○舩後靖彦君 れいわ新選組の舩後靖彦でございます。
参考人の
皆様におかれましては、お忙しい中お時間をいただき、本当にありがとうございます。
御覧のとおり、私は声を出すことが困難なため、秘書の代読という形で質問したく存じます。御
理解のほどよろしく
お願い申し上げます。
代読いたします。
さて、私は、七日の
委員会質問でも
大学入学共通テストにおける障害学生への合理的配慮について質問いたしました。障害のある学生が新しく
導入される
大学入学共通テストにおいて、公平公正に
試験を受けることができるかについて深い関心を寄せております。本日もこうした課題についてお尋ねしたいと考えております。
高等
教育を目指す障害のある子供は年々増えております。
日本学生支援機構
実施の障害のある学生の修学支援に関する実態
調査によりますと、
全国の
大学、短期
大学及び高等
専門学校で学ぶ学生は、二〇一八年度で三万三千八百十二人に上り、十年前の六千二百三十五人から約五倍となりました。
今後も
大学などで学びたいと考える障害のある学生はますます増えていくことでしょう。障害のある
生徒が
能力を公正に
評価され、学ぶ場を得ることができるということは、その人が持つ
能力を発揮するために不可欠です。
試験方式に適用できないことなどを
理由に高等
教育の機会を逸してしまうのは、これからの
日本の社会にとって大きな損失となります。
今回、新しい
テストが
導入されますが、このまま
実施されてしまうと、障害のある
生徒にとって貴重な機会から排除されてしまうのではないかという懸念を拭い切れません。
まず、
英語民間
試験についてです。
この件に関しましては、先般延期が決められ、今後、
文科省において検討がなされると聞いております。
英語民間
試験については、この
委員会でも質疑を行い、事
業者ごとに配慮の対象者の表記にばらつきがあること、配慮
内容についても統一されていないといった
問題点を指摘させていただき、萩生田
文部科学大臣も対応がばらばらであることを認める答弁をなさいました。
結果的に延期は決められたとはいえ、こうした不透明な
状況の中で
実施されようとしたこと自体が、
大学入学共通テストの
問題点を浮き彫りにしていると考えております。
さらに、来年度予定されている
記述式試験に関しましても、同じように、障害のある
生徒が公平公正に
試験を受けることができるのか、強い懸念を抱いております。
例えば、これは大人の方ですが、視覚障害のある方がこのような
意見を寄せてくださいました。
プレテストの
国語の
記述式試験では多くの
資料を読み解く必要がありました。しかし、障害のある人は、同じ分量を読むにしても、目の見える人よりも時間が必要になります。
資料の読み解きなどを求められる
記述式試験で、視覚障害者がほかの人と変わらず公平に
試験を受けるためには、そのための時間延長などが必要だと
思いますが、実際にどうなるか分からないので心配しているとのことです。
一方、発達障害のある方からはこんな
意見もあります。
学習障害の一つで文字の読み書きに困難さを持つ方、ディスレクシアの
受験生が非常に不利になるのではないか。読み上げ機能や書字補助機能のあるタブレットやワープロを活用した受験は認められるのか。従来型の
入試の場合、アスペルガー症候群の人はマーク形式の
試験をパターンで覚えて解いていたが、
記述式試験の
導入で、想像力が欠落する分、
記述をまとめ上げられずに不利になるのではないか。字を書く速度が著しく遅かったり、字が極度に雑だったりする発達障害者は不利になるのではないかというものです。
大学入試センターにおいては、
記述式試験に関して、点字を使用する
受験生に対しては、
国語の
記述式の問題数を減らすことや、字数制限を設けないことなどを予定されているとのことです。また、一般の
解答用紙に
解答することが困難な入学志願者に対しては、
解答欄の大きさなどを変更した用紙を使用できる、パソコンを使用した
解答ができるといった配慮を考えているそうです。しかし、詳細な配慮
内容については現在検討中で、来年度に公表されるそうです。そこから準備をしなければならない
受験生の
立場で見れば、とても不安なことではないでしょうか。
本日お集まりいただいた
皆様も、それぞれ障害のある
生徒さんや学生さんと接する機会がおありかと
思います。重ねて申しますが、障害があってもなくても、学びたい場所で学ぶことのできる環境を整えることはとても大切だと考えておりますが、
皆様も同じ心情だと推察しております。障害者権利条約の理念などに照らしましても、障害のある人が高等
教育にアクセスしやすい社会にしていくことが急務と言えます。
そこで、現在予定されている
大学入学共通テストにおきまして、現行のまま
実施されると障害のある
生徒さんにとってどのような問題があると見込まれるのか、その上で、障害のある人にとっても公平公正な
試験を行うために文部科学省に対してどのような対応を求めるのか、この二点について、
参考人の
皆様の御
意見を
お願い申し上げます。