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1951-11-30 第12回国会 衆議院 通商産業委員会 第14号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年十一月三十日(金曜日) 午後三時十五分
開議
出席委員
委員長
小金
義照君
理事
高木吉之助
君
理事
中村
幸八君 今泉 貞雄君 小川 平二君
澁谷雄太郎
君 永井 要造君
中村
純一君
福田
一君 南 好雄君 山手
滿男
君 西村 榮一君
風早
八十二君
委員外
の
出席者
大蔵事務官
(
銀行局総務課
長)
福田
久男
君 参 考 人 (
商工組合中央
金庫理事
) 加藤 八郎君 参 考 人 (
国民金融公庫
総務部長
)
水谷登代
七君 專 門 員 谷崎 明君 —
——
——
——
——
——
——
本日の会議に付した事件
中小企業金融促進
に関する件 —
——
——
——
——
——
——
小金義照
1
○
小金委員長
ただいまより
通商産業委員会
を開会いたします。 まず
閉会
中の
連合審査会開会
に関する件についてお諮りいたします。目下当
委員会
において
審査
中でございますところの
企業合理化促進法案
につきましては、昨日これを
継続審査
に付するよう申出をすることに協議決定いたしたのでありますが、これが正式に院議によりまして当
委員会
に
閉会
中
審査案件
として付託せられましたときは、
大蔵委員会
よりの申出もございますし、
閉会
中におきまして本
委員会
と
大蔵委員会
との
連合審査会
を開会する必要が認められますので、あらかじめ本日御決定を願
つて
おきたいと存じます。そこでお諮りいたしますが、
閉会
中において
大蔵委員会
と本
委員会
との
連合審査会
を開会することに御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小金義照
2
○
小金委員長
御
異議
なしと認めます。それではそのように決定いたします。 なお
日時等
につきましては、今のところ別段予定いたしておきませんが、あらかじめ詳細御通知申し上げることといたします。 —
——
——
——
——
——
——
小金義照
3
○
小金委員長
次に
中小企業金融促進
に関する
決議案
を議題といたします。昨
日本決議案
の
案文
についてはいろいろ御協議を
願つたの
でありますが、この
決議案文
の
原案作成
につきましては
委員長
に御一任がございました。そこで
中小企業金融促進
に関する
決議案
の
案文
を私の
手元
でつくり上げました。これをただいま朗読いたします。
中小企業金融促進
に関する
決議案
わが国
の
中小企業
は、
わが国経済機構
において極めて重要な地位を占めている実情にかんがみ、従来より
中小企業
に対しては諸般の
金融措置
を講じて、その
維持育成
に努めてきたのである。 しかるに年末を間近に控えて
わが国
の
金融機関
の
制度
及びその
運用
の
現状
においては、
中小企業
の必要とする
金融
を積極的に充足し得ない憾み少しとせざるものがある。 よ
つて
ここに
政府
及び
関係
諸
機関
は
中小企業金融
の
円滑化
につき万全の
措置
を講ずべきである。 右
決議
する。 以上でございますが、この
案件
について御発言はございませんか。
風早八十二
4
○
風早委員
中小企業金融
問題は、
中小企業
にと
つて
は死活の問題でありますから、われわれ
委員会
としてはこの
促進
について絶えず
意思
を表示して来たわけです。ことに年末に際して、これは毎年々々年中行事のように必ずや
つて
おります。しかしいくらや
つて
もその効果は、ほとんどすずめの涙ほどであ
つて
、実際に
中小企業そのもの
の助成にな
つて
おらない、またなり得ないというところにあると思うのです。
そうい
う点で、こういう
決議
をする以上は、やはりなぜ
中小企業
が捨て子みたいにな
つて
しまうのかということについて、もう少し真剣に
考え
ておく必要があるのじやないか。ことにこの
決議
を実際に実行しなければならないのは
政府機関
でありますから、いろいろ
民間
の
機関
もありますけれども、特に
大蔵当局
に対してはここで押えておかなければならぬ。
そうい
う点について、これは
委員長
に
お尋ね
することになるかもしれませんが、今日どういう
措置
を
考え
ておられるか、その具体的な点をひ
とつ
お尋ね
したいと思うのです。それに応じまして多少
質問
もしてみたいと思います。
小金義照
5
○
小金委員長
ことに年末に際しての小
企業金融
の問題は、お説の
通り
非冊に大切な問題でありますので、私としては
委員会
の
意向
を察知して、すでに
大蔵大臣
、あるいは
大蔵省
の
関係筋
に、それぞれ最善を尽してもらいたいということは申し入れております。なお
中小企業関係
の
主管官庁
である通産省においても、もちろんこれを
政府機関
の
一つ
としてや
つて
おることと思いますが、
日本
全体の
経済
、
財政
の立場から制約を受けておるというようなことを、いろいろ
説明
を受けておりますが、
中小企業
というものが、
わが国
では特別の大事なものでありますので、その
特殊性
を認識して、大いにこの
決議案
の内容を実現するように努力すべきことを懲通いたしておる次第であります。それだけ御報告申し上げておきます。
風早八十二
6
○
風早委員
それでは現在
大蔵当局
に対して
質問
する
機会
がありますか。
小金義照
7
○
小金委員長
私からお答え申し上げますが、
大蔵省
は、
大臣
、政務次官がどうしても出られないので、
銀行局長
の
出席
を求めましたところ、これまた他の
委員会
で出られないので、
銀行局
の
総務課長福田久男
君が見えておられます。
福田
君ができるだけのことはお答えいたします。
風早八十二
8
○
風早委員
総務課長
さんに
お尋ね
して、どの
程度
まで答えていただけるか、あるいはまたこれは権限以上だと言われはしないかと思われるわけでありますけれども、今日の
新聞
に出ておる
通り
、ド
ツジ
氏の
離日声明
というものがある。ド
ツジ
氏は御
承知
のように、今度の
来朝期間
ぐらい人気のなか
つた
ことはない。ほとんど消然として帰られたような印象を、
新聞
の上では受けるわけでありますが、実際を聞いてみても、だれも歓迎しておらなか
つた
ことは事実なんです。これはなぜかということでありますが、そのことはこの十五箇條の
遺言状
のようなものにちやんと出ておるのです。ド
ツジ
氏もやはり根本的な
考え方
の中では、
日本
の復興について、
中小企業
というものは
一つ
も
考え
られておらない。また
日本国民
の
生活水準
に対しては、下げるということをはつきり出されておる。まだいろいろありますけれども、突き詰めればこういうことがド
ツジ
氏の
結論
になる。それ以外には
日本
の生きる道がないような筋書きにな
つて
おる。
そうい
うことに対して、
大蔵大臣
も最近の
参議院
の
予算委員会
の
平衡交付金関係
の小
委員会
におきまして、ある議員の
質問
に対して答えておられましたが、必ずしもド
ツジ
氏の
見解
を無
條件
にのむということは
政府
としてもできないというような
意向
があ
つた
と思うのです。
そうい
う点で、根本としてド
ツジ
氏の
考え方
に関連して、特に
中小企業
に対する
政府
の
考え方
を、この際ひ
とつ
はつきりここへ出していただきたい。どの
程度
まで
政府
に積極的な
考え方
があるかをわれわれはここで知
つて
おかないと、こういう
決議案
をいくらあなたの方へ出しても、これはま
つた
く当てのない、的なき矢のようなことにな
つて
しまうのであります。
そうい
う点について率直なお
考え
を承りたい。これは
吉田総理
が再軍備に対していろいろ発言しておられ、また
池田大蔵大臣
が来年度の八千五百億円の
わく
についていろいろと発言しておられる。こういうことと関連するわけでありまして、
中小企業
に対して、今まで 一応ド
ツジ
氏の政策の
わく
の中で
考え
てお
つた
その
考え方
を、批准を控えたその際
政府
はもう改めるのかどうか、こういう点についてひ
とつ
大蔵当局
としての
見解
を出していただきたい。
福田久男
9
○
福田説明員
非常にむずかしい問題で、かつまた私
自身
ド
ツジ
氏とは会談した
機会
もございませんので、直接には何ら詳細は存じ上げませんが、昨日
離日
にあたりまして
声明
された十五
項目
についての
お話
が出たのでありますけれども、一個人としてあれを読んでみました際に、これはま
つた
く
大蔵当局
がというのではなくて、個人的な感じとしましては、ド
ツジ
さんが
お話
になりましたあの十五
項目
は、表現はいろいろかわ
つて
おりますけれども、ド
ツジ
さん
自身
のお
考え
から見て、誤ま
つた
思想を持
つて
おるとして、注意しなければならないという強い
警告
の意義を持
つて
おるものであろうと思います。あの十数
項目
にわたる
考え方
は、大
なり小
なり
行き過ぎ
になると危險だという
意味
における
警告
として、傾聽に値するものではないと私個人としては
考え
ております。ただ何分にも、大きな
日本経済
の
方向
とかい
つた
、ま
つた
く大局的な、飛行機から見るような
見方
であの談話が出ておりますために、
中小企業云々
ということについては触れておらないのであります。しかしその点については、今
国会
においていろいろ御審議いただきました
法案
なり
予算案
なりというものは、それぞれ
関係方面
において了解を得て提案されたものでございまして、その一、二を拾
つて
みますと、たとえば
国民金融公庫
の増資、あるいは
資金運用部
からの
借入れ
というような問題、あるいは
中小企業信用保険関係
の
法律
の
改正——
その中には
信用保險協会
の
機能
の強化という面も含まれておるわけでありますが、
そういつた面
、あるいは
商工組合中央金庫法
の一部
改正
も行われることとな
つたの
でありまして、
関係方面
も
中小企業金融
の
特別措置
は了承しているのであります。こうした事項につきましては、
国会
の御審議を経て、
予算
は別でありますが、そのほかのものは大
部分
終了しておるのであります。これらも先ほど申しましたように、
関係方面
の了承を得て進められたということから
考え
ますと、全然それを無視しておると申しますか、それらについて考慮を加えておらないということではないと言えるのじやないかと思います。従いまして今後の
問題等
についても、もちろん従来の方針をなお一層強化して進むことになると思いますが、あの
声明
にはつきりその文字が出ておらないということは、絶対にそれを否定したということではないというふうに了解していいのじやないかと私は思います。
風早八十二
10
○
風早委員
中小企業
を無視する、それは
程度
問題でありまして、ほんとうに無視したら
日本
がつぶれることを
意味
するわけであ
つて
、
そうい
うことは問題にならない。ただじりじりに、また
相当
急速にこの
中小企業
が実際つぶれるような
金融措置
であるということだけでは間違いない。配分が問題なのです。これはこの前の
商工中金法
の
改正
のときにも出ましたし、
中小企業
の
保險法
のときにも出ましたし、こまかい問題は今まで
相当
論議され、もう
結論
も出てお
つて
、
わく
が非常に限られておることは言うまでもない、また今年末
金融
の問題であります。この場合にそれでは具体的に伺いますけれども、特別に
中小企業
に対する
金融
の
わく
というものをどのくらいと
つて
くれるか、これをひ
とつ
説明
してもらいたい。
福田久男
11
○
福田説明員
お答えいたします。
一般
の
金融機関
の融資する分については、特に幾らという
数字
的な判定は困難でありますが、
政府
の関與し得る
部面
におきましては、一例として
国庫余裕金
の
預託
について申し上げますと、今からかれこれ三箇月前に約百五十億円の
預託
をいたしたのでありますが、その際にたとえば無
盡会社
とか、
信用組合
とか、あるいは
商工組合中央金庫
、
農林中央金庫等
に
重点
を置いて、そちらの方へ
交付
の
預託
をいたしたのであります。なおその三箇月の期限が来た後におきまして、
一般
の
金融機関
はすべて
全額引上げ
たのでありますが、
商工組合中央金庫
については、たしか十三億
程度
であ
つた
と思いますが、そのまますえ置きました。また特に
中小金融
に
重点
を置いておる無
盡会社
及び
信用組合
につきましては、全国的にはその半額を残しました。なお災害のありました地方については
全額
をそのまますえ置いて残したのであります。
そうい
つた
意味
合いで、
政府
で関與し得る
資金
と申しますか、
そうい
う面においては極力
中小企業
の方へ流れるような
措置
は考慮されておると思うのであります。 年末
金融
について
お尋ね
がございましたが、この際に年末
金融全般
についての
考え方
から申し上げておいた方が便宜かと思いますので申し上げますと、年末
金融
についての
考え方
に、全般的な年末における
資金量
と申しますか、
通貨量
と申しますか、
そうい
つた
ものをどの
程度
に想定して
考え
ればいいかという問題と、個別の問題として特に
配慮
を加えなければならない、
中小金融面
にはどうい
つた
配慮
をなすべきか、この二つに問題をわけて
考え
たらいいのではないかと思うのであります。 まず
一般
的な
考え方
といたしましては、年末の
資金量
なり
通貨量
なりの想定でございますが、従来の経験から見ますと、その年の九月末の
通貨量
と十二月末の
通貨量
との間の
関係
を
数字
で当
つて
みますと、ややノーマルな
経済情勢
の時期においては、九月末の残高を一〇〇といたしますと、年末の
最高
が二五%ないし三〇%
増し
にな
つて
おるのであります。これをド
ツジ
・ラインが初めて実施されました
昭和
二十四年について申しますと、二二%
増し
にな
つて
おります。この
昭和
二十四年というのは、御
承知
のようにややデフレに近い、いわゆるデイス・インフレの
時代
であ
つたの
でございますし、
物価等
につきましても、あるいは
経済活動
などにおきましても
相当
押えられがちの時期であ
つた
と思うのであります。
従つて
その
程度
にまで
通貨量
を抑制することは現在の事態から見てやや
行き過ぎ
ではないかという観点が一方においてありますと同時に、昨年の
昭和
二十五年をと
つて
みますと、九月末の
通貨量
に対して十二月末は三七%の
増加
にな
つて
おります。これは
最高
であります。
最高
と申しますのは、十二月三十一日ではなくて、三十一日よりも一両日前の時期が一番上るわけであります。ところが昨年の
経済情勢
は、御
承知
のように
朝鮮動乱
が起りました以後かなりの
物価騰貴
もありまして、そのような
状態
で今年度推移することは必ずしも適当ではないのではなかろうか、
両者
の
中間程度
を考慮いたしますと、年末の
最高ピーク
は五千三百億ないし4百億
程度
になるのではなかろうかと思います。そして年末はその
ピーク
から若干下りますので、十二月末は五千百億
程度
というところが、計数的に見た
見方
ではありますが、一応
一つ
の目標として
考え
ていいのではなかろうか、
そうい
たしますと、かれこれ三割近い
増加
といたしますと千億近い
増加
になるわけであります。そこで千億近い
増加
が、
通常
の
経済
のときにおきましては、ある
部分
は
財政資金
から
支拂い
超過
として出され、ある
部分
は
日本銀行
からの貸出しとして出されて、
両者
が合計されて年末の
所要量
をまかなうというのが、比較的統制その他が行われておらない
経済
の
時代
の姿であ
つた
と思いますが、今年度の見通しといたしましては、米の
供出代金
の
支拂い
を
中心
といたしまして、
財政資金
の方の
支拂い
超過
が九百億ないし千億になるであろうと見込まれております。従いまして大
部分財政資金
の
支拂い
超過
によ
つて
、
通貨
の総量としての
所要額
は満たされ得る、
日本銀行
からの
金融機関
に対する
資金
の供給というものは、
総体
においてはそうふえないでもまかない得るのではなかろうか。但しその千億の金がどういうふうに流れるかということを
考え
てみますと、米の
供出代金
は、御
承知
のようにその半分ぐらいは
系統機関
の、具体的には
農業協同組合
への
預け金
となるわけでありますが、
預け金
は
系統
を通じまして
農林中央金庫
へ預けられる、
農林中央金庫
といたしましては、
日本銀行
からの借入金が九月末におそらく二百億以上あ
つた
と思いますが、それを拂いましてなおかつ三百億以上の
余裕金
が出るわけでありまして、この
余裕金
は、あるいは
日本銀行
を通じ、あるいは直接
市中銀行
に対して
資金
が供給され、それがまた
企業
の貸出し
資金
になるわけであります。また一部は直接
短期貸付
として
農林関係
の法人に対して貸し出されるわけであります。
そうい
つた
半分くらいは、今申しましたようなルートを
通つて都市
なり何なりへ還流して来るわけであります。残りの半分は、農家の
生産資金
あるいは
消費資金
として町へ
行つて
、
生産財
なり
消費財
なりを購入する
方向
を
通つて都市
へ還流して来るということが言えるのではないかと思います。従いまして先ほど申しました
日本銀行
の
信用供與量
は、
総体
においてあまりふがえないと申しましても、農林中金において二百億拂いますれば、その分は
都市
の
金融機関
においてふえてもよいということになるわけであります。今申しましたような姿をたど
つて
、
財政
から出た金が
民間
の
資金
としてうるおうということになると思いますし、またその
程度
の
通貨量
の
増加
が、一応
現状
を基礎にして
考え
た場合の正しい、おおむね妥当なものではなかろうかというふうに思われるわけであります。これに対しまして何分にも
金融機関
の
手元
をゆたかにするということが最大の要件でありますので、年末にあたりましては、
歳末貯蓄運動
を展開して、
金融機関
の
資金量
の
増加
に拍車をかけたいということを
考え
ているのであります。 それから特別の
金融
上の
措置
といたしましては、
国庫指定預金
につきましては先ほど申しましたように、
財政
が
引揚げ超過
になる際で、
手元
がだんだん減
つて
参りますので、
引揚げ
たいところではありますけれども、
銀行
からは
引揚げ
ましても、
中小企業
をおもにや
つて
いる
商工中金
、
相互銀行
、
信用金庫
につきましては
相当
金額
を残しておくということにいたしているわけであります。 それから
国民金融公庫
の
資力
の充実につきましては、
予算
が
通り
ますれば
一般会計
から十億円の
出資
がふえ、また
資金運用部
から二十億円の
借入れ
ができますので、それによ
つて
今年度一
ばい仕事
を進めて行くわけでありますが、そのうちの
相当部分
を、年末を控えての
金融
に振り向けるように努力してもらいたいと思
つて
いるのであります。
商工組合中央金庫
につきましては、先ほど申しました十三億を引続きすえ置きましたほかに、さらに二億四千万円の
預託
をその後において実施したのであります。たしか今月の二十日前後ではなか
つた
かと思います。そのほか
中小企業信用保険
の
法律
が
改正
になりますれば、
保証協会
の
機能
も円滑に行い得るように、早急に
措置
したいというようなことを
考え
ているのであります。
風早八十二
12
○
風早委員
この前、
預託金
の
増額
の問題を問題にしたことがあります。そのときは全然問題にされなか
つた
と思うのですが。
商工中金
なり、
国民金融公庫
なりに対して別
わく
をやはりこしらえて行かないで、先ほどの五千百億円ないしは五千四百億というものが実際に
中小企業
の手に入るということは
——
これは入らないとは言えないけれども、それははなはだわからないものである。こういう
中小
の
金融機関
が実際にあり、その使命を持
つて
おるわけなのでありますから、そこへこの年末に特別な
わく
を持
つて
行くというので助かるのだろうと思うのです。
そうい
う点では、この前われわれの
委員会
で通したこういう商工中央金庫なり、あるいはまた
国民金融公庫
なり、この
政府
からの
出資
の
増額
というものは、何も年末
金融
としてはつきり意識してされたのではないのであ
つて
それを今年末
金融
にすりかえ、年末
金融
はこれだというふうに言われることは、いささかどうか思うのです。われわれが今伺
つて
おるのは、それは
十分承知
の上で、全然問題にならないから聞いているわけなのです。今日の全体の
通貨量
が五千億台を突破する、こういう際に、それと比べるとあまりにもこの
わく
にしても、また
預託
にしても問題にならない額であ
つて
、絶対的な
意味
で問題にならないわけです。
そうい
うことを
考え
てみますと、今
お話
のように今までや
つた
この
制度
上の
通常
の運営をそのまま年末に当てはめるということでは、御
返答
にはならないと思うのです。私の聞いている
意味
に
従つて
、積極的な
措置
について御回答願いたいと思います。たとえば
予算
の問題なんかでも、
平衡交付金
なんかの問題は、もちろん
市中
に、あるいは農村に
金融
上これが非常に役立つわけですが、この
平衡交付金
の百億というのは、とうていこれでは間に合わないというので、この年末にあた
つて
は、特別な必要が生じた場合には具体的にこれに対して十分調査して
措置
を考慮する、こういう答弁が
大蔵大臣
からはすでにあ
つたの
であります。これは一緒に聞いておられたと思いますが、
そうい
つた
ような
状態
で、やれないことはどうもなさそうに思うのですが、今の
政府
として、この
危機打開
のために積極的な
意思
をひ
とつ
示してもらいたいという
意味
から、今の
商工中金
や
国民金融公庫
への直接の具体的な
措置
としてどういうふうなことを
考え
られたか、あるいはやることができるか、これをお答え願いたいと思います。
福田久男
13
○
福田説明員
先ほど申し上げましたものは、
一般
の
金融機関
の持
つて
おる
金融資金
の中で
中小企業
に
行つて
おる
部分
は一応論外といたしたのでありますが、その
数字
を
——先
ほど来はつきりどの
程度
あるのかということを
お尋ね
にな
つて
お
つた
と思うのでありますが、大ざつぱに申しますと、現在
相互銀行
の
資力
というものは大体千億
程度
であろうと思います。それから
信用金庫
ないし
信用組合
の
資力
が五百億
程度
であろうと思いますが、この
両者
は大体
中小企業
の専門の
金融機関
として、その
方面
に向
つて
おると言い得ると思います。そのほか
銀行
もございます。
銀行
といえども
中小企業
に、われわれとしては大いに出すように慫慂いたしておるのでありますが、あるいは
商工組合中央金庫
の
資力
、あるいは
国民金融公庫
の
資力
、これらを合計いたしますと
相当
の
金額
になろうと思います。但しどの
程度
かは、ちよつと
手元
にまとめた資料を持
つて
おりませんので申し上げかねますが、それらの
金融機関
が、それぞれの分野において
中小企業
の
金融
に貢献しておると思います。そのほかに
政府自身
として直接関與し得る
部面
という
意味
におきまして、先ほど申し上げたような
措置
を講じつつあるということでございます。
平衡交付金
の
お話
が出ましたが、
平衡交付金
につきましては、私あまり詳しく存じないので、お許し願いたいと思い度す。
風早八十二
14
○
風早委員
平衡交付金
のことは御存じなくてもよいのですが、
平衡交付金
の場合にも、百億では無理だということは、もう
大蔵大臣
は認めておる。そこでどうしてもそれをはみ出るものは特別な
金融措置
を講ずるべく
政府
は善処する、こういう
返答
が
参議院
の、先ほど申した小
委員会
ではつきりされておる。これは私も聞いていてよく記憶しておる。そこでこれに対して
参議院
の方では、今度は
予算
の
措置
、そこまで問題がずつと発展しております。結局
平衡交付金
への繰入れが百億では足りない。百億以上のはみ出たところを個々に折衝して、実際に
金融措置
を講ずるとしても、その穴埋めをやはり
国庫
からやるということについての問題が
中心
にな
つて
お
つた
わけです。いずれにしても、問題はその
わく
をはみ出て、年末の
金融
に対しては、やはり特別な
措置
を講ずる、また講ずる余地があるものとわれわれは判断する。また
そうい
うふうに努力しようと思えばできるものと
考え
る。
そうい
うことについて、どの
程度
まで
考え
られるかということを聞いておるわけです。ですから、今あなたの言われた
商工中金
や
国民金融公庫
に対する十三億すえ置きとか、あるいは、二億四千万円の
預託
とかいうことは、もうこれは今までできておることである。年末の
金融
として新しく特別にこういうことをやられたというわけではないのです。これは
予算
を組むときの最初から問題にな
つて
お
つた
。なぜ特別な
措置
が必要であるかということは、
説明
を要せずとも明らかであると思うのです。今
朝鮮
の停戦が御
承知
のように、もう目睫の間に追
つて
おる。前線では戦闘をやめておるのです。そしてこれがやはり
経済界
には非常に大きな響きにな
つて
おることは御
承知
の
通り
だと思います。キヤンセルがどんどん、続出しておるし、昨日もここで指摘しましたけれども、たとえば
造船
とい
つた
ものをと
つて
みても
——
これは関連する
産業
が非常に多いのでありますけれども、
造船
などはほとんど火の消えたようにな
つて
しま
つて
おる。来年の二月には船台にわずか二台しかまわらないであろうという
状態
です。これは
造船
に限らず、繊維を初めあらゆる
産業部門
にさんたんたる状況が起
つて
おる。そして大体においてそのしわ寄せを
中小企業
が受けておることもまた明らかである。
そうい
う今年の特別な事情、去年の年末とはたいへんわけが違うし、その金の性質も違うわけです。ですから、
一般
の
金融機関
を通じてという問題ではなしに、
大蔵当局
がやはり特別に
措置
せられる必要があるのではないかということを言
つて
おるわけです。それには
中小
の
金融機関
がれつきとしてあるのだから、それに対して、特別な
措置
が講ぜられないか。あなた御一存では言えないと思いますから、その点はひ
とつ
大蔵大臣
に十分相談をされて後刻それについて御回答願いたいと思いますが、いかがでしようか。
福田久男
15
○
福田説明員
先ほどから申し上げたことの重複になると思いますが、九月ごろや
つた
ことを今年末対策だというふうに持ち出すことは少し筋が違うのじやないかというおしかりを受けたのでありますが、たとえば
商工組合中央金庫
の例をと
つて
申しますと、金庫といたしましては、十一月に返済すべく
資金
の手当を考慮されてお
つた
ものでございまして、本来ならば十一月に返済される予定のものであ
つたの
を、返済するかわりにすえ置いた、逆に申しますと、その返済
資金
が
商工組合中央金庫
としては融資し得る
資金
として活用し得るわけでありますから、
そうい
う
一般
の
金融機関
、また商工中央金庫が返済する予定で準備してお
つた
資金
を年末
金融
のために使い得るという
意味
において、年末
金融
の対策と見てもいいのじやないかと思うのであります。それからいろいろ、と
お話
もございましたけれども、一応今まで申しましたような線で
考え
て、大前提として申しましたかれこれ千億近い
通貨
の増発が直接間接
中小企業
へも還流するというふうに
考え
ているのでございます。
風早八十二
16
○
風早委員
わが
委員会
は今ここで全会一致で
決議案
を出さんとしているのです。この
決議案
を出すにあた
つて
は、今言われたようなことはもう百も
承知
の上で、
そうい
うことでは
一つ
も解決しないから、この年末
金融
に対して特に
決議案
を
——
これは毎年々々年中行事だと思われては困る。今年は去年とわけが違うのです。去年はまだ非常に景気が上
つて
いる最中でありますから、
銀行
は貸すし、いわゆる日銀からの
通貨
増発がある
程度
下まで行
つたの
です。今度は絶対に出しはしないですよ。
国民金融公庫
なんかのごときは五万、十万という金に殺到していて、それの何分というぐらいしか実際借りられな一い。
そうい
うような
状態
にな
つて
お
つて
この年が越せるか。これは労働者や農民だけじやないのです。今年は
中小企業
者が年が越せないと言われている。
そうい
う際に、今まできまり切
つて
出ているものを、これを年末に使
つて
もらいたい。しかもこれもなかなかうまく運転しておらぬ。これはまた
金融機関
の方の問題であとで
質問
したいと思いますけれども、とにかく出さなければ、これはやはり安心して貸せないのです。一体年末の
金融
として特別な
措置
を講ずる余地はないのですか。あなたの一存で言
つて
おられるのだとはなはだ困るのです。
大蔵当局
として責任のある見通しをひ
とつ
話してもらいたい。
福田久男
17
○
福田説明員
私の申し上げることは今までの繰返しになるので省略いたしますが、今までの
お話
の趣旨は上司へよく御報告申し上げておきたいと思います。
山手滿男
18
○山手委員
風早委員
の
質問
に関連して一点だけ伺いたいと思いますが、今の御答弁の中で、私ちよつとおそく来たのですが、米の
供出代金
が一千億円くらいもうどんどん出ているというふうな御答弁であ
つた
ように思うのですが、この供米代金が、
中小企業
、特に関西
方面
からずつとああいう早作地帶以外のところでは非常に年末
金融
と関連があるのですが、もう供米代金が一千億も出て、正月前に円滑に動くというようなお
考え
のようでありましたが、その点ちよつとお
考え
違いじやないかと思うのですが、どうですか。
福田久男
19
○
福田説明員
私の先ほど供米代金について申しましたのは、国全体として見た総括的な立場から申し上げたので、個別的には、地域によりまして早いおそい、あるいは供出の予定の進捗度の
問題等
もございますので、
日本銀行
からの
信用供與量
がそう大してふえないでいると申しましたけれども、一方において先ほども触れましたように、
農林中央金庫
の貸出しが減りますので、その分は
銀行
の方がふえて来る。全体としては減らないという結果になるのであります。たとえばそれらの予定の供出量に行かないような場合がありますとすれば、その分は、
日本銀行
の貸出しの
増加
ということによ
つて
、
通貨量
はその
程度
には一応行かなければならないと思います。
風早八十二
20
○
風早委員
供米については、
大蔵大臣
がはつきり言
つて
いるのですから、あなた方も御存じだと思いますが、例年は大体七割から七割五分年末までに入
つて
来るわけです。今年は、
池田大蔵大臣
の見通しでは大体五割、
——
そうい
うことをはつきり答弁しているのです。つまりもうこれは、昨年よりも二割ぐらいは少いのです。これはこの間の米の統制撤廃問題とも関連があるので、自由党の諸君にはよくお聞き願いたいのですが、あの問題で供出が非常に澁満しているわけです。ですから
そうい
うふうなことで、今度は他人のふんどしで相撲をとらせようという
——
あなた方の方は他人じやないかもしれないけれども、
中小
の
金融機関
、ことに
政府
関係
の
中小
金融機関
に、
そうい
うことを当てにしての上で、相撲をとらせるということは、ま
つた
く
中小企業
者をそれこそ無視しているということにならざるを得ない。
そうい
う点でどうしてもこれは年末に
政府
が特別な
わく
をつくるという以外には
——
それもまたその額にもよりますけれども、少しも、一文も出さないというのでは、何もしないということになるのです。
そうい
う点が今日の御答弁ではやはり與党の諸君でも満足されないような
状態
なんです。具体的に目捷に追
つて
いる問題ですから、また日を改めて
関係
当局の御答弁を煩わしたいと思います。
小金義照
21
○
小金委員長
それではただいま私が朗読いたしました
中小企業金融促進
に関する
決議案
の
案文
については御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小金義照
22
○
小金委員長
それではその
通り
決定いたします。 なお本会議の提出方法につきましては、交渉その他を
委員長
に一応おまかせを願いたいと存じます。 —
——
——
——
——
——
——
小金義照
23
○
小金委員長
この際
商工組合中央金庫
理事
加藤八郎君、及び
国民金融公庫
総務部長
水谷登代
七君の二人がお見えにな
つて
おりますので、参考人として両君に発言を許したいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小金義照
24
○
小金委員長
それではそのように決しました。 それでは御質疑がございますれば、この際許します。
高木吉之助
君。
高木吉之助
25
○高木(吉)委員 中金の方に伺いたいのですが、 〔
委員長
退席、
中村
委員長
代理着席〕 本年は例年と違いまして
中小企業
が特に逼迫しておりますことは、申告納税の成績を見ても、いかに金繰りが惡いかよくわかる。また手形による決済も惡いというようなことで、税金も拂えないというようなことが、現実に起
つて
いる事態でございます。その上に例年と違いまして、本年は電力不足のために大
企業
はもとより、
中小企業
に著しくしわ寄せをされます。それがために生産が落ちてなお金繰りが惡いという例年と違
つた
現象が現われて来ていることは事実でございまして、例年の
通り
の
金融
ではとてもこれを救うことができない。かてて加えまして、輸出業者が相次いで倒産をいたしております。これらに対して急速に
資金
の融資をや
つて
いただかなければ、これがますます波及して参りまして、収拾すべからざる
状態
になると存じます。これらに対しまして中金といたしましては、何か特にお
考え
の点がございますか、お伺いいたしたいと思います。
加藤八郎
26
○加藤参考人 私加藤でございます。何とぞよろしくお願いをいたします。 ただいま
お尋ね
がございました電力危機その他に基きます年末
金融
の逼迫を中金ではどうするかということでございますが、先ほど本
委員会
におきまして、年末
金融
につきまして
政府
の方でも大いに
資金
源をつける、その他につきまして善処するようにという御
決議
をいただきまして、われわれもまことに意を強うした次第でございますが、何と申しましても、
商工中金
の現在の
資金
の状況を申しますと、非常に少うございまして、ただいまでは毎月
金融
債の発行によりまして得るところの
資金
は、利付と割引と合せまして四億円でございます。そのほかに
系統
の組合からの預金あるいは地方公共団体の預金を極力お願いいたしましても、大体一億そこらしか集ま
つて
おりませんので、会計いたしまして五億
程度
の毎月の
資金
源しかないのでございます。しかしながら一方
資金
の需要は、最近非常にふえて参
つて
おりまして、平常の月で毎月大体十億ずつ貸出しが伸びて来ておるような状況でございます。これも大分押えに押えて、組合には御迷惑をかけておる次第でございますが、どうにか十億ぐらいでがまんしていただいて来てお
つたの
でありますが、この十二月の年末
金融
として
考え
ますと、とても十億やそこらでは足りないのでございます。昨年の状況を見ましても、昨年は十二月中に二十四億の貸出しの増がございました。昨年はまだ所属組合の数も今日ほど多くな
つて
おりませんし、その当時多分百億
程度
の貸出残であ
つた
ものが、十二月中に二十四億も伸びたような次第であります。今日の情勢におきましては、中金もおかげをもちまして百八十億を越すような貸出しにな
つて
おります。これにまた、比率で申しますと、十二月の年末
金融
としてどうしても準備しなければならないものは、三十億とかその辺の
数字
の
資金
はどうしても必要だと思うのでございますが、先ほど申しましたような
資金
の状況でございまして、非常に心細い状況にあるのでございます。それでこれを将来どういうふうに
金融
をするか。結局お願いするところは、
政府
の方のお力をお借りしまして、
政府
資金
でも出していただくということをわれわれとしては渇望しておるのでございますが、その見通しがつくまでの
措置
といたしまして、極力やりくりをしておるわけであります。ただいま
お尋ね
の、電力不足によりまするいろいろの
産業
上の危機というものは、各事業者から深刻にわれわれの方にも訴えて来ておられるのでありまして、ことに関西
方面
が電力
関係
の影響が大きいようであります。それでただいまのところなるべく
一般
の
金融
で、無理のないところから減らしまして、
そうい
う特別にひどく打撃を受けておるという
方面
に
資金
をまわそうというようなやりくりをや
つて
おるような実情でございます。
高木吉之助
27
○高木(吉)委員 ただいま
お尋ね
いたしました輸出商社の倒産に対しまして、中金においても
相当
関係
があると存じますが、これらに対しましてはどういうふうなお
考え
を持
つて
おられますか、お伺いいたします。
加藤八郎
28
○加藤参考人
中小企業
の内容は非常に広うございまして、実は私もこの春中金に入
つて
みまして、
中小企業
の仕事というものはこんなに範囲が広く、またいろいろの
産業
に
関係
が深いのかとびつくりしたほどでありますが、御説のように輸出雑貨なんかの製造というものが
相当
ございます。それで
そうい
う
方面
の
金融
につきましても、金のやりくりのつく限りはや
つて
おりますけれども、大分輸出不振の影響を受けまして、非常に窮状にあるところの組合あるのでございますが、われわれといたしましては、
出資
者でもあり、また本来の使命から申しまして
中小企業
の
——
口幅
つた
いことでございますが、育成というような使命でや
つて
おりますので、同情的に、できるだけのことはしたいと思
つて
おるのでございます。
高木吉之助
29
○高木(吉)委員 特に輸出の
方面
におきましては、最近
相当
大きな商社が倒れて行く。それに関連しまして、中金などに取引をいたしております組合なりが
相当
あるわけでございますので、この点は特に意を用いていただきまして、十分の処置を講じてや
つて
いただきたいと希望する次第であります。 なおまた中金といたしましては、十二月には
借入れ
が殺到しておりますので、いろいろの手続上非常に金の貸付が遅れておる。年末まぎわにな
つて
金をいただきましても、もはや効果のない場合が
相当
あるのでございますから、この点は特に留意をせられまして、早期に貸付をや
つて
いただくようにお願い申し上げたいと思います。
加藤八郎
30
○加藤参考人 ただいまの、手続の遅れる点について一言お答え申し上げたいと思いますが、これはまことに恐縮いたしております。どの会合に参りましても、中金の貸出しの手続がおそい、せつかくの金も、おそくなるために商機を逸して十分な効果が上げられないという
お話
を承りますので、この点につきましては、
理事
長初めわれわれ一同非常に苦慮いたしまして、できる限りの改善をしたいという
考え
をも
つて
や
つて
参りました。そんなことで、この九月ごろから簡単な、繰返して参ります運転
資金
などの手続は非常に簡略にいたしたのでございますが、ただ職員の数がまだ
資金
のバランスの伸び方に比例いたしましてふえておりませんので、またむやみに人をふやしましても、
金融
業務について経験のない者に十分な仕事をやらせるということも危險でありますので、そんなことで人的な陣容が貧弱であるというために、いろいろと御迷惑をかけておるようであります。ただいま
お話
を承りました趣旨をよく体しまして、今後なるべく能率を上げて、御迷惑を少くするようにや
つて
行きたいと思います。
澁谷雄太郎
31
○澁谷委員 私はこの前の
委員会
でもうすでに大体
質問
はいたしておりますが、最近、ただいま加藤さんからの
お話
の
通り
に大分各
方面
で組合の、いわゆる
中小企業
の組織化が実際に着々行われております。おそらく最近の組合組織というものは
相当
活発にな
つて
来ておるのではないかと思うのです。一例をあげますと、商業者でも、各地方におきましてその市町村におきまする商店街のいろいろな改善その他につきまして、結局やはり
中小企業
の
金融
の問題に関連が起
つて
来るのでありますが、年末
金融
からんでそれらの問題が活発化して来ることはおよそ予定がついておるというふうにわれわれは
考え
るのですけれども、今の
お話
のように、大体におきまして平常の月で十億円ぐらいの
資金
需要があ
つて
、それが預金あるいは商工債の発行では半分の五億円ぐらいしか実際において手当ができない。こんなふうな
状態
でも
つて
年末に参りましてからはたしてこの難局を乗り越えることができるかどうかということが、われわれに非常に大きな心配にな
つて
来るわけなのであります。いまさら私がくだくだしく申し上げるまでもなく、
中小企業
の問題というものは、
日本
ばかりでなくアメリカにおきましても非常に大きく取上げられておることは確かなのであります。この問題につきましては、当
委員会
におきましても、あるいは衆議院におきましても、われわれは絶えず強く
中小企業
の
金融
の問題について意見を述べておるのでありますが、ほんとうに認識が足りていないのだとわれわれは強く感じておるのです。この前の私の
銀行局長
に対しての、
市中銀行
の
中小企業
専門店の預金に対する貸出しの割合が約三分の一しかないのじやないか、それはどうい
つた
状態
でも
つて
そうな
つて
いるのかという
質問
に対しましても、あのときからすでに
相当
な日数がた
つて
おるにもかかわらず、まだわれわれに対してその報告も来ていない。
大蔵省
は、
中小企業
に対する
金融
の問題に対しては熱意が乏しいのじやないかということを、われわれは痛感するわけなのであります。従いまして私は、
商工中金
は昨年の割合からすると、昨年が二十四億円であるから、本年は年末に少くとも三十億円くらいな
資金
はいるのではないか。昨年の二十四億円は、貸し出された
数字
と私は解釈しますが、昨年実際に貸し出された
資金
が二十四億円だ
つた
とすれば、昨年の年末には、ただいま加藤さんからも
お話
の
通り
に、おそらく
商工中金
は百二十億見当しか貸出しをしていなか
つた
。それから後に組合組織も
相当
に大きくな
つて
おりますし、取引の高も
相当
にふえておりますから、普通の
状態
であ
つて
も三十億ならばパーパーなのです。それに対しまして今度は、現在のような
状態
でも
つて
中小企業
が年末において非常に苦しい立場に置かれておるということを
考え
ますときに、これは三十億もしくは三十五億、四十億の
資金
が必要じやないかというようにわれわれは
考え
るのであります。
商工中金
が今実際にそれらの
資金
の手当についてどういう対策をやろうとし、また
考え
つつあるかということをひ
とつ
率直に
お話
願いたいと思います。
加藤八郎
32
○加藤参考人 ただいま澁谷さんからおつしや
つた
ことは、いろいろの
数字
によ
つて
先ほで申し上げた点と同じでございます。十二月のこの
資金
対策につきまして、中金として具体的にどういう対策を
考え
ておるかという
お話
でございますから、われわれの
考え
ており、また手を打
つて
おるところを率直に申し上げてみたいと存じます。 先ほども申しましたように、われわれの自力で
資金
を集めるということはもちろん一番大事なことでございますから、預金の
増加
、あるいは地方公共団体に極力お願いして
預託
をしていただくというようなことはもちろんいたしてございます。今度幸いに
商工中金法
の
改正
も通していただきまして、所属組合のみならず、
一般
の組合員からも直接に預金が扱えることになりましたので、この点もせつかく
法律
を
改正
していただきましたこの
機会
を利用して、十二月の
資金
の動きの多いときに、なるべく預金も集めてみたいと思
つて
おります。ただ店舗が何分にもまだ四十二しかございませんので、そんな
関係
からどの
程度
預金が集まるかということにつきまして、はつきりした見通しも立
つて
おらないわけでありますが、できるだけこういうところも利用いたしまして、預金を集めたいと思
つて
おります。何と申しましてもこの場に来ましては、
政府
の方の預金部の金なりあるいは
国庫
金の
預託
をさらに
増加
していただくことをお願いできれば一番手取り早く解決がつくという
考え
を持ちまして、
理事
長も
大蔵大臣
にお願いされたのでございますし、われわれも事務的にいろいろ
大蔵省
にお願い申し上げておるような次第であります。しかしこの点につきましては、ただいま
福田
課長さんから
お話
のあ
つた
ような御事情もあるようでありまして、見通しとしてきま
つた
ものではございません。 なお
日本銀行
からの
借入れ
の点でございますが、現在
中小企業
の別
わく
として十七億の
わく
をもら
つて
おります。これもまだ若干余力がございますので、十二月には限度一ぱいに借り入れたいと思
つて
おります。そのほか
日本銀行
からの高率適用の
借入れ
でございますが、これも今日になりましては、第一次のみならず第二次高率適用までできるだけお願いして行かなければならないというふうに
考え
ておりまして、ただ
中小企業
の
金融
を扱
つて
おる建前上、
日本銀行
の再割適格というような優良商手を組合の方がお持ちにな
つて
おるという面がそうたくさんございませんので、質ぐさの点で難点はございますが、できるだけのものは
日本銀行
にお願いして、第二次高率適用を受けても
借入れ
をふやして、何とか
金融
をまかな
つて
行きたい、こういうふうに
考え
ております。具体的に三十億なら三十億の見通しがついたという御答弁ができないことを私もはなはだ残念に思います。
澁谷雄太郎
33
○澁谷委員 それではこの問題をここで突き進んで
お尋ね
しても無理だと思いますが、きようでも
つて
十一月を終りましていよいよ十二月になります。
金融
の非常に活発に動かなければならぬ時期に到達しておりますので、ただいまも
風早委員
から
質問
がありましたが、
委員会
の方々が非公式に、最近にもう一ぺん、特に
中小企業
対策の
金融
の問題に対しまして、別な
委員会
を持とうじやないかというまでの熱意を持
つて
おるわけなんです。従いましていずれ今度
委員会
を開くまでの間には、おそらく一週間なりあるいはそれ以上のゆとりがあると思いますから、それまでの間に大体の折衝の経過をその
委員会
に必ず責任を持
つて
報告をしていただきたい、こういうふうに
考え
るわけなのであります。たびたび繰返すように、
中小企業
の
金融
対策に対する熱意が非常に少いことをわれわれはほんとうに遺憾に思
つて
おるのですが、この際はぜひそれをある
程度
まで実現させたい、こういう
考え
でありますから、それまでの間にいま少しく具体的にわれわれの前に話のできるようにお願いしたいと思います。
山手滿男
34
○山手委員 今の
お話
と関連するのでありますが、
商工中金
の方で特にめんどうを見ていただかなければだめではないかと私は思うのであります。年末
金融
について特に
商工中金
の方からいろいろ手を打
つて
おられるはずでありますが、三十億くらいはいるのじやないかという今の澁谷さんの
お話
に対しては、なかなかそこまでは
行つて
いないという
お話
でございました。今
商工中金
と日銀と折衝しておられる、あるいはどの
程度
中金として年末
金融
に対処できるかという点を、私はもう少し詳しく承
つて
おきたいと思う。
加藤八郎
35
○加藤参考人
日本銀行
の方の別
わく
の十七億をふやしてもらうということにつきましては、うちの副
理事
長が
日本銀行
の出身であります
関係
をもちまして、特に
日本銀行
には強くお願い申し上げておるわけでありますが、
一般
の
日本銀行
の方針といたしまして
中小企業
のための別
わく
を今回ふやすということについては、やはり非常に困難な状況がございます。それではやむを得ませんから、これは断念したわけでもございませんが、どうしてもできないという実情であれば、先ほども申したような高率適用を受けてもぜひ何とか借りたいということで、営業局の方にいろいろお願いしております。今までの経過におきましては、実情をよくお
考え
いただきまして、中金の必要とする
資金
のために第二次高率適用の金をある
程度
考え
て行かなければなるまいというようには
考え
てもら
つて
おるようであります。私は
日本銀行
の取扱いを詳しく存じませんけれども、質ぐさがあるから貸すというわけでは必ずしもないわけでありまして、いろいろ
銀行
の
資金
繰りその他を
考え
て貸してくれるのでありますが、中金のために第二次高率適用を受けても
資金
を借りたいとお願い申し上げた場合に、好意的にいろいろ
考え
ていただけるというような空気であると、この
程度
しか申し上げられません。はなはだ失札でありますが、
現状
はそこまでしか
行つて
おりません。
山手滿男
36
○山手委員 その点はそれくらいにいたしますが、次に年末
金融
で非常に大切なことは、スピーディーに事務を処理してもら
つて
、できるだけ明確に時間的の手間をかけないようにすることが非常に必要じやないかと思います。
商工中金
の今おやりにな
つて
おります業務の実態を私どもはたから見ておりましても、
相当
時間的にもどうかと思われるような事務をおやりにな
つて
おられるようであります。年末
金融
で手形の決済やいろいろの問題も出て来るだろうと思いますが、その場合に業者ができると思
つて
お
つた
ものができない、いいかげんなことで、またこういう書類を出せとかどうだとかいうようなことで希望をつながすような、あいまいな態度でひつぱ
つて
行くというようなこともあるのでありますが、
そうい
うようなことまで、窓口の業務についてのいろいろ指示とか何とかいうものを、
商工中金
の中央から地方の窓口をあずか
つて
いる支所あるいは出張所におやりにな
つて
おりますかどうか、その点も伺
つて
おきたいと思います。
加藤八郎
37
○加藤参考人 率直に申しまして中金の接客態度、サービスが悪いとか、取扱いのスピードがおそいという点につきまして常に批判を受けておりますので、今年の九月、特に支部長会議を開きまして、
理事
長より懇々とこの点について説諭したのであります。なお書面をもちましても接客態度の改善、事務処理の迅速化ということについて指示したのでございますが、まだ皆様方の目からごらんになれば十分でないという御批判を受けることがあろうかと存じます。今後とも十分改善して行きたいと思
つて
おりますが、最近
経済
事情が困難にな
つて
参りまして、われわれの最も優良な取引先と思
つて
いたものが突然に倒産するようなものも出て来ている状況でありますので、必要な信用調査をぜひともやらなくてはいけませんが、省き得るところは省いて迅速化することはもちろん
考え
ております。その点十分研究して改善して行きたいと思います。なお従来でございますと、何とか
資金
がやりくりできたのでありますが、今はいわゆる
審査
部と称しまして、
そうい
う
資金
の貸出しについて不備がないかという
審査
をするところがございますが、これで
通り
ましても今度
資金
の手当がつかない、これは経理部でやりますが、貸していい金であるけれども、
手元
に金がないということで一度に出せない、一千万円の御要求に対して、今五百万円出すけれども、あとの五百万円は一週間とか五日後にお願いしたいということになることもございまして、ま
つた
く
資金
が不足しているために非常に遅れる実情にございますのが最近の現象でございます。こういう点ははなはだ申訳ないと思
つて
おりますが、今
お話
のように迅速化につきましては今後一層注意して御趣旨に沿うように努力したいと思います。 〔
中村
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
小金義照
38
○
小金委員長
それでは本日はこの
程度
にて散会いたします。 次会は公報をも
つて
御通知申し上げますが、
大蔵委員会
との
連合審査会
の件については、先ほど協議申し上げた
通り
閉会
中の審議をお願いいたします。 午後四時三十七分散会