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藤本祐司君
矢野会長の
お話のとおり、この三年間どういう
テーマでやろうかということを
理事懇あるいは
理事会、そして
皆さんの御
意見をちょうだいしながら検討させていただいた結果でございまして、まず、このお手元にお配りしました
テーマ案ということで、これを簡単に御
説明をしたいと
思います。
まず、基本的な
考え方として、三年間やる
調査だということで、
幾つかの、五本の柱をもって基本的な
考え方とさせていただいております。
まず、
参議院の
調査会という、この
調査会ならではの少し大胆な
テーマでやってみたらどうだろうかと。よくある
参考書なりあるいは書籍なり、様々のそういった
既存のものがあるわけでございますが、それをただ読むだけで
理解するということだけではなくて、幅広いいろんな
意見をお聞きする、そして自由な
意見交換をする中で大胆な
テーマを決めていく、そしてこの
調査会のいわゆる
存在理由というかレゾンデートルを高めていくというような
テーマにしたらどうだろうかというのが第一点。
第二点目は、この
調査会の性格上、対立をして対決するというようなことではございませんので、余り
イデオロギーの強いような、
イデオロギー色の強い
テーマというのはあえて外した形で、いろんな
意見が出てくるような
テーマを設定してはどうだろうかというのが二点目です。
三点目。これはもう
前提でございますが、三年間継続をするということで、一年やったらもう終わりよというような話ではございませんので、余り限定的な
テーマとしてしまうことではなくて、単
年度で解決するようなことではないような、少し広範囲にわたるような
テーマとしてはどうだろうかと。
四点目。それに付随いたしまして、中長期的な
テーマ、つまり短期的な今現在起きているような
課題を、対症療法的な対応の
議論ということではなくて、少し長期的な、最低五年以上先のぐらいのことを見据えた上での
テーマにしたらどうだろうかというのが四点目。
五点目は、やはり
調査会というのが、今までの反省を踏まえまして、多くの
方々に
是非関心を持っていただきたいというような、メンバーの
方々にも
関心を持っていただけるような
テーマにしたらどうだろうかと。特定の方だけが
関心を持つということになりますとどうしても
出席率にも
影響してくるということもございますので、
皆さんが進んで出て
議論ができるような
テーマにしようということを中心に検討させていただきました結果として、少し抽象的ではあるんですが、
幸福度の高い
社会というものを
構築していくためにはどういうことをやっていったらいいのかということについての
議論をしていこうというふうに考えておるところでございます。
ページめくっていただきまして、二ページ目に
フェーズ1と書いてございますが、これは
考え方とすれば今年一年間の
議論の
中身ということを考えていただければよろしいんですが、まず
共通理解を持っていただくために、今の
国民生活の実情に対しての
現状認識、そしてそれを踏まえた上で、次
年度以降でどういう
仮説を設定していこうかということについての
議論をしていったらどうだろうかということでございます。
それに伴いまして、我々が
生活をしていく、そして
幸福度が高くなるというようなことを考えた場合のいろんな
統計とか
データ、これを把握するとともに、その
データが本当に
国民生活を表しているのかどうかというのも大変疑問に思うようなところもところどころあろうかと
思いますので、それらについても検討していったらどうかというふうに考えております。
調査事項の例でございますが、ここは一から七書いてございますが、これは
皆様方にいろんな今回の
テーマで、
調査項目の中で挙げていただいた中から
幾つかをピックアップをさせていただいたものでございます。
一つは
国民生活全般的な
状況。
二つ目は
社会保障。これは非常に
関心度が高いだろうということもございますので、これらについて
幾つか例を出していますが、
社会保障の
現状について。そして、
教育の
現状。そして、
男女共同参画の
進捗状況であるとか
現状。自由時間の質と量。これはあえて自由時間と申し上げているのは、
労働時間の
調査というのはやっているんですが、基本的には自由時間はそれに相反すると考えられてはいますが、自由時間というものについての
自由度といいますか、その
辺りについての
状況というのを把握するということ。そして、六番目に
外国人労働者。つまり、
少子化あるいは
人口減少という中でこの
辺りについてもやはり考えていく、それは我々にも直接的な
影響が及ぶであろうということで
外国人労働者。あるいは都市と地方の
暮らしといった点について、七
項目ぐらいを設定いたしまして、今年の分に、今年といいますか、次の
通常国会の
段階ではこういった
データを見ながら
現状把握をしていきましょうということでございます。
三ページ以降は、今申し上げた七
項目について、例えばこんなような
データがありますよということを例として出したものでございますので、例えば
国民生活の全般的な
状況についてということで、
国民負担率の
国際比較であるとか、あるいは
住民生活満足度調査の結果であるとか、そういったものを出していく。それぞれ具体的には
説明しませんが、このような
データを出しながら
意見交換をしていく、場合によっては
有識者の方を呼んでそれについてのコメントをいただくというようなことをやっていったらどうだろうかということでございます。
七ページ以降、これは
フェーズ2になっておりますが、これはあくまでも例でございます。
仮説の例を一、二、三と挙げてございまして、これは一年目をやった中で、じゃどういう
テーマで具体的にやろうかということを一年目の最後の
段階で
皆さんで決めていただければいいんだろうというふうに思っています。
イメージがわかないといけないということでこの
仮説の例の一、二、三を出してございまして、例えば、休日、
休暇が多い国が国の
経済力を伸ばして
国民幸福度を高めると。
通常で考えると、
労働することによって
労働時間が長いとか、
効率良い
労働、
生産性を高めるということが
経済力を伸ばすというふうに考えられますが、逆説的に、休日、
休暇が多い方が国の
経済力を伸ばすというちょっと逆説的な
仮説を立ててみるというのも
一つの方法かなと。具体的に
世界の情勢を見ますとそういう例というのも
幾つか当てはまるところもございますので、こういうような
仮説を
一つ出してみたらどうだろうかという、これはあくまでもその
一つの例です。
二つ目の例としては、やはり高
負担・高
福祉国家の
国民は
幸福度が高いんだと。
社会保障のことについて長期的なことを考えていかなければいけない中で、
自由主義モデルがいいのか、
社会民主主義モデルがいいのか、あるいは
日本の独特の
モデルを
構築していくべきなのかどうなのか、その
辺りをやはり考えていくべきなのかなという
思いで
二つ目を書いています。
三つ目は、やはり
少子化の
影響で
人口減少局面に入ってきておりますが、
意見としては、
人口が減少することによって
経済力がどんどん抑えられてしまうという
意見もあるんですが、その一方で、必ずしもそれは当てはまらないんだと、
付加価値を高めることによって
国民所得が高まっていくんじゃないかというような
意見もございます。
この
辺りについて、少し長期的なことを考えながら
議論していってみたらどうだろうかというような
仮説を作った上で、二年目、三年目、それに関連するような
有識者あるいは
データなりをもう少し深く見ながら検討していったらどうでしょうかという御
提案をさせていただいたところでございます。
以上でございます。