこで仮にミスがあったとしても修正がきかない。私はそういう問題もあると思うんです。  この申請を却下したこと。それから、選挙期間中にもかかわらず、一般車両の許可事案はこれは確かに平日だというのは承知をしておりますけれども、選挙に関しては土日もやるということになっておりまして、これもまた誤った。本当に二重三重の誤りを繰り返しております。  県警としては捜査二課長以下七人を処分したといいますけれども、これはやはり直接の担当者だけの問題ではなくて、公選法の理解を徹底させなかった県警全体の責任が私は問われるべきだろう。そういう意味でいいますと、県警トップの責任、現在もまだ不問にされておりますけれども、これは大変問題ではないかというふうにも思います。  それからまた、起こった時点で選対としては、警察はそういうふうに、もうだめですよということしか言いませんから、市選管等々にも尋ねましたけれども、その際にも、選挙カーの使用許可は県警の事務ということで、全く対応をとらなかった。これが結果的には、きちんとそこで対応していれば、早い段階で県警あるいは警察の解釈のミスというのが明らかになってすぐに訂正されていたと考えられるんですが、これも実はそういう対応がとられていなかった。そういう意味でいうと、影響を拡大させたということでは市選管も私は問題があろうかというふうに思います。  第一義的には、この責任というのはやはり県警全体にあるというふうに思います。警察庁としては責任の所在ということについてどのように考えておられるのか、尋ねます。
  121. 露木康浩

    露木政府参考人 ただいま委員指摘のとおり、今月二日施行の仙台市議会議員選挙におきまして、宮城県警察の担当者が公職選挙法施行令の規定の解釈を誤る、あるいは時間外受け付けについての対応を誤るといったことによりまして、選挙運動用自動車が告示日から二日間にわたって使用できないという事態を招いたということでございまして、警察庁といたしましても、まことに遺憾であるというふうに認識をいたしております。  宮城県警察におきましては、この事案を重く受けとめまして、経緯等について調査を行い、その結果でありますとかあるいは再発防止策等につきまして、候補者及び関係の方々に対して説明をさせていただいているというふうに報告を受けております。  また、責任の所在についてでございますけれども、警察本部捜査第二課の担当者が直接、執務資料を読み誤ったという過失を犯したということでございますけれども、その職員の責任は当然でありますけれども、その業務を所管する責任者である県警本部刑事部捜査第二課長以下関係職員七名の処分を今月十九日に行ったということであります。  警察庁といたしましても、この種事案が二度と起こらないように、全国警察に対しても指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
  122. 吉川元

    ○吉川(元)委員 今、少し執務資料というお話がありました。  県警に対しては、我が党そして選対、二度にわたって公開の質問状を提出させていただき、二度目の質問状への回答として、県警本部長から、窓口担当者が公選法の解釈を誤った原因について、ことし五月に、公選法規定に関する執務資料というものがあるそうですが、この執務資料の改訂版、これを読んでいれば間違いはなかったんだけれども、その以前のものを読んでやってしまった、十分に関係職員にこの執務資料の改訂版が届いていなかったということを原因に挙げられております。  そこで、ちょっとお願いなんですけれども、県警が作成している公選法の執務資料、ことし五月に改訂したと言われる改訂版と、それからそれ以前のバージョンについて、ぜひ全文を提出していただきたい。  もちろん、捜査にかかわるようなことについて公表できない部分もあろうかと思いますけれども、いろいろ規制を受ける側からすると、勝手に今回の事案のように解釈をされて、それが実はこの資料に基づくという、その資料に基づいて解釈がされているわけですから、その資料についてきちんと提出をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  123. 露木康浩

    露木政府参考人 今委員指摘の執務資料でございますけれども、具体的に申しますと、公職選挙法施行令百九条の三第一項の規定について、四輪駆動の自動車で車両重量二トン以下のものは使用できるというふうに規定されておりますけれども、それ以外でございましても、乗車定員十人以下の乗用自動車でありますとか、乗車定員四人以上十人以下の小型自動車のいずれかであれば要件に該当し得るとされているにもかかわらず、そのいずれか、どれでもいいという記載がその執務資料に、古い方でありますけれども、記載がなかったがゆえに、四輪駆動の自動車については車両重量二トン以下のものでなければならないというふうに誤って解釈をしたということでございます。  そのどれでもいいという趣旨の記載を明記した新しい執務資料というものを、今県警内では周知徹底を図っておるということでございますけれども、この新旧それぞれの執務資料の関連する部分については、抜粋したものを県警の方で候補者及び関係の方々にお渡しした上で、その経緯などを説明しているということでございます。  その抜粋をした、宮城県警の方で作成をした資料につきましては、提出させていただくことが可能でございます。
  124. 吉川元

    ○吉川(元)委員 五月に改訂をされたということでありますけれども、五月に実際に、本当に改訂をされたのかどうなのか、私は、それも含めて確認をするためにやはり全文が必要なのではないかというふうに思いますので、ぜひ検討をいただきたいというふうに思います。  結果的には、告示日前日も含めて選挙カーが使えないということで、候補者もそうですし、それから、国会議員の皆さんはわかると思いますけれども、まさに今から選挙が始まるというところで、この車のことで二日間、選挙本番中も含めて振り回されてしまった。もちろん、三回つくったわけですから費用もかかりますし、それ以上に、事務の作業を含めて大変な労力を割かれました。  この当該の新人候補ですけれども、残念ながら、次点ということで、百票余りの差で落選をいたしました。  選挙無効についてどうするか、訴えるかどうかということも考えましたけれども、これは非常に要件が厳しくて、立証責任は訴えた側にあるということ、それから、こういう問題について時間を費やすことよりももっと前に進んでいこうということで、選挙無効についての訴えは今のところ起こす考えはないというような話も聞いております。  ただ、この候補者は、次の選挙に向けて、これから四年間、生活の糧も含めて活動を続けていかなければなりません。もちろん、県警の側から謝罪があったり、あるいは、先ほど課長以下七人の方に処分が出されたというふうには聞いておりますけれども、今後、この事案についてどのように対応していくべきなのか、警察庁の考えを伺います。
  125. 露木康浩

    露木政府参考人 先ほど申しましたとおり、大変遺憾な事案であるということでございます。  宮城県警察におきましては、この事案によって生じた損害につきましては、当然のことながら真摯に対応するというふうに報告を受けておりまして、候補者及びその関係の方々にもその旨お伝えをして、現在協議をしているというふうに聞いております。
  126. 吉川元

    ○吉川(元)委員 しっかり誠意ある対応をお願いしたいというふうに思いますし、また、この事案、以前にもこの仙台においては、車両の判断、解釈の誤りがあったというような話も聞いております。これは、仙台にかかわらず全国の選挙について公正な選挙が行われるように、そして、少なくともこんな初歩的といいますか、警察の解釈のミスでこういうことが起こらないようにしっかりとやっていただきたいというふうに思います。  余り時間がありませんので、次に、ちょっと人事院勧告について伺いたいと思います。  今回の人勧、月例給で千四百六十九円、それからボーナスで〇・一カ月の引き上げとなりました。月例給、一時金、二年連続での引き上げというのは実に四半世紀ぶりだというふうに聞いております。このプラス勧告自体については前向きに受けとめたいというふうに考えております。  ただ、例えば、ボーナスのプラス改定部分については、〇・一カ月、これは全て勤勉手当に回されることにより、育休の対象者あるいは非常勤職員の加算分が適用されない、こういう問題もあります。  そこで、人事院にお聞きしたいんですが、四月から実施された給与制度の総合的見直しによって、二%の賃金カットが行われ、経過措置として三年間にわたる現給保障が実施されております。したがって、プラス勧告で俸給表が改定されても、実際にはその分の賃上げはない、そういう理解でいいのかということ。  それから、今回の千四百六十九円の改定分について、その大部分、千百五十六円については地域手当の支給割合の見直しにするということですけれども、そうした理由をお聞かせください。  それから、なぜ俸給表の引き上げをしなかったのか。  私自身は、二%の賃金カットということがありますので、俸給表の引き上げをしても直ちに上がるわけではないということもあろうかというふうには思いますけれども、ただ、実際見ておりますと、全国自治体のうちの七五%、これがいわゆる地域手当の対象外のところであります。国家公務員については、全国に異動もいたしますし、それから広域異動手当や単身赴任手当、こうしたものも同時に見直されて、地域給が低いところに赴任したとしても賃金の引き下げ分はある程度カバーできますけれども、地方公務員の場合はそういうわけにはいきません。そして、今ほども言いましたとおり、七五%がそういう状態になっております。  この給与の総合的見直し自体に賛成はできないわけですけれども、それでも、今回、地方自治体の給与というのは各県の人事委員会等々が決めていくわけではありますけれども、この人勧の影響というのは当然強く受けるわけであります。とりわけ地域給のない七五%の自治体事情も考慮すれば、やはり月例給の見直し、俸給表の引き上げで対応すべきではなかったかというふうに考えますけれども、この点についてのお考えを伺います。
  127. 古屋浩明

    古屋政府参考人 お答えいたします。  本年は、民間給与との較差〇・三六%ということを踏まえまして、基本的な給与であります俸給につきまして較差に相当する平均〇・四%分の俸給表の引き上げ改定を行うということとしたところでございます。  例年の場合であれば、今回の俸給表の改定によりまして較差も解消されるということになるわけでございますが、先生も御指摘のとおり、本年におきましては、大半の職員が給与制度の総合見直しにおける俸給表水準の引き下げに伴う経過措置額を受けているということで、俸給表の引き上げ改定を行っても多くの職員には実際に支給される額が増加しないということになるということで、較差が相当残るということでございます。  先ほどもお話がございましたが、給与制度の総合見直しということで、俸給水準を平均二%引き下げた上で諸手当の見直しを行うということで、地域間の給与配分、世代間の給与配分、それから職務、勤務実績に応じた給与配分を見直すということで進めておるわけでございます。  民間給与との較差に相当する改定を上回る俸給表の引き上げ改定を行うということは、この給与制度の総合見直しとの関係では適当ではないというふうに考えておりまして、今回は、給与制度の総合的見直しを円滑に進めるという観点から、地域手当の支給割合の改定を行うということとしたところでございます。
  128. 吉川元

    ○吉川(元)委員 もう時間が来ましたので。本当は大臣にもこの見解について伺いたいというふうに思っておりました。  やはり地域給というのは、先ほども言いましたとおり、国家公務員というのは、東京に勤務して、今度は地方に勤務して、また都市圏に勤務するということはありますけれども、例えば私の地元の大分は、県都である大分市も含めてこの地域給の手当を全く受けない地域であります。そういうところからすると、結局、今回の賃上げの部分についても全くその恩恵を受けない形になります。  ぜひ、地方創生観点からしても、地方公務員の給与についてもしっかりと上がっていくようなことを考えていただきたいということを最後に訴えて、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  129. 桝屋敬悟

    桝屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時六分散会