1949-03-25 第5回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第10号
そうしたところが貴様はスパイだろうというので射ち殺しております。或いは高山助教授事件というのが私の地区の近くで起りました。これは東京農大に居た助教授の高山という人だと思います。やはり旧軍隊の幹部が非常な横暴をやつている。幹部が特別食を横流しして、自分たちは樂な生活をやつている。そうして棒きれを持つて日本人の兵隊を追い廻してこき使つている。
そうしたところが貴様はスパイだろうというので射ち殺しております。或いは高山助教授事件というのが私の地区の近くで起りました。これは東京農大に居た助教授の高山という人だと思います。やはり旧軍隊の幹部が非常な横暴をやつている。幹部が特別食を横流しして、自分たちは樂な生活をやつている。そうして棒きれを持つて日本人の兵隊を追い廻してこき使つている。
併しこれは一般の捕虜に対して適用されているのでありまして、私たち抑留者に関しましては、抑留期間中ソ連当局の、日本で申しますならば憲兵でございますが、それらの方たちから何回となく訊問を受けまして、過去におけるところの自分の身分、それから戰爭中のいろいろなスパイ行爲等を調査されまして、そうしてすべて抑留者に関する限りは調書ができてございます。
向うの方で一番最初、お前はスパイだからというように怪しまれたのです。いろいろ事情を話して、自分たちスパイなんかしない、こうこうして日本人の方を連れて來ておるのだけれども、一ヶ月待つたが船がない。南鮮から通つて來た同士に聞くと日本に行く船があるというので、自分たちその連絡に來たのですといつて、そこで一週間ほどいろいろ調べられたのです。
そこで、或る地方では、同業種の組合とか、或いはいろいろな團体において、團体の内輪の中で、課税の割当を、或いは分担金額を大体決めて、そうしてその協力によつてうまく行なつたというような実例も聞いておるのでありますが、このような金額が、今までやつて來たように、税務官吏の確実な資料なしに、或いは投書とか、スパイのようなもので課税するがために、若し公平を欠いて、この課税のために、産業がうまく行かない、こういうことになれば
或いは國際スパイ團の辯護もいたしました。又いろいろな事件を擔當いたしましたが、これは檢察當局は百%の確信を持つて起訴した事件でも、然るに波瀾萬丈遂に全部が無罪になつた、こういうようなことに相成つたのであります。
従つて全国五千人の経済査察官というものが、名前は査察官でありますが、今までのような経済警察官と申しますか、経済についてのスパイ組織、刑事的組織が強化されましても、こういうことだけでは現在の経済不安が少くなつて経済が正しく回転するという方向へ向かないと思う。
田舎で竹槍を持つた婦人たちを見て笑いました時、スパイだと申し追出されました。それに某飛行場の約一千名の工員の教育係を寮母を一人で引受けました。これはかねてから工員、労働者の心理を掴みたかつたからでございます。今更ながらここにも大いにインフレーシヨンの原因のあることが分ります。
これは私どものすこぶる遺憾とするところでありますが、司法官憲は國家の権力を握つて、いくたの人を使つて、スパイ網にしても何にしても至れり盡せりの網を張つておる。昨年の五月からこの一月に至るまで全力をあげて捜査をしても、未だこれを起訴することのできないような事態は、何を物語るのでありますか。
これらの手段を通じて軍は政治的スパイ網を張り、言論、集会の自由、更に思想の自由まで弾圧し、而して非道の圧制によつて個人の尊厳を脱落せしむるに至つたものである。日本はかくて全く警察國家であつた。この状態を認識すればこそ、警察制度はこれを改組して、貴下が(即ち片山首相が)その書翰に明瞭に述べられた如き、『過去における國家権力による警察力の濫用の根本的是正』をなさねばならないのである。
併しながら過去の政治、警察の遺風はまだ清掃されておらず、社会の暗黒面には元憲兵、スパイ、暴力國フアシスト、國粋主義者、これらの諸勢力が充満しておることを思いますると、平和國家、文化國家の将來も亦寒心に堪えないのであります。私が本日の常任委員会において、このような発言をいたしますのに対して、私の友人や私の妻は、それをすら心配しておるような現状であります。