○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
みんなの党を
代表して、
質問をさせていただきます。
東日本大震災、そして
東京電力福島原発の
事故から三年と一か月が経過しました。
原子力損害賠償支援機構法の一部を
改正する
法律案の
審議を始めるに当たり、何よりもまず、
原発事故の被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げますとともに、
国会議員としての職責の重大さに改めて身が引き締まる思いでございます。
いまだに故郷に帰れない
原発避難者は十三万人もいます。避難者の中には、父親が仕事の
関係で
福島を離れることができず、母親と子供だけが県外に避難する母子避難の家庭も多く存在します。また、以前と同等の収入が得られず生活が困窮したり、子供に希望どおりの教育を受けさせることができなかったり、御夫婦の
考え方が擦れ違いを起こし、家庭内が崩壊し、いわゆる
原発離婚に至ってしまうようなケースも増えてきています。何よりもつらいのは、それによって一番苦しむのはお子様や御老人の弱者だということです。
このように、
原発事故は、何万人単位で人々の生活を基盤から崩してしまう、まさに破壊的なものなのであります。本来、私たち
国会議員は、二度とこのような思いをする国民を出さないように、新しい未来をつくっていかなければならない立場にあります。
しかし、四月十一日に閣議
決定された新しい
エネルギー基本計画は、核燃料サイクルを維持し、「もんじゅ」を温存するなど、残念ながら新しい未来へ進もうという気概も目標も感じられない
内容のものでした。
本日は、今後
委員会で行われる
原子力損害賠償支援機構法の議論に先立って、基本的かつ根本的な
質問を
中心にさせていただきたいと思います。
福島原発事故の収束のために、我々
国会議員も
政府も、この三年間で相当な時間、労力、そして国費を投下し、
賠償、除染、
汚染水、核のごみ
処理、そして
廃炉について話合いを行ってきました。しかし、最終的な解決まで何年掛かるか、先も見えない
状況が続いています。
現在申請中の
原発の再稼働が一部実現したとして、このような厳しい
状況下で南海トラフなどの大地震が発生し、別の
原発が大
事故を起こしてしまったとなれば、想像も付かないような最悪の
状況に陥ってしまいます。例えば、浜岡
原発が放射性物質を拡散してしまい、静岡が
福島と同じような
状況になってしまったらどうなるでしょうか。まさかそんなことがあるわけないだろうと思った議員がいたとしたら、その方はまた盲
目的な安全神話のとりこになってしまっていると言わざるを得ません。
そのような事態になったら、現閣僚の皆様は、今後十年間、日本はその
影響によってどのような
状況に陥ってしまうとお
考えでしょうか。安倍政権下で必死に推進されている日本
経済の回復は実現可能になると思われますか。財政は改善すると思われますか。以上三点を
官房長官、経産大臣及び
復興大臣に伺います。
現在、
原子力規制
委員会に申請され、十
原発の再稼働審査が進められています。
福島第二
原発の申請は出されておりませんが、仮に申請され審査を通ったとしたら、四十年
廃炉ルールの下でも今後八年間は運転可能となります。
そこで、根本
復興大臣にお聞きします。
福島第二
原発再稼働の申請があり、審査を通ったとした場合、再稼働への
福島県民の理解は得られるようになると思いますか。もし得られないと思われるならば、可及的速やかに同
原発を
廃炉にすることを発表し、ほかの
事業者の
協力を得てでもその作業を進めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。二点、お答えいただければと思います。
さて、
原子力損害賠償支援機構法は、
東京電力が
福島第一
原発事故の全
責任を負うことを前提としています。つまり、
原子力損害賠償法三条一項ただし書の、異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じた損害ではなく、あくまで同項本文が適用されているとの解釈です。
平成二十三年五月、当時の
民主党枝野
官房長官は、「
国会等でもこうした大きな津波によってこうした
事故に陥る
可能性について指摘もされておりましたし、また、大変巨大な地震ではございましたが、人類も過去に
経験をしている地震でございます。そうした意味では、このただし書に当たる
可能性はない、したがって上限はない」と答弁されています。
そこで、菅
官房長官に四点の
質問があります。
まず一点目は、現
政府も同じ
考え、つまり、
福島第一
原発の
事故は異常に巨大な天災地変によって生じた損害ではないとのお
考えだと理解してよろしいでしょうか。もしイエスならば、
福島第一
原発の
事故は
政府においても予見ができたということかと思います。
そうであるならば、なぜこのような
事故を防ぐことができなかったのか、なぜ大
事故が起きた場合の
政府や
事業者などの
責任について法制上の備えをしてこなかったのか、これが二点目の
質問です。
そして、三点目は、このような
措置をせずに
原子力政策を推し進めてきた
自民党政権はどのように
責任を取るべきだと思われるか。
そして、
最後の四点目は、もし
責任を取るべきだと思われるなら、
原発政策をドラスチックに変え、脱
原発の
政策を進めることこそが正しい
責任の取り方だと思いますが、そのような
考え方を持ち合わせてはないのでしょうか。
これらは、本
法案を再度根本から議論していく上での大前提となりますので、
官房長官のお
考えをお聞かせいただければと思います。
原子力損害賠償支援機構は、
電力の
安定供給の
必要性と
被害者への
賠償を滞りなく行うという
観点から、
東電を債務超過にさせない
目的も持って設置されたものでした。
我々みんなの党は、国民に
負担を押し付けることによって同社を救済するようなことは資本主義のルールに反するし、本来であれば
責任を取らなくてはいけない
経営陣、株主、そして大手
金融機関を単純に救済するものだとして
最後まで反対を続けました。
そこで、
茂木大臣にお聞きします。
大臣は
東電のBS・PL財務諸表をしっかりと
確認されていると思いますが、本
機構が設置されず、国からの
支援がなかったとすれば、
東電は二〇一一年当時、債務超過に陥っていたと思われますか。現在、もし本
機構が
支援を引き揚げて立替金の回収をするとなったらいかがでしょうか。
現状でも
東電は債務超過に陥ってしまうと思われますでしょうか。
原子力損害賠償支援機構法の
改正においては、
附則六条について再
確認する必要があると思っています。
御存じのとおり、
附則六条一項は、
原賠法の
改正等の抜本的な
見直しを含めた
措置を、二項は、この
支援機構法の施行
状況を
検討して必要な
措置を講ずることをそれぞれ定めています。そして、参議院で、一項については一年、二項については二年を目途とする旨の附帯決議が行われました。私も当時、本
法案に反対しながらも、この
附則と附帯を
最後の頼みの綱として
考えていました。
では、これまでこの
附則に基づいた
措置はとられてきたのでしょうか。
附則六条一項に基づく抜本的な
改正というならば、まずは、
原子力損害賠償補償契約に基づく補償金千二百億円の額を見直すべきだと思います。また、いまだに異なる解釈が示されている
賠償法十六条。
原子力事業者の
賠償額が
賠償措置額を超えた場合に行われる必要な援助は
事業者の破綻
処理をマストにするなど、
改正すべきポイントは多々あると思います。
今回の
改正は、同
機構設立の
趣旨にも反する必要のない部分に爪を伸ばした
改正でしかなく、必要不可欠なものには目をつぶったままとなっております。
下村大臣にお聞きします。
政府は、
附則六条一項に基づいた抜本的な
改正を行うつもりはあるのでしょうか。行うつもりがあるとするならば、いつ頃の予定でしょうか。
附則六条二項においては、国民
負担を最小化する
観点から
改正等を
検討することとなっております。しかし、今回の
改正は、国民
負担について真剣に
検討したとは思えません。むしろ、国と
東電の
責任が曖昧な中で、
廃炉と
汚染水対策の
機能が付加されることにより、今後は国民
負担が増える
可能性の方が高いとさえ危惧されます。
同項の精神から、
政府は、今回の
改正案が、
汚染水や
廃炉にかこつけて、国が
前面に立つという名の下に、国民
負担を増やすような流れには決してしないとお約束していただくことはできるでしょうか。
茂木大臣、お願いいたします。
さきの
質問と同じ部分ですが、同項を読むと、当該
資金援助を受ける
原子力事業者の株主その他の利害
関係者の
負担の
在り方等を含め、国民
負担を最小化する
観点から、この
法律の施行
状況に
検討を加えとあります。どう解釈しても、
東電の法的整理を除外しているものではないと私は
認識しておりますが、
政府のお
考えはいかがでしょうか。
最後に、本日この後の
議題でもあります
原子力協定に関連する
質問をさせていただきます。
昨日の外交防衛
委員会で、我が党中西
委員の
質問に対し、
原発関連の輸出に公的輸出信用を与える際の安全
確認手続は、経産省が
実施することについては否定されるものではないと
考えておりますとの
政府答弁がありました。これでは、
福島原発事故以前のように、推進する部門が安全性を
確認することとなり、何のために
原子力安全・保安院を解体し、
環境省の外局として
原子力規制
委員会を立ち上げたのかが分かりません。本当に経産省に安全を
確認させる
可能性を残してもよいとお
考えなのでしょうか。経産大臣、お答えください。
みんなの党は、現在、
原発を国有化し、
汚染水対策と
廃炉処理も完全に国の
責任下で行う
原発国有化
法案を今
国会で
提出するための準備をしております。これが導入されれば、国と
東電の
責任の曖昧さがなくなり、
賠償は
被害者の立場で滞りなく実現し、株主や
経営陣の
責任は明確になり、
事故処理に当たっている
現場の
責任者たちのモチベーションは上がり、所有権分離が実現され、新規参入が促されることによって、世界で最も高い日本の
電気料金を大幅に下げることも可能になります。
同
法案の
提出や、様々な対案、提案を通じ、引き続き、我々は真の
電力自由化を推進し、日本の英知を結集した
再生可能エネルギーの大幅な
増加と
原発からの完全撤退を目指していくことをお誓い申し上げて、私の
質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(
拍手)
〔
国務大臣茂木敏充君
登壇、
拍手〕