○音喜多駿君
日本維新の会の音喜多駿です。
質疑に先立ち、
補正予算の編成と
国会会期について一言申し上げます。
緊急事態宣言の延長により、全国的に多くの
事業者、そして
国民が経済的苦境に立たされています。しかしながら、
政府の今の経済
対策は、長期にわたる
緊急事態宣言に耐えられる規模のものではありません。こうした
事態に
対応するための
令和三年度第一次
補正予算の編成、五%への消費減税を速やかに
措置するべきです。立法府も、通常
国会の会期を延長するなど、事実上の通年
国会として
政府の
取組を
全力でバックアップするべきであると申し上げ、
提言をするものです。
それでは、会派を代表して、
政策評価等の
実施状況及びこれらの結果の
政策への
反映状況に関する
報告に対して
質問いたします。
まず、
報告にありました各
府省が行う
政策評価について伺います。
本年四月七日の
決算委員会において、いわゆるレジ袋有料化について、
政策評価が
実施されていない点を
指摘いたしました。小泉環境大臣からは、
政策に対する
効果検証が不可欠なのは間違いない、環境省のレジ袋だけでなく、ありとあらゆる
政策を
検証してもらいたい、
総務省が決めることですけど、どうぞ全ての
政策を
検証していただきたいと答弁されました。かねてより
指摘されておりますが、レジ袋の有料化は
国民や
事業者に相当程度の影響を及ぼしていることから、総合的な
効果や
データに基づいた
評価結果を示すべきと
考えます。
そこで、まずは環境省が自発的に、プラスチック製買物袋の有料化を
規定している容器包装リサイクル法、いわゆる容リ法や、使い捨てのスプーンなどのプラスチック製品の削減を飲食店などに求めるいわゆるプラスチック新法による規制について、省令以下を含め、期中及び事後の
政策評価を厳格に行うべきと
考えますが、環境大臣の
見解を伺います。
各
行政機関における
政策評価の
実施状況の
報告では、規制の事前
評価は僅か百十八件にとどまっています。事前
評価の数が少なくなる要因は、各
府省が規制の事前
評価の対象外である省令以下に具体的な規制を定め、
評価を逃れている事案が極めて多いことにあります。一方で、小泉大臣はあらゆる
政策の
検証を要望していることから、特に環境省に対して、省令、告示まで含めて対象とし、積極的に
政策評価を行うべきと
考えますが、
武田総務大臣の
見解を伺います。
また、小泉大臣の要望を踏まえて、環境省と経産省が共同で所管する容リ法及びプラスチック新法については、
国民や
事業者に相当程度の影響を及ぼすこと、複数省庁にまたがることから、
総務省が行う
政策評価の対象とすることは必須と
考えますが、
総務大臣の
見解をお伺いいたします。
次に、
政策評価と
EBPMの
推進に関連して、統計
データについて
質問いたします。
政府の
政策評価及び
EBPMを
推進させるためには、
政府だけでなく外部の力も借りて相互に
政策評価と
EBPMを
充実させるべきであり、海外諸国では
研究者や民間のシンクタンクとの連携が進んでいます。そのためには、統計
データについても誰もが利用できる状態にすること、すなわち二次利用、オープン
データ化が必要不可欠です。
しかしながら、統計の基礎となる
調査票
情報、いわゆる個票
データの提供の審査や手続が海外と比較して非常に煩雑であるという
指摘が統計の専門家だけでなく審査当局の
行政官からもなされています。例えば、アメリカのように適切な統計的な処理を加えた上で、個票をウエブ上で誰でもダウンロード可能にするなど、
改善が必要と
考えますが、
総務大臣の
見解を伺います。
統計を役立てるための
体制づくりも必要です。幾ら
EBPM推進を叫んでも、何が
エビデンスであるのかをきちんと理解し、それを
政策形成につなげるためのノウハウを備えた人材がいなければ実際には進められないからです。統計に関して深い知識を持ったエキスパートの人材、統計を用いた実証実験や
分析を行える人材を
確保、育成していく必要があると
考えますが、
総務大臣の
見解を伺います。
統計が各省庁で作られ、タコつぼ化している点も
我が国の
課題です。
コロナ禍において、例えば、今は別々に作られている
医療の
データと労働の
データを結合して
分析するという需要も増しています。デジタル庁の創設が決まり、様々な
データを一元管理する可能性も増す中、こうした各省別の統計
データとデジタル庁との連携をどのように
考えているのか、
総務大臣の
見解を伺います。
次に、
情報公開について伺います。
先日、東京都は、
情報公開の開示請求において、請求を受け付けない基準を設けるとの報道がありました。この基準について、東京都は、条例そのものの改正は行わず、内部の
規定の
見直しで
対応するということであり、
行政の透明性向上や
情報公開の
推進に逆行するゆゆしき方針です。
こうした条例改正を伴わない
対応は、恣意的な運用につながるおそれもあり、
情報公開請求
制度の理念と逆行すると
考えますが、
制度を所管する
総務大臣の
所見を伺います。併せて、
情報化
社会が更に進展し、
情報や透明性そのものに価値が見出される
時代における
政府や自治体の
情報公開請求
制度の
在り方について、大臣の見識を改めて伺います。
次に、児童虐待や里親
制度など、
社会的養護について伺います。
虐待や経済的理由など様々な要因で家庭で養育できない子供は、児童養護施設や里親の下で養育されます。いわゆる
社会的養護と呼ばれるもので、この対象は
平成三十年度時点で全国に約四万人以上に及びます。
総務省では、昨年十二月に
行政評価局
調査として、要保護児童の
社会的養護に関する実態
調査を
実施し、その結果を踏まえて、厚生労働省に、養育現場に対する
支援、養育中の児童虐待の抑止、施設外居住者への
支援の継続について勧告を
実施していますが、その後の具体的な
対応について、現状を厚生労働大臣に伺います。
要保護児童に対しては、日本では諸外国と比べて施設養護が中心となる傾向が顕著であり、家庭養護が進んでいないことを危惧しています。厚労省は、塩崎前厚労大臣の
時代に積極的にこの問題にも取り組んできましたが、大臣が替わってからはその勢いが失われているようにも感じられます。例えば、東京都では、施設養護と家庭養護の内訳に
平成二十六年からほとんど
変化が見られません。
このように遅々として進まない都道府県等の家庭養護に対して、国としてより一層の
支援、
推進をすべきと
考えますが、厚生労働大臣の
見解を伺います。
東京都を続いて例に取れば、本年三月にようやく目標年次を定め、
令和十一年の三歳未満の里親委託率目標は五〇・五%、全年齢合計の里親委託率目標は三七・四%と発表しました。しかしながら、国が目標値としているのは七五%です。
東京都の現行
計画を見ますと、現在既に施設に入っている子供を対象に委託児童数や委託率を
計画しているように思われます。都内の乳児院など確かに優れたものはありますが、児童福祉法における子供の家庭養育優先の原則に鑑みれば、施設に入る前から家庭養育を積極的に進めるべきであり、根本的な
考え方やアプローチを改めるべきと
考えます。
各自治体で事情は異なるものの、国が定めた目標よりも自治体の目標値は極めて低いのが実情です。国が目指す七五%以上に遠く及ばず、目標達成は困難な
状況となっていると
考えますが、厚労省はそのギャップについてどのように認識しておられるか、また、今後、どのような
対応をしていくのか、厚生労働大臣の
見解を伺います。
最後に、
行政機関における多様性の
課題、トランスジェンダー当事者の職場環境について伺います。
性的少数者に対する理解増進については、党派を超えて活発に議論をされ、我が党も成立を目指していたいわゆるLGBT理解増進法案が、自民党内の議論がまとまらず、今
国会での成立が困難な
状況になっています。誠に遺憾と言わざるを得ません。
こうした中、先般、経産省職員でトランスジェンダー当事者のトイレ使用など、職場環境を争う裁判がありました。性自認、性同一性の
課題は難題ではありますが、多様性を認め合う
社会に向かう上で、避けて通ることはできません。民間企業も直面するこの
課題に、まずは
行政から積極的に取り組むべきと
考えます。
この点、先日の内閣
委員会で、トランスジェンダー当事者の職場環境ルール
策定について伺ったところ、各省別に議論するのではなく、
政府全体でどうするか
考えるべきという前向きな答弁をいただきました。
そこで、トランスジェンダー当事者など、事情を有する者の中央省庁における具体的な職場環境のルール、
在り方について、多様性の
観点から、まずは議論を行う専門の
会議体を設けるなど、早急かつ真摯な検討をしていくべきと
考えますが、改めて河野太郎担当大臣にお伺いをいたしまして、私の
質問を終わります。
ありがとうございました。(
拍手)
〔
国務大臣武田良太君
登壇、
拍手〕