○横光
委員 社民党の横光克彦でございます。
NHKの来年度の予算案、これは、十二年間も
受信料据え置きの中、黒字予算を編成されている、大変な御努力をされているということで、評価をしたいと
思います。また、
受信料の増収
計画、これも、現在の
経済状況を踏まえて、現場の認識をしっかりした上で圧縮をしている。このことも評価に値すると私は考えております。
さて、
NHKの経営は、御案内のように
受信料によって成り立っているわけですが、もう一度ここで
受信料の重みというものを認識する必要があるんではないか、私はそういう気がしておるんです。
八〇%の
視聴者が
受信料を払ってくれている。三千五百万件。そのうちまた一千万件の衛星まで契約をしてくれているわけですね。しかも罰則
規定なんかないわけですね。BBCのように罰則
規定も何もない。にもかかわらずこれだけの
視聴者が
受信料を払っている。これは
世界の
公共放送の関係者からも不思議がられると同時に、大変称賛の的にもなっておるんですね。国際的にもこれだけの
放送体制を残しているのは私はもう
NHKしかないんではなかろうかと思うんですが、八割以上の方からお金をいただいて、しかも
基本的にはどこからも干渉されることなく、しかも
NHK職員の提案に基づいた
番組がつくられている。
こういうふうに
受信料制度が守られているのはなぜか。やはり一言で言えば
NHKの
放送内容が
視聴者の期待にこたえているからだ、この一言だと思うんですね。払いたくない人だっている。あるいはいろいろ不平や不満もある。しかし、こんな
番組つくってくれるじゃないか。あるいは、緊急のときには、災害のときには、こういった
情報を与えてくれるじゃないか。いろいろな幅広い形で
視聴者のニーズにこたえているから、私はこの
制度が成り立っているんだと思う。この
受信料の重みというものを、私は、またもう一度考えていかなきゃならない。しかも、これから
IT化、
デジタル化、多チャンネル化の
時代がやってくる。
NHKの
役割、ニーズというのはますます大きくなると思うんです。
しかし、逆に、それだけに、この
視聴者の人
たちの見る目というものも厳しくなってくる可能性もある。ですから、この今築いている期待をいかに継続して、さらに信頼を確固たるものにしていくかということが大変な課題であるということは申すまでもございません。
そこで、そういった期待がある一方で、先ほどからお話ございますように、
NHKの肥大化ということも、これまた一部では批判の的になっているわけですね。先ほど
会長が
お話しされました人に優しい
放送、そうしたことを目指して取り組んでいくんだと。これは
公共放送だからこそ率先して取り組まねばならないことであり、私はこういった分野ではその肥大化の批判というのは当たらないと思うんですね。
インターネットによる配信サービス、あるいは関連会社の増大、こういった問題以外では、こういった
公共放送の
役割でございますので、それに率先して取り組むことには、これは肥大化の批判は当たらない、私はこのように考えておりますが、そういった声も現実にあるわけです。肥大化、肥大化といって、あらゆる分野で大きくなっているという
印象を与えますが、事この職員の数という点からいえば、逆に、肥大化どころか逆の方向に進んでいるわけですね。
確かに、
受信料の重みという観点から効率化の努力、これは必要でございますし、とりわけ
公共放送でございますから、ほかの企業よりも、より一層厳しいスタンスで取り組んでいかなければならない。そして、現実に取り組んでこられた。
業務改革の着実な遂行に努力してこられた。そして、今回の予算案には、一万二千七十七人という職員体制になったわけですね。一万二千人体制になった。
一昨年の十二年度の参議院の交通・
情報通信委員会の中で、
会長は
業務のスリム化についてこうお答えになられているんですね。「
NHK、今一万二千数百人という体制で仕事をしているわけであります。」「ただ、私は、あと一、二年で、余りにも減らすと仕事に差し支えがありますので、そういう面で一万二千人体制の中でいろんな工夫をしていかなきゃならぬだろうと思っております。」
ちょうどこのお答えになってから一、二年が現在でございますが、そのお話のように、ちょうど一万二千人体制になったわけですね。このときの
趣旨を言えば、これから二十一世紀、
NHKとしては、
業務はこれからこういうサービスをやっていくんだ、そのためには職員はこの一万二千人体制で当面はやるんだ、いろいろ減らすことによって
業務に差し支えがあってはならぬ、全体の枠はこれだけの人数で、やりくりして工夫をしていく、そして最大の効果をお客さんに
番組というサービスで還元していくんだ、私はこういうお考えだと思うわけでございますが、
会長、いかがでしょうか。