○山川
委員 立憲民主党・市民クラブの
山川百合子でございます。
初めての国会での、外務
委員会での
質問となります。
河野大臣におかれましては、二十年ほど前になるかと思うんですが、私がNGOでスタッフとして国内外で支援活動に携わっていた際に、非常に、NGOの活動についての
重要性とか、ODAとそしてNGO
予算の課題とか、いろいろなことで御理解をいただいて、御支援もいただいてきたわけであります。また、
河野大臣が
大臣に就任されて、NGOの
関係者からの期待も大変大きいですので、どうぞよろしく
お願いいたします。
そして、きょうは、私にとりましては最初の
質問ですから、非常に基本的なことも含めて、
大臣の御見解や取組などについて伺っていきたいというふうに思っています。
まず最初に、
河野大臣の日米同盟のさらなる
強化ということについて、どのように図っていくかということについてお伺いをしたいというふうに思います。
施政方針演説の中で、まず初めに挙げられているのは日米同盟の
強化、首脳間に加えて外相間でも緊密に連携し、日米同盟の一層の
強化を図っていきますというふうにおっしゃられております。
実は、私、昨年の特別国会の際にはここで
質問する
機会はなかったんですが、
質問主意書の方で、初めての
質問ということで、非常にシンプルな
質問で、日米同盟というのはいつ始まったんですかというような
質問主意書を出させていただいたところ、そのお答えは、回答するのは困難ですというような趣旨の非常にそっけない、つれないお答えでございました。
そこで、改めてここで日米同盟について伺っていきたいというふうに思います。
条約が存在しているのは日英同盟であります。これは、一九〇二年、明治三十五年の一月三十日に第一次日英同盟
条約が署名され、即日発効されました。これは、当時の大英帝国が唯一他国と
締結した軍事同盟であり、その二年後の一九〇四年に日露戦争が勃発をしています。
これに対して、日米同盟という
条約は存在をしておりません。日米同盟の根幹は日米安全保障
条約であり、しかし、それはしばしば片務性の課題、問題が
指摘されて、かつては単に日米
関係とか日米安保
体制などと言われてきたわけであります。双務性によって成り立つはずの日米同盟とは表現されてきませんでした。
しかし、いろいろ調べてみますと、日米同盟というのが公式に言及されたのは、一九八一年、昭和五十六年五月八日に発表された
鈴木善幸首相とロナルド・レーガン
大統領による共同声明の中のようでありました。そして、この共同声明の中で、「日米両国間の同盟
関係」という表現で初めて日米同盟が公式に言及されているようであります。そして、当時は、この
言葉が使われたことで、国会においても、あるいは社会全体においてもかなり
議論になりました。
更に調べてみたところ、首相の施政方針演説で初めて日米同盟という
言葉が使用されたのは、調べてみたところ、一九九一年、海部内閣によって、我が国の安全にとって必要な節度ある
防衛力の整備を進めていくことは、日米同盟を将来に向かって
強化するための不可欠の前提でありますと一回だけ述べられています。このときの文脈としては、
防衛力の整備という文脈の中で言及されているわけであります。
以降、ちょっと細かくはなりますが、
平成三年に述べられた後、施政方針演説で出されたのは、時代が随分あいて、
平成十三年森内閣が一回、また少しあいて、十七年に
小泉内閣が二回、ずっと毎年、一回、二回、四回のときもありますが、毎年毎年述べられて、そして、安倍内閣でも同様に言及されて、今年度の施政方針演説では四回の言及をされておられます。
この十七年間にわたって使われてきた日米同盟という
言葉が、その使われるコンテクストを見てみると、必ずしも軍事同盟としてのみ言及されているわけではないようでありまして、例えば
平成十三年の
外交演説において、
河野大臣のお父上であられる
河野洋平
大臣もこのようにおっしゃっていらっしゃいます。「自由、民主主義といった価値を共有する日米の緊密な
関係は、アジア太平洋
地域の平和と安定に大きな役割を果たしてきました。我が国としては、日米同盟
関係の
強化に積極的な
アメリカ新
政権との間で、あらゆる問題について十分な政策対話を行ってまいります。」と、単に軍事同盟と捉えるのではなく、より大きな
外交的視野で述べていらっしゃいます。
先日、
河野大臣が行われた
外交演説においても、同様に、
河野大臣は、「
地域と国際社会の平和と繁栄を主導する日米同盟の揺るぎない絆を
世界に示すことができました。外相間でも緊密に連携し、日米同盟の更なる
強化を図っていきます。」と述べておられます。
つまり、日米同盟というのは、軍事同盟という側面だけではない。私は、戦争というのは
外交に失敗した結果である、戦争は
外交に失敗した結果なのだというふうに思っています。そうであるならば、戦争を回避するための
外交努力は何よりも大切であり、日米同盟が果たすべき非軍事的オプション、非軍事的スキームが大変重要だというふうに思っています。
しかし、安倍首相がことしの施政方針演説で四回ほど述べられているんですけれども、そのコンテクストは四つあると思いまして、自衛隊の
アメリカの艦艇と航空機
防護、
北朝鮮情勢、
外交、安全保障の基軸、
抑止力といった、軍事同盟として日米同盟を捉える文脈で発信されているというふうに思えるわけであります。
そこで、ここで
河野大臣に伺いたいんですけれども、まず、
河野大臣の日米同盟とは何かという御見識をお聞かせいただきたいと存じます。