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2021-03-26 第204回国会 参議院 国土交通委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
令和
三年三月二十六日(金曜日) 午後一時五十七分
開会
─────────────
委員
の
異動
三月二十五日
辞任
補欠選任
清水
真人
君
山本
順三
君
里見
隆治
君
西田
実
仁君
三月二十六日
辞任
補欠選任
山本
順三
君
清水
真人
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
江崎
孝君 理 事 足立 敏之君 大野 泰正君
青木
愛君 杉
久武
君 浜口 誠君 委 員
朝日健太郎
君
岩井
茂樹
君 岩本
剛人君
岡田 広君
金子原二郎
君
清水
真人
君
鶴保
庸介君 馬場
成志君
牧野たか
お君 増子 輝彦君 熊谷 裕人君 野田 国義君 森屋 隆君 竹内 真二君
西田
実
仁君
室井 邦彦君
榛葉賀津也君
武田
良介
君
国務大臣
国土交通大臣
赤羽
一嘉
君 副
大臣
国土交通
副
大臣
岩井
茂樹
君
大臣政務官
国土交通大臣政
務官
朝日健太郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 林 浩之君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
日本国有鉄道清算事業団
の
債務等
の
処理
に関す る
法律等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
踏切道改良促進法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ─────────────
江崎孝
1
○
委員長
(
江崎孝
君) ただいまから
国土交通委員会
を
開会
をいたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日、
里見隆治
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
西田実仁
君が選任されました。 ─────────────
江崎孝
2
○
委員長
(
江崎孝
君)
日本国有鉄道清算事業団
の
債務等
の
処理
に関する
法律等
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。
本案
に対する
質疑
は既に終局しております。
本案
の
修正
について
武田
君から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
武田良介
君。
武田良介
3
○
武田良介
君 私は、
日本共産党
を代表し、
日本国有鉄道清算事業団
の
債務等
の
処理
に関する
法律等
の一部を改正する
法律案
に対する
修正案
について、その
趣旨
及び
概要
を御説明申し上げます。
JR北海道
、
JR四国
及び
JR貨物
の
JR
二島
貨物会社
への国の
支援
は、
地域住民
に安全、安心の
鉄路
を
維持
、
存続
させるために必要であります。その
支援対象
は、
鉄道施設等
の
整備
や
ローカル線等
の
維持
、
存続
などの
鉄道事業
であるべきです。
政府提出
の
改正法案
は、こうした
施策
が盛り込まれる一方で、
JR
二島
貨物会社
への無
利子
貸
付け
を廃止し、
金融機関
が行う
JR
二島
貨物
への
経営基盤強化
のための
資金
の貸
付け
に対して、
独立行政法人鉄道建設
・
運輸施設整備支援機構
が
当該金融機関
に
利子補給金
を支給することができるとの新たな
規定
が盛り込まれています。 この
経営基盤
の
強化
に必要な
資金
には、
鉄道施設等
の
整備
のための
資金
以外の
資金
も含まれており、
鉄道事業
以外の
事業
への過剰な投資を招きかねません。 例えば、
JR北海道
が、
札幌
駅新
タワービル・ホテル建設計画
など、
不動産開発事業
の
資金
を
民間金融機関
から調達した場合も、
当該規定
の
対象
となり得るものです。 この
不動産開発事業
は、
鉄路
を守るという
鉄道事業者
としての本来の
事業
ではありません。
大手不動産
、
開発事業者
など、特定の
民間事業者
の利益にもつながるものであり、
公共性
、
公平性
の点でも問題があります。 さらに、インバウンドを当て込んだ
観光
・
ホテル事業等
は、
新型コロナウイルス感染
の
影響
で
業績悪化
が顕著です。その下で、
JR北海道
の
札幌
駅新
タワービル・ホテル建設事業等
の収益が
確保
される保証はありません。むしろ、
当該事業
が、
JR北海道
の
経営改善
どころか、
経営悪化
の要因にもなりかねません。 こうした
理由
により、
現行法
の
規定
による無
利子
貸
付け
の
期限延長
を行い、
利子補給
の支給に関する
規定
を削除する本
修正案
を
提出
するものであります。 以下、
修正案
の主な
内容
について説明します。 第一に、
機構
が
令和
十三年三月三十一日までの間、
会社
の
経営基盤
の
強化
を図るために引き続き行う業務として、
JR
二島
貨物会社
に対し、老朽化した
鉄道施設等
の更新その他
会社
の
経営基盤
の
強化
に必要な
鉄道施設等
の
整備
に必要な
資金
に充てるための無
利子
の
資金
の貸
付け
を行うことを追加することとします。 第二に、
国土交通大臣
が指定する
金融機関
が行う
会社
の
経営基盤
の
強化
に必要な
資金
の貸
付け
(
令和
三年四月一日から
令和
十三年三月三十一日までの間に締結した契約に基づくものに限る。)について、
機構
が
当該金融機関
に対し、
利子補給金
を補給することができる旨の
規定
の追加は行わないものとします。 以上であります。
委員各位
の御
賛同
をお願い申し上げ、
修正案
の
趣旨説明
とさせていただきます。
江崎孝
4
○
委員長
(
江崎孝
君) これより
原案
及び
修正案
について討論に入ります。──別に御
意見
もないようですから、これより直ちに
日本国有鉄道清算事業団
の
債務等
の
処理
に関する
法律等
の一部を改正する
法律案
について
採決
に入ります。 まず、
武田
君
提出
の
修正案
の
採決
を行います。 本
修正案
に
賛成
の方の
挙手
をお願いします。 〔
賛成者挙手
〕
江崎孝
5
○
委員長
(
江崎孝
君) 少数と認めます。よって、
武田
君
提出
の
修正案
は否決されました。 それでは、次に
原案
全部の
採決
を行います。
本案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
江崎孝
6
○
委員長
(
江崎孝
君)
全会一致
と認めます。よって、
本案
は
全会一致
をもって
原案
どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、
青木
君から
発言
を求められておりますので、これを許します。
青木愛
君。
青木愛
7
○
青木愛
君 私は、ただいま可決されました
日本国有鉄道清算事業団
の
債務等
の
処理
に関する
法律等
の一部を改正する
法律案
に対し、自由民主党・
国民
の声、
立憲民主
・社民、公明党、
日本維新
の会及び
国民民主党
・新緑風会の
各派共同提案
による
附帯決議案
を
提出
いたします。 案文を朗読いたします。
日本国有鉄道清算事業団
の
債務等
の
処理
に関する
法律等
の一部を改正する
法律案
に対する
附帯決議
(案)
政府
は、
本法
の
施行
に当たり、次の諸点について適切な
措置
を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一
JR北海道
、
JR四国
及び
JR貨物
への
税制面
も含めた
支援
の
実施
に当たっては、
安全運行
の基礎となる人材の
確保
・育成並びに賃金及び
労働
時間等の
労働条件
の
改善
にも配慮し、将来像の
明確化
とその
実現
に加え、
経営自立
の
実現
ができるよう万全を期すこと。また、「
二島特例
」や「
承継特例
」などの
税制特例措置
を始めとする既存の
経営支援スキーム
については、
経営自立
を果たすまでの間、
現行水準
の
維持
に努めること。さらに、
新型コロナウイルス感染症
による
影響
が見通せない中、状況の
変化
に応じ
支援内容
を適宜見直すなど、三社はもとより
公共交通全般
への適時適切な
措置
を講ずること。 二
経営安定基金
については、長期にわたる低金利により当初想定していた効果が十分に発揮できていないことから、経済・
社会情勢
の
変化
に応じた
実効性
が
確保
できるよう、適宜適切に
検討
を行うこと。 三
JR北海道
、
JR四国
及び
JR貨物
の三社は主体的に
鉄道サービス
の提供に引き続き努めるとともに、
住民
の意向や
地域
の実情を踏まえ、国と
地方公共団体
は連携して必要な
施策
を講じ、将来にわたり持続可能な
鉄道網
が
実現
されるよう万全を期すこと。特に、
JR
が主体的に持続可能な
鉄道サービス
を提供できない
事業領域
については、国と
地方公共団体
が連携して必要な役割を果たすこと。また、今後、更なる加速が想定される
人口減少
・
高齢化
により、
人流
・
物流網
の
維持
・
活性化
が重要な
課題
となる中、
JR北海道
及び
JR四国
の取組を、全国各
地域
における将来的な
課題
の解決につなげるよう努めること。 四
地域社会
の
維持
・発展に資するよう、
企業立地
、
観光振興
、
地域
内又は
地域
間の
交流等
を促進するための
基幹的高速鉄道網
の形成や
空港アクセス
の向上に努めること。また、
札幌
までの
北海道新幹線
の
工事実施
において
地域住民
への配慮に努めるとともに、四国における
新幹線
についても
検討
を進めること。なお、
並行在来線
の
存続
に関しては、
物流面
及び
住民
の足の
確保
も考慮した協議が行われるよう
指導等
を行うこと。 五
環境特性
、
労働生産性
などの面から、
我が国物流
の
貨物鉄道
へのモーダルシフトの推進が重要であることに鑑み、必要な
幹線鉄道網
の
維持
については、単に
鉄道政策
のみならず、
物流
や
環境
に係る財源の活用等様々な
政策
によって対処すること。 右
決議
する。 以上でございます。 何とぞ
委員各位
の御
賛同
をお願い申し上げます。
江崎孝
8
○
委員長
(
江崎孝
君) ただいま
青木
君から
提出
されました
附帯決議案
を
議題
とし、
採決
を行います。 本
附帯決議案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
江崎孝
9
○
委員長
(
江崎孝
君)
全会一致
と認めます。よって、
青木
君
提出
の
附帯決議案
は
全会一致
をもって本
委員会
の
決議
とすることに決定いたしました。 ただいまの
決議
に対し、
赤羽国土交通大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
赤羽国土交通大臣
。
赤羽一嘉
10
○
国務大臣
(
赤羽一嘉
君)
日本国有鉄道清算事業団
の
債務等
の
処理
に関する
法律等
の一部を改正する
法律案
につきましては、本
委員会
におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま
全会一致
をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、
本法
の
施行
に当たりましては、
審議
における
委員各位
の御
意見
や、ただいまの
附帯決議
において提起されました事項の
趣旨
を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、
委員長
を始め理事の
皆様方
、また
委員
の
皆様方
の御
指導
、御協力に対し深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
江崎孝
11
○
委員長
(
江崎孝
君) なお、
審査報告書
の
作成
につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
江崎孝
12
○
委員長
(
江崎孝
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
江崎孝
13
○
委員長
(
江崎孝
君)
踏切道改良促進法等
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。
政府
から
趣旨説明
を聴取いたします。
赤羽国土交通大臣
。
赤羽一嘉
14
○
国務大臣
(
赤羽一嘉
君) ただいま
議題
となりました
踏切道改良促進法等
の一部を改正する
法律案
の
提案理由
につきまして御説明申し上げます。
道路
と
鉄道
は、いずれも重要かつ基幹的な
交通
であり、平常時の
安全性
の
確保
はもとより、近年
頻発化
、激甚化する
災害
時におきましても、その
防災機能
を
強化
し、安全かつ円滑な
交通
の
確保
を図ることが重要であります。特に、
踏切道
につきましては、これまで
改良対策
を進めてきた結果、その数や
事故件数等
は着実に減少してまいりましたが、依然として
事故
や渋滞が多数発生しており、また、
災害
時に長時間の遮断が発生した場合には、
救急救命活動等
の大きな支障になるとの
課題
も明らかになっていることから、
災害
時における
適確
な
管理
も含め、
対策
を更に促進することが必要です。 このような
趣旨
から、この度この
法律案
を提案することとした次第です。 次に、この
法律案
の
概要
につきまして御説明申し上げます。 第一に、
国土交通大臣
による
改良
すべき
踏切道
の指定について、従来の五か年の
期限
に代えて、
交通安全基本計画等
の国の五か年
計画
と連動しつつ、
改良
を優先的に
実施
する
必要性等
を勘案して機動的に指定できるようにすることとしております。あわせて、
踏切道
の
改良
の
方法
として、
踏切道
と
交通
上密接に関連する
道路
の
改良
を追加する等の
措置
を講ずることとしております。 第二に、
災害
時の
管理
の
方法
を定めるべき
踏切道
を
国土交通大臣
が指定する
制度
を創設し、指定された
踏切道
の
鉄道事業者
及び
道路管理者
は、
災害
時における
対処要領
の
作成等
、
踏切道
の
適確
な
管理
の
方法
を定めなければならないこととしております。 第三に、
広域災害応急対策
の
拠点
となる道の
駅等
の
駐車場
を
国土交通大臣
が指定し、
災害
時には
道路管理者
が
防災拠点
としての
利用
以外の
利用
を制限できる等の
措置
を講ずることができることとしております。 第四に、
道路区域
に隣接する
沿道区域
内で
道路管理者
が指定した
届出対象区域
においては、
電柱等
の
工作物
の
設置
は事前の
届出
を要することとし、
道路管理者
は
設置場所
の
変更等
の必要な
措置
を講ずべきことを勧告することができることとしております。 第五に、
災害
が発生した場合に、市町村が
管理
する
道路
の
啓開
及び
災害復旧
を都道府県が代行することができる
制度
を創設することとしております。 第六に、
鉄道事業者
が、
国土交通大臣
の許可を受けて、
鉄道施設
に障害を及ぼすおそれのある植物の
伐採等
や、
災害
時の
早期復旧
のための
作業場等
として他人の土地を一時使用することができることとしております。 その他、これらに関連いたしまして、所要の
規定
の
整備
を行うこととしております。 以上がこの
法律案
を提案する
理由
でございます。 この
法律案
が速やかに成立いたしますよう、御
審議
をよろしくお願い申し上げます。 以上です。
江崎孝
15
○
委員長
(
江崎孝
君) 以上で
趣旨説明
の聴取は終わりました。
本案
に対する
質疑
は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時十二分散会