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高橋光男君 おはようございます。公明党の
高橋光男です。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
本日は、ため池の整備に関してお伺いしたいと思います。
御承知のとおり、ため池につきましては、平成三十年七月豪雨、いわゆる西日本豪雨において多くの決壊、損壊が発生し、大きな被害をもたらしました。我が地元兵庫県でも、実に百八十三か所が被災しました。こうした事態を受けて、国は
全国のため池の緊急点検を
実施し、必要なところに応急
措置等防災
対策が進められることになりました。その年度、平成三十年度から開始した防災・減災、国土強靱化緊急
対策の下で、
対策の優先度が高い約千のため池を昨年度中までに改修、統廃合することになったと承知いたします。
今年も出水期が迫っております。気候変動による豪雨災害は、コロナ禍に関係なく我が国に再来する
可能性があります。これまでの
対策の
実施状況を、このレビューをするとともに、このため池整備に係る今後の国の姿勢をただしてこれからを展望することは、国民の命と暮らしを守る上で時宜にかなったテーマではないかというふうに
考え、本日はこの点に関して質問をさせていただきたいと思います。
まず、皆様、我が地元兵庫県は
全国一ため池が多いことを御存じでしょうか。合計二万四千四百ものため池がございます。これは
全国の約十六万あるため池のうち一五%超を占め、
全国断トツ一位です。なので、兵庫県はため池王国というふうにも言われております。一方で、例えば一番少ないのはこの東京なんですけれども、十五のため池しかありません。もうこの差というのは非常に歴然としているわけでございます。他県も見ますと、広島県で約一万九千、香川県は約一万五千と続き、これら瀬戸内
地域で約五割を
全国の中で占めている
状況です。これは、瀬戸内気候のため降雨量が少ないということが背景にございます。
多くが江戸時代以前に築造されて、農業用水を確保するために造成されたものです。通常、農業用水は河川の水を
利用しており、
全国的には九〇%近くが河川の水を
利用していますが、兵庫県ではため池の水の
利用が約半分も占めております。
こうした歴史的背景がある中で、ため池の権利者の世代交代が進んだり、あ
るいは権利関係が不明確かつ複雑になったりしているところが多く存在します。また、近年では、離農や高齢化によって管理がおろそかになってしまい、日常の維持管理が適正に行われていないところも少なからずございます。
こうした
状況を受け、
令和元年七月、所有者、管理者、行政機関の役割分担を明らかにし、適正な管理保全を図るために、
農業用ため池管理保全法が施行されました。そして、平成三十年豪雨時に発生したような決壊による水害から国民の生命、財産を保護するために、
令和二年十月、防災
重点農業用ため池防災工事等特別
措置法が施行されました。こうした法体制の下で、ハード面、ソフト面、両面でのため池整備が進められているところでございます。
そこで、まずハード面の整備につきまして
野上大臣にお伺いしたいと思います。
防災・減災、国土強靱化三か年緊急
対策では、冒頭申し上げましたように、優先度が高い約一千の防災
重点ため池を昨年度までに改修、統廃合するとの
目標につきまして、これは
達成されたのでしょうか。この点、平成三十一年、すなわち
令和元年三月に、衆議院での我が党稲津久議員による
質疑に対し当時の吉川
大臣は、三か年緊急
対策の
予算を
活用していくというふうに
答弁をされました。そこで、実際、この三年間でどのくらいの
予算が手当てされたかについて、併せて
お答えください。