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2021-03-09 第204回国会 参議院 法務委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
令和
三年三月九日(火曜日) 午後零時六分開会 ─────────────
委員氏名
委員長
山本
香苗
君 理 事
磯崎
仁彦君
理 事
真山
勇一
君 理 事
伊藤
孝江
君
小野田紀美
君
豊田
俊郎
君 中川 雅治君
福岡
資麿
君 森
まさこ
君
山崎
正昭君
山下
雄平
君
渡辺
猛之君
難波
奨二君
谷合
正明
君
清水
貴之
君
川合
孝典
君
山添
拓君
高良
鉄美
君
嘉田由紀子
君 小川 敏夫君 山東 昭子君 ─────────────
委員
の
異動
一月二十七日
辞任
補欠選任
渡辺
猛之君
世耕
弘成君
一月二十八日
辞任
補欠選任
世耕
弘成君
渡辺
猛之君 二月一日
辞任
補欠選任
山添
拓君
市田
忠義
君 二月二日
辞任
補欠選任
市田
忠義
君
山添
拓君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
山本
香苗
君 理 事
磯崎
仁彦君
豊田
俊郎
君
真山
勇一
君
伊藤
孝江
君
清水
貴之
君 委 員
小野田紀美
君
福岡
資麿
君 森
まさこ
君
山崎
正昭君
山下
雄平
君
渡辺
猛之君
難波
奨二君
谷合
正明
君
川合
孝典
君
山添
拓君
高良
鉄美
君
嘉田由紀子
君
国務大臣
法務大臣
上川
陽子
君 副
大臣
法務
副
大臣
田所 嘉徳君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局経理局長
氏本 厚司君
事務局側
常任委員会専門
員
青木勢津子
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
国政調査
に関する件 ○
法務
及び
司法行政等
に関する
調査
(
法務行政
の
基本方針
に関する件) (
令和
三年度
法務省
及び
裁判所関係予算
に関す る件) ─────────────
山本香苗
1
○
委員長
(
山本香苗
君) ただいまから
法務委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日までに、
柴田巧
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
清水貴之
君が
選任
されました。 ─────────────
山本香苗
2
○
委員長
(
山本香苗
君)
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が二名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山本香苗
3
○
委員長
(
山本香苗
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
豊田俊郎
君及び
清水貴之
君を指名いたします。 ─────────────
山本香苗
4
○
委員長
(
山本香苗
君)
国政調査
に関する件についてお諮りいたします。 本
委員会
は、
今期国会
におきましても、
法務
及び
司法行政等
に関する
調査
を行いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山本香苗
5
○
委員長
(
山本香苗
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
山本香苗
6
○
委員長
(
山本香苗
君)
法務
及び
司法行政等
に関する
調査
を議題といたします。
法務行政
の
基本方針
に関する件について、
上川法務大臣
から所信を聴取いたします。
上川法務大臣
。
上川陽子
7
○
国務大臣
(
上川陽子
君)
法務大臣
の
上川陽子
です。改めまして、よろしくお願い申し上げます。 昨年九月に
法務大臣
に就任してから五か月、私は、法の
支配
の貫徹された
社会
、そして、
多様性
と
包摂性
のある誰一人取り残さない
社会
の
実現
を目指し、次の三つの視点を重視してまいりました。 まず、
関係機関
、
地域
、
民間
の
方々
などの
ステークホルダー
と連携して、多層的な
取組
を促進することです。また、将来を担う
若者
や
子供
など、
施策
の届け先となる様々な
方々
の立場に立って
課題
の
解決
に取り組むことです。そして、
PDCAサイクル
を回して、各
施策
について不断の
改善
を図ることです。今後も、こうした視点を大切にしながら、
法務行政
に懸命に取り組んでまいります。 現下の最大の
課題
は、
新型コロナウイルス感染症
への
対応
です。
政府一体
となって、迅速に
水際対策
を進めてまいります。昨年の第一波、第二波、そしてこの秋冬の第三波の
感染拡大
の際に得た教訓を最大限生かし、官署及び
施設
における
感染予防策
、
感染拡大防止策
をより一層徹底いたします。さらに、
接触リスク
の低減のための
テレワーク勤務
や
デジタル化
、
IT化
を
推進
するとともに、
AI等
の新しい
技術
をも活用してイノベーションを加速化させてまいります。 本年三月七日から第十四回
国連犯罪防止刑事司法会議
、
京都コングレス
が
開催
されています。二〇三〇年までの十年間は
SDGs達成
に向けた行動の十年であり、
京都コングレス
は、法の
支配
を国際的により一層浸透させ、
SDGs達成
のための大きな貢献を果たす機会となります。
京都コングレス
の後は、その
レガシー
を構築して
司法外交
を推し進めてまいります。
法務行政
に対して内外から寄せられる様々な声については、しっかりと受け止め、政策の
充実
を図るとともに、丁寧な説明に努めることにより、
政策立案プロセス
の
透明化
を図ります。また、
法務省
のガバナンスについても、
職員
自らの主体的な
検討
を通じ、不断の
改善
を図ってまいります。これらにより、
法務省
がより一層
国民
の皆様から信頼される組織となるよう尽力してまいります。 このような
方針
の下、以下の八つの柱を
重点事項
とし、
法務行政
を
推進
してまいります。
一つ目
の柱は、
新型コロナウイルス感染症
への
対応
です。
国民
の健康と命を守り抜くことを最優先として、
変異株
を含めた
新型コロナウイルス
の
国内流入
を
防止
するため、引き続き、
国内外
の
感染状況等
の
動向
を注視しながら、
水際対策
に万全を期してまいります。また、今後の国際的な人の往来の再開についても、
感染
再
拡大
の
防止
と両立する形で、オン、オフの切替えを機動的に行ってまいります。
国内外
との
リスクコミュニケーション
を図る
観点
から、
水際関連
のデータや
対策
についての迅速かつ分かりやすい
情報発信
に努めます。
感染者
や
医療従事者
、その
家族等
に対する
新型コロナウイルス感染症
に関する
差別
、
偏見
は、困難に直面している
方々
に多大な苦痛を与え、取り返しの付かない結果にもつながりかねないものであり、決してあってはなりません。
新型インフルエンザ等対策特別措置法
をも踏まえて、
インターネット人権相談
、子どもの
人権SOSミニレター
、
SNS等
の様々なツールを活用し、
人権相談
、
調査救済活動
、効果的な
人権啓発活動
にしっかりと取り組んでまいります。
法テラス
では、
新型コロナウイルス感染症
の
影響
により様々な悩みを抱える
方々
に対し、電話、
オンライン
により、
相談者
に寄り添った丁寧な
法律相談
を行うなど、
社会情勢
に即応した
法的支援
に積極的に取り組み、その周知、広報に努めます。こうした
法的支援
について、しっかりと評価、
改善
し、
総合法律支援
をより一層
充実
させてまいります。
新型コロナウイルス感染症
の
影響
により、帰国が困難となり、また、生活に困難を抱えている
在留外国人
の
方々
には、
在留資格
における
特例措置
や再
就職先
の
マッチング等
の
支援
を行うとともに、
外国人在留支援センター
での
相談等
を通じて、
情報過疎
にならず、必要な
情報
に適切にアクセスしていただけるよう尽力してまいります。 これまで、全国の
法務官署
及び
施設
では、起こり得る
感染リスク
を想定し、その
リスク
を管理する
観点
から、
感染予防策
、
感染拡大防止策
に取り組んでまいりました。これまでの
感染事案
における
感染経路等
を分析、
検討
し、その
情報
や経験を共有するとともに、様々な知見をも取り入れながら、
法務省一丸
となってより一層レベルアップした
対策
につなげてまいります。
二つ目
の柱は、様々な困難を抱える
方々
への
取組
の
推進
です。
性犯罪
、
性暴力
は、
被害者
の尊厳を著しく侵害し、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続けるものです。
被害当事者
や
支援者
の
方々
の声をしっかりと受け止めながら、
社会
全体としてその根絶を目指さなければなりません。
政府
は、昨年六月に
性犯罪
・
性暴力対策
の
強化
の
方針
を決定し、
令和
四年度までの三年間を
集中強化期間
と位置付けて、
関係
府省が連携して各
施策
を
推進
しています。
法務省
としても、
スピード感
を持って、
刑事法
に関する
検討
や
再犯防止施策
の
充実
などの
取組
を進めてまいります。 家庭内での
児童虐待
は、
外出自粛等
に伴い、その増加や
深刻化
も懸念されています。
児童虐待
に終止符を打つため、
児童相談所等
の
関係機関
と緊密に連携しつつ、
子供
の命を守ることを最優先として、
人権擁護機関
における
相談等
を通じた
早期発見
、
法務少年支援センター
による心理の
専門的知見
を生かした
支援
など、総合的な
取組
を着実に
推進
してまいります。
政府
は、現在、第四次
犯罪被害者等基本計画
の策定に向けた
検討
を進めています。過去の
計画
に基づく
取組
の蓄積も踏まえ、
被害者等
の
方々
から寄せられる新たな御指摘、御意見をも取り入れながら、
被害者等
の
方々
の
権利利益
を
保護
し、
支援
する
取組
を更に
推進
、
充実
させてまいります。
人権擁護局
における十七の
強調事項
で掲げられた
差別
や
偏見等
を始め、様々な
人権
問題について、依然として救いを求める声が後を絶ちません。
差別
、
偏見
の
実態把握
や、これまでの
対策
への評価、
改善
をも行いつつ、様々な
人権
問題を
解消
し、
差別
のない
社会
の
実現
を目指して、
人権相談
や
調査救済活動
にしっかりと取り組んでまいります。また、様々な媒体を用いて、効果的な
人権啓発活動
を行ってまいります。 近時問題となっている
インターネット
上の
誹謗中傷
は、同様の書き込みを次々と誘発し、重大な
人権侵害
につながるものです。
関係省庁
や
民間事業者
と連携しながら、しっかりと
対応
してまいります。 出生の届出がされておらず、無
戸籍状態
となっている
方々
について、その
解消
に向けた
取組
を着実に進めます。徹底した
実態把握
に努めつつ、
全国各地
の
法務
局において常時
相談
を受け付け、戸籍を作成するための丁寧な
手続案内
をするなど、寄り添い型の
取組
を継続するとともに、
充実
したウエブコンテンツにより
裁判手続等
の
情報
を分かりやすく提供してまいります。 本年三月十一日で
東日本大震災
から十年となります。改めて、震災により尊い命を失われた
方々
に哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての
方々
に心からお見舞いを申し上げます。
東日本大震災
、そして相次ぐ大
規模災害
からの
復興支援
については、これまで、被災直後の段階から復興の各ステージにおける
被災地
の様々なニーズを的確に捉え、
被災地等
の登記所備付け地図の
整備
、
登記嘱託事件等
の迅速な
対応
、
長期相続登記等未了土地
の
解消
などに取り組むとともに、
法テラス
による法的な
支援
を実施してまいりました。引き続き、
法務省
全体で
情報
を共有しながら、
被災地
に寄り添った
支援
を実施してまいります。
三つ目
の柱は、
司法外交
の積極的な展開です。 現在
開催
されている
京都コングレス
の全体テーマは、
SDGs達成
のための
犯罪防止
、
刑事司法
及び法の
支配
の
推進
です。各国が、
国際協力
の
在り方
や、誰一人取り残さない
社会
の
実現
に向けて
刑事司法
が果たすべき
役割等
について
議論
を行い、
成果文書
を採択したことには大きな意義があります。特に、
コロナ禍
により、弱い立場にある人々の命や生活が脅かされている今、その意義は更に高まっています。
サイドイベント
である
世界保護司会議
では、長年にわたり
保護司
(HOGOSHI)を始めとする
民間ボランティア
に支えられてきた
我が国
の
更生保護制度
を
世界
に紹介いたしました。 先月末、
京都コングレス
に先立って
ユースフォーラム
を
開催
いたしました。
青年ボランティア団体
の
BBS会
で活動する
若者
にも御協力いただきながら、未来を担う
世界
の
若者
が
SDGs達成
に向けて
議論
を行いました。
ユース
の声は、勧告として
京都コングレス
に提出されました。
京都コングレス
、そして
ユースフォーラム
の
開催
は、まさに
我が国
の
司法外交
の新たな
出発点
です。私は、
ホスト国
の
法務大臣
として、
国連
、
開催地京都
の自治体、
関係
する全ての
方々
と力を合わせ、最後までその成功に向けて全力を尽くしてまいります。
京都コングレス開催
後には、
我が国
が主導して、
再犯防止
、
更生保護
に関する
国連
の
スタンダードづくり
や、
グローバル人材
の育成に向けた
ユースフォーラム
の
定期開催
に向け取り組むなど、
京都コングレス
の
レガシー
を構築し、
司法外交
を通じて展開してまいります。 加えて、各国の
司法制度
には違いがあるため、
我が国
の
制度
についての正確な理解を得るための積極的かつ分かりやすい
情報発信
も重要な
課題
です。
京都コングレス
では、
サイドイベント等
を通じ、
我が国
の
刑事司法制度
について
情報発信
していますが、他の
制度
も含めて、
国際発信力
を一層
強化
してまいります。
法務省
は、これまで、
ベトナム社会主義共和国
を皮切りに二十年以上にわたり、
開発途上国等
に対し、
基本法令
の起草、
司法制度
の
整備
や
運用
、
司法関係者
の
人材育成
について、
相手国
の実情に応じたきめ細やかな
支援
を行ってまいりました。また、五十年以上にわたり、
刑事司法分野
での数々の
国際研修等
を実施してまいりました。こうした
国際協力
は、
相手国
との
信頼関係
の構築に大きな役割を果たし、法の
支配
の貫徹や
SDGs
の
実現
にも資する重要な
取組
であり、更に積極的に
推進
してまいります。 また、
国際社会
で活躍できる
交渉等
の能力を備えた
司法
に携わる
若手人材
を育成し、
国連
を始めとする
国際機関
への積極的な派遣などを通じ、
国際機関
との一層の
連携強化
を進めてまいります。
国際仲裁
の
基盤整備
は、
日本企業
による
海外活動
を後押しし、
海外
の企業や
人材
を
我が国
へ呼び込むなど、
我が国
の
経済
や金融の
活性化
に向けて必要な
取組
です。
東京虎ノ門
の
仲裁専用施設
も十分に活用し、
仲裁人等
の
人材育成
、
国内外
の
企業等
に対する広報、
意識啓発
などの
取組
を強力に進めてまいります。また、現在、
法制審議会
において、
仲裁法制
の
見直し
に関する
調査審議
を行っていただいているところであり、
法改正
に向けた具体的な
検討
を進めてまいります。 重要な
日本法令
を翻訳して国際発信することは、
我が国
の
国際化
や
経済成長
のための基盤であり、
関係省庁
と緊密に連携して、
法令外国語訳整備事業
を更にスピードアップさせてまいります。
四つ目
の柱は、適正な
在留管理
の一層の
強化
と多
文化共生社会
の
実現
です。
在留外国人
の
方々
が
我が国
でその能力を十分に発揮できるよう、適正な
在留管理
及び
在留支援
に努めます。
特定技能制度
については、
制度
の適正な
運用
に力を注ぐとともに、
マッチング支援
などによる効果的で丁寧な
受入れ促進
に取り組んでまいります。
技能実習生
や留学生の
受入れ制度
についても、顕在化した様々な
課題
への
対応策
について、その効果を絶えず検証しつつ、
制度
の
改善
に努めます。 また、
ポストコロナ
に向けた
経済
の好循環の
実現等
を目的とする
国民
の命と暮らしを守る安心と希望のための
総合経済対策
に基づき、
海外
の
金融人材
がビジネスを容易に開始できるよう、
在留資格
の緩和や
優遇措置
の拡充を図ってまいります。
外国人
との
共生社会
の
実現
のためには、
在留資格
を有する全ての
外国人
を、孤立させることなく、
地域
のコミュニティーを構成する一員として受け入れていくという
観点
に立って
環境整備
を行っていくことが必要です。昨年七月に改訂した
外国人材
の
受入れ
・
共生
のための
総合的対応策
を踏まえ、
出入国在留管理庁
において、これまで以上に
総合調整機能
を果たしつつ、
関係
府
省庁
と十分に連携し、
外国人在留支援センター
における
支援
、やさしい
日本
語を活用した
在留支援策
についての
情報提供
、
一元的相談窓口
を開設している
地方公共団体
への
支援
などを
推進
してまいります。 また、
外国人
との
共生社会
の
実現
のための
有識者会議
における
議論
も踏まえつつ、
共生社会
の
在り方
やその
実現
に向けた中長期的な
課題
に対する方策を示すなどの
取組
を進めてまいります。
退去強制令書
が発付されたにもかかわらず、様々な理由で送還を忌避する者が後を絶たず、
入管収容施設
での
収容
の
長期化
が生じています。これを
解消
し
退去強制手続
を一層適切かつ実効的なものとするため、昨年七月に
収容
・送還に関する
専門部会
からいただいた
提言等
を踏まえ、
出入国管理
及び
難民認定法
及び
日本国
との
平和条約
に基づき
日本
の国籍を離脱した
者等
の
出入国管理
に関する
特例法
の一部を改正する
法律案
を今
国会
に提出しました。十分に御
審議
の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。 あわせて、被
収容者
の
人権
に配慮した適正な処遇の実施を徹底するとともに、
難民認定制度
の
見直し
を行い、真に庇護を必要とする者の迅速な
保護
を図ってまいります。
五つ目
の柱は、時代に即した
民事法制
の
整備
と
訟務機能
の
充実強化
です。 近年、
社会
の各分野における女性の一層の参画や父親の育児への関与の
高まり等
から
子供
の
養育
の
在り方
が
多様化
するとともに、
養育費
の不払や親子の交流の欠如などの父母の
離婚等
に伴う
子供
の
養育
への深刻な
影響
が指摘されています。父母の
離婚等
に伴う
子供
の
養育
の
在り方
については、
子供
の目線に立って、
チルドレンファースト
の
観点
から
検討
することが重要です。この問題の
解決
に向けて、
法制審議会
への諮問を行い、
制度
の
見直し
についてしっかりと
検討
を進めるとともに、
運用面
の
対応
にも取り組んでまいります。 また、近年、
不動産担保
や
人的担保
に過度に依存しない融資を促進する必要があるとの認識が高まり、動産や債権を
担保
の目的として活用する手法が注目されています。そこで、
法律関係
の
明確化
や
安定性
の
確保等
の
観点
から、
担保
に関する
法制
の
見直し
のための
検討
を進めてまいります。 さらに、その施行が近づきつつある
成年年齢
の
引下げ等
については、円滑な施行に向けた準備を着実に進めるとともに、
国民
への効果的な周知に尽力してまいります。
所有者不明土地
の発生を
防止
するとともに、
土地
の適正な
利用等
を図るため、
法制審議会
における
審議
結果を踏まえ、
相続登記等
の申請の義務付けや新たな
財産管理制度等
の創設を
内容
とする
民法等
の一部を改正する
法律案
、及び
相続等
により取得した
土地
を
法務大臣
の承認を受けて国庫に帰属させる
制度
の創設を
内容
とする
相続等
により取得した
土地所有権
の国庫への帰属に関する
法律案
を今
国会
に提出しました。十分に御
審議
の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。 あわせて、
相続登記
の促進のための
取組
や
表題部所有者不明土地
の
解消作業
など様々な
対策
を実施しつつ、引き続き、
関係省庁
と連携して、この問題の
解決
に向けて取り組んでまいります。
国民
の
権利利益
を
保護
するためには、国としての多様な
訟務機能
を
充実強化
することが必要です。国の利害に
関係
する訴訟に対する
指揮権限
を適切かつ効果的に行使するとともに、
国内外
の
法的紛争
の
発生そのもの
を未然に
防止
する
予防司法機能
の
充実
を図ります。また、
関係省庁
と緊密に連携して、
国際訴訟等
への
対応
を
強化
いたします。
六つ目
の柱は、
国民
から信頼され、期待される
司法
の
実現
です。
国際化
や
デジタル化
を始め
社会経済情勢
の
多様化
、
複雑化
に伴い様々な
法的需要
が新たに生じており、それらに積極的に
対応
できる
法曹
の養成が求められています。
現代社会
の様々な場面で活躍できる
法曹
を養成するための
取組
を
推進
しつつ、先般の
法改正
に基づき、
文部科学省等
と連携して、より多くの有為な
人材
が
法曹
に魅力を感じて志望するよう、必要な
取組
を積極的に進めてまいります。
法教育
は、
子供たち
が、自由で公正な
社会
の担い手として、
人権
を尊重する考え方や
法的思考力
を身に付けるために大変重要です。
成年年齢
の
引下げ
や
在留外国人
の増加をも見据え、幅広い
方々
が
法教育
に触れる機会を幅広く持てるよう積極的に取り組みます。
裁判所
の事務を合理化し、及び
効率化
することに伴い、裁判官以外の
裁判所
の
職員
の員数を減少することを
内容
とする
裁判所職員定員法
の一部を改正する
法律案
を今
国会
に提出しました。十分に御
審議
の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
利用者
の
利便性
の向上及び業務の
効率化
や質の向上を図る
観点
から、
行政手続
の
オンライン化
の更なる拡充を始め、
法務行政
の
デジタル化
、
IT化
を加速し、積極的に
AI等
の新しい
技術
も取り入れてまいります。また、
民事裁判
や
刑事手続
の
IT化
といった
司法分野
における
基盤整備
についても、強力に
推進
してまいります。
七つ目
の柱は、
世界
一安全な
国日本
の
実現
です。
犯罪
や非行をした者の立ち直りを支えるため、
再犯防止推進計画
及び
再犯防止推進計画加速化プラン
に基づいて、
関係省庁
や
地方公共団体
と連携し、就労、住居の
確保
を始めとする
再犯防止施策
を着実に
推進
します。特に、
更生保護施設
による息の長い
支援
の
充実等
を始めとした
満期釈放者対策
の
充実強化
を図るとともに、
通信制高校
と連携した
修学支援
やソーシャル・インパクト・ボンドを活用した
再犯防止事業
を進めてまいります。 また、
地方公共団体
との
連携強化
や
保護司活動
の
ICT化
、
協力雇用主
への
支援
など、
再犯防止
を支える
民間
の
方々
が活動しやすい環境の
整備
を
推進
してまいります。 あわせて、
法整備
を含め、
犯罪
や非行をした者に対する処遇を一層
充実
させるための
取組
を進めてまいります。
令和
四年四月の
成年年齢
の
引下げ
をも見据え、十八歳及び十九歳の者について
少年法
の適用において
特例規定
を
整備
することなどを
内容
とする
少年法等
の一部を改正する
法律案
を今
国会
に提出しました。十分に御
審議
の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
国民
の皆様が安全に安心して暮らせる
社会
を
実現
するため、
関係機関
とも連携し、
組織犯罪等
への
対応
を含め、
治安確保
のための万全の
対策
を講じてまいります。 また、
先端技術
の
流出事案等
、いわゆる
経済安全保障
に関連する
情報
や
国内外
における
テロ関連動向
の把握に努め、
関係機関
との連携を緊密にしつつ、
情報収集
・
分析機能
の
強化
を図ります。 いわゆるオウム真理教については、引き続き、
団体規制法
に基づく
観察処分
を適正かつ厳格に実施し、
地域住民
の
不安感
を
解消
、緩和するとともに、
公共
の安全の
確保
に努めてまいります。 北朝鮮に対しては、
人的往来
の
規制強化措置等
を適切に実施するとともに、核・
ミサイル関連
の
動向
、
日本
人拉致問題を含む
対外動向
や
国内状況
等について、関連
情報
の収集、分析等を進めます。
我が国
の領土、領海、領空の警戒警備に関しても、
関係機関
と連携し、遺漏のない
対応
をいたします。 八つ目の柱は、
職員
が誇りを持って生き生きと仕事のできる職場環境の
整備
です。
テレワーク勤務
等について、ウイズコロナ、
ポストコロナ
時代の新たな日常として、
法務省
の職場での定着を図ります。さらに、女性の職業生活における活躍や、男性の育児に伴う休暇、休業の取得を促進する、
推進
するとともに、
職員
の声をしっかりと捉え、ワーク・ライフ・バランスを
実現
するための更なる
施策
を
検討
してまいります。障害者雇用についても、着実に
取組
を進めます。
感染
症
対応
の要となる医療刑務所等を始めとする矯正
施設
について、
新型コロナウイルス感染症
などへの
対策
の
強化
に万全を期するとともに、
職員
宿舎を含めた
施設
整備
を着実に実施してまいります。 また、
再犯防止施策
の実施基盤としての役割や災害発生時には
地域住民
の避難所としての役割などが期待される
法務省
施設
の耐震化及び老朽化
対策
を確実に
推進
してまいります。 私は、田所嘉徳副大臣、
小野田紀美
大臣政務官、そして全ての
法務省
職員
とワンチームとなって、
コロナ禍
という困難な時期であるからこそ、より一層前向きな気持ちを持ち続け、
法務行政
にしっかりと取り組んでまいります。
山本香苗
委員長
を始め、
理事
、
委員
の皆様方には、より一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
山本香苗
8
○
委員長
(
山本香苗
君) 次に、
令和
三年度
法務省
及び
裁判所関係予算
に関する件につきまして順次説明を聴取いたします。田所
法務
副
大臣
。
田所嘉徳
9
○副
大臣
(田所嘉徳君)
令和
三年度
法務省
所管等予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
法務省
の一般会計予算額の総額は七千八百九十三億一千八百万円であり、前年度当初予算額と比較しますと、三百九十四億三千八百万円の減額となっております。所管別に区分いたしますと、
法務省
所管分は七千四百三十一億四千万円、内閣等所管として計上されている
法務省
関係
の
政府
情報
システム
関係
経費の予算額は四百二十億九千三百万円、国土交通省所管として計上されている
法務省
関係
の国際観光旅客税財源充当事業の予算額は四十億八千四百万円となっております。 また、
復興
庁所管として計上されている
法務省
関係
の
東日本大震災
復興
特別会計の予算額は二億五千三百万円となっております。 次に、一般会計予算の内訳は、人件費五千二百四十億二千八百万円、物件費は二千六百五十二億九千万円となっており、そのうち主要
施策
の経費について、五つの柱に沿って御説明申し上げます。 まず第一に、
感染
症
拡大
に
対応
するための
法務行政
の体制
強化
の柱においては、
感染
症
対策
や医療体制の
充実強化
を含む矯正
施設
等の
環境整備
の
推進
に必要な経費として二百十五億四千八百万円、
感染
症等に起因する問題
解決
のための
総合法律支援
の
充実強化
に必要な経費として三百二十一億五百万円、第二に、新たな日常に
対応
するための
法務行政
における
デジタル化
、
IT化
の
推進
の柱においては、
行政手続
の
オンライン化
及び行政機関間の
情報
連携
の
推進
に必要な経費として八十七億七千八百万円、業務継続性を
確保
するためのテレワーク等の
推進
に必要な経費として八億五千六百万円、第三に、包摂的な
社会
の
実現
に向けた
人権
擁護活動及び
再犯防止
対策
の
充実強化
の柱においては、
感染
症を始めとする様々な
人権
問題の
解消
に向けた
人権
擁護活動の
強化
に必要な経費として三十五億五千二百万円、
満期釈放者対策
を始めとする
再犯防止
対策
の
推進
に必要な経費として百二十七億五千六百万円、第四に、活力ある
日本
経済
の
実現
のための法的
基盤
の
強化
の柱においては、
所有者不明土地
問題への
対応
及び地図
整備
体制の
強化
等に必要な経費として七十三億八千百万円、ウイズコロナにおける出入国
在留管理
体制の
強化
及び
外国人材
の円滑かつ適正な
受入れ
の
促進
に向けた
取組
に必要な経費として百八十八億一千五百万円、法令外国語訳へのアクセス
強化
及び
国内外
の
法的紛争
に係る
予防司法機能
の
強化
等に必要な経費として二十億九千百万円、
京都コングレス
の
レガシー
の着実な実施を含む戦略的
司法外交
及び
国際協力
の
推進
に必要な経費として九億八千四百万円、第五に、新たな
世界
秩序の下での良好な
治安確保
のための
取組
の
充実強化
の柱においては、
経済安全保障
体制及びテロ
発生
の未然
防止
体制の
充実強化
に必要な経費として三十二億二千万円、
コロナ禍
においても良好な治安を
確保
するための検察活動の
充実強化
に必要な経費として十二億二千七百万円をそれぞれ計上しております。 次に、定員の
関係
でありますが、
令和
三年度においては、出入国
在留管理
体制の
強化
、
外国人材
の
受入れ
の
促進
、
経済安全保障
体制の
強化
、
再犯防止
対策
、
所有者不明土地
問題への
対応
等の
政府
の重要
課題
に
対応
するため、
法務省
全体で千三百十二人の増員が認められており、定員合理化による千七十五人の減員を差引きいたしますと、二百三十七人の純増となっております。 以上、
令和
三年度
法務省
所管等予算の概要を御説明させていただきました。 よろしくお願いいたします。
山本香苗
10
○
委員長
(
山本香苗
君) 次に、氏本
最高裁判所事務
総局経理局長
。
氏本厚司
11
○
最高裁判所長官代理者
(氏本厚司君)
令和
三年度
裁判所
所管歳出予算について御説明申し上げます。
令和
三年度
裁判所
所管歳出予算の総額は三千二百五十三億六千八百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千二百六十六億二千四百万円と比較いたしますと、差引き十二億五千六百万円の減少となっております。 次に、
令和
三年度歳出予算のうち、主な事項について御説明申し上げます。 まず、人的機構の
充実
、すなわち書記官及び裁判官の増員等であります。事件処理の
支援
のための、あっ、書記官及び
事務
官の増員等であります。 事件処理の
支援
のための体制
強化
及び国家公務員のワーク・ライフ・バランス
推進
を図るため、書記官は二人、
事務
官は速記官からの振替二人を含め三十九人、合計四十一人の増員をすることとしております。 他方、
政府
の定員合理化
計画
への協力として五十六人の減員をすることとしておりますので、差引き十七人の純減となります。 次は、
司法
の体制の
充実強化
に必要な経費であります。 まず、裁判
事務
処理態勢の
充実
を図るため百三十四億四千八百万円を計上しております。 その
内容
について申し上げますと、第一に、民事事件
関係
経費として二十八億七千九百万円を計上しております。この中には、民事調停
委員
手当、専門
委員
手当、労働審判員関連経費等のほか、民事
訴訟
手続の
IT化
関連経費が含まれております。 第二に、刑事事件
関係
経費として四十三億九千六百万円を計上しております。この中には、裁判員
制度
関連経費、心神喪失
者等
医療観察事件関連経費、法廷通訳関連経費等が含まれております。 第三に、家庭事件
関係
経費として六十一億七千三百万円を計上しております。この中には、家事調停
委員
手当等が含まれております。 また、庁舎の耐震化等のための経費として百四十六億二千四百万円を計上しております。 以上が
令和
三年度
裁判所
所管歳出予算の概要であります。 よろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。
山本香苗
12
○
委員長
(
山本香苗
君) 以上で
法務大臣
の所信並びに
令和
三年度
法務省
及び
裁判所関係予算
の説明聴取は終了いたしました。
法務大臣
の所信に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十五分散会