○
稻田政府
委員 両法案の
改正の内容につきましてただいま説明がありましたが、私はこの条文につきまして、御説明申し上げました内容がどういうふうに配列しておるかという点だけを簡單に申し上げたいと存じます。
第一に
免許法の点であります。
免許法の第二条第二項の
改正――これは第七条第二項と
附則第二項の
改正が関連いたしておりますが、この第二条第二項と申しますのは、勤務成績の証明をいたします所轄庁の定義をいたしたものであります。従来の
規定におきましては本則において所轄庁の
大学管理機関が附属
学校の校長、
教員について証明するとありまして、その「
大学の管理機関」とあるのを
附則で「
大学の学長」といたしてお
つたのを、本則の中に書き加えることにいたしたのであります。
第四条第六項の
改正――これは、第九条第一項の
改正及び別表第一備考第一の
改正と関連いたしておりますが、ただいま申し上げましたように、新たに
高等学校の実業科の中に「商船」が設けられましたので、それに対応いたしまして、免許科目に「商船」を加えたのであります。また私立の中
学校、
高等学校の
要望にこたえまして、今般新たに私立
学校においてのみ効力を有しまする「宗教」の免許状を設けまして、私立の中
学校、
高等学校における正科としての宗教
教育を容易ならしめようといたしたのであります。
第七条の
改正――これには、
附則第三項の削除、別表第一備考第一号の
改正が関連いたしておりますが、この
法律をつくりました当時においては、まだ
短期大学が発足いたしておりません。
專門学校も、
新制大学と並んで相当永久に存続する
見込みをもちまして、
大学の中には
專門学校を含める
規定を設けたのでありますが、その後に
短期大学の
制度ができまして、
專門学校はあるいは
新制大学になり、また
短期大学になりつつありますので、将来に向
つて專門学校を
大学の中に含めて、
大学の基準によらせるという必要がないと
考えたのであります。なお申し上げますが、旧
專門学校の将来の卒業者につきましては、施行法第二条の
規定によりまして、
免許法による場合よりも、有利に免許状が与えられるようにな
つております。
次に第十八条の
改正であります。この
改正は旧外地引揚者等に対しまして、新免許状を与える根拠を明らかにするため「外国」とあるところに旧外地を含めたのであります。
附則第八項の備考を新たに設けましたのは、予科一年、本科三年の
專門学校がございますが、これを四年制の
專門学校卒業者に相当するものと認めたのであります。
附則第七項を新たに設けましたのは、臨時免許状の有効
期間が一年であ
つたことについて、いろいろ問題があ
つたのでありますが、
地方の実情に応じて、これを二年とすることができるようにいたしたのであります。
附則第八項を新たに設けましたのは、
免許法第五条に、免許状を得られない者といたしまして「
高等学校を卒業しない者」という条項でありますが、特に養護
教員の供給が非常に困難であるという状況にかんがみまして、乙種看護婦、旧看護婦の免許状を持
つております者は、たとい
高等学校を卒業しない者でも、養護助教諭の免許状を与え得るようにいたしたのであります。
それから別表第一備考第四号、第五号を新たに設けましたのは、
大学における教職
課程を担当する
教員が、非常に不足であるという現状にかんがみまして、
教員の養成を容易ならしめるという
意味から、中
学校教諭一級普通免許状または
高等学校教諭二級普通免許状を与えます場合に、
大学において修得すべしと
規定いたしております教職科目の單位二十單位のうち五單位は、当分の間、教科に関する專門科目でとれることにいたしたのでございます。
それから五号の方は、中
学校及び
高等学校の芸能科及び実業科の
教員の供給を容易にいたしますために、これらの教科の免許状を与えます場合には、
大学において修得すべき教職科目の單位のうちの半分までは、当分の間教科に関する專門科目の方で修得してもよいようにいたしたのであります。
別表第三の
改正は、養護教諭の供給を容易にいたしますために、養護教諭養成機関に入学する資格を持
つております者の中で、旧制高等女
学校卒業者で、旧制看護婦または乙種看護婦の免許を有する者を追加したのであります。
別表第四備考の追加は、少年院、教護院等、他省所管の
教育施設における教職経験年数を、小
学校または中
学校等における教職経験年数に含めることを
規定いたしたのであります。
別表第五の
改正は、内容としては、
改正前のものとかわ
つておりませんが、明確にいたす
意味で整理いたしたのであります。
別表第六の
改正は、これは養護教諭の供給をたやすくいたしますために、養護教諭の仮免許状の授与を受けることのできる者の中に、旧保健婦及び旧看護婦の免許状を有する者を加えたのであります。
別表第七の
改正――これは特殊
教育の
教員養成
施設が、現行法制定の場合におきましては、あまり充実していなか
つたという
事情にかんがみまして、特別の
考慮を払
つたのでありますが、その後において養成
施設あるいは現職
教育施設が強化いたして参りましたので、ほかとの均衡も
考えまして、相当の單位修得を必要とすることといたしたのであります。
別表第七備考を
改正いたしましたのは、別表第四の備考第四号の追加の場合と同様の
趣旨によるものでありまして、校長、
教員の経験年数に、他省所管の
教育施設の経験年数を含めて計算いたすことにいたしたのであります。
次に、施行法の一部
改正についてでありますが、第一条第一項第九号を
改正いたしましたのは、旧幼稚園
教員免許状を持
つている者に対しまして、幼稚園教諭二級普通免許状のほかに、小
学校教諭仮免許状をあわせ与えようとするものであります。
第一条第三項、第四項を設けましたのは、第一条第一項の
規定によ
つて、旧
教員免許状を持
つておる者は、それぞれ相当の新免許を有するものとみなされておりますが、それらの者に対する新しい免許状の交付については、従来省令で
規定いたしてお
つたのでありますが、
法律で
規定するのが適当であると
考えまして、ここに
規定いたしたのであります。
それから第二条第一項の表中第三号を改めましたのは、実業補習
学校教員養成所あるいは青年
学校教員養成所の卒業者の中に、旧令の
規定でこれと同等の資格を認めてお
つた者を含めようとするものであります。
また同表七号の
改正でありますが、これは旧
教員免許令による指定
学校または許可
学校以外の
專門学校等の卒業者で、三年以上の教職経験のある者に小
学校、中
学校のほかに
高等学校の
教員の場合にも、教諭二級普通免許状を与えようとするものであります。
同表第七号の三及び四でありますが、この
改正は、旧国民
学校專科
教員免許状または旧国民
学校初等科
教員免許状の所有者で、五年以上教職経験のある者に対しては、それぞれ中
学校または小
学校の教諭二級普通免許状を与えようとするものであります。
同表第九号の
改正は、青年
学校は、
昭和二十三年学年末をも
つて廃止されたのでありますが、それ以前に、この
学校の
教員で配置
転換された、者も相当ありますので、これらの者にも、この
規定の適用を受けさせようとするものであります。
同表第十四号の
改正は、新たに設ける第二十号の三の
規定との重複を避けるためのものであります。
同表第二十号の二の
改正は、電波
高等学校の
教員の資格を整備したものであります。
同表第二十号の三、第二十号の四及び第二十号の五でありますが、これらの条項は、前の国会で制定せられました
国立学校設置法の一部を
改正する
法律によりまして、来る四月一日から、国立の商船
高等学校が
設置せられることになりますので、商船に関する相当免許状を授与するために設けたものであります。
同表第二十四号の
改正は、さきに申し上げました第一条第一項の表の第九号の
改正と同じ
趣旨のものであります。
同表第二十五号の
改正は、僻陬地の
学校の校長の供給を容易にいたしますため、
教員の一級普通免許状所有者ばかりでなく、
教員の二級普通免許状所有者にも、十年以上の教職経験があれば、校長の仮免許状を与えようとするものであります。この号中の「ハ」は、従前の例によ
つて、商船
高等学校の校長についても、同様の
規定を設けたのであります。
同表第二十九号、第三十号の
改正でありますが、これは昨年五月の人事院規則の
改正によりまして、従来
一般職の官吏にありました一級、二級の区別がなくなりましたが、まだこれにかわるべき
制度が確立しておりませんので、経過的な
規定として、「これらに相当する
職員」というものを加えたのであります。
同表第三十一号の
改正でありますが、
大学の
教員や、旧制の
大学、
大学予科、
高等学校高等科、
專門学校あるいは
教員養成諾
学校等の
教員で、五年以上
教育に関する科目を担当した経験のある者に対しまして、指導主事の仮免許状を与えようとするものであります。
第七条第一項本文を
改正いたしましたのは、第七条の有効
期間の延長に伴
つて、
新制大学並びに他省所管の
教育施設における教職についての経験年数を、
教育職員の経験年数に勘定しようとするものであります。
第八条を
改正いたしましたのは、第一条の
改正に伴うもので、従来、省令の
規定によ
つて、免許状の切りかえを行
つて来たのでありますが、現職者中には、まだ新しい免許状を受けていない者もあり、そういうような点を
考えまして、その
事務処理の
期間として、
免許法第
三条第一項の
規定の適用の
猶予期間を、さらに一年間延期しようとするものであります。
附則第三項、第四項削除――これは
免許法施行の際、現職にあ
つた無資格の
教育長、指導主事を救済する
意味の
規定でありましたが、すでにその
期間が切れておりますので、これを整理しようとするものであります。
附則第五項を
改正いたしましたのは、先ほど提案理由で御説明申し上げましたように、認定講習の特例を定めた施行法第七条の有効
期間を、さらに五年間延長しようとするものであります。
以上概略御説明申し上げました。