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1951-05-24 第10回国会 参議院 建設委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十四日(木曜日)    午前十時三十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件土地収用法案岩沢忠恭君発議) ○公営住宅法案衆議院送付) ○特別都市計画法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 小林英三

    委員長小林英三君) 只今から建設委員会を開会いたします。  本日は土地収用法を議題といたしまして、この法案土地使用する公益事業の遂行と憲法の保障いたしておりまする私の権利、いわゆる私権保護に対しまして重大関係を持つ法案でございまするので、本委員会といたしましても、これが慎重なる審議に付するために、去る五月二十一日の委員会決定に基きまして、本日学識経験者起業者及び土地使用収用される立場を代表するかたがた証言を求めることにいたしたのでございます。  なお証人皆様におかれましては御多忙中わざわざおいでを願つたのでありますが、どうか以上の趣旨を体せられまして、証言をお願いいたしたいのであります。  なお証人につきましては、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして宣誓書を朗読させ、且つこれに署名捺印を求めることに相成つておるのでございまするが、すでに宣誓書署名捺印を願つておりますので、直ちに証言を聴取することにいたしたいと思いまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林英三

    委員長小林英三君) 御異議がないようでございますから、それでは先ず吉田久君から証言を求めます。
  4. 吉田久

    証人吉田久君) 私は只今委員長から御紹介をあずかりました吉田久でございます。私は多年大審院判事を奉職いたしておりましたがために、この職務上の経験から、又中央大学の教授といたしまして物権法を研究いたしております関係、殊に土地所有権に関する事項を研究いたしておりまする関係上、これらの関係に基きまして、これを二つの観点から本案に対する私の意見を申述べたいと思つておるのであります。  先ず第一の観点におきましては、所有権制限、これに伴う私権保護関係本案との繋がりについての考察でございます。御承知のように土地所有権制限につきましては、民法の二百六条で「所有者ハ法令制限内ニ於テ自由ニ共所有物使用収益及ビ処分ヲ為ス権利ヲ有ス」と規定しております。従いまして、土地所有権法令のこの規定によりまして、制限を受けるのでありますことはおのずから明瞭であります。そこで法令規定を申しますれば、法律規定命令規定を包含するのであります。従つて土地所有権についても法律規定によるほか、命令規定でも制限が加えられるように民法規定の上では見えるのであります。ところが新憲法の二十九条におきましては「財産権内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。」と規定いたしました。従つて所有権制限法律規定のみできめられるものであつて命令規定ではきめられないことに相成つたと私は解釈いたしておるのでございます。なぜかと申しますれば、所有権財産権であります。その財産権である所有権制限せられるものが、つまり財産権としての所有権内容をなすものだと考えるからであります。一体所有権制限概念につきましては、大陸法ではローマ法のそれとゲルマン法のそれとは違つておるのであります。ローマ法では所有権は完全な支配権であつて、その支配権能を外部に制約したものが所有権制限である。その制限のほかに所有権は完全な支配権として存在する。こういうことがローマ法所有権制限観念でございます。ところがゲルマン法では制限を受けたものが所有権として存在する、その制限が即ち所有権内容をなすものだと見るのであります。そこで我が民法所有権制限規定は、ローマ法影響を受けておるのかゲルマン法影響を受けておるかということが問題になるのでありますが、私はどちらかと申せばローマ法制限概念影響を受けておるものと解釈いたしております。ところが右に述べました新憲法財産権制限概念は、むしろどちらかと申しますれば、ゲルマン法制限観念に近いように思われるのでございます。  そこで本案について申しますれば、土地収用又は使用、それから所有権以外の土地権利収用又は使用公共利益となる事業のためには、所有者の意思に反してもこれがなされ得るということが、所有権その他の財産権に対する制限になるのでありまして、その制限については法律規定が必要である、こういうことに相成るのでございます。そこで旧憲法の下においてはどうであつたかと申しますと、やはり新憲法のそれと同じ建前をとつておりまして、現行土地収用法が制定公布せられておる次第でございます。ところが同収用法は時代の要求に副わなくなつたというところから、本改正案が生れて来たのでございます。そこで土地に関する収用又は使用によつてこうむる制限のために土地所有者らの権利が軽くなるということはこれは争えないことであると思うのであります。そこで所有者保護する必要が起つて参るのであります。そこで保護規定のうちで先ず第一に挙げられるのは、収用のできる公共事業認定でございます。而うしてその決定につきましては、現行法主務大臣即ち建設大臣のみをその権限の主体といたしておるのでありますが、本案主務大臣のほかに、都道府県知事にもこの認定権を認めて二本建にいたしたのでございます。即ち国又は都道府県起業者である事業、それから事業を施行する土地が二以上の都道府県地域に跨がる事業につきましては、建設大臣認定権を有することにいたしました。そのほかの事業、例えば一部道府内において行われる、国又は都道府県以外のものが起業者である事業につきましては、当該都道府県知事認定権を持つことになつたのでございます。これは土地収用についての民主化であると存じます。起業者事業認定を受けるにつきまして多大の利益をこうむるものと思います。収用法規定といたしましては一大進歩であると存ずるのでございます。  それから収用のできる事業範囲でございますが、これ又私権のほうに重大な関係を有するところから、本案はその事業範囲明文で以て確定いたしまして、行政庁自由裁量の幅を少くいたしたのでございます。現行法もその事業範囲明文規定いたしておりまするが、いささか明確を欠く憾みがあり、従いまして行政庁自由裁量の幅が多いことになるのであります。併しこの幅を狭くすることが、実は私権保護するゆえんになるのでありまして、本案はこの狙いから事業範囲明文の上に具体的に列挙いたしました。誠に私権尊重の上から結構な改正であると存ずるのでございます。そのほか起業者事業認定申請書内容公告、閲覧に供する。よつて以て広く一般利害関係人意見を申述べる途を開き、又事業認定につきまして必要だと認めたときには公聴会を開くことができる。專門的学識経験者意見を徴することができる。又事業認定が拒否せられた場合には、起業者のためにも事業認定申請の再審査を求める途を開いたのでございます。これらはいずれも現行法には存在しない規定でありまして、適当な改正であると存じます。なお私権尊重趣旨につきましては、次に述べる第二の観点のうちに附加して御説明申したいと思います。  第二の観点といたしまして、収用又は使用についてとられておるところの手続規定本案との関係如何ということを考察してみたいと思うのです。そこでこの手続規定のうちで第一に数えられるのは、起業者土地細目公告申請のための土地調書及び物件調書の作成、これに基いてなされる土地所有者らの補償価額等についての協議でございます。この点に関する本案規定現行法とあまり大差はないようでありまするが、現行法規定はいささか雑然と相成つております。これを整然と整理せられたのがこの本案規定でございます。而うして土地調書と申しましても、物件調書と申しましても、それらの調書によりまして、収用又は使用される土地物件範囲が確定するのであります。収用される土地物件範囲を確定するのに、それらの調書が役立つのでございます。なおそれらの調書協議の基礎と相成るのでございます。そこでこの協議が成立すればいいが、若し不成立なつたといたしますれば、収用委員会に対して、収用又は使用裁決申請することになるのでございます。でありますから関係者協議は、収用委員会手続細目の要件をなすのであります。誠に重要な手続となるのでございます。それから収用委員会におきましては、収用又は使用する土地補償額決定をするのでありまして、これらの決定収用委員会としては特に重要な事項と相成つております。委員会はその決定前に起業者土地所有らに対して和解を勧告することができるということに本案はいたしておるし、そこで和解ができまするというと、和解調書収用又は使用裁決と同様の働きをするのでありまして、関係人にとつては銘々の立場が早くきまりまして、非常に好部合でございます。この和解手続が一旦協議不成立になりまして、収用委員会にかかつても、収用委員会では和解によつて事をまとめるのが相当だと認めるときには、裁決手続によらないで、和解を勧告して、和解によつて事が足りるということ、この和解手続は全く本法案の創設にかかるものでございます。収用法としては一大特色であると申してよろしいと思います。又本法案収用委員会調停制度を見ておるのであります。調停制度は御承知のように従来借地借家小作等の特殊な事件調停制度が応用せられておつたのでありますが、戦時特別立法によつてそれを一般民事事件に拡げまして……一体この調停というものは関係者のうちに調停委員が介入いたしまして、調停条項を示して互譲精神によつて争議を解決させるというのが眼目になつておるものであります。でありまするからその実質は和解でございます。而して本案は、この調停制度を応用いたしまして、一旦協議が不調になつ収用事件もこの調停にかけ、更に和解と同じように当事者の互譲によつて事柄を丸く収めるということを狙つたのであります、この調停制度収用法における応用も又本案一大特色でございまして、誠に結構な規定であると思うのでございます。併し調停はどこまでも関係者互譲精神によつて協議が成立することを期するものでございまするから、若し協議が成立しないということになりますというと、裁決手続によるほかはないのであります。併し協議が成立しましてそれが確認されまするというと、その確認は収用又は使用裁決があつたのと同様の効果をもたらすのでありまして、和解と同様の利益関係者に与えることになるのでございます。  次には収用委員会構成についてでありまするが、収用委員会現行法収用審査会相当するものであります。そこで本案におきましては、委員会構成について非常な細心の注意を払つておるのであります。委員任命等につきましても官僚的の独断を避けまして、広く適材を求めることにいたしております。又委員の身分も保障いたしております等細心の注意払つて規定を考えております。それから審査手続につきましても、書面によるほか口頭の陳述の途を開きまして関係者双方意見陳述機会を与えて明朗化を期しております。それから補償方法につきましても収用者及び被収用者双方利益を考慮いたしまして替地による補償物件移転の代行による補償、道路の改修による補償、被収用者以外のものの損失補償等の途が開かれております。これらは現行法には認めておらないところの補償方法であります、誠に時宜に適した改正であると思います。  おしまいに訴願訴訟による関係について一言いたして置きます。訴願訴訟による関係者権利保護につきましても収用委員会裁決に対して訴願が認められるほかに、都道府県知事がなしたる事業認定に対しても訴願の途を開いたことであります。現在は都道府県知事事業認定権が認められておりませんから、従つてその認定に対する訴願の途というものは認められておらないのであります。  改正法案は、本案都道府県知事のなしたる事業認定につきましても訴願の途が開かれました。これも本案特色一つに数えることができると思います。それから訴訟については建設大臣の違法の裁決の取消又は変更を求めるために通常裁判所に出訴することが認められました。これは裁判所法改正に基く結果でございます。従来は建設大臣裁決に対する不服の申立は行政事件として行政裁判所に出訴されたのでありまするが、行政裁判所権限通常裁判所に移されまして、従つて行政事件についても通常裁判所管轄権を持つということになりました以上、建設大臣の違法の裁決に対しましても通常裁判所に出訴することができることに改まつたのでございます。なお収用委員会裁決につきましては補償に関しても通常裁判所に出訴の途を認めております、これは現行法と殆んど大差がないように私は考えられておりまして、関係者私権保護に遺憾なからしめんことを期しておるものと存ずるのでございます。  以上甚だ簡単でございまするが、第二の観点について御説明を申上げました。要するに本案規定現行法に比しまして一大進歩であると思います。又その規定するところおおむね妥当であります。私は本案が速かに成立になりまして、社会に資することの一日も速かならんことを念願いたしまして、私の証言を終りたいと思います。
  5. 小林英三

    委員長小林英三君) 皆さんに申上げますが、吉田証人は所用がありますので、証言が終つたら退出されるとのことでございます。只今証言につきまして御質疑のあるかたはこの機会質問をお願いします……ないようであります。吉田さん大変御苦労さんでありました。  次は富塚橋一君の証言を求めます。
  6. 富塚橋一

    証人富塚橋一君) 私は龍ヶ崎の町長をいたしておりまして、こういつた法律專門家ではないのであります。全くの素人でありますから只今のような各逐条的に申上げるというふうな知識を持つておりません。従つて私は実際の方面につきまして少しく意見を申上げまして皆様の前で御証言をいたしたいと存じます。  この本改正法案は非常に私は時宜に適した法案であると存じております。土地収用されましたものに対して相当額の……あらゆる今までは金銭を以て補償をいたしておつたのでございまするが、これが現物補償ができるということは非常に大きな進歩であると存じておるのであります。すべて農民が持つております自分所有というものは非常に大きな執着を持つておるものであります。これを収用されましてその本人納得するように今度の改正法案によりまして調停或いは訴願というような私権保護を認められたということも大きな進歩でありまするが、同時に現物補償ができるということは非常に有意義であると、かように存じております。これは農民立場から申上げますと、すでに農地法が施行されましてから農民農地に対する所有というものは非常に少くなつて参り、一町三反という限局された土地所有しか認められておらない。これを土地収用によつてやられますと自分の本当の生業を奪われることに相成ります。この生業を奪われて、或いはただ単に金銭を以て補償をされましても、この自分生業を奪われて、それから別な面に移るまでの大きな損失がここにあるのであります。これは勿論金銭を以て補償されることは勿論であります。同時にその土地に対しても私権を奪われる、いわゆる収用されるところの農民が、この替地を要求し、替地を見つけて頂いて、これを以て補償される、現物補償をして頂くということは、非常に時宜に適したことであるとかように存じます。只今の申上げました点につきまして、私どもが常に考えておりますことは、公共事業でありましても、必ずしも農民はみずからの大きな犠牲によつて公共事業なるが故にこれを提供するとは考えられないのであります。そこに和解の途、或いは意見陳述等をしてこの調停方法を設けられ、その調停によりましてその収用されるところの人が、十分にみずからの意見を開陳して、そうしてこれによりあらゆる十二分の補償をして頂いて、初めて双方納得の行くものと、かように考えておるのであります。  以上私專門家でないのでありますから、ただ考えておりますことを一言証言いたしたいと存じます。
  7. 小林英三

    委員長小林英三君) 富塚証人証言に対しまして御質問のあるかたは……。
  8. 田中一

    田中一君 証人に伺いたいのですが、現在あなたのほうで小貝川災害工事に対して、この法案が出ることによつて農民かたがた、村民のかたがたが何か会合を持つことはありますか。
  9. 富塚橋一

    証人富塚橋一君) まだそういつた会合するということはやつておりません。ただ只今申上げましたように、実際自分先祖伝来土地を離れて別なところに入植するというような問題が生じて来ると思われます。これは農民にとつては大きな打撃であります。この点、十二分の補償本人生活を安定せしめるために十分なる金銭上の補償をして頂くということでなければ、農民納得しがたい、かように存じております。
  10. 田中一

    田中一君 次にこの替地を非常に御希望のようですが、今の小貝川の問題、あなたの現場において適当な土地があるように考えておりますか。
  11. 富塚橋一

    証人富塚橋一君) 私はそれは非常に困難だとかように考えます。
  12. 田中一

    田中一君 その場合にあなたは、父祖伝来土地だから金銭だけでは承服できないという観点から、今日まであの問題が解決されん現状なんでしようね。その場合に替地がないとすればどうしたらいいかというようなお考えをお持ちでしようか。
  13. 富塚橋一

    証人富塚橋一君) これは私どもといたしましては、一応この小貝川河口を付替えることにより受益するところの相当大きな面積があるのであります。この人たちが一応この期成同盟会というものを組織いたしまして、一日も早く小貝川河口付替えを促進したいという希望を持つております。同時に私ども町村長が集まります町村会におきましても、この対策のために対策委員会をこしらえまして、そうして現物補償の途を講ずるように努力しておるのでありますが、農民の常といたしまして、とにかく人が如何に損失を受けましても、その損失のためにみずからが自分土地を提供して、そうしてその人を補償してやるということが簡単には納得するものではない、かように思つております。
  14. 田中一

    田中一君 替地がない、併しながら自分土地を離れるのはいやだという場合、利益を受けるものが余分の土地を持つておるから、それを公平に話合いで分けて欲しい。こういう御希望のわけですね。
  15. 富塚橋一

    証人富塚橋一君) さようでございます。
  16. 小林英三

    委員長小林英三君) 他に宮塚さんに対しまして御質問ございますか……御質問がないようでありますから、富塚さん大変御苦労様でした。  富塚証人はやはり被収用者立場から証言願つたのであります。やはり東京都内におります収用される立場といたしまして長島証人証言を求めます。
  17. 長島豊作

    証人長島豊作君) 只今委員長から御紹介を頂きました長島でございます。私もこの法律專門家ではございませんので、專門的証言を申上げるということは困難でございますが、とにかく大正十二年の大震災の復興の当時から帝都の復興についていささかお手伝をして参りまして、今度この戦災をこうむりました東京都の一角におります関係上、町人の一人として現在の復興事業に関して最も土地収用法が大きな関係を持つておりまするので、私ども地域におきまして身を以て体験したことを証言をいたしたいと存じます。私は渋谷の恵比壽におりますので、恵比壽駅のことを中心といたしまして、あの周辺の地区を一括して十六万二千坪と記憶しておりますが、そこの区画整理を施行するについて、この土地復興整理組合を認可を得てやつておられるところであります。これについて本法案が今度新らしく改正されるわけでありますが、御趣旨にもある通り非常に古い法律によつて、この組合の運営が行われておるのであります。そうした関係上、どうもことごとく組合施行方針一般街人々意見がぴつたりと行かないことが非常に多いのであります。これが具体的な例を申上げますと、仮に組合の形態は地主を以て組織された整理組合でありまして、借地権者或いは借家人というような人々がこの組合に参画する権利は全然認められておりません。そうした関係上この組合がとにかくそこに委員会の組織を定めまして、これは一部特別都市建設法を含んでの措置でありますが、整理委員会作つてその委員会のその権能と責任の範囲と申しますればこの組合の仕事にいわば一部諮問機関というような程度の範囲を与えられておるのであります。これも過去三年間の、組合が組織されて今日に至るまでの事情を申しますると、まあ事ごとに済崩し的に民意を何とか取入れてやろうと努力して来られたことはよく私ども承知しておるのでありますが、併しその済崩し的に組合の行き方を改めて来ておるということは、誠に今以てもまだきつぱりと行くことは殆んどないといつていいくらいに、すべて組合施行方針万能で、一般人の地上権を持つておる人或いは家を借りてそこに住居、営業をなしておる人たち利益を守るという点は殆んど等閑されておるわけであります。これを考えまして誠に本法案の制定は両手を挙げて私どもは喜んで賛成するものでありますが、具体的な施行方法につきまして幾多まだ関心を街の人々は持つておられるのであります。それは成るほど組合の今まで施行されておる実情は、先ず以て法律が古い新らしいは第二の問題としても、決してその法律には抵触しておりません。併しながら或る国家の立法の下において、一般大衆納得が行かんということにつきましてはまあこの法の不備が少くないのであつて、これを改められる、或いはこれを補填されるということについては、これは我々としては喜んでおるわけでありますが、まあ私が現在今日まで恵比寿居住者の一人として私は地上権を持つておる人、恵比寿の町でささやかな商売をしておるものでありますが、今までやつて来られた事情についてはどうも街の人が団体を以て心の中からいろいろと訴えて組合と折衝してもなかなかそれはうまく行かぬ、それは土地収用が第一の基準であり、その次にはそれに附帯して権益を保護して欲しいということについての頼みであるけれども、これが大体において通らないのです。そうしてこれは一つの例でありますが、私は一本の路線を設定するのにどうもみんなの納得が行かぬような路線が計画されて施行され、これをやられると非常に何十年来先祖から伝わつてそこに営業をし、生活を営んでおつた人たちが大きな打撃を受けて、場合によつて事業をしてもそこにいても立ち行かない状況にある人がたくさんある。そういう際においてこれを事情を話してもどうも掴みどころがない。併し法の前において判定を受けておるとしても、これがなかなかできない。止むを得ず私はこの事業監督権外でありますが、区会に陳情をいたしまして、御判断を得て区会は、澁谷区議会は全会一致を以て地元民の意見を妥当なりとして可決いたした。いわばこれは地方自治法によるところの結末がついて地方長官に対して意見書区会議長から出されたのであります。これが現在東京長官の手許に最近出ておるはずでありますが、一方都のほうの監督上の範囲内においていろいろ御相談に上つてもやはりうまく進まない、もう一歩進んでこれはどうも仕方がないので法務局に相談しても、どうも法律の上においての解決はちよつとこれは困難であるというので、又人権擁護局に参りまして、人権擁護局ではこれはその街の人々擁護はこれは妥当である、このままこの路線工事が施行されるということになると、これは成るほど人権を侵される慮れありというような人権擁護局から判定を頂きまして、目下多分建設省にその書類が回付されておるのじやないかと私は思つております。次官宛人権擁護局長から書数が送られておる。こうした問題が非常に多いのであつて、これはすでにこの組合の施行ということは不適当というて許可をしておらんということを聞いておりますが、その問題はやはり土地収用の問題でありましてこれは只今地方の証人のかたが耕地を基準としていろいろお話がありましたけれども、この都内においては御承知でしようが土地の価額は非常に判断の範囲が広く、まあ田を作り畑を作る、これは米が一俵、二俵多く穫れるか少く穫れるか、そういう土地による利害関係というものは或る程度殆んどわかつておるんですが、東京都内におきますると、その点はなかなか押え切れないところがある。或いは三十坪あつても大した収益のない土地もあれば、場所においては一坪であつても何人かの一家が支えられて行くというような土地もある。ここに従つて土地がその面積、坪数においてただ単に頭から判断が下せない。非常に価値的に相違があるということはもう御承知の通りでありましようが、その事実をこの都会においての土地収用につきましては非常に見解のむずかしい点が多い。これらを今度運用される場合におきますると、先ず以て運営をされる人の問題であると私はこう考えておるのですが、仮に法律ができてもその法律を殺して使うか生かして使うかということは人の問題でありますが、この法案を私は概略を聞かして頂きまして、そういう点から申しますると大変私らといたしましては結構な法案ができ上ると衷心喜んでおるのでありますが、従つて一日も早くこの法条の施行実施を期待して参つておるものであります。なお今日明日におきましても目前に迫つた事業地帯におる関係上、成るべくならばもうこの法条が制定され可決されましたならば、即日施行してもらいたいというような考えを皆持つておるのであります。現にこの土地収用、私は今土地収用上の立場から申しますと借地権者として申上げましたが、この組合員が僅か六、七百人の地主を以て組織されておるのですが、この地主の三〇%乃至四〇%は自分土地組合が処理されておることを知らない人がある。こういう点においては実際の私は事実を証言する建前におきまして、御参考までにお聞きとりを願いたいと思いますが、まあ帝都にある地主さんとしても実際は非常に無関心なのです。或いは借地人にしても非常に無関心な点が多い。自分の軒下に杭を持つて来て叩き込まれてから初めて気がついてこれは大変だと非常にその打たれるほうにおいては被収用者としても無関心である。併しながらこうした人々の最低な知識線のところを基準として、この法案を親切な建前で施行して欲しい。そういう私は希望の上から申しますると、この施行細則等におきまして、なおそういう見解の下に施行上の親切味を一つ含んでお願いをしたい。これはわからない人は、あとで自分の無関心なことを棚に上げて置いて、そうして言うときはあとから非常に面倒なことを言い出してごたごたする。そういう例は現にたくさんございますが、そういうこともこの収用の側に立つて指導する、教えてやる、そこに親切味を持つてつて頂きたいという点において、この施行細則に対して特に肉を附けてやつて頂きたい。  概略以上の実際の体験を申上げまして、証言を終りたいと思います。
  18. 小林英三

    委員長小林英三君) 長島証人只今証言に対しまして御質問がありまするならば一つ……。ないようであります。大変有難うございました。  次は起業者側といたしまして、日本電気協会の専務の田倉八郎証人証言を求めます。
  19. 田倉八郎

    証人(田倉八郎君) この法案の成立に関しましては、電気協会としてもしばしば早く成立いたしますように関係方面にお願い申上げて置いた次第でありますが、なぜこの法律が早くできることを要望するかと申しますると、大体大分けにしまして四つの理由があるのであります。  その一つは、先ほど吉田証人も言われたように、この現行法は明治三十三年という非常に古い時代にできた法律でありまして、今日におきましては、新らしい憲法を初めといたしまして、あらゆる法律が新時代の民主的なるものになつておるにかかわらず、丁度水の中に油があるがごとく、現行土地収用法が存在しておるのであります。それで現行法は御存じの通り極めて官憲的であり、一方的であつるのであります。これを見方によりますると、起業者側としては、或いはそのほうが都合がよくはないかという見方もあるかも知れませんが、世の中がすでに民主的な時代になつておりますので、その周りが全部が民主的なる空気、民主的なる法律時代になつたのに、ひとり土地収用法だけが古色蒼然として一方的なる法律があつても、それが決して円滑に運用できないということは当然のことであります。そういうような見地からいたしまして、この新らしい法律が一日も早く成立して、そうして今日日本の最も緊急問題の一つとなつておりますところの電源開発を促進するのに役に立つようにして頂きたい、これが第一点であります。第二点は、現行法におきましては、その第七条或いは七条の二といつたようなところに、土地に関する権利或いは又水の使用に関する権利といつたような極めて漠然とした用語で以て現わしておりまするけれども、これではその権利内容が甚だ不明確でありまして、起業者側としてもその解釈に苦しみ、従つて土地所有者その他の関係者との間に要らざる紛争を招いておる実例がたくさんあるのでありまするか、今度の新らしい法律案の第五条ですか、それによりますると、例えば土地に関するものにつきましては、地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利とか、或いは又鉱業権、温泉を利用する権利といつたふうに、極めて明確に規定しておるのであります。又水に関する権利にいたしましても、同条の第三項にありまするように、「河川の敷地又は流水、海水その他の水を第三条各号の一つ規定する事業の用に供するため、これらのものに関係のある漁業権、入漁権その他河川の敷地又は流水、海水その他の水を利用する権利」というふうに相当明確に規定されております。こういうふうに要らざる争いの種が少くなるということも、私どもがこの法律を早く施行して頂きたいという第二点であります。第三点は、先ほどどなたかおつしやいました通り、和解協議の確認の規定ができまして、それが従来の裁決に代るというそういう規定が入つたことであります。このために今までのように、ことごとくが裁決という固い手続によらずに、和解協議といつたような弾力性のある規定が入りましたことは、土地収用の実際に即した解決が急速にできるという途が開かれましたので、これ又我々起業側の者といたしましても、極めて望ましいことであるのであります。その次は新法の第百二十三条の問題であります。実を申しますると、この法案が立案されております途中におきまして、この百二十三条に関しましては、私ども起業関係者といたしましては、再々うるさいほど陳情もし、意見も述べさして頂いたのであります。即ちこの百二十三条は緊急に施行する必要がある事業のための土地使用でありまするが、この緊急とは何ぞやという問題であります。私の考えによりますれば、この緊急には二色あると思います。例えば天災地変によりまして堤防が崩れたとか何とか、そういう一刻も、一時間も余裕ができないといつたような類のものと、それから先ほど申しましたように、現在の日本では電源開発は緊急の要務であるという、その緊急と、こういつたような意味で、二色の意味があると思うのであります。即ち前者はいわば緊急の単位が時間若しくは日を以て計るようなものでありまするが、後者の電源開発、電源開発何カ年計画といつたようなことは、この緊急さの計り方の単位は、決して時間的若しくは日を以て計るべきものではなくて、半年とか或いは一年とかいう相当幅広いタイムを以て計るべきものでありまするが、これ又日本の経済の自立、延いては国利民福の増進の上には誠に緊急なるものでありまするが、この緊急の意味がこういうふうに二色ある。殊に本法案におきまする百二十三条の中程になりますが、その他公共利益に著しく支障を及ぼす虞れがあるといつた、この字句の中に今申しましたような電源開発なんかの計画を滞りなく促進するというような意味のことも含まれるものと解釈いたしたいのであります。なぜかと申しますると、現行法の下における電気事業者の過去数十年の経験によりますれば、勿論電気事業者側にも相当横暴なる措置がなかつたとは申しませんが、他面多くの善良なる土地所有者にまじりまして極めて一部の人たちが悪意に、又はためにせんがために争い、争わんがために争い、そうして公共利益を無視すると申しまするか、そういう事件のために工事が極めて遷延してしまつたという例がたくさんあるのであります。殊にこの新らしい法律におきましては、土地所有者その他の人権が厚く保護されることになりましたのでありますから、その中の悪意の人がその厚い保護に隠れて権利を濫用して、公共利益を軽んずるというようなことのために、この大事な仕事が遅れて、それが又引返して、国民大衆全般に著しい悪影響を及ぼすというような場合には、この百二十三条を適用することができるものとこういうふうに解釈いたしますことができまするならば、その意味においてこの法律は極めて望ましいものであります。これがこの法案に賛成する第四点であります。併しながらこの百二十三条につきましては、解釈上若干の疑問があろうかと思います。なお附加えますが、同条の第二項におきましては、「前項の規定による使用の期間は、六月とする。使用の許可の期間の更新は、行うことができない。」とあります。従いまして仮に第一項によりまして、所定の手続を経て担保を提供し、そうして電気工事を始めた後に六ヶ月間に話がつかない。そこに施行した多くの建設物を原状回復にまで撤去しなければならぬようなふうにも見えるのであります。併しながら法律は申上げるまでもなく、運用が大事なのでありまするから、この第二項に書いてある六ヶ月の期間内に根本的の解決ができますように定めし運用されることだろうと信頼いたしまして、この百二十三条を含めて本法案に賛意を表するものでありまして、これが若し只今申上げたような意味の緊急ということが含まないものだとすれば、その意味では賛成申上げることができないのであります。その点につきまして若し委員長のお許しがありましてこの法案を提案されたお方からこの解釈について御意見を承わることができるものでありますなら非常に幸いと存じます。これを要するに以上申上げましたような四点の主なる理由の故に本法案が一日も早く施行されますようにお願い申上げたいと存じます。以上でございます。
  20. 小林英三

    委員長小林英三君) 田倉証人只今証言につきまして御質問がおありの方は御質問願います。それでは田倉証人御苦労様でございました。
  21. 小林亦治

    ○小林亦治君 今田倉証人から発案者の説明を求めておられるのでおやりになつたら如何ですか。
  22. 小林英三

    委員長小林英三君) 委員会がこの法案に対する証人証言を聞いておりますので、証人のほうから発案者に対して許しておらないのであります。
  23. 田中一

    田中一君 審議をしておらないのだから、我々はその返事は無理かと思いますから拒否されたらいいと思います。
  24. 小林英三

    委員長小林英三君) 只今委員会証人証言を求めておるのであります。
  25. 小林亦治

    ○小林亦治君 発案者の説明があればなお証言したいそうでありますから、その意味で……。
  26. 田中一

    田中一君 我々委員会の審議に入つていないのであります。その審議に入つた後に……。
  27. 小林英三

    委員長小林英三君) 次は学識経験者といたしまして京都大学の法学部の教授の須貝脩一証人証言を求めます。
  28. 須貝脩一

    証人(須貝脩一君) 大学で行政法の研究講義をしております関係土地収用法には非常に興味を持つておりまして、そして殊に現行土地収用法というのが明治年間にできました古い法律でありまして、これだけがまだ終戦後多くの法令改正されましたにもかかわらず古い法律がそのままに残つておる。いずれこれは改正されるであろう。併しそれにしても甚だ遅いという感じを持つてつたのであります。ところが今回こういうような全面的な改正案というものが出されまして、そして内容を拝見しますと大体私は賛成の意見を持つております。そういう意味でこの法案が出されるということは、今からでも遅くない。非常に結構なことだと喜んでおるわけであります。それでそういうような結論を先に申上げたわけでありますが、それじやその理由はどういうところにあるかと申しますと、一体この土地収用という名前をとつておりまするが、実際は土地収用だけではないのでございまして、それ以外にも土地に関する各種の件、或いは土地以外のものの収用というようなものも規定しておるのでありまして、これはむしろ公用のための収用をやる根拠になる法規であるという意味で公用収用というような実体を持つた法律であるのであります。ところでこの公用収用という制度はこれは事柄の性質上非常に強い制度なんでありまして、その公用収用の本質というものは、これは必然的に実は一方的なんであります、そういうことを言うと語弊がありますが、併し赤裸々に言えばそれの本質は一方的なものである。つまりこれは公用の事業のためにこの土地というような掛替えのない、或る……それの土地の位置とか、どういう位置であるか、そういう位置とか、或いはその他の性質というものが、これが代替を許さないというような、そういう性質を持つておる。そしてこれをとるということを国家できめます。これは結局有無を言わさずに、最後には収用する、こういうことになつて参るのでありまして、そこでこの土地収用法というものは、せいぜいのところ、こういう強い、強権の発動を、これを成るべく人情味のある、思いやりのある、被収用者事情意見を十分に取入れて、そして妥当な解決をする、こういうことを保障するような規定を作るということが、土地収用法の目的になつて参るわけであります。それで土地収用法というのはそういうわけでありますから、決して私権保護といいますか、私権保護という方面からだけこれを見るというわけには参りませんので、それと同時に公用のためには円滑な手続で、そしてこの被収用者納得するような方法でこれを収用するということによつて公共の福祉の実現が滞りなく達成されるというような、そういう公益の保護ということも同時に大きな目的になつておるわけであります。要するに土地収用法としてはこういうような公用のための財産権制限ということと、それから片方においてこういうような制限を受けます財産権というものとをどういうふうに調和させるか、こういうようなことになつて参る。それでそういう形式としまして、法律によつてやらなければならないということが憲法で保障されておるわけでありますが、併しこの憲法の保障も今申しました通りに、二面から、二つの側面からこれを見なければ本当の意味はつかめないのでありまして、一つは人民の自由財産を制限する、その制限に対する防壁として法律があるということが一つございます、そしてこれは明治憲法におきましても、立憲君主制という建前から、君主の行政権に対する制限としての法律で以て財産権を保障する、こういう意味を持つてつたわけであります。ところがこの新憲法におきまするような民主制をとることになつて参りますと、今度は考え方が変つて参りまして、法律というものは決してそういうような立法権に対する制限、それで以て完全な最高の君主の大権というようなものを法律制限をする、こういうことじやなしに、実は立法権が国家における最高の権限になるのでありまして、こういうような土地収用というような最高の国権、いわゆる主権の作用として行われるこういう行為については、必然的に実はこれは立法権の作用であります。権力分立をやつております上から言いまして立法権、司法権、行政権三とつありますうちで、この公用収用権は立法権の範囲に属するということになるわけでありまして、そうして法律というのはそういう公用収用権の発動、それをこの法律で現わす、こういうことになつて参るのであります。実は本来は国会がこういうような最高の国権の機関なんでありますから、公用収用権というのは国会が握つておる。ただ国会自身が個々の事件につきまして一々公用収用手続をとるということが実際上妥当でないために、こういう公用収用権を特に行政権に下げ渡して行わせる。要するに主権というものは国民から信託されておる、その信託された最高の国権を、法律という形で今度は国会が行政権に賦与する、こういう意味を土地収用法というものは持つて参るわけであります。そこでこの土地収用法というものは、常に二つの意味を持つておるのでありまして、一つはそういう公用の実現ということと、それからもう一つはそういうような国会によつて賦与された権限を行政権がこれを間違つて使わないように法律で抑える、そういう意味と二つの意味が出て参るわけであります。そこで例えばこの問題の事業認定に関しまして、一番最初の如何なる事業が公用に属するかというような規定の点につきましても、この旧法では、現行法では、甚だ漠然とした項目を列挙するに過ぎなかつたものを、今度はたくさんの項目に分けまして、第三条で三十三項目に分けまして、詳しくそれを限定して規定しようということのごとき、これは二様に解釈されるのでありまして、一つは先ほどからほかの証人のかたが仰せられましたように、勿論これは私権保護ということに役立つのではありますけれども、併し又一方この列挙された項目というものの中には、旧法では解釈の問題としまして、恐らくその列挙された項目の中には含まれ得ないであろうようなそういう事業までこの中に入つておるわけであります。そして又この公用収用権を委託されました行政権の側としましても、こういうふうにそれぞれその事業の根拠になつておる法律を指摘し、又その事業について公用収容を許す範囲というようなものをはつきりここに特定しておるということから、いわばこういう新らしい土地収用法の第三条をバツクにして公用収用をやる限りは、これは立派な法律の根拠規定があるのだというので、大手を振つて楽な気持で事業認定をやることができる、こういう意味におきましてこの第三条の規定のごときも、この公用の目的を円滑に到達するということが一つと、それから第二には私権保護、こういうような両面の意味を持つて来るわけであります。その他今電気事業関係の御証人からお話がありましたように、こういういろいろな権利、それお収用できるということを明定したという点もやはり同じように考えられるのでありまして、この公用のためにそういうような権利収用し得るということがここではつきり規定をされて来た。そういうふうにして、この土地収用法は片方側ではそういう公用収用が十分にその目的を達成し得るようなそういう仕方で規定を設けておるということが先ず第一にあるわけであります。これが望ましいことは勿論でありまして、この古い現行の土地収用法はこれは甚だ官憲的な法律であると言われておりながら、而も官憲的な法律であるが故に、現在の民主化された世の中においては行政権はこれを利用するに当りましては肩身の狭い思いをしなければならん、そうして土地収用がやりにくい、こういうことがあつたわけであります。この点が今度の土地収用法によつて先ず除かれておる。こういう点が先ず第一にこの法律案の長所であるというふうに考えられる。それから第三に勿論私権保護に遺憾なきを期してあるという点が第二に長所であると考えられます。それから第三に手続的な点におきまして従来の土地収用法というものは、これは制度趣旨がいわゆる立憲君主制、そこで行政権というものがこれが強い権力を持ちまして、それが土地収用をすべて任せられてやる。こういう建前であつたのでありますが、併し今度の土地収用法はそれと似ておるようでありますが、やはり手続の点で変つて来ておる。どういうふうに変つて来ておるといいますと、建設大臣が、特に国に留保したようなそういう種類の事業認定については、自分でやるということになつておりますが、それ以外の地方的な事業はすべて府県知事に任せている。こういうような趣旨でそれが地方分権の趣旨に即しておるというようなこともありますし、それから又収用委員会というものの性質が、従来の収用審査会とはまるで変つております、従来の収用審査会というのは、これは行政のかたの機関でありまして、府県知事というものがその委員長になつておる、そうして官吏側の代表者とそれから学識経験者委員、両方からできておる。こういうのでありますが、併しこれは何といいますか、行政権を代表しましてやるところの機関である。ところが今度の収用委員会というのは、やはり行政機関の一種ではあるのでありますが、併し普通の行政の系統とは全く独立しまして、あたかも裁判所に準ずるような地位を以もましてそうして裁判所と成るべく同じようにしておる。そういう手続を使いまして収用の採決をやる、こういうことになつておるのであります。つまり収用権を持つておる、そういう収用権を任せられておる行政官と、それから被収用者というものの中に立ちまして、公平なる第三者としてこの収用の採決をやる、こういうようなふうになつて来ておるわけであります。そういう意味でこの手続の点でも単なる行政権だけの判断によりまして事が勝手気儘に運ばれるという虞れがないように、この収用委員会という制度ができておるわけでありまして、勿論この法律の運用というものが非常に大事である以上は、この収用委員会というような構成が真に適当な人を得て、十分にその制度趣旨を遺憾なく発揮するように行われることが望ましいわけであります。そういう意味でその委員の任命の仕方というものが規定されておる、こういう点で手続趣旨が変つて来ておる。  それから更にこの手続が非常に民主化されておる。当事者の言い分を十分に事前に聞きまして、そうして十分被収用者意見を取入れた上で、最後に採決をしております。こういうような方法をとつておるわけであります。そういう意味でこの手続民主化が行われておるというばかりでなく、更に和解とか調停とか、或いは協議というような制度を強力にする、或いは新設しまして、それによつて成るべく両当事者の納得づくで事が運ぶように、而も第二にもう一つ意味があるのでありまして、そういう納得づくで運ばれた場合も、それが収用の採決と同じ効果を持たし得るというような制度作つて来ました。協議の確認とかその他の制度作つてありまして、これによつてその納得づくで合意の上できまつたことは、これは収用の採決と同じように強力に滞りなく執行できるというふうにしておる。それから又非常に手続を慎重にしまして、親切にしておる半面におきまして、今さつきお話のありましたような百二十三条のようなそういう緊急に施行する事業については、こういう弁法をできるだけ認めておるという点、これでこの土地収用法の第一の目的を遺憾なく達成しようとしておるというような点、そういう点でこの手続というものが非常に合目的的に、而も人権の保障について遺憾がないようにしておるという点が本法の特色であるというふうに思われるわけであります。そのほかこの土地収用が行われたあとにおきまして、これに対して訴願とか、或いは訴訟というような法的救済の点につきまして、十分に事後の審査を行なつて、そうして行政権がその権限を濫用しない。又行政権のやつた処置が妥当なものであるという点を、十分に別の機関が監督し得るように、規定を設けておるわけであります。そういう点もこの従来の土地収用法よりはよほど完備して参つた点が認められる。それで要するにいろいろ話したいことがあるのでありますが、結論としまして、引つくるめて言えば、これは現行土地収用法に比較しまして、決してここに書いてあります、参考資料として現行土地収用法改正土地収用法との対比というのがここにありますが、ここに書いてあるだけでなしに、いろいろな点につきまして、土地収用法が近代化され、そうして又民主的になつて行く、そうして終戦後たくさんに出ましたほかの法令に比べまして、決して勝るとも劣らないような内容のものができ上つておるということを、これは拝見してそういう印象を受けたのであります。それでまあ大変長い話になりましたが、一応私の証言はこれで終ります。
  29. 小林英三

    委員長小林英三君) 只今須貝証人証言につきまして、御質問のおありの方は申述べて頂きたいと思います。
  30. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 いろいろ私の権利を抑える方面と、私の権利を守る関係が、勿論この法律のむずかしいところであると思いまするが、今いろいろ私の権利を抑えるところの面というものが三ヵ条も出ておりますが、第三条中で三十号のとこころで、住宅の問題で、住宅を国、又は公共団体が造る場合に、そうして賃貸し、又は譲渡する目的を以て五十戸以上の一団地を経営する場合には、これも又やるということ、それから又まあ一般の普通の自動車運送業者が専用道路を作つたりという、そういつたこと、この問題があまりに……、結構なことでありまするけれども、一面において少しまあ何と言いますか、中途半端と言いますか、或いは又何か不十分というか、行き過ぎであると言うか、そういう感じがするのでございますが、何か御意見ございませんか。例えば居住の住宅を造つてやるということは結構なことなんだが、五十戸にする、どうしてこういうふうにしなけりやならないのか。若し国が、公共団体がそういうことをするならば、あえて五十戸と言わずに、もつと十戸でも、五戸でもやつたらよかろうじやないか。又一つには一営利業者の自動車屋さんが道路を作るのに対して、私の権利を束縛するようなことをしなきやならないかといつたことを私疑問に思うのですが、そういうことに対してお考えありますか。
  31. 須貝脩一

    証人(須貝脩一君) 私政府委員じやありませんので、実際のお話は、立法の経過はよく知らないのですが、公平な第三者としてお話申上げれば、これはイギリスやアメリカの判例で、こういうものが公用の場合に該当するということは、長年の裁判の判例できまつて来ておるということがあるわけてす。それで何と言いますか、そういうような民主化された国においても公用と認められて怪しんでおらない。ところがこの庶民住宅のごときも、現行の土地収用法ではこれができるか否か疑問がある。或いは現行法の解釈ではできない。そういうような点につきましてこういう規定を作られたのだろうと思いますか……。
  32. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 結局あなたのほうはこれは妥当だとお考えですか。成る程度のものは……。
  33. 須貝脩一

    証人(須貝脩一君) そうですね。何と言いますか、まあ裁判所が判例でそういうものを妥当だとしておるのでありまして、だから私はそういう点をそう深く研究しておらないわけですが……。
  34. 田中一

    田中一君 この九十三条、「第二節測量、事業の廃止等に因る損失補償」というところの九十三条のところに、二項に、「前項の規定による損失補償は、事業に係る工事の完了の日から一年を経過した後においては、請求することができない」とされておるのですがね。そこに発電工事や何かの場合ですね、例えば土地を蒿上げして、そのために水が出る、自分のたんぼを耕すために湛水する。その年は何遍と雨が降つてもそういう湛水はしなかつた。併しながら一年過ぎて後に又その翌年、非常にそれ以上の雨が降つた。その場合にどうしても湛水する。そのときにどうしても一年を経過しておるから補助はできないという場合に、法律的にはそれをどういう方法で以て請求し得るのですか。
  35. 須貝脩一

    証人(須貝脩一君) そういう湛水の場合は九十三条の理論じやなくて、別の不法行為の理論でそういうことは救済されることがありますから、ただこれの九十三条はむしろそれじやなしに、ここに書いてありますように、「土地事業の用に供することに因り」こういうような適法な事業によりまして損失を受ける、こういう場合、これは不法行為のあれで裁判所に訴えても損害賠償はもらえない。而もその強制収用制度として、そういう場合にも、被収用者以外の者ではあるが、やはり損失補償をしなければいけない、こういうことを特にこの規定を拡げて……、こういう例はほかの法律にはないのですね。そういう制度であつて、この一年という期間は恐らくはこういう非常に親切な思い遣りのある規定を置いたわけですが、併しこのためにいつまでたつても、何と申しますかいわゆる損失補償が片附がないというような状態が長く続きまして、あたかも一遍裁判をしまして、その結果が何年たつて決定しないのと同じように、いつまでもわしいあれをつ免れないということになつてはまずいので、そこで現実と理想との妥協として一年というふうによ結果が以て来たのだろうと思うのですが……。
  36. 小川久義

    ○小川久義君 各証人証言をお聞きいたしまして、我々審議に際して非常な参考になる点が多かつたので、これから証人方の御意向によりまして審議に入りたいと思いますが、今日は時間も相当経過いたしましたので、この辺で休憩にお願いしたいと思います。
  37. 小林英三

    委員長小林英三君) これにて本法案に対しまする各証人証言を終了いたしたものと認めます。  証人の各員には御多忙中のところ御遠路からおいで下さいまして大変御苦労さんでございました。有難うございました。  暫時休憩をいたしまして午後一時二十分から特別都市計画法の一部改正法律案、公営住宅法事につきまして委員会を開きたいと思います。暫時休憩いたします。    午後零時十一分休憩    —————・—————    午後一時五十六分開会
  38. 小林英三

    委員長小林英三君) 只今から休憩前に引続きまして建設委員会や開会いたします。  先ず公営住宅法案の提案理由の説明を求めます。
  39. 田中角榮

    ○衆議院議員(田中角榮君) 只今議題となりました公営住宅法案につきまして、提案の理由及び要旨を御説明申上げます。御承知のごとく政府は戦後毎年地方公共団体に建設費の半額に当る補助金を交付して低家賃の庶民向賃貸住宅を建設させているのでありますが、これは、ただ年々公共事美質予算のうちに国庫補助金を計上するという予算措置だけに依存するものでありまして、恒久的に国策として確立されたものではないのであります。外国の例を見ますると、イギリスでは、今から百年前、即ち一八五一年に早くもシヤフツベリー法と称する「労働者住宅法」が制定されて、地方団体が低家賃の賃貸住宅を労働者に供給する途を聞き、この法律に基く方策は今日まで承継されております。アメリカでも、一九三七年の「合衆国住宅法」によりまして、地方当局による低家賃公営住宅の供給方策を確立しているのであります。西ドイツ、イタリー、オランダその他のヨーロツパ諸国においても公営住宅に関する法律を持つ国が多いのであります。これらの外国の例を待つまでもなく、我が国におつきましても、特に戦後の困難な住宅問題を解決するためには、国の助成による公営住宅の供給方策について速かに立法措置を講じてこの方策を恒久的に確立する必要があるのであります。公営住宅法案は、以上の観点に立つて国の補助による公営住宅の建設、補修及び管理に関して規定いたしまして、公営住宅の計画的供給に関する国と地方公共団体の責任及び公営住宅の建設に要する費用の両者の負担の限外を明確にすると共に公営住宅の管理の適正化を図つた次第であります。  次にこの法案の条文の説明を簡単に申上げたいと思います。  この法案は、四章二十九条と附則五項から成つております。第一章総則。本章は法の目的、用語の定義、国及び地方公共団体の責任に関する事項規定いたしております。  第一条は、日本国憲法第二十五条の趣旨に則りまして、法の目的を明らかにしたものであります。第二条は、法文中にしばしば出て参ります用語の定義を定めたものであります。第一号の地方公共団体というのは、普通公共団体である市町村及び都道府県を言います。第二号に公営住宅の定義をいたしております。この定義によりますと、国の補助によらないで建設し又は今後建設する賃貸住宅はこの法律でいう公営住宅ではありません。ただ後に附則第三項のところで御説明いたしますが、この法律による公営住宅でない公営の賃貸住宅につきまして国の補助を受けたものにつきましてはこの法律による公営住宅とみなして、この法律を適用することにいたしました。なおここで住宅の附帯施設というのは、住宅に設ける電気、ガス、給水、排水その他の住宅の機能保持上必要な施設を指しております。第三号の第一種公営住宅と第四号の第二種公営住宅は、公営住宅を二種類に区別したものであります。第二種公営宅は、家賃を第一種公営住宅より安くして、家賃の負担能力がないために第一種公営住宅に入り得ない者、又は災害により住宅を失つた低額所得者に提供することとしたわけであります。家賃に関する事項は後の条文で規定しまして、ここでは入居者の所得と住宅の規格について政令で規定するということにいたしたのであります。入居者の所得は、経済事情の推移と共に変動することが予想されますし、又家族構成の如何によつても家賃負担能力に差が生じますので、政令で定める入居者の収入の基準は相当幅を持たせて規定すべきものと考えております。第五号に公営住宅の建設を定義いたしまして、公営住宅の建設に必要な土地の取得又はその土地を宅地に造成することを含ませましたのは、住宅の建設がその敷地と不可分の関係にありますので、この点を注意的にせん明したものであります。第六号の公営住宅の供給と申しますのは、公営住宅の建設と管理をすることを言うのであります。公営住宅の建設と管理は、多くの場合同一の地方公共団体が行うのでありますし、又それが適当であると考えられますので、この法律では同一の者が建設と管理の両面を担当することを予想し、従つて便宜上供給という用語を用いた次第であります。第七号の共同施設と申しますのは、公営住宅の入局者の共同の福祉のために必要な施設を言うのでありまして、法案の第五条に規定するように公営住宅を大体一団地に五十戸以上集団的に建設する場合には共同施設を建設することが望ましいのであります。共同施設は、住宅の附帯施設のように個々の住宅の機能上必要なものでなく、住宅を集団的に建設経営するときに初めて必要と認められるものでありまして、その種類は政令で定めることにいたしたのであります。第九号の事業主体というのは、公営住宅の供給を行う地方公共団体に便宜上つけた名称であります。  第三条は、公営住宅の建設と管理が地方公共団体の責務であることを規定した条文であります。これは元来住宅問題は市民なり県民なりの問題であり、又住宅事情の実態を最も把握しやすいのは市町村又は都道府県であり、且つ住宅建設事業の実施機関としても地方公共団体が適当であるという趣旨に基いて、地方公共団体に住宅供給についての義務を負わせた規定であります。第四条は、前条の公営件宅の供給に関し必要がある場合に国及び都道府県が援助しなければならん旨を規定したものであります。公営住宅の供給は地方公共団体の義務でありますから、事業主体たる地方公共団体がその費用を負担すべきであるは勿論でありますが、地方の財政力には限度があつて、その費用の全部を負担するのは不可能であり、従つて深刻な住宅不足の解決を地方公共団体だけの責任とすることは民生の安定上、又国民保健上由々しい問題であります。そこで国が費用の一部を負担すると共に、金融上及び技術士の援助を与える義務を負うという趣旨であります。第二項で市町村が公営住宅を供給する場合に必要があるときは都道府県もその供給を援助すべき旨を規定しましたのは、特に財政事情のよくない市町村については国の援助だけでは不十分な場合があり得るのでこの規定を設けた次第であります。  第二章公営住宅の建設。本章は公営住宅の建設基準、建設計画、補助金、貸付金等に関する事項規定いたしております。第五条は、公営住宅及び共同施設の建設の建設基準に関する条文であります。建設基準を建設大臣が定めることにいたしましたのは、財政事情や建築技術の発達或いは国民の生活水準の向上によつてしばしばこれを改善することが必要であるからであります。従つて公営住宅の建設基準は政令で定める規格の範囲内でその規模、構造、配置等について必要に応じて改善を加えることにいたしたのであります。第五条第二項は公営住宅を集団的に建設する場合に共同施設をも併せて建設せしめようという趣旨でありますが、これは従来我が国の団地住宅の経営において比較的困却せられていたものでありまして、今後は住宅の建設ばかりではなくいわゆるコミユニテイーの形成に努力を払うことが必要であると考えますので、この点を強調したいために設けた規定であります。第六条の公営住宅建設三箇年計画と申しますのは公営住宅建設事業を或る程度長期の見通しに立つて計画的に行う趣旨であります。これによつて国も地方公共団体も長期的に或る程度の予算的見通しをつけ得るのであります。又住宅の建設は土地の取得を前提といたしますが、年度だけの建設計画では土地の取得が困難なために折角の建設計画も完成しないことがあり得るのでありまして、国会の承認があつた公営住宅建設三箇年計画の範囲内においては次年度以降に建設すべき公営住宅に必要な土地を手配することができるというのが大きな狙いであります。第六条第一項及び第二項の規定にありますように、計画は昭和二十七、八、九の三カ年を第一次といたしまして、以後三年を一期として定められるのでありますが、その際都道府県知事の作成する計画資料には市町村長との協議を通じて地元の意向も十分反映させるようにしております。第三項の規定により三箇年計画の大綱は国会の承認を必要とします。国会の承認があつた公営住宅建設三箇年計画は、第四項の規定により建設大臣都道府県の区域ごとに計画を細分して都道府県知事に通知することになつており、都道府県知事は第五項の規定により市町村の区域ごとに細分して市町村長に通知することになります。以上の公営住宅建設三箇年計画は予算計画ではありませんが、第六項の規定により内閣は計画実施に必要な経費をできるだけ予算に計上しなければならないことになつております。  第七条は国の補助に関する条文であります。第一項において公営住宅に対する国の補助の割合を第一種公営住宅については建設費の二分の一、第二種公営住宅については建設費の三分の二と区別して規定いたしております。これは、国庫補助金は家賃で償却する額に算入しない建前でありますので、第二種公営住宅を特に低家賃にするためには第一種公営住宅より高率の補助を行う必要があるからであります。第二項は共同施設についても建設費の二分の一以内を補助し得るという規定であります。共同施設の建設は前にも御説明しました通り、公営住宅の団地経営に必要なものでありますが、共同施設の種類によつては独立の企業として成立つものもあり、或いは地方によつて入居者のために特別のサービスとして特殊の施設をする場合もありますので、国があらゆる場合に必ず補助金を交付する必要はなく、国の財政事情、共同施設の緊要性の程度などを睨み合せて補助し得ることとしたわけであります。第三項は補助金額の算定方法に関する規定であります。第四項は次年度以降に建設すべき公営住宅又は共同施設の土地の取得に要する費用をも補助するという規定でありまして、これにより前条の公営住宅建設三箇年計画の遂行が効果的になるものであることは申すまでもありません。第八条は、前条の特例でありまして、公営住宅建設三箇年計画に基いて公営住宅を建設する場合以外に本条第一項第一号及び第二号に掲げる程度の災害が突発し、前記計画の枠外で緊急に公営住宅を建設する必要が生じた場合の国の補助に関する規定であります。第一項は第一号及び第二号に掲げる災害が突発した場合にその滅失戸数の三割に相当する戸数については第二種公営住宅の建設に対し国が必ず補助するというのでありまして、これは災害の場合に地方公共団体が政府との折衝に時間を費すことなく、迅速に住宅の復旧建設に取りかかり得るようにするために設けた規定であります。但書の「滅失した住宅の戸数の三割に相当する戸数をこえる分については、この限りでない。」というのは、滅失戸数の三割に相当する戸数以上に事業主体が第二種公営住宅と同種の住宅を建設する場合には事業主体は必ずしも国の補助を期待し得ないという趣旨であります。例えて申しますれば、A市において地震で千戸の住宅が倒壊した場合に四百戸の第二種公営住宅を建設しようとするときは、三百戸までは国は必ず補助するけれども、あとの百戸の分については国の財政事情その他によつて必ずしも補助は期待できないわけであります。尤も従来の例を見ましても、三割程度の住宅復旧を公共的に解決すれば他の七割は自力で復興するから、実際上は三割分で補助を打切られてもさして不都合は生じないと思われます。第一項の第一号及び第二号は補助対象となるべき災害一件の大きさを規定したものでありまして、この種の程度ならば地方公共団体として大きな痛手であると共に政府としても住宅政策上救済の必要があると考えられる戸数であります。第二項はこの法律により建設された公営住宅又は共同施設が災害によつて滅失又は著しく損傷した場合の補助規定であります。災害によつて公営住宅又は共同施設が滅失した場合は事業主体の大きな損害であり、入居者にとつても折角安住し得た住宅が失われれば他に自力で住宅を求め得ない人々なので、これを復旧建設するのが当然であり、公営住宅又は共同施設が著しく損傷した場合これと補修することは第十二条の家賃の算定方法で修繕費を普通の修繕を行う程度にしか見込んでないために、事業主体の実質的な財政負担になること当然でありますので、いずれの場合においても補助することができることにいたしたのであります。なお地震による火災以外の火災によるものを除外いたしましたのは、火災保險の対象になるから補助することは不適当と考えたからであります。第三項は補助金額の算定方法に関する規定であります。第九条は、国の補助金の交付の申請手続に関する規定でありましてその書式並びに提出手続は建設省令で定めることといたしております。  第十条は、都道府県の補助に関する条文でありますが、これは市町村の財政事情がよくない場合に国の補助金のみでは不十分であることが、予想されるので規定した次第でありまして、第四条に見合う規定であります。第十一条は国の貸付金に関する条文であります。地方財政の現状では、補助金のみによる国の援助で公営住宅を建設することは不可能であり、従つて事業主体の負担する分については起債又は借入金を必要とするのでありますが、いずれにせよ民間資金の利用は困難且つ不適当な面がありますので、国が通常の条件により事業主体に有利な条件で必要な建設資金の貸付をなし得ることといたしたわけであります。  第三章公営住宅の管理。本章は公営住宅の家賃及び修繕並びに入居者に関する事項規定いたしております。第十二条は家賃の算定方法規定し一条文であります。家賃の算定方法は公営住宅の建設費のうちから補助金を控除した額の元利均等償却額に修繕費、管理事務費及び損害保險料を加えた額を限度として事業主体が定めるのでありますが、算定方法の細部については政令で規定することといたしました。この場合、建設費の償却の条件を期間二十年以上利率年六分以下といたしましたことは、特に事業主体が、補助金以外の建設資金を起債又は借入金に依存する場合その償還の条件が本条による償却の条件より厳しい場合には事業主体に負担を強いることになりますが、入居者の家賃負担能力を考慮に入れる以上止むを得ない措置と考えます。又地方公共団体としても自己の区域内の住宅問題解決のためには当然この程度の負担をするのが至当であると考えられます。第二項は借地の場合には前項の家賃は更に地代を加えた額を限度とすることを規定したのでありまして当然のことであります。第三項は個々の入居者に対する家賃の減免規定でありまして、入居者が入居の後に病気とか失業等によつて所得が減少する場合を予想して設けた特例規定であります。第四項は、家賃の問題が公営住宅の管理に関する重要事項でありますので、これを必ず条例で規定すべきことといたした次第であります。第十三条は、前条の特例規定でありまして、物価の変動の著しい場合又は公営住宅相互の家賃が著しく不均衡となつた場合において家賃の限度を制限し、又は一度決定した家賃の変更を認めないとすると、不都合を生ずる虞れがありますので設けた規定であります。即も建築の時期により又は地域によつて物価が異なる場合があり、又同程度の質の住宅でも建設年度により建設費が異なり、従つて家賃も異なることがあり得るので、地方の実情を尊重して家賃の決定方法又はその変更について事業主体の自主性を認めたおけであります。又敷金につきましてもそれが家賃額を基準としている関係上同様の取扱といたしました。これらの場合においても、その取扱について全国的に或る程度の統一をとる必要がありますので、建設大臣の承認を求めることとし、その場合の手続をも規定しております。第十四条は事業主体が公営住宅の入居者に対して不当な金品を賦課することを禁止した条文でありまして、公営住宅に入居する場合に事業主体が特別な反対給付を受けて特定人に優先入居を認めたりすることのないよう、その住民に対して平等に入居の機会を与えるために規定した次第であります。但し敷金については慣行上広く行われておりますし、家賃の不払の場合や住宅を毀損した場合の担保となるものでありますので、これを徴収し得ることとしたのであります。なお公営住宅の家賃不払の場合には敷金を債務に充当するほか地方自治法第二百二十五条による滞納処分をなし得ることは勿論であります。  第十五乗は公営住宅の修繕に関する条文であります。公営住宅が地方公共団体の営造物であることは明らかでありますが、これの使用関係事業主体と特定入居者との間の契約に基くものであり、この契約関係法令又は条例で特別の規制をする場合のほか一般の賃貸借契約関係規定する民法借家法等の民事法の規定に従うべきことは申すまでもありません。第十五粂の規定は賃貸人としての事業主体は特約を似てするも公営住宅の建物の主要構造部の修繕義務を免かれることができないという趣旨であります。勿論入居者の責に帰すべき事由によつて修繕の必要が生じた場合は免責事由となります。これは事業主体が家賃に含める修繕費には少くとも建物の主要構造部の修繕費を計算に入れねばならぬことを意味することになり、このことは契約当事者の衡平という点から考えても当然であります。第十六条は入居者の募集に関する規定であります。公営住宅の公共性に鑑み特別の場合を除くほかは住民全体に周知徹底させ入居の機会を平等に与えるという趣旨の条文であります。第十七条は入居者資格に関する規定であります。入居資格については低額所得者の住宅難の深刻な今日公営住宅の需要は供給を遥かに超過することが予想されますので、初めから一定の制限を設けて置くことが妥当であると考えられる次第であります。第一号は二人以上の家族構成でなければならぬということでありまして、独身者を除外いたしたのは現在の情勢では公営住宅の供給は当分そこまで手が伸び得ないと予想したからであります。括弧内は法律上の親族ではないが親族とみなして差支えない婚約者とか内縁の妻を指しております。第二号の政令で定める基準と申しますのは前に説明いたしました通り、政令で相当の幅を持たせて収入の基準を定めるわけであります。この収入基準額は法律の目的から考えて高額所得者を除外することと、他面家賃の負担能力との関係を考慮して決定すべきものと考えております。第三号の住宅の困窮については具体的にいろいろ予想されまして、法律で細かに定めることは困難且つ不適当である関係上抽象的に規定した次第であります。  第十八条は入居者の選考方法規定した条文であります。入居者の決定に関しましてはややもすれば不明朗な問題を起しやすいのでありまして、これを適正に行うために設けた規定であります。この場合単なる機会均等というような悪平等でなく、住宅の困窮度に応じて優先順位を定め、然る後優劣の差のつかない者については抽せん等の方法によることにするわけであります。選考基準の具体的事項法律規定するのが不適当であるため政令に譲り、政令で同居、過密居住、立退を要求されている者、遠距離通勤、家賃として不当な負担を余議なくされている者等について具体的に規定されるものと予想されます。なお選考の問題は家賃に関する事項と同様に公営住宅の管理に関する重要事項でありますのでこれも必ず条例で定めることといたした次第であります。第十九条は家賃等の報告義務を規定した条文であります。第二十条は家賃及び選考方法に関する建設大臣監督について規定したものでありまして、住宅対策上の必要から設けた規定であります。  第二十一条は公営住宅の公共的性格に鑑み入居者に対して特別の義務を課した条文でありまして、公営住宅の保全を図るためにも必要な規定であります。第二項は公営住宅の転貸とか権利譲渡を禁止したものでありまして、貸借関係の錯綜を避けると共に入居者が不当な利益を得ることを防止するための規定であります。第三項は公営住宅は住宅の不足を緩和するために供給されるものでありますから、住宅以外の用途に供することは原則として禁止する趣旨であります。併し特定の場合は、その一部を他の用途に使うことは必ずしも不適当ではないので但書を設けたわけであります。第四項は公営住宅を模様替したり増築したりすることは公営住宅の機能を損つたり原状回復を困難にすることがありますので、事業主体の長の承認がない限り禁止したのであります。  第二十二条は明渡に関する条文であります。第一項各号に列記された事項に該当するような場合には、一般の賃貸借契約関係の場合にあつても明渡を請求し得る場合が多いでありましようが、公営住宅の公共的性格から本条において明文を以て規定したわけであります。なお明渡を請求しても明渡さない場合には、勿論民事訴訟法の手続によつて解決を求めねばなりません。第二十三条は公営住宅監理員の設置及びそり任務に関する規定であります。ここに言う監理員とは、単に家賃の取立てに当るいわゆる「差配」のようなものではなく、公営住宅及びその環境を良好な状態に維持するため、入居者を指導し得る識見と知識を持合せる者で、事業主体の長の命ずる職員でなければなりません。この職員は成るべく専任として任命することが適当と考えられるのであります。  第四章補則。本章は、公営住宅の処分及び建設大臣都道府県知事の指導監督等に関する事項規定いたしております。第二十四条は、公営住宅の処分に関する条文であります。公営住宅が建設後一定年数を経過し、入居者も安定した暁には、公営住宅としての使命を一応果したものと考えられますし、無理に地方公共団体の管理下に置くこことは、住宅そのものの保全上からも上策ではないのでありまして、入居者の希望によつては譲渡し得るという途を開くことは適切なことと思われます。そこで第一項では、公営住宅又は共同施設がその耐用年限の四分の一を経過したときは、入居者に適当な価格で譲渡することを認めたわけであります。第二項は、譲渡した場合の売却代金の使途を明示したものでありまして、公営住宅の再生産の費用に充当せしめようというわけであります一政令では売却代金を、建設資金について起債償還残額があればその返済に充て、その残額を公営住宅の建設費に充当するように規定することが適当と思われます。第三項は、災害の場合に住宅を補修することが不適当であるようなときには、公営住宅としての用途を廃止し得るという趣旨であります。第四項は手続規定であります。  第二十五条は公営住宅の管理に関して事業主体に対し条例を制定すべきことを義務付けた規定でありまして、地方自治法第二百十三条の趣旨からいつても当然のことであります。第十二条及び第十八条では家賃と入居者の選考に関しては条例で定めることを義務付けてありますが、ここではその他の事項についても必要なものを条例で定めることといたしたわけであります。公営住宅の使命から申しましてもこれに関する条例を制定すべきことは申すまでもないことであります。第二項は条例の報告義務に関する規定。第三項は報告の手続に関する規定であります。第二十六条は建設大臣及び都道府県知事事業主体に対する指導監督に関する条文であります。都道府県知事にも指導監督権限を与えたのは管下事業主体の公営住宅の供給については常時監督指導するのはむしろ建設大臣よりも都道府県知事のほうが適当であるという考えに基いております。  第二十七条は都道府県知事が指導監督を行う場合に、その費用を国が負担するという規定であります。都道府県知事はこの法律規定に基いてその権限を行使するものでありますが、その指導監督の費用は国が負担するのであります。その負担の率は政令により二分の一以内に定めることが適当と考えられます。指導監督に要する費用の算定方法については建設費を基準として政令で規定することといたします。第二十八条はこの法律を適正に実施するために国の補助金の交付に関して一定の制限を加えた規定でありまして、この法律趣旨に鑑みいやしくも適正でないものに対しては補助金を交付しない、又は交付した補助金の返還を命ずるというのは、他の国庫補助事業にも共通の事項であります。第二十九条は地方公共団体の実情により全部事務組合事業主体となる場合を予想して設けた規定であります。  附則。第一項は施行期日に関する規定であります。第二項はこの法律の施行期日の関係で昭和二十七年度を初年度とする公営住宅建設三箇年計画の資料の提出についてだけその提出期日を延期した規定であります。第二項はこの法律による公営在宅だけを法律で規制し、従来の国庫補助賃貸住宅についてこの法律の適用を排除することは不適当でありますから、いやしくも国庫補助賃貸在宅である以上は、その公共的性格に鑑みこの法律による公営住宅とみなして、この法律を適用することにいたした次第であります。第四項は、家賃については、この法施行のときにすでに決定しているものは、この法律規定によつて定めたものとみなしまして、改めて定める必要がないこととしたのであります。第五項はこの法律の施行に関する事務の所管について規定いたしたのであります。  以上で逐条の御説明を終ります。よろしく御審議の上速かに可決せられんことをお願いする次第であります。
  40. 小林英三

    委員長小林英三君) 只今提案者から本案の提案の理由の説明並びに総括的御説明があつたのでありまするが、右法案に対しまする質疑は後刻に譲ることにいたしまして只今から特別都市計画法の一部改正法律案を議題にいたしまして質疑を続行いたします。
  41. 田中一

    田中一君 では昨日に引続いてもう一、二点質問いたしたいと思います。現在都市計画法によつて施行されておる工事情算金の納入並びに交付、そうした面の一例がございましたらその資料を提出して頂きたいと思います。
  42. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) 現在の戦災復興の問題につきまして、清算金の問題につきましては今度の改正によりますれば工事が全部終つた……、改正前におきましては、工事が全部終つて換地処分の認可がなければ清算ができないということになつておりましたので、実は全国的に調べて見ましてもそう多くの例はないのであります。ただ鹿沼町それから神戸の本庄地区という方面に実は清算に入つてつて現在やりつつある例があるのであります。それらの例を後ほど差上げたいと思います。
  43. 田中一

    田中一君 その場合清算につきまして納入されるべき金とそれから交付する金とそのバランスはどうなつておるのですか。
  44. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) 現在はやはり分納制度というものだけで認めておるものでございますから、いわゆる交付の方面が円滑に行つておりませんので、どうしてもアンバランスの形というものがとられております。
  45. 田中一

    田中一君 大体分納の基準ですね、方法、どういう程度でやつておりますか。
  46. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) 分納につきましては、現在のこれは全部政令に実は譲つておるのでございますが、政令の三十九条によりますれば「整理施行者が清算金の分納を許可する場合における清算金の総額の完納の期限は、清算金の総額に応じ左の区分による。  一、清算金の総額五百円以上千円未満のとき           半年  二、同千円以上千五百円未満のとき             一年以内  三、同千五円以上二千円未満のとき           一年半以内」  という工合にずつと五百円ずつ区切りまして、やつておるのでありましてこれはいわゆる昭和三十一年のときの規定でございますが、今回この規定は物価高が非常にありますので、これを同時に改正をいたしたいという工合に実は考えております。大体これを五百円というのを五千円までに一つ引上げて行きたいということを考えておるのでございます。それから今度の分割交付につきましても、この政令によりまして、この内容をまあ規定をしたいと思つておるのでございますが、今私のほうで大体考えております点を御参考に申上げてみたいと思うのでございますが、それでは大体こういうふうに考えてみたいと思つておるのでございますが、一人に対して交付すべき清算金の総額が五万円を超える場合においては、整理施行者は、法第二十一条第二項の規定に基き、清算金の分割交付をすることができる。前項の規定により清算金の分割交付をする場合における毎回の交付期限、及びその交付金額は、第三十九条第二項及び第四十二条第二項の規定に準じて整理施行者はこれを定める。この場合には清算金総額の交付期限は五年以内とし、第一回の交付金額は五万円を下ることができない、こういうふうにいたしたいと思つております。
  47. 田中一

    田中一君 今の政令ですね、これはどこで、同じでやつておるわけですね、例えばこの一本の政令で以て清算金の分納か……。
  48. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) 御承知の通りに政令でございますが、これは一本で行きたいと思つております。ただ昨日ちよつと申し落したのでございますが、今日は田中先生から組合のお話がございました。実はこの特別都市計画法規定をいたしておりまするものは、御承知の通り戦災復興が大部分であります。大体組合施行の場合は実は除いて、行政庁施行ということにいたしておるのであります。それはこの特別都市計画法の第五条に、いわゆる行政庁がこれを行うということを書いてあるのでございます。行政庁が特別都市計画事業として施行する都市計画といつておりまして、あとは第七条、第八条、ほかの規定はみな同条第一項の都市区画整理ということをはつきり語つておりますので、大体組合の場合はこれを除いておるのでございます。
  49. 田中一

    田中一君 そうしますと、現在東京に八カ所の区画整理組合があると開いておりましたが、このものはこうした恩典には浴さないというわけですね。
  50. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) これはこの特別都市計画法のこうしたような規定の適用はいたさないのでございます。
  51. 田中一

    田中一君 若しも、そうした関係組合が、それでは自分たちの生業を営めない、又非常に苦しい、従つて何とかしてその組合を解消して地方公共団体でやつてくれというようなことを請願というよりも、そういうことを強く要望した場合には、それを解消するような権限はどこで持つておるのですか、又それが可能でしようか。
  52. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) いろいろとこの組合における問題でございまするが、そうして金の足らんようなところはどうするかという場合もあるのでございますが、これは大体組合規約によりまして、総会に諮つて収支のバランスがとれるように組合自体として運営して行く問題であろうと思います。今お話のごとく組合自体といたしまして、どうしてもできないということで皆の意見が一致して参りましてそうしてこち のほうに東京都がその事業を代つてつてくれということが出て参りますれば、それは又そういう方法も考えられると思うのでございます。
  53. 田中一

    田中一君 戦災復興の当初において、無論地元の人たちは一日も早く立派な道路を持ち、立派な宅地を持つて住んで行きたい、或いは営業して行きたいという観点から、組合がやるならばこのような利点があるというようなことを言つてつた組合が八つあつたのです。これは東京都庁に行つて、現地に行つて聞いてみますと、非常に悪いことをした、こういうことをするためにトラブルが絶えないのだ、今後はもう許可、認可しないつもりだというようなことを言つていました。昨日新宿の区画整理組合が非常に成績を挙げているというようなお話でしたけれども、私は必ずしもそうじやないと思うのです。殊に今日都市計画のこの法律によつて、そうした区画整理を受ける地元の者が都道府県公共団体でやつた場合にはよろしい、併し組合の場合には止むを得ないということでは非常に不公平なものだと思うのです。無論その部長なり町民なり市民なりに利益を与えようというのがやはり区各整理の趣旨なんですから、若しれそが総会云々、規約云々と言いますけれども、そういうものは地主に抑えられて私の言つておるところの地上権者ですね、地主が主としてやつておるものですから地上権者の意思というものはそれに盛込まれてないわけなんです。その場合に都道府県が或いは公共団体が自分でやつているところはこの恩典に浴し、組合でやつているところはお前たちが行過ぎたのだから止むを得ん、それには適用しないということでは不親切ではないかと思うのです。若し変えるならばそこまで行かなければならんのじやないかと思うのですが……尤も監督権は都道府県で持つておるのですから、無論十分分なる監督をすればそういう危険はないと思うのです。そういう点についてはお考えする余地はないものですか。
  54. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) 只今田中先生からいろいろとこの東京都内における区画整理の問題につきまして御意見がございました。都内の組合の中には実はうまく行つておるのもありまするが、併し東京都が特別都市計画法によつてつておりまするものと比べてどうか、こういうことになりますれば多少組合の内部においていざこざがあるということもやはりあるのでございます、これは区画整理組合でやるということは、全体のものの総意によつて一つつて行こうという一つの民主的な考え方でやつておるのでございまして、この制度を全然なくするほうがいいかどうかということにつきましては、相当むずかしい問題じやないかと思つております。ただやはり今日は組合でやるよりも都でやつておるほうが比較すれば成績を挙げておるということがあるのでございまするが、これは全体の区画整理組合員の人たち全部が、本当に目ざめて立派な一つ区画整理をやろうという皆が自分土地権利に対する愛着心というものが非常に強くなつて参りますれば、私は組合というものが相当成績を挙げるのじやなかろうかと思うのでございまするが、併しいよいよそのいろいろな計画を作る際におきましては非常に無関心であつて、いよいよ杭打ちとか何とか始まつたときに初めてそこに関心を持つというようなところに一つの大きな弱点がある。それで、やります場合におきましては大いに反対がありましても、そこがまあいろいろと周到に用意深くやつて行くという点が御指摘の点であろうということを私も推察いたすのでございます。私どもの今後の改正といたしまして、然らば区画整理組合を全然オミツトしてしまつて行政庁施行というところまでは今のところは考えておりません。ただ先ほどお話のございました、区画整理組合でやるならば土地所有者が非常に力を特つて地上権者なり土地権利者、借地権利者が非常に力が弱い、この点はございます。この点は昨日も御指摘にございましたように、区画整理組合というものを準用しておるのでありますが、この点は非常に私どももどうかと思つております。併し私どもは全面的な改正の際におきましてはこれはどうしてもそうした権利者の力というものを非常に強く規律して行きたいと思つております。のみならず今まで問題になつておりましたようなところで借地権者意見が十分反映せんというところにおきましては、この法律によらないで一つの申合的な形によりまして権利者も入れる、土地所有者も入れてそうしてそこで一つ組合というのか、協議会というのか、委員会というものを作りまして、そこで十分な発言をされるということについて、十分なる指導をいたしておるのでございまして、要はそこらの入たちの意見をまとめて要旨を一つ組合の総会なり或いは組合会で一つ決議するようにしろということを非常に強調いたしておるのでありまして、法律的には不備な点がございます。この点は私どもはさつきも申上げましたように、耕地整理法というものを全面的に廃止いたしまして、そうして新たに一つ区画整理法、そういうものを目下作成中でございます。来たるべき国会等におきましては是非出したいということを考えておる次第でございます。
  55. 田中一

    田中一君 ではこういう資料を御提出願いたいのです。それは今日までに交付の例があるとおつしやいましたけれども、その清算事態に入つておるところの現場ですね、そこで分納する人間が、分納する人間というと利益を受ける人間ですね、これまでその人間、実態がどのくらいの坪数を持つて、どのくらい殖えて、幾らのもの分納になつておるか、それから分割交付を受ける者、これがどのくらいの土地を持つて、そのうちどのくらいの土地を取られて、どのくらいの金額になつておるか。交付の一例で結構ですから御提出願いたいと思います。
  56. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) 神戸の一つの本庄地区の第一区、第二区の問題がございますが、実は金額で出しておるのでございますが、徴収をいたしまする金額といたしまして、第一区のごときは六十一件でございます。それから交付いたしまするものが三十一件あるということになつておるのでございますが、それを五百円未満のものは徴収におきましては十三件交付におきましては八件、それから五千円から一万円のものは徴収におきましては七件、交付が七件、それから一万円から一万五千円までが徴収が四件で交付が一件、それから二万円から二万五千円までが徴収が二件に交付が一件。それから二万五千円から三万円までが徴収五件交付四件。三万円から三万五千円までが徴収一件に交付が一件。それから三万五千円から四万円までが徴収が一件に交付が一件。それから四万円から四万五千円までが徴収が一件に交付がゼロ。それから四万五千円から五万円までがこれは徴収が三件交付がゼロ。それから五万円以上は徴収が十七件に交付が五件。これがまあ第一区でございます。第二区のほうはこれは多少情勢が異なるようでございまするが、まあこれも徴収が百十四件に交付が九十八件でございまするが、五百円未満が徴収が三十六件に交付が四十六件、五千円から一万円が徴収が二十八件に交付が十五件。一万円以上一万五十円までが徴収が十六件に交付が十三件、それから一万五千円から二万円までが徴収が八件に交付が二件。二万口から二万五千円が徴収が八件に交付が三件、二万五千円から三万円までが徴収が五件に交付が三件。三万円から三万五千円までが徴収が一件に交付が三件。三万五千円から四万円までが徴収がゼロに交付が一件。四万円から四万五千円までが徴収が四件に交付がゼロ。四万五千円から五万円までは徴収が一件に交付がゼロ。五万円以上は徴収が十三件に交付が十二件ということに相成つておるのでありましてそこでまあ問題になるのは交付の問題だろうと思うのでありますが、九十八件の中で五万円以上ということになるのはいわゆる十二件、九十八件のうちの十二件ということになつております。
  57. 田中一

    田中一君 今政府委員は二十一年の例であつて五百円のものを五千円で見るというのですね。五千円のものを結局五万円でしようというのですね。今あなたの御説明の中に五万円のものは何件だと言いますけれども、それはその表の上で以て説明しておるのですか、それとも現在五万円に引上げるという点の数字を出しておるのですか。
  58. 吉田伸一

    ○説明員(吉田伸一君) では只今の問題について御説明いたします。昭和二十一年の当時の物価と現在の物価では相当の開きがございますが、これはまあ如何に倍数をきめるかということは相当考えたのでありますが、とにかく何か拠るべき法律の根拠がなくちやならないというところで調べました結果、資産再評価法というのが出ておりまして、この法律によりますというと、昭和二十一年の九月に取得したときの価格の再評価価格はおよそ十倍ということになつております。この十倍を採用いたしまして、且つこれを実際の現在のこの一、二の例に当てはめまして、果してあまり工合の悪い点があるかないかということも調査いたしました結果、まあ大体この程度でよかろうというところから十倍に定めたのであります。
  59. 田中一

    田中一君 そうしますと、現在清算期に入らない分も評価は一応しておる。或いは終戦後六年になりますから二十一年から始まつたとしましても、まあ今年か来年に清算期に入る前も二十一年に国の価格の基準はきまつておりますね、それは十倍に増額して分納させる、そういうことになるのですか。
  60. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) それは清算の時期になつておりますので、清算はこれは昨年行なつたと思つておりまするから、昨年の単価で行つておるのだろうと思います。
  61. 田中一

    田中一君 神戸の例は先ずわかりました。他に現在区画整理が続行中であつて、本年中に或いは清算期に入るというものに、五年前にきめられた五百円であるものが一応今の五千円と見てよろしいという御見解のようですが、三年前に五百円ときめた、清算価額をきめたが、それをここでいよいよ清算期に入つたという場合には、三年前にきめた五百円はやはり五百円という計算になるのですか。それとも今のように五百円を五千円として計算なさるのですか。
  62. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) それは大体同一に清算をいたしまするときの価額においてやることになるだろうと思います。
  63. 小川久義

    ○小川久義君 田中さんの御発言も御同感のところもありますが、根本的の法の改正が先ず必要だと思いますのでこれだけをいじるということはおかしい点も出て来ると思います。大体他の委員諸君の質疑もなさそうでありますからこの程度で……。
  64. 田中一

    田中一君 質疑があります。私は実際土地収用法改正案を見なければよかつたのです、事実これは土地収用法によつて土地を取られたほうがずつと幸福です。結局土地は取られる、そして仕事はできない、いつになつて自分の所得になるかわからないから組合というものに、或いは耕地整理をやつておる、そういうものにすべてのものが停滞しておる。そうして清算期が二年後か三年後か五年後かわからないような不安な状態に、殊に都市というもの、殊に区画整理を行われるところは非常に多いであろうし、又区画整理をやらなければならんという必要上やるでしよう、そういう場合地価も高い、そういう人たちが不安な状態にいつまでもおらなければならないということは悪法だと思うのです。そんなものが今日民主化したところの日本の現状においてまだ存在するということは許されない。殊に昨日も再三言うように、利益を受けた者、土地の殖えた者、或いは一坪もらつても今日あなたが言うように、神戸の例を言いますと、古い価額ですから十万円二十万円という土地の人と、それから一坪取られても十万二十万と損した人と、これは損をした人間のほうに、不利益を受けた者のほうに責任を拂わなければならない。一括してやれば生業を考えなければならない。一つを見てもどうにもしようがない。他の土地に行つて生計を立てようという人もあるでしようし、それも分納で何年先に完全にもらえるかということがわからない状態においてこれは悪法です。若しも利益を受けた者があるならば利益を受けた者から全部もらつてもいいと思うのです。分納させずにじかにもらう。全額もらう。もらわなければ承知せんぞ。その代り不利益を受けた者に対しては金額交付する、こういう方法精神を改めて頂きたいと思います。
  65. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) いろいろ御指摘の点、私どもといたしましても痛切に感じておるところでございます。戦災復興の仕事が今日までだらだらいたしておりまする点につきましては誠にその仕事を担当いたしておりまする私どもといたしましても汗顔の至りでございまするが、併し事業はやはり国の財政並びに地方の財政という客観的な情勢のために縛られまするので、私ども皆様方のお力に縋りまして一日も早く戦災復興の仕事というものを完結して市民に御迷惑を與えたくないということが切なる要望でございますので、今後とも戦災復興の予算につきましては、まあ私の立場から申上げますならば、他の予算に先んじてでも一つ増額をして頂きたいということをこの機会におきましても、特にお願いを申上げて置きたいと存ずる次第でございます。それから第二の問題といたしまして、土地をもらう者は利益をするのだからそんなものに分納する必要はない。それよりも土地を取られる者とか、一部取られる者、土地を一部使用される者にやる必要があるのじやないか、こういう御意見であります。これはまあ私どもといたしましては、必ず分納をしろということを申しておるのではございませんので、その地区における人たちの家庭の状況を見まして、そうしていわゆる分納制度をとることがいいという場合において分割交付の途も同時にやるんだということを言つておりまするので、これは事業の施行者が、これはもう全部やはり分納ということを認めんということになりますれば、これは当然分割交付の途も認めんということになりますので、その点は事業施行者に任せて行きたいと実は考えておるのであります。ただ分納制度を認めましたそもそもの理由は、土地を取られるという場合、権利をなくするというような場合は、御承知の通りに、大体清算金でいろいろの問題を処置して参るという場合はいろいろありましようが、大体三つあるんじやないかと思うのであります。まあ一つは過小宅地の整理のために全然換地をやらない、いわゆるこれは大体法律におきましては三十坪未満のところを過小宅地といたしておるのであります。こういう人にはこういうような土地がありまするが、その土地につきましてはいろいろ整理をいたしまするにつきまして、例えばまあ五坪とか七坪程度しか持つておらない、そういうようなところは全部土地を取上げて他に越してもらうという場合が一つあると思うのです。それから第二の場合は、過小宅地に対して増換地をするために他の大なる地積の宅地から地積を減ずるという場合、これは例えばここに二十坪という土地を持つてつた、ところが三十坪以上にいたしたいのでありますから、どうしてもこれを十坪というものを増してやらなければならない。その増すにつきましてはどちらかというと、事業施行者は大きな土地を持つておる人からそれをくれてやるというように大体取計らつておるのであります。この場人入がいわゆる土地を取られる場合、これがまあ第二だろうと思います。それから第三は、換地はもらつたけれども、換地は従前のときに比べて幾か価値が劣つておるという場合だろうと思います。大体この三つの場合がいわゆる清算金によつて金を交付する場合でございます。そこで第一の場合、第一の場合はいわゆる過小宅地を全部取上げてしまうという場合は、これは分割交付は絶対認めてはいかん、昨日も申上げましたように、第六条から第何条の規定を除くというのはこの意味でございます。これは全部取上げるなり、権利を取上げるのだから如何なることがあつても金をやれ。残るのは第二、第三の問題ですが、第二の場合はどちらかというと大きな土地を持つておる人が、そうして過小宅地というのはいわゆる小さい土地を持つておる人たちだから、これらの人たち土地をくれてやるのだから、これを一時にたくさん金を払えということはときには無理があるのではなかろうかという意味において分納という制度を認めておるのが現状でございます、従つて分割交付をするような場合は、恐らく私は大きな土地を持つておるとか、大きな権利を持つておるというような人だろうと思うのであります。先ずそういう場合が当るだろうと思います。それから第三の場合は、価値が違うというような場合は、恐らく私は金をくれてやるような場合におきましてはそう大きな金はないんじやないか、五万円以上超すようなものは先ずあまりないんじやないかと実は考えておりますので、そういう点から考えて見ますと、社会政策的な考えになるのではないかということを考えておるのであります。更に昨日もいろいろ申上げましたように、入つて来る金によつて交付するのでありますから、入つて来る金に分納を認めておいて、そうしてそれが入つて来るという一定の金がまとまらなければ一時にやれんということになりますれば、ますます以てその交付の時期を遅らすことによつてつて金をもらう人たちには気の毒である。それよりも入つて来たのは一分でもいいから早く速かに渡したほうが却つて親切気があるのではないかという意味において分割交付の制度を認めたほうがいいのではなかろうか。こういう趣旨になつたのでありますから、この点十分御了承を願いたいと思うのであります。
  66. 田中一

    田中一君 この第二十四条ですね。これは概算徴収並びに概算払が出て来るのですね、これはいいと思いますが、今のあなたが言つた全部の土地を取られた者に対しては即金でやるのだと、その財源はどうするんです。
  67. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) その財源は、それは或る程度本当の一部でございましようから、それはまあ市のほうで多少立替えをさせるということは、これは止むを得ないと思います。
  68. 田中一

    田中一君 今局長のお話を聞にて見ますとどうも論旨が徹底せんと思うのです。あなたのおつしやつているのは、利益を受けて金を納めなければならん者から金を取つて、払うべき者に交付するのだと、こちらに財源がないのだからそうしてやるのだ、こういうような特別土地計画法の基本方針ですね。それに対して全部取られた者は少いとか多いとかおつしやるけれども、少いとか多いとかあなたは観念的におつしやるけれども、あなたは各地にやつておる土地計画の実体を握つておられない。若しあなたの御意見通りなら全部このデータを各都市から集めて頂きたい。あなたは実体を握つておらなければどれだけ市民が困窮しているか……観念的な理論をおつしやつているのです。事実あなたのおつしやる通りなら全国の土地計画をやつたところのデータを集めて頂きたい。全額支給するんだつたら、これは一時担当者が金策をやるのだと、こういう論理は成立たない。それなら困つている者になお更資金の融通をやつて、全部を交付すればいいじやないか、こう考えるのです。あなた自身が実際の根本に立つて全国に行われているところの戦災都市の区画整理の実体を握つておられないのではないかと思うのです。非常に危険だと思うのです。
  69. 八嶋三郎

    ○政府委員(八嶋三郎君) いろいろお叱りの点誠に恐縮でございまするが、区画整理は御承知の通り土地を全部取上げるといつたようなことを原則としては考えておらないのであります。できるだけ前の土地の面積通りの価値というものに即応するようにやつておるのが原則なのでございます。従いましてそういう土地を全部取上げて行くというようなことはこれは勿論ないことはないと思いまするが、そう大きな例があるということは、これは区画整理の建前としては考えられんと私は思つております。
  70. 小林英三

    委員長小林英三君) この際先ほど小川君からの御意見がありましたから一応皆さんにお諮りいたしたいと思いますが、この辺で質疑を打切りまして、直ちに討論を省略して採決に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 小林英三

    委員長小林英三君) 直ちに採決に入ることに御賛成の諸君の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  72. 小林英三

    委員長小林英三君) それではこれより採決をいたします。  特別都市計画法の一部を改正する法律案につきまして採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を願います。    〔起立者多数〕
  73. 小林英三

    委員長小林英三君) 多数であります。よつて本案は可決せられました。  なお本会議におきまする委員長の口頭報告の内容等は、すべて前例に従つて行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 小林英三

    委員長小林英三君) 御異議はないものと認めます。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本法案を可とされるかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     東   隆  徳川 宗敬     赤木 正雄  深水 六郎     平井 太郎  島津 忠彦     小川 久義
  75. 小林英三

    委員長小林英三君) 署名漏れはございませんか……。ないものと認めます。  ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  76. 小林英三

    委員長小林英三君) 速記を始めて下さい。  それでは本日はこれで散会いたします。    午後三時十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事            岩崎正三郎君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            島津 忠彦君            平井 太郎君            深水 六郎君            田中  一君            小林 亦治君            徳川 宗敬君            東   隆君   衆議院議員            田中 角榮君   政府委員    建設省都市局長 八嶋 三郎君    建設省住宅局長 伊東 五郎君   事務局側    常任委員会專門    員       菊地 璋三君    常任委員会專門    員       武井  篤君   説明員    建設省都市局復    興課勤務    吉田 伸一君   証人    弁護士法学博士 吉田  久君    龍ヶ崎町長   富塚 橋一君            長島 豊作君    日本電気協会専    務理事     田倉 八郎君    京都大学教授  須貝 脩一君