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山本太郎君 当然、
地方創生を進める上では必要な一つであるということだと思います。
先ほど言いました
大学の定員の抑制という
部分ですね、この方策について。
平成二十八
年度からスタートしました。狙いは、定員を超えた私大、
国立大学に対するペナルティーを厳格化、大都市圏への
学生の集中を是正することを目指すものだそうです。ちなみに、ペナルティー厳格化とは、もう皆さん御存じのとおり、
大学への助成金の不交付、減額を意味する。
事前に
内閣府に対して、この方策を導入後二年間で三大都市圏における
大学の定員超過は私立、公立含め何人減らすことができましたかと聞きましたが、
内閣府は知らないと
答弁。同じことを
文科省に聞いてみたら、いろんな部署をたらい回しにされた挙げ句、
国公立大学や私立
大学がどれぐらい入学者を減らしたか横断的に数を把握していないことが分かりました。
この件で最初に問い合わせたのが三月の十二日、お配りした資料一の基になる国公立、私立と横断的に把握できる
数字を最終的にいただいたのが五月の十日。二か月掛かって初めて横断的な
数字を確認した
文科省。うちの事務所がお願いしなければ、横断的に
数字を見ることがなかったということらしいんですね。
この資料の一を見れば、ペナルティー導入後、
平成二十八
年度と二十九
年度の二年間で、三大都市圏では国立で二百九十八人減らし、超過率は〇・八%改善、私立では三千五百三十二人を減らし、超過率は一・二%改善、国公立、私立合わせて三千九百二十一人減らしたという結果です。
こういったデータって大事ですよね。人口の集中是正するために
地方創生の
基本方針に盛り込み、この方策を実施しておきながら、しておきながら、その効果がどれくらいあったかも把握していないのが
内閣府。その取りまとめさえしていないのが
文科省。
平成二十九
年度が
地方創生五年計画の中間に当たり、
まち・
ひと・し
ごと創生総合戦略のKPIの検証を行ったと言っていましたよね。けど、その施策の一部を成すこの
大学の定員管理の厳格化の
部分については、その数値さえ知らない。まとめていない。適当過ぎませんか。責任持って結果にもコミットする、次に打つ手を熟考する、それを総点検っていうんじゃないんですか。それもしていないんですよ。やることやらずに、
地方創生に資する、
東京一極集中是正って何なんでしょうか。掛け声だけ大声、あとは興味ない、検証しない。
大学の定員抑制の方策で
東京の
大学に入れなかった三千五百五十人、どこ行ったんですか。それについては誰も何も分からない。
大学進学を諦めて
東京で就職したかもしれませんよね。元も子もないじゃないですか、こんなことになっていたら。
資料の二、
東京への転入の増減。
まち・
ひと・し
ごと創生総合戦略の閣議決定から三年を経てどうなったか。総務省統計局住民
基本台帳人口移動報告では、二〇一七年に、
東京への流入は減るどころか、転入者が転出者を約十二万人上回る転入超過。二十二年連続転入超過。減るどころか増え続けている。
東京への転入をどうすれば抑えられるのか、その根っこに向き合わず、
大学の定員を抑制し、ただ一部の数を減らしただけ。にもかかわらず、
東京一極集中の流れ、むしろ悪化。
これ、場当たり的な施策というんじゃないんですか、こういうのを。これを見て一定の効果があったとみなしているわけですよね。それを拡大しようとしているわけですよね、この
法案。愚の骨頂としか言いようがありません。
大学の定員抑制の方策が果たした役割以前に得られたものは、はっきり言って焼け石に水。根本的に打ち出す施策、方策が間違いであるとしか言いようがありません。それどころか、この方策を実施することにより大きな副作用が生まれた。多大な迷惑を被ることになった人々が大勢いることに目を向ける必要あるんじゃないですか。
大学の定員数を超えたら助成金の不交付、減額、そういったペナルティーを恐れて、
大学側は合格者絞っているんですよね、今。
学生は、その対策として
大学のレベルを下げて受験する以外は、それしかないという
状況が生まれてきました。それはそうです、いきなり椅子取りゲームの椅子、大胆に減らした結果、多くの子供やその家族の現実が変わっていくわけです。このあおりを大きく受け人生設計を変えられてしまったのは、昨年、そして今年
大学入試を受けた
学生たち。新しいペナルティー導入によって合否が読めない
状況が生み出され、本来の学力、偏差値よりも下に下に受験をしていかなければ
大学に入れない、受からないという現象が顕著に起きている。
例えばセンター試験。自己採点を踏まえた駿台・ベネッセ、河合塾、東進ハイスクールの三予備校での合否判定、ここで合否判定Aが出ていても落ちるという現象が実際に起きてしまっていると。大手予備校の合否判定は母数も大きいですよね。かなり精度の高い判定が出ると言われている。これまでは三予備校でA判定であれば大体受かるというのが常識、にもかかわらず落ちている。それ、最高ランクだけじゃないと。MARCH、明治、青山、立教、中央、法政、それからSSMG、成蹊、成城、明治学院、学習院、日東駒専でも同じ現象が起こっており、合否A判定であっても落ちるというケースが続出。新ペナルティーによって合否が読めない
状況が生み出された。
ある程度の合格確実を取っていた者がそこで止まらない、だから下へ下へ行く。下へ下へ行った結果、受からないということがまずないと言われるいわゆるEランク、Fランクの
大学で聞いたこともないようなことが起こっている、補欠合格が出る現象がEランク、Fランクで起こっている。三十年以上予備校業界に身を置くベテランの先生も、このような
状況は今まで聞いたことがないと言っているんですよ。
大学として合格を出してあげたいけれども、補欠合格にする。その理由は、もしも一人でも基準をオーバーしたら助成金の減額、全額カットになるおそれがあるから。合格ではなく取りあえず補欠にしていく、ぎりぎりまで判断しない、できない
状況ですと。
もうちょっとしたら
質問しますからね。もうちょっと話聞いておいてくださいね、現実を。
まずはランクが上の
大学から順番に入学者決まっていきますよね。Eランク、Fランク
大学の合格者、これ最終的に確定するのはずっと後になるらしいんですよ。どうなるか分からないという嫌な
状況を一番長く味わうのが偏差値が高くないとされる人たち。ランクが低いとされる
大学の入試は早くに行われるけれども、最終的な合格決定、三月頃まで出ない。そうなると、嫌な気持ちで二月後半の試験、三月後半の試験をずっと受け続けることになる。
ここにも問題があるんですって。試験を受け続けられるのは経済力のある家庭だけ。幾つも試験を受け続けられない家庭では、進学諦めなくちゃならないってことなんですね。
入学試験は
大学にとって猛烈な書き入れ時であることは皆さん御存じのとおりですよね。入試なしで黒字計上できるのは、私立では早稲田
大学だけとも言われているそうです。私大の多くがどこも年内はずっと赤字で、最後の入学試験で
年度末に稼いで収支がとんとんになるといいます。
大学側はたくさんの人に受験してもらわなければ経営が維持できない、入試自体が
大学経営においてライフラインになっていることを考えれば、定員削減による弊害、副作用を
大学独自で受験生にアナウンス、インフォメーションすることは難しいんです。
文科
大臣、この方策導入する前に、このような事態になることを予測して、事前に受験生やその保護者が対策を取れるようアナウンス、インフォメーションされましたか。文科
大臣、教えてください。