○小西洋之君 言葉上、私はいわゆる先制攻撃と言いましたよね。この議事録は国民の皆さんにもインターネットでも御覧いただくので、分かりやすく
説明をしているわけです。
我が国に対する武力攻撃は発生していない。アメリカとイランが戦争をしている。イランはアメリカに対して武力の行使、武力攻撃を行っている。その武力攻撃を阻止するための、イランをたたく武力の行使が集団的自衛権ですから。しかし、イランは
日本に攻めてきていないわけですから、それは
日本語の
意味として、いわゆる先制的な攻撃だというふうに言っているわけでございます。
横畠長官、何を
質問しても答えないわけですけれども、皆さん、常識で考えてください、常識で。いいですか、常識で。
昭和四十七年以前も、昭和四十七年以降も、一見すると、憲法九条においては全ての実力の行使は禁止されているように読めると。戦争の放棄を書き、戦力の不保持を書いている、交戦権の否認まで書いている。よって、もう基本的には非武装のはずだと。ただ、
我が国に武力攻撃が発生したときに、何の罪もない
日本国民を守る、その必要最小限度の武力の行使だけはできるというふうに解釈で言ってきたんですね。そうした解釈は、今は、先制攻撃、いわゆる先制的な攻撃も含めてそれは許されないというような答弁、様々な答弁に表れているわけでございます。
ところが、本邦初です。昨年の七月一日、
横畠長官が初めて過去のこの集団的自衛権を否定する、
我が国には、憲法九条において
我が国に武力攻撃が発生したとき以外
日本は武力の行使ができないというその昭和四十七年
見解、かつ、その結論として集団的自衛権は憲法違反であるというこの
見解を使って、その基本的な論理のところにたまたま裸の言葉があったので、自分が使いたいようにこの論理をねじ曲げたというのが今回の七月一日の解釈改憲の実態でございます。
最後に、是非、同僚の委員の皆様、参議院議員、私も一年生議員でございますけれども、私ごときが申し上げるのも非常に恐縮でございますけれども、国会議員の矜持に懸けて、唯一の国民代表機関である国会議員の矜持に懸けて、この解釈改憲の過ちというものを是非皆様と一緒に考えさせていただきたいと思います。
このカラーのページの資料の五番を御覧いただけますでしょうか。資料の五番でございます、資料の⑤番を付けているものを御覧いただけますでしょうか。
これは、昭和二十九年、
自衛隊が創設をされたときに我が参議院の本会議で全会一致で付された本会議の決議文でございます。私も、昨年の五月、六十年ぶりにこの決議文を読み上げて、この決議文を前に解釈改憲を強行するのかというふうに
政府に追及をいたしましたけれども、この本会議決議をじゅうりんして解釈改憲を強行しております。
この本会議決議、何を言っているのでございましょうか。上から二つ目の段落を御覧いただけますでしょうか。「
自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」というタイトルでございます。「
自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」というタイトルでございます。読み上げさせていただきます。「本院は、
自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。 右決議する。」というふうにあります。
これは、実は、この後、もう
平成の代に至るまで、私が数え上げた以上、三十回以上、我が参議院において
自衛隊法を改正するときなどに必ずのように引き合いを出されている。例えばサマワに
自衛隊を派遣するときに、それが
自衛隊の海外派兵ではないのか、ここにある
自衛隊の海外出動、海外出動ですので文字どおり海外での武力行使を目的とした海外派兵という
意味であると、そういうふうに
政府も解釈しておりますというのを、安倍、当時の
官房長官の答弁もございますけれども、
自衛隊の、分かりやすく申し上げますと海外派兵、更に分かりやすく申し上げますと海外での武力行使ですから、集団的自衛権の行使は当然排除されているわけでございます。
自衛隊を海外に派兵して集団的自衛権の行使をするということは絶対に許さないという国権の最高機関の本会議決議でございます。
そして、この下に我々の先輩の鶴見祐輔先生の趣旨
説明が続いております。ここの趣旨
説明の部分を読み上げさせていただきますけれども、初めから申し上げますと、「何ものが自衛戦争であり、何ものが侵略戦争であつたかということは、結局水掛論であつて、歴史上判明いたしません。故に
我が国のごとき憲法を有する国におきましては、これを厳格に具体的に
一定しておく必要が痛切であると思うのであります。」。つまり、憲法九条の下で許される武力行使はどう考えるかということを述べていらっしゃるわけでございます。
次でございます。「自衛とは、
我が国が不当に侵略された場合に行う正当
防衛行為であつて、それは
我が国土を守るという具体的な場合に限るべきものであります。」。繰り返します。自衛とは、
我が国が不当に侵略された場合に行う正当
防衛行為であって、それは
我が国土を守るという具体的な場合に限るべきものであるというふうにおっしゃっております。
つまり、先ほどのこの赤い、この表のカラーの紙で見たときに、この鶴見祐輔先生の憲法九条の
考え方というのは、まさに外国の武力攻撃の前には、
我が国に対する外国の武力攻撃、正当
防衛ですから、それ以外の
意味はあり得ないというふうに明示されているところでございます。
じゃ、さらに先ほどのこの趣旨
説明の文章に戻っていただきまして、少し飛ばさせていただきますけれども、下線部分のところですけれども、いかなる場合においても、一度この限界を越えると、際限もない遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白であります。それは窮屈であっても、不便であっても、憲法九条の存する限り、この制限、今申し上げた場合ですね、正当
防衛に限るという制限は破ってはならないのであります。
次です。そこから、下から四行目です、その下線の部分を御覧いただけますか。これを利用せんとする向きも絶無であるとは申せないと思うのであります。さような場合に、次です、条約並びに憲法の明文が拡張解釈されることは、誠に危険なことであります。ゆえにその危険を一掃する上からいっても、海外に出動せずということを、国民の総意として表明しておくことは、
日本国民を守り、
日本の
民主主義を守るゆえんであると思うのであります。
憲法の明文の拡張解釈を許さない。憲法九条において武力の行使が許されるのは、つまり
自衛隊の出動が許されるのは、
我が国土、領海に対する正当
防衛、もう端的に申し上げると、憲法九条において
自衛隊が戦うことが許されるのは正当
防衛のときだけであると、それ以外に憲法の明文が拡張解釈されることは許されないというふうに言っているわけでございます。
横畠長官に伺います。あなたがつくり出した昭和四十七年のこの基本論理というものは、明らかにこの国権の最高機関の参議院の本会議決議、全会一致で可決された本会議決議、しかも、その後、歴代の法案審議等々において必ずこの趣旨が確認されていた本会議決議に真っ向から違反しています。あなたは法制
局長官の身分でありながら、参議院の本会議決議の趣旨をじゅうりんして、憲法九条において許されない解釈をつくり出したということを認めませんか。どうぞ。