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1951-11-30 第12回国会 衆議院 通商産業委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月三十日(金曜日)     午後三時十五分開議  出席委員    委員長 小金 義照君    理事 高木吉之助君 理事 中村 幸八君       今泉 貞雄君    小川 平二君       澁谷雄太郎君    永井 要造君       中村 純一君    福田  一君       南  好雄君    山手 滿男君       西村 榮一君    風早八十二君  委員外出席者         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      福田 久男君         参  考  人         (商工組合中央         金庫理事)   加藤 八郎君         参  考  人         (国民金融公庫         総務部長)   水谷登代七君         專  門  員 谷崎  明君     ————————————— 本日の会議に付した事件  中小企業金融促進に関する件     —————————————
  2. 小金義照

    小金委員長 ただいまより通商産業委員会を開会いたします。  まず閉会中の連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。目下当委員会において審査中でございますところの企業合理化促進法案につきましては、昨日これを継続審査に付するよう申出をすることに協議決定いたしたのでありますが、これが正式に院議によりまして当委員会閉会審査案件として付託せられましたときは、大蔵委員会よりの申出もございますし、閉会中におきまして本委員会大蔵委員会との連合審査会を開会する必要が認められますので、あらかじめ本日御決定を願つておきたいと存じます。そこでお諮りいたしますが、閉会中において大蔵委員会と本委員会との連合審査会を開会することに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小金義照

    小金委員長 御異議なしと認めます。それではそのように決定いたします。  なお日時等につきましては、今のところ別段予定いたしておきませんが、あらかじめ詳細御通知申し上げることといたします。     —————————————
  4. 小金義照

    小金委員長 次に中小企業金融促進に関する決議案を議題といたします。昨日本決議案案文についてはいろいろ御協議を願つたのでありますが、この決議案文原案作成につきましては委員長に御一任がございました。そこで中小企業金融促進に関する決議案案文を私の手元でつくり上げました。これをただいま朗読いたします。    中小企業金融促進に関する決議案   わが国中小企業は、わが国経済機構において極めて重要な地位を占めている実情にかんがみ、従来より中小企業に対しては諸般の金融措置を講じて、その維持育成に努めてきたのである。   しかるに年末を間近に控えてわが国金融機関制度及びその運用現状においては、中小企業の必要とする金融を積極的に充足し得ない憾み少しとせざるものがある。   よつてここに政府及び関係機関中小企業金融円滑化につき万全の措置を講ずべきである。 右決議する。  以上でございますが、この案件について御発言はございませんか。
  5. 風早八十二

    風早委員 中小企業金融問題は、中小企業にとつては死活の問題でありますから、われわれ委員会としてはこの促進について絶えず意思を表示して来たわけです。ことに年末に際して、これは毎年々々年中行事のように必ずやつております。しかしいくらやつてもその効果は、ほとんどすずめの涙ほどであつて、実際に中小企業そのものの助成になつておらない、またなり得ないというところにあると思うのです。そういう点で、こういう決議をする以上は、やはりなぜ中小企業が捨て子みたいになつてしまうのかということについて、もう少し真剣に考えておく必要があるのじやないか。ことにこの決議を実際に実行しなければならないのは政府機関でありますから、いろいろ民間機関もありますけれども、特に大蔵当局に対してはここで押えておかなければならぬ。そういう点について、これは委員長お尋ねすることになるかもしれませんが、今日どういう措置考えておられるか、その具体的な点をひとつお尋ねしたいと思うのです。それに応じまして多少質問もしてみたいと思います。
  6. 小金義照

    小金委員長 ことに年末に際しての小企業金融の問題は、お説の通り非冊に大切な問題でありますので、私としては委員会意向を察知して、すでに大蔵大臣、あるいは大蔵省関係筋に、それぞれ最善を尽してもらいたいということは申し入れております。なお中小企業関係主管官庁である通産省においても、もちろんこれを政府機関一つとしてやつておることと思いますが、日本全体の経済財政の立場から制約を受けておるというようなことを、いろいろ説明を受けておりますが、中小企業というものが、わが国では特別の大事なものでありますので、その特殊性を認識して、大いにこの決議案の内容を実現するように努力すべきことを懲通いたしておる次第であります。それだけ御報告申し上げておきます。
  7. 風早八十二

    風早委員 それでは現在大蔵当局に対して質問する機会がありますか。
  8. 小金義照

    小金委員長 私からお答え申し上げますが、大蔵省は、大臣、政務次官がどうしても出られないので、銀行局長出席を求めましたところ、これまた他の委員会で出られないので、銀行局総務課長福田久男君が見えておられます。福田君ができるだけのことはお答えいたします。
  9. 風早八十二

    風早委員 総務課長さんにお尋ねして、どの程度まで答えていただけるか、あるいはまたこれは権限以上だと言われはしないかと思われるわけでありますけれども、今日の新聞に出ておる通り、ドツジ氏の離日声明というものがある。ドツジ氏は御承知のように、今度の来朝期間ぐらい人気のなかつたことはない。ほとんど消然として帰られたような印象を、新聞の上では受けるわけでありますが、実際を聞いてみても、だれも歓迎しておらなかつたことは事実なんです。これはなぜかということでありますが、そのことはこの十五箇條の遺言状のようなものにちやんと出ておるのです。ドツジ氏もやはり根本的な考え方の中では、日本の復興について、中小企業というものは一つ考えられておらない。また日本国民生活水準に対しては、下げるということをはつきり出されておる。まだいろいろありますけれども、突き詰めればこういうことがドツジ氏の結論になる。それ以外には日本の生きる道がないような筋書きになつておる。そういうことに対して、大蔵大臣も最近の参議院予算委員会平衡交付金関係の小委員会におきまして、ある議員の質問に対して答えておられましたが、必ずしもドツジ氏の見解を無條件にのむということは政府としてもできないというような意向があつたと思うのです。そういう点で、根本としてドツジ氏の考え方に関連して、特に中小企業に対する政府考え方を、この際ひとつはつきりここへ出していただきたい。どの程度まで政府に積極的な考え方があるかをわれわれはここで知つておかないと、こういう決議案をいくらあなたの方へ出しても、これはまつたく当てのない、的なき矢のようなことになつてしまうのであります。そういう点について率直なお考えを承りたい。これは吉田総理が再軍備に対していろいろ発言しておられ、また池田大蔵大臣が来年度の八千五百億円のわくについていろいろと発言しておられる。こういうことと関連するわけでありまして、中小企業に対して、今まで 一応ドツジ氏の政策のわくの中で考えておつたその考え方を、批准を控えたその際政府はもう改めるのかどうか、こういう点についてひとつ大蔵当局としての見解を出していただきたい。
  10. 福田久男

    福田説明員 非常にむずかしい問題で、かつまた私自身ツジ氏とは会談した機会もございませんので、直接には何ら詳細は存じ上げませんが、昨日離日にあたりまして声明された十五項目についてのお話が出たのでありますけれども、一個人としてあれを読んでみました際に、これはまつた大蔵当局がというのではなくて、個人的な感じとしましては、ドツジさんがお話になりましたあの十五項目は、表現はいろいろかわつておりますけれども、ドツジさん自身のお考えから見て、誤まつた思想を持つておるとして、注意しなければならないという強い警告の意義を持つておるものであろうと思います。あの十数項目にわたる考え方は、大なり小なり行き過ぎになると危險だという意味における警告として、傾聽に値するものではないと私個人としては考えております。ただ何分にも、大きな日本経済方向とかいつた、まつたく大局的な、飛行機から見るような見方であの談話が出ておりますために、中小企業云々ということについては触れておらないのであります。しかしその点については、今国会においていろいろ御審議いただきました法案なり予算案なりというものは、それぞれ関係方面において了解を得て提案されたものでございまして、その一、二を拾つてみますと、たとえば国民金融公庫の増資、あるいは資金運用部からの借入れというような問題、あるいは中小企業信用保険関係法律改正——その中には信用保險協会機能の強化という面も含まれておるわけでありますが、そういつた面、あるいは商工組合中央金庫法の一部改正も行われることとなつたのでありまして、関係方面中小企業金融特別措置は了承しているのであります。こうした事項につきましては、国会の御審議を経て、予算は別でありますが、そのほかのものは大部分終了しておるのであります。これらも先ほど申しましたように、関係方面の了承を得て進められたということから考えますと、全然それを無視しておると申しますか、それらについて考慮を加えておらないということではないと言えるのじやないかと思います。従いまして今後の問題等についても、もちろん従来の方針をなお一層強化して進むことになると思いますが、あの声明にはつきりその文字が出ておらないということは、絶対にそれを否定したということではないというふうに了解していいのじやないかと私は思います。
  11. 風早八十二

    風早委員 中小企業を無視する、それは程度問題でありまして、ほんとうに無視したら日本がつぶれることを意味するわけであつてそういうことは問題にならない。ただじりじりに、また相当急速にこの中小企業が実際つぶれるような金融措置であるということだけでは間違いない。配分が問題なのです。これはこの前の商工中金法改正のときにも出ましたし、中小企業保險法のときにも出ましたし、こまかい問題は今まで相当論議され、もう結論も出ておつてわくが非常に限られておることは言うまでもない、また今年末金融の問題であります。この場合にそれでは具体的に伺いますけれども、特別に中小企業に対する金融わくというものをどのくらいとつてくれるか、これをひとつ説明してもらいたい。
  12. 福田久男

    福田説明員 お答えいたします。一般金融機関の融資する分については、特に幾らという数字的な判定は困難でありますが、政府の関與し得る部面におきましては、一例として国庫余裕金預託について申し上げますと、今からかれこれ三箇月前に約百五十億円の預託をいたしたのでありますが、その際にたとえば無盡会社とか、信用組合とか、あるいは商工組合中央金庫農林中央金庫等重点を置いて、そちらの方へ交付預託をいたしたのであります。なおその三箇月の期限が来た後におきまして、一般金融機関はすべて全額引上げたのでありますが、商工組合中央金庫については、たしか十三億程度であつたと思いますが、そのまますえ置きました。また特に中小金融重点を置いておる無盡会社及び信用組合につきましては、全国的にはその半額を残しました。なお災害のありました地方については全額をそのまますえ置いて残したのであります。そういつた意味合いで、政府で関與し得る資金と申しますか、そういう面においては極力中小企業の方へ流れるような措置は考慮されておると思うのであります。  年末金融についてお尋ねがございましたが、この際に年末金融全般についての考え方から申し上げておいた方が便宜かと思いますので申し上げますと、年末金融についての考え方に、全般的な年末における資金量と申しますか、通貨量と申しますか、そういつたものをどの程度に想定して考えればいいかという問題と、個別の問題として特に配慮を加えなければならない、中小金融面にはどういつた配慮をなすべきか、この二つに問題をわけて考えたらいいのではないかと思うのであります。  まず一般的な考え方といたしましては、年末の資金量なり通貨量なりの想定でございますが、従来の経験から見ますと、その年の九月末の通貨量と十二月末の通貨量との間の関係数字で当つてみますと、ややノーマルな経済情勢の時期においては、九月末の残高を一〇〇といたしますと、年末の最高が二五%ないし三〇%増しになつておるのであります。これをドツジ・ラインが初めて実施されました昭和二十四年について申しますと、二二%増しになつております。この昭和二十四年というのは、御承知のようにややデフレに近い、いわゆるデイス・インフレの時代であつたのでございますし、物価等につきましても、あるいは経済活動などにおきましても相当押えられがちの時期であつたと思うのであります。従つてその程度にまで通貨量を抑制することは現在の事態から見てやや行き過ぎではないかという観点が一方においてありますと同時に、昨年の昭和二十五年をとつてみますと、九月末の通貨量に対して十二月末は三七%の増加になつております。これは最高であります。最高と申しますのは、十二月三十一日ではなくて、三十一日よりも一両日前の時期が一番上るわけであります。ところが昨年の経済情勢は、御承知のように朝鮮動乱が起りました以後かなりの物価騰貴もありまして、そのような状態で今年度推移することは必ずしも適当ではないのではなかろうか、両者中間程度を考慮いたしますと、年末の最高ピークは五千三百億ないし4百億程度になるのではなかろうかと思います。そして年末はそのピークから若干下りますので、十二月末は五千百億程度というところが、計数的に見た見方ではありますが、一応一つの目標として考えていいのではなかろうか、そういたしますと、かれこれ三割近い増加といたしますと千億近い増加になるわけであります。そこで千億近い増加が、通常経済のときにおきましては、ある部分財政資金から支拂い超過として出され、ある部分日本銀行からの貸出しとして出されて、両者が合計されて年末の所要量をまかなうというのが、比較的統制その他が行われておらない経済時代の姿であつたと思いますが、今年度の見通しといたしましては、米の供出代金支拂い中心といたしまして、財政資金の方の支拂い超過が九百億ないし千億になるであろうと見込まれております。従いまして大部分財政資金支拂い超過によつて通貨の総量としての所要額は満たされ得る、日本銀行からの金融機関に対する資金の供給というものは、総体においてはそうふえないでもまかない得るのではなかろうか。但しその千億の金がどういうふうに流れるかということを考えてみますと、米の供出代金は、御承知のようにその半分ぐらいは系統機関の、具体的には農業協同組合への預け金となるわけでありますが、預け金系統を通じまして農林中央金庫へ預けられる、農林中央金庫といたしましては、日本銀行からの借入金が九月末におそらく二百億以上あつたと思いますが、それを拂いましてなおかつ三百億以上の余裕金が出るわけでありまして、この余裕金は、あるいは日本銀行を通じ、あるいは直接市中銀行に対して資金が供給され、それがまた企業の貸出し資金になるわけであります。また一部は直接短期貸付として農林関係の法人に対して貸し出されるわけであります。そういつた半分くらいは、今申しましたようなルートを通つて都市なり何なりへ還流して来るわけであります。残りの半分は、農家の生産資金あるいは消費資金として町へ行つて生産財なり消費財なりを購入する方向通つて都市へ還流して来るということが言えるのではないかと思います。従いまして先ほど申しました日本銀行信用供與量は、総体においてあまりふがえないと申しましても、農林中金において二百億拂いますれば、その分は都市金融機関においてふえてもよいということになるわけであります。今申しましたような姿をたどつて財政から出た金が民間資金としてうるおうということになると思いますし、またその程度通貨量増加が、一応現状を基礎にして考えた場合の正しい、おおむね妥当なものではなかろうかというふうに思われるわけであります。これに対しまして何分にも金融機関手元をゆたかにするということが最大の要件でありますので、年末にあたりましては、歳末貯蓄運動を展開して、金融機関資金量増加に拍車をかけたいということを考えているのであります。  それから特別の金融上の措置といたしましては、国庫指定預金につきましては先ほど申しましたように、財政引揚げ超過になる際で、手元がだんだん減つて参りますので、引揚げたいところではありますけれども、銀行からは引揚げましても、中小企業をおもにやつている商工中金相互銀行信用金庫につきましては相当金額を残しておくということにいたしているわけであります。  それから国民金融公庫資力の充実につきましては、予算通りますれば一般会計から十億円の出資がふえ、また資金運用部から二十億円の借入れができますので、それによつて今年度一ばい仕事を進めて行くわけでありますが、そのうちの相当部分を、年末を控えての金融に振り向けるように努力してもらいたいと思つているのであります。  商工組合中央金庫につきましては、先ほど申しました十三億を引続きすえ置きましたほかに、さらに二億四千万円の預託をその後において実施したのであります。たしか今月の二十日前後ではなかつたかと思います。そのほか中小企業信用保険法律改正になりますれば、保証協会機能も円滑に行い得るように、早急に措置したいというようなことを考えているのであります。
  13. 風早八十二

    風早委員 この前、預託金増額の問題を問題にしたことがあります。そのときは全然問題にされなかつたと思うのですが。商工中金なり、国民金融公庫なりに対して別わくをやはりこしらえて行かないで、先ほどの五千百億円ないしは五千四百億というものが実際に中小企業の手に入るということは——これは入らないとは言えないけれども、それははなはだわからないものである。こういう中小金融機関が実際にあり、その使命を持つておるわけなのでありますから、そこへこの年末に特別なわくを持つて行くというので助かるのだろうと思うのです。そういう点では、この前われわれの委員会で通したこういう商工中央金庫なり、あるいはまた国民金融公庫なり、この政府からの出資増額というものは、何も年末金融としてはつきり意識してされたのではないのであつてそれを今年末金融にすりかえ、年末金融はこれだというふうに言われることは、いささかどうか思うのです。われわれが今伺つておるのは、それは十分承知の上で、全然問題にならないから聞いているわけなのです。今日の全体の通貨量が五千億台を突破する、こういう際に、それと比べるとあまりにもこのわくにしても、また預託にしても問題にならない額であつて、絶対的な意味で問題にならないわけです。そういうことを考えてみますと、今お話のように今までやつたこの制度上の通常の運営をそのまま年末に当てはめるということでは、御返答にはならないと思うのです。私の聞いている意味従つて、積極的な措置について御回答願いたいと思います。たとえば予算の問題なんかでも、平衡交付金なんかの問題は、もちろん市中に、あるいは農村に金融上これが非常に役立つわけですが、この平衡交付金の百億というのは、とうていこれでは間に合わないというので、この年末にあたつては、特別な必要が生じた場合には具体的にこれに対して十分調査して措置を考慮する、こういう答弁が大蔵大臣からはすでにあつたのであります。これは一緒に聞いておられたと思いますが、そういつたような状態で、やれないことはどうもなさそうに思うのですが、今の政府として、この危機打開のために積極的な意思をひとつ示してもらいたいという意味から、今の商工中金国民金融公庫への直接の具体的な措置としてどういうふうなことを考えられたか、あるいはやることができるか、これをお答え願いたいと思います。
  14. 福田久男

    福田説明員 先ほど申し上げましたものは、一般金融機関の持つておる金融資金の中で中小企業行つておる部分は一応論外といたしたのでありますが、その数字——先ほど来はつきりどの程度あるのかということをお尋ねになつてつたと思うのでありますが、大ざつぱに申しますと、現在相互銀行資力というものは大体千億程度であろうと思います。それから信用金庫ないし信用組合資力が五百億程度であろうと思いますが、この両者は大体中小企業の専門の金融機関として、その方面に向つておると言い得ると思います。そのほか銀行もございます。銀行といえども中小企業に、われわれとしては大いに出すように慫慂いたしておるのでありますが、あるいは商工組合中央金庫資力、あるいは国民金融公庫資力、これらを合計いたしますと相当金額になろうと思います。但しどの程度かは、ちよつと手元にまとめた資料を持つておりませんので申し上げかねますが、それらの金融機関が、それぞれの分野において中小企業金融に貢献しておると思います。そのほかに政府自身として直接関與し得る部面という意味におきまして、先ほど申し上げたような措置を講じつつあるということでございます。  平衡交付金お話が出ましたが、平衡交付金につきましては、私あまり詳しく存じないので、お許し願いたいと思い度す。
  15. 風早八十二

    風早委員 平衡交付金のことは御存じなくてもよいのですが、平衡交付金の場合にも、百億では無理だということは、もう大蔵大臣は認めておる。そこでどうしてもそれをはみ出るものは特別な金融措置を講ずるべく政府は善処する、こういう返答参議院の、先ほど申した小委員会ではつきりされておる。これは私も聞いていてよく記憶しておる。そこでこれに対して参議院の方では、今度は予算措置、そこまで問題がずつと発展しております。結局平衡交付金への繰入れが百億では足りない。百億以上のはみ出たところを個々に折衝して、実際に金融措置を講ずるとしても、その穴埋めをやはり国庫からやるということについての問題が中心になつてつたわけです。いずれにしても、問題はそのわくをはみ出て、年末の金融に対しては、やはり特別な措置を講ずる、また講ずる余地があるものとわれわれは判断する。またそういうふうに努力しようと思えばできるものと考える。そういうことについて、どの程度まで考えられるかということを聞いておるわけです。ですから、今あなたの言われた商工中金国民金融公庫に対する十三億すえ置きとか、あるいは、二億四千万円の預託とかいうことは、もうこれは今までできておることである。年末の金融として新しく特別にこういうことをやられたというわけではないのです。これは予算を組むときの最初から問題になつてつた。なぜ特別な措置が必要であるかということは、説明を要せずとも明らかであると思うのです。今朝鮮の停戦が御承知のように、もう目睫の間に追つておる。前線では戦闘をやめておるのです。そしてこれがやはり経済界には非常に大きな響きになつておることは御承知通りだと思います。キヤンセルがどんどん、続出しておるし、昨日もここで指摘しましたけれども、たとえば造船といつたものをとつてみても——これは関連する産業が非常に多いのでありますけれども、造船などはほとんど火の消えたようになつてしまつておる。来年の二月には船台にわずか二台しかまわらないであろうという状態です。これは造船に限らず、繊維を初めあらゆる産業部門にさんたんたる状況が起つておる。そして大体においてそのしわ寄せを中小企業が受けておることもまた明らかである。そういう今年の特別な事情、去年の年末とはたいへんわけが違うし、その金の性質も違うわけです。ですから、一般金融機関を通じてという問題ではなしに、大蔵当局がやはり特別に措置せられる必要があるのではないかということを言つておるわけです。それには中小金融機関がれつきとしてあるのだから、それに対して、特別な措置が講ぜられないか。あなた御一存では言えないと思いますから、その点はひとつ大蔵大臣に十分相談をされて後刻それについて御回答願いたいと思いますが、いかがでしようか。
  16. 福田久男

    福田説明員 先ほどから申し上げたことの重複になると思いますが、九月ごろやつたことを今年末対策だというふうに持ち出すことは少し筋が違うのじやないかというおしかりを受けたのでありますが、たとえば商工組合中央金庫の例をとつて申しますと、金庫といたしましては、十一月に返済すべく資金の手当を考慮されておつたものでございまして、本来ならば十一月に返済される予定のものであつたのを、返済するかわりにすえ置いた、逆に申しますと、その返済資金商工組合中央金庫としては融資し得る資金として活用し得るわけでありますから、そうい一般金融機関、また商工中央金庫が返済する予定で準備しておつた資金を年末金融のために使い得るという意味において、年末金融の対策と見てもいいのじやないかと思うのであります。それからいろいろ、とお話もございましたけれども、一応今まで申しましたような線で考えて、大前提として申しましたかれこれ千億近い通貨の増発が直接間接中小企業へも還流するというふうに考えているのでございます。
  17. 風早八十二

    風早委員 わが委員会は今ここで全会一致で決議案を出さんとしているのです。この決議案を出すにあたつては、今言われたようなことはもう百も承知の上で、そういうことでは一つも解決しないから、この年末金融に対して特に決議案——これは毎年々々年中行事だと思われては困る。今年は去年とわけが違うのです。去年はまだ非常に景気が上つている最中でありますから、銀行は貸すし、いわゆる日銀からの通貨増発がある程度下まで行つたのです。今度は絶対に出しはしないですよ。国民金融公庫なんかのごときは五万、十万という金に殺到していて、それの何分というぐらいしか実際借りられな一い。そういうような状態になつてつてこの年が越せるか。これは労働者や農民だけじやないのです。今年は中小企業者が年が越せないと言われている。そういう際に、今まできまり切つて出ているものを、これを年末に使つてもらいたい。しかもこれもなかなかうまく運転しておらぬ。これはまた金融機関の方の問題であとで質問したいと思いますけれども、とにかく出さなければ、これはやはり安心して貸せないのです。一体年末の金融として特別な措置を講ずる余地はないのですか。あなたの一存で言つておられるのだとはなはだ困るのです。大蔵当局として責任のある見通しをひとつ話してもらいたい。
  18. 福田久男

    福田説明員 私の申し上げることは今までの繰返しになるので省略いたしますが、今までのお話の趣旨は上司へよく御報告申し上げておきたいと思います。
  19. 山手滿男

    ○山手委員 風早委員質問に関連して一点だけ伺いたいと思いますが、今の御答弁の中で、私ちよつとおそく来たのですが、米の供出代金が一千億円くらいもうどんどん出ているというふうな御答弁であつたように思うのですが、この供米代金が、中小企業、特に関西方面からずつとああいう早作地帶以外のところでは非常に年末金融と関連があるのですが、もう供米代金が一千億も出て、正月前に円滑に動くというようなお考えのようでありましたが、その点ちよつとお考え違いじやないかと思うのですが、どうですか。
  20. 福田久男

    福田説明員 私の先ほど供米代金について申しましたのは、国全体として見た総括的な立場から申し上げたので、個別的には、地域によりまして早いおそい、あるいは供出の予定の進捗度の問題等もございますので、日本銀行からの信用供與量がそう大してふえないでいると申しましたけれども、一方において先ほども触れましたように、農林中央金庫の貸出しが減りますので、その分は銀行の方がふえて来る。全体としては減らないという結果になるのであります。たとえばそれらの予定の供出量に行かないような場合がありますとすれば、その分は、日本銀行の貸出しの増加ということによつて通貨量はその程度には一応行かなければならないと思います。
  21. 風早八十二

    風早委員 供米については、大蔵大臣がはつきり言つているのですから、あなた方も御存じだと思いますが、例年は大体七割から七割五分年末までに入つて来るわけです。今年は、池田大蔵大臣の見通しでは大体五割、——そういうことをはつきり答弁しているのです。つまりもうこれは、昨年よりも二割ぐらいは少いのです。これはこの間の米の統制撤廃問題とも関連があるので、自由党の諸君にはよくお聞き願いたいのですが、あの問題で供出が非常に澁満しているわけです。ですからそういうふうなことで、今度は他人のふんどしで相撲をとらせようという——あなた方の方は他人じやないかもしれないけれども、中小金融機関、ことに政府関係中小金融機関に、そういうことを当てにしての上で、相撲をとらせるということは、まつた中小企業者をそれこそ無視しているということにならざるを得ない。そういう点でどうしてもこれは年末に政府が特別なわくをつくるという以外には——それもまたその額にもよりますけれども、少しも、一文も出さないというのでは、何もしないということになるのです。そういう点が今日の御答弁ではやはり與党の諸君でも満足されないような状態なんです。具体的に目捷に追つている問題ですから、また日を改めて関係当局の御答弁を煩わしたいと思います。
  22. 小金義照

    小金委員長 それではただいま私が朗読いたしました中小企業金融促進に関する決議案案文については御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 小金義照

    小金委員長 それではその通り決定いたします。  なお本会議の提出方法につきましては、交渉その他を委員長に一応おまかせを願いたいと存じます。     —————————————
  24. 小金義照

    小金委員長 この際商工組合中央金庫理事加藤八郎君、及び国民金融公庫総務部長水谷登代七君の二人がお見えになつておりますので、参考人として両君に発言を許したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 小金義照

    小金委員長 それではそのように決しました。  それでは御質疑がございますれば、この際許します。高木吉之助君。
  26. 高木吉之助

    ○高木(吉)委員 中金の方に伺いたいのですが、     〔委員長退席、中村委員長代理着席〕 本年は例年と違いまして中小企業が特に逼迫しておりますことは、申告納税の成績を見ても、いかに金繰りが惡いかよくわかる。また手形による決済も惡いというようなことで、税金も拂えないというようなことが、現実に起つている事態でございます。その上に例年と違いまして、本年は電力不足のために大企業はもとより、中小企業に著しくしわ寄せをされます。それがために生産が落ちてなお金繰りが惡いという例年と違つた現象が現われて来ていることは事実でございまして、例年の通り金融ではとてもこれを救うことができない。かてて加えまして、輸出業者が相次いで倒産をいたしております。これらに対して急速に資金の融資をやつていただかなければ、これがますます波及して参りまして、収拾すべからざる状態になると存じます。これらに対しまして中金といたしましては、何か特にお考えの点がございますか、お伺いいたしたいと思います。
  27. 加藤八郎

    ○加藤参考人 私加藤でございます。何とぞよろしくお願いをいたします。  ただいまお尋ねがございました電力危機その他に基きます年末金融の逼迫を中金ではどうするかということでございますが、先ほど本委員会におきまして、年末金融につきまして政府の方でも大いに資金源をつける、その他につきまして善処するようにという御決議をいただきまして、われわれもまことに意を強うした次第でございますが、何と申しましても、商工中金の現在の資金の状況を申しますと、非常に少うございまして、ただいまでは毎月金融債の発行によりまして得るところの資金は、利付と割引と合せまして四億円でございます。そのほかに系統の組合からの預金あるいは地方公共団体の預金を極力お願いいたしましても、大体一億そこらしか集まつておりませんので、会計いたしまして五億程度の毎月の資金源しかないのでございます。しかしながら一方資金の需要は、最近非常にふえて参つておりまして、平常の月で毎月大体十億ずつ貸出しが伸びて来ておるような状況でございます。これも大分押えに押えて、組合には御迷惑をかけておる次第でございますが、どうにか十億ぐらいでがまんしていただいて来ておつたのでありますが、この十二月の年末金融として考えますと、とても十億やそこらでは足りないのでございます。昨年の状況を見ましても、昨年は十二月中に二十四億の貸出しの増がございました。昨年はまだ所属組合の数も今日ほど多くなつておりませんし、その当時多分百億程度の貸出残であつたものが、十二月中に二十四億も伸びたような次第であります。今日の情勢におきましては、中金もおかげをもちまして百八十億を越すような貸出しになつております。これにまた、比率で申しますと、十二月の年末金融としてどうしても準備しなければならないものは、三十億とかその辺の数字資金はどうしても必要だと思うのでございますが、先ほど申しましたような資金の状況でございまして、非常に心細い状況にあるのでございます。それでこれを将来どういうふうに金融をするか。結局お願いするところは、政府の方のお力をお借りしまして、政府資金でも出していただくということをわれわれとしては渇望しておるのでございますが、その見通しがつくまでの措置といたしまして、極力やりくりをしておるわけであります。ただいまお尋ねの、電力不足によりまするいろいろの産業上の危機というものは、各事業者から深刻にわれわれの方にも訴えて来ておられるのでありまして、ことに関西方面が電力関係の影響が大きいようであります。それでただいまのところなるべく一般金融で、無理のないところから減らしまして、そういう特別にひどく打撃を受けておるという方面資金をまわそうというようなやりくりをやつておるような実情でございます。
  28. 高木吉之助

    ○高木(吉)委員 ただいまお尋ねいたしました輸出商社の倒産に対しまして、中金においても相当関係があると存じますが、これらに対しましてはどういうふうなお考えを持つておられますか、お伺いいたします。
  29. 加藤八郎

    ○加藤参考人 中小企業の内容は非常に広うございまして、実は私もこの春中金に入つてみまして、中小企業の仕事というものはこんなに範囲が広く、またいろいろの産業関係が深いのかとびつくりしたほどでありますが、御説のように輸出雑貨なんかの製造というものが相当ございます。それでそうい方面金融につきましても、金のやりくりのつく限りはやつておりますけれども、大分輸出不振の影響を受けまして、非常に窮状にあるところの組合あるのでございますが、われわれといたしましては、出資者でもあり、また本来の使命から申しまして中小企業——口幅つたいことでございますが、育成というような使命でやつておりますので、同情的に、できるだけのことはしたいと思つておるのでございます。
  30. 高木吉之助

    ○高木(吉)委員 特に輸出の方面におきましては、最近相当大きな商社が倒れて行く。それに関連しまして、中金などに取引をいたしております組合なりが相当あるわけでございますので、この点は特に意を用いていただきまして、十分の処置を講じてやつていただきたいと希望する次第であります。  なおまた中金といたしましては、十二月には借入れが殺到しておりますので、いろいろの手続上非常に金の貸付が遅れておる。年末まぎわになつて金をいただきましても、もはや効果のない場合が相当あるのでございますから、この点は特に留意をせられまして、早期に貸付をやつていただくようにお願い申し上げたいと思います。
  31. 加藤八郎

    ○加藤参考人 ただいまの、手続の遅れる点について一言お答え申し上げたいと思いますが、これはまことに恐縮いたしております。どの会合に参りましても、中金の貸出しの手続がおそい、せつかくの金も、おそくなるために商機を逸して十分な効果が上げられないというお話を承りますので、この点につきましては、理事長初めわれわれ一同非常に苦慮いたしまして、できる限りの改善をしたいという考えをもつてつて参りました。そんなことで、この九月ごろから簡単な、繰返して参ります運転資金などの手続は非常に簡略にいたしたのでございますが、ただ職員の数がまだ資金のバランスの伸び方に比例いたしましてふえておりませんので、またむやみに人をふやしましても、金融業務について経験のない者に十分な仕事をやらせるということも危險でありますので、そんなことで人的な陣容が貧弱であるというために、いろいろと御迷惑をかけておるようであります。ただいまお話を承りました趣旨をよく体しまして、今後なるべく能率を上げて、御迷惑を少くするようにやつて行きたいと思います。
  32. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 私はこの前の委員会でもうすでに大体質問はいたしておりますが、最近、ただいま加藤さんからのお話通りに大分各方面で組合の、いわゆる中小企業の組織化が実際に着々行われております。おそらく最近の組合組織というものは相当活発になつて来ておるのではないかと思うのです。一例をあげますと、商業者でも、各地方におきましてその市町村におきまする商店街のいろいろな改善その他につきまして、結局やはり中小企業金融の問題に関連が起つて来るのでありますが、年末金融からんでそれらの問題が活発化して来ることはおよそ予定がついておるというふうにわれわれは考えるのですけれども、今のお話のように、大体におきまして平常の月で十億円ぐらいの資金需要があつて、それが預金あるいは商工債の発行では半分の五億円ぐらいしか実際において手当ができない。こんなふうな状態でもつて年末に参りましてからはたしてこの難局を乗り越えることができるかどうかということが、われわれに非常に大きな心配になつて来るわけなのであります。いまさら私がくだくだしく申し上げるまでもなく、中小企業の問題というものは、日本ばかりでなくアメリカにおきましても非常に大きく取上げられておることは確かなのであります。この問題につきましては、当委員会におきましても、あるいは衆議院におきましても、われわれは絶えず強く中小企業金融の問題について意見を述べておるのでありますが、ほんとうに認識が足りていないのだとわれわれは強く感じておるのです。この前の私の銀行局長に対しての、市中銀行中小企業専門店の預金に対する貸出しの割合が約三分の一しかないのじやないか、それはどういつた状態でもつてそうなつているのかという質問に対しましても、あのときからすでに相当な日数がたつておるにもかかわらず、まだわれわれに対してその報告も来ていない。大蔵省は、中小企業に対する金融の問題に対しては熱意が乏しいのじやないかということを、われわれは痛感するわけなのであります。従いまして私は、商工中金は昨年の割合からすると、昨年が二十四億円であるから、本年は年末に少くとも三十億円くらいな資金はいるのではないか。昨年の二十四億円は、貸し出された数字と私は解釈しますが、昨年実際に貸し出された資金が二十四億円だつたとすれば、昨年の年末には、ただいま加藤さんからもお話通りに、おそらく商工中金は百二十億見当しか貸出しをしていなかつた。それから後に組合組織も相当に大きくなつておりますし、取引の高も相当にふえておりますから、普通の状態であつても三十億ならばパーパーなのです。それに対しまして今度は、現在のような状態でもつて中小企業が年末において非常に苦しい立場に置かれておるということを考えますときに、これは三十億もしくは三十五億、四十億の資金が必要じやないかというようにわれわれは考えるのであります。商工中金が今実際にそれらの資金の手当についてどういう対策をやろうとし、また考えつつあるかということをひとつ率直にお話願いたいと思います。
  33. 加藤八郎

    ○加藤参考人 ただいま澁谷さんからおつしやつたことは、いろいろの数字によつて先ほで申し上げた点と同じでございます。十二月のこの資金対策につきまして、中金として具体的にどういう対策を考えておるかというお話でございますから、われわれの考えており、また手を打つておるところを率直に申し上げてみたいと存じます。  先ほども申しましたように、われわれの自力で資金を集めるということはもちろん一番大事なことでございますから、預金の増加、あるいは地方公共団体に極力お願いして預託をしていただくというようなことはもちろんいたしてございます。今度幸いに商工中金法改正も通していただきまして、所属組合のみならず、一般の組合員からも直接に預金が扱えることになりましたので、この点もせつかく法律改正していただきましたこの機会を利用して、十二月の資金の動きの多いときに、なるべく預金も集めてみたいと思つております。ただ店舗が何分にもまだ四十二しかございませんので、そんな関係からどの程度預金が集まるかということにつきまして、はつきりした見通しも立つておらないわけでありますが、できるだけこういうところも利用いたしまして、預金を集めたいと思つております。何と申しましてもこの場に来ましては、政府の方の預金部の金なりあるいは国庫金の預託をさらに増加していただくことをお願いできれば一番手取り早く解決がつくという考えを持ちまして、理事長も大蔵大臣にお願いされたのでございますし、われわれも事務的にいろいろ大蔵省にお願い申し上げておるような次第であります。しかしこの点につきましては、ただいま福田課長さんからお話のあつたような御事情もあるようでありまして、見通しとしてきまつたものではございません。  なお日本銀行からの借入れの点でございますが、現在中小企業の別わくとして十七億のわくをもらつております。これもまだ若干余力がございますので、十二月には限度一ぱいに借り入れたいと思つております。そのほか日本銀行からの高率適用の借入れでございますが、これも今日になりましては、第一次のみならず第二次高率適用までできるだけお願いして行かなければならないというふうに考えておりまして、ただ中小企業金融を扱つておる建前上、日本銀行の再割適格というような優良商手を組合の方がお持ちになつておるという面がそうたくさんございませんので、質ぐさの点で難点はございますが、できるだけのものは日本銀行にお願いして、第二次高率適用を受けても借入れをふやして、何とか金融をまかなつて行きたい、こういうふうに考えております。具体的に三十億なら三十億の見通しがついたという御答弁ができないことを私もはなはだ残念に思います。
  34. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 それではこの問題をここで突き進んでお尋ねしても無理だと思いますが、きようでもつて十一月を終りましていよいよ十二月になります。金融の非常に活発に動かなければならぬ時期に到達しておりますので、ただいまも風早委員から質問がありましたが、委員会の方々が非公式に、最近にもう一ぺん、特に中小企業対策の金融の問題に対しまして、別な委員会を持とうじやないかというまでの熱意を持つておるわけなんです。従いましていずれ今度委員会を開くまでの間には、おそらく一週間なりあるいはそれ以上のゆとりがあると思いますから、それまでの間に大体の折衝の経過をその委員会に必ず責任を持つて報告をしていただきたい、こういうふうに考えるわけなのであります。たびたび繰返すように、中小企業金融対策に対する熱意が非常に少いことをわれわれはほんとうに遺憾に思つておるのですが、この際はぜひそれをある程度まで実現させたい、こういう考えでありますから、それまでの間にいま少しく具体的にわれわれの前に話のできるようにお願いしたいと思います。
  35. 山手滿男

    ○山手委員 今のお話と関連するのでありますが、商工中金の方で特にめんどうを見ていただかなければだめではないかと私は思うのであります。年末金融について特に商工中金の方からいろいろ手を打つておられるはずでありますが、三十億くらいはいるのじやないかという今の澁谷さんのお話に対しては、なかなかそこまでは行つていないというお話でございました。今商工中金と日銀と折衝しておられる、あるいはどの程度中金として年末金融に対処できるかという点を、私はもう少し詳しく承つておきたいと思う。
  36. 加藤八郎

    ○加藤参考人 日本銀行の方の別わくの十七億をふやしてもらうということにつきましては、うちの副理事長が日本銀行の出身であります関係をもちまして、特に日本銀行には強くお願い申し上げておるわけでありますが、一般日本銀行の方針といたしまして中小企業のための別わくを今回ふやすということについては、やはり非常に困難な状況がございます。それではやむを得ませんから、これは断念したわけでもございませんが、どうしてもできないという実情であれば、先ほども申したような高率適用を受けてもぜひ何とか借りたいということで、営業局の方にいろいろお願いしております。今までの経過におきましては、実情をよくお考えいただきまして、中金の必要とする資金のために第二次高率適用の金をある程度考えて行かなければなるまいというようには考えてもらつておるようであります。私は日本銀行の取扱いを詳しく存じませんけれども、質ぐさがあるから貸すというわけでは必ずしもないわけでありまして、いろいろ銀行資金繰りその他を考えて貸してくれるのでありますが、中金のために第二次高率適用を受けても資金を借りたいとお願い申し上げた場合に、好意的にいろいろ考えていただけるというような空気であると、この程度しか申し上げられません。はなはだ失札でありますが、現状はそこまでしか行つておりません。
  37. 山手滿男

    ○山手委員 その点はそれくらいにいたしますが、次に年末金融で非常に大切なことは、スピーディーに事務を処理してもらつて、できるだけ明確に時間的の手間をかけないようにすることが非常に必要じやないかと思います。商工中金の今おやりになつております業務の実態を私どもはたから見ておりましても、相当時間的にもどうかと思われるような事務をおやりになつておられるようであります。年末金融で手形の決済やいろいろの問題も出て来るだろうと思いますが、その場合に業者ができると思つてつたものができない、いいかげんなことで、またこういう書類を出せとかどうだとかいうようなことで希望をつながすような、あいまいな態度でひつぱつて行くというようなこともあるのでありますが、そういうようなことまで、窓口の業務についてのいろいろ指示とか何とかいうものを、商工中金の中央から地方の窓口をあずかつている支所あるいは出張所におやりになつておりますかどうか、その点も伺つておきたいと思います。
  38. 加藤八郎

    ○加藤参考人 率直に申しまして中金の接客態度、サービスが悪いとか、取扱いのスピードがおそいという点につきまして常に批判を受けておりますので、今年の九月、特に支部長会議を開きまして、理事長より懇々とこの点について説諭したのであります。なお書面をもちましても接客態度の改善、事務処理の迅速化ということについて指示したのでございますが、まだ皆様方の目からごらんになれば十分でないという御批判を受けることがあろうかと存じます。今後とも十分改善して行きたいと思つておりますが、最近経済事情が困難になつて参りまして、われわれの最も優良な取引先と思つていたものが突然に倒産するようなものも出て来ている状況でありますので、必要な信用調査をぜひともやらなくてはいけませんが、省き得るところは省いて迅速化することはもちろん考えております。その点十分研究して改善して行きたいと思います。なお従来でございますと、何とか資金がやりくりできたのでありますが、今はいわゆる審査部と称しまして、そうい資金の貸出しについて不備がないかという審査をするところがございますが、これで通りましても今度資金の手当がつかない、これは経理部でやりますが、貸していい金であるけれども、手元に金がないということで一度に出せない、一千万円の御要求に対して、今五百万円出すけれども、あとの五百万円は一週間とか五日後にお願いしたいということになることもございまして、まつた資金が不足しているために非常に遅れる実情にございますのが最近の現象でございます。こういう点ははなはだ申訳ないと思つておりますが、今お話のように迅速化につきましては今後一層注意して御趣旨に沿うように努力したいと思います。     〔中村委員長代理退席、委員長着席〕
  39. 小金義照

    小金委員長 それでは本日はこの程度にて散会いたします。  次会は公報をもつて御通知申し上げますが、大蔵委員会との連合審査会の件については、先ほど協議申し上げた通り閉会中の審議をお願いいたします。     午後四時三十七分散会