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2017-03-01 第193回国会 衆議院 文部科学委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日平成二十九年一月二十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。    委員長 永岡 桂子君    理事 上川 陽子君 理事 亀岡 偉民君    理事 前田 一男君 理事 宮川 典子君    理事 山本ともひろ君 理事 坂本祐之輔君    理事 長島 昭久君 理事 富田 茂之君       青山 周平君    安藤  裕君       池田 佳隆君    尾身 朝子君       大串 正樹君    門山 宏哲君       神山 佐市君    工藤 彰三君       小林 史明君    櫻田 義孝君       下村 博文君    田野瀬太道君       谷川 とむ君    冨岡  勉君       馳   浩君    福井  照君       船田  元君    古田 圭一君       松本 剛明君    太田 和美君       菊田真紀子君    高木 義明君       平野 博文君    牧  義夫君       笠  浩史君    樋口 尚也君       吉田 宣弘君    大平 喜信君       畑野 君枝君    伊東 信久君       吉川  元君 平成二十九年三月一日(水曜日)     午後零時十分開議  出席委員    委員長 永岡 桂子君    理事 上川 陽子君 理事 亀岡 偉民君    理事 前田 一男君 理事 宮川 典子君    理事 山本ともひろ君 理事 菊田真紀子君    理事 坂本祐之輔君 理事 長島 昭久君    理事 富田 茂之君       あべ 俊子君    安藤  裕君       今枝宗一郎君    岩田 和親君       尾身 朝子君    大串 正樹君       門山 宏哲君    神山 佐市君       工藤 彰三君    小林 史明君       櫻田 義孝君    下村 博文君       田野瀬太道君    谷川 とむ君       中谷 真一君    馳   浩君       福井  照君    松本 剛明君       宮路 拓馬君    太田 和美君       高木 義明君    平野 博文君       牧  義夫君    笠  浩史君       樋口 尚也君    吉田 宣弘君       大平 喜信君    畑野 君枝君       伊東 信久君    吉川  元君     …………………………………    文部科学大臣       松野 博一君    国務大臣    (東京オリンピック競技大会東京パラリンピック競技大会担当)       丸川 珠代君    文部科学大臣      義家 弘介君    文部科学大臣    兼内閣府副大臣      水落 敏栄君    文部科学大臣政務官    樋口 尚也君    文部科学大臣政務官    兼内閣大臣政務官    田野瀬太道君    文部科学委員会専門員   行平 克也君     ————————————— 委員の異動 一月二十七日  辞任         補欠選任   冨岡  勉君     あべ 俊子君 三月一日  辞任         補欠選任   青山 周平君     今枝宗一郎君   池田 佳隆君     岩田 和親君   船田  元君     中谷 真一君   古田 圭一君     宮路 拓馬君 同日  辞任         補欠選任   今枝宗一郎君     青山 周平君   岩田 和親君     池田 佳隆君   中谷 真一君     船田  元君   宮路 拓馬君     古田 圭一君 同日  理事坂本祐之輔君同日理事辞任につき、その補欠として菊田真紀子君が理事に当選した。     ————————————— 一月二十日  公立義務教育学校学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案平野博文君外三名提出、第百八十九回国会衆法第三四号)  幼児教育振興法案河村建夫君外四名提出、第百九十回国会衆法第五〇号)  チーム学校運営推進等に関する法律案福井照君外五名提出、第百九十回国会衆法第五九号) 二月十四日  専任・専門・正規の学校司書の配置に関する請願赤嶺政賢君紹介)(第一号)  同(池内さおり紹介)(第二号)  同(梅村さえこ君紹介)(第三号)  同(笠井亮紹介)(第四号)  同(斉藤和子紹介)(第五号)  同(志位和夫紹介)(第六号)  同(清水忠史紹介)(第七号)  同(島津幸広紹介)(第八号)  同(田村貴昭紹介)(第九号)  同(高橋千鶴子紹介)(第一〇号)  同(藤野保史紹介)(第一一号)  同(堀内照文紹介)(第一二号)  同(真島省三紹介)(第一三号)  同(宮本徹紹介)(第一四号)  同(岸本周平紹介)(第三六号)  同(照屋寛徳紹介)(第一〇〇号)  教育費負担公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願平野博文紹介)(第三八号)  同(田島一成紹介)(第一〇五号)  同(うえの賢一郎紹介)(第一〇六号)  同(黄川田徹紹介)(第一〇七号)  国の責任による三十五人以下学級の前進、教育無償化教育条件改善に関する請願荒井聰紹介)(第六二号)  学費負担大幅軽減私大助成増額に関する請願佐々木隆博紹介)(第八四号)  同(中村裕之紹介)(第八五号)  同(松木けんこう君紹介)(第八六号)  大幅な私学助成増額に関する請願馬淵澄夫紹介)(第一〇四号)  教育費負担公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育に関する請願(吉良州司君紹介)(第一五〇号) 同月二十四日  国の責任による三十五人以下学級の前進、教育無償化教育条件改善に関する請願逢坂誠二紹介)(第一五四号)  同(高井崇志紹介)(第二七一号)  学費負担大幅軽減私大助成増額に関する請願今津寛紹介)(第一七〇号)  教育費負担公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願赤嶺政賢君紹介)(第一八七号)  同(中村喜四郎紹介)(第一八八号)  同(石川昭政紹介)(第二一三号)  同(神谷昇紹介)(第二一四号)  同(三原朝彦紹介)(第二一五号)  同(岩田和親紹介)(第二二一号)  同(大西宏幸紹介)(第二二六号)  同(小林史明紹介)(第二二七号)  同(津島淳紹介)(第二七〇号)  同(玉木雄一郎紹介)(第三〇二号)  どの子にも行き届いた教育実現のため、教育予算増額を求めることに関する請願赤嶺政賢君紹介)(第一九二号)  同(池内さおり紹介)(第一九三号)  同(梅村さえこ君紹介)(第一九四号)  同(大平喜信紹介)(第一九五号)  同(笠井亮紹介)(第一九六号)  同(穀田恵二紹介)(第一九七号)  同(斉藤和子紹介)(第一九八号)  同(志位和夫紹介)(第一九九号)  同(清水忠史紹介)(第二〇〇号)  同(塩川鉄也紹介)(第二〇一号)  同(島津幸広紹介)(第二〇二号)  同(田村貴昭紹介)(第二〇三号)  同(高橋千鶴子紹介)(第二〇四号)  同(畑野君枝紹介)(第二〇五号)  同(畠山和也紹介)(第二〇六号)  同(藤野保史紹介)(第二〇七号)  同(堀内照文紹介)(第二〇八号)  同(真島省三紹介)(第二〇九号)  同(宮本岳志紹介)(第二一〇号)  同(宮本徹紹介)(第二一一号)  同(本村伸子紹介)(第二一二号)  同(大平喜信紹介)(第三〇三号)  教育費負担公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願篠原孝紹介)(第二二〇号)  教育費負担公私間格差をなくし、行き届いた教育を求めることに関する請願荒井聰紹介)(第二九九号)  同(伊東良孝紹介)(第三〇〇号)  同(松木けんこう君紹介)(第三〇一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  文部科学行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 永岡桂子

    永岡委員長 これより会議を開きます。  理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事坂本祐之輔君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 永岡桂子

    永岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 永岡桂子

    永岡委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事菊田真紀子君を指名いたします。      ————◇—————
  5. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  文部科学行政基本施策に関する事項  生涯学習に関する事項  学校教育に関する事項  科学技術及び学術振興に関する事項  科学技術研究開発に関する事項  文化芸術スポーツ及び青少年に関する事項 以上の各事項につきまして、本会期調査をいたしたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 永岡桂子

    永岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  7. 永岡桂子

    永岡委員長 文部科学行政基本施策に関する件について調査を進めます。  文部科学大臣から所信を聴取いたします。松野文部科学大臣
  8. 松野博一

    松野国務大臣 第百九十三回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。  まず、内閣府再就職等監視委員会の調査によって明らかとなった、文部科学省の職員が再就職に関する国家公務員法の違反行為を行ったこと、さらにその隠蔽を図ったことにつきまして、国民の皆様の文部科学行政に対する信頼を著しく損ねたことを心よりおわびを申し上げます。  このたびの件について、省として猛省し、このような事態が二度と生じないよう、全容の解明と再発防止策の構築に全力で取り組みます。私のもとに再就職等問題調査班を設置し、弁護士や公務員制度等の有識者の指導、判断のもとで調査方針調査方法を決定し、再就職等監視委員会に対して調査方針等を逐次報告しつつ、これら有識者が参画したヒアリング等を通じて徹底した調査を進めてまいります。二月二十一日に中間まとめを公表したところであり、三月末を目途に最終報告をまとめることとしています。再就職等問題の全容を解明し、調査結果に基づき厳正な処分を行ってまいります。  法令を遵守すべき公務員の組織においてこのような事態を招いたことはまことに遺憾であり、重ねて深くおわびを申し上げますとともに、省全体を挙げて信頼の回復に努めていく所存です。このような反省の上に立って、文部科学行政のさらなる推進に全力を尽くしてまいります。  現在、安倍内閣においては、一億総活躍の旗をさらに高く掲げ、未来を切り開き、内閣一丸となって未来への責任を果たしていくことを最大の使命としています。文部科学省が行う教育再生科学技術イノベーションスポーツ、文化の振興は、未来への先行投資そのものです。  こうした基本認識のもと、何よりも重要なことは、学校、研究所等の現場の環境づくり、現場力を高めていくことだと考えます。そのために必要なのは、具体化と決断です。次期学習指導要領を告示として具体化し、それを学校現場に浸透させなければなりません。あわせて、教育に直接携わる教職員の定数改善業務適正化を着実に実行します。研究現場に活力をもたらすために、産学官連携基礎科学力の強化に向けた具体策を示します。また、一億総スポーツ社会の実現を目指した第二期スポーツ基本計画を策定するとともに、文化庁の本格移転に先駆けて機能強化を図り、費用負担のあり方についても決断していかなければなりません。  一億総活躍社会をさらに推し進める上で、特に、障害のある子供が、学齢期に充実した特別支援教育を受けるのみならず、就学前や卒業後も含めたその一生を通じて、みずからの可能性を追求できる環境を整え、地域の一員として豊かな人生を送ることができるようにすることが重要です。このため、特別支援教育の生涯学習化を進めます。具体的には、障害のある方の生涯を通じた学びを支援する観点から、文部科学省の実施するさまざまな施策を改めて見直すとともに、福祉、保健、医療、労働等の関係部局と連携した進学、就職を含む切れ目ない支援体制の整備やインクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育、障害者のためのスポーツ、文化の振興等に総合的に取り組みます。  さらに、安倍内閣が最大のチャレンジとして位置づける働き方改革の実現に向け、高校中退者や女性、非正規で働く方を含め、誰もが柔軟に学び直すことで、転職、再就職を初め、雇用環境の変化に対応できるよう、必要な取り組みを進めます。また、地方創生に向け、地方大学の振興などの取り組みを進めます。  東日本大震災や平成二十八年熊本地震については、就学支援児童生徒の心のケア、学習や学校再開への支援等を初め、復興を支える人材育成、大学、研究機関による地域再生への貢献、学校施設や文化財の復旧など、被災者の心に寄り添った復興をさらに加速します。また、原子力損害賠償についても万全を期すとともに、除染や廃炉に関する研究開発人材育成を着実に進めます。さらに、原発事故の避難者を初めとする東日本大震災により被災した児童生徒に対するいじめについては、関係機関とも連携して必要な取り組みを行ってまいります。  教育再生は、安倍内閣の最重要課題の一つです。全ての子供たちが夢に向かって頑張ることができるよう、教育再生実行会議のこれまでの提言を踏まえ、教育再生の実現に向けて必要な施策を推進するとともに、学校、家庭、地域の役割分担と教育力の充実、子供たち自己肯定感が低い現状を改善するための環境づくりについて、引き続き検討を行ってまいります。  我が国の将来を担う子供たちが、自他のかけがえのない価値を認識しながら、協働し、さまざまな分野に積極的に挑戦し、自分の可能性を高めることが大事です。子供たちの現状を見ると、学力については世界でもトップクラスであり、全国学力学習状況調査においても学力の底上げが図られています。一方、諸外国に比べると、自己を肯定的に評価する子供の割合が低いことから、その要因分析や対応策の検討を進めます。  将来に向けて、我が国が成長、発展を持続するためには、一人一人の能力や可能性を最大限に引き出し、多様な個性を伸ばす教育が不可欠です。家庭の経済事情にかかわらず、誰もが能力に応じて大学を初めとする高等教育機関で希望する教育を受けられるよう、昨年末、我が国初となる給付型奨学金を平成二十九年度政府予算案として取りまとめました。本年四月からの先行実施に向けて、今国会で所要の法整備を行うための準備を進めるとともに、無利子奨学金の大幅な充実などとあわせた政策パッケージ高等教育進学サポートプランを実行してまいります。  また、学校が複雑化、困難化する教育課題に適切に対応していくためには、教職員定数の改善など学校の指導、運営体制の強化とともに、地域住民との連携、協働を含めた学校運営の改善により、学校の機能強化を一体的に推進することが重要です。このため、障害のある児童生徒日本語能力に課題のある児童生徒への特別の指導を担当する教職員の基礎定数化学校事務体制の強化、学校と地域の連携、協働の促進を柱とした法整備を行うための準備を進めます。  このほか、幼児教育無償化段階的推進高校生等奨学給付金の充実など、幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育費負担軽減を図るとともに、私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業を新たに実施します。  急激な時代の変化に対応できる人材育成が求められている中、学校教育における現場力を高めるための教員の資質向上を図ることが必要であり、さきの教育公務員特例法等の改正を受け、教員養成、採用、研修の一体改革を着実に進めます。  教員の資質向上とあわせ、学校指導体制の充実のため、さきに述べた基礎定数化のほか、平成二十九年度政府予算案において、小学校の専科指導やいじめや不登校への対応などに必要な加配定数の充実を図ります。  また、教員の授業改善や子供と向き合う時間を確保し、教員一人一人が力を発揮できるよう、教員の行う業務の明確化や事務の効率化についての実践研究や休養日の設定等の部活動の適正化、国、教育委員会支援体制の強化を通じて、長時間労働の是正など、教員の働き方改革に取り組みます。  新しい時代に求められる資質、能力を子供たちに育むため、教育が普遍的に目指す根幹を堅持しつつ、社会の変化を柔軟に受けとめていく、社会に開かれた教育課程の実現に向けて、年度内に幼小中の学習指導要領の改訂を行ってまいります。  質の高い幼児教育の提供、教育の情報化、学校図書館整備充実道徳教育の充実、いじめや不登校への対応、多様な場で学ぶ子供への支援、夜間中学の設置促進、家庭教育支援の充実などにしっかりと取り組みます。  また、指導体制の充実を通じた学力課題解消へ向けた取り組み福祉機関との連携強化地域未来塾による学習支援、地域における読書・体験機会の提供など、子供の貧困対策を推進します。  今後さらに加速していくグローバル社会を見据え、外国語教育在外教育施設における教育、外国人児童生徒等への教育、高等学校、大学等における留学生交流のさらなる充実、日本型教育海外展開、持続可能な開発のための教育、国際バカロレアG7倉敷宣言を踏まえた新時代の教育のための国際協働などを推進します。  学校施設は、子供たちの学習、生活の場であり、その安全性、機能性の確保は不可欠です。加えて、災害時には避難所としても重要な役割を果たすことから、耐震化、老朽化対策を中心とした教育環境の整備を推進します。  知識、技能、思考力、判断力、表現力等の能力、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度といった学力の三要素を育成するため、高等学校教育大学教育及び大学入学者選抜を一体的に改革する高大接続改革取り組みます。  大学は国の知的基盤です。グローバル人材の養成、指定国立大学法人による国際競争力の強化、地方創生を担う人材育成イノベーション創出のための教育研究力強化高等専門学校専修学校等における教育の充実に取り組みます。このためにも、国立大学法人運営費交付金施設整備費補助金私学助成など基盤的経費を安定的に確保し、改革を進める大学を重点的に支援します。  さらに、すぐれた専門技能等をもって新たな価値を創造することができる専門職業人材を養成する専門職大学を制度化するため、今国会において所要の法整備を行うための準備を進めます。  これらの教育再生に向けた取り組みを着実に実現するため、必要な財源を確保しつつ、教育投資の充実に努めてまいります。  我が国が将来にわたって成長と繁栄を遂げるためのかなめは、科学技術イノベーションです。第五期科学技術基本計画に基づき、世界で最もイノベーションに適した国を目指します。基本計画で掲げる政府研究開発投資目標の達成に向け、科学技術予算の確保に努めます。  大隅良典東京工業大学栄誉教授が、昨年十二月、ノーベル生理学・医学賞を受賞されました。また、森田浩介理化学研究所グループディレクターらの研究グループが発見した百十三番元素の名称が、昨年十一月にニホニウムに決定しました。先生方の業績に心からの敬意を表したいと思います。日本人による三年連続のノーベル賞受賞アジア初の新元素命名は、我が国の高い科学技術水準を世界に示すとともに、大きな誇りと励みになるものです。  大隅先生が指摘されているように、知の基盤である学術研究基礎研究は極めて重要であり、今後とも、長期的な視点に立って、確実に支援してまいります。また、研究環境向上のため、研究施設・設備の整備等に取り組むとともに、特定国立研究開発法人を初めとする国立研究開発法人を中核として、世界最高水準研究活動等を進めます。  科学技術イノベーションを担い、未来を切り開くのは人材です。国際的な頭脳循環の進展も踏まえ、すぐれた若手研究者の育成、確保や、スーパーサイエンスハイスクール等を通じた将来を担う人材の育成、女性研究者の支援等に取り組みます。  人材、知、資金の好循環システムの構築に向けて、オープンイノベーション共創会議を開催し、組織対組織の本格的な産学官連携ベンチャー創出起業家育成機能の強化など、オープンイノベーションの加速に向けた改革方策の検討を進めます。また、地域科学技術イノベーションや革新的・挑戦的な研究に関する取り組みを進めます。  第四次産業革命等の情勢変化が急速に進む中、我が国は、世界に先駆けて、ソサエティー五・〇を実現する必要があります。その鍵となる人工知能、ビッグデータ等研究開発を強化するとともに、ポスト「京」などの情報科学技術や我が国が強みを持つナノテクノロジー・材料等の研究開発を進めます。  再生医療感染症等研究開発、地震、津波等の防災・減災に関する研究開発、環境・エネルギーに関する研究開発ITER計画等核融合研究などを進めます。  さらに、H3ロケットを初めとする基幹ロケットの開発など宇宙・航空分野の研究開発や、海洋・極域に関する研究開発など、国主導で取り組むべき基幹技術に関する研究開発を推進します。  「もんじゅ」については、昨年十二月に開催された原子力関係閣僚会議において「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針が決定され、原子炉としての運転は再開せず、今後、廃止措置に移行し、あわせて将来の高速炉開発における新たな役割を担うよう位置づけることとされました。今後は、安全確保に着実に取り組みつつ、地元自治体の十分な理解を得た上で、本方針に基づく作業を進めてまいります。  スポーツには、体を動かして楽しむだけでなく、人を夢中にさせ、感動させる魅力があります。また、文化は、我が国のアイデンティティーを形成する源であり、世界に誇る重要な資源です。  本年四月から開始する第二期スポーツ基本計画に基づき、スポーツの価値を生かした取り組みを進めてまいります。  昨年のリオデジャネイロ・オリンピックパラリンピック競技大会では、多くの日本人選手が活躍しました。二〇二〇年東京大会や二〇一九年ラグビーワールドカップ等に向け、さらなる国際競技力向上を図るとともに、ドーピング対策を加速させます。さらに、新国立競技場を着実に整備します。  文化芸術資源を掘り起こし、その魅力を国内外に発信する文化プログラム全国展開を通じ、文化による国づくりオールジャパンで推進します。さらに、東京大会のレガシーとして、共生社会を実現するために、二〇二〇年に全国の特別支援学校で、スポーツ、教育、文化の全国的な祭典を開催します。  また、スポーツ成長産業化を通じたGDP拡大への貢献、障害者スポーツの振興、学校体育の充実、スポーツを通じた健康増進、地域活性化国際協力、貢献等に取り組みます。  文化は伸び代のある分野であり、伝統文化から漫画、アニメまで幅広い文化芸術の振興や、日本遺産等文化資源を活用した地域活性化観光振興により、GDPの拡大に貢献します。さらに、デジタルネットワーク化の進展に対応した著作権制度の整備等に取り組みます。  文化庁の京都移転については、新たな政策ニーズへの対応に必要な機能強化を図りつつ、着実に実行してまいります。  私としては、文部科学行政全般にわたり、信頼の回復に努めつつ、現場第一の姿勢で、諸課題の解決に全力で取り組む考えです。  引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしく申し上げます。
  9. 永岡桂子

  10. 丸川珠代

    ○丸川国務大臣 二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック競技大会を担当する国務大臣として、私の所信を申し上げます。  二〇二〇年東京大会の開催まで三年となった今、大会の成功に向けては、開催都市である東京都や、大会の計画、運営及び実行に責任を持つ組織委員会、競技会場が存在する関係自治体等と緊密に情報を共有し、連携しつつ、それぞれの役割をしっかり果たし、着実に取り組みを進めていく必要があります。  政府においては、一昨年に閣議決定した基本方針に基づいて、各府省庁の関連施策を一体として確実に実行し、オールジャパンでの取り組み推進するために必要な措置を講じてまいります。そのために関係大臣等と緊密に連携し、大会の円滑な準備及び運営に関する施策の総合的かつ集中的な推進を加速させるとともに、その進捗管理に取り組んでまいります。  東京大会を日本全体で盛り上げ、世界じゅうの多くの人々が夢と希望を分かち合える歴史に残る大会とするとともに、世界の注目が日本に集まる機会を捉え、復興五輪として、震災復興の後押しとなるよう、聖火リレーや被災地での試合開催など、被災地や関係機関連携を進め、東日本大震災の被災地が見事に復興をなし遂げた姿を世界へ向けて発信できるよう取り組んでまいります。  パラリンピック開催は、日本人障害者に対する意識を大きく転換するチャンスであり、これまでにない最高の環境を整え、世界じゅうの皆様に感動と勇気を届ける大会といたします。大会を契機として、ユニバーサルデザインに基づく町づくりと、教育などを通じた心のバリアフリーを全国的に展開し、障害の有無等にかかわらず、お互いの人権や尊厳を大切にし支え合い、誰もが生き生きとした人生を享受できる共生社会実現を目指して、障害当事者参画のもと、ユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画に定めた施策実現推進してまいります。  昨今、海外においてテロ事件が続いており、テロ情勢は非常に厳しい状況になっております。また、サイバー攻撃は、一層複雑化、巧妙化しており、その脅威は深刻化しております。東京大会の成功のためには、セキュリティーの万全と安全、安心の確保が必須であることから、サイバーセキュリティー対策、テロなど組織犯罪への対策の強化など、あらゆる対策を講ずる努力を行ってまいります。  また、防災対策による安全、安心、経済活動への影響に配慮した輸送の円滑化、CIQの体制強化など外国人旅行者の受け入れの推進などのため、関係大臣等と連携協力し、オールジャパンで大会成功に向けて施策を着実に進めてまいります。  東京大会は、スポーツの祭典のみならず文化の祭典でもあります。二〇二〇年以降を見据え、全ての人が参画できる社会に向け、多言語対応やバリアフリー対応など、企業等の行動に変革を促すため、ビヨンド二〇二〇プログラムを統一的なマークのもとで全国展開するとともに、試行プロジェクトの実施を通じた課題の抽出、普及促進を図ってまいります。  また、東京大会には多くの外国人が訪日することが見込まれることから、これを契機として、日本の魅力を発信するため、選手村における日本食の提供や国産食材の活用に加え、多様な食文化への対応等の推進、競技会場における木材利用の推進などについて、関係大臣等と連携して取り組んでまいります。  東京大会を日本全体の祭典とするため、大会参加国・地域と人的、文化的、経済的交流を行う地方自治体をホストタウンとして登録し、大会成功に向けた機運を高めるとともに、地域活性化観光振興等へつなげてまいります。  そして、外国人観光客への道案内や、障害者、高齢者等を支援する意思を持つ人々が、全国統一のマークを着用し、サポートの輪を広げていく仕組みを創設してまいります。  東京大会は暑さが厳しい時期に開催されるため、アスリート、観客が過ごしやすい環境整備することは極めて重要となります。ソフト、ハード両面にわたり、しっかりとした対策を講じてまいります。  受動喫煙対策の徹底については、競技会場及び公共の場における受動喫煙防止対策を関係大臣連携しつつ強化してまいります。  新国立競技場については、一昨年八月に策定した新国立競技場整備計画に基づき、昨年一月には事業者との設計委託契約を、十月には請負工事契約等を締結し、十二月から本体工事を開始しました。現在のデザインは、整備計画の基本理念である、アスリート第一、世界最高のユニバーサルデザイン、周辺環境等との調和や日本らしさを体現したすばらしいものであると考えております。新国立競技場世界の人々に感動を与える場となるよう、二〇一九年十一月の完成を目指して、着実に整備プロセスを進めてまいります。  過去のオリンピック・パラリンピックレガシーの知見を蓄積することは重要であり、私も、本年一月、ロンドン大会のレガシーであるオリンピックパークや、パラリンピックの発祥の地であるストークマンデビル病院を視察するとともに、ロンドン大会当時の問題意識及びこれを解決するための取り組みや、そこから得られた教訓について、イギリス政府の方々などからお話を伺ってまいりました。  さらに、東京大会の成功に向け、地方における機運醸成を図るとともに、大会開催の効果を全国に広げ、地方活性化に資するため、地方の経済界等と意見交換を実施しました。これらを通じて得た知見を生かし、基本方針に基づく政府の取り組み推進し、大会の成功とともに成熟社会における次世代に誇るレガシーを全国各地で創出してまいります。  東京大会の前年に開催されるラグビーワールドカップ二〇一九に関係する施策については、東京大会と共通する事項が多く含まれることから、大会を所管する文部科学大臣等と連携してまいります。また、東京大会をドーピングのないクリーンな大会とするためにも、文部科学大臣等と連携してまいります。  国、東京都、組織委員会及びIOCによる四者協議への参加等を通じ、政府としても、大会開催経費の抑制に協力し、限られた予算と時間で最高の大会を実現できるよう取り組んでまいります。昨年十二月には、組織委員会から、大会開催経費の総額が一兆六千億円から一兆八千億円との見積もりが公表されました。現在、関係自治体ごとに、国、東京都、組織委員会、関係自治体による作業チームが設置され、大会を円滑に実施するための情報共有を図る作業が行われています。各主体の役割分担については、なるべく早く結論に至るよう、国としても議論に参加し、調整を続けてまいります。  また、政府の取り組みの状況についての報告を国会提出し公表することや、オープンなプロセスによる意思決定、関連施策の進捗と効果の点検などについて、国民の皆様からの御理解が得られるよう、しっかりと取り組んでまいります。  昨年のリオデジャネイロ大会では、世界じゅうの人々が注目するひのき舞台で、大きな期待を背負いながら懸命に立ち向かっていく選手たちの姿が、国民の皆様に夢と希望をもたらしました。東京大会については、国民から祝福されるとともに、皆様の期待に応え、大成功をおさめられる大会を目指します。また、大会開催を契機として、誰もが共生できる社会づくりを進められるよう、全力で担当大臣の職務に取り組んでまいりますので、委員長理事委員の皆様方の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
  11. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、平成二十九年度文部科学省関係予算の概要について説明を聴取いたします。義家文部科学大臣
  12. 義家弘介

    義家大臣 平成二十九年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  文部科学省関連予算は、一般会計五兆三千九十七億円、エネルギー対策特別会計千九十五億円などとなっております。  第一に、社会を生き抜く力の養成として、発達障害等の児童生徒への障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導外国人児童生徒等教育等に係る教員定数の基礎定数化教員資質能力の向上などにより、次世代の学校創生のための指導体制強化を図ります。  また、切れ目のない支援体制構築に向けた特別支援教育道徳教育教育課程やキャリア教育、職業教育充実を図るほか、学校現場における業務適正化いじめ・不登校対応子供の体験活動、教育情報化学校健康教育高大接続改革等を推進します。  さらに、きずなづくりと活力あるコミュニティーの形成として、地域学校協働推進やコミュニティースクールの促進などにより、地域の活性化や社会全体で子供を育む環境づくり推進します。  第二に、未来への飛躍を実現する人材養成として、我が国人材養成学術研究の中核である国立大学機能強化を一層加速していくため、運営費交付金等基盤的経費充実を図るとともに、建学の精神に基づき多様な人材育成する私学の振興を図ります。  また、初等中等教育段階から、グローバルな視点に立って活躍する人材育成大学等留学生交流充実、新時代教育のための国際協働等を推進します。  第三に、安心して教育を受けることのできる学びのセーフティーネットを構築するため、大学生等に対する返還不要の給付型奨学金制度を新たに創設します。また、無利子奨学金について、低所得世帯の子供たちに係る成績基準を実質的に撤廃し、必要とする全ての学生への貸与を実現するとともに、卒業後の所得に応じて返還月額が変わる所得連動返還型奨学金制度を導入します。さらに、大学等の授業料減免等の充実、高校生への奨学給付金の拡充、市町村民税非課税世帯の第二子の無償化など幼児教育無償化に向けた取り組みを進めるとともに、私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業を新たに実施します。  同時に、国公私立学校施設老朽化対策耐震化等を推進します。  第四に、スポーツ立国の実現を目指し、二〇二〇年東京オリンピックパラリンピック競技大会やラグビーワールドカップ二〇一九に向け、選手強化指導者の養成やドーピング防止とともに、スポーツ成長産業化や参画人口の拡大スポーツを通じた地域の活性化、国際貢献、健康づくり、障害者スポーツ振興等推進します。  第五に、世界に誇るべき文化芸術立国の実現を目指し、文化財を活用した観光振興地域経済の活性化を支援するとともに、地域魅力ある文化芸術取り組み支援などを通して文化プログラム推進します。  また、我が国の多彩な文化芸術の発信や国際文化交流、国立文化施設の基盤充実等を図ってまいります。さらに、地域文化創生本部(仮称)を京都に設置するとともに、新たな政策ニーズ対応した事務事業の実施を通じて文化庁機能強化を進めてまいります。  第六に、未来社会に向けた先端基盤技術の強化や民間から大学等への研究開発投資拡大のため、革新的な人工知能、ビッグデータやナノテクノロジー材料等研究開発強化するほか、地域イノベーション推進や、革新的・挑戦的な研究推進等によるオープンイノベーションの加速に取り組みます。  また、イノベーションの源泉である研究基盤強化のため、多様で独創的な学術研究などへの支援充実や、戦略的な基礎研究推進のほか、若手研究者女性研究者活躍促進等を図ります。さらに、ポスト「京」の開発や、最先端大型研究施設整備、共用等に取り組みます。  第七に、国家的、社会重要課題対応するため、ライフサイエンス分野研究開発推進するとともに、次世代半導体研究開発ITER計画等の核融合に関する研究開発に取り組むほか、地震、津波や火山等による被害の軽減に資する研究開発等に取り組みます。  また、人類のフロンティアの開拓及び総合安全保障など、国家の基幹となる技術の強化を図るため、H3ロケット開発を初めとした宇宙・航空分野や海洋・極域分野研究開発推進します。  「もんじゅ」については、原子力関係閣僚会議の決定を踏まえ、施設を安全に維持管理しつつ、廃止措置に向けた必要な取り組みを実施します。  以上、平成二十九年度文部科学省関係予算の概要につきまして御説明を申し上げました。  なお、これらの具体的内容につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、説明を省略させていただきます。  以上でございます。
  13. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、平成二十九年度東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局関係予算の概要について説明を聴取いたします。水落内閣府副大臣
  14. 水落敏栄

    ○水落副大臣 平成二十九年度における内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局に計上されている予算案について、その概要を説明いたします。  平成二十九年度予算案においては、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部の運営及び大会成功に向けた取り組み推進、総合調整、日本全国で大会成功に向けた機運を高めるために、ホストタウンによる地域活性化や国際交流の推進、ボランティア人材育成、普及、ビヨンド二〇二〇プログラムの全国展開を行うとともに、基本方針推進に関する調査等の取り組みを行うため、約五億八千万円を一般会計に計上しております。  以上で、予算の説明を終わります。
  15. 永岡桂子

    永岡委員長 以上で説明は終わりました。  次回は、来る三日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十八分散会