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鈴木(克)
委員 民進党の
鈴木でございます。
私も、二十九年度の
NHK予算について、何点かにわたって御
質問をさせていただきたいと思います。ただ、限られた時間でありますので、私がきょう通告をしておる要点だけ先に申し上げておきたいというふうに思います。
一番
最初は、
NHK改革ということで通告をさせていただいておるわけでありますが、ここは恐らくある程度の時間をかけて
議論させていただけるのではないかなと思います。
二つ目は、
放送分野、
放送業界の新しい
取り組みについてということで、例の
ネット配信をお
伺いしたいというふうに思っておるわけであります。
この
ネット配信については、いろいろと
議論もありましたけれども、メリットもあればデメリットもあるということでありまして、例えば、メリットとしては、どこでもテレビが見られるということになる、それからテレビの地域格差がなくなるということでありますが、デメリットは、民放にとってはこれは死活問題になってきてしまうということ、それから、先ほども
議論がありましたけれども、スマホを持つだけで
受信料が発生をする可能性があるということ、それから、例えばテレビの売れ行きが悪くなるのではないかとか、いろいろと、やはり何をやるにしても、メリットもあればデメリットもあるということであります。これが二つ目。
三つ目は、
放送センターについてお
伺いをしたいわけであります。
もちろん、一千七百億円の規模で今計画に入っていくということは十分
承知をいたしておりますが、例えばドイツの
公共放送でありますZDFですか、これは人口二十万ぐらいのところにあるわけですね。これは、地方の活性化ということも含めて、例えば災害等のリスク分散等も含めて、やはりこのドイツなどの生き方というのもしっかりと研究する必要があるのではないかな、こんなお話をさせていただきたいというふうに思っておるわけであります。
そして、最後の四つ目でありますが、いわゆる国際
放送について、認知度が低い、そして少ないということについてお話をしたいというふうに思っておりますが、どこまでできるかわかりませんので、まず
最初の
NHK改革から入らせていただきたいと思います。
お配りをいただきました
収支予算と事業計画の
説明資料、私もずっと拝見をさせていただいたわけでありますが、当然、おさらいということではありませんけれども、二十九年度の国内
放送については、「事実に基づき、公平・公正で正確・迅速な報道、何人からも干渉されない
放送の
自主自律と不偏不党を貫きます。日本や世界の課題に向き合い、広範な取材
ネットワークを生かして、わかりやすく丁寧なニュース・番組を
視聴者に届けます。」以下続くわけであります。
そこで、これは本当に、まさしくおっしゃるとおりでございますけれども、ちょっと通告にはありませんけれども、今、
NHKの職員は何人おみえになるか、御答弁いただけるとありがたいと思います。調べなきゃわからない、時間がかかるようなら私の方から。一万人を超えておるわけですね、一万人を超えておる。
何が言いたいかというと、一万人を超える企業というのは、日本で、上場企業でいうと二百社くらいしかないんですね。それから、売り上げという言い方ですか、
予算ですけれども、七千億を超えておるわけですよね。これは上場企業の中では約二百社ぐらい、二百番目ぐらいなんです。ということは、ある
意味では巨大な人とそして
予算を持つ組織であるということになるわけであります。
通告をしておけばよかったんですが、大変申しわけありません。
ということで、ここから
質問に入らせていただくんですが、先ほどからもお話がありました、いわゆる
NHKの改革、例えばグループ改革とか、職員の
不祥事とか、それから、先ほども
議論になりましたけれども、
長崎での例の不適正な
受信料の徴収等々を考えていくと、私、これを見たときに、約十年前に
NHKが大変な危機がありましたよね。
受信料、不払い運動が起きてしまって、もう大変な状況になりました。
そのときに、
平成十八年の四月の二十一日に「
公共放送NHKに何を望むか 再生と次代への展望」ということで、懇談会が設立をされたわけであります。
この懇談会のあれを少しひもといてみますと、
NHKはいま、危機のさなかにある。一昨年以来相次いで発覚した金銭的
不祥事と、政治との距離に対する疑念をきっかけに噴きだした
視聴者からの批判と不信は、
受信料の不払いや保留の急増へとつながって、その
経営基盤を揺るがすまでに至った。
続くんですが、飛ばしまして、
当初、懇談会に諮問されたのは、「デジタル時代の
公共放送のあり方」「
公平負担のための
受信料体系のあり方」等のテーマである。しかし、すべての
委員に共通していたのは、いま目の前にある危機は小手先の対応などでは解決できない、ということであり、さらに
公共放送NHKの再生如何、その
内容如何が日本のマスメディアの、ひいてはこの国の民主主義の将来をも左右するだろう、という危機意識であった。
ということから、くどくなりますけれども、この懇談会が設立をされたわけであります。
そこで、この中間報告の最後に、私、これも本当に印象に残っているんですが、デジタル時代の
NHK懇談会の中間報告の附属文書というところに何が書かれておったか。まさに十七人の
委員の、私たちの怒りを伝えておきたい、こういうサブタイトルなんですね。
これも時間の
関係で、はしょって御
説明しますけれども、
今回の不正、そして、過去に発覚した
不祥事も、
指摘された疑念の数々も、どれもあわただしく動いている仕事の場で起きている。どんな理念も、その壁の一角に掲げただけでは何の
意味もない。コンプライアンスの
徹底を叫んでも、むなしいだけだろう。そういう形ばかりの弥縫策で乗り切れるほど、現在の
NHKの危機は浅くない。
私たちは現在の、また将来の民主主義社会に、政治的に中立であり、特定のスポンサーに依存しない
公共放送が必要だと考えている。
NHKがそういうものとして再生し、十全に機能することを期待もしている。多くの
視聴者もそう考え、
受信料を支払っているのである。
今回の事件を機に、
NHKのすべての職員と
関係者にいま一度考えていただきたい。日々動いている職場や現実にはさまざまな隙間があり、誘惑があるかもしれない。すべての穴をふさいだら、仕事は止まってしまうだろう。個々人の裁量と決断にゆだねられる余地の大きいマスメディアの仕事がそういうものであることを、私たちも知っている。
だからこそ、あなたたちは、
受信料を支払っている
視聴者一人ひとりの顔を、その期待するものを、ありありと思い浮かべ、受け止めなければいけない。そのようにして成り立つ
公共放送の理念をたえず自覚し、その役割をていねいに果たしつづけなければならない。そのことによってしか、この種の
不祥事の再発は防げない。理念もまた、日々のそうした仕事のなかで生命を吹き込まれ、具体化していくものである。そのことを、どうか忘れないでいただきたい、と私たちは心から願っている。
これは十年前の懇談会の、十七名の
委員の
皆さんの、いわゆる中間報告として出されたものであります。
そこで、十年たちました。確かに、いろいろと御努力をいただいてきたことは私も認めます。しかし、先ほど申し上げましたように、一万人を超す職員、そして七千億を超える
予算。
例えば、
NHKは一万人なんですけれども、二番目のNテレビ千三百人、Fテレビやはり千三百人、Aテレビ千百人、Tテレビ千人ということですから、いかにこの一万人という職員の数が大きいかということであります。それだけに、いろいろな問題が出てくるわけですね。
だけれども、それは、先ほどから私が時間をかけて申し上げたように、まさに、十年前、十七名の
委員の
皆さんが出された、いわゆる私たちの怒りを伝えておきたいというこの文章を、私は、やはりもう一度本当に真摯に受けとめていただいて、新しい
会長のもとでしっかりとやっていただきたい、このことをまず申し上げたいと思いますが、
会長、今るる申し上げたことに対して何かコメントがあればお答えいただきたいと思います。
〔
坂本(哲)
委員長代理退席、
委員長着席〕