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国務大臣(
麻生太郎君) この紙にもありますように、九七年、八年、いわゆるアジア通貨危機というのが御存じのように発生するんですけれども、このときにいわゆる
金融庁というのが、
金融監督庁だったかな、最初は
監督庁として九八年にスタートをして、その後、
金融庁と名前を変えたのが二〇〇〇年かな、そんなものだと記憶をするんですが、いずれにしても、これがスタートしたのは、いわゆる財金分離とかいろいろな当時の中で、銀行の不良
資産等々というのはこれは膨大なものがあって、あのときは
金融国会とかいろんなことを言われた時代でもあったんですが。
そういう歴史的な流れの中で、とにかく
金融庁というのは、銀行の倒産というのをとにかくきちんとあらかじめやっておかぬといかぬと。なぜなら、都市銀行でいえば北海道拓殖銀行が最初でしたかね、拓殖銀行が倒産して、その後、翌年、長銀が倒産、日本
債券信用銀行も倒産、証券会社も三洋だ山一だと、大きなところが結構倒れておりますので。そういったところでは、とにかく貸出しの厳格ないわゆる
資産の査定をやるとか、規制の
状況というものの確認とかいったものを中心とする
検査監督ということで、不良債権の問題をきちんと克服するというのを最大限の
目標としてやらせていただいて、それなりの成果を上げたんだと思いますね、私は。
問題はありましたよ、ありましたけれども、日本が一番これ成功していますから、他の国に比べても。その
意味においては、もっと早めにやればもっとよかったと、安く済んだと、私はそう思っていますけれども、結果として、当時の与野党の関係でああいうことになってあそこへ落ち着いた、曲がりなりの結論は出てそれなりの成果は出したんだと、私はそう思っております。
そういった
意味で、これなりに成功したんですが、これを今ずっとそのまま継続しておるということになりますと、例えばこの担保とかいわゆる保証とか、個人保証とか、そういったものを必要以上に重視するという方向を取っていると、それなりの副作用というのが出てくるのは当然のことなのであって、そういった
意味では、今は
状況が、
金融が逆に、資金需要が余って、史上空前、
金利も全然付かないというような
状況で超低
金利時代になっている中に、人口減少なんという地域格差がありますので、東京は集中して増えておる、どこも増えておる、福岡も増えていますけれども、そういった中で地域格差が出てきますので、そういった
意味では、これは地域の銀行等々においては
金融機関の創意工夫を促していく必要があると。そうしないと、これ多分、地域銀行では地域銀行の統廃合というようなことが急激に起こりかねぬ。それがどういう
影響を与えるか等々のことを
考えて、これは
処分庁のイメージから、だったものを育成庁に変えていくんだということを五年前に申し上げたんですけれども、それを有識者の方々に、この
検査監督というものの
金融庁が目指すべき方向というのは今までの方向とは当然違うのであって、それに合わせてやっていくべきというので御
議論をいただいて、今年の三月でしたかに
報告書を取りまとめていただいたところです。
これの中に、今御
指摘のありましたように、規制を形式的にいわゆる遵守しているとか、そういったことよりも、実質的に良質な
金融サービスをいわゆる提供しているかという点を、もっと重要なのではないかなどの新しい
検査とか
監督の方向性とか、またマニュアルの抜本的な見直しというのをやらないとちょっと問題ではないのかということを、具体的な課題で挙げてもらいたいという御提言をいただいております。
今後、この
報告書を踏まえて、
金融庁自身の
考え方を公表した上で、関係者というか
金融関係、もちろん借りておられる方々の、利用者の方々等の話を伺いながら、今後具体的な方向を更に進めてまいりたいと
考えております。