○寺田(学)
委員 寺田です。
昨日に引き続き、
少年法の
質疑をさせていただきます。
午前中の
質疑も拝聴しておりました。
大口委員及び
宮崎さんも含めて、本当に今まで関わられた
方々のお
考えを拝聴しておりましたし、昨日の参考人のお話も聞きました。
私自身、
法務委員会に今回初めて入りますので、そういう
方々、長らく関わられた
方々に比べると意見がどのように映るかはありますけれども、私、本当に、この
法務委員会に入って、この
法案に向き合うことの強い意義を感じていますし、本当に、自分自身、この仕事をやっていることの意義すら感じています。それぐらい
少年にとって大事な話ですし、そしてまた加害者、そしてまた、昨日もお話しいただきました、
被害に遭われた
方々の人生も大きく左右することですので、自分の
考えをちゃんと述べたいというふうに思います。
大臣、基本的には参考人からお話しいただきますけれども、是非聞いてください。
まず、
少年法第一条をちゃんと読みたいと思います。
この
法律は、
少年の健全な育成に関し、非行のある
少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する
保護処分を行うとともに、
少年の
刑事事件について特別の
措置を講ずることを
目的とする。これが
少年法の魂だと思っています。
もし
少年法が改正されるということであれば、まさしくこの第一条の魂の部分、
趣旨の部分がより一層改善される、そのために改正されることが起こり得る、
議論されるべきだと思っているんですが、大先輩方を前にして大変恐縮なんですが、いろいろお話を聞いていると、
民法、公選法らとの整合性、分かりやすさ、
バランスという、
少年法第一条のその魂部分と比べてみますと、対外的であったり副次的な
理由を今回の改正の
理由に述べられている方がおります。
私個人としては、こういう対外的な
理由によって法本来の
趣旨が損なわれて、本来、
少年らの
教育、更生機会が持てる
少年が持てなくなるということだけはどうしても私は避けたいというふうに思っています。まさしく
少年法というものは、今回、この
少年法として
対象になる
少年のための
法律だと思って私は
質問をしたいと思っているんです。
大臣が今朝からも御答弁されていますけれども、今回の
法改正によって、十八歳、十九歳が話題、
議論の
対象になっていますけれども、その十八歳、十九歳は、いまだ
成長途上にあり、そして
可塑性に富み、引き続き
少年法の枠組みに入れられたと
大口委員からもお話がありました。私は、そこは素直に評価したいと思っているんです。
その部分が、いやいや、時代の変遷によって
成長が促進されたので
可塑性もなくなったんだという評価にもし立つとすれば、それを基に
議論するべきだと思うんですけれども、それ以外の
理由で
少年法を改正するということであれば、
少年法の
対象となっているいわゆる非行
少年のための
法律が、いわゆる
大人の事情によって改正されていくことになるという強い危惧を持っていますし、そういう
議論が行われることが、様々な家庭環境であったり背景があることによって非行に走った子供たちの心をより一層閉じていくものだと私は思って、物すごく危惧をしています。
今日から実質的に、いわゆる
法務省、
大臣を含めて
議論が始まっていますけれども、この
法務委員会で話される一つ一つが、聞いている方は少ないかもしれませんが、この
法律が
目的としている
少年たちであったり、その
少年たちの矯正に関わっている
方々に、一つ一つ、一言一言問われているんだということを、非常に緊張感を持ってお話をさせていただきたいと思います。
ここら辺からちょっと素人っぽくなっちゃうんですけれども、私、この
少年法を読んだときに、何というんですかね、例えて言うと、この
少年法って非行
少年にとって、昔でいうと金八先生であって、私の世代でいうとGTOに近いですよ。
この中で御存じの
方々は結構いると思いますけれども、学校の中で非常に荒れている部分がありながら、大概の先生であったり教頭先生とかは、もう問題児があったら退学させてしまえと非情にやるところに金八先生が出てきたり、私のときにはGTOでしたけれども、鬼塚という先生が出てきて、世間体なんて関係なくて、その子供に本当に向き合ったらその子供の扉が開いて、なぜそうなったのかということを一緒になって解決していくということがありました。
やはり、そういう意味でいうと、私は、この
少年法というのは非常に子供、
少年にとって大事なものであって、非常にかけがえのないものだと思うんです。実際、
少年法によって、多くの、
犯罪を犯した、加害者となった
少年たち、救われてきたと思います。
昨日もお話ありましたし、私もまだ個別には聞けていないですが、一人紹介すると、高坂朝人さんという方です、広島の方なんですが、一九八三年生まれ。これは記事にあったものをちょっと引用するんですが、十三歳で非行に走り、十四歳で暴走族に入る。逮捕歴は十五回で
少年院に二回入っています。二〇一四年にNPO法人再非行
防止サポートセンター愛知を設立ということで、更生の道を歩まれて、違う道を歩んでいますけれども。
今、講演活動をされているんですけれども、お話をされていることは、自分と未来は変えていけるんだということを一生懸命お話をされています。どういうきっかけで自分自身が変えられたのか。
本人としても自分が変われることを信じていなかったそうですけれども、二回目の
少年院
送致が決まる前の
少年審判のこと、自分は、箔がつくと思って
少年刑務所に行きたいと希望したそうです。既に肩から腕にかけて入れ墨が入っていた。そのとき、女性の家裁の
調査官が裁判官に向かって涙ながらに訴えた、
少年院
送致にしてください、この子は絶対に立ち直ると。そういうことを言われて初めて、こんな人がいるんだと思った。それがきっかけだと思います。
こういうふうにしていろいろな心の扉は開いていくと思うんですけれども、やはり、いろいろ聞いていると、今までの
議論というのは、ちゃんと
責任を取れ、努力が必要なんだ。様々な言葉はありましたけれども、やはり努力できないし、様々な家庭環境を抱えて、
理由があるからこそそういう行動に走っているということが分かっているからこそ、この
少年法ってあったと思うんです。その
少年法によってどんどん救われて、違う道を選ぶことができ、そして、そういうふうに非行に走っている子供たち、今度は更生させていくようなサポートをしている人たちはいっぱいいますよ。
事前にお伝えしましたけれども、私は、
委員長がその一人だと思うんです。私、ヤンキー先生としてずっと子供のときに見ていましたし、僕も一回、高校をやめようと思って、余市に入ろうかなということを思ったときもありました。そういう存在があるというだけで自分の中にゆとりがあって、何とか自分の中でうまくやっていこうということで、幸いにして今ここに立てていますけれども。
委員長の、いろいろ拝見しました。ヤンキー先生、半生を振り返るということで、
法務副
大臣のときに
少年院で講演をされているということを、非常にいいなと思いました。中学校に入る頃には不良と呼ばれていたけれども、面倒を見てくれていた里親、不登校生を受け入れる私立の担任が人生を変える出会いになった、
少年時代に多くの失敗や過ちを繰り返し、そのたびに心ある人たちの指導と支えでやってこれたということを
少年院の方に言われたそうです。
委員長、
委員長がお許しする
範囲でいいんですけれども、何で更生できたんですか、
委員長。