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衆議院議員(
奥野総一郎君)
先ほど簡潔に申し述べましたけれども、それをもう少し詳しく敷衍して述べたいというふうに思います。
先ほど、
憲法上の要請、
国民主権の発露であるからきちんと民意を反映するような手続でなければならないということは、
憲法上のまさに要請するところであるというふうに申し上げました。これがよって来る一番根本のところであります。
法令解釈は、
憲法上の要請であったり、それからその
法律の
趣旨、目的、あるいは立法者の意思をきちんと酌んで厳格に解釈されなければならないと、これは我々
法律を学んできた者にとっては常識であります。そういう
意味で、まず
憲法上の要請として、当たり前のことですけれども、民意がきちんと表れる公平公正な手続でなきゃいけないということがまず根本にあります。
さて、現行の
国民投票法、できた当時は、そういうことが配慮されて当時はできていたというふうに
理解をしていますが、ただ、そのときも、いわゆるテレビやラジオのスポット
CM規制については
議論がありました。その扇情的な影響力ですね、テレビというのは非常に、メディアは影響力ありますから、その影響力に鑑みて、スポット
CMなども含めて量的な
規制を
法律ですべきじゃないかという
議論も当時もあったというふうに
理解していますが、その当時は、なるべく報道の自由、表現の自由に配慮をして、民放連が自主
規制をやるということで収まったというふうに私は聞いているところであります。
という
意味で、この自主
規制は、この現行の
国民投票法の不可欠な要素ですね、構成する前提、不可欠な要素だというふうに立法者の意思としてあったんだというふうに思います。
ところが、民放連は、その後、自主
規制、
憲法審でも民放連の方来ていただいて、私も、あれ二年前でしたかね、
質問をしましたけれども、
制定時の約束をほごにして、量的
規制はやっぱり無理だと、ガイドラインは作れないんだというふうに、けつをまくったと、言葉は悪いですけど、まくってしまったということなんです。ということは、現行法の前提がもろくも崩れてしまったということがあります。これが一つですね。
それからもう一つ、
制定後十年がたって、
制定時に想定しなかったような事態が起こってきていると。それは、ネットで世界がつながると、グローバル化、ネット化の進展でありまして、ケンブリッジ・アナリティカという、あれ、玉木さんとかよく言うんですけれども、ネットフリックスでやっていましたね、私も見ましたけれども、御覧になると分かりますが、ブレグジットやそういう大統領選のところに、ビッグデータを使って直接フェイスブックなんかで有権者に働きかけをすると、資金量をもって働きかけをして、
投票量に、
投票行動に影響を与えると、こういうことが今や現実のものとなっているんですね。是非これ御覧いただければと思いますけれども、現実のものとなっています。
だから、こういったことについてどう
考えるかということですね。資金量の多寡に応じて
投票結果が左右されるんじゃないかと。もうちょっと言うと、外国政府が我が国の
憲法改正の
結論に影響を与える
可能性があるわけですよ。資金、外国政府が陰で資金を供給して、ネットの
CMやあるいはテレビの
CMを大量に打って、
憲法改正の内容に影響を、
結論に影響を与える
可能性が出てきているわけですね。こうしたこともやっぱり現行法の
制定時にはなかったことであります。
以上の代表的なこと二点をもって、我々は、現行の
国民投票法については、
制定時とは異なって、公平及び公正を確保しなさいと、
投票の公平及び公正を確保しなさいという
憲法上の要請を満たせなくなっているんではないかということで判断をして、七
項目を始めとする
投票環境の
向上に係る
措置に限らないで、根本的にここは
議論をしてはどうですかとずっと申し上げてきたんです。これをやらないと、
発議してもちゃんとした結果が出ませんから。皆さん、そう思いませんか。だから、我々はこれをずっと主張してきました。
で、
国民投票法の抜本
改正案というのを原口さんと私と、あと源馬さんかな、旧
国民民主党で二〇一九年五月二十一日に提案をして、以来ずっとこの七
項目との並行
審議を求めてきましたけれども、現在に至るまで、これは
議論を据え置き、御
審議をいただいていないわけであります。
そこで、この七
項目の成立によって、
国民投票法に係る
憲法上の要請、我々が心配していることがそのまま放置されないかとすごい心配しているわけですよ。とにかく与党は四
項目やりたくてしようがないとよく分かるんですが、でも、四
項目、仮に無理やり
発議しても、この手続がきちんとしていなければちゃんとした公正な結果は生まれませんから、だから、その四
項目をやろうという方にもやっぱりここは御
理解をいただきたいと思うんです。ですから、私はもちろん四
項目に
反対ですけどね、
与野党を超えて、だからこそ、こういったところを
議論していただきたいと。で、
法律のそれ
自体の中に明文
規定をもってこういう担保
規定を設けたところであります。
趣旨、目的について言えば、最後ね、それについて言えば、
先ほど申し上げたように、
発議はなかなか、私の解釈では、
法律上ですね、
憲法の要請に応えていないから、この条項が
制定されるをもって
発議はできないということだと思います。
ちょっと長くなりましたけど、以上です。