○
参考人(
緒形憲君)
株式会社高齢社の
緒形憲と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
それでは、
高齢社の
概要と
課題ということで
お話し申し上げますけれども、
皆様へ、何か今後のお
仕事上、国政にお役に立てることができれば大変幸いでございます。
それでは、
パワーポイントと、お
手元には弊社のパンフレット、そして
概要を書いたものと私の
プロフィール等がございますので、御覧いただければと思います。
パワーポイントの方で説明申し上げます。(
資料映写)
タイトルはこのようなことで、一人でも多くの
高齢者に働く場と
生きがいをという
会社でございますが、大変まだまだ小さい
会社であります。その辺についても御紹介いたします。
高齢社は、六十歳以上の
高齢の方を、定年を迎えてもまだまだ元気、気力、体力、知力があるのに家にいるというのはもったいないじゃないかということでつくった
会社でございまして、
上田研二、後ろにおりますけれども、
東京ガスのOBでございます、私もそうなんですけれども、二〇〇〇年の一月に創業いたしまして、ユニークな名前とちょっと変わった
仕事のやり方で始めておりまして、現在に至っております。
資本金は一千万円でございます。今、五億五千万ぐらい、昨年度決算ですが、本年度、今期三月は六億四千万ぐらいになるのではないかということで、
右肩上がりでおかげさまで成長してきております。
東京ガスさんのいろいろ御支援いただいておりますけれども、
資本関係はございません。
関係の
企業との取引が六割になっております。当初はもうほとんど、九五%
東京ガスさんのお
仕事でございました。
私どもで働いているのは、派遣という形で働いていただいております。
平均年齢、今は七十歳を超えているという形でございまして、今現在
就労率は四割ぐらいで、本社で働いている方は二十六名で、こちらは六十三歳でございます。
創業の
上田ですけれども、一九三八年生まれということで今年八十歳になります。進学を断念と書きましたけれども、いろいろ苦労されまして、
東京ガスの赤字の子
会社も立て直しまして、二〇〇〇年のときにこの
高齢社を起業いたしました。二〇〇二年には
関係会社ユメニティだとか、それから、パンフレット入れてありますけれども、
かじワンという
家事代行会社、この辺もつくって、
女性の
活躍支援も始めております。現在は
ユメニティという
社長、そこに専念しておりまして、
パーキンソン病でございましたので、いろいろ
身体障害者の
雇用拡大ほか取り組んでおります。いろいろやっておるというところで。
高齢社の
企業の
テーマでございます。こちらは、
基本方針としましては元気な
高齢者がたくさん働く
高齢社会、これはもうどうしたって
高齢社会になりますので、そういった方が活躍するというのはどうしても必要であるということが
基本にございます。
我々の社員は生き生きと明るく元気に働いておりまして、
目標、目的をきちんと定めて前進しておるわけでございます。我々の
目標というのは、
労働者活用の一翼を担って、
シニアの人が元気に安心して働ける
会社として存続して、
社会貢献に資するということを目指しております。
社会に必要な
仕事を確実、丁寧にしっかりやっていくということをビジョンとしてやっておりまして、現場で働く人、この皆さんを
中心に活動している、人本主義、
資本主義じゃなくて人が財産の
会社を目指しております。一人でも多くの
シニアの方に働く場と
生きがいを提供するというコンセプトでございます。
考え方、重ねて申し上げますけれども、
日本の都会では特に
人手不足、今現在本当に
人手が足らなくて困っておりまして、現役の
方々は時間外、休日出勤、休みも取れない、余裕がないということで、これを収拾しなきゃいけませんということで、政府でも働き方改革ということでいろいろ御検討されているというふうになっておりますが、一方で、
現実は定年した方が暇を持て余しているとか、経験がたくさんあるのに、気力、体力があるのにもったいないと。しかも、奥様の
生活リズムを乱している。俺の御飯はどうなっているのとか、どこ行くのというような実態があろうかと思います。そういった皆さんに
仕事をしてもらおうじゃないかということで、
上田が九〇年代に橋本龍太郎さんの講演を聞きまして、これからは
シニアの働く
時代が来るというような講演があったそうでございまして、なるほどということで起業、創業したと聞いております。
高齢者が活躍する
時代という到来があるので、労働者不足を補うのは、ちょっと大変失礼ですけれども、女、老、外、ロボット、ロボットというのはAIかもしれませんが、こういう
時代が到来しているということかと思っております。
私たちの事業の推移です。これ、二〇〇〇年が一番左でございます。ちょっと小さくて恐縮ですが、紙の
資料もございますので後で御覧いただければと思います。
最初は二十人、三十人で年商も一千万に満たなかったわけでございますが、
右肩上がりで人数そして売上高も増えてございます。これが二〇一六年で、二〇一七年では更にこの上、六億円を超えております。
こちらの次のグラフは、現在の登録されて働いている方でなくて、登録されている方の状況でございまして、ここは九百二十四人ですが、本日現在九百三十九人になっておりまして、どんどんどんどんおかげさまで増えてはいます。その
方々にお
仕事をどうやって提供していくかということを考えてやっているわけです。
このグラフを御覧いただくとお分かりいただけますように、六十から六十四歳はほとんどいないんです。我々の
会社では、ここは若手と呼んでいます。若手の人はこれしかいません。したがって、六十五歳以上の方が皆さん元気に働いているというのが実態でありまして、まさに六十五から六十九は働き盛り。そして、こちらにありますように、
就労率は四二%で、七十・三歳が働いている方の平均でございます。
働き方なんですけれども、どうやって働いているかということであります。条件は、今言ったように六十歳以上、中にはちょっとお若い方もいらっしゃいますけれども、七十五歳未満で定年退職された気力、体力、知力のある方、まあ前向きな方と書きましたけど、
基本的に
仕事を好きな方ですよね、
仕事に対してもう嫌だからしようがないとか、そういう方ではなくて、
仕事に
生きがいを求めてしっかりやっていく方、そういう方が我々に登録をしていただいております。
勤務形態なんですが、働く人の都合優先になっておりますので、どうしても、まあ九百人以上いますけれども、働いている方は四百人弱ということになります。週三日
程度の働き方で、
一つの
仕事をワークシェアということでやっていただいていまして、週四日は、残りの四日は御
自身のやりたいこと、旅行とか趣味だとか御家庭の用事だとか病院だとか、そんなボランティア等々、働きますので、お
仕事と
生活が非常にバランスよく保てて大変結構かなと思っております。
収入は八万—十万です。大体一日一万と思っていただければいいと思います。この辺もいろいろ問題、
課題がございます。本当はもっと欲しい人はもちろんいます。
生活のためには倍以上働かなきゃいけないんですが、そこまでやりますと、また後で申し上げますけど、いろんな、
社会保険制度に入らなきゃいけないとか、年金をまた払わなければいけない、又は年金が減らされるといったようなことがございまして、この辺が
課題と思っております。私どもは、毎月のお手当のほかに、年度末にある
程度の経常利益が出ます、それについては社員とそれから我々のスタッフで期末手当という形で分け合っております。
働いている方には定年
制度はございません。本人と、皆さんと働き先の皆さんの都合で、七十五歳以上で働いている方もいらっしゃいます。この辺も後で写真で御覧いただければと思います。ここには、また
一つ、今話題になっておりますけど、無期雇用、有期雇用という問題があります。これも本当は全然
シニアの方には余り
関係ないんですよね。でも、それが全て派遣ということで一からげになりまして適用されることになりますので、対応に
会社側としては苦労しております。
派遣の
事例等については、
東京ガス関係がおかげさまで今は六割ぐらいになりまして、いろんな
仕事がございます。これ、ちょっと後で写真で御覧いただきます。
東京ガス以外は三五から四〇になりました。これ、売上げベースでございまして、いろんな
仕事ございますので、これもちょっと後で御覧いただきます。
働く皆さんの様子は写真でこれから御紹介いたします。元気だから働くのではなくて、働くから元気ということで、皆さん頑張って働いていただいていると。
こちらは、
東京ガスライフバルさんというお店がございまして、こちらでガスメーターの閉栓ということで、自転車で、又はバイク等で皆さん元気にこうやってにこやかに働いています。
お
手元のパンフレットがございますけれども、このパンフレットに登場しているモデルは全部我々で働いている皆さんでありまして、にこやかに働いていただける様子がお分かりいただけるかと思います。
こちらの
仕事をしているのは、ライフバルのやはりお店で倉庫管理、倉庫のいろんな物品や製品、ガス器具等々を出し入れします。若い人が、朝来て、出し入れします、帰ってきます。そういうときに、いろんな、まだちゃんとできない人もいます、そういう人にきちっと注意をするというようなこともやっていただきまして、お店からは大変喜ばれておりますし、この真ん中の方はもう八十三歳になって、これ
最初から八十三じゃなくて、もちろん、二〇〇五年ぐらいから働いていて、いつの間にか八十三になったという山崎さんであります。
こちらの
仕事もライフバルさんのお
仕事で、これは制服をきちんと管理しているんですね。
東京ガスの制服というのは、お客さんの中に入れちゃうんです、自宅に入れてしまいます。したがって、それはきちんと管理をしなきゃいけません。ところが、若い社員はなかなか持って帰ったりしませんので、それはもうお店の中で洗いましょうと、管理もそんなに、そうすれば助かりますし、お互いにそれでいいでしょう、きれいな制服でお客さんも大変喜びますしということで、お店の中で一日六十着とかそういう数の制服を洗濯して、乾燥して、アイロン掛けをしていると、こういうお
仕事をしている方もいらっしゃいます。これは
女性の方ですね。
またこれもマンションの内覧会という
仕事で、年末だとか年度末に集中いたします。マンションは今大変首都圏で多くなっています。新築マンションで説明をするのに、ガスの床暖房ですとかサウナだとか新しい機器がございますので、それの説明をするというために一生懸命勉強をして、内覧会のために備えているということでありまして、こちらで一生懸命勉強した後、一杯やるというのも楽しみでやっておるという写真でございます。
これも創業当時からやっている
仕事でありまして、
最初はこの
仕事でやっていたわけです。ガス給湯器が、これもマンション等に付いておりますので、その性能を試験をいたします。現場に行って、湯沸器が朝行って性能が出ているかどうかを火を付けて測るということをやるわけですね。この
仕事も、若い方はなかなか
仕事を休日とかできませんので代わりに我々がやっておりまして、こんな研修会をやっております。
こちらはまた全然変わった
仕事でありまして、
東京ガスは、LNG、これ液化天然ガスですね、この右側にありますこういうローリーで三百六十四日、一日につき六台ぐらい、御殿場の工場に行き来しております。その受入れのとき、高圧ガス取扱主任という資格がないとこれは危険ですから、そのときに立ち会う必要がございますので、四人の方がワークシェアで毎日遠方まで行って立ち会っている
仕事でございます。七十五歳とかいう方も中にはいらっしゃいます。
これ、
東京ガス以外の
仕事であります。
東京ガスのライフバルさんでもやっていますけれども、機器修理等で家電のメーカーさんがお客様のところに行くときに、
東京都内ではどうしても次々にお客さんの時間が守らなきゃいけませんので、そこに車、なるべくお客さんのそばに置きたいんですね。駐車場に置いて、そして道具や部品を持っていってまた帰ってというと時間が掛かって仕方がありませんし、じゃということでお客さんの横に置きますと必ず駐車違反で捕まりますので、横に乗っているだけなんですけれども、こういった
仕事をいろんなお手伝いしながら
高齢の方がやっているという現場であります。ただ座っていればいいということではなくて、また多少のお手伝いもしますし、若い修理の方といろんな
お話をしながら、いろんな経験談やマナーの話とかいろいろされているということで、大変喜ばれております。もちろん余り重い器具を持ったりなんかというのはできませんから、その辺は逐次若いアルバイトの方を採用したりということでやっている
仕事でございます。
ということで、我々は
高齢者が元気に働く
社会の
実現を目指しておりまして、働けば元気になるということで、適度な緊張感と責任感が健康を維持いたしますので、健康寿命が延びます。そして、健康寿命が延びれば
社会保障費が軽減されて
現役世代の負担軽減に結実いたします。働く
高齢者が多くなれば消費も活性化されて税収も伸びるということでありまして、
高齢者が働きやすい環境づくりを進めて、
高齢者が働くことは特別じゃないというふうに変えていきたいと思っております。ただ、ここにはいろいろあって、こういうことが前提で働いているわけではありません。
次に、じゃ、働く方はどんなメリットがあるかということであります。これは、もう簡単に申し上げますけど、週の中で働く場所があるということは今日行くところ、今日用があるということでありまして、教養、教育ではなくて行く場所、用があるということであります。これはもう本当に切実でありまして、定年になったらいろいろできるなと言っているんですけれども、しばらくいたしますとこれでいいのかなと。じゃ、お金が掛からない居場所はどこかというと、なかなかそこには、いつも図書館は、昔は受験生ですけど今は
シニアの方でいっぱいであります。今日行くところも、いろんな趣味、行けばお金が掛かりますので、ばかにならない交通費ということでありまして。また、本当に大事なのは奥様との
生活、もうどうしても二人の
生活になりますので、こういった旦那の面倒をずっと見ている、一日中、三百六十五日見ていくのもなかなか大変かなということでありまして、八割近い奥様が働いているのを喜んでいるということで、亭主元気でやっぱり留守がいいのかなと。そして、三日
程度でございますし、ワークシェアリングでありますので、その残りの四日間はいろんなことができますので、そして、その費用というのは
会社で働くことで得られますし、
会社、家庭でも感謝されますし、つながりがあって頼られて期待されてと。役立つ喜び、達成感もあると、
自分に収入があるということでございまして、八万—十万ではありますけれども、現役
時代のお小遣い三万円
程度かなと思えば、それに比べてずっと高いということは言えるのではないかと思います。
じゃ、お客様と
高齢社のメリットなんですけれども、こちらも、派遣のメリットということなんですけれども、期間変動に対応できます。労務管理も軽減できます。コストも社員よりは安いと。即戦力です、これが大きいと思いますね。人生の先輩ということでいろんなアドバイスもできると。
我々のメリットなんですけれども、これは本当に皆さんが真摯に働いていただいておりますので、この真摯に働いていることが信用につながって、そして次の
仕事増えていくということで、どんどんどんどん今はおかげさまで
仕事が増えているのかなと、本当にこれは実感しております。派遣の方、そして派遣先からも感謝されるということが我々の大きな喜びであります。高い評価が次の御用命につながっております。口コミでいろいろ業容拡大しております。
社会奉仕をしておりますので、まあそういうこともあるかなと思っております。
課題を
最後に申し上げて、終わりにしたいと思います。
やはり、
高齢者ゆえの健康問題がございます。これは日頃、管理をしなきゃいけませんので、我々も健康チェックは必ずしてくださいねということはしております。
それから、マッチングはやはり難しいです。内容といろいろ適合しなきゃいけませんし、いろんな条件も必要なお
仕事もございます。それから、
自分の都合があります。
あと、登録者の確保も問題ございます。
あと、一番大きいのは認識のずれでありまして、こんな年寄りが働けるのということがありますので、どうしてもそこは変えていきたいなと思っております。
あと、法規制です。これは
社会保険の問題、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、どうしても長く働いて週何時間、三十時間とか働きますと
社会保険に入らなきゃいけなくなりますので、そこは負担が増えます。それから、無期転用の話もちょっと申し上げましたし、あと有給休暇や在職老齢年金、これも働けば働くほど給料増えますと厚生年金は減らされるということがございます。
あとは再掲になりますので、いろいろ書いてございますが、御
参考にいただければと思っております。
以上で私の方の説明を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。