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2021-02-10 第204回国会 参議院 資源エネルギーに関する調査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年二月十日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員氏名     会 長         宮沢 洋一君     理 事         滝波 宏文君     理 事         三浦  靖君     理 事         宮崎 雅夫君     理 事         青木  愛君     理 事         河野 義博君     理 事         梅村  聡君     理 事         田村 まみ君     理 事         山添  拓君                 阿達 雅志君                 こやり隆史君                 自見はなこ君                 高階恵美子君                 高野光二郎君                 高橋はるみ君                 藤木 眞也君                 宮島 喜文君                 岸 真紀子君                 塩村あやか君                 森屋  隆君                 竹内 真二君                 新妻 秀規君                 音喜多 駿君                 舟山 康江君                 市田 忠義君     ─────────────    委員異動  二月九日     辞任         補欠選任      森屋  隆君     小沢 雅仁君  二月十日     辞任         補欠選任      阿達 雅志君     そのだ修光君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         宮沢 洋一君     理 事                 滝波 宏文君                 三浦  靖君                 宮崎 雅夫君                 青木  愛君                 河野 義博君                 梅村  聡君                 田村 まみ君                 山添  拓君     委 員                 阿達 雅志君                 こやり隆史君                 自見はなこ君                 そのだ修光君                 高階恵美子君                 高野光二郎君                 高橋はるみ君                 藤木 眞也君                 宮島 喜文君                 小沢 雅仁君                 岸 真紀子君                 塩村あやか君                 竹内 真二君                 新妻 秀規君                 音喜多 駿君                 舟山 康江君                 市田 忠義君    事務局側        第三特別調査室        長        亀澤 宏徳君    参考人        東京大学大学院        工学系研究科教        授        縄田 和満君        三菱UFJリサ        ーチ&コンサル        ティング株式会        社持続可能社会        部長上席主任        研究員      清水孝太郎君        三菱商事株式会        社常務執行役員        天然ガスグルー        プCEO     西澤  淳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○原子力等エネルギー資源に関する調査  (「資源エネルギー安定供給」のうち、資源  の安定供給等地域偏在など資源を巡る国際動  向))     ─────────────
  2. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、森屋隆君が委員辞任され、その補欠として小沢雅仁君が選任されました。     ─────────────
  3. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) この際、本調査会の二年目の調査について御報告いたします。  本調査会は、令和元年十一月に今期調査テーマを「資源エネルギー安定供給」とすることに決定し、調査を進めております。  二年目の調査につきましては、理事懇談会等で協議いたしました結果、引き続き、本調査テーマの下、「資源安定供給等」について調査を進めていくこととなりました。  何とぞ委員各位の御協力をお願いいたします。     ─────────────
  4. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力等エネルギー資源に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力等エネルギー資源に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  9. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 原子力等エネルギー資源に関する調査を議題といたします。  本日は、「資源エネルギー安定供給」のうち、「資源安定供給等」に関し、「地域偏在など資源を巡る国際動向」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  御出席いただいております参考人は、東京大学大学院工学系研究科教授縄田和満君、三菱UFJリサーチコンサルティング株式会社持続可能社会部長上席主任研究員清水孝太郎君及び三菱商事株式会社常務執行役員天然ガスグループCEO西澤淳君でございます。  この際、参考人皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、縄田参考人清水参考人西澤参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、縄田参考人からお願いいたします。縄田参考人
  10. 縄田和満

    参考人縄田和満君) 東京大学縄田です。今日は、このような会にお呼びいただきまして、誠にありがとうございます。  今日特にお話しするのは、レアメタル中心とした鉱物資源安定供給に関する件です。実は私、この鉱物資源レアメタル中心とした資源安定供給に関してもう三十年ほど取り組んでおりまして、その一部を御披露できればと思います。(資料映写)  これ、私自身が委員を務めております経済産業省総合資源エネルギー調査会資源燃料部会報告中心に、まず現状について簡単に御報告したいと思います。  新たに資源エネルギー政策というのが設定されまして、実際にこれを行うJOGMEC等の改正が行われて現在に至っているということです。  特に、私が対象としておりますレアメタルに関しては、レアメタルの、後ほど述べますように、レアメタルの更なる需要拡大が予想されると。特に、これも後ほど述べますが、中国による寡占が進んでいると。実際にあった事件といたしまして、レアメタル輸出禁止というのが実際に起こっているということで、概要はそうなっていると。  レアメタルといいましても、レアメタルは特に地域偏在性が強いものが存在します。今、二次電池等で非常に重要となっているコバルトについて見ますと、全世界で十数万トンしか使われていないんですが、そのうち半数コンゴ。必ずしも、政情も不安定であり、さらにいろんな意味人権問題等が騒がれている、非常にコンゴという国に依存しているというのが現状です。  もう一つ、ここにありますように、レアアースの製錬等を見ますと、圧倒的に中国が大きいということです。  レアメタル、以後はレアアース等も含むものとしますが、は実に多種多様にわたると、二十数種類に国の定義でもわたるということになっております。一番大きいニッケルで二百数十万トン、少ないものにとっては全世界で数十トンしか使われていないというようなものもあります。しかも、それを使わないと製品ができない、まさに産業ビタミンとなっております。製品としては、ここにありますように、多種多様なものがレアメタルがなければ物が作れないと。  次が鉱物資源値段ですが、後でも述べますが、鉱物資源というのは非常に値動きが激しい。これ、最近のあれなんですが、当然コロナ危機で大きく落ち込んで、また中国の、特に中国需要が復活してきたので上がっていると。何か物があるとすぐに二倍、三倍、物によっては十倍になることもあるといったことになっています。  かつ、ベースメタルですと、LME、ロンドン・メタル・エクスチェンジ等ちゃんとした市場があるんですが、レアメタルになると、どうやって値段が決まっているか余りにも明らかでないと、メタルズブリテンとかメタルズウイークみたいなところの聞き取りによって決まっているというような実態があります。つまり市場が、まだないというか成熟していないというか、どっちかは分かりませんが、そういう事情があると。で、価格も非常に上下すると。平らなところはないんじゃなくて、メタルズブリテンとかそういうところがそうなっているので、市場があれば本質的には物すごく上下しているということになります。  これまでの影響で、特に一番下の金属、私の専門としている金属鉱物資源について見ると、ベースメタル、後で述べますように、ベースメタルにおいても大きな障害が予想されると。レアメタルにおいては、現状では比較的需要が緩んでおります。ただし、何が起こるか分からないというのが現状です。  次に、カーボンニュートラルに向けた資源エネルギー政策の方針という、十二月に行われた総合エネルギー調査会資源燃料部会のものから引用したものですが、これも見たように、資源埋蔵量、要するにリチウム、ニッケルコバルト等が必要になるんだけど、非常に偏りがある。これは資源国偏りじゃなくて、製錬も中国に偏っているという現状があります。一国の政策、さらには、今コンゴの例が出ましたが、コンゴ等で何か内乱、内紛みたいなのがあると、世界中供給に大きな影響が出るということです。  次が、各国における問題ですが、特にアメリカと中国関係というのが現在問題になっておりますが、将来的にはそれがかなり影響していく可能性があるというのだけ指摘しておきたいと思います。中国、今、一斉に規制を緩めたので造り過ぎになっちゃって、また国家管理に戻そうとしているということがあります。  当然のことながら、リサイクルの取組も必要であると、今後ですね。ただし、これも技術問題と関係するんですが、リサイクルというのは実は鉱石を取り出すのと技術的には一緒なので、製錬所がないと日本リサイクルができないということになります。そのために、例えばレアメタルを含む製品をよその国に持っていって製錬してもらうというんだと、安全保障上、何というか、安定供給上ほとんど役に立たないというようなことになってきます。  次は、IEAの報告書からですが、今後、レアメタルが大きく伸びるであろうということが予想されます。  これ、電気自動車伸びなんですが、二〇一七年においては百万台以上の電気自動車の新車が発売されたと、そのうち過半数中国半数以上はもう中国であるということになっています。路上で使用されている電気自動車は三百万台を超えて、二〇一六年よりも五〇%増加したということになっていますが。  これが電池価格なんですが、いろんな各種資料から取ったんでちょっとばらつきがありますが、一応、何というか、電池価格というのは低下傾向にあるということがあります。  ただし、これ、二〇一七年当時のシナリオです。将来どの程度増えるかと、ハイブリッド等のどれだけ増えるかというのを調べたんですが、御存じのように、カーボンフリーカーボンニュートラルというのをしていましたし、日本に、我が国においても、菅総理発言のとおり、もうEVに替える、EVとかプラグインハイブリッドに替えていくんだということを世界各国が始めましたので、恐らく伸びがこんなものでは利かないということが予想されます。  つまり、カーボンニュートラルを実現するためには、レアメタル及び必要な金属類確保しないとそもそも造ることができないと、これが世界中で起こるということが予想されます。これアウトルックシナリオですが、こんなものではない、これの最も極端な例とされているのよりも更に多くなるということが予想されるということです。  じゃ、具体的にどの程度必要かというのは、これはベースメタルとはレアメタルは異なって、ベースメタルなんですが、私が日本メタル経済研究所から受託しました研究で、銅の需要ですね、代表的なベースメタルである銅の需要について予測したものです。  これで見て分かるとおり、ハイブリッド、これ内燃機関の普通の自動車では、もちろん大きさによって異なりますが、平均的に二十三キログラム、ハイブリッドでは四十、プラグインハイブリッドでは六十、電気自動車では八十八キロ必要になるということになります。今、御存じのとおり、主に売られているのは普通のガソリン自動車ですので、それがEV等に変わると、銅を見ても四倍になると。それと、銅のようなベースメタルで比較的自由に取引されている製品でも、要するに順調にというか、二〇〇八年の一千八百十一万トンから二千三百四十六万トンに十年間で増えたと。  これからが私の行った予想になるんですが、二〇三〇年には、今まで、これまでのとおり自動車等のものが変わらないと仮定しましても、各国経済成長により一〇%ぐらいは増えていくと。問題は、電気自動車等輸入するとどのぐらい増えるかと。これは、この当時、二年前に行った研究なんで、今とは比較にならないほどEV導入というのが、一桁違うと思っていただければいいんですが、それによって銅のようなものでも五%程度増えてしまうということが予想されます。  更に申し上げますと、コバルトのような十数万トンしかないもの、全世界で十数万トンしかないものが、言わばEVが、何といいますか、世界中で使われるようになると全く足りない、よほどの新技術が出てこない限り、桁が違うぐらい足りなくなってしまうというようなことがあります。  次が、私の論文で、二〇一〇年に出た論文なんですが、中国動向について分析したんですが、ちょっと注目していただきたいのは、投稿日が二〇〇八年、つまり、実際に、言わんとしていることは簡単です。現在のままでは中国レアメタル供給ポリティカル化、政治のカードとして切ってくるというのを論理的に説明して、その経済的影響を調べた研究です。これが二〇〇八年の秋頃書いた論文なんですが、御存じのとおり、中国国内、もう当時、その当時は中国国内での依存度がもう一〇〇%に近い程度になっていました。  じゃ、レアメタルという、この場合レアアースですが、それほどレアかというと、金属的にはそれほどレアではないと。では、何で中国が独占するに至ったかというと、中国レアアースをうんと安くして、ほかの鉱山がどんどん潰れていっちゃったわけですね。その結果、中国が独占することになってしまったという常識が、歴史があります。今からつくり直してもまたこれが起こっちゃう可能性があるということがあります。  もう一つは、中国以外で探鉱を行うというのも必要なんですが、さらに製錬技術中国が押さえていると変わらない、そういうことに、そこがネックになってしまうということがあります。  それに関連しまして、WTO訴訟に関しても研究を行っております。今までWTOは主に輸入規制を主としていたんですが、中国の行動に関して世界各国からWTO訴訟、違反ではないかと、輸出に関する規定、輸出に関する制限に関しての議論があって、実際訴訟になって上級委員会まで行って、これは日本、訴えた方が勝ったということなんです。さらに、日本が関わった訴訟では、レアアースに関する輸出規制日本が初めてWTO中国を訴えた訴訟なんですが、これも日本、訴えが、つまり中国規制は違法とされたということです。  じゃ、レアメタル等中心とした資源安定確保に関する指針としましては、まず上流権益確保があります。当然にそれとペアになるのが資源国との友好関係、互いにウイン・ウインじゃないといけませんよと。もう一つが、資源輸出に関するWTOなどによる国際的な枠組み導入。それと技術開発ですね。レアメタルというのは副産物として回収されることが多く、その経済的な回収のための技術を確立していかなくちゃいけない。これは、裏を返せばリサイクルということになります。さらに、価格決定メカニズムを含めた市場環境の整備。最後備蓄ということになるんじゃないかと思います。  国際的な枠組みに関してちょっと簡単に言いますと、今までガットの条項で言うと、ガットの二十条、特に(g)条の天然資源に関する保全が問題となっていたんですが、現在の昨今の状況からしますと、ガット二十一条の安全保障例外資源国が、特に過去の例では中国になりますが、持ち出してくるおそれがあると。平和維持のために軍備に使われる可能性があると。  今、民生部品と軍事の境というのがほとんどなくなっちゃっていますので、これを持ち出された場合どうするかというのは、もう事前に対策を取っておくべき、日本がそれなりに国際的に発言力を持つためであるということがあります。  それに関して、当然のことながら、日本唯一資源唯一かつ最大の資源である人材研究人材育成が必要になる。特に私のように大学にいる人間としては人材育成が重要になるということです。今まで人材というとどうしても技術部門が多かったんですが、こういった国際交渉枠組みをつくると、そういうことに関して積極的に参加できる、我が国のあれをつくる人間が必要であるということです。  これで最後になりますが、時間ですので、レアメタル備蓄に関しては、総合資源エネルギー調査会の方で、私も委員の一人となりますが、見直しを行うということになっておりますので。  以上、時間ですので、報告を終わらせていただきます。
  11. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) ありがとうございました。  次に、清水参考人にお願いいたします。清水参考人
  12. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) 三菱UFJリサーチコンサルティング清水でございます。  レアメタルお話に関しましては縄田先生が既にお話しなさっていらっしゃいますので、私からは、今、私、ちょうど国際希土類工業協会と、ブリュッセルが本拠地でございますけれども、そちらのちょっとメンバーでありますのと、あと、ISO、国際標準機構でございますが、そちらの委員をサーキュラーエコノミーとレアアースの二つに関して行っているものでございますから、本日のお題にも沿う形で、どちらかというとちょっとレアメタルケーススタディーにしてという形にはなりますが、そちらの経験などを主に御紹介できればと思っております。  お手元の資料のちょっと三ページ目と四ページ目になりますが、本日御紹介する資源、たくさん資源にはいろいろ種類ございますけれども、特に金属資源材料資源ですね、こちらをケーススタディーに御紹介申し上げます。  五ページ目は既に縄田先生お話しされていらっしゃいますので、この辺は飛ばさせていただきまして、六ページ目、七ページ目も縄田先生の方からお話ございましたとおり、様々な用途にレアメタル、本当に少量しか使われないんですけれども、こういうものがなければ最後部品ができずに製品として完成しないと。よく俗に産業ビタミンという言い方もされますけれども、量はないんですけれども、そういうものがないと困るというところで御紹介しております。  よくレアメタルレアアースというふうに言う言葉がございます。レアメタルというのは実は和製英語でございまして、ただ、その和製英語も、最近使っているうちにだんだん外国の方も使うようになってきたんですけれども、レア、珍しいと、希少であるという意味言葉でございますが、地球上の存在比で見ますと、八ページ目でございますが、こちらのとおり、大変いずれも少ない量しかないんです。  ただ、レアアースというものに関しましては、縄田先生も御指摘のとおり、レア名前は付いてはいるんですけれども、実は科学的に見るとそこまでレアではないと。ここの緑色文字が、九ページ目の緑色文字レアアースと言われている元素存在比でございますけれども、実はこれよりもっと希少性の高いものがたくさんあると。実はさほど変わらない、亜鉛とかコバルトとか、実はそんなに希少性は変わらないというようなものもございまして、名前で引きずられてしまうことが多いのですが、実は地球上にたくさんあると。  ただ、なぜレアアースレアであるかと申し上げますと、実は副産物放射性廃棄物というものが出ます。トリウムというものです。有名なところではウランとトリウムと二種類ございますけれども、トリウムというのは原子力発電には直接は使われませんが、そういう放射性の物質があるので、その処理がなかなか大変ということで採掘が難しいと、そういう元素でございます。  十ページ目は、こちらも、日本資源の大半を海外からの輸入に依存しているということで、御覧のとおりでございます。  十一ページ目がクリティカリティー評価と。日本語で申し上げますと、クリティカリー、これは要するに資源重要度と置き換えていただいてもよろしいかと思います。ただいま日本のほかにもヨーロッパ、欧州ですね、欧州連合、米国でも同様の形でこのような評価を行うようになっておりまして、縦軸供給リスク、いわゆるカントリーリスクとか、どのぐらい供給リスクが高いかというものを取りまして、横軸産業重要度脆弱性という言い方もいたします。もし途絶えた場合には日本経済にどのぐらいダメージがあるのかと。  当然、その二軸を取った場合、右上に来るものが大変重要度の高い、日本経済にとってインパクトも大きく大事なものであるということになるんですが、このような評価は、日米欧、こうした三地域で盛んに今行われておりまして、日本では、今最新のものが十二ページ目にございますけれども、左側が有賀二〇一五と、この十一ページ目にあるもののリバイス版でございます。右側にあるものが、これはちょっと手前みそで恐縮ですが、弊社で評価をいたしました結果でございまして、右側にあるもの、例えば、ここでは元素記号で書いておりますけれども、W、タングステンでございますとか、Ge、ゲルマニウムとか、Pt、白金ですね、自動車の触媒であったり、自動車産業の切削加工には必要不可欠なタングステンであったり、半導体には不可欠なゲルマニウムと、あっ、光ファイバーですね、そういうものが並んでまいります。  ここの原点からの距離をクリティカリー強度として、三平方の定理から距離は出ますけれども、それを棒グラフにしたものが十三ページ目でございます。  順番に並べますと、実はアルミニウムが大変いろんなところに使われておりますので、一見カントリーリスクは余りないというようなちょっと印象も受けるんですが、ただ、実は、自動車であったり、いろんな様々な日用用品にも使われておりますので、重要度は大変高いというものでございます。  こちらを並べて見ていくと、アルミニウム、Alがアルミニウムですね、Ptがプラチナ、白金、Tiはチタンというもので、飛行機の材料などに使われるものですが、並べていくとクリティカリー強度の高いものが見えてくるんですけれども、ただ、今までのクリティカリー強度では見ていないものがございまして、最近盛んに言われているのは安全保障の観点であります。  特に、米国の地質調査所では、名指しをするとあれなんですけれども、中国ですとかロシアといった国々から依存する資源の割合を二五%まで下げようと、そういう具体的な目標を掲げてやっておりまして、日本でも防衛白書には、中国、ロシア、北朝鮮、イランといった国々については脅威であるというちょっと表記もございましたので、それでちょっと色分けをしたらどうなるのかというのが十三ページ目の絵でございます。グラフでございます。  赤色のものが脅威国、今申し上げました四か国からの調達が二五%以上、逆に青色のものは、次のページでも申し上げますが、いわゆる安全な国と、通商上の問題も大変リスクの少ないという国でございますが、アルミニウムは、実はロシアでございますとか、そういった国々からの依存も大きく割合がございまして、実は高いと。Mgというのはマグネシウム、これは中国依存でございますし、Wと書いているのはタングステン、これも中国依存、Fと書いてあるのはフッ素、蛍石でございます。リチウムイオン二次電池の一部の材料でございますとか、身近なところですと御家庭にあるフライパンのテフロン加工の材料とか、ああいうものにも使われます。Vと書いてあるのはバナジウム、これも触媒でございますとか、そういうものにも使われます。Pdと書いてあるのは自動車の排ガス触媒、いずれも少量でございますが、なくなると環境規制を満たさないので、そもそももう自動車が売れなくなってしまうとか、そういう少量ながらも重要性の高い資源でございます。  続きまして、十四ページ目でございますが、今申し上げたような分類で、二重丸、丸、三角、バツとざっくり分類したものがございますけれども、ここで御注意いただきたいものがバツの付いているものでございます。脅威国からの輸入が大変割合が多くて安全国からの輸入も少ないと、つまり脅威国以外に頼る先がない資源ということでございます。  こちらで特徴的なのが、縄田先生も再三御指摘していただいておりますけれども、いずれも中国に依存しているというのが大変特徴的であります。代表的なものがレアアース、希土類とも呼ばれます。あと、タングステン、蛍石、フッ素の原料ですね。アンチモン、これは樹脂が燃えないようにするための難燃助剤として使われるものもございます。あとは自動車の排ガス触媒に使われるパラジウム、これはロシアですね。こうしたものが大変クリティカル、重要度が高いという資源になっております。  逆に、二重丸のもの、これは関係国と連携しながら今後も安定的に供給確保できるんじゃないかという資源もありますが、これは比較的ベースメタルなどに多くございまして、ベースメタルというのは銅とかそういう資源でございますけれども、そういうものに多くなっております。  十五、十六、十七が、我が国輸入している先の国を資源別に並べたものでございます。  十五ページ目が相手国の輸入シェア、赤色で塗っているものが防衛白書で脅威国とされているものでございまして、多くの資源中国に依存しているというのが、特にレアメタルでございますが、多いということがこれからお分かりいただけるかと思います。逆に、青色のものは安全国と言っているものでございますけれども、こちらは特定の幾つかの限られた資源に限られるというものがお分かりいただけるかと思います。  では、輸入依存度が高ければ、じゃ、違う国に振り替えればよいのではないかと、そういうお考えもあろうかと思います。  十六ページ目が、日本輸入はしてはいないんですけれども生産はしていると、場合によっては日本が新しい購買先になり得る国を入れております。これを御覧いただくと、それでもやっぱり赤色の中国に依存している元素というのが依然として多い、特にレアメタルについては多いというものがお分かりいただけるかと思います。  じゃ、生産が偏っていてほかの国に替えることが難しいのであれば新しい鉱床を開発すればよいのではないかと。まさにJOGMECさん、資源エネルギー庁さんが日本の権益を海外で獲得するためのお取り組みされているところでございますが、その鉱床の埋蔵量の分布を見たものが十七ページ目でございます。  これで、一部、緑色のもの、つまり安全国でも脅威国でもないという国が大分ちょっと増えてはきてはいるんですが、ただ、それでも幾つかの元素は依然として赤い色のものに集中しておりまして、これは何かしら抜本的な対策を取らない限りは、常に安全保障上のリスクを抱え続けるということになってまいります。  いずれの元素も大変ちょっと中国との関わりが深い資源であるということを申し上げたんですが、十八ページ目にちょっと漫画を描いております。  縄田先生も先ほど御紹介されたところですのであえて詳しく申し上げませんけれども、中国はこのトウ小平の頃から、中国語で言うとこれ韻を踏んでいるんですけれども、中東には石油があるけれども中国にはレアアースがあるということで、寡占を、独占を進めて中国の強みを出していく産業構造に変えていこうと、そういう政策を長年打ってきたわけでございます。  残念ながら、実質的なレアアース輸出禁輸と、尖閣諸島の問題に起因する実質的なレアアースの禁輸という問題もございましたけれども、それも中国のそうした一連の戦略、政策方針の延長線上にあったものということがここから分かるかなと思います。  先ほど縄田先生からWTOお話がございました。レアアースのそういう自由貿易をゆがめるような中国の行いに関しては、WTOの中で提訴されて改善をされたところでございますが、ちょうどその裁定が出た後ぐらいに、今度は中国からISO、国際標準機構です、こちらの中でレアアースに関する国際ルールを作っていこうという提案が出されまして、今ちょうど幹事国と議長は、議長国は中国なんですけれども、こういう市場ルールの中で新たに中国影響力を高めていこうと思われるような行為を新たに打ち出してきているところでございます。  十九ページ目が、今申し上げました国際標準化等を含めた動きでございます。  ISOの動き、本当にいろんな、資源の話もあれば、今これから申し上げるような循環経済の話、あとは環境規制の話、いろんなものが交ざっておりまして、一見妖怪のぬえのような形で、何が正体なのか分からないようなところがございます。  大きくまとめますと、これは私の経験でございますが、一つ輸出管理の強化の観点、あとサプライチェーン再構築の観点、このサプライチェーン再構築というのは、自分の経済圏内で雇用を増やしたりとか技術力を高めて競争力を高めたりとか、ちょっと輸出管理強化とは違う視点での意味合いになります。あともう一つは国際標準化、この三つの観点が、このまさに資源を取り巻く環境では、特に金属資源の分野でございますけれども、大事なポイントになってくるのかなと思っております。  中国日本欧州、米国、オーストラリア、カナダと、十九ページ目にはこの六か国を提示をしておりますが、この鉱物資源の分野ではこの六か国が大変鍵になる存在かと見ておりまして、従来は、日本中国、古き良き時代は日中レアアース交流会議と、まだ中国が経済的に発展しておらず日本輸出をしたいと、そういうときにはこういうものをやっていたんですが、今はそういうものも途絶えまして、逆に欧州でございますとか米国、今、日米欧クリティカルマテリアル三極会合と、そういう政府間の議論をする場もございますけれども、そうした点が大変重視をされているというところでございます。  二十ページ以降は、これはちょっとまた視点を変えたことを御紹介申し上げたいと思うんですが、資源安定供給(利用)に向けてという観点でございます。  本日お集まりの先生方は、資源安定供給、そうした点に大変心を砕かれていらっしゃるかと思うのですが、今回のコロナ騒ぎ、あとそれから循環経済、より少ない資源で豊かな生活を送ろうと、そういう考え方も出てきておりますけれども、今までの延長線上では、必要となる資源の種類でございますとか資源の量というのが今までどおりにはいかないと。逆に言えば、今後はちょっと違った傾向で資源需要、そうしたものが生まれてきますので、そうしたものを注目しなければいけないという意味で、ちょっとこちら、サーキュラーエコノミー、日本語では循環経済と呼ばれておりますけれども、そちらの動きを御紹介したいと思います。  二十二ページ目は、国連環境計画、俗にUNEPと呼ばれているところでの紹介しているコンセプトでございますけれども、今まで我々人類というのは資源をたくさん消費することで利益を生み出し、国全体ではGDPの拡大というところに結び付けてきたところかと思います。  ただ、そのままですと、どんどん資源を消費しない限りはGDPが上がらない、豊かにならないということにもなりますので、経済発展と資源消費のデカップリング、デカップリングというのは切り離すという意味言葉になりますけれども、そういう循環経済型の社会に変えていこうという取組を進めております。  ISOの世界でもこのサーキュラーエコノミーという国際ルールがまさに議論されているところでございまして、資源の消費量ですとか採掘量を減らしながら、一方で、民間、一企業であれば利益、国全体で見ればGDPを上げていこう、こういう取組が重視されているわけでございます。  二十三ページ目が、じゃ、従来のビジネスと循環経済型ビジネスではどう違うんだということで、ちょっと簡単な絵を描いてみたんですけれども、従来のビジネスというのが、ある意味、一株式会社の中で利益をいかに最大化するかという観点であったのに対し、循環経済型ビジネスというのは、サプライチェーン横断的に、資本横断的に物をうまく回しながら、つまり、工場を出荷した後も効率よく使われるような仕組みをつくりながら、かつユーザーの方が、ああ、これだったらすごい使っていて楽しい、満足度が高いからお金を払っていこうと、こういう付加価値の拡大を促すものが循環経済型ビジネスというふうに言われております。  こうしたものが普及してくると、当然のごとく資源需要の形態というのも変わるであろうというのが本日の申し上げたい点でございます。  二十四ページ目、二十五ページ目は、循環経済型ビジネスはどんなものなのかというちょっと絵を描いておりますので、御覧をいただければと思いますが、一番申し上げたい点は、二十五ページ目の契機となるアフターコロナという点でございます。  今日もまさに皆様マスクをしてこういうふうに御参集しているわけでございますが、社会では確実に消費の分散化、今までレストランとか会社とか、集まって皆さん消費活動などしているケースが多かったと思うんですが、やはり確実に自宅、都会ではないところで消費というのが増えてくるかと思っております。あとは、製造業の部分も、一部限界はございますけれども、こうした分散化というものが進んでくるわけでございまして、そうなりますと、今まで必要とされていたような資源の量、種類というのが従来どおりではなくなってくる可能性があるということです。  これに対応するのが実は循環経済型ビジネスであると考えておりまして、このように、生産、消費の分散化が進む社会にも対応できるビジネス形態に変わってくる必要があるかと思います。そうなると、必要となる資源も恐らく変わってくるのではないかという、そういうことを申し上げたいと思います。  二十六ページ目は、こちらは、今申し上げているような社会背景、変化でございますね、そちらに対してどんな取組が必要とされるのかというところで、鍵となるのはやはりIT、IoTでございます。こうした物理的に離れているような人々、あと会社、こうしたものをつなぐことがやはり必要になってまいりますので、そこで鍵になるのがIoTでございます。  二十七ページ目、二十八ページ目は、一つちょっと私の発表のまとめという形になりますけれども、やはり資源のない日本安定供給が大変大事な課題でございますけれども、ただそれだけ追いかけていては、当然、製造業とかそういう産業の変化に対応ができないわけでございまして、今回、コロナ禍というのが一つのきっかけであるとは思うんですけれども、そうした産業の変化に応じて資源の調達というものも改めて考え直さなければいけないのではないかと、このように思っております。  私からの説明は以上でございます。
  13. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) ありがとうございました。  次に、西澤参考人にお願いいたします。西澤参考人
  14. 西澤淳

    参考人西澤淳君) こんにちは、三菱商事の西澤でございます。私は、三菱商事で天然ガス、LNG事業の責任者をしております。  本日は、ちょっと本日のこのお題の「地域偏在など資源を巡る国際動向」というところから少し離れるかもしれませんが、お手元にお配りしておりますカーボンニュートラルの実現に向けた天然ガスの役割ということでお話をさせていただきたいと思います。  パワーポイント、全体で十四枚でございまして、前半は、ちょっとおさらいになりますが、グローバルなエネルギー消費の概観と整理をさせていただきたいと思います。後半は、これSDGsの十七のテーマのうち、特にエネルギーが深く関わる三テーマ、これ貧困撲滅、それから健康、温暖化、こういう三つのテーマでありますが、このテーマの解決に向けて天然ガスが果たすべき役割、それから政策の支援についてのお話をさせていただきます。  一番困りますのは、こういった話をしようとしますと、昨今、天然ガスもやっぱり化石燃料なんだろうと、何だかんだ言って、化石燃料を引っ張ってもうけたいんじゃないのと、こういう御批判が特に一般の方々の中からは出てくるわけであります。  私どもとしましては、これ、目標を掲げた以上、エネルギー消費の現実やそのテクノロジーの進化のスピード、こういったことを見極めながら、できるだけ迅速にカーボンニュートラルに到達することが重要だと考えております。同時に、いかにリアルにコストを下げるか、そうしたコストを下げながら目標の達成を着実に進めるか、地に足の付いた議論をする必要があると思っております。そういった観点からお聞きいただければ幸いであります。  それでは、右下二ページをお進みください。  左下の、左の円グラフを御覧いただきたいんですが、世界の一次エネルギーの消費でありますが、これは原油換算で日量三億バレル。バレルというのは、お聞き及びと思います、これ、たるのことです。大体百五十九リットルのたるのことを指します。昔はたるで原油を運んでいたのでバレルを使うんですが、三億個の石油、原油のたるに相当するだけの一次エネルギーを世界が毎日毎日消費しているわけであります。内訳としましては、石油が三分の一で一億、石炭が四分の一で七千万、天然ガスが五分の一で六千万バレル、以上、これが化石燃料でございまして、現在でも八割を占めています。  ちなみに、グラフにバイオマス八%とございますが、これはまきとか牛ふんなどの原始的な燃料を含んでおります。実は、途上国ではいまだにこうした燃料が煮炊きとか暖房で使われておりまして、これ、シリアスな健康被害を引き起こしています。これを入れれば実に八割以上、数え方次第ですが、九割近くが実は燃やすとCO2が排出される燃料だということになります。これが世の中の実態であります。  バイオマスの横に再エネがございますね。再エネは、過去二十年間で約四兆ドルの投資がなされましたが、残念ながらいまだに一次エネルギーに換算しますと三%にすぎません。コスト削減が日進月歩で進んでおりますので、今後、もちろんこの再エネ、大きな伸びが期待されますが、それにしても莫大な投資が必要になります。また、再エネというのは、これ、伸びれば伸びるほど、自然頼みであるがゆえのその間欠性という弱点、これが露呈いたします。これを補うために、蓄電池技術開発、そしてまた莫大な投資が必要となると。  右の円グラフは、世界第五位のエネルギー消費国である日本の状況でありまして、日量約八百万バレル、三億のうちの八百万、世界の三%弱であります。再エネが大分増えてきたとはいえ、化石燃料の割合は八四%と、世界と同等かそれ以上であります。  ここで、最大のメッセージは、カーボンニュートラルを実現するということが実はいかに途方もなく壮大なプロジェクトであるかということ、これを想像していただくことであります。一日に三億個の大だるを人類は消費していると。その九割が化石燃料を始めとするCO2を排出するエネルギー源であると。たるの高さが一メートルだとすれば、三億個でございますから、これ九割、二十七万キロに積み上がります。地球を七周半する距離になります。カーボンニュートラルは、これ、人類がいまだに挑戦したことのない壮大なプロジェクトだと思います。であるからこそ、この壮大なプロジェクトの達成に向けてしっかりとした道筋を持たなければいけないと考えております。  右下三ページを御覧ください。今後の一次エネルギーの見通しを示しております。  一次エネルギーの需要は、実はアジアで大きく伸びます。これはもう一目瞭然でございますが、グラフから、アジアの経済成長なくして日本世界も成長はないと言っても過言ではないと思います。そのアジアの経済成長を支えるエネルギーをいかに確保するのか、そして同時に、カーボンニュートラルに向けての歩みを着実に促すことができるのか、これが問題だと思っております。  右下四ページを御覧ください。インターナショナル・エナジー・エージェンシー、IEAが想定しております今後十年間の一次エネルギーの需要増、これをエネルギー源別に色分けで示しています。  右側は日本欧州でありまして、省エネの効果もございまして、エネルギー消費そのものがこれ減少していることを見ていただけるかなと。かつ、この化石燃料消費も石炭を中心に減少すると。これが日本欧州の状況です。  左側は、二〇三五年にかけての中国、インド、そのほかアジアの見通しでありますが、石油と石炭は中国で横ばいか微減ということですが、インドとほかアジアでは大きく伸びていくことが見て取れます。再エネなども伸びますが、経済性、技術、インフラ、これらの克服すべき課題は多く、今後も石炭、石油、天然ガスに依拠せざるを得ないという実情が見て取れるかと思います。  次のページ、右下五ページをお願いいたします。  ガスの話ですが、この世界の一次エネルギーの、先ほど申しました五分の一を占める天然ガス、これについてもう少し詳しく見ます。  天然ガスというのは、これ、LNG換算いたしますと、LNGというのは液化天然ガス、天然ガスをマイナス百六十二度にすると気体のガスが体積が六百分の一になって液体になります。この液体を魔法瓶のような特殊な船で運んできて、再気化して導管で流して使っているのが日本の天然ガスであります。  この右のグラフを見ていただきたいんですが、世界の天然ガスの需要は二十九億トンですが、そのうちLNGは一二%にすぎません。マーケットとしてはまだ小さいんですね。大分成長してきましたが、まだ小さい。そのLNG、三・六億トンですが、これは日本は、公害対策を主な背景として、一九六九年にアラスカから輸入してもう五十年以上たちます。現在、世界の最大のLNGの輸入大国です。ただし、中国やインドなどアジア諸国が大きくこれから輸入を増やしていきますので、恐らく一、二年以内に中国輸入量は日本を抜くことになると思います。  右下六ページを見てください。  これ、アジアのLNG市場の成長予測、まあアジアといいますか、これ世界なんですが、約三・六億トンから大体五・五億トンまで二億トン、今後十年で成長すると想定しております。その七割がアジア、中国、インド、パキスタン、バングラデシュ、あるいは東南アジアのような国々、これらが牽引します。特に中国とインドが牽引するわけでありまして、昨今、このコロナの状況下でも両国のLNG需要大幅に伸びておりまして、結果として、昨年の世界のLNG需要はプラス成長を維持しました。  ここまでが世界の一次エネルギーの概観と天然ガス、LNGの見通しであります。  本日私がお話を申し上げたいのは、つまり、この世界のエネルギー需要が大きく伸びる、化石燃料も残念ながら伸びる、特にアジアでは石油、石炭の需要も相変わらず伸びていくと、こういうことが想定されている中で、その持続的な経済成長を支えるエネルギーとして、LNG先進国である日本が今後いかなる役割を果たし得るかということであります。  右下七ページを御覧ください。  もうおなじみの絵でありますが、国連が掲げる十七の持続的成長目標、このうち天然ガスの供給を進めることが、具体的にこの下段に抜き出しました三つのテーマと深くリンクしていると考えております。貧困、健康、環境でございます。次の三ページで一つ一つ深掘りをしたいと思います。  まず、右下八ページ。  貧困撲滅でございますが、これ、SDGsの中でもイの一番のテーマであることは皆様御存じのとおりです。ここで申し上げたいのは、その貧困撲滅のための解は経済成長、その経済成長を支えるにはやはりエネルギーが必要であり、そのエネルギーには合理的な価格、つまりアフォーダブルであるということと、かつ信頼できるということ、リライアブルであるということが重要であると。  では、そういった二つの要件を満たすエネルギーは一体何かということであります。特に、安価である、安価で豊富にあると言われているこの石炭、石油ですね、これとの競合が大事でありまして、発電においても、自動車の燃料や家庭や工場の熱需要、そういう意味でもガスが最も有効な代替エネルギーだと思います。  左上のグラフは日本における発電単価でありますが、ガス輸入のインフラが不足しているアジア諸国では石炭に優位性があるというふうに考えられますが、それでもガスはこの石炭に十分競合し得る発電燃料であります。また、ガソリンとかディーゼル、非常に大きく需要がこれからアジアで伸びていきますが、これに代わるクリーンで安価な自動車用の燃料としても天然ガスが急成長をしております。  右に示しています表は供給の信頼性を簡潔に示すものであり、円グラフは、日本輸入するLNGソースが石油に比べていかに地域性に富むものであるかを示しております。また、右下のとおり、天然ガスは世界中に広く大量に分布しておりますので、それも御理解いただければと思います。  右下九ページを御覧ください。  二つ目のテーマであります。これ、健康というテーマでありますが、冒頭も少し触りましたが、途上国でSOx、NOx、いわゆる硫黄酸化物とか窒素酸化物ですね、これらの排出が多い石炭、石油のみならず、これ、牛ふんとかまきとか、原始的な燃料がいまだに大量に実は使われています。それで、呼吸器系の疾患による犠牲者が、実は毎年五百から六百万人というふうに言われております。  左のグラフにありますとおり、大気汚染のランキング上位というのは全てアジアの都市でありまして、これらの都市、国々に、日本が六〇年代以降導入したLNG、これを導入していくということが何よりも有効な解決手段であり、また喫緊の課題であるというふうに考えております。もちろん、一足飛びに再エネを導入するという考え方などもあるんですが、大規模で安定的な電力供給システムがなければ経済発展や安定した生活への道のりは険しいものになるというふうに言わざるを得ないと思っております。  右下十ページを御覧ください。  三番目、大トリでございますが、いよいよこれ出てきました、環境問題、つまりカーボンニュートラルの話であります。  左上は、よく新聞などでこれ目にするCO2排出量の比較表であります。これ、左上グラフで一目瞭然ですが、天然ガスが、前ページのこのSOx、NOx、これのみならず、CO2排出という面でも石炭、石油に比べて非常に有効であるということが見て取っていただけると思います。実は、ここで書いているよりも、最新鋭の天然ガス発電は最新鋭の石炭発電と比べても更に大幅にCO2の排出量が少なくなりますので、石炭との比較においては半分以下というふうに申し上げていいのかなというふうに思います。  さらに、重要なことですが、これ右側の図に示しておりますが、太陽光や風力などの再エネの利用促進と天然ガス発電、これは不可分であるということであります。いわゆる間欠性の問題であります。御存じのとおり、コストの問題を度外視したとしても、自然を相手にする太陽光とか風力、これに電力の供給の四番打者を任せるということでは野球には勝てないということです。蓄電池で補完するというのが理想ですが、蓄電池技術はいまだに発展途上でありますし、コストも含めて、未知のものに依拠するだけではエネルギーの安定供給、再生エネルギーの普及はままならないと考えております。  したがって、現実的には、緊急時の調整電源としての即応性も含めて、ガス火力をクリーンナップの一角として堅持すると、あるいは拡大ということがどうしても必要不可欠であります。  右下十一ページを御覧ください。  このグラフは、再エネと蓄電池だけで、あるいは巷間言われております再エネ電源を利用して、グリーン水素だけでカーボンニュートラルなどのSDGs目標を達成することは極めて難しいと。今御説明したとおりですが、そこに至るまで、いわゆる橋渡し役として、現実的かつ最適な解を模索するということが必要になると考えております。このグラフは、二〇五〇年断面でのカーボンニュートラルに至るまでの具体的な道筋をイメージしたものでありますが、再エネ拡大に努力を傾注する一方で、この緑の吹き出しのところにブレットが四つございまして、こういった天然ガスを活用した現実的な手法、手段を進めるべきだと考えております。  一つ目は、コール・ツー・ガス、オイル・ツー・ガスと、いわゆる石炭、石油の消費をできるだけ天然ガスに置き換えていく努力をするということであります。  二つ目は、天然ガスやLNGのカーボンニュートラル化を図るということでありまして、これ、天然ガス、LNGの生産と消費の過程で生じるCO2、これをいわゆるCCS、地下貯蔵ですね、こういった手法や、あるいは植生手法とかカーボンリサイクリングで得られるところのクレジット、これらと相殺して、いわゆるLNG、天然ガスのカーボンニュートラル化を進めるということであります。  三つ目は、火力発電のゼロエミ化でございます。私どもの会社ではこれゼロエミ火力というふうに総称しておりますが、もちろん古いタイプの石炭発電をこれ廃止するという方向、これは一応もう当たり前のこととしまして、それでも、今後操業を継続する高効率の石炭発電、これらに、天然ガスから生産されるブルーアンモニア、あるいは天然ガス発電そのものに、天然ガスから生産されるブルー水素、これらを混焼して火力発電のカーボンニュートラル化、ゼロエミッション化、ゼロエミ化を図っていくということであります。  右下十二ページを御覧ください。  化石燃料のカーボンニュートラル化で重要となりますのは、CCU、それからJCMであります。この左側の海外の方でまず御説明したいんですが、この生産地でできる、生産地でLNGとか、それから今申し上げましたブルー水素やブルーアンモニアを造っていくわけですが、こういったものを製造する過程で出てくるCO2、これをCCSにて永久的に地下貯留すると。  このCCSの適地は、実は日本には極めて乏しいというのが現実です。もちろんいろんな実証実験されておりますが、日本ではかなり厳しいと、海外に多く存在するというのがこれ現実であります。したがい、日本としてCCS適地を海外に確保するということが、ある意味新たな資源戦略として必要になってくるというふうに考えております。具体的な適地というのはいろいろございますが、地層的な安定性とかやはり政治的な安定性も考えますと、豪州、アメリカ、カナダ、中東といった地域になってくるのかなというふうに考えております。  続きまして、これに加えまして、例えば日本の火力、右側にちょっと目を転じていきます、日本というところですが、火力発電所からCO2はやはりそれでも出てくるわけでございまして、ここから出てくるCO2を、さらにこれオフセットするわけですね。例えば、ここに書いてあります植生CCS、この植生のプロジェクトから出てくるところのCO2をここで吸収して、そこのクレジット。それから、例えばコンクリートにCO2を封じ込める技術、私どもの会社でも幾つか投資しておりますが、こういったところから出てくるクレジット。こういったクレジットと日本で出てくるCO2をオフセットすると、こういう手法が大事になってくる。  その際に必要なのがジョイント・クレジッティング・メカニズムということで、これはパリ協定の中でもう既に強く認識されておりますし、次回のCOP26でより具体的な話がされるというふうに理解しておりますが、よりこういったJCMメカニズムをしっかりと日本として確保していくということが現実的な手法として求められるというふうに考えております。  右下十三ページをお願いいたします。  これは、コロナとかそれから油・ガス価の昨年の下落、これの影響もあるんですが、カーボンニュートラルに向けた化石燃料への風当たりというのがどんどん強まってきている中で、昨年、皆さん御存じかと思いますが、石油メジャーなどが軒並みこのオイル・アンド・ガスの開発への投資、これをかなり大幅に削減をすると。かなりこの削減も、一過性のものではなくて、場合によってはこれは継続するということが起こっております。  このグラフで一目瞭然なとおり、探鉱活動、資源発見量の鈍化、それからLNGプロジェクトの投資決定、これらはそれぞれ、三三%、九三%、九四%、前年比で減ってきております。  こういった状況が継続しますと、やはり、石油もそうなんですが、特に天然ガス、LNGの生産というものが将来的に危ぶまれてくる、需給がかなり逼迫してきて価格が大幅に上昇するというようなリスクを招きかねません。そういった意味でも、政策的により強く資源開発を推していくということが求められているのではないかなと思います。  あと二分ほどお時間もらっておりますので、まとめのページを御覧ください。最後のページ、十四ページであります。  二〇五〇年までにカーボンニュートラルを達成するということ、これは今や人類共通の重要な政策目標であります。必ず達成しなければならないと思っております。一方で、先ほど申しましたように、三億バレル近い一次エネルギーの需要、これを全て再エネとそれを補完する蓄電池、あるいは再エネ由来のグリーン水素といったピュアグリーンなエネルギーだけで賄うのは現実には困難と言わざるを得ないと考えております。いまだ技術は開発途上であり、コストが天文学的になりますし、何よりも、それだけに頼ろうとすると時間的に間に合わないことは自明であります。今やるべきことは、目標を達成するための現実的な方法とプロセスについて議論し、検証し、理解を広めるということが大事かと思います。  そこでの天然ガスの役割、これが極めて大きい。具体的には、まずは、特にアジアの経済発展を担う発展途上国において石炭や石油の消費を減らし、SOx、NOx、そしてCO2の排出がはるかに少ない天然ガス、LNGへの転換を進めると。そして、既存の石炭やガス火力発電という既に存在しているインフラの低炭素化、脱炭素化をするというこういったゼロエミ化を進めることで、こういった設備を、既存の設備を最大限有効活用することで無駄な投資を減らし、目標達成を早め、かつコストを削減することが可能になると思います。  あと、ちょっと一分ほどお話しさせてください。  今申し上げましたように、カーボンフリー化ですとかブルーアンモニアですとか、ブルー水素の話は割愛しまして、一点、こうした構想を支える天然ガスの開発のためにやはりLNGの投資決定を増やしていかなければいけないということを申し上げました。急速に需給が逆転した場合、石油やガス価格が高騰を招くということを申し上げましたが、そうなると、ますます、ますます石炭に傾斜する国が現れてくるということが現実かと思います。そうならないように、総合的に資源開発の政策的なサポートをする必要があります。  それから最後に、これはパワーポイントの中では述べていないことですが、日本を含めまして、アジアの事情というのは、やはり今お話ししましたように、必ずしも他のエリア、地球上の他のエリア、例えば欧州とは異なります。そういった、要すれば諸条件に恵まれた欧州と異なるアジアの現実と、こういうことを踏まえまして対応していかなければならないんだという、このアジアの状況をアジア諸国が一つとなって国際社会に訴求していくということが極めて重要であると考えております。  以上、私の陳述とさせていただきます。ありがとうございました。
  15. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。     ─────────────
  16. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、阿達雅志君が委員辞任され、その補欠としてそのだ修光君が選任されました。     ─────────────
  17. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  また、質疑者にはその都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。  自見はなこ君。
  18. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 自民党の自見はなこでございます。  本日は、貴重なお話を三名の先生方からいただきまして、本当にありがとうございました。  縄田先生、そして清水先生からは材料資源についてのお話国際動向、また西澤先生からは、西澤さんからは、失礼いたしました、エネルギー資源ということで、天然ガスを中心にしたお話を賜ったと思っております。  その中で、特に、まず縄田先生と、そしてまた清水さんからかなとも思うんですけれども、中国との関係ということを盛んにおっしゃっておりました。特に、寡占になっていることですとか価格の交渉、それから国際的な合意形成をする場の会議体の議長国が中国になっているということは、大変大きなここ十年、十五年の変化だというふうに思います。  一方で、バイデン政権ということも誕生した中で、米中の関係も変わる、変化が起こってくるというところでございますけれども、このエネルギー政策は、まさにお話を伺っていて外交そのものだというふうにも感じたわけでございますけれども、仮にこの中国との関係性というもの、これなかなか正直なところ、中長期な戦略を描いて全政府挙げてやってまいりますので、相当に立ち向かっていくには苦労が日本の場合は多いのではないかと思いますが、ただ単に牽制するとかそういうことではなくて、例えば共同するとか協力するといった体制、これは清水さんが先ほど日中のレアアース協議体というものがあったということをおっしゃっておりましたが、そういった方向性というものは今後見出すことが必要なのか、どういったふうに現実的にそういったところも含めて考えたらいいのか、まずこの質問ですけれども、縄田先生清水さんからお答えいただければと思います。
  19. 縄田和満

    参考人縄田和満君) では、お答えさせていただきます。  中国との関係で特に問題になるのは、やはり中国の圧倒的な存在感、資源国だけじゃなくて製錬等の技術も含めた点が重要となってきていると。  二〇一〇年に、御存じのとおり、尖閣列島問題を発端として事実上のレアアースの禁輸措置がとられたわけですが、あの当時と今とでは状況がかなり変わっている。あの当時、GDPなんかを比較しても日本と同程度だった、今は向こうの方が倍以上になっていると、技術水準も上がっていると。むしろ、製錬等は日本はほとんど行っていないので、製錬等の技術に関しては経験的なものなので、中国の方が上になっているということがあります。  かつ、これは先ほど示したように、もうEVなんかだと中国が過半数を占めていると。つまり、自分たちで使うマーケットもありますよということで、何といいますか、そういった意味での安全保障関係の問題というのはより重要性を増していると思っております。  では、取りあえず、これまでに。
  20. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) ありがとうございます。  今、自見先生の方から御指摘いただいた点、大変悩ましく、欧州の人とか、実はアメリカ、豪州の人とも議論をしておりまして、彼らは大変英語でスマートな言い方をしているんですが、アンヘルシーであると、不健康であると。中国がこのように独占しているのはアンヘルシーであるという言い方をしておりまして、私もその点は大変同感でありましたので、供給源の多様化を、日本だけではなしに米国、豪州、カナダ、ああいう資源国にはたくさん鉱床自体はございますので、一緒に協力して進めるべきではないかという話を国際会議の場などではしております。  ただ一方で、足下で見ると、じゃ、中国からの調達をゼロにすべきなのかというと、実はそれは非現実的な話でございまして、品質、価格、実はこちらは中国が最良のレアメタル供給している事実にやはり変わりはないわけでございまして、ここは少し、まあアメリカの例が参考になるかどうか分からないんですが、やはりゼロにする、中国との関係を全く切るというのはやはり非現実的でございますので、例えば過度に頼り過ぎない、二五%未満にするとか、米国の地質調査所は目標に掲げていたりするわけですが、日本もそういう、中国以外の国もポートフォリオに持つようなお付き合いの仕方というのが一つあり得るんではないかなと思っております。
  21. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございました。  関連でございますけれども、そういった中でお伺いしたいのは、縄田参考人からお話がございましたリサイクルの話でございます。  それをするに当たっては、製錬所がなければそもそもリサイクルができないというお話もございました。これと、それから清水参考人がおっしゃった循環型の経済の話とまたちょっと違ってはいるんだと思うんですが、いずれにしても、仮に二五%なりを決めて中国との関係でやっていくに当たっては、ほかの国の協力か、若しくは自国でのリサイクルかといったことに頼っていくということの方向性にはなるんだろうと思うんですが、この製錬所がなければリサイクルできないといったところでありますけれども、日本はここに対する設備投資ですとか政府の支援というのが十分なのかどうかという課題感、認識をお伺いできればと思います。
  22. 縄田和満

    参考人縄田和満君) 十分かというと、余り十分ではないと言わざるを得ません。部品でも、例えば日本では、廃材を外国に輸出して、それで回収していただいていると。  特に鉱害問題、今はそれほどでもありませんが、一時の中国なんというのは本当に環境的にひどいことをやって、山の上から硫酸を流して、それで下で受け止めて、有用金属だけ取って流しちゃうというようなことをやっていたんで、コスト的に立ち行かなかったというのも事実です。  ただし、さすがにもう今はそんなことはありませんので、何といいますか、自動車、今我々がレアメタルの恩恵の最大の受けているもので最も分かりやすいのは携帯電話ですが、EVとなると、あれが大型、一トンになって動いているとお思いになっていただければいいと思うんで。ちょっと桁が違って、それをどうやって調達するか、リサイクルも含めてですね、少なくともリサイクルするためには十年とか十五年とかたたないとそういうリサイクルにはならないので、その分は新規資源に依存せざるを得ないというような状況があると思います。  で、中国との関係は非常に、何というか難しい関係にはなってくる。ただし、相互理解、そのためにまさに相互理解が必要ではないかと考えております。
  23. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) 今、自見先生がおっしゃったリサイクル、循環経済、環境の観点からだけではなくて安全保障上からも大変有効な施策であると、私も同様に考えておりまして、ヨーロッパなんかはまさにサーキュラー・エコノミー・パッケージと。一見、外を見ると環境のためのパッケージのように見えますが、実はナショナルセキュリティー、安全保障の観点も中に含まれたものとして取り組まれているところです。  そのリサイクルをどう進めるかでありますけれども、当然、リサイクルというのも無尽蔵に何でもできるというわけではございませんで、よく都市鉱山という言葉がございます。これを念頭に置いた場合、じゃ、我々は都市鉱山の探査、開発を天然鉱山と同じようにやっているのだろうかと。どこに、じゃ、そういう都市鉱山の鉱床が眠っているんだろうか、どのようにすればその鉱石を濃縮できるんだろうか。実はほとんどやっていないのが現状かと思います。  まず、そういうものはずっと、是非やっていかないと、そういうリサイクル産業の発達という観点でも一部障害になっていると思いますし、あとはやはり、私自身も地質学の学生の出身ではあったんですが、日本にやっぱり炭鉱とか鉱山がなくなると研究開発も自然と衰退いたします。当然いい就職先がないので、誰も研究開発やる必要が、やらなくなるということですね。  まさにこのリサイクル産業、多くの場合は製錬産業だったりもしますが、そういうものが衰退することで、もうそういう技術者もいなくなって、今ちょうど欧米の方と話もしているのは、レアアースレアメタル、危ない危ないと、使うのやめましょうと。ということで何が起こっているかというと、結果的にそういう技術者が全部中国だけにしかいないような状況になってしまって、いざ何か新しい材料開発、リサイクルをやろうとしても、もう日本にはそういう技術者がいないと、そこが大変問題だろうということを話をしておりまして、一義的にはもちろん産業の発展、維持拡大というのは大事なんですが、次にはやはり人材の育成、確保というのが大事な点かなと、リサイクルの観点からも思っております。  以上です。
  24. 自見はなこ

    ○自見はなこ君 ありがとうございました。  西澤参考人からも、持続可能性を探る中での天然ガスということで大変貴重なお話を伺いまして、その中での価格の暴落ですとか開発リスクのお話も本当にありがとうございました。  時間になりましたので、質問の機会は、済みません、西澤参考人にはないんですが、お三人の先生方に改めて感謝申し上げて、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  25. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  塩村あやか君。
  26. 塩村あやか

    塩村あやか君 立憲・社民共同会派の塩村あやかでございます。今日は、三人の参考人の皆さん、貴重な話を本当にありがとうございました。  私の方からは、天然ガスということで、西澤参考人中心に二、三問お伺いをしていきたいなというふうに考えております。  今日のテーマは、西澤参考人の方からはカーボンニュートラルということでお話を伺ったんですが、これは再エネの回とかそっちの方でちょっと生かしながら、質疑に今後生かしていきたいなというふうに思っておりまして、私は、今日のこの回のテーマである資源安定供給、今日は国際の回ということで、地域の偏在とかそうした問題についてお伺いをしていきたいというふうに思っております。  今年の一月に電気の価格が急高騰して、日本中がある種パニックになったと言っても過言ではないというふうに思っております。私も新電力に入っておりましたので、突然価格が五倍、十倍になるという連絡が来て本当にびっくりして、コンセントを全部抜いて、一月でしたがエアコンも全部切って、寝るときには、猫を三匹飼っておりますので全て布団に入れてというような生活を送って、本当に大変な状況でした。  そうした中でも、国の方からは節電の呼びかけということは直接的になかったように思っておりますので、国民の皆さんはそこまで逼迫しているというふうには思っていなかった方も多いのではないかというふうに思っております。  ただ一方で、本当にぎりぎりの状態だったということは聞いておりまして、その大きな一つの原因ですね、要因が天然ガスの不足だったというふうに聞いております。十円弱だった価格が、キロワットアワー当たり、二百五十円を超えたというようなことも聞いておりまして、五倍、十倍ということが現実的に起ころうとしていたというふうに思っております。  こうした原因についてお伺いをしていきたいんですが、天然ガスの輸入の状況が非常に厳しくなってしまった理由を教えていただきたいと思います、まず。
  27. 西澤淳

    参考人西澤淳君) お答え申し上げます。  これ、今回、十二月の末から一月の中旬にかけてですかね、スポットの電気料金が非常に上がったと。その背景の一つとして、LNG不足によって十分にLNG火力の操業を上げられなかったと、こういうことだと思います。  もちろん、LNGだけじゃなくてほかの要因もあるわけですが、LNGの問題について申しますと、このLNGの問題の前に、まず需要面で相当急激な上昇があった。今回起こったことって、パーフェクトストームという言葉がございますが、いろんな条件が重なって、もう未曽有の嵐が起こると、こういう状況のことを一般的に指しますが、これにかなり近かったんじゃないかなと思います。  一つは、需要面で、物すごい寒波を日本が襲ったんですが、実は日本だけじゃないんですね。寒波に襲われたのは中国もそうですし、韓国もそうです。中国では、上海がマイナス五十度と聞いています、あっ、マイナス七度ですね、これ五十年ぶりと聞いています。韓国もマイナス二十度、これも恐らく相当久しぶりにマイナス二十まで付けたと。  こういったことが起きて突然需要が噴いたと、電気の需要が噴いたということであります。それから、もちろん、当然、暖房用のガス、LNGの需要も噴くわけです。したがって、スポットマーケットでの調達ということが難しくなったということ。  それから、供給面では、幾つかのプラントの同時不調が起こりました。これもコロナだとか実はいろんなことが間接的には影響しているんですが、同時不調が起こって生産量が減ったということ。それから、パナマ運河、アメリカからのLNGを通すパナマ運河が、いろんな、コロナの影響もあるんですが、規制が入りましてうまく通れなかった。それから、スポットを運ぶ船が足りなかった等々、いろんな状況が重なっています。  この状況が度々繰り返されるとは正直言ってなかなか想像しづらいですが、やはり、じゃ、LNGを備蓄したらどうなんだとかいろんな話が出るわけですが、LNGって性質上気化しますので、置いておきますと、なかなか備蓄に適した実は製品ではないということが指摘され得ると思います。  いずれにしましても、実はこれ、長期で安定供給する契約を結んでいると素直にLNGが入ってくるんですが、昨今、この数年、できるだけ長期契約を、まあできるだけということは大げさなんですが、スポットをなるべく増やして供給の柔軟性というものを確保しようというのが、電力会社もそうですし、それから政府の方針でもありました。  ですから、この安定供給確保ということに向けての長期契約とスポットの比率の在り方、これについて一つの教訓であったのかなというふうに考えております。
  28. 塩村あやか

    塩村あやか君 ありがとうございます。  プラントの不調が世界各国で起こっていたということと、中国とか韓国を中心に寒波が襲ったということと、あとパナマ運河辺りで渋滞などが起こったというふうにも聞いております。  そんな中、御社が取られた対応、なかなか大変なものいろいろあったんじゃないかなと思うんですが、もしあれば教えてください。
  29. 西澤淳

    参考人西澤淳君) お答えいたします。  当然、お客様からはスポットの調達できないかというお問合せはいただくんですが、実は、一般的に、このスポット市場に出てくるLNGというのを、私ども、例えば三菱商事の場合、余り持ち合わせておりません。ほとんどの日本の商社さんもそうだと思いますし、大手のサプライヤーさんも、プロンプトな需要、つまり、足下で起こってあした持ってこいと言われても、なかなかLNG供給できるものじゃないんですね。我々も、三月くらいのスポットカーゴ、大体二か月くらい前にスポットカーゴを販売いたしますので、そういう意味では、足下で急に需要が噴いたときにスポット対応できる余力というものは、もうほとんどのサプライヤーに残されていないというのが実情であります。  そんな中で、ただ、私どもとしましては、石油火力を動かすための石油の基地を実は国内に保有しておりまして、これをフルフルに稼働させました。そういう意味では、かなり瞬間的には、国内に供給できた発電用の石油の供給は、私どもの方で半分以上賄っていたのではないかなと思いますが、そういった意味では貢献できたと思っております。
  30. 塩村あやか

    塩村あやか君 ありがとうございます。  そこで、関連してお伺いをしていきたいんですが、何とかガスの方はもったという形だったと思うんですが、価格の方ですね、電気の価格の方が結構上がっていくという形になっていったという問題は残っているのではないかなというふうに思っています。  やっぱり安定供給とか、国民がきちんと安定的に使っていけるという視点は非常に重要だと思っておりますのでお伺いをしたいと思っているんですが、海外のエネルギー会社の方からしてみると、結構、日本のその価格の上昇とかそういったものは、海外の市場から見てみるとちょっと驚きではないかという声も報道等で聞いております。  海外は、LNGのタンクの在庫の状況は公開が当たり前で、それを基にいろいろな調整とか予想を立てていくということができるのではないかというふうにその報道から見たんですが、日本はそのようになっていないと。日本の電力市場の情報公開が非常に消極的だというふうな報道もあるんですが、ちょっと私不勉強で分からないので教えていただきたいんですが、この辺り、情報公開とか、この辺りを教えていただきたいなというふうに思っております。
  31. 西澤淳

    参考人西澤淳君) お答え申し上げます。  私も、実は、各ユーティリティーさん、例えば電力会社さんやガス会社さんがどの程度の在庫を持っているかという情報について、これは一般的には公開されていないというのが実情だと思います。  ただ、これ私企業の情報でございますので、これを公開するかしないかというのはまた別の議論だと思いますが、仮にこれが公開されていたとしても、問題の本質的な解決には正直至らないのではないかなというふうに考えます。
  32. 塩村あやか

    塩村あやか君 それでは、もう少しで時間になってしまいます、あと二分ぐらいあるんですが、そこでお伺いをさせていただきたいと思っております。  先ほどから私お伝えしているように、安定供給というところが非常に重要だと思っておりますので、どのようにしていけば、今年みたいなことは再々起こらないというふうなことではありましたが、予想をしていないということが起こるのが一番まずくて、それを防ぐのが私たちの役割ではないかなと、今日の議論の役割ではないかなというふうに思っておりますので、今回と同じような問題が起こったときに、こうならないためにどのような仕組みを整えていけばいいのか、最後に、一分半、二分ぐらいありますので、ゆっくりお伺いできればと思います。
  33. 西澤淳

    参考人西澤淳君) お答え申し上げます。  非常に難しい問題ですが、先ほど少し触れましたように、やはり本当に安定供給ということを考えるのであれば、スポットの比率を高め過ぎるのは少しリスクがあるかなというふうには思います。  長期契約、元々LNGって一〇〇%長期契約で日本に入ってきたんですね。ただ、マーケットがかなり大きくなってきたり、長期契約で固定化されると、もう必ずそのLNGを引き取らなければならない。したがって、ガスの発電を下げたり上げたりするそのフレキシビリティーが失われるという問題もあります。そういった観点もあって、徐々にスポットを増やすような方針を、日本の電力会社さん、ガス会社さん、政府も取ってきた。これはこれで間違っていないと思うんですが、やはりスポットの需要を増やし過ぎると安定供給を損なうリスクがありますので、長期契約をサプライヤーと結ぶということが重要であるというのが一点。  ただ、長期契約を結んだときに、大体長期契約というのは、普通原油価格にリンクされるわけです。したがって、原油価格が上がると値段も上がると。スポット価格が安いときは、みんなスポット増やせばよかったなと思うわけですし、政治家の先生方も何でスポットないんだとおっしゃるわけですね。ただ、価格は上がったり下がったりいたしますし、それから、長期契約でも価格をなるべく固定化する、つまり、原油価格の変動のリスクをなるべく抑えるという形を契約形態に盛り込んでいくということが実際重要であると思います。  なかなかLNGの長期契約がないと、LNGの投資決定ってなかなか進まないんですね。要するに、大量のお金を、資本を必要としますので、ファイナンスを組まなければいけない。そのためにはキャッシュフローの裏付けがなければいけない。小さなスポットマーケットに依拠しているとキャッシュフローが下振れしたときのリスクがありますから、銀行はなかなかお金を貸してくれない。  したがって、原油価格の方がより安定感があるんですが、ただ、固定価格のようなメカニズムを入れ込んでいくということでそのファイナンスの面での問題も解決できると思いますので、そういった長期契約をつくるということに少し力を注いでいくのが必要かなというふうに思います。
  34. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 時間が来ております。
  35. 塩村あやか

    塩村あやか君 はい。  ありがとうございました。非常に参考になりました。天然ガスが果たす役割は今後も大きいと思っておりますので、参考にしながら、今後私も政策練ってまいりたいと思います。  お三方、ちょっと時間がなくて質問できなかったんですが、ありがとうございました。
  36. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  河野義博君。
  37. 河野義博

    河野義博君 公明党の河野義博です。  三参考人の先生方、本当にありがとうございました。  まず、縄田参考人に伺います。  資料の二十九ページに、レアメタル中心とした資源安定確保に関する方策と、様々な御提言をいただいておりまして、いずれも重要な課題で、しっかり取り組んでいかなければならないものだろうというふうに思っています。  その中で、ちょっと二つお伺いをしたいのが、上流権益確保について、それから国際的な枠組みの構築、この二点に関してお伺いしたいんですが。  上流権益、済みません、私不勉強なんですが、ベースメタルに関して言えば、上流権益というのはしっかり今ビジネスとして確立をされていて、投資をして回収をするというビジネスモデルというのはある程度、ある程度といいますか、確立されたものだろうと思っておりますが、レアメタルレアアース世界でどういう商流になっているのかというのをちょっと概略お示しいただいた上で、どういうふうに確保していく、サポートを国としてできるのかということを教えていただきたいなと思うのが一点であります。  また、国際的な枠組みの構築、これももう長らく、レアメタルレアアースの国際競争の激化、それからまた中国依存の過多というのを、指摘は長らくされておりますがなかなか進まないという中で、やっぱり国際的なルールを定める、これがWTOが適切なのかどうかはよく分かりませんが、そういった観点を含めて、またどういう国際的なルールを作っていくべきかということに関して御提言を賜れればというふうに思います。お願いします。
  38. 縄田和満

    参考人縄田和満君) お答えしたいと思います。  まず、上流権益ですが、レアメタルで非常に困ったことは、多くのものがバイプロダクト、つまり副産物としてしか出てこないということがあるので、専用鉱山もないことはないんですが、物によってはほとんどがバイプロダクトで出てくる。例えば銅のバイプロダクト。  そうすると、どこまでが資源であるか、どこまでが石であるかというのは、要するに経済性で決まっちゃうと。そのために、当然、ある意味の投資なり技術開発なりをしなくちゃいけないと。そういうところに余り目が向いていなかったというのが事実じゃないかと思います。  コンゴの話でよく出る話で、子供が石、コバルトの入っていそうな廃鉱石から拾ってくると。これはつまり、今まではコバルトを回収していなかったというようなことがあるので、それも含めた意味での上流権益とお考えいただければ。  つまり、副産物として、今は仮に採算に合わなくても、それ用の技術開発なり投資なりをしておいて、いざというときには、何というか、新規参入があるというような体制を整えるのがレアメタル等では重要じゃないかと考えております。  第二点では、国際的枠組みなんですが、日本が何を言っても、恐らく現状では中国に余り影響はないと思います。ただし、国際的な枠組みの中でこういうことをやっちゃいけないというのを決めれば、それは幾ら何でも影響、何というか、かなりの足かせになるということになると思います。  現在の枠組みの中で、じゃ、新しくこれからそういう枠組みをつくるかというと、それは時間も掛かるし大変であるというので、やはり既存の枠組みに、WTOを始めとする既存の枠組みの中で、何をしていいのか、何をしてはいけないのかというのをもうはっきりさせておくという外交的努力が必要じゃないかと思います。さすがに、国際的な枠組みが決まると、それを破るというのはかなり国際的な非難もありますし、難しいんじゃないかと思います。  それとちょっと関連して気に掛かるのが、昨今の動きとして、米国等が始めた動きとして、安全保障を理由に制限が行われる可能性があると。実際、ガットの二十一条にはそれに類する規定があります。じゃ、そういうことを、安全保障上でみんな輸出しちゃいけないというようなことを行われた場合、本当に日本産業は困ってしまうということになるので、その辺を、そういうことを行わない、そういうことを行うと損になるというのを国際的に、何というか、認識として確立しておくということが必要じゃないかと考えます。  以上です。
  39. 河野義博

    河野義博君 ありがとうございました。  次に、西澤参考人にお伺いをします。  LNGの重要性、改めて認識をさせていただきました。ありがとうございました。まとめの最後のページの中にガス資源・LNG開発投資のサポートの重要性とございまして、本当に大事だろうと思います。  やっぱり金融面では、日本はややほかの国に先んじていろんなサポートを受けられるんじゃないかなというふうに思いますし、また、NEXI、JOGMECも投資できるようになりましたので、そういったツールは多くあるんだろうと思いますが、国としてもっとどういうことをやるべきだということを、上流開発の観点から御示唆をいただけたらと思います。よろしくお願いします。
  40. 西澤淳

    参考人西澤淳君) お答え申し上げます。  確かに、上流開発という面では、いろいろ、JOGMEC法の改正などもございましたし、政策的な支援体制というのはかなり充実してきているのかなとは思います。ただ、まだあってもいいのかなと。要すれば、今民間が出資をしようとするときにいろんな制約が付いてくるわけですが、そういった部分についても、具体的に今ここで申し上げるとちょっと細かくなりますので割愛しますが、もう少し支援体制というものが拡充してもいいのかなというふうには思っております。  それと、非常に重要なことですが、これは天然ガスを伸ばしていくにも、要するに、化石燃料であるという宿命を天然ガスも負っておりますので、限界が出てくる可能性があります。私が先ほど申し上げましたようなLNGそのもののカーボンフリー化、カーボンニュートラル化とか、ブルーアンモニア、ブルー水素というようなもの、これを考えていったときには、いわゆるCCS、これが極めて重要になってきます。カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージでありますが、CO2を地下に貯留するということであります。  申し上げましたように、日本にはなかなか適地がございません。外国、海外でこのCCSをしっかりとやっていくということがやはり重要になってくる。そういった適地というものをしっかりと確保していく。そこに、例えばJOGMECさんの政策的な支援をいただくというようなことが実は新しい資源戦略として重要になってくる可能性が、日本の新しい資源戦略ですね、LNGの低炭素化、ブルー水素、ブルーアンモニアのようなものに頼っていくという、その道を進む場合にはそれが重要になってくると、そこに政策的な支援が重要になってくるのではないかなというふうに考えております。  それと、さっき申し上げましたこのジョイント・クレジット・メカニズムもやはり非常に重要であります。これも同様に、今も日本の政府としてかなり十数か国と結んでおりますが、ほとんどが途上国でありまして、より大きな仕組みをつくっていくことが必要になると思いますので、これをもっと拡大していくということが重要かと思います。
  41. 河野義博

    河野義博君 済みません、時間も限られていますので、最後に簡潔に一つ。  CCSは、技術的には苫小牧でももう実証を長くやっていまして、ほぼ確立されつつあるんだろうと思います。それは、コストの問題と場所の問題というのはしっかり受け止めて後押ししていきたいなと思います。  経済産業省は、天然ガスというと、もうLNG、LNGと言うわけです。私は、パイプラインもやっぱり一つの大きなツールとして持っておくべきなんだろうと思うんですが、パイプラインの可能性についてどういう御認識か、御所見を賜れたらと最後に思います。
  42. 西澤淳

    参考人西澤淳君) パイプラインの可能性については何年に一回か非常に俎上に上がるわけでありますが、私は、LNGをやっているから言うわけではないんですが、非常に現実には難しいのかなと思います。具体的には、ロシアからなのか、あるいは朝鮮半島を通して持ってくるのかというところは、それ以外のオプションほとんどないわけでありますが、政治的な問題もございますし、それから漁業補償の問題もございますし、コストの問題もございます。  LNGというのは、非常にある意味ではパイプラインと同じでございますので、どこにでも行けますし、一国とそういった契約をばあんと結んでしまって、万が一そこで政治的な問題が起こったときにストップしてしまう。そのリスクを負うくらいであれば、やはりLNGということでやっていくのが常道なのかなというふうには考えております。
  43. 河野義博

    河野義博君 ありがとうございました。  終わります。ありがとうございました。
  44. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  梅村聡君。
  45. 梅村聡

    梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。  まずは、お三方の先生方、今日は貴重なお話をありがとうございました。  早速なんですけれども、清水参考人からお話をお聞きしたいと思うんですけれども、基本的な認識を教えていただきたいんですが、レアアースにちょっと絞ってお話をしますけれども、今、中国との関係とかいろんな話題が出ておりますけれども、レアアース資源そのものとして、枯渇の問題ですよね、そのものの枯渇という問題もあるし、あるいはコストとの関係の枯渇ということもあると思うんですが、そういうことは現時点で想定をしなくていいのかどうか、ちょっとこの基本認識を教えていただきたいと思います。
  46. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) どうも、梅村先生、ありがとうございます。  御指摘のとおり、レアアースは、レアという名前は付いてはいるんですが、地質学的には大変ふんだんにございまして、掘ろうと思えば掘ることができます。ただし、政治的な問題でございますとか、あとは規制の問題、あとは、鉄道でございますとか道路が通っていないので、先ほど西澤さんも御指摘ありましたが、コストとか投資回収の観点からなかなか現実的な鉱山は少ないというのが現状でございます。  あともう一つは、レアアースの鉱山、開発しようと思えば技術的にはできるものたくさん実はございますけれども、レアアース世界需要というのはたかだかパナマックスタンカーで二隻程度ぐらいしかございませんで、一つの鉱山を開発して、ちゃんと売って収益を回収できるようなマーケットがあるかというと、なかなかそれは難しいのが現状でございますので、なかなか、マーケットを見据えて鉱山開発二つも三つもやろうかというと、現実的には経済の観点から難しいというのが問題かなと認識しております。  以上です。
  47. 梅村聡

    梅村聡君 清水参考人、そうすると、鉱床として限界があるというよりも、ほかの要因によっていろいろ規定をされているということだと思いますが、そうしますと、今、世界レアアースの九割が中国に依存しているというか、中国が占めているということですけど、じゃ、この中国の今の優位性というのは具体的にはどういうところにあると思われますか。
  48. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) レアアースにつきましては、実は一つ元素ではございませんで、縄田先生も先ほど絵をお示しくださいましたが、十七元素の総称でございます。  よく業界では牛の一頭買いに例えることも多いんですけれども、欲しい元素というのは十七元素全てあるわけではございませんで、例えば牛を一頭買ってサーロインの部分だけ欲しいといっても、残りはやっぱり無駄になってしまうわけでございまして、当然そこはコストになってしまいますから、満遍なく十七元素を使い切るようなことをやらなければ難しいと。その需要の確立とその投資に対する見合ったものが中国以外のところではなかなか難しいというのが現状でございます。  中国は、ある意味世界の工場のような形でそういう少ない需要に関しても確保することもできますし、あとは、やっぱり政府が国家備蓄という名目で余剰分のレアアースを買い上げたりとか、そういうことも実際に行っておりますので、そこは一般の市場経済国とはちょっと状況が違うのかなと認識しております。
  49. 梅村聡

    梅村聡君 ありがとうございます。  いろんな条件の中で、今世界中国が多くを占めているという状況が分かるかと思いますが、それでは次に、縄田参考人お話をお聞きしたいと思いますが、先生の今日の資料の中で、右下の二十三ページのところですね、今回、「中国輸出政策の変更と希土類の価格変化の関係について」というこの論文の中で、二十三ページの下から二行目のところですね、「多少経済性が劣るとしても、中国以外の鉱山を買い支えていく必要がある。」と、こういうふうに述べられていますけど、今ちょっとお話聞きますと、中国はいろんな意味で、それだけ寡占を、世界の寡占をする経済的あるいは市場としての特性があるという中で、今回ここの中国以外の鉱山を支えていくということは、これ具体的にどういうことをクリアしていけばこういうことが可能になるのかというのを教えていただきたいと思います。
  50. 縄田和満

    参考人縄田和満君) 実は、昔はレアアースの鉱山というのは世界中にあったわけなんですが、中国の低価格により競争面で負けてクローズドしていったというのが実情です。  それにはいろんな要素があると思いますが、もちろん国家の介入、もう一つ大きいのが環境面でのコストを払っていなかったからじゃないかと思うんです。かなり、少なくとも十年前はひどい状況でやっていた、到底他国では許されないような状況で操業していたと。なので、中国市場を独占した、それは要するに安いものを売ったから。誰だって安い方を買うわけなんで、独占していったわけですが、その分には正当なコストが含まれていなかった。  つまり、環境を含む、そのようなことなので、それは恐らく中国自身も認識していると思うんで、国際間的な枠組みの中で、むしろそういった鉱山からは、今そういう動きがいろんな元素で出ていますが、環境対策をちゃんとしないところからは買わない、そういった国際的な枠組みができれば、必然的にその他の鉱山でもペイオフ、合うようになってくると。  ただし、現状では、新しく開発するのともう既にあるのとではもう初期投資が違うんで、なかなか、新しい機構、投資して合うかというと、合わないというのが実情じゃないかと思います。
  51. 梅村聡

    梅村聡君 一昔前は環境負荷というのをかなり掛けていたという話も聞いておりましたので、時代とともにそこは少し変わっていくのかなという気がいたします。  それでは、最後西澤参考人お話をお伺いしたいと思いますが、先ほど塩村委員からも今年の冬の電力逼迫のお話がありました。その中で、LNGの調達の難しさということをおっしゃっていただいたんですが、日本特有の構造として調達の難しさというのがあるのかなと。  例えば、じゃ、再生可能エネルギーが仮にすごく増えてきたと。そうすると、その発電量の供給量というのが物すごくぶれますから、そうするとLNGを、例えば長期契約にしろスポットにしても非常に難しくなってくるとか、いろんな、今年の冬だけではなくて、構造的な難しさというのがあるのかなと思うんですが、その辺りいかがでしょうか。
  52. 西澤淳

    参考人西澤淳君) お答えいたします。  日本のみならずなんですが、韓国も同様ですし、中国はパイプラインと国産のガスがございますので一声三分の一ずつという、ガスについていうと供給構造。ですから、日韓辺りが共通している構造だと思います。そういう意味では日本特有と申し上げて差し支えないんですが。  確かに、太陽光が増えてきたときは、太陽光、例えばもう曇りがずっと続いてしまったと、風がしばらく吹かなかった、蓄電池でもとてもとても間に合わないと、そういう状況は当然想定しておかなければいけません。そのときのバックアップとして、調整電源としてやはり火力発電になるわけですが、火力の中では一番クリーンなLNG。  やはりLNGの調達ということでいうと、先ほど私、安定的な調達のためには長期契約が必要と申し上げましたが、長期契約だけだと、これはテーク・オア・ペイという、基本的には取らなきゃいけないんですね。取らなくてもお金は払わなければいけないという、やはり長期契約ってそういうものなんですが、この長期契約というものを変えていかない限りはなかなか縛られてしまう。  ただ、やっぱり要りませんと、常に要りませんと、要りません、要りませんと言っておいて、取りたいときだけ取るという契約はさすがにできませんので、常識的には長期契約とやっぱりスポットのバランスを取っていくということになるのと、そうなってくると、本当に長期が余る状態ですね、備えのためにたくさん長期を契約しておいても常に余っちゃうんで、マーケットに売っていかなきゃいけないという状況。そのためのやはりマーケティングの実力を付けていくということが非常に重要だなというふうに思います。  で、各日本のユーザーさん、これはもちろん商社の方がどちらかというと一日の長があるんですが、日本のユーザーさんも直接自ら、例えば、LNGのマーケットってシンガポールが主にハブですから、その辺りに人を派遣して、いろいろそういった市場でLNGをさばくような動きというのも強化をされているということです。  なかなか難しい課題ではありますが、確かに構造的な問題はあるかなというふうには思います。
  53. 梅村聡

    梅村聡君 それでは、最後、もう一つ西澤参考人にお伺いしたいんですが、先ほどちょっとパイプラインというお話がありましたけど、実際のガスですね、国内のガスのパイプラインのネットワークですよね。これに関しては、日本は恐らく四千キロか五千キロ整備されていると思いますが、これをさらに、海外を見ていたらもっと充実させて構築すればいいんじゃないかとか、なかなか民間はそこに投資は難しいんだとか、そういう議論がありますけど、いわゆるガスパイプラインについて、御所見を最後に教えていただきたいと思います。
  54. 西澤淳

    参考人西澤淳君) 国内のパイプラインについては、これをさらに、そのエリアエリアを結ぶような導管、いわゆるトランクラインといいますか、メーンの大きなトランクラインを造って結んでいくという構想もないわけではありませんが、余り投資とリターンが見合わないのかなと思います。  なぜならば、基本的にLNG、どこでも行けるんですね。関東圏でガスが不足していれば、例えば関西圏に向かっているLNGを関東圏で揚げるということも実はできるわけで、そういう意味では、LNGは、先ほど私、パイプラインと同じだというふうに申し上げましたが、むしろフレキシブルに曲がり得るパイプラインということで、やはりLNGを強化していく方が理にかなっているのかなというふうには思います。
  55. 梅村聡

    梅村聡君 終わります。
  56. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  舟山康江君。
  57. 舟山康江

    舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。  今日は、三人の参考人皆様、本当にありがとうございました。    〔会長退席、理事滝波宏文君着席〕  私からは、三人順番に質問させていただきたいと思いますけれども、まず縄田参考人にお聞きしたいのは、都市鉱山というような言葉もあるように、日本資源はないんですけれども、いろんな、携帯電話も含めてかなりの製品があって、それがきちっと分離、再利用されないような状況だという課題も聞いておりますけれども、そういう意味で、先ほど冒頭のお話の中でも触れておられましたけれども、リサイクルをする必要性、そのためには製錬所をしっかり造って、多分、技術、人の問題がいろいろあるのかなと思っています。  そういう中で、今のせっかくたくさんその製品の中に閉じ込められて眠っている、それを分解してきちっと再利用できるというものがきちっと使われているのか。今、現状どうなのか。できていないとすれば課題が何なのか。企業の努力、また国の役割、そういったところの、今後更にきちっと無駄なく使えるような方向に回していくための課題と現状認識とをお聞かせいただきたいと思います。
  58. 縄田和満

    参考人縄田和満君) リサイクルの問題ですが、やはりリサイクルのまず流通のシステムを確立するということが重要じゃないかと思います。  例えば、リサイクルの代表として使われているのは紙で、紙なんかはリサイクルでしますとか、そういった回収する流通網を、何というか、今後ちゃんと確立していくこと。だから、携帯電話を買い換えたときにはリサイクルに回るようなシステム重要で、かつ、製品によって、何がどれだけ入っているかがまだ分かっていない製品が結構あるんですね。メーカーは部品として買ってくるんで、部品に何が使われているか、そういったマテリアルフローみたいなのを確立するとどういうシステムを使っていいとかというのが分かるということになります。    〔理事滝波宏文君退席、会長着席〕  現状ですと、どういうことが起こっているかというと、製品として輸出するんだけど、実はリサイクルを外国でやっているというようなことがあるんで、結局、何というか、日本でそういうシステムをちゃんと確立する。まず、そのためには、マテリアルフローで一体何がどこに何グラムあれされているかというのを調べて、それを確立するのが第一歩ではないかと考えております。
  59. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございました。  その課題を解決するためには、何でしょう、企業が連携して、何というのかな、もう少し取り組むべきなのか、やっぱりそこの仕組みこそ、国も本腰を入れて仕組みづくりに乗り出すべきなのか、その辺の役割分担はどのようにお考えでしょうか。
  60. 縄田和満

    参考人縄田和満君) 当然のことながら、最終的には企業が責任を持って合うようにしないと産業として成り立ちませんので、永久に税金をつぎ込むというようなことになっちゃいますので、それでは本末転倒ですので。ただし、最初は何にもない状況で、じゃ、マテリアルフローを作るなんというのは個々の企業ではできないことになります。  したがって、その部分に関しては国が補助する。お金の面もありますが、要するに情報ですね、情報の開示、一体誰がどれだけ持っていると、そういう情報の開示に関しては、国の役割というのが非常に大きいんじゃないかと思います。
  61. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございました。  今いろんなところでマッチングの必要性ということが言われていますので、多分その面でやはりしっかり役割を明確化にしていく必要があるのかなという課題がよく分かりました。ありがとうございます。  続きまして、清水参考人にお聞きしたいのは、循環型社会とか、あと、これから特にコロナで多分早まっていると思いますけれども、分散化という流れの中で、これが資源の、このレアアースを含めた、いわゆる資源の面から見たその使用量、需要量というのはどのように変わっていくのか。分散化とか循環型で少なくて済むのか。やはり、逆に、分散すると増えていくのか。  あと、もう一つは、やはりIT技術の進展とかAIの導入とか、そういったところでもいろいろと変わってくるのかなと思うんですけれども、その辺り、二十三ページ辺りにもありますが、その辺は今後どのようになっていくと見ておられるのか。  あわせて、資源の面と、もう一つエネルギーの面で、これ西澤参考人に続けてお答えいただきたいんですけれども、分散化とか循環型、こういった今の社会の流れの中で、資源の面での今後の使用量、需要量と、エネルギーの面でどうなるのかというところの見通し、お考えをそれぞれお聞かせいただければと思います。
  62. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) それでは、清水参考人
  63. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) どうも、舟山先生、ありがとうございます。  循環経済の進展によって資源需要がどうなるかという御質問と承りました。  こちらにつきましては、循環経済が目指しているところそのものが資源の消費を少なくしましょうというところでございますので、このとおりに進めば恐らく減るだろうと。  実際、ちょっと全てが全てそうだとは思いませんけれども、シェアリングでございますとか、ああいう稼働率を上げるものというのは、今まで十台ぐらい必要だったものが、実は、稼働率を上げることで五台で同じような需要を満たせるとか、そういうものもございますので、シェアリングというのは循環経済型ビジネスの一形態だという理解でございますけれども、恐らくそういうものが進展すれば減っていくんだろうと。  循環経済型ビジネスの進展で大事な要素は、そういう稼働率を可視化させる。実はこれ、ちょっと縄田先生のマテリアルフローとも実は近いんですけれども、工場を出荷されたものがどんな人のところでどんなふうに存在していてどのぐらい動いているのか、実はこれが大事なポイントになってきます。そういうものがどのぐらい可視化されているか。つまりこれ、IoTの進展とリンクしていると思うんですけれども、それがある程度進展してくれば循環経済型ビジネスも進展し、恐らくそこまで、一から毎回天然鉱山の資源に依存しなくても済むという可能性はあるのかなと思っております。  以上です。
  64. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 続いて、西澤参考人
  65. 西澤淳

    参考人西澤淳君) エネルギーの、分散型エネルギーですね、これについては非常に有効な手段なのかなと正直思っております。これをどんどん進めていく。基本的にはリニューアブル、再エネが中心になるかと思いますが、これを極力進めていくというのは極めて重要かなと。  それと、ただ、ちょっとリサイクルということとも離れますけれども、需要そのものは、やはり今、これから5Gに入ってきて、クラウドの需要ですとか物すごい勢いで伸びていくわけで、今、多分、今度出てくるエネルギー基本計画での前提となる電力需要についても、二〇五〇年、今の百二、三十%ですかね、それくらいの前提になるのではないかというふうに聞いておりますが、この辺のところをどう考えていくか。これは、ただ、電化の促進ということは当然進んでまいりますし、ここからはなかなか逃れられないのかなと。ですから、節電ということについては、ただ、しっかりと浸透させていく必要があるのかなとは思っています。
  66. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございました。  循環型とかシェアリング、稼働率を上げていくというのは、多分資源の有効活用というふうになると思いますけれども、もう一つ、分散化することによって、何というんでしょう、いわゆる規模のメリットみたいなのが分散して、私は分散化すごくいいことだと思うんですけれども、その資源の利用という面でもプラスに働くと、プラスというのかな、いわゆる省資源化に働くというふうに考えていいんでしょうか。
  67. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) どうもありがとうございます。  こちらで先ほど申し上げました分散化というのは、物理的な分散というよりは、ある程度利用者が分散するという意味でちょっと申し上げていたところもございまして、その意味では、稼働率が上がって皆さんシェアをするわけですね、共有するわけですので、そこでの資源というのは、いずれにせよゼロにはできないと思いますし、重要性はきっと変わらないんだろうなと、そんなふうに思っております。
  68. 舟山康江

    舟山康江君 ありがとうございました。
  69. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  山添拓君。
  70. 山添拓

    山添拓君 日本共産党の山添拓です。  参考人の皆さん、本日はありがとうございました。  西澤参考人にまず伺いますが、日本のLNG火力発電について、エネルギーの利用効率が必ずしも良いとは言えないのではないかと。旧型の場合には四〇%ぐらいの利用率だということも指摘されたことあったかと思います。利用率を高めて廃熱の二次利用なども含めて効率を良くすることによって燃料消費を減らし、CO2の排出削減にもつなげるということが非常に重要だと思うんですけれども、そのために、現在課題となっていることや改善に必要なことがありましたらお聞かせください。
  71. 西澤淳

    参考人西澤淳君) 非常に難しい御質問ですが、天然ガスの発電、LNG発電というものは実はなくて、LNGから一旦気化しますので、ガスを、天然ガス発電なんですが、古い型のものもまだ動いていて、四〇%くらいというのはまだ残っているのかもしれません。ちょっと私が正確に把握しておりませんが、ただ、今、新しいものですと五五%、六%、場合によっては六〇に届かんというような技術がどんどん出てきておりますので、そういったものにどんどん切替えが進んでいるというふうに認識しております。  古いものについて言うと、石炭も同じですが、やはり旧型のものはどんどん替えていくという政策誘導が必要なのかなというふうに思います。余り、済みません、ちょっとお答えになっていないかもしれませんが。
  72. 山添拓

    山添拓君 ありがとうございます。  清水参考人に伺います。  経産省が、二〇一九年の十二月に、国内外四十八の機関投資家を対象にしてESG投資に関する調査を行ったようですが、そこでは、投資判断で考慮すべき環境問題として、約二割の投資家が廃棄物、資源循環を中長期で考慮すべきだと答えていたそうであります。リサイクルやリユースなど、廃棄、循環までを見越した開発が国際的な投資の判断要素となっていくと、今後ますますそうなっていくと思われるんですけれども、その際、国政上の、政治上としての課題として何が必要とお考えか、お聞かせください。
  73. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) 今、山添先生おっしゃってくださった点はまさにおっしゃるとおりでございまして、国際標準化の世界ではタクソノミーと、タクソノミーというのは要するに分類という言葉の単語でございますが、何が投資の対象になり得るか、そうじゃないのかというのを今まさに国際標準でつくっていこうという議論がなされているところです。  この議論がなされているのはISOでございますけれども、ISOのTC322、サステナブルファイナンスと、第三百二十二専門委員会の持続可能な投資というところで議論されているんですけれども、こちらでは、まさに循環経済にのっとったもの、その前に一番大事なのが、気候変動に対応しているかどうかというのがまず第一番の優先議題となっていると聞いております。  ただ、それだけやっていても偏りがございますので、循環経済にものっとったようなビジネスモデル、そういう流通がちゃんとできているかどうかとか、そういうものを持続可能な投資の対象として機関投資家の方などにも促していこうと。当然、ですから、循環経済にのっとったビジネスを展開しなければ、なかなかそういう国際資本調達とかそういう面では課題が出るものと認識しております。
  74. 山添拓

    山添拓君 ありがとうございます。  次に、縄田参考人に伺いますが、中国輸出抑制政策への対策の一つとして、参考人が従来、従前書かれている論文などの中には、代替材料の開発、使用量を減らす技術開発を通じて、レアアース需要自体、その伸びを抑制していくことも挙げられておりました。  新たな埋蔵資源の発掘のみに頼るのではなく、代替材料の開発を視野に入れていくというのは重要なことだと思うのですが、そのためには、やはり広く基礎研究を行っていくということが必要ではないかと考えます。参考人、先ほど人材育成についても触れておられましたけれども、その際、選択と集中だといって直ちに事業や収益に結び付く研究開発に特化した予算ではなく、大学であれ民間であれ、基礎研究の支援を強めていくということが求められると思いますけれども、いかがでしょうか。
  75. 縄田和満

    参考人縄田和満君) ええ、まさにおっしゃるとおりだと思います。  所詮、何といいますか、日本資源も何にもない国ですので、じゃ、日本のある最大の資源はやはり人材ですので、それにちゃんと対応できるレベルの人材を、民間なり、私も大学人の一人として育てていくということが非常に重要だと考えております。
  76. 山添拓

    山添拓君 次に、縄田参考人清水参考人に伺いたいのですが、レアアースレアメタルを始めとして、日本はその資源の多くを中国からの輸入で賄ってきましたが、そこで、中国のみに依存しない供給源をという話にもなっております。しかし、仮に新たな資源国が見付かって輸入先を変更したとしても、その国が中国のように経済発展もして主権も主張する、強調していくということになれば、同じ事態を招くこともあり得ると思います。  資源の少ない先進国が資源を求めて原産国で乱開発をし、場合によっては住民を追い出して劣悪な労働環境で酷使し、環境を汚染すると、こういうケースは過去繰り返されてきたことだと思います。それが先進国による途上国への開発援助の実態となってきた面が否定できないと思います。  こういう歴史を繰り返さないためには何が必要だとお考えでしょうか。
  77. 縄田和満

    参考人縄田和満君) やはり、そういうことまで考えて、環境や搾取等まで考えて、先進国は開発なり投資なりを行わなくちゃいけないということになります。  あと、資源国資源管理を強めるというのは、中国に限らず、例えばインドネシアのニッケルの最近件がありますが、鉱石としての輸出はやめて地金以上じゃないと輸出しちゃいけないというのは、将来的にも当然のことながらそういう動きは強まる。資源国も当然のことながら付加価値の高いものを売りたいということになりますので、そのとき、じゃ、そういう技術をサポートできないとそういう国には売りませんよということになってしまうので、その意味でも、そういった意味での国際協調、技術開発が重要じゃないかと思います。  以上です。
  78. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) どうもありがとうございます。  今御指摘の点は、大変資源開発の分野では悩ましく思っている点であるかと思いますし、あと、今、環境問題ももちろんそうなんですけれども、ちょうどちょっとJOGMECさんと最近、責任ある調達という観点でいろいろ、資源国の方とも議論する機会があるんですが、環境保全ももちろん大事なんですが、それよりも、やっぱり現地の方が、後日もし中国以外に資源を調達して何か衝突問題が起きるとすれば、やっぱり自分たちの国の資源を先進国に持っていくだけ持っていかれて我々には何もメリットがないと、産業も発展しない、人材も全然高度化しないと、教育も高度化しないとか、そういう問題がやはり一番足下では、環境問題ももちろん大事なんですが、やっぱりありまして、その点、どの国とは申し上げませんけれども、資源だけ買うだけ買ってお金だけ払えばいいというのではなくて、やっぱり日本は、それこそ外務省さんとかJICAさんとかでいろいろと現地国のキャパシティービルディング、人材育成とかで貢献をされていらっしゃるかと思うんですが、あれは資源国から大変高い評価が得られておりまして、日本はやっぱり違うということがちょっと資源国の方からも声が聞こえてきておりますので、そういう資源開発ももちろんやるんですが、現地の環境保全はもちろんですし、その資源開発によってその現地の人々がどんなふうに豊かになれるのかというプランを現地の方と一緒になって作っていくようなのがやっぱり大事なんではないかなと、そのように思います。
  79. 山添拓

    山添拓君 ありがとうございます。  最後に、清水参考人の本日の資料の二十八ページを拝見いたしますと、その中に、国内の製造業が取り組むべき変化というタイトルの中で、強制力を伴って直ちに対応すべきものと、対応まで猶予はあるけれども課題となるものと書かれております。プロットされています。  右端の下の方に資本主義の限界ということも書かれておりまして、ちょっとその心を御紹介いただければと思います。
  80. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) こちらでちょっと御質問いただくとは思っていなかったんですが、こちらでちょっと申し上げたかったことというのは、循環経済型ビジネスと従来型ビジネスの一番の違いというのは、やはり、資本単独で利益を最大化しようとするかどうかという点にあるかなと思っております。  山添先生の前で、ちょっと釈迦に説法になるかもしれませんけれども、やはり現在の資本主義というのが無限のリソースを利用できることを前提に発達してきたというのが大前提にあるかと思います。ただ、ここに至って資源の制約があるということで、無限にとにかく資源を消費して利益を上げればいいというのがやはり限界があると。  さらに、循環経済型ビジネスでいうと、そういう資本横断的な、ですから、従来の連結決算の範囲外の事業者も含めてサプライチェーンとか、ものの設計を見直さないといけないということがまさに言われているんですけれども、そうなりますと、多分今の株式会社の理論の中の枠の外側の話も含めてこういう取組を進めていかないといけないという意味で、ちょっと資本主義の限界ということを書かせていただきました。
  81. 山添拓

    山添拓君 ありがとうございました。終わります。
  82. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  宮崎雅夫君。
  83. 宮崎雅夫

    宮崎雅夫君 自由民主党の宮崎雅夫でございます。  三人の先生におかれましては、本日、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。  最初に、縄田参考人から御報告をいただいた際に、昨年三月に経産省の方で新国際資源戦略というのを策定したと。まさしく、縄田参考人そして西澤参考人は分科会の委員としてこの策定に深く関与されて、分科会としても一昨年の十二月に提言をまとめられているわけでございますけれども、その後、縄田参考人からも、ほかの参考人皆様からもお話がございましたけれども、大分状況が変化をしてきたということでございますけれども。  やはり、一つは新型コロナの問題。これは需給だけではなくてサプライチェーンの問題もあったわけですし、我が国ではもちろん菅総理カーボンニュートラル二〇五〇年と宣言をされたということもございますし、アメリカでも、バイデン政権が誕生してもうすぐさまパリ協定に復帰するという署名をしたというようなところもございますし、中国では、縄田参考人資料にもございましたけれども、輸出管理法が十二月に施行されたとかという、そういうようないろんなその後の動きというのがあって、今日、それも踏まえて御意見も頂戴したかと思うんですけれども。  まず、西澤参考人に御意見をお伺いしたいんですけれども、この西澤参考人も深く関わられた新国際資源戦略、提言の内容がほぼ盛り込まれているわけですけれども、LNGの中では、調達先の多角化によるLNGのセキュリティーの強化であるとかアジアの需要の取り込みであるとか、幾つかまさしくLNGに関する今後の方策が書かれているわけですけれども、それに基づいて今政府としても取組が当然なされているというふうに思うんですけれども。  今日お話の中では、CCS等による天然ガスのカーボンニュートラル化であるとか、また、先ほどもお話がございましたけれども、二国間のクレジット制度といった、まあこれ以外のお話もあったわけですけれども、提言をまとめられて、その後の状況、もういろんな状況が変わっている中で、特にこれまで西澤参考人から、こういうことをやっぱり政府としてやっていくべきだというようなところも御提言があったわけですけれども、特にこれはやはり政府として取り組むべきじゃないかというところがございましたら、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  84. 西澤淳

    参考人西澤淳君) ありがとうございます。  まさに、その新国際資源戦略の内容に沿った形でお答えできればと思いますが、一つはそのLNG調達先の多角化ということでございます。  安全保障の観点からも多角化をすることにこしたことはないわけですが、とはいいましても、今後LNGの需要が急速に伸びていく中で、いわゆる私どもの言葉で一億トンクラブという言い方をしていますが、いわゆる生産が年間一億トンを超えるような大きな国、例えばカタール、カタールは今七千七百万トンですが、もうじき三千二百万トン、あと数年後になりますが、増産されて一億一千万になる。オーストラリアも七千万。ほか、アメリカが今六、七千万ですが、一億トンを目指している。それから、ロシアですね。こういった大きな国とのしっかりとした関係を結んでいくということが極めて重要になってくるのかなと。  従来、私ども、東南アジアのLNGプロジェクトかなりやっておりますが、資源だんだん枯渇傾向にあります。これは近場にありますから、日本にとっても非常に重要な資源ですけれども、こういったところはこういったところで大事にしつつ、大きなサプライヤー、ホストカントリーとしっかりとした外交関係、経済関係を結んでいって、そこからのLNG調達というものの大きな動脈をつくっていくということが重要かなと思います。  それから、需要の拡大ということに関しましては、やはり、先ほども申しましたが、石炭をガスに替えていくというのが重要でございますので、海外の特に東南アジアとか南アジアの途上国における火力発電、これへの支援、これ天然ガスの火力発電の支援ですね、これを充実していっていただけると、LNG市場の拡大ということに寄与して、トータルのLNGの安全保障に寄与していくのかなということであるかと思います。  以上、二点でございます。
  85. 宮崎雅夫

    宮崎雅夫君 次、縄田参考人にお伺いをいたします。  同じような観点になるんですけれども、レアメタル関係で一番最初に触れられているのが、実は清水参考人からもお話があったことでもあるんですけれども、クリティカリティーの評価というお話清水参考人からお話がありましたけれども、要は、レアメタルといっても相当種類もある中で、それぞれのものについてやっぱり重みを考えて戦略的にやっていかないといけないということがまず述べられているわけですけれども、参考人、先生として、そのレアメタルの中で、やはり最近の状況の変化も考えながら、特にこのものについてこういったことをやっていかないといけない、すぐに取り組んでいかないといけないというようなものが特にございましたら、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  86. 縄田和満

    参考人縄田和満君) まさに御意見のとおりだと思いますが、まず、二月の十五日、来週の月曜日ですが、レアメタル、鉱物関係については早速小委員会が立ち上がって、具体的にどうするかというのを話し合うことになっておりますので、誠に僣越ながら、今日いただいた御意見等を反映できればと考えております。  レアメタル、まさにいろいろある。だから、一部は上流権益を取る、もう一つは国際協調、技術開発等々があって、一番手っ取り早いというか方法として、やっぱり備蓄というのをベースラインで。で、備蓄制度はあるんですが、私も三十年ほど携わってきましたが、やはり時代が三十年もたつと、あるべき備蓄と、今ある備蓄と今望ましい備蓄とがかなりずれが生じちゃっていると、その辺は臨機応変で変えていくと。今までのと変わるのは、今まではJOGMECが中心備蓄をやっていたんだけど、今度は国が中心に積極的に関与していくということになると思います。  やはり、鉱種の問題でいくと、ディスプロシウムを中心とする重希土類、これがなかなか中国以外で産地がない。ベトナム等でも調べているんですが、どうしても放射性物質の問題が出てなかなか開発が進んでいないというのが現状です。  もう一つは、やはり今、航空機需要、合金需要が減っているんでそれほど問題になっていませんが、二次電池使用のコバルトが、画期的な技術が出てコバルト要らないようになれば別ですが、それは言わば宝くじを当てにして投資するのと同じですから、資源安定の観点からは、今ある技術でちゃんとできる、産業が、日本が成り立つようにしなくちゃいけないというんで、この二鉱種、重希土類及び取りあえずコバルトみたいなものが重要ではないかと考えております。
  87. 宮崎雅夫

    宮崎雅夫君 ありがとうございます。  最後に、清水参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、これまでの質疑の中でもございましたけれども、資料の中の二十五ページなんかで、アフターコロナの後のやはりビジネスの転換というお話があって、循環経済型ビジネスに変わっていくと、そういうことを我々も進めていかないといけないということになるわけですけれども、資源との観点、もうお話がございましたけれども、特にどのぐらいのスパンでといいますか、どのぐらいのマグニチュードとして、資源安定確保というか、資源の分野についてどのぐらい影響があるのかというのは、もう少しちょっとお話をお伺いできれば有り難いんですが。
  88. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) ありがとうございます。  こちらはちょっと二十五ページ目で、私の資料の二十五ページ目で申し上げたかったことは、確かにちょっと時間軸というのは大変気になるところではあるんですけれども、多分、企業間の合意形成が恐らく最大ボトルネックになってくるのかなと思っていまして、もし資本の力でそういう合意形成をやるんであれば、多分プラットフォーマーと俗に言われるような形も、実は循環経済型ビジネスになる可能性は十分にあるかなと思っておりまして、そこのスピード感次第かなと思っています。  ただ、ちょっと今、国際基準の標準化の世界では、何かお金の力だけで無理やりそういうサプライヤーを自分たちの言うことに聞かせようというのはちょっと公平ではないということで、各プレーヤーの意見とか立ち位置とか、そういうものを聞き入れながらやっていこうということをやっていますけれども、恐らく、そうなりますとちょっと時間が掛かるものですから、ちょっとここで具体的に何年ということは申し上げるのは難しいんですけれども、少なくとも、来年、再来年にすぐできるかというとそうではないと、もうちょっと時間が掛かるのかなと思っております。  あとは、もう一つ御質問、ごめんなさい。
  89. 宮崎雅夫

    宮崎雅夫君 資源との関係でどのぐらい影響がそれぞれ出てくるものかというのはいかがか。
  90. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) 分かりました。失礼いたしました。  資源、そうですね、こちら稼働率が上がれば、当然新規につくらなければいけないものは恐らく減っていくんではないかなということもございます。ただ、ちょっとこちらで一番申し上げたかったことは、今後の資源管理は、多分鉱石とか金属だけをちょっと見ていればよいという話ではなくて、場合によっては、またちょっと直せば使えるような部品とかも新しい形での資源という形で見ていかないと、ですから、都市鉱山のもう少し広い概念かもしれません。そういうものも見ていかないといけないということで、ちょっとこちら御紹介させていただきました。
  91. 宮崎雅夫

    宮崎雅夫君 ありがとうございました。
  92. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  岸真紀子君。
  93. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 ありがとうございます。立憲民主・社民の岸真紀子です。  今日、三人の参考人の先生方、ありがとうございました。  最初に、西澤参考人にお聞きをしたいんですが、最初に参考人からの御提案もありましたし、先ほどの河野委員の御質問の中の答えにもありましたが、海外でCCSをしっかり確立していくことが必要だというふうにおっしゃられていましたが、一方で、カーボンニュートラルにとってこのCO2をなくしていくというのは大事でありながらも、何というんでしょうね、自分たちの国で出したCO2を海外に持っていったときに、果たして受け入れてくれる海外にとってのウイン・ウインの関係というのは存在するのかどうかというのをお聞かせいただければと思います。
  94. 西澤淳

    参考人西澤淳君) 存在し得ると思います。  日本で出てきたCO2をわざわざ持っていくというよりも、理論的には、例えば、日本で出てきてしまうCO2を海外であらかじめオフセットしておくと、こういうイメージであります。  もちろん、日本で出てきたCO2をそのままキャプチャーして、それを液化して海外に持っていってもう一回気化して沈めると、地中に沈めるという、そういう実はアイデアもあるんですね。そういうアイデアも我々研究しておりますが、それはかなり難易度が実は高いのかなとは思っています。ただ、それもあながち不可能とは思っておりません。  これは、あくまでも二国間の間でそのウイン・ウインの関係をどう結ぶかです。ですから、LNGの例えば資源輸出国、あるいはブルーアンモニアを製造して輸出したい国、これはその国としてその輸出を伸ばすために製造のときに出てくるCO2をもうあらかじめ地中にしまってしまうと、これはウイン・ウインの関係を構築するのに十分な理由になると思いますので、そこのところは大きな問題、まあ大きな問題にならないと言うとちょっと言い過ぎですが、そういった議論はあり得ると思いますが、大丈夫だと思います。
  95. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 ありがとうございます。先ほど聞いて、あれ、どういうふうにやるのかなと思ったのが少しすっと収まりました。ありがとうございました。  次に、先ほどまでの皆さんのお話とかを聞いていて、やはりこの日本における金属鉱物というのがどうやって確保するのかというのが一番重要になっていると感じました。日本においては、金属鉱物限りなくゼロに、産出するというのはゼロに近いということで、どうしても輸入に頼らざるを得ない状況にあります。今日のテーマでもある、重要なテーマであると思いますが、特にこの中国が主な産出国であって輸入元ということにおきましては、中国でいかに、国が管理や備蓄を行う動きのある中で、日本における安定的な資源の調達をするかというのが課題となっています。  皆さんの質問とかぶらないようにすると、調達方法といいますか、数日前に報道でも出ていましたが、政府としても、供給源の多角化、中国以外の国からの資源調達も考えられているというふうに報道がされていましたが、さらに、こういったことを進めるためには、参考人縄田参考人清水参考人から見てどのような取組をしていくべきかというのをお聞かせいただければと思います。
  96. 縄田和満

    参考人縄田和満君) その他の国で権益を得るというのがある意味一番安定的になると、中国はどうしても政策的な、政治的な影響を受けますので。なので、もちろんそのためには上流部門なんかに参入していかなくちゃいけないというので、直接、国又はその機関であるJOGMEC等による関与も考えられるんですが、重要な点としましては、やはり情報を開示する、国及びJOGMECの役割として。  じゃ、一体そこはどうなのか。鉱物の世界は山師の世界と言われまして、何か訳の分からないのが来て、訳の分からないものを持ってきてだまされたという例が大企業でもたくさんあります。なので、その辺の情報開示をJOGMECなり国なりがしっかりする。これは民間企業ではなかなか難しいと思いますので。  それがしっかりすると、リスクマネーですね、国がお金、直接お金を出すということもありますが、情報開示さえちゃんとしていれば投資していいよというようなファンドが当然、ファンドなり企業なりが、まあ個人も含めて現れると思うので、その辺の情報開示がやはり国が最も力を入れてやる部分じゃないかと考えております。
  97. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) どうも、今、岸先生のお話は、中国以外で多角化を進めるときにはどのようにすればよいのかというのは、裏返せば、逆に言うと、何が課題になっているのかということにもつながるのかなと思っておりまして、そうですね、ちょっとレアアースの例で申し上げますと、中国依存の大きい資源でございますけれども、先ほど先生方も御指摘、御質問してくださいましたように、コストの問題というのはやはりございます。  縄田先生お話しくださいましたが、本来負担すべきコスト、環境ですね、環境保全コスト、その中には実は放射性物質の処理コストなんかも含まれますけれども、そういうものをきちんと負担している国で新たに資源開発をやると、当然価格競争力があるわけではございませんので、そういうものをどのように是正していくか。逆に言うと、中国がそういう環境コストをきちんと負担するようにしていくとか、若しくは可視化するようにするとか、そういうものが一つ大事になってくると思います。  あとは、やはり副産物の問題も大事かなと思います。というのは、何も皆さん、レアメタルのためだけに採掘しているわけではないと。これも縄田先生副産物お話されましたが、おっしゃるとおりでございまして、当然、出てきたものを全部売り切ってコストになる部分を減らしていかないと採算性は上がりませんので、そういうマーケットをつくっていくこと、需要確保すること、実は、ちょっと資源確保と反対のようなことを申し上げるかもしれませんけれども、新しいマーケットを満遍なくつくっていくというのも実は大事な要素でございます。  レアアースの件で申し上げますと、十七元素ございますが、一番よく言われるのはハイブリッド自動車などに使われるネオジム鉄ボロン磁石と、これは十七元素のうちのネオジムというものがたくさん使われますし、熱に耐え得るということでいうとジスプロシウムというレアアース元素も必要になりますが、レアアースは当然、ネオジムとジスプロシウム以外にもたくさん出てくるわけでございまして、それもきちんと売り切ってあげないと、需要しないと、鉱山開発のコストはじゃ誰が払うのかといって誰も手を出さなくなってしまいますので、その需要確保というのが大事かなと思います。
  98. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 ありがとうございます。  様々な課題があるんだなということがとても分かりましたので、国が本当に、まず一番は情報開示をしていくということが重要であるということと、新しいマーケットをどうしていくかというのが課題だと感じました。  清水参考人にお聞きしますが、先ほど山添委員からもお話がありました代替材料の開発というのが、例えば、元素だけじゃなくて製品とか製造の技術過程での技術革新とか、そういうことで使用量を抑制できるということの理解でよいのかというのをもう少しちょっと具体的に教えていただければと思います。
  99. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) 代替材料技術開発は、研究開発という点では大変重要なものだと認識をしております。ただ、足下で、じゃ、代替材料技術開発をしたので何が起こったかというと、今までバランスの取れていた資源需要がかえって壊れてしまって採算性が取れない鉱山が増えてきてしまったり、逆に言うと、中国の独占をむしろ手助けする、追い風にしてしまうというのも実はちょっと裏ではございまして、そこはちょっとやっぱりマーケットの構造と両方を見ながら、何でもかんでもちょっと代替材料開発すればいいというわけではございませんので、そこはバランスを見ながらが大事なのかなと思っております。
  100. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 大変参考になりました。ありがとうございました。  終わります。
  101. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  新妻秀規君。
  102. 新妻秀規

    新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。  三人の先生方、本当に今日はありがとうございました。  今日は、三人の参考人の先生に、人材育成についてもう少し詳しくお聞きしたいと思います。  まず、縄田先生には、先ほど山添先生と研究開発人材についてのお話はあったんですけれども、先生の資料の三十一ページに、人材育成、とりわけ交渉可能な人材の育成が急務である、こうした問題が指摘されています。先生にお伺いしたいのは、じゃ、具体的にどうしたらいいのかと。それぞれ、政府、またアカデミア、民間、どんな課題があってどういうことをやっていったらいいのか、また海外はどのようにして人材の厚みを増していっているのか、この点お伺いしたいと思います。  清水先生には、先ほど自見先生と清水先生のやり取りの中で、やはり仕事がある中国人材が集まって、そこに集中しているという、そういうお話がありました。この技術人材、国内で育成していくためにはどうしたらいいのかと。例えば、家電リサイクル法みたいなやつ、そういう仕組みを、こういう電気自動車ハイブリッド自動車の心臓部に対してまでそんなような仕組みをつくって、国内に仕事を、流通の仕組みをつくって、そういう人材がちゃんと活躍できるような場をつくるとか、若しくは海外、また資源国と組んでそうした仕事を日本でも請け負えるようにするとか、どんなようなことが考えられるのかについてお願いします。  西澤先生には、民間でこれまでも活躍していらっしゃって、この日本人材の厚みというのは外国と比べてどうなのか。政府の部門への注文もあるでしょうし、また、アカデミアについてこうしたこともやってほしいと、そんなような課題もあるかもしれません。JOGMECとか経産省とか、例えば、部門をたらい回しにされてしまって十分に専門性がある人が政府の機関にいないんだ、そんな課題もあるかもしれません。そうしたそれぞれのセクターについて西澤先生が感じる課題、それに対してどうしていったらいいか。  それぞれ三人の先生方に御所見をお伺いをしたいと思います。  以上です。
  103. 縄田和満

    参考人縄田和満君) どうもありがとうございます。  資源関係技術面では、ちょっともう日本でやるにはフィールドがないので、海外の大学、有名なところでは、アメリカなんかではコロラド・スクール・オブ・マインみたいなところがあるので、そういうところと合同でやっていくと。一時そういう話もあったんですけれども、なかなかうまくいかないので、実際のやっぱり技術は現場がないとできませんので、そういう大学と協調、アメリカ、カナダ、オーストラリアなんかが対象になると思いますが、そういう大学なんかと共同して技術開発技術面をやっていくと。  もう一つが、これは余り主張されていないんですが、やはりWTO等の主要ポストを我が国で取りに行くというのが重要だと思います。それに堪える、語学だけじゃなくて専門知識、当然、国際法、技術だけじゃなくて国際法の問題にも関わるので、そういったような人材を育成していかなくちゃいけないと。  一点、大学の立場から考えると、日本は資質に対して国際的な重要なポストの割合が非常に低いと。その一つの問題として博士号を持っていない、PhDを持っていないというのがあるので、国際機関は、今WTO、女性の新事務局長がという問題が出てきていますが、国際機関でやっぱり活躍するにはPhDがないとなかなか難しいというのが現状でありますので、それを積極的に取るような支援システムを考えていただければ日本発言力も増すんじゃないかと思います。  資源の分野でいうと、日本は結構期待されている。いろんなポストは、東アジアというか、には必ず一個は割り当てられているわけですよね。そうすると、某国だけに偏るのは良くないという流れもあるので、その辺も含めて人材育成が必要じゃないかと考えております。
  104. 清水孝太郎

    参考人清水孝太郎君) 私への質問は、技術人材をどのように育てていくのがよいのかという御質問と理解いたしました。  この点に関しましては、ちょっと参考になるかどうか分からないんですけど、石炭、日本は過去に国内で九州とか北海道にたくさんの炭鉱を持ってやっていて、今はエネルギー革命でもうほとんど、釧路とか海底炭鉱は一部しか残っていないわけでございますが、規模はないんですけれども、やっぱり産業が一応目に見える形で残っておりますと、そこでやっぱり技術伝承というのはされるわけでございますので、そういう、規模はないのかもしれませんが、そういう産業を何かしらの形でやっぱり残していく、若しくは、当然延々と補助金を出すわけにもいかないでしょうから、そういうちょっと最低限の需要とか採算性を確保できるような産業をきちんと残していくというのが一番技術人材の中では大事なのかなと、そのように思っております。  あとは、縄田先生の方からもちょっとお話あって重複になってしまうかもしれませんが、もちろん物を作る技術、物を掘る技術者というのは大事なんですけれども、最近こういう議論が、循環経済とか、中国も一生懸命、今ISOにいろんなテクニカルコミッティー、技術委員会をつくっているわけなんですけど、思うのは、やっぱり技術のことも理解しつつ、英語で日本の立場とか、そういう抽象的なことを言っても実は現実にはそぐわないんですよとか、やっぱり反論できるちょっと民間外交というんでしょうか、そういう、語学もできて日本の立場も主張できる技術も分かっている方と、そういう人はやはり市場ルールの形成という点では大事かなと思っております。
  105. 西澤淳

    参考人西澤淳君) 非常に難しい質問ですが、日本人材の厚み、特に海外と比べて専門性の問題等々かと思いますが、私どもの会社、私の今責任持っているグループ、天然ガスグループでも、グローバルなエネルギー市場で戦える人材の育成というのを一つのスローガンとしています。  じゃ、どうすればそういう人材が備わる。もちろん英語ができる、これは当たり前の話なんですが、広い経験を持つということも重要ですが、それから、とにかく現場に出さないといけないという、ただ、現場が不足していると現場に出せないわけですね。  ですから、例えばLNGの大きなプロジェクトでも、やはりオペレーターという役割を担っていると、実は現場にたくさん人を出せます。そうするとすごく多様な経験を積めますし、実際プロジェクトを、全てのディシジョンを仕切っていくわけですね。  我々、日本で初めてLNGのオペレーターになりました。これはインドネシアの比較的小さなプロジェクトなんですが、やはりそこに出している若者は一皮も二皮もむけて成長して帰ってきます。ですから、現場を持つということが非常に重要になっていると。  それから、やはり何といってもこれ、挑戦する意欲がどこまであるかということですね。なかなか日本人の国民性もあって、どちらかというとやはり減点主義文化がどこの会社でもどこの社会でもあると思いますので、そういった文化をできるだけやっぱり変えていく必要がある。  それから、最後に、自分で考える能力をどう養うかというところかと思います。やはり、これは日本に限らないのかもしれませんが、メディアから流れている情報を何も深く考えずに受け入れる。政府が出している数字にしてもそうですね。例えば、エネルギーの分析をさせれば、政府がこう言っていますという話をすると。何にも自分の頭で考えなかったりするんですね。  ですから、こういうところをどう変えていくかということですが、私は、根本的にはやっぱりリベラルアーツの教育が日本で足りていないのかなと、その部分を我が社の研修なんかでもどんどん取り入れ始めていますが、若い世代に対して、哲学とか文学とかリベラルアーツの勉強をどんどんさせるということがやはり重要なのかなというふうに考えております。  以上です。
  106. 新妻秀規

    新妻秀規君 ありがとうございました。終わります。
  107. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  青木愛君。
  108. 青木愛

    青木愛君 時間があるということですので、大変恐縮ですが、西澤参考人に二点ほどお伺いをさせていただきたいと思います。  私も、この液化天然ガス、LNGですけれども、化石燃料の中ではクリーンだということで、前向きに捉え、いろいろと質疑のテーマにもさせていただいたこともございました。ですので、お伺いしたいのですけれども、先ほどから質問が出ておりますが、このCO2の地下貯留、CCSなんですけれども、日本の土地は適さないということなんですが、具体的にはどういった土地が適するのか、そして、諸外国のどういった国のどういう土地を想定されているのか、そして、その場合の環境に対するやはり影響ですよね、その辺はどのようにこれから評価されていくのかということを一点お伺いをしたいのと、それから、先ほどバンカリング拠点のシンガポールがハブになっているというお話がございましたが、日本もそのハブになる役割を担うということでこれまで検討されてきたと思います。横浜港を中心に、千葉県側でいいますと袖ケ浦とかあるいは富津ですとか、このバンカリングの基地がございまして、地理的にシンガポールと役割分担をして日本もこのバンカリング拠点としてその役割を担っていこうという、そうした流れがあったかと思うんですけれども、その辺の現状、その道筋と将来展望といいますか、その辺、併せて二点お伺いさせていただきたいと思います。
  109. 西澤淳

    参考人西澤淳君) まず、CCSの適正な土地、それから将来的にそのCCSというのは大丈夫なのかと、こういう御質問と思います。  CCSというのは、大きく分けますと、石油やガスがたまっていた構造、地下の構造ですね、大体千メートル、二千メートル、三千メートルという世界ですが、それは海上油田、海上ガス田もありますし、実際のオンショアもあるわけですが、そういうところの地下の、もう石油を掘り尽くした、ガスを掘り尽くした構造に入れる、これが一般的な形のCCSです。  もう一つは、いわゆる日本語で帯水層、英語でアクイファーと言いますが、こういういわゆる水がたまっているところがあるんですね。これも完全にシールド、シールされています、その層がそういう層なんですね、そこに入れていく。で、帯水層にCCSを行うというのはまだほとんど行われていないと思います。これから出てくるとは思いますが。帯水層は比較的いろんなところにあるんですが、それでも、実際そのCCSに適した帯水層というのはまだまだこれから開発をしていかなければならない。むしろ、もう既に枯渇した油田、ガス田、そういったところに大きく注入していくと、これが一般的に今考えられている手法です。  そういったところがどこにあるかということですが、やはり石油やガスを大量に生産している国、土地にあるわけでありまして、例えばアメリカもそうですし、カナダもそうですし、それから例えばオーストラリア、私ども、ある会社と最近覚書を締結しましたが、規模的には年間二千万トンのCO2を中に長きにわたって入れ続けることができる規模というものがあるわけですね。  そういったところをしっかりと、やはり、もちろんこれは資本のいわゆるインジェクションも我々の方から必要ですけれども、そういったことも含めてサポートをいただければ、やはり国のバックアップがいただけると非常に大きな投資になりますので、そういうことをやっていくのがいいのかなと。  で、これはモニタリングをずっとしなければいけません、少なくともかなり長い期間にわたって。それはそれでまたコストが掛かりますが、あくまでもそのモニタリングをきっちりするということが前提になると思います。  それから、LNGバンカーの件で御質問ございました。  いわゆる重油を一般的にはたいていたり、それからマリンディーゼルと言われるディーゼルをたいたりするんですね、船は。これをどんどんLNGに替えていこうという動きがこの数年出てきておりまして、実は私どもでも欧州で六、七年前に事業を一回始めましたが、なかなか値段が、オイルの値段が下がると、やっぱり天然ガスの切替えが進まないんですね。  それから、規制は一応、インターナショナル・マリタイム・オーガナイゼーション、IMOというところから出てきているんですが、罰則規定が非常に弱くて、弱くてというか、基本的には今までなくて、こういったことから、余りLNGバンカーの利用の促進というのは現在までのところ進んでいません。  ただ、今後、より強い規制が入ってくる、あるいはその罰則規定みたいなものも出てくる、あるいは社会的なペナルティーも出てくるということで、比較的、今後、より浸透していくんではないかと思います。  以上であります。
  110. 青木愛

    青木愛君 ありがとうございました。
  111. 宮沢洋一

    会長宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたします。  参考人皆様に一言御礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表しまして厚く御礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十六分散会