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参考人(
鳥井一平君) 鳥井です。ただいま御紹介にあずかりました
移住者と連帯する
全国ネットワーク、
移住連と略称申しますけれども、
代表理事をしております鳥井と申します。今日は、このような場所で意見といいますか私の考えを述べさせていただくことを非常に有り難く思います。(
資料映写)
私、実は、衆議院の
法務委員会では、二〇〇九年の
入管法改正以降、その
入管法に関わる、あるいは
外国人技能実習制度に関わる審議の際に四回ほど
参考人として意見陳述させていただいておりますけれども、今回は、二〇一八年の
入管法改正以降、ある意味でいいますと、非常に
外国人労働者の
受入れ拡大に伴う
総合的共生政策ということが議論されるようになり、
メディアでも多く取り上げられるようになりました。そういった意味でも、本
調査会でこのようなヒアリング、私どもに対してしていただけること、重ねて感謝申し上げたいなというふうに思います。
ところで、
皆さん、私ちょっと先生方に一言前置きさせていただきますと、ちょっと厄介なスピーカーで、早口で滑舌が悪いと。
速記者の本当に悩ませる、
通訳者だとか
記録者を悩ませてしまうんですね。それで、実は早い段階からこのパワポというのを、もう本当にパワポができたとき、実はその前の
OHP時代からそれをカバーするために、これを見ていただくと大体何をしゃべっているのか、ああ、大体あんなことしゃべっているなということが分かっていただけるかなというふうに思っております。
私は
研究者や法律家でもありません。そういう意味でいいますと、現場で見聞きし、あるいは交流してきた、経験してきたことを中心にして、そのことを基にしてお話をさせていただいております。ただ、
データを軽視することは決してよくありません。
経験主義ではいけませんので、
データと照らし合わせながら、そのようなことを、活動を三十年やってまいりました。
一九九〇年に
ニューカマーの
人たちと初めて交流し、その課題に取り組んでからやってまいりましたので、この三十年間の思いをどの程度伝えることができるのかちょっと不安はありますけれども、限られた時間、精いっぱいお話をさせていただきたいなと思っています。
では、早速、時間もあれですから。私は、今日、困難を抱える人々の対応の、困難を抱える人々ということでいいますと、
外国籍住民、
外国人労働者、移民、このようなことになると思いますけれども、全般的なお話を少しさせていただきます。この後、お二人の
参考人の方が具体的なことをいろいろお話をしていただけると思いますし、全般的なことについて少しお話しします。
フィクションによる
移民政策が社会にゆがみをつくり出す、結構強い言葉言うなという感じだと思いますけれども、この
フィクションについて少しお話をしたいと思います。
私
ども移住連は、背景ここに書いてあります、
皆さんにお配りしております資料にもありますから、ざっと触れていきますけれども、
移住連は一九九七年に結成されて、
NPO法人、特定非
営利活動法人化したのは二〇一五年です。今現在、団体で百五、個人で五百名を超える会員の中で、それに支えられて、あるいは連携して、
ネットワークをして活動しています。
ですから、組織は、
移住連の組織ですけれども、こういうふうにいわゆる
ネットワーキングになっておりますから、
ネットワーク組織なんですね。で、
サブネットワークというのを持っておりまして、例えば
生活全般でいいますと
社会保障の課題、あるいは女性の問題、DVだとかそういう問題だとか、あるいは教育の問題、あるいは
技能実習生の問題だとか、そういう
サブネットワークをつくりながら
ネットワーキング活動をしております。
活動としましては、
市民社会からいろんな、
市民社会に対する働きかけ、あるいは
市民社会からの発信ということで、国会への
ロビー活動だとかそういうものをやっておりますし、国際的な連携といいますか、国連を中心とした
ロビー活動も行っております。そして、様々な地域での取組、こういうものを行っているわけです。
私は、ちょっと自分の宣伝になってしまいますけれども、先ほど申し上げましたように、特に
ニューカマーの
人たちの問題ということでいいますと、一九九〇年からこの問題に取り組み始めて、そして二〇〇〇年から本格的に
技能実習生の支援ということをやってまいりました。これまでたくさんの
外国籍の
労働者、あるいはその家族と一緒になって、今のこの社会における課題と向き合ってやってまいりました。
二〇一三年に、
アメリカ国務省が毎年選出しています、
人身売買と闘うヒーローというのを選出しているんですけれども、その二〇一三年に選出されました。これはワシントンの
アメリカ国務省での表彰式の写真です。そしてまた、先ほど申し上げましたように、今
メディアでも多く取り上げられるようになったものですから、NHKの「プロフェッショナル」に私が出演するということで、これをきっかけにしていろんな連帯、
ネットワークもまた増えております。
私は、
移住連の
代表理事と言いましたけれども、
労働組合としては
個人加盟の
労働組合のいわゆるオルグですね、書記長を長くやっておりましたけれども、書記長だとか
代表理事というよりも自分ではオルグというふうに言っていますけれども、まあオーガナイザーですね。だから、そういうことをずっと活動をやってきたということだと思っています。
また、
人身売買禁止としては、
人身売買禁止全国ネットワーク、JNATIPといいますけれども、これ、省庁との
円卓会議の中で
人身売買の根絶ということを取組をしております。
移住連は、
政策提言をこのように出しています。また出版物、ブックレットということで様々な出版物を出しています。
ホームページはこのようになっていますので、是非一度御覧いただければと思います。
そして、昨年はこの
新型コロナ移民・
難民緊急支援基金と、今日のテーマと直接的に関係していますけれども、
コロナ禍の中で
定額給付金がやっぱり
給付対象から外れてしまう人、こういう
人たちが非常に生活困難になるという中でどうしようかということで、とにかく
現金給付だということで、一人三万円ずつの
現金給付を行うということを行ったわけですね。このことが、個々人一人一人に渡すわけにもいかないので、やっぱり
ネットワーキングですから、
支援団体を通じて、困難な人々に対してそのことが直接的にリーチできないかということで取組を行いました。
結果的には非常に多くの寄附が集められて、五千万円近いお金が集まりました。それをほぼ全額困難な人々に対して給付をするということをやったわけです。全体で四千九百万、支援していただいた
人たちは千六百四十五人ということで、たくさんの寄附をしていただきました。
さて、ここから、今日の課題についてのお話をしていきます。
まず、これは当たり前のことのようですけれども、まず
皆さんと一緒に確認をさせていただきたいのは、日本における
外国人、
外国人という言い方をした場合に二つの大きな
カテゴリーに分かれると。
オールドカマーという
カテゴリーと
ニューカマーという
カテゴリーですね。
オールドカマーという
カテゴリーについては、旧
植民地出身者とその子孫と書きましたけれども、やはり私どもは戦争を経験していますけれども、戦争を前後して無理やり連れてきた、あるいは来ざるを得なかった
人たち、今の国籍でいいますと韓国、朝鮮、中国、
台湾出身者ということになろうかと思いますが、この方々は、もう第五世代といいますか、非常に長くこの
日本社会で生活しているわけですね。
そしてもう一つが、
ニューカマーという
カテゴリーです。
ニューカマーは、一九八〇年代以降、日本の
バブル経済を背景にしてダイナミズムをもたらした
人たちです。で、現在に至っているわけですよね。この
ニューカマーの
人たち、一九八〇年代から九〇年初頭まではほとんど
オーバーステイの
人たちです。
オーバーステイというと、何か
不法就労どうなんだと、非
正規滞在。でも当時は、それは全くお構いなしでした。たまに、気の利いたという言い方をしますけれども、警察官が
職務質問をして交番に連れていくと、その
外国人労働者が働いていた工場から社長さんが走っていって、今捕まえられると工場止まっちゃうと言ったら、ああそうですかといって戻ったんですよ。そんなこと、当たり前のようにして起きていました。
今、ここ、日本における
外国人というところに英語が付いています。
マイグランツ・イン・ジャパンと書いておりますよね。
フォーリナーとは書いていないんですね。これ、今日本にいる
人たちを
フォーリナーという言い方をした場合に、非常に英語圏の
人たちがその実態をつかみにくいといいますか、私も、だから言葉でごまかしています、
マイグランツ・イン・ジャパンと。だから、この
外国人という言葉にも少し問題があるというふうに私は認識しております。
皆さんも御案内のとおり、一番直近のところで二百八十八万、一昨年の十二月で二百九十三万人を超えましたが、コロナの関係で二百八十八万五千というのが二〇二〇年六月での
数字データが出ております。このグラフ見てもらったら分かりますように、八〇年から、後半からぐぐっと伸びていくんですね。それまではほぼ
オールドカマーの世界でしたけれども、それ以降、いわゆる
ニューカマーの
人たちがぐっと伸びたということです。
国籍は、中国、韓国、
ベトナム。
オールドカマーの以前は韓国、朝鮮が一番で中国ということだったんですけれども、
ニューカマーの時代から中国が一番になって、直近では、ここのところでは
ベトナムが増えていますよね。フィリピンが第三位だったんですけれども、それを超えて
ベトナムが第三位になっていると。
外国人労働者といった場合には、
移住労働者、
外国人労働者といえばどういうことになるかというと、日本の場合には
在留資格ごとに分かれるわけですよね。つまり、どういうことを申し上げておりますかといいますと、
就労ビザというのは存在しないということです、日本は。いわゆる
就労ビザ、
労働ビザじゃなくて、就労できる
在留資格、つまり
職種ごとの
在留資格になっているということですね。それで、どんな仕事でもできる人というのは
日系労働者、
配偶者、
永住者という身分に基づく
在留資格。そして、
技能実習生もやはり
職種ごと、まあ非
正規滞在、
オーバーステイの
人たちもいろんな仕事やっています。
そして、日本の場合には
労働法が適用されない
労働者というのが存在するわけです。それはどういう人かというと、これは
括弧付きで研修生と書きました。これ今は違いますから、これ誤解のないようにお願いいたします。以前の研修生ですね、二〇一〇年までの。そして、
家事労働者、興行。
日本はILO条約批准しておりませんから、
家事労働者には
労働法が適用されません。じゃ、
家事支援労働者は何か。最近、何か
家事支援労働者というのがあるよというふうに御指摘され、あると思いますけれども、
家事支援労働者は
派遣労働者なんですね。ですから、
労働法の適用があります。
そして、悪名高い興行です、
エンターテイナー。悪名高いと申し上げているのは、非常に
国際社会から厳しい批判を受けました。
エンターテイナーということで、シンガー、ダンサーで歓楽街で働かせると、ホステスあるいは性産業で働かせるということをやってきたわけですね。現在、これは、興行は激減していますけど、それでも一定数いますね。
それから、難民、
難民申請中。日本の場合は、難民といいましても非常に少ないですから、
難民申請中ですね、
特定活動という
在留資格。
そして、留学です。これ、当たり前のように
労働者の
カテゴリーに留学というふうに書いておりますけど、変な話なんですね。留学というのが
外国人労働者の
カテゴリーに入っているということをこの社会はやってしまっているわけです。欧米では、あるいは世界中どこを見ても、留学生が
労働者の
カテゴリーという考え方はないと思います。これは日本だけだと思いますね。
そして、最近は
特定技能一号、二号、そして建設・
造船就労者、
家事支援労働者、介護ということになろうかと思います。
ですから、全般的には、
オーバーステイの
容認政策、先ほど申し上げましたけれども、これを取っていたんですね、
バブル経済のときには。もうどうしようもない、人手が足りないと、全く足りないと。その後、何を考えたかというと、
日系ビザの導入をしたわけです。つまり、帰ってきてもらおうという政策だというふうに当時の
入管局長の方が吐露されていますけれども、そういう政策を取った。しかし、それでも定住をしてしまうと。これはまずいなということで、
外国人技能実習制度の拡大ということを二〇一〇年で本格的にかじを切りました。そして、今ということになっているわけですね。この
技能実習制度でできないところは、その隙間は
難民申請や留学、
家族滞在で補完してきたわけです。
その
技能実習制度については、どうして
人身売買、
奴隷労働と言われるのか。
これ、
外国人技能実習制度については、
国際社会から厳しい批判があるわけですね。それはなぜかというと、相次ぐ
不正行為、
人権侵害。これは後ほど詳しく指摘されると思いますけれども、時給三百円と
強制帰国という象徴的な言葉があります。
このことについては、残念ながら、日本の公的な機関ではなくて、
国際社会からの指摘なんですね。一番最初の指摘が、
アメリカ国務省の
人身売買年次報告書の二〇〇七年版で指摘されました。以降、昨年までずっと毎年指摘されていますし、国連の人権を取り扱うところでは、この制度については非常に有名です。
そういうことをやっているのは一体どういうことなのかということですね。これ一つの
新聞記事ですけれども、
難民申請、働くためというのがありますね。今先ほど申し上げましたように、
難民申請中に
特定活動ということで働くことができると。指定書というのがあるんですけれども、これによって経営・管理と風俗業以外は働いてもいいよということになっていますけれども、いや、それを偽装して来ているんじゃないかということなんですけど、私から申し上げると、偽装をしているのは誰なのかと、この社会なんではないかと。
なぜかと申し上げますと、これ昨年十月の
厚生労働省の
外国人労働者雇用状況ですけれども、これ見ていただいたら分かりますように、実は
労働者として入国しているのは二〇%しかいないんですね、
労働者として入国しているのは二〇%しかいない。そして、
技能実習や
資格外活動のうちの留学が八二・八%ですから、全体で見ますと
技能実習や留学で働いている人が四三%を超えると。
留学生のうち、宿泊業、
飲食サービス業、卸売・小売業で働いているのがほとんどだと。これはどういうことかと申し上げますと、
技能実習が認められていない職種、ここで留学生を使うということを、まあある意味でいうと政策を補完するという形でやっているわけですね。
技能実習がどれだけおかしな数字かといいますと、これは
外国人労働者の中の比率ですけれども、今申し上げましたように全体で二三%ですが、宮崎県ですと七〇%です。五〇%を超える県がこれだけあるんですね。産業別でも、農業や建設業では
外国人労働者といったら
技能実習生というような数字になっているわけですね。
ですから、これ昨年の
新聞記事ですけれども、宮崎県の椎葉村、非常に、ある意味でいうと、今テレビでよく、高視聴率の「ポツンと一軒家」というのがよく出てきたりもしますけれども、私はたまたま友人が椎葉村にいたものですから連絡をしたら、いや、こんなところにも来ているんだなという、そこに
技能実習生が犠牲になっているということです。
これ、一つの
データ、グラフ見ていただくと分かりますけれども、二〇一二年に
外国籍の方には
住民票ができました。
外国人登録法が廃止されて
住民票ができたんですね。そことの比較でいきますと、二〇一九年の十二月、非常に増えて、八十九万人、九十万人弱増えているんですけれども、その増えている大半が技術、
人文国際、
技能実習、留学と、ここが非常に多く増えているんですね。
つまり
労働者が増えているということです。しかも、その
労働者というのは、
フィクションによる
移民政策が社会にゆがみ、
人権侵害をつくり出す。その
フィクションとは、つまり、
労働力として来てもらえばいいと、
労働力と人間を分離しているわけですね。この
フィクションが非常に問題だと。
ですから、例えば、実際は本当は、受入れと共生、職場と地域、労働と生活、これは切り離せない空間なんですよ。これを切り離して政策が論議されてきたんではないかと。
実は、こんなことが起きました。二〇一九年の四月に
特定技能が導入されて、すぐに東京電力が原発の
廃炉作業に受け入れたいと。これに対して入管庁は、新しい
在留資格なら可能ですよと答えました。しかし、一か月少し過ぎたところで、
厚生労働省から、ちょっと待ったということになったわけですね。そこで働く
労働者は人間ですから、
ベトナムではどういうふうな法律になっているか、あるいは、被曝した場合のその後のフォローアップどうしていくのか、そういうことを考えられているだろうかということの指摘があったわけですね。
厚労省は一日の長があったんです。私どもと一九九三年以降、もう三十年近く毎年毎年交渉してきて、例えば
粉じん暴露でじん肺ですね、これが帰国してから発症した場合どうするのか、そのときのフォローはどうしていくのか、こういうことを議論してきた経験、積み重ねが
厚労省には幾らかあったということではないかなというふうに思っています。
共生ということについて、二つのお話をしたいと思います、時間も限られていますから。
ミラクルさんと
ンダイキアさんの話です。
ミラクルは、これは私と一緒にスキー、一昨年スキーに行った写真ですけれども、今高校生です。日本で生まれました。お父さんとお母さんはガーナから来ました。日本で生まれて、日本の小学校、中学校通って、中学校のときに東日本のバスケットボールの
ベストファイブメンバーに選ばれました。そのこともあって、彼女は私学の高校から引っ張られて、現在高校二年生です。しかし、彼女には
在留資格がありません。どのようにしたらいいんでしょうか。
ン問題です。ン問題は何か。ン問題は何かといいますと、
ンダイキアさんというのは、ある
建設会社で働いていました。この方、
社会保険加入することになりました。
社会保険加入をして、一向に
健康保険証が来ない。どうしたのかなと思ったら、そこの会社の総務に
日本年金事務センターから電話があった。おたくに
ンダイキアさんという方がいらっしゃいますね。はい、おります。その方の名前の順番変えてもらえませんか。えっ、何ですか、それは。いや、コンピューターの
システム上、Nから入力ができないんですと。いや、それは
システムを変えてもらったらいいんじゃないですか。いや、
システムを変えることできないんです、名前の順番変えてください。
で、私のところに相談に来ました。私もやり取りしましたが、一向に変わらない。そこで、国会で質疑をしていただいて、そして半年後に
システムが変わりました。
システムを変えるよりも名前の順番を変えてもらおうという発想になってしまうということですね。
そして、現在、
日常生活上、
外国人労働者、その家族はどんなことが起きるかというと、日本語のみによる通知です。これ見ていただいたら分かりますけど、これ一番最初のものは、還付がされますよという
お知らせです。
パキスタン人の家族です。これは消費税が上がったときに
プレミアム商品券がもらえますよと。そして、これは
児童手当のことですよね。
今回、
コロナ禍で追加して出されるけれどもということで、その
お知らせで、これを出せば、それはもらわない人は出してくださいということなんですけど、これ出した方がいいんですかと相談に来ました。これは
トルコ人の家族ですけれども、彼、それから彼のお連れ合いも言っているんですけれども、電話一本もらえないかなと。これ、文章読んでも分からないと、しかし日本語聞くことは大体分かると。一体どういう
お知らせなのかということが分からないわけですね。これ、ちょっと写真が後になりました。
そして、デマやフェイクです。移民に対するデマやフェイクが非常に多い。ですから、それに対するファクトチェックというのが必要だと思います。私たちは事実を直視する力を持たなきゃいけない、この社会は、というふうに考えております。
典型的なものは健康保険問題で、
厚労省が調査を行いました。何かただ乗りするんじゃないか、不正があるんじゃないか。その調査をした結果、不正がゼロだったと。このことを、ゼロだったということの報告、発表が余りされていません。
それから、犯罪の温床ですね。これは、この三十年間、どの数字をどこを見ても、警察庁が発表している数字を見ても、犯罪の発生率低いです。
そして、単一民族国家論ですね。これ非常に、アイヌが先住民であるという、もう国会での決議もあります。
そして、雇用競合論です。雇用が競合すると。しかし、これも全くその事実はありません。欧米であるんじゃないか。欧米でも結局なかったということが検証されております。
そういうゆがんだ
移民政策というのが、残念ながらヘイトスピーチというのを生み出したわけですね、韓国の話ということで。これ、ようやく川崎市が差別のない人権尊重のまちづくり条例を作りましたけれども、本来は中央政府で考えるべきことなのかもしれません。
ですから、私たちは、事実を直視する力、これをどのようにこの社会につくっていくのか。そして、その事実とは何かというと、既に始まっている多民族・多文化共生社会、移民の存在なくして成り立たないこの社会というわけですね。
顕在化している課題というのはいろいろあります。労働問題があります。その労働問題だけじゃなくて、これは例えばどういう図かといいますと、入国してきて以来、様々な生活課題が起きるわけですね、
日常生活で。買物をしたりだとか、ローンをしたりだとか、家を建てたりするときにもいろんな弊害があると。こういう課題があると思います。ですから、そういう様々な課題についての言語、日本語での問題、この問題というのは非常に大きいんですね。読める、読めない、書けない。話はできる。
奴隷時代や主従時代の
労働者の移動ではなくて、労使対等、ここで今、私、移動という言葉を使っています、受入れではなくて。
コロナ禍でいいますと、この
データだけは見ていただきたいと思います、もう時間がありませんから。海外在留邦人の総数なんですけれども、二〇一九年の十月時点で百四十万人、長期滞在と永住でこれだけの数。今
コロナ禍ですから余り移動していませんけれども、三か月未満の移動をしている人だと大変な数になるわけですね。その日本人が、その地域、国において労働基準が守られ、人権が担保されて働きたい、あるいは生活したい、そのように考えるのは至極当然のことではないでしょうか。
そしてまた、この新型コロナウイルスがあらわにさせたことは、
外国人労働者、移民の存在ですね。誰一人も取り残さないということを私たちは改めて考える必要があるかなというふうに思います。仮放免者や非
正規滞在者を含めて誰一人取り残さない、使い捨てにしない、させない、働く仲間、地域の隣人として考えていくということですよね。
もう時間がありませんので、出稼ぎの歴史的価値ということについて私たちは今議論するときに、出稼ぎがこの社会をつくってきた、人が移動することによって社会がつくられてきたということだろうと思います。
労働者が
労働者として真っ当な
移民政策が求められていると。つまり、社会の担い手だということですね。
労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会。労働問題のときに、
外国人労働者を救済するということだけではなくて、
外国人労働者が物を言えるようにする、そのための
システム、制度はどうしていったらいいのかということだろうというふうに思います。その
人たちがきっとこの社会を良くしてくれるということだと思います。
終わります。ありがとうございました。