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2021-03-26 第204回国会 参議院 農林水産委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
令和三年三月二十六日(金曜日) 午後一時四十三分開会 ─────────────
委員
の
異動
三月二十六日 辞任
補欠選任
打越さく良
君 森
ゆうこ
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
上月
良祐君 理 事 堂故 茂君 藤木
眞也君
山田
修路
君
田名部匡代
君 紙
智子
君 委 員
高橋
克法
君 野村 哲郎君 林 芳正君
舞立
昇治君 宮崎 雅夫君
山田
俊男君
石垣のりこ
君 郡司 彰君 森
ゆうこ
君 河野 義博君 熊野
正士
君
高橋
光男君 石井 苗子君 舟山 康江君 須藤 元気君
国務大臣
農林水産大臣
野上浩太郎
君 副
大臣
農林水産
副
大臣
宮内 秀樹君
事務局側
常任委員会専門
員 笹口 裕二君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
森林
の
間伐等
の
実施
の
促進
に関する
特別措置法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、衆議院送 付) ─────────────
上月良祐
1
○
委員長
(
上月良祐
君) ただいまから
農林水産委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
打越さく良
さんが
委員
を辞任され、その
補欠
として
森ゆうこ
さんが選任されました。 ─────────────
上月良祐
2
○
委員長
(
上月良祐
君)
森林
の
間伐等
の
実施
の
促進
に関する
特別措置法
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。
本案
に対する質疑は既に終局しておりますので、これより
討論
に入ります。 御
意見
のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
紙智子
3
○
紙智子
君
日本共産党
を代表して、
森林
の
間伐等
の
実施
の
促進
に関する
特別措置法
の一部改正する
法律案
に反対する
討論
を行います。
森林
の
間伐
を進めることは、
CO2吸収
など
森林
の
地球環境保全機能
と豊かな
森づくり
のために大切です。
間伐事業
に対する
交付金制度
の延長は、
長期
にわたり
間伐
を繰り返し行っている
地域
で
活用
されており、
賛成
できるものです。しかし、
間伐
の
現状
は
目標
に遠く及ばず、
支援策
を強化することが求められています。 今回の
改正案
は、
間伐促進
に新たに主伐を伴う
特定植栽促進事業
を新設します。
特定植栽促進事業
は、
成長
の早い
苗木
である
エリートツリー
を
植栽
するものです。
間伐
が進んでいないのに主伐が推進されれば、
CO2
の
吸収源対策
にならず、
法律
の理念に反することになります。
エリートツリー
を
植栽
するためには立木を伐採する必要があり、
生産性
、
効率性
を優先すれば皆伐になりかねません。 また、三十年という短いサイクルでの主伐が繰り返されれば、
植栽
したとしても根が弱まり、
土砂災害
が起きる
可能性
が高いとの指摘もあります。これでは、
森林
による
CO2
の
吸収源対策
の目的にそぐわなくなります。 今、主伐後の再
造林
は四割程度にとどまるなど、
造林未済地
が
拡大
しています。これでは、
森林
の
CO2吸収源対策
への懸念が払拭できません。
特定植栽促進区域
が
造林未済地
になれば、
森林吸収源対策
に反することになります。
政府
は、
林業
の
成長産業化
のために
森林
の皆伐を推進してきました。二〇五〇年
カーボンニュートラル
を
実現
するためには、
森林
が有する
地球環境保全機能
を発揮させることが重要であり、
長期
を見据えた持続可能な
山づくり
が必要です。
林業
の
成長産業化
ではなく、
環境保全
型の
林業
への転換を求めて
反対討論
とします。
上月良祐
4
○
委員長
(
上月良祐
君) 他に御
意見
もないようですから、
討論
は終局したものと認めます。 これより
採決
に入ります。
森林
の
間伐等
の
実施
の
促進
に関する
特別措置法
の一部を改正する
法律案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
上月良祐
5
○
委員長
(
上月良祐
君) 多数と認めます。よって、
本案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、
田名部
さんから
発言
を求められておりますので、これを許します。
田名部匡代
さん。
田名部匡代
6
○
田名部匡代
君 私は、ただいま可決されました
森林
の
間伐等
の
実施
の
促進
に関する
特別措置法
の一部を改正する
法律案
に対し、自由民主党・
国民
の声、
立憲民主
・社民、公明党、
日本維新
の会及び
国民民主党
・新緑風会の
各派
並びに
各派
に属しない議員須藤元気さんの
共同提案
による
附帯決議案
を
提出
いたします。 案文を朗読いたします。
森林
の
間伐等
の
実施
の
促進
に関する
特別措置法
の一部を改正する
法律案
に対する
附帯決議
(案)
森林
は、国土の
保全
、水源の涵養、
二酸化炭素
の
吸収
による
地球温暖化
の
防止等
の
多面的機能
を有しており、これらの
機能
の持続的な発揮を
確保
する上で、適正な
森林整備
を推進することは極めて重要である。 また、
パリ協定
に基づく我が国の
森林吸収量目標
の達成や二千五十年
カーボンニュートラル
の
実現
のためにも、引き続き、
間伐
や再
造林等
の
森林整備
を通じて、
森林吸収量
の
最大化
を図っていくことが極めて重要である。 よって
政府
は、
本法
の施行に当たり、次の事項の
実現
に万全を期すべきである。 一 再
造林
をはじめ、
間伐等
の
森林施業
による
森林吸収源対策
を着実に進めるため、
森林整備事業
に係る予算の
確保
及び
支援措置
を拡充すること。 二
特定母樹
の増殖に当たっては、
遺伝的多様性
に十分配慮すること。また、増殖した
特定母樹
から採取される
種穂
の配布に当たっては、
地域
の
苗木生産者
が広く利用できるようにすること。 三 再
造林
に当たっては、
適地適木
を原則とすること。また、
特定苗木
を用いた
植栽
については、
地域
の実情も踏まえつつ、
区域指定
や
施業
の基準となる考え方を国として示すこと。 四 未
更新地
の解消を図るため、再
造林
に係る
省力化
・
効率化
、
苗木供給量
の
拡大
、
苗木生産者
の
支援
に係る
施策
を拡充すること。 五
森林資源
の
循環利用
の確立に向け、
林業労働力
の
育成
・
確保
に向けた
施策
の拡充、賃金・
労働安全対策
をはじめとする
就業条件改善
に向けた
対策
を強化すること。 六 二千五十年
カーボンニュートラル
に向けて、木材の
利用拡大
による
炭素貯蔵
、
二酸化炭素
の
排出削減効果
を
最大化
するため、
本法
の
措置
に加え、CLTや
耐火部材等
の
活用
により、
公共建築物
のみならず民間の非
住宅建築物
の
木造化
・
木質化
を進めるとともに、
熱利用
など高
効率
な
木質バイオマスエネルギー
の
活用
を推進すること。 七
国有林野事業
においても、
国有林
の一元的な
管理経営
の下、再
造林
、
間伐等
の
森林整備
が着実に推進されるよう、適正な
人員等
の
確保
、人材の
育成
、技術の
継承等
に努めること。 八
台風等
の
自然災害
による
森林被害
や
山地災害
が頻発している
現状
に鑑み、
災害
からの復旧を迅速化し、今後の
災害発生
を予防する観点から、
間伐
をはじめとする適切な
森林整備
を推進するとともに、
災害発生リスク
の増大を踏まえた
治山対策
を強化すること。 右
決議
する。 以上でございます。 何とぞ
委員各位
の御賛同をお願いいたします。
上月良祐
7
○
委員長
(
上月良祐
君) ただいま
田名部
さんから
提出
されました
附帯決議案
を
議題
とし、
採決
を行います。 本
附帯決議案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
上月良祐
8
○
委員長
(
上月良祐
君) 多数と認めます。よって、
田名部
さん
提出
の
附帯決議案
は多数をもって本
委員会
の
決議
とすることに決定いたしました。 ただいまの
決議
に対し、
野上農林水産大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
野上農林水産大臣
。
野上浩太郎
9
○
国務大臣
(
野上浩太郎
君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
附帯決議
につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
上月良祐
10
○
委員長
(
上月良祐
君) なお、
審査報告書
の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
上月良祐
11
○
委員長
(
上月良祐
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十一分散会