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2021-03-05 第204回国会 衆議院 法務委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
国会召集日
(
令和
三年一月十八日)(月曜日)(午前零時現在)における本
委員
は、次のとおりである。
委員長
義家
弘介
君
理事
伊藤
忠彦
君
理事
稲田
朋美
君
理事
奥野
信亮
君
理事
宮崎
政久
君
理事
山田
賢司
君
理事
稲富
修二
君
理事
階 猛君
理事
大口
善徳
君
井出
庸生
君
井野
俊郎
君
大塚
拓君
神田
裕君
黄川田仁志
君
国光あやの
君
小林
鷹之君
武井
俊輔
君 出畑 実君
中曽根康隆
君
野中
厚君
深澤
陽一
君
藤原
崇君 盛山 正
仁君
山下
貴司
君
吉野
正芳
君
池田
真紀
君
寺田
学君
中谷
一馬
君
松平
浩一
君
屋良
朝博君
山花
郁夫
君
浜地
雅一
君
藤野
保史
君
串田
誠一
君
高井
崇志
君
令和
三年三月五日(金曜日) 午後零時十分
開議
出席委員
委員長
義家
弘介
君
理事
伊藤
忠彦
君
理事
稲田
朋美
君
理事
奥野
信亮
君
理事
宮崎
政久
君
理事
山田
賢司
君
理事
稲富
修二
君
理事
階 猛君
理事
大口
善徳
君
井出
庸生
君
井野
俊郎
君
泉田
裕彦
君
大塚
拓君
神田
裕君
黄川田仁志
君
国光あやの
君
武井
俊輔
君 出畑 実君
中曽根康隆
君
野中
厚君
深澤
陽一
君
福山
守君
藤原
崇君 盛山 正
仁君
吉野
正芳
君
池田
真紀
君
寺田
学君
中谷
一馬
君
松平
浩一
君
屋良
朝博君
山花
郁夫
君
吉田
宣弘
君
藤野
保史
君
串田
誠一
君
高井
崇志
君 …………………………………
法務大臣
上川
陽子
君
法務
副大臣 田所 嘉徳君
法務大臣政務官
小野田紀美
君
最高裁判所事務総局経理局長
氏本 厚司君
法務委員会専門員
藤井 宏治君 ――
―――――――――――
委員
の異動 二月十五日
辞任
補欠選任
浜地
雅一
君
吉田
宣弘
君 三月五日
辞任
補欠選任
小林
鷹之君
泉田
裕彦
君
山下
貴司
君
福山
守君 同日
辞任
補欠選任
泉田
裕彦
君
小林
鷹之君
福山
守君
山下
貴司
君 ――
―――――――――――
一月十八日
組織
的な
犯罪
の処罰及び
犯罪収益
の
規制等
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
山尾志桜里
君外六名
提出
、第百九十五回
国会衆法
第八号)
民法
の一部を改正する
法律案
(
山尾志桜里
君外四名
提出
、第百九十六回
国会衆法
第三七号)
民法
の一部を改正する
法律案
(
西村智奈美
君外五名
提出
、第百九十八回
国会衆法
第一五号)
出入国管理
及び
難民認定法
の一部を改正する
法律案
(
平野博文
君外五名
提出
、第百九十八回
国会衆法
第三五号)
新型コロナウイルス感染症等
の
影響
を受けた
国民等
に対する援助のための
日本司法支援センター
の
業務
の
特例
に関する
法律案
(
階猛
君外三名
提出
、第二百一回
国会衆法
第二五号)
出入国管理
及び
難民認定法
の一部を改正する
法律案
(
階猛
君外五名
提出
、第二百三回
国会衆法
第九号) 三月一日
国籍選択制度
の廃止に関する
請願
(
阿久津幸彦
君
紹介
)(第三二号) 元々
日本国籍
を持っている人が
日本国籍
を自動的に喪失しないよう求めることに関する
請願
(
阿久津幸彦
君
紹介
)(第三三号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
国政調査承認要求
に関する件
裁判所
の
司法行政
、
法務行政
及び
検察行政
、
国内治安
、
人権擁護
に関する件 ――――◇―――――
義家弘介
1
○
義家委員長
これより
会議
を開きます。
国政調査承認要求
に関する件についてお諮りいたします。
裁判所
の
司法行政
に関する
事項
法務行政
及び
検察行政
に関する
事項
国内治安
に関する
事項
人権擁護
に関する
事項
以上の各
事項
につきまして、
本会期
中
調査
をいたしたいと存じます。 つきましては、
衆議院規則
第九十四条により、議長の
承認
を求めたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
義家弘介
2
○
義家委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
義家弘介
3
○
義家委員長
裁判所
の
司法行政
、
法務行政
及び
検察行政
、
国内治安
、
人権擁護
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
法務行政等
の当面する諸問題について、
法務大臣
から
説明
を聴取いたします。
上川法務大臣
。
上川陽子
4
○
上川国務大臣
法務大臣
の
上川陽子
です。 改めまして、よろしくお願い申し上げます。 昨年九月に
法務大臣
に就任してから五か月、私は、法の支配の貫徹された社会、そして、多様性と包摂性のある、誰一人取り残さない社会の実現を目指し、次の三つの視点を重視してまいりました。 まず、
関係機関
、地域、民間の方々などの
ステークホルダー
と連携をして、多層的な取組を促進することです。また、将来を担う若者や子供など、施策の届け先となる様々な方々の立場に立って課題の解決に取り組むことです。そして、
PDCAサイクル
を回して、各施策について不断の改善を図ることです。今後も、こうした視点を大切にしながら、
法務行政
に懸命に取り組んでまいります。 現下の最大の課題は、
新型コロナウイルス感染症
への対応です。
政府一体
となって、迅速に
水際対策
を進めてまいります。昨年の第一波、第二波、そしてこの秋冬の第三波の
感染拡大
の際に得た教訓を最大限に生かし、官署及び施設における
感染予防策
、
感染拡大防止策
をより一層徹底いたします。さらに、
接触リスク
の低減のための
テレワーク勤務
や
デジタル化
、
IT化
を推進するとともに、
AI等
の新しい技術をも活用して、イノベーションを加速化させてまいります。 本年三月七日から第十四回
国連犯罪防止刑事司法会議
、
京都コングレス
が開催されます。二〇三〇年までの十年間は、
SDGs達成
に向けた行動の十年であり、
京都コングレス
は、法の支配を国際的により一層浸透させ、
SDGs達成
のための大きな貢献を果たす機会となります。
京都コングレス
の後は、その
レガシー
を構築して
司法外交
を推し進めてまいります。
法務行政
に対して内外から寄せられる様々な声については、しっかりと受け止め、政策の充実を図るとともに、丁寧な説明に努めることにより、
政策立案プロセス
の透明化を図ります。また、
法務省
のガバナンスについても、職員自らの主体的な検討を通じ、不断の改善を図ってまいります。これらにより、
法務省
がより一層国民の皆様から信頼される組織となるよう、尽力してまいります。 このような方針の下、以下の八つの柱を
重点事項
とし、
法務行政
を推進してまいります。 一つ目の柱は、
新型コロナウイルス感染症
への対応です。 国民の健康と命を守り抜くことを最優先として、変異株を含めた
新型コロナウイルス
の
国内流入
を防止するため、引き続き、
国内外
の
感染状況等
の動向を注視しながら、
水際対策
に万全を期してまいります。また、今後の国際的な人の往来の再開についても、感染再拡大の防止と両立する形で、オン、オフの切替えを機動的に行ってまいります。
国内外
との
リスクコミュニケーション
を図る観点から、
水際関連
のデータや対策についての迅速かつ分かりやすい
情報発信
に努めます。
感染者
や
医療従事者
、その
家族等
に対する、
新型コロナウイルス感染症
に関する差別、偏見は、困難に直面している方々に多大な苦痛を与え、取り返しのつかない結果にもつながりかねないものであり、決してあってはなりません。
新型インフルエンザ等対策特別措置法
をも踏まえて、
インターネット人権相談
、子どもの
人権SOSミニレター
、
SNS等
の様々なツールを活用し、
人権相談
、
調査救済活動
、効果的な
人権啓発活動
にしっかりと取り組んでまいります。
法テラス
では、
新型コロナウイルス感染症
の影響により様々な悩みを抱える方々に対し、電話、
オンライン
により、
相談者
に寄り添った丁寧な
法律相談
を行うなど、
社会情勢
に即応した
法的支援
に積極的に取り組み、その周知、広報に努めます。こうした
法的支援
について、しっかりと評価、改善し、
総合法律支援
をより一層充実させてまいります。
新型コロナウイルス感染症
の影響により、帰国が困難となり、また、生活に困難を抱えている
在留外国人
の方々には、
在留資格
における
特例措置
や再就職先の
マッチング等
の支援を行うとともに、
外国人在留支援センター
での
相談等
を通じて、
情報過疎
にならず、必要な情報に適切にアクセスしていただけるよう尽力してまいります。 これまで、全国の
法務官署
及び施設では、起こり得る
感染リスク
を想定し、そのリスクを管理する観点から、
感染予防策
、
感染拡大防止策
に取り組んでまいりました。これまでの
感染事案
における
感染経路等
を分析、検討し、その情報や経験を共有するとともに、様々な知見をも取り入れながら、
法務省一丸
となって、より一層レベルアップした対策につなげてまいります。 二つ目の柱は、様々な困難を抱える方々への取組の推進です。
性犯罪
、
性暴力
は、
被害者
の尊厳を著しく侵害し、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続けるものです。
被害当事者
や
支援者
の方々の声をしっかりと受け止めながら、社会全体として、その根絶を目指さなければなりません。 政府は、昨年六月に
性犯罪
・
性暴力対策
の強化の方針を決定し、令和四年度までの三年間を
集中強化期間
と位置づけて、関係府省が連携して各施策を推進しています。
法務省
としても、
スピード感
を持って、
刑事法
に関する検討や
再犯防止施策
の充実などの取組を進めてまいります。 家庭内での
児童虐待
は、
外出自粛等
に伴い、その増加や深刻化も懸念されています。
児童虐待
に終止符を打つため、
児童相談所等
の
関係機関
と緊密に連携しつつ、子供の命を守ることを最優先として、
人権擁護機関
における
相談等
を通じた
早期発見
、
法務少年支援センター
による心理の
専門的知見
を生かした支援など、総合的な取組を着実に推進してまいります。 政府は、現在、第四次
犯罪被害者等基本計画
の策定に向けた検討を進めています。過去の計画に基づく取組の蓄積も踏まえ、
被害者等
の方々から寄せられる新たな御指摘、御意見をも取り入れながら、
被害者等
の方々の
権利利益
を保護し、支援する取組を更に推進、充実させてまいります。
人権擁護局
における十七の
強調事項
で掲げられた差別や
偏見等
を始め、様々な人権問題について、依然として救いを求める声が後を絶ちません。差別、偏見の
実態把握
や、これまでの対策への評価、改善をも行いつつ、様々な人権問題を解消し、差別のない社会の実現を目指して、
人権相談
や
調査救済活動
にしっかりと取り組んでまいります。また、様々な媒体を用いて、効果的な
人権啓発活動
を行ってまいります。 近時問題となっている
インターネット
上の
誹謗中傷
は、同様の書き込みを次々と誘発し、重大な
人権侵害
につながるものです。
関係省庁
や
民間事業者
と連携しながら、しっかりと対応してまいります。 出生の届出がされておらず、無
戸籍状態
となっている方々について、その解消に向けた取組を着実に進めます。徹底した
実態把握
に努めつつ、
全国各地
の法務局において、常時相談を受け付け、戸籍を作成するための丁寧な
手続案内
をするなど、寄り添い型の取組を継続するとともに、充実したウェブコンテンツにより、
裁判手続等
の情報を分かりやすく提供してまいります。 本年三月十一日で
東日本大震災
から十年となります。改めて、震災により尊い命を失われた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。
東日本大震災
、そして、相次ぐ大
規模災害
からの
復興支援
については、これまで、被災直後の段階から復興の各ステージにおける
被災地
の様々なニーズを的確に捉え、
被災地等
の登記所備付け地図の整備、
登記嘱託事件等
の迅速な対応、
長期相続登記等未了土地
の解消などに取り組むとともに、
法テラス
による法的な支援を実施してまいりました。引き続き、
法務省
全体で、情報を共有しながら、
被災地
に寄り添った支援を実施してまいります。 三つ目の柱は、
司法外交
の積極的な展開です。 いよいよ
京都コングレス
が開催されます。
京都コングレス
の全体テーマは、
SDGs達成
のための
犯罪防止
、
刑事司法
及び法の支配の推進であり、各国が、
国際協力
の
在り方
や、誰一人取り残さない社会の実現に向けて
刑事司法
が果たすべき
役割等
について議論を行い、
成果文書
を採択することには、大きな意義があります。特に、
コロナ禍
により、弱い立場にある人々の命や生活が脅かされている今、その意義は更に高まっています。
サイドイベント
である
世界保護司会議
では、長年にわたり保護司を始めとする
民間ボランティア
に支えられてきた
我が国
の
更生保護制度
を世界に紹介いたします。 先週、
京都コングレス
に先立って
ユースフォーラム
を開催いたしました。
青年ボランティア団体
の
BBS会
で活動する若者にも御協力いただきながら、未来を担う世界の若者が、
SDGs達成
に向けて議論を行いました。ユースの声は、勧告として
京都コングレス
に提出されます。
京都コングレス
、そして、
ユースフォーラム
の開催は、まさに
我が国
の
司法外交
の新たな出発点です。私は、
ホスト国
の
法務大臣
として、国連、
開催地京都
の自治体、関係する全ての方々と力を合わせ、その成功に向けて全力を尽くします。
京都コングレス開催
後には、
我が国
が主導して、
再犯防止
、
更生保護
に関する国連の
スタンダード作り
や、
グローバル人材
の育成に向けた
ユースフォーラム
の
定期開催
に取り組むなど、
京都コングレス
の
レガシー
を構築し、
司法外交
を通じて展開してまいります。 加えて、各国の
司法制度
には違いがあるため、
我が国
の制度についての正確な理解を得るための積極的かつ分かりやすい
情報発信
も重要な課題です。
京都コングレス
では、
サイドイベント等
を通じ、
我が国
の
刑事司法制度
について
情報発信
しますが、他の制度も含めて、
国際発信力
を一層強化してまいります。
法務省
は、これまで、
ベトナム社会主義共和国
を皮切りに、二十年以上にわたり、
開発途上国等
に対し、
基本法令
の起草、
司法制度
の整備や運用、
司法関係者
の
人材育成
について、
相手国
の実情に応じたきめ細やかな支援を行ってまいりました。また、五十年以上にわたり、
刑事司法分野
での数々の
国際研修等
を実施してまいりました。こうした
国際協力
は、
相手国
との
信頼関係
の構築に大きな役割を果たし、法の支配の貫徹や
SDGs
の実現にも資する重要な取組であり、更に積極的に推進してまいります。 また、
国際社会
で活躍できる
交渉等
の能力を備えた司法に携わる
若手人材
を育成し、国連を始めとする
国際機関
への積極的な派遣などを通じ、
国際機関
との一層の
連携強化
を進めてまいります。
国際仲裁
の
基盤整備
は、
日本企業
による
海外活動
を後押しし、海外の企業や人材を
我が国
へ呼び込むなど、
我が国
の経済や金融の活性化に向けて必要な取組です。
東京虎ノ門
の
仲裁専用施設
も十分に活用し、
仲裁人等
の
人材育成
、
国内外
の
企業等
に対する広報、
意識啓発
などの取組を強力に進めてまいります。また、現在、
法制審議会
において、
仲裁法制
の
見直し
に関する
調査審議
を行っていただいているところであり、
法改正
に向けた具体的な検討を進めてまいります。 重要な
日本法令
を翻訳して国際発信することは、
我が国
の
国際化
や
経済成長
のための基盤であり、
関係省庁
と緊密に連携して、
法令外国語訳整備事業
を更にスピードアップさせてまいります。 四つ目の柱は、適正な
在留管理
の一層の強化と多
文化共生社会
の実現です。
在留外国人
の方々が
我が国
でその能力を十分に発揮できるよう、適正な
在留管理
及び
在留支援
に努めます。
特定技能制度
については、制度の適正な運用に力を注ぐとともに、
マッチング支援
などによる効果的で丁寧な
受入れ促進
に取り組んでまいります。
技能実習生
や留学生の
受入れ制度
についても、顕在化した様々な課題への対応策について、その効果を絶えず検証しつつ、制度の改善に努めます。 また、
ポストコロナ
に向けた経済の好循環の
実現等
を目的とする国民の命と暮らしを守る安心と希望のための
総合経済対策
に基づき、海外の
金融人材
がビジネスを容易に開始できるよう、
在留資格
の緩和や
優遇措置
の拡充を図ってまいります。
外国人
との
共生社会
の実現のためには、
在留資格
を有する全ての
外国人
を、孤立させることなく、地域のコミュニティーを構成する一員として受け入れていくという視点に立って
環境整備
を行っていくことが必要です。昨年七月に改定した
外国人材
の受入れ・共生のための
総合的対応策
を踏まえ、
出入国在留管理庁
において、これまで以上に
総合調整機能
を果たしつつ、関係府省庁と十分に連携し、
外国人在留支援センター
における支援、易しい日本語を活用した
在留支援策
についての
情報提供
、
一元的相談窓口
を開設している
地方公共団体
への支援などを推進してまいります。 また、
外国人
との
共生社会
の実現のための
有識者会議
における議論も踏まえつつ、
共生社会
の
在り方
やその実現に向けた中長期的な課題に対する方策を示すなどの取組を進めてまいります。
退去強制令書
が発付されたにもかかわらず、様々な理由で送還を忌避する者が後を絶たず、
入管収容施設
での収容の
長期化
が生じています。これを解消し、
退去強制手続
を一層適切かつ実効的なものとするため、昨年七月に収容・送還に関する
専門部会
からいただいた
提言等
を踏まえ、
出入国管理
及び
難民認定法
及び
日本国
との
平和条約
に基づき日本の国籍を離脱した者等の
出入国管理
に関する
特例法
の一部を改正する
法律案
を今国会に提出しました。十分に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。 あわせて、被
収容者
の人権に配慮した適正な処遇の実施を徹底するとともに、
難民認定制度
の
見直し
を行い、真に庇護を必要とする者の迅速な保護を図ってまいります。 五つ目の柱は、時代に即した
民事法制
の整備と
訟務機能
の
充実強化
です。 近年、社会の各分野における女性の一層の参画や父親の育児への関与の
高まり等
から、子供の養育の
在り方
が多様化するとともに、養育費の不払いや親子の交流の欠如などの父母の
離婚等
に伴う子供の養育への深刻な影響が指摘されています。父母の
離婚等
に伴う子供の養育の
在り方
については、子供の目線に立って、
チルドレンファースト
の観点から検討することが重要です。この問題の解決に向けて、
法制審議会
への諮問を行い、制度の
見直し
についてしっかりと検討を進めるとともに、運用面の対応にも取り組んでまいります。 また、近年、
不動産担保
や
人的担保
に過度に依存しない融資を促進する必要があるとの認識が高まり、動産や債権を担保の目的として活用する手法が注目されています。そこで、
法律関係
の明確化や安定性の
確保等
の観点から、担保に関する法制の
見直し
のための検討を進めてまいります。 さらに、その施行が近づきつつある
成年年齢
の
引下げ等
については、円滑な施行に向けた準備を着実に進めるとともに、国民への効果的な周知に尽力してまいります。
所有者不明土地
の発生を防止するとともに、土地の適正な
利用等
を図るため、
法制審議会
における審議結果を踏まえ、
相続登記等
の申請の義務づけや新たな
財産管理制度等
の創設を内容とする
民法等
の一部を改正する
法律案
、及び
相続等
により取得した土地を
法務大臣
の承認を受けて国庫に帰属させる制度の創設を内容とする
相続等
により取得した
土地所有権
の国庫への帰属に関する
法律案
を今国会に提出する予定です。 あわせて、
相続登記
の促進のための取組や、
表題部所有者不明土地
の
解消作業
など、様々な対策を実施しつつ、引き続き、
関係省庁
と連携して、この問題の解決に向けて取り組んでまいります。 国民の
権利利益
を保護するためには、国としての多様な
訟務機能
を
充実強化
することが必要です。国の利害に関係する訴訟に対する
指揮権限
を適切かつ効果的に行使するとともに、
国内外
の
法的紛争
の
発生そのもの
を未然に防止する
予防司法機能
の充実を図ります。また、
関係省庁
と緊密に連携して、
国際訴訟等
への対応を強化いたします。 六つ目の柱は、国民から信頼され、期待される司法の実現です。
国際化
や
デジタル化
を始め
社会経済情勢
の多様化、複雑化に伴い、様々な
法的需要
が新たに生じており、それらに積極的に対応できる法曹の養成が求められています。
現代社会
の様々な場面で活躍できる法曹を養成するための取組を推進しつつ、先般の
法改正
に基づき、
文部科学省等
と連携して、より多くの有為な人材が法曹に魅力を感じて志望するよう、必要な取組を積極的に進めてまいります。
法教育
は、
子供たち
が、自由で公正な社会の担い手として、人権を尊重する考え方や
法的思考力
を身につけるために大変重要です。
成年年齢
の引下げや
在留外国人
の増加をも見据え、幅広い方々が
法教育
に触れる機会を幅広く持てるよう、積極的に取り組みます。
裁判所
の事務を合理化し及び効率化することに伴い、裁判官以外の
裁判所
の職員の員数を減少することを内容とする
裁判所職員定員法
の一部を改正する
法律案
を今国会に提出しました。十分に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
利用者
の利便性の向上及び業務の効率化や質の向上を図る観点から、
行政手続
の
オンライン化
の更なる拡充を始め、
法務行政
の
デジタル化
、
IT化
を加速し、積極的に
AI等
の新しい技術も取り入れてまいります。また、
民事裁判
や
刑事手続
の
IT化
といった
司法分野
における
基盤整備
についても、強力に推進してまいります。 七つ目の柱は、世界一安全な
国日本
の実現です。 犯罪や非行をした者の立ち直りを支えるため、
再犯防止推進計画
及び
再犯防止推進計画加速化プラン
に基づいて、
関係省庁
や
地方公共団体
と連携し、就労、住居の確保を始めとする
再犯防止施策
を着実に推進します。特に、
更生保護施設
による息の長い支援の
充実等
を始めとした
満期釈放者対策
の
充実強化
を図るとともに、
通信制高校
と連携した
修学支援
や、ソーシャル・インパクト・ボンドを活用した
再犯防止事業
を進めてまいります。 また、
地方公共団体
との
連携強化
や、
保護司活動
の
ICT化
、
協力雇用主
への支援など、
再犯防止
を支える民間の方々が活動しやすい環境の整備を推進してまいります。 あわせて、
法整備
を含め、犯罪や非行をした者に対する処遇を一層充実させるための取組を進めてまいります。 令和四年四月の
成年年齢
の引下げをも見据え、十八歳及び十九歳の者について、
少年法
の適用において
特例規定
を整備することなどを内容とする
少年法等
の一部を改正する
法律案
を今国会に提出しました。十分に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。 国民の皆様が安全に安心して暮らせる社会を実現するため、
関係機関
とも連携し、
組織犯罪等
への対応を含め、
治安確保
のための万全の対策を講じてまいります。 また、
先端技術
の
流出事案等
、いわゆる
経済安全保障
に関連する情報や、
国内外
における
テロ関連動向
の把握に努め、
関係機関
との連携を緊密にしつつ、
情報収集
・
分析機能
の強化を図ります。 いわゆるオウム真理教については、引き続き、
団体規制法
に基づく
観察処分
を適正かつ厳格に実施し、
地域住民
の不安感を解消、緩和するとともに、公共の安全の確保に努めてまいります。 北朝鮮に対しては、
人的往来
の
規制強化措置等
を適切に実施するとともに、核・ミサイル関連の動向、日本人拉致問題を含む対外動向や国内状況等について、関連情報の収集、分析等を進めます。
我が国
の領土、領海、領空の警戒警備に関しても、
関係機関
と連携し、遺漏のない対応をいたします。 八つ目の柱は、職員が誇りを持って生き生きと仕事のできる職場環境の整備です。
テレワーク勤務
等について、ウィズコロナ、アフターコロナ時代の新たな日常として、
法務省
の職場での定着を図ります。さらに、女性の職業生活における活躍や、男性の育児に伴う休暇、休業の取得を推進するとともに、職員の声をしっかりと捉え、ワーク・ライフ・バランスを実現するための更なる施策を検討してまいります。障害者雇用についても着実に取組を進めます。 感染症対応の要となる医療刑務所等を始めとする矯正施設について、
新型コロナウイルス感染症
などへの対応の強化に万全を期するとともに、職員宿舎を含めた施設整備を着実に実施してまいります。 また、
再犯防止施策
の実施基盤としての役割や、災害発生時には
地域住民
の避難所としての役割が期待される
法務省
施設の耐震化及び老朽化対策を確実に推進してまいります。 私は、田所嘉徳副大臣、
小野田紀美
大臣政務官、そして全ての
法務省
職員とワンチームとなって、
コロナ禍
という困難な時期であるからこそ、より一層前向きな気持ちを持ち続け、
法務行政
にしっかりと取り組んでまいります。義家弘介
委員長
を始め、理事、委員の皆様方には、より一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
義家弘介
5
○
義家委員長
次に、
令和
三年度
法務省
関係
予算の概要について
説明
を聴取いたします。田所
法務
副大臣。
田所嘉徳
6
○田所副大臣
令和
三年度
法務省
所管等予算につきまして、その概要を御
説明
申し上げます。
法務省
の一般会計予算額の総額は七千八百九十三億一千八百万円であり、前年度当初予算額と比較しますと、三百九十四億三千八百万円の減額となっております。所管別に区分いたしますと、
法務省
所管分は七千四百三十一億四千万円、内閣等所管として計上されている
法務省
関係
の
政府
情報
システム
関係
経費の予算額は四百二十億九千三百万円、国土交通省所管として計上されている
法務省
関係
の国際観光旅客税財源充当事業の予算額は四十億八千四百万円となっております。 また、
復興
庁所管として計上されている
法務省
関係
の
東日本大震災
復興
特別会計の予算額は二億五千三百万円となっております。 次に、一般会計予算の内訳は、人件費五千二百四十億二千八百万円、物件費二千六百五十二億九千万円となっており、そのうち、主要
施策
の経費について、五つの柱に沿って御
説明
申し上げます。 まず第一に、
感染
症
拡大
に
対応
するための
法務行政
の体制
強化
の柱においては、
感染
症
対策
や医療体制の
充実強化
を含む矯正
施設
等の
環境整備
の
推進
に必要な経費として二百十五億四千八百万円、
感染
症等に起因する問題
解決
のための
総合法律支援
の
充実強化
に必要な経費として三百二十一億五百万円、第二に、新たな日常に
対応
するための
法務行政
における
デジタル化
、
IT化
の
推進
の柱においては、
行政手続
の
オンライン化
及び行政機関間の
情報
連携
の
推進
に必要な経費として八十七億七千八百万円、
業務
継続性を
確保
するためのテレワーク等の
推進
に必要な経費として八億五千六百万円、第三に、包摂的な
社会
の
実現
に向けた
人権擁護
活動及び
再犯防止
対策
の
充実強化
の柱においては、
感染
症を始めとする様々な
人権
問題の
解決
に向けた
人権擁護
活動の
強化
に必要な経費として三十五億五千二百万円、
満期釈放者対策
を始めとする
再犯防止
対策
の
推進
に必要な経費として百二十七億五千六百万円、第四に、活力ある
日本
経済
の
実現
のための法的
基盤
の
強化
の柱においては、
所有者不明土地
問題への
対応
及び地図
整備
体制の
強化
等に必要な経費として七十三億八千百万円、ウィズコロナにおける出入国
在留管理
体制の
強化
及び
外国人材
の円滑かつ適正な
受入れ
の
促進
に向けた
取組
に必要な経費として百八十八億一千五百万円、法令外国語訳へのアクセス
強化
及び
国内外
の
法的紛争
に係る
予防司法機能
の
強化
等に必要な経費として二十億九千百万円、
京都コングレス
の
レガシー
の着実な実施を含む戦略的
司法外交
及び
国際協力
の
推進
に必要な経費として九億八千四百万円、第五に、新たな
世界
秩序の下での良好な
治安確保
のための
取組
の
充実強化
の柱においては、
経済安全保障
体制及びテロ
発生
の未然
防止
体制の
充実強化
に必要な経費として三十二億二千万円、
コロナ禍
においても良好な治安を
確保
するための検察活動の
充実強化
に必要な経費として十二億二千七百万円をそれぞれ計上しております。 次に、定員の
関係
でありますが、
令和
三年度においては、出入国
在留管理
体制の
強化
、
外国人材
の
受入れ
の
促進
、
経済安全保障
体制の
強化
、
再犯防止
対策
、
所有者不明土地
問題への
対応
等の
政府
の重要
課題
に
対応
するため、
法務省
全体で千三百十二人の増員が認められており、定員合理化による千七十五人の減員を差引きいたしますと、二百三十七人の純増となっております。 以上、
令和
三年度
法務省
所管等予算の概要を御
説明
させていただきました。 よろしくお願いいたします。 ――
―――――――――――
義家弘介
7
○
義家委員長
この際、お諮りいたします。 本日、
最高裁判所事務総局経理局長
氏本厚司君から出席
説明
の要求がありますので、これを
承認
するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
義家弘介
8
○
義家委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――
―――――――――――
義家弘介
9
○
義家委員長
令和
三年度
裁判所
関係
予算の概要について
説明
を聴取いたします。氏本経理局長。
氏本厚司
10
○氏本最高
裁判所
長官代理者
令和
三年度
裁判所
所管歳出予算について御
説明
申し上げます。
令和
三年度
裁判所
所管歳出予算の総額は三千二百五十三億六千八百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千二百六十六億二千四百万円と比較いたしますと、差引き十二億五千六百万円の減少となっております。 次に、
令和
三年度歳出予算のうち、主な
事項
について御
説明
申し上げます。 まず、人的機構の
充実
、すなわち、書記官及び
事務
官の増員等であります。 事件処理の
支援
のための体制
強化
及び国家公務員のワーク・ライフ・バランス
推進
を図るため、書記官は二人、
事務
官は、速記官からの振替二人を含め三十九人、合計四十一人の増員をすることとしております。 他方、
政府
の定員合理化
計画
への協力として五十六人の減員をすることとしておりますので、差引き十七人の純減となります。 次は、
司法
の体制の
充実強化
に必要な経費であります。 まず、裁判
事務
処理態勢の
充実
を図るため、百三十四億四千八百万円を計上しております。 その
内容
について申し上げますと、第一に、民事事件
関係
経費として二十八億七千九百万円を計上しております。この中には、民事調停
委員
手当、専門
委員
手当、労働審判員関連経費等のほか、民事
訴訟
手続の
IT化
関連経費が含まれております。 第二に、刑事事件
関係
経費として四十三億九千六百万円を計上しております。この中には、裁判員
制度
関連経費、心神喪失
者等
医療観察事件関連経費、法廷通訳関連経費等が含まれております。 第三に、家庭事件
関係
経費として六十一億七千三百万円を計上しております。この中には、家事調停
委員
手当等が含まれております。 また、庁舎の耐震化等のための経費として百四十六億二千四百万円を計上しております。 以上が
令和
三年度
裁判所
所管歳出予算の概要であります。
義家弘介
11
○
義家委員長
次回は、来る十日水曜日午前八時五十分
理事
会、午前九時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十九分散会