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山本国務大臣 ただいま議題となりました
電子記録債権法案につきまして、提案の理由及びその
内容を御
説明申し上げます。
政府は、金銭
債権について、その取引の安全を確保することによって
事業者の資金調達の円滑化等を図る観点から、電子
債権記録機関が調製する記録原簿への電子記録をその発生、
譲渡等の要件とする電子記録
債権について定めるとともに、電子
債権記録機関の業務、
監督等について必要な事項を定めることにより、電子記録
債権制度を創設するため、本法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の
内容につきまして御
説明申し上げます。
第一に、電子記録
債権の発生、
譲渡、消滅等に関する私法上の規律を整備することとしております。
まず、電子記録
債権の発生や
譲渡につきましては、磁気ディスク等をもって作成される記録原簿に、電子
債権記録機関が当事者の請求を受けて電子記録をすることをその効力発生の要件とすることとし、電子記録
債権の
内容が当該記録原簿上の記録によって定まることとしております。
次に、電子記録
債権に係る取引の安全を確保するため、別段の電子記録をしない限り、手形における場合と同様に、電子記録
債権の
譲渡に善意取得や人的抗弁の切断の効力を認めることとしております。
また、手形における場合と同様に、記録原簿上の
債権者に対して支払いをした者に支払い免責を認めるほか、支払いの事実について電子記録がされないまま
債権が再度流通する事態を防止する仕組みを設けることとしております。
以上に加えて、手形保証類似の
独立性を有する電子記録保証の制度や電子記録
債権を
目的とする質権の制度を設け、これらにつきましても記録原簿への電子記録をその効力要件としているほか、記録事項の変更、電子
債権記録業務に関する電子
債権記録機関の責任、記録事項等の開示等についての
規定を整備することとしております。
第二に、電子
債権記録機関に対する
監督等のための
規定を整備することとしております。
まず、電子
債権記録機関の安定的、継続的な業務運営等を図るため、主務
大臣が申請を受け、
財産的基盤や適切な業務遂行能力を有する株式
会社を電子
債権記録業を行う者として指定することとしております。
次に、電子
債権記録機関の公正性、中立性の確保や、他の
事業からのリスクの遮断等の観点から、電子
債権記録機関の兼業を禁止することとしております。
このほか、電子
債権記録機関の業務の適切かつ確実な遂行を図るための報告徴求、立入検査、業務改善命令や、電子
債権記録機関が破綻した場合の業務移転命令など、所要の検査
監督規定を整備することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその
内容であります。
何とぞ、御
審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。