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2021-03-23 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年三月二十三日(火曜日)    午後一時二十九分開会     ─────────────    委員異動  三月二十二日     辞任         補欠選任      福山 哲郎君     打越さく良君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         長峯  誠君     理 事                 佐藤 正久君                 三宅 伸吾君                 小西 洋之君                 三浦 信祐君                 井上 哲士君     委 員                 宇都 隆史君                 北村 経夫君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 中西  哲君                 松川 るい君                 山田  宏君                 打越さく良君                 白  眞勲君                 山口那津男君                 浅田  均君                 鈴木 宗男君                 大塚 耕平君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     茂木 敏充君        防衛大臣     岸  信夫君    事務局側        常任委員会専門        員        神田  茂君    政府参考人        外務省大臣官房        地球規模課題審        議官       小野 啓一君        外務省大臣官房        参事官      石月 英雄君        外務省大臣官房        参事官      有馬  裕君        外務省大臣官房        参事官      徳田 修一君        外務省大臣官房        参事官      御巫 智洋君        外務省総合外交        政策局長     山田 重夫君        外務省総合外交        政策局軍縮不拡        散・科学部長   本清 耕造君        外務省領事局長  森 美樹夫君        海上保安庁警備        救難部長     瀬口 良夫君        防衛省大臣官房        サイバーセキュ        リティ・情報化        審議官      深澤 雅貴君        防衛省防衛政策        局長       岡  真臣君        防衛省整備計画        局長       土本 英樹君        防衛省地方協力        局長       鈴木 敦夫君        防衛省統合幕僚        監部総括官    加野 幸司君        防衛装備庁長官  武田 博史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (外交基本方針に関する件)  (国の防衛基本方針に関する件) ○在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務  する外務公務員の給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 長峯誠

    委員長長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として打越さく良君が選任されました。     ─────────────
  3. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省大臣官房地球規模課題審議官小野啓一君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  外交基本方針及び国の防衛基本方針について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 小西洋之

    小西洋之君 立憲社民小西洋之でございます。  冒頭委員長にお願いでございますが、昨年十二月一日の本委員会での私の質疑における内閣法制局長官答弁につきまして、お手元の配付資料の一ページでございますが、線を引いた部分。私からの、「法解釈前提立法事実の確認というのは、法制局の仕事、所掌には含まれないという理解でよろしいですか。法制局は事実の確認はしない、あらゆる解釈、法令の根拠となる立法事実については一切確認はしない、関知しないという理解でよろしいですか。」との質問に対して、近藤長官よりなされた、「立法事実については、担当省が現実に起こっている事実を確認し、それを私どもに御説明いただくということで、私どもが直接立法事実を調べに行くということではなく、あくまでも担当省庁がこういう事実がありますということを前提に法案を説明されますので、それを私どもは完全に信用してやると。」との答弁につきまして、完全に信用してやる等と答弁されておりますが、内閣法制局設置法上の審査事務及び意見事務の職責を踏まえたこの答弁趣旨について、委員会としての確認をお願いしたく存じます。
  7. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。
  8. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  では、対所信の質疑の方に移らせていただきたいというふうに思います。  政府におかれましては、バイデン政権発足後、両大臣、三月十二日の政府全体のこのQUAD、茂木大臣出席されたということでございますが、また三月十六日の2プラス2と、重要な日程を重ねられているところでございます。  安保法制憲法違反であるという論陣を張っておりますところでありますけれども、私も、また我が会派も、台頭してくるこの対中国に対して、またこれまでの国際社会あるいはこの地球規模でのこの市民社会価値観とは違う、そうした動きを重ねている中国に対して、我が国日米同盟を軸として、基軸として、また連携できる国々とどのように対処していくかということは、我が国外交安全保障上最重要の課題であるというふうに考えております。  そうした観点から、基本的な質問をさせていただきたいと思うわけでございますけれども、まず茂木大臣質問でございますが、政府として、中国はもう既に大国であり、今後、恐らくその大国としての地位を高めていく、あるいは軍事力、あるいは経済についてもいろんな形で国力を強めていくということが考えられるところでございますが、今後、中国大国としてどのような姿を示し、また、どのような役割を果たしていくべきであるというふうに、政府として、日本政府として考えていらっしゃるでしょうか。大臣答弁をお願いいたします。
  9. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、国会でも大変な論客として知られる小西議員外交安保政策についてほぼ考え方を共有していただいている、大変心強く思っているところであります。  中国世界第二位の経済大国となって、また、経済に限らず、政治軍事技術など、様々な面でその行動国際社会への影響力を増しているのは間違いないと考えております。  中国は、もはや国際秩序、そして自由貿易体制、さらには気候変動などでの問題でもフリーライダーではない、責任ある大国として貢献することが国際社会から求められているんだと思います。  例えば、WTO、これからWTOの改革についても議論等を深めるわけでありますが、中国最大途上国と自称しておりまして、独自の制度を維持して様々な恩恵を受け続けると、これはやっぱりWTO全体がゆがんだ構造になっているということでありまして、もはやこういったことは通用しないと、このように考えているところであります。  その上で、中国との安定した関係、これは日中両国のみならず地域及び国際社会の平和と繁栄のために重要だと考えておりまして、日中は世界第二位そして第三位の経済大国として地域及び国際社会の諸課題に取り組んでいく責務、これを共有しており、両国国際社会ルールにのっとってその責任をしっかり果たし、国際社会期待に応えていくことが重要であると、このように考えております。
  10. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  答弁の中にありました、責任ある大国として中国が今後、様々な諸課題の、この地球規模あるいはその地域課題について責任を果たし、また日本も大きな大国の一員として一緒にやっていくというような御趣旨というふうに承らせていただきました。  一方で、アメリカにおきましては、トランプ政権からバイデン政権に替わって、バイデン大統領就任演説等、あるいはその後の国家戦略の指針などでも、今後の新たなバイデン政権としての国の方針というものが示されているところでございますけど、我が国として、アメリカはどのような、同じような質問なんですが、逆にアメリカ大国としてどのような責任を果たしていくべきだというふうに政府はお考えでしょうか。茂木大臣、お願いいたします。
  11. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 米国でありますが、政治経済軍事、あらゆる面において世界随一大国でありまして、国際社会秩序を維持強化していく上でアメリカ存在というものは欠かすことができないと考えております。そして、我が国にとっても、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する同盟国であります。  その米国が、我が国を始めとする同志国連携して、世界の様々な課題に対してリーダーシップを発揮していくということは、インド太平洋地域及び国際社会の平和、安定、繁栄にとって極めて重要であると考えております。  確かに、トランプ政権におきましては、米国第一主義の下で、マルチの枠組みよりも、例えば米中といった形でバイでの交渉というのを選好してきたわけでありますが、これに対してバイデン大統領は、就任演説においても、世界に再び関与する、同盟を再構築して国際社会を再び積極的にリードする、そういった決意を示しております。バイデン政権は、日米同盟、そして自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた揺るぎないコミットメントを示していると考えております。  小西議員の方からも言及いただきましたが、先週の2プラス2、政権発足からまだその時点では二か月たっていないという早いタイミングで日米外相会談、そして岸大臣とともに2プラス2開催しましたが、このことが示しているのは、日米同盟というものが、この地域のみならず、今や世界の平和、安定、繁栄の礎、コーナーストーンになっているということだと考えております。  日本としても、このような米国の姿勢を歓迎をし、日米で緊密に連携して、日米同盟の一層の強化であったりとか、自由で開かれたインド太平洋の推進に取り組むとともに、国際社会共通課題に対応する、対応でも共に国際社会をリードしていきたいと、このように考えているところであります。  恐らくその冷戦構造下における米ソ対立というものは、言ってみますと、北大西洋条約機構というものがあり、ワルシャワ条約機構というものがあり、両側が全面的に、特に軍事面中心にして対立をしていた。その構造から、必ずしも中国にとってワルシャワ条約機構的なものはありません。そして、我々は、単純に軍事的な結び付き、安全保障的な結び付きというよりも、価値観によって同盟、そして同志国というのをつくって、ワンボイスで正しい行動、これを求めていく、その中心日米があると、このように考えております。
  12. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  バイデン政権になって、本来のアメリカの国としての在り方だと思うんですが、世界のこの普遍的な価値をリードする国として再び世界に関与すると、また、その中において、同盟国との関係連携を大切にしていく、そうしたアメリカ在り方というものを是非、日本としてもしっかりと連携していただきたいというふうに思います。  次の質問でございますが、中国についてですが、実は、昨年はコロナで中止だったんですが、私、日中次世代若手友好議連という超党派議連がございまして、実は自民党と公明党の先生方と、実は団長は遠山先生だったんですが、国会安保法制憲法違反で急先鋒をやっている私を超党派の団に加えてくださった、本当に有り難い、人徳のある方だったんですけれども。  実は毎年、もうかれこれ四年、五年ぐらい、私、毎年中国に行っておりました。北京だけではなくて、ほかの地方都市も必ず訪れるという行程を組んでおりまして、そこで様々な中国国内課題ですね、例えば貧困問題ですとか、あるいは都市地方の差ですか、そういうものをかいま見てきたところでございますけれども。  質問なんですが、中国が強国として、あと、世界でなかなか受け入れられない価値観というものを示しながら、あるいは実際の行動に移していく、中国はなぜそういう行為に国として国家として出ているのか。先ほど大臣が御披瀝いただいた、冷戦のとき、当初は、ジョージ・ケナンというアメリカ分析家が封じ込め論の理論的支柱として、なぜソ連がこういう行動に出るのか、ソ連というのは国内的にどういう構造問題等を抱えた国かという優れた分析をしておりましたけれども、その中国、この間の2プラス2でも政治的、経済的、軍事的、技術的な相入れない行動に出ているということを明示しておりますけれども、なぜ中国はそういう行動に出てくるのか、その中国分析について、政府見解を、茂木大臣、お願いいたします。
  13. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 中国側行動背景原因については、いろんな見方、いろんな考え方あると思うんですが、例えば大国となった中国の威信を高めたい、こういう思いであったりとか、現在の国際秩序、これは既に、ブレトンウッズ体制含め、いわゆる先進国でつくられてきたものであって、それをより自国に有利なものにしたい、様々な意見があると思います。  じゃ、率直にどれが正しいのか、本当なのかというのはなかなか分かりにくいところがありまして、かつても、例えばキューバミサイル危機のときに、なぜキューバソ連製のSS2のミサイルをああいったU2偵察機が明らかに分かる形で配備をしたのか、グレアム・T・アリソンが三つ理論を使って説明をする。三つそれぞれとも当てはまるんですけど、どれが正しいかと。恐らくフルシチョフに聞かないと分からないというところはあるんだと思っております。  恐らく、現在の中国行動、そしてその背景にある原因等につきましても、中国の内政上の課題であったりとか、外交経済政策に関連してのものということだと思いますが、その詳細について私がこれが正しいんだということでお答えすることは控えたいと思うんですが、いずれにしても、中国が関連した様々な動向というものが安全保障面でも政治面でも経済面でも技術面でもあるわけでありまして、そういった動向については常に注視をしております。
  14. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございます。中国政治面、様々な面でいろんな課題を提起していると、2プラス2の共同声明にございますけれども、その根本原因ですね、中国がなぜそういう国家行為を、国家行動を取るのかについては、我々も是非いろんな分析を重ねていきたいと思います。  次、四番と五番、ちょっと時間でまとめてお願いしたいんですが、この中国なんですけれども、では、今のようにこの中国国際社会価値観と相入れないような行動を重ねる場合に、中国においてはどのようなデメリットがあるのか。逆に中国が、その冒頭質問にあるように、大国として責任を果たす、あるいは世界の普遍的な価値と調和するような国の在り方、あるいは国家としての行動をしていくことにおいて、逆にどのようなメリットがあって、その際に日本として例えばどのような連携協力ができるのか、そのことについて、茂木大臣答弁をお願いいたします。
  15. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先週の日米プラス2では、中国によります既存の国際秩序と合致しない行動、これは日米同盟及び国際社会に対する様々な課題を提起しているとの認識で米側と一致を見たところであります。  何もこれは中国を批判する目的ではなくて、中国にとっても、国際社会ルールにのっとり、その責任をしっかり果たして国際社会期待に応えていくことが中国自身メリットにもなると考えております。日本米国だけの考えではなくて、これは国際社会全体がそのように考えており、この期待に応えていくことが中国のためにもなると思っておりますし、逆に、そうでなければ国際社会からの信頼、こういったものも得られないのではないかなと考えております。  かつて、ギリシャの北方マケドニアの小国から起こりまして、そして地中海から中東、さらにはアジア、インド大帝国を築いたアレクサンダー大王、剣によって得られたものは長続きしないが、優しさと節度によって得られたものは永遠であると、このように力の象徴であるアレクサンダー大王も語っておりまして、覇者にとって、また国際社会で主導的な立場を占めたいと考える国にとって、優しさ、そして節度と、非常に重い言葉だと思っております。
  16. 小西洋之

    小西洋之君 どうも本当に味わい深い答弁をありがとうございました。おっしゃるとおりだと受け止めさせていただきました。  引き続き中国なんですけれども、先ほど大臣がおっしゃられたように、冷戦時代と違って、この中国領海侵犯ですね、あのような行為中国一緒に行う国がない状況中国単独でまだ行っている状況というのは非常に重要な、何というか情勢、逆に、それを一緒行動するような国が現れてくると日本としても大変なことに、国際社会としても大変なことになるというふうに思っているんですが。  それはさておき、次の六番でございますけれども、一方で、このアメリカ中国のこの緊張状態冷戦状態に例えるような議論もあるわけでありますが、ただ一方で、中国アメリカお互いそれぞれ最大規模貿易相手国であるわけでございます。また、日本においても中国はそうした関係にあるわけでございますが、そうしたお互いのこの経済依存関係というものは、今のこの、トランプ政権経済制裁ども行っておりますけれども、今起きているこういう緊張状態というのは、そういう大きな経済相互のこの依存関係、それをも変容し得る、逆に、大きな経済依存関係があるので、米中、まあ日中はもちろんですけれども、米中というのはそこまでの大きな危ない関係にはぎりぎり至らないんじゃないのか。どのような見解をお持ちでしょうか。茂木大臣、お願いいたします。
  17. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) その点は確かに非常に難しい見極めが必要だと思っておりますが、少なくとも米ソ冷戦構造時代とは違っていると思っておりまして、当時の米ソ関係、現在の米中、特に米中の経済関係とはかなり違って、アメリカとそしてソ連の間での貿易、そんなに大きな額を占めていたわけではありませんでした。  ところが、現在、中国世界第二位の経済大国、それもアメリカの三分の二ぐらいになっていると。当時のアメリカソ連でいいますと三対一以下だったんじゃないかなと思いますけど、そういった経済大国であるのと同時に、日本にとっても米国にとっても中国最大貿易相手国であります。また、中国にとっても米国は第一位、そして日本は第二位の貿易大国であります。  確かに、米中間では通商問題、そして先端技術をめぐる競争等様々な分野で、経済面でも意見対立が見られるわけでありますが、米中両国影響力からしても国際社会全体にも関わる問題でありまして、米中両国関係の安定というものが国際社会にとっても極めて重要であり、我が国としてもその状況注視をしていきたいと思っております。  自由貿易体制というか、こういった安定した経済体制をつくっていくということは全体にとってもメリットがある。恐らく、さらには気候変動問題、こういったことを考えても、協力関係を模索していくというか深めていく、協力関係を追求していくということが重要だと思っております。ただ、その一方で、それがために基本的な価値観、こういうものを譲ることはあってはいけないと、このように考えております。
  18. 小西洋之

    小西洋之君 じゃ、ちょっと残りが迫りましたので、岸大臣、済みません、七番と八番をまとめてお願いしたいんですが。  我が国の最重要の国際関係である日米同盟の本質なんでございますけれどもアメリカから見たこの在日米軍基地、横須賀などの基地のこの軍事的なメリットと、あと、それが自由で開かれたインド太平洋構想における意義、役割、また、このアメリカがこうしたかけがえのない価値をきちんと認識しているのか、それに対する我が国の努力について、ちょっと時間ですので簡潔に答弁お願いいたします。
  19. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 簡潔にお願いいたします。
  20. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) インド太平洋地域安全保障環境、厳しさを増している中で、日米同盟というものはこの地域の平和と安定の礎である、これまでになく重要になってきているというふうに考えております。  在日米軍は、極東のみならず米国地域展開を支えている存在だと思います。このように前方展開をする米軍のプレゼンスはインド太平洋地域全体における米軍の利益の確保に貢献をしており、米国もこの体制から大きな恩恵を受けている、こういうふうに考えております。  こうした観点から、米国政府にもこの日米同盟については理解をされておって、2プラス2や防衛相会談において、日米同盟抑止力対処力の一層の強化重要性、また同志国やパートナーとも連携しつつ自由で開かれたインド太平洋を維持発展させていくことの重要性というものを確認をしているところでございます。  これまでも米国では、日米同盟超党派の支持を得てきておるところでございます。バイデン政権発足後の間もない時期に国防長官国務長官日本に最初にお越しいただいてということは、まさに米国日本を一番に重要な存在日米同盟重要性を認識してのことだというふうに考えております。
  21. 小西洋之

    小西洋之君 次回からいつものトーンに戻るかもしれませんが、混ぜるかもしれませんが、どうもありがとうございました。  終わります。
  22. 白眞勲

    白眞勲君 立憲社民白眞勲でございます。  小西議員に引き続き御質問させていただきたいと思います。  先ほど、うちの同僚小西議員からと茂木外務大臣岸防衛大臣との間の非常に高尚なやり取りを聞いていまして、ああ、外交防衛委員会ってすばらしいところだなというふうに感じましたし、また、茂木大臣のまた名文句というのかな、日米同盟世界キーストーンになったと高らかに宣言をされたわけでして、ああ、なるほどなと、やっぱり外交の今プロでいらっしゃる茂木大臣らしいお言葉だなというふうに思ったんですけれども。  まあ、ちょっとここでお聞きしたいのは、茂木大臣にですね、茂木大臣、大分長いこと外務大臣をずっとされていました。トランプ大統領時代からもずっと外務大臣されていたわけでして、どうでしょう、トランプ大統領時代、今回バイデン大統領になった、この違い、感じていらっしゃるんじゃないかと思うんですけど、どういったところがああ違うなと感じたところでしょうか、ちょっとお聞かせください。
  23. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) トランプ政権、そしてバイデン政権日米同盟重要性、また、そこの中でアメリカが重要な役割を果たしていく、こういった考えは変わっていないと思っております。  そこの中で、外交スタイルといいますか政治の進め方というのは、若干それは、それぞれの大統領であったりとか、それはアメリカだけではなくて各国のリーダー違ってくると思うんですが、トランプ大統領、先ほども申し上げたように、余りマルチの枠組みというよりもバイでいろんなことを進めると、これはあらゆる国との通商関係もそうでしたし、更に申し上げればいろんな、軍事面といいますか、安全保障面での取組もそういうところが強かったと思います。それに対してバイデン大統領は、やっぱり同盟国との関係を再構築する、また同志国価値観を共有する同志国との連携、これを極めて重視しているという点が一つ違うのではないかなと思っております。  また、もちろんトランプ大統領も様々な戦略といいますか、練った上で行動に移っていると思いますが、少なくとも見えるところというのはワンショットで、例えば北朝鮮の問題にしても、ワンショットで物事を解決すると、こういうアプローチを選好したのに対して、バイデン大統領は様々な形で積み上げながら物事を進めていると。  先日来の訪日、ブリンケン国務長官、オースティン国防長官、まずは同盟国である日本を訪れ、そして韓国を訪れた後、そこでアラスカのアンカレジで米中の外交の会談に臨むと、こういうステップ・バイ・ステップのアプローチを取っておりまして、また、日米間でいいましても、例えば日米豪印の会談も、外相会談を行って、それでまた首脳会談、十二日にQUADをやったわけであります。  そして今、外相会談、2プラス2をやった上で、四月の前半にも菅総理が初めての外国首脳としてワシントンを訪問する予定ということでありまして、こういった意味で、ステップ・バイ・ステップ、成果を一つ一つ積み上げていく、こういうアプローチを取っていると、このように見ております。
  24. 白眞勲

    白眞勲君 ありがとうございます。  非常に分かりやすく御発言くださって、なるほどねというふうにも私も思いました。非常にシステマチックにバイデン政権というのは、ですから、やっぱり組織できっちりと動いているなという感じが今の印象からも受けましたけれども。  そこで、その2プラス2について少しお聞きしたいと思うんですけれども、香港と新疆ウイグル自治区の人権状況についてお聞きいたします。  これは、2プラス2では深刻な懸念を共有したとしているわけなんですけれども、ブリンケン国務長官とはこの新疆ウイグルでジェノサイドの認識というのは共有されたのかどうか、お聞かせください。
  25. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 日米外相会談そして2プラス2におきましては、様々な問題について取り上げました。当然、日米同盟、自由で開かれたインド太平洋から始まりまして、香港そして新疆ウイグル人権問題に対する懸念、こういったものも共有をさせていただきました。  ただ、外交上の詳細なやり取り、どういう言葉を使ったか、どういうやり取りをしたか、これについては控えさせていただきたいと思います。
  26. 白眞勲

    白眞勲君 今、新疆ウイグルや香港やというお話をされましたが、北朝鮮の人権状況については意見交換はされましたか。
  27. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 北朝鮮問題についても意見交換をさせていただきました。  人権ということでいいますと、最も重要なのは、我が国にとって最重要課題であります拉致問題であります。拉致家族の皆さん、昨年も有本さん、横田さんのお母様、お父様がお亡くなりになるという中で、もう御家族の皆さんもかなり御高齢になられると、一刻の猶予もない問題である、即時解決、こういったことが必要だと考えていると、このようにお話を申し上げまして、米国からは、思いを共有すると、全面的に支援をしたい、こういう話があったところであります。  そして、北朝鮮に今後どうアプローチしていくかと。この対北朝鮮の政策レビュー、今まさに米国において行われているところであります。そこの中で、全体の核の問題、そしてミサイルの問題、拉致の問題、こういったものを扱う中で、人権と、また人道上の対応、これをどうするかというのは全体のパッケージの中で考えていくべき問題だと思っております。
  28. 白眞勲

    白眞勲君 北朝鮮ももう、今拉致問題というお話ありましたけれども、人権状況としては、人権問題としては、皆さん御存じのように、強制収容所が存在しまして、そこでは相当ひどい人権侵害が行われていると。当然、アメリカは空からもどこにその強制収容所があるか把握していると思いますが、韓国において、このブリンケンさんが韓国に行ったときに、アメリカ側がこの件について触れているわけなんですね。  外務大臣にちょっとお聞きしたいのは、近く国連人権理事会で採択される予定の北朝鮮非難決議案ですね、これ、共同提案国としては参加しているんでしょうか。事実関係を教えてください。
  29. 山田重夫

    政府参考人山田重夫君) お答え申し上げます。  共同提案国として参加することとしております。
  30. 白眞勲

    白眞勲君 提出国でない理由は何なんでしょうか。
  31. 山田重夫

    政府参考人山田重夫君) お答え申し上げます。  政府として様々な要素につきまして検討いたしました結果、前回と同様に共同提案国になることが一番望ましいと考え、共同提案国になることを決定をいたした次第でございます。
  32. 白眞勲

    白眞勲君 ですから、その理由は何なんですかということなんですけど、それを教えてください。いろいろな検討をした、その検討の理由は何なんですか。やっぱり提出国にするべきだと僕は思うんですね、提案ではなくてね。提出国にすることによって、やっぱり拉致問題とか何かについての解決への一つの道筋ができるんではないかなと私は考えているんですけれども、提案国になった理由をお答えください。
  33. 山田重夫

    政府参考人山田重夫君) お答え申し上げます。  繰り返しになって恐縮でございますけれども我が国といたしまして、北朝鮮の人権状況に関しまして有しております懸念、これをしっかりと決議の中に反映する、そういう観点から、共同提案国になり、しっかりと意見を述べていくことが一番適切であるというふうに、これは我が国外交政策の全体の状況の中で今回判断したものでございます。
  34. 白眞勲

    白眞勲君 いや、今の御答弁ですと、提出国にならないと論理的には合わないんですよ。  じゃ、外務大臣、どうですか、この辺。
  35. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 提出国と提案国の違いについては十分理解をしているつもりであります。  その上で、対北朝鮮に対しましては、日朝平壌宣言、これを基本にしながら、拉致、核、ミサイルと、諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指す、こういう基本方針の下で、問題があるわけであります、解決すべき問題があるわけであります。これを解決するために、様々なメッセージであったりとか行動していくことが必要だと、これはまさに外交戦略に関わる問題でありまして、そういった大きな外交戦略の中で、提出国になるか提案国になるか、総合的に勘案して判断をさせていただいております。
  36. 白眞勲

    白眞勲君 まあ最終的には総合的に検討して考えたという、余りよく理由としては私にはすとんと落ちない理由なんですけれども。  それはそうとしまして、今朝、驚きのニュースが私に飛び込んでまいりましたが、EUが、ちょっと話がまた中国に戻って申し訳ないんですけど、ウイグル族に対して深刻な人権侵害が続いているとして中国当局者らへの制裁を発動したとの報道がなされていますが、外務省としてまずその事実関係を把握されているでしょうか。
  37. 徳田修一

    政府参考人(徳田修一君) お答え申し上げます。  EUの制裁についてでございますけれども、昨日、二十二日でございます、EUは、外務理事会において、グローバル人権制裁レジームに基づく制裁として、中国等の六か国・地域の計十一名の個人及び四団体に対して制限的措置を科すことを決定しました。このうち中国につきましては、新疆ウイグル自治区における人権侵害に責任を負うとした四名の同自治区の高官及び一つの団体を制裁対象に指定したと承知しております。
  38. 白眞勲

    白眞勲君 ブリンケン国務長官、非常に精力的に動いていらっしゃるようで、二十三日ですから今日ですかね、ブリュッセルで開かれるNATOの外相会議にも出席する予定だということで、そこでも対中政策について日本と同様のスタンスで臨まれるのは容易に僕は想像ができると思うんですね。  さらに、先日行われた日米プラス2でも、今外務大臣からも御説明あったように、香港及び新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻な懸念を共有しているわけですから、そうすると、日米欧の連携という意味からも、今後、中国に対して日本側の何らかの措置を期待する声というのも高まるような感じがするんですけれども、その辺り、外務大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
  39. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) これは香港の問題もそうでありますが、昨年以来、立法措置、また先日の全人代の決定等も受けて、様々な協議を米国、そして欧州諸国とも行っております。  私も、今年の一月に、EUの外務理事会日本外務大臣では初めて、リモートでありますけど、参加をさせていただいたりしております。  そういった折にも、当然この新疆ウイグルの問題、これも出ているわけでありまして、考え方というのは共有していると、完全に共有していると思っております。  そういった中で、この状況をどう改善していくかと。それぞれ、言ってみると、アプローチが違うとまでは言わないんですが、どういう対応を取ってどういうメッセージを出すかということについては、日本が明確な立場を取っていると。このことについては、米国であっても、さらには欧州各国からも、私も何度も昨年来電話会談等々をカウンターパートでやっておりますが、日本の対応については高く評価をされ、また、G7で外相会談やりますときに、結構文言調整もあります。そういったところでも、日本中心的な役割を果たしながら、明確なメッセージ出せていると考えております。
  40. 白眞勲

    白眞勲君 日本中心的な役割を果たしているとなると、日本とかEUがこういう制裁を、あっ、日本じゃない、アメリカとEUが制裁をしていくということになると、今後、日本側としても制裁を含めた措置が必要になってくるのではないかという、その可能性についてはどういうふうにお考えになっていますでしょうか。
  41. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 人権侵害、これを認定して制裁を科すような制度、日本も導入すべきかどうかについては、これまで、日本の人権外交の進め方との関係であったりとか国際社会動向など様々な観点から不断の分析、検討が必要だと思っております。  個人的に申し上げますと、例えば、これまでアジアの国々とのいろんな関わりといいますか、対応に当たっても、私はやっぱり、アジア、ASEANについても、それぞれの歴史があり、生い立ちがあり、文化がある、そういったものを尊重しながら、そういった国々がより民主的になっていくためにはどういう後押しが必要なんだろうか、こういう外交日本として展開してきて、一九六〇年代以降、そういった日本のASEAN支援、ASEAN外交というのは大きく評価をされてきたと思っております。  一方的な、この価値観が正しいんだと、この価値観に従えということよりも、いかにみんなが共有できるような価値観をつくっていくか、そして、なかなかそれが整っていない国でも、そちらの方向に向けていくということは極めて重要だと思っております。  ただ、今の中国状況については深刻に懸念をしていますから、それに対する明確なメッセージ、これは極めて重要だと思っております。
  42. 白眞勲

    白眞勲君 ですから、EUとかアメリカとは我々のいわゆるアプローチは違うんだというスタンスでこれからも臨む、今、もちろん中国に対する今厳しい考え方をお持ちでいらっしゃるにしても、ちょっと違った考え方でいくんだということで、もう一度確認です、よろしゅうございますか。
  43. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) アプローチまでが違っているとは思っておりません。基本的な対応方針というのは全く一緒だと思っております。  そこの中で、様々、それぞれの国、取り得る策というのは違うわけでありまして、また、何が有効かということはそれぞれの国が考えながら、共有している目的に従って、そういった意味で働きかけをしていくということが重要だと思っております。
  44. 白眞勲

    白眞勲君 そのためには、外務大臣もよく相手、EUとかアメリカとやはりコミュニケーションを、今も取っていらっしゃいますけれども、これからも取っていく必要はあるのではないかなと思うんですが。  私は、そもそも論から、これ事務方でもよろしゅうございますが、制裁しろと言っても、日本法律にそういう条項というのかな、私はないような感じするんですね。  たしか、万景峰のときにもたしか日本はそういう特定船舶という法律を作ったわけですけれども、たしか法体系的にもなかなかEUの制裁というのはできないんじゃないかな、EUと同じ制裁というのはできないんじゃないかなと思うんですが、その辺りどうなんでしょうか。分かる範囲で結構です。
  45. 山田重夫

    政府参考人山田重夫君) お答え申し上げます。  今先生から御質問のございました人権のみを理由とした制裁ができるかという点でございますけれども、現行の、これ我が省所管の法律ではございませんけれども、現行の外国為替及び外国貿易法におきましては、資産凍結や輸出入の要件としては、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するために必要があると認めるとき、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めるとき、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときとされておりまして、人権問題のみを直接の理由として制裁を実施することを規定しているものはございません。
  46. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、私のこの浅はかな考え理解だと、なかなかやっぱり法律を出してからじゃないとできないですよねと。  茂木大臣考え方はどうでしょうか、ちょっと聞きたいなと思うんですが。
  47. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 当然、今、山田局長の方からも答弁あったように、そういったことをやっていくためには今の国内法でどこまでのことができるかということを考える必要があると思っておりますが、その上で、若干先ほどの答弁に戻るわけでありますけれど、私は、日本の基本的なこの人権外交在り方、この基本的なラインというのは守っていきたい。  そこの中で、しかし、だからといって、それは弱腰であるとかそういうこととは全く違う、言うべきことはしっかり相手の反応がどうであっても言っていくと、こういう姿勢は貫いていきたいと思います。
  48. 白眞勲

    白眞勲君 まずは外交努力をしていこうということだということだと思いますけれども、ちょっと今日は、今朝の新聞に、もう何か一面にあちこちでいろんなものが出ちゃったので、私も何かこのスケジュール感があっちこっち行っちゃって大変恐縮なんで、あっ、恐縮というか、自分が恐縮していてもしようがないんですけれども。  米軍機の低空飛行の問題についてお聞きしたいと思います。  沖縄県では米軍機の低空飛行が相次いで確認されておりまして、沖縄県議会は、低空飛行の中止や米軍日本の航空法を適用させるため、日米地位協定の抜本的な改定を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決いたしました。  また、東京の上空でも米軍機による低空飛行は頻繁に行われていることが明らかになっておりまして、お手元の資料ですね、これ見てください。何かこれが、報道が事実だったら、このスカイツリーの周りをぐるぐるぐるぐる回っているわけですね。これ、六回接近したと。これ、二機が一緒に接近しているようですけど。このような米軍機の低空飛行に対する国民の不安と懸念は一層高まらざるを得ないだろうなと思うんですが。  三月二日に、岸防衛大臣米軍機低空飛行について、事実関係についてはアメリカ側に確認中と答弁されました。三週間たっているんですけど、米軍からどのような説明がありましたでしょうか。
  49. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) まず、東京でのヘリの件ですね。これについて、米軍機の飛行については今事実関係確認をしております。本件については日米双方が真剣に受け止めて、ハイレベルなものも含めて様々なやり取りを行っているところでございます。  先般から、現時点においては米側から、ICAOのルール日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反する飛行があったとは確認をされていない、報道されている飛行から時間もたっていることであり、詳細な事実関係確認は容易ではない、飛行に当たっては安全確保が最優先事項であって、米軍機の飛行はICAOのルール日本の航空法と整合的な米軍の規則に沿って行われているというような反応があります。今般の報道を踏まえ、各部隊には米軍の規則に沿った飛行を徹底するよう改めて指示をしたという説明を受けておるところでございます。  米軍の飛行訓練については、パイロットの技術の維持向上のために必要不可欠と考えております。在日米軍日米の安保条約上の義務である我が国防衛を全うするという観点から重要なものでありますけれども我が国の公共の安全に妥当な考慮は払われて活動するということが前提条件であると考えます。  引き続き、安全面に最大限配慮をして、住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくとともに、航空機の航行の安全確保については最優先課題として日米で取り組んでまいりたいと考えています。
  50. 白眞勲

    白眞勲君 確認されていないって不思議でしようがないんですよね。当然、これは自動車でいえば運行記録ですよ。十年ぐらい前のやつだったら分かりますけど、八月でしょう。こういうものが普通は、飛行記録というのかな、報告書というのは普通は出ますよね。運転日報だってガソリンと距離数が出ているんですよ、大体ね。  これ、出ていないというのは、確認されていませんというのは、私は答弁としておかしいと思いますけれども、いかがでしょうか。本当に確認されていないんですか。
  51. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 米側からは、今申し上げましたように、そのICAOのルール日本の航空法と整合的な米軍の規則に違反する飛行があったとは確認されていないという連絡を受けておるところです。
  52. 白眞勲

    白眞勲君 今朝の毎日新聞一面トップに、アメリカ軍のヘリは、九九年合意ですよね、だからこの固定翼ジェット機についてのものであって、いわゆるヘリは固定翼機とは異なる飛行の特徴や要件などを持ち、この合意は適用されないと、これ文書で回答したと書いてあるんですね。  これについてはどうなんですか。そうアメリカ軍が、これ文書で回答したというのも私びっくりしちゃったんですけれども、この件どういうふうに思われますか。
  53. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) そもそも、米軍機は全く自由に飛行していいということではございません。地位協定第十六条に基づいて、航空法等の我が国の国内法を遵守する義務というものをまず負っているわけでございます。また、米軍の飛行については、米側と様々なやり取りを行っておるところです。米側から改めて、飛行に当たっての安全確保が最優先であり、従来から、米軍の飛行はICAOのルール日本の航空法と整合的である米軍の規則にのっとって行われているという説明があったところでございます。  その上で、米軍機の飛行については、米側から、各部隊には米軍の規則に沿った飛行、すなわち日本法律を遵守するということになるわけですけれども、飛行を徹底するよう改めて指示をしたという旨の説明も受けておるところでございます。
  54. 白眞勲

    白眞勲君 いや、私の聞いていることは、この今の毎日新聞の記事の関係について、こういったことってあるのかなということなんですよ。これについてちょっとお答えいただきたいと思うんですけれども米軍からこういう回答を得ていますじゃないんですよ。  何というんですかね、その遵守するのは当たり前だみたいなことではなくて、ヘリコプターはこの九九年合意には当てはまらないという、これ、びっくりするような内容なので、そうなんですかということですよ。
  55. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 米側との飛行に関する様々なやり取りについては、岸大臣から今お答えした四点、こういう説明米側から受けているわけでありますが、その上で、合同委員会合意、これにおきましては、飛行機について日本の航空法第二条のような定義、置かれているわけではありません。  そして、飛び方でありますが、ICAOのルール日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われており、この米軍の飛行に例外があるとは承知をいたしておりません。
  56. 白眞勲

    白眞勲君 つまり、米軍の飛行機に例外はないということで、もう一度、つまり、このいわゆる毎日新聞の記事というのはあり得ない話だということですよね。
  57. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 記事について、私、この内容を、どういう取材をしているのかと私が全て知っているわけではありませんので、記事が正しいかどうかについてはコメントをすることは控えたいと思いますが、いずれにしても、先ほど申し上げたように、合同委員会合意で飛行機とはと、一体どういうものなのかと、こういう日本の航空法第二条のような定義は置かれていないわけであります。  じゃ、米軍の飛び方はどうしているかということになりますと、ICAOのルール日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われておりまして、この米軍の飛行というものについて例外があるとは承知をいたしていないということです。
  58. 白眞勲

    白眞勲君 いや、そのとおりなんですよ。  で、茂木大臣が衆議院の外務委員会で同じような御答弁をされているんですけれども、非常に分かりやすく、読みますと、飛行の在り方ということについて、安全な飛行でなければならない、そのとおりですね。じゃ、どこの物体、例えばUFOが入るのかとかドローンが入るのかということよりも、米軍が飛行しているんだと言っているわけでして、要はそうなんですよね。  それで、いや、だからUFOだろうが何だろうが、まあUFOに米軍のあれが貼っていたらこれはUFOじゃなくなるんじゃないかなと思うんだけれども、今回、未確認の場合以外、ともかくこれは日本法律に従ってもらわなきゃ困るよねと。と同時に、この在日米軍による、何ですかね、日米合同委員会の平成十一年、一九九九年かな、の委員会のこの二項には、在日米軍はICAOや日本の航空法によりというふうに書いてあるわけだから、在日米軍はというふうに書いてある以上は、その在日米軍の固定翼機はというふうに書いてあるなら別だけれども在日米軍はというふうに書いてある以上は、これは在日米軍の何であろうと、これは変な話、五十年後にスーパーマンみたいな人がいて飛んだとしても、これ在日米軍であるならばこれは航空法によりやりなさいよということですから、そこにはヘリコプターとか何かというような、そういうものでは、機種には関係ないよねということでよろしいですね。もう一度確認です、これは。
  59. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 整理してお答えすると、いわゆる航空機の機種であったりとか、先生がおっしゃった、じゃ、スーパーマンのような人が出てきて、これが、何というか、米軍の飛行に当たるかどうかということは書いていない、定義がされていないということであります。  じゃ、米国の飛行がどう行われているということについては、ICAOであったりとか日本の航空法と整合的な形で行われている米軍の規則、それに従って行われておりまして、そこにおいて何らかの例外が設けられているということではないということです。
  60. 白眞勲

    白眞勲君 であるならば、これ大臣、今非常に強力に申入れはしているということ、ハイレベルということもありますけれども、実際問題、これ米軍じゃなければ別ですよ、米軍かどうかの確認ということでは、機種とかなんとかっていろいろ前の答弁私も見ましたら、確認、いろんな住民からのそういうものを聞いてそれを伝えているわけですし、まあ米軍であろうということであるならば、こういうこの飛び方というのは非常に私は危険であると思います。  もちろん訓練があって、訓練なんだからというのであるならば、そういう訓練をしているんですと言うことも国民の理解を得るためには重要だし、万が一事故や落下物があったら、東京でもこれ有数の人口密集地の地域を飛んでいる、大変な被害が出る可能性がありますし、そうなったら、またこれ日米同盟自体にも大きなやはり課題になってしまう可能性がある。  やっぱり今までの答弁聞いていると、そのような危機感が政府にちょっとないんじゃないかな。やっぱりここがきちっと、何でこういう飛び方するのとか何かも含めて国民に対して説明する我々責任あるんですよと。米軍との今後思いやり予算とか何かもあるわけで、国民の理解をきちっと得ながらやっていかなきゃいけない。そういう面で、きちっとこれは事実関係も明らかにしてやるべきだと思いますが、茂木大臣、どうでしょうか。
  61. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 二〇〇三年だったと思いますが、沖縄において沖縄国際大学に米軍のヘリが落ちたと、深刻な事故が発生いたしました。そのとき私は沖縄担当大臣でありまして、本当にこういうことは二度と起こってはいけないと、こういう思いを強くしたところであります。  先ほど来、日米同盟日米安全保障と、こういう議論をさせていただいておりますが、この維持強化のためには、在日米軍の駐留、極めて重要な要素を占めております。そして、それが安定的な駐留を行うためにはどうしても地元の皆さんの御理解というものが極めて重要だと考えておりまして、米国に対しては、安全面に最大限配慮して、地域に与える影響を最小限にとどめるように強く求めております。  実は、米軍関係者、こちらのシュナイダー司令官にしてもそうですし、また米国本土の方から誰か来たときはできる限り私も時間を取って会うようにしています。直接会ってお話をさせていただいて、強く働きかける、何度も何度もこの問題重要なんだということを提起をする、日本側の問題認識、これを提起するということは必要だと思っております。  先ほど、私、国際大学の件について、もしかすると、後ろからメモが入って、二〇〇四年と書いてあるんですけど、私、二〇〇四年と違う表現をしたんでしたら、あの事故は二〇〇四年です。
  62. 白眞勲

    白眞勲君 海上保安庁にお聞きいたしますけれども、最近の尖閣諸島周辺地域をめぐる中国の動きについて御説明願いたいと思います。
  63. 瀬口良夫

    政府参考人(瀬口良夫君) お答えします。  尖閣諸島周辺の接続水域においては、ほぼ毎日、中国海警局に所属する船舶による活動が確認されており、昨年は、年間確認日数が三百三十三日、連続確認日数も百十一日と、いずれも過去最多を更新いたしました。また、日本漁船への接近事案が繰り返し発生し、これに伴い領海侵入時間も五十七時間三十九分となり、過去最長を更新するなど、尖閣諸島周辺海域の情勢は日々厳しさを増しております。  このような厳しい情勢におきましても、海上保安庁では、今後とも、我が国領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、関係機関と密接に連携し、事態をエスカレートさせないよう、冷静に、かつ毅然として対応を続けてまいります。
  64. 白眞勲

    白眞勲君 日に日に深刻さを増しているということで、私の残り時間四分なので、ちょっと四分ではこの深刻な問題話せないんで、また次の機会にこれちょっと日中関係を含めて話を聞きたいと思うんですが。  日ロ関係についてちょっとお聞きしたいと思うんです。  いろいろ、ロシア政府は、択捉島で大規模なリゾート開発を行う計画が明らかになり、また、既にこの択捉では地対空ミサイル配備、択捉、国後両島で軍事演習を行っていると。また、御存じのように、ロシア憲法改正されて、メドベージェフ前首相は日本との領土引渡交渉はできなくなったと語り、ロシア外務省報道官はいかなる形であれ議論さえできないとまで言っている。これ、全く受け入れられない内容なんですけど。  ちょっと、私、外務省にお聞きしたいんですけど、このロシアの改正憲法のこの領土に関する記述について、特に北方領土のところですね、これ、統一したロシアの見解、ロシアは一体、何かいろいろな人がいろいろなこと言うんだけど、これ、ロシア側の見解というのは外務省として正式に聞いているんですか。これ、ちょっと聞きたいんですけど。
  65. 徳田修一

    政府参考人(徳田修一君) ロシアとの間では、今委員から御質問のございました憲法改正の点も含めまして、日本側の問題意識を伝えつつ、様々なやり取りを行ってきているところでございますけれども、具体的なその中身につきましては、交渉の中身に関わるため、お答えは差し控えたいと思います。
  66. 白眞勲

    白眞勲君 いや、これは、もちろん日本側の言い分というのかな、日本側が言いたいことというのはいつも伝えているんだろうけど、一番重要なのは、ロシアの憲法、その心はということですよ。そこを私たちは知りたいんですよ。  外務省として、正式なルートできちっと向こうからの、ロシア憲法のこの北方領土の部分については、ロシアとしては、ロシア政府としてはこういう見解を持っていますということを、ちゃんときちっとやっぱり聞いてくれないと、これから菅総理もロシアといろいろ関係結ぶとき、これ一番重要なポイントですよ。これ、外交的なやり取りでございますじゃ議論にならぬのですよ。  ちょっともう一回、ちょっと御答弁、やっていないならやっていないって言っていいですよ、やってもらえばいいんだから。どうなんですか、これ、今。
  67. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ロシア憲法の改正につきましては、もう昨年来、私もモスクワに行きまして、十二月でしたけど、八時間にわたってラブロフ外相とも会談を行いまして、それも含めて様々なやり取りはやっております。  先方の考え方と、そしてこちらの考え方、それぞれの考え方があるというのは十分理解しております。その上で、この憲法改正後に、九月、日ロの首脳電話会談を行いまして、プーチン大統領、ロシアのトップでありますが、もちろん、平和条約交渉締結問題も含め、二国間のあらゆる問題に関する対話を継続していこう、これを表明しているわけでありまして、それは非常に重く受け止めたいなと思っているところであります。  やはりこの平和条約締結問題、これは七十年以上解決しない、してこなかった問題でありますから、正直に言ってそんなに簡単な問題じゃありません。ですから、私も、一昨年の九月、これはニューヨークでしたが、その後、名古屋、そしてモスクワ、さらにはミュンヘンと会談も重ねてきました。なかなか、昨年来、コロナで対面での会談ができない。こういう微妙な問題というのはなかなか電話で、何というか、どうしているという話に行かないもので、できるだけ対面でもう少し話を詰めたいと。ある程度立場の一致するところ、またお互いに立場の違っているところと、これも明らかになってきておりますので、そういったものも踏まえながら、今後も交渉、しっかり責任者として進めていきたいと思っております。  なお、先ほど国際大学の件については、冒頭私、二〇〇四年と言ったようでありまして、あっ、三年と言ったようでありまして、実際には二〇〇四年の八月の十三日だと思います。
  68. 白眞勲

    白眞勲君 終わります。
  69. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  今日は、先般行われました両大臣の所信に関して質問させていただきたいと思いますが、それに先立って、二〇一三年にまとめられた国家安全保障戦略というものがあります。我が国にとりまして、この国家安全保障戦略、こういう体系的なものは私の理解する限りそれまでは存在しなかったので、非常に高く評価したい戦略であります。  その二〇一三年の国家安全保障戦略の中において、グローバルな安全保障環境課題というタイトルの下に四つ大事なことが掲げられております。パワーバランスの変化及び技術革新の急速な進展というのがこれ一点目に書かれてありますので、これはまた後ほど質問させていただきますけれども、二番目に大量破壊兵器の拡散、そして三番目に国際テロ、そして四番目に国際公共財、グローバルコモンズに関するリスクということで、これは昨日質問させていただいております。  この四点、国家安全保障戦略において重要課題が掲げられておって、私はそのとおりだと思うんですけれども、この四つ、今申し上げました四つの中で、二番目の大量破壊兵器の拡散とそれから三番目の国際テロ、これらの脅威に対して日本政府が何らか、何ら具体的な措置がなされたかと考えてみますと、これほとんどなされていないように思います。  この点に関しまして、防衛大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
  70. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今委員御指摘の大量破壊兵器等の拡散の脅威につきましては、現行の防衛大綱におきましては、核兵器の脅威に対して、核抑止力を含む米国の拡大抑止や、総合ミサイル防空などを含む我が国自身による対処のための取組などに言及しつつ、大量破壊兵器やその運搬手段となり得るミサイルの拡散等については、関係国や国際機関等と協力しつつ、それらの不拡散のための取組を推進する旨を記述したものでございます。  その上で、一例として、防衛省・自衛隊としては、拡散に対する安全保障構想の下で各種の専門家会合に防衛省職員を派遣するとともに、この拡散に対する安全保障構想、PSIの訓練に自衛隊の艦艇や航空機を参加させる等、不拡散体制強化に向けた取組を実施をしています。防衛大綱の下で、大量破壊兵器等の拡散防止のため、引き続き積極的に取り組んでまいります。  また、国際テロについては、現行の防衛大綱においてはこれを国際社会にとっての重大な課題であるということで位置付けをしております。防衛省として、引き続き、政策判断や部隊運用に資する情報の収集、分析、共有などの各段階における情報共有、情報機能を総合的に強化し、国際テロやゲリラ等も含めた情報収集に万全を期していくほか、テロの拡大を抑止するために国際社会協力して取り組んでいく考えであります。
  71. 浅田均

    ○浅田均君 今国際テロに関してお答えをいただきまして、これは情報収集がかなり重要な役割を占めるわけであって、そこに力を入れていくと、収集して分析されていくと。ただ、そういう、事が事だけになかなか、どういう情報を把握しているということは私どもが聞いても多分答えていただくことはないと思いますんで、そういう、表には出てこないけれども、確かに国際テロ対策として日本は取り組んでいるんだということを広く内外に周知、アピールするということがある種の抑止力になると思いますんで、こういうことに取り組んでいるよということをもっと発信していただきたいと思います。    〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕  それでは、先般行われました両大臣の所信に関する質問、この先般の発表されました原稿に基づきまして質問をさせていただきたいと思います。  まず、防衛大臣に伺ってまいりたいと思います。  一番最初のページに、国際社会のパワーバランスが大きく変化しつつある中というふうに書かれてあります。これは、先ほど申し上げました国家安全保障戦略の中でもパワーバランスの変化ということが書かれてありまして、その枠組みの中で、今回の所信、書かれたものであるというふうに理解しております。  この国際社会のパワーバランスが大きく変化しているという表現に至った背景に、防衛大臣としてどういう御認識がおありなのか、質問をさせていただきます。
  72. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 我が国を取り巻く安全保障環境、非常に今厳しさと不確実性が増しているわけですけれども、その中で、国際社会のパワーバランスの変化について、例えば一例を挙げますと、中国であります。中国が透明性を欠けたまま、欠いたまま持続的に高い水準で国防費を増加させています。中国の公表の国防費は、昨年、過去十年間で二・三倍、過去三十年で約四十二倍に増加をしているような状況です。  また、このような国防費の高い伸びを背景に、核・ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に、軍事力の質、量、広範かつ急速に強化しています。例えば、公刊情報に基づけば、二〇二〇年には、最新鋭と言われる第四世代、第五世代の戦闘機を千八十機、近代的な潜水艦、駆逐艦、フリゲート、それぞれ五十二隻、六十七隻を保有していると承知をしております。    〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕  防衛省としては、こうした安全保障環境の変化に真正面から向かい合い、その変化に的確に対応するための万全の備えを行う、そして国民の命と平和な暮らしを守り抜くという政府の最も重要な責務を全うしていかなければいけないという考えでございます。
  73. 浅田均

    ○浅田均君 今、専らに中国の国防費、防衛費がこれだけ増えたということに言及されましたけれども国際社会のパワーバランスを大きく変化させている要因というものは、その独り中国防衛費の拡大、そこにあると、ほかには考えられないというふうにお考えでしょうか。
  74. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今、中国について挙げましたが、これは一例として申し上げましたけれども、この間、二〇一三年から以降考えましても、世界の情勢は様々変化をしております。アメリカ政権交代等もございましたし、その中で相対的なパワーバランスも変わってきているというような状況があるというふうに思います。  我が国としては、すぐそばに中国というものを控えておりますから喫緊の課題であることは間違いないと思いますけれども、それ以外にも、情勢を見ながらしっかり注視をしていかなければいけない課題が数多く存在していると考えております。
  75. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  では、私も尖閣に関する中国海警局船舶のことについてお尋ねしたいと思います。  先ほど、白委員質問に対しましてちょっと中途半端になって、深刻な問題についてはまた白委員がお尋ねになるということですので、私は、余り深刻ではないこともないんですけれども、同じように深刻な問題だとは思うんですけれども、多分、同じ問題意識を持っておられるかどうか分かりませんので、私の問題意識として質問させていただきますけれども。  中国海警局船舶の領海侵入は国際法違反というふうにこれ明確にお書きになられていますけれども、この国際法違反、どういう法律に違反するのか。違反であるというふうに述べられておる根拠を教えていただきたいんですが。
  76. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、その国際法違反の前に、パワーバランスの変化でありますけど、恐らく、通常そのパワーバランスと今まで言われてきたものは軍事面での何というかバランスの問題が中心でありましたが、それが経済、さらには技術覇権につながり、そしてサイバー空間であったりとか宇宙と、こういう様々な領域にまで広がっている中でパワーバランスの大きな変化が見られると、こういう文脈でも捉えることができるんではないかなと思っております。  それで、御質問の尖閣の関連でありますが、まず、委員も御案内のとおり、尖閣諸島、歴史的にも国際法上も疑いのない我が国の固有の領土でありまして、現に我が国はこれを有効に支配しております。そして、尖閣諸島周辺の我が国領海には当然に我が国の主権が及んでいるわけであります。  これに対して、尖閣諸島周辺の我が国領海内で中国海警船舶が尖閣諸島に関する独自の主張や我が国の主張と相入れない活動をすることは、国際法上認められた無害通航、これには当たらないと、このように考えております。このため、政府としてはこうした活動を国際法違反であると考えております。
  77. 浅田均

    ○浅田均君 明確な御答弁ありがとうございます。  その無害通航に当たらないと、領海侵入ですね。これ、かなり頻度は高く、数も多いというふうに報道されておりますし、私も承知しておりますけれども、例えば領海侵入があったとき、無害通航に当たらない領海侵入があって国際法違反であると認められるような場合は、具体的にどういうふうな対応をされているんでしょうか。
  78. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 防衛省・自衛隊においては、海上自衛隊の哨戒機による、尖閣諸島周辺海域を含む我が国の周辺海域を航行する船舶等の状況を毎日監視をしております。必要に応じて護衛艦等を柔軟に運用して警戒監視、情報収集活動を実施をしているところでございますが、これによって得られた情報については海上保安庁にも適宜提供するなど、平素から緊密に連携を取っているところでございます。  武力攻撃に至らないこの侵害については、領海の治安の維持については海上保安庁が第一義的に対応の責任を有しています。  その上で、海上保安庁では対処できない場合には、自衛隊が海上警備行動等の発令を受けて海上保安庁と連携をしつつ対処をすることとなります。また、侵害行為我が国に対する外部からの武力攻撃に該当すると判断され、我が国防衛する必要があると認められる場合には、防衛出動の発令を受けて対処することとなります。  防衛省・自衛隊としては、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くというために、海上保安庁等の関係機関と連携をして対応してまいりたいと思います。
  79. 浅田均

    ○浅田均君 非常に遠く離れたところにはおりますので、報道でしか領海へ侵入してきている、中国の海警局の船が侵入しているというふうなことは分からないわけですよね。  そこで、本当に入ってきたら、最初保安庁ですかね、保安庁が領海の中だから出ていきなさいよということを、例えば何かマイクで、こら、おまえ出ていかぬかとか言うんか、あるいは何か水まくとか、鉄砲を撃つとかですね、で、もう出ていって出ていってと。具体的にどういうことをされているのかを知りたいんです。
  80. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 浅田委員、海上保安庁は通告がなかったので来られていないんですが。防衛省でよろしいですか、答えられる範囲で。  加野総括官。
  81. 加野幸司

    政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。  具体的な対応につきましては海上保安庁の方でやっているわけでございますけれども、私ども防衛省・自衛隊といたしましては、様々な状況に応じて、海上保安庁さんも様々な対応をするわけでございますが、先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、海上保安庁と自衛隊、現場レベルでも緊密に連絡を取り合って、必要に応じて私どもきちんとした情報共有、あるいは更なる措置をやっていくという体制を整えているということでございます。
  82. 浅田均

    ○浅田均君 我が党は、自衛隊に領域警備任務というのがないので、領域警備法というのが必要ではないかということで何年か前にこういう法案を提出させていただいております。  そのときに、防衛省あるいは海上保安庁とお話をさせていただく限りにおいて、今御答弁されたようなことで、保安庁は警職法七条に当たる行為しかできないけれども、それ以上の段階になると自衛隊と連絡して、緊密に連絡して、シームレスな体制を組んでおりますから大丈夫ですというふうな答弁が返ってくるんですね。  でも、まだここに及んで、あたかも中国の船が、海警局の船が自分たちの領海を守っているのは自分たちであるというふうな主張をしているやに聞いておりますけれども、あたかも中国が、尖閣は中国の領土であると、領海を侵しているのは日本の方ではないかというふうな行動に出ているように私どもには見えるんですね。  だから、今のままでいいのかという問題意識を強く持っておりまして、自衛隊にそういう領域警備任務というか、そういうものを加えるべきではないかというふうに思っているんですけれども、この点に関して防衛大臣の御見解はいかがでしょうか。
  83. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今委員がおっしゃったような中国側見解ですね、これは我が国として全く受け入れられるものではありません。尖閣は当然ながら日本の固有の領土であります。  その上での、海警船等々ですね、領海等に侵入してくる場合には、先ほど申しましたけれども、海上保安庁が一義的に対処をするということになります。  その上で、海警船等々、様々な動きをするケースもあります。その中で、海上保安庁が対処できないような事態の場合は、海上警備行動等によって自衛隊が出ていくと、こういうことになるわけですけれども、その発令についても前回、法整備をしまして、時間的なロスのないような形で発令ができるような形に改正をされているんです。  そういうことで、対処においてはシームレスな、隙のない形で対応できるような形になっております。ですから、今の現行の法律体系の中で自衛隊もしっかり守っていく体制が取れているとまず考えているところでございます。
  84. 浅田均

    ○浅田均君 また、当時、武装漁民とかいうことが想定されてこういう話がされたわけでありますけれども、今なおそういう現状の体制防衛が可能であるというふうに、お考えになっているというふうに理解させていただきます。  それで、今、中国の海警局の船に関してどういう対応をしているのかということを聞かせていただきましたけれども、この所信の中に、中国海警法については国際法との整合性との観点から問題がある規定を含んでおるというふうに書かれてあるんですけれども、この中国の海警法のどういう規定が国際法との整合性から問題があるとお考えなのか、お尋ねいたします。
  85. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 済みません。先ほど、ちょっと訂正をしたいんですけれども、海警法の、あっ、失礼、海上警備行動の発令について、これは平成二十七年、先ほど法整備と申しましたけれども、閣議決定で行っております。平成二十七年に海警行動あるいは治安出動等の発令手続の迅速化を行うための閣議決定を行ったと、こういうことでございます。  それから、海警法については、管轄、これ中国側の言い分ですが、管轄領海域というものが非常に曖昧であるということ、それから武器の使用権限ですね、こうした点において国際法に整合していない部分があるということを申し上げているところでございます。
  86. 浅田均

    ○浅田均君 管轄領域というものを勝手に決めているということと、その中で武器の使用権限を認めている、ここが国際法に違反するというふうに考えておられるという理解でいいんですね、はい。  それでは、そういう今御答弁いただいたようなことを防衛当局として中国側にどのように実際に伝えておられるのか、この点をお尋ねいたします。
  87. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 中国の海警法については今申し上げたような点で国際法との整合性の観点から問題がある、こういうふうに申しております。同法によって、我が国含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはなりません。東シナ海や南シナ海などの海域において緊張を高めるようになることは全く受け入れることができません。  防衛省・自衛隊として、例えば本年の二月の日中高級事務レベル海洋協議において、尖閣諸島周辺を含む我が国周辺海域、空域における中国軍の活動の活発化に加えて、海警法の制定などについての我が国の強い懸念を中国側に直接伝達をしております。今後も機会を捉えて我が国の懸念を中国側にしっかり伝えていきたいと考えます。
  88. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  時間がなくなってきたので、次に、あといろいろお尋ねしたいことはあるんですけれども防衛大臣に対しましてはまた次回、機会があるときに続きを聞かせていただきたいと思います。  次、外務大臣所信に関する質問をさせていただきたいと思います。  所信の二番目のところにミャンマーのことを取り上げておられます。ミャンマー問題、これ、クーデターが発生しておりますが、現在の合法的な政府というか、レジティマシーと言ったらいいんかな、合法的な政府は、日本政府としてはミャンマー国軍であるというふうな理解をされているんですか。あるいは、まだアウン・サン国家顧問が代表を務めておられる政府側に、旧政府側にあるというふうにお考えでしょうか。どちらでしょうか。
  89. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ミャンマーについては、民主的な政治体制の早期回復を求めると、これが我が国の立場でありまして、ミャンマー国軍が主導する体制への対応については現在慎重に検討を行っておりますが、じゃ、誰に働きかけをしなきゃならないのかと。事態の鎮静化であったりとか暴力の停止、さらには拘束者の解放、そういうことになりますと、当然国軍に対して申入れをしなければいけないと思っております。
  90. 浅田均

    ○浅田均君 後で在留邦人の安全確保についてお尋ねしたいと思うんですけど、今その交渉をしている相手というのは国軍という理解でいいんでしょうか。
  91. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 交渉しているという表現が正しいかどうかは分かりませんが、国軍に対して働きかけを行っております。
  92. 浅田均

    ○浅田均君 じゃ、今は、レジティマシーというんかな、合法、レジティメートガバメントというんですか、私たちが正統と認める政府ですよね、それはどういうふうに理解されているんですか。
  93. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 我々が求めている民主的な体制、これが今失われている状況だと思っております。  ただ、ミャンマーの情勢、これを改善していくためには、まず、事態の鎮静化であったりとか、平和的なデモに対する暴力行為、こういったものは止めなきゃなりません。恐らく、それができるのは国軍だと思っております。また、拘束、クーデターによって、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含め、何というか、関係者を拘束しているのも国軍でありますので、この解放も国軍に対して求めるという形になります。  その上で、ミャンマー国内でどういった形でNLDと国軍の間の対話を模索していくかと、こういったことにつきましては、ASEAN含め、また米国含め関係国ともよく連携をしながら対応していきたいと思っています。
  94. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  それでは、先ほどちょっと言及しましたけれども、ミャンマーにタイからベトナムから企業が移動していって、今ミャンマーなんかすごく在留邦人が多いと聞いておりますけれども、この在留邦人の安全確保についてはどういうような手だてを講じておられるのか、お尋ねいたします。
  95. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、二月一日、あのクーデターが発生して以降、在留邦人が大きな事故等に巻き込まれたとの情報には接しておりません。これまで、在ミャンマー日本大使館によりまして、随時、領事メール等にてデモ等に関する情報を発出して、在留邦人に対して注意喚起と不要不急の外出を控えるように呼びかけております。  また、今月、三月九日には、速報的に注意を喚起をいたしますスポット情報、これを発出いたしまして、商用便による帰国の是非を検討するように呼びかけたところであります。このメッセージでありますけれど、帰国の是非を検討していただきたいということは、かなり、何というか、強制力はない中でも政府としての事態認識というのは現地にいらっしゃる皆さんにも十分伝わっていると思っているところであります。  政府としては、平素から在外邦人の保護について様々な状況を想定し、必要な準備、検討を行っておりまして、邦人保護の強化、図っているところであります。  昨年のコロナ以来、世界各国で出国規制等々の状況が起こりまして、外務省として、領事局を中心にしながら、省を挙げてそういった在外にいらっしゃる皆さんの出国、帰国支援というのを行ってまいりまして、合計で百一か国、一万二千人を超える方々の邦人の帰国、出国が実現をしてきたところであります。  ミャンマーの事態、それが完全にこれに当てはまるかといいますと、その事態そのものではないにしても、いかにやっぱり邦人の安全確保というのが外務省にとって重要な仕事であるかと、こういうことにつきましては、外務省は完全に私は考え方というのは浸透していると思っておりまして、このミャンマーの邦人の安全確保、これにも万全を期していきたいと思っております。
  96. 浅田均

    ○浅田均君 ミャンマーの邦人保護について質問させていただいて、ちょうど時間となりましたのでこれで終わらせていただきますけれども、全力で邦人保護に努めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  97. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。  今、浅田委員からも尖閣諸島に関連して質問がございました。また、このパワーバランスが変わってきているという防衛大臣の御発言に関しても御質問がありました。中国の最近の言動というものに対して一理あると言っている日本の政党のトップは、私が聞く限りではいらっしゃらないような気もします。そういう意味では、中国が台頭してきた、そしてアメリカ政権が替わった、日本においても中国の言動に一理あると言っている公党の党首はいないという中において、この局面でどういう対中姿勢を示すかというのは、本当に重要な局面だと思いますので、昨日もそれに類する質問をさせていただきました。  実は今日、午前中にODA特があって、茂木大臣には本当はこの委員会質問させていただく予定だった内容も少しやり取りさせていただきました。中国へのODAは、過去に円借款が三兆三千百六十五億円、無償資金協力技術協力も入れて約三兆六千億円が供与されていると。安倍首相の時代の二〇一八年十月に中国のODAはもう卒業ということで先方と合意をしたということで、今残された案件はこの国会が始まった段階で五案件。この三月に終わるものもありますので、来年には全部終わるんですけれども。しかし、その五案件の中の二つが、感染症対策に日本協力している、そして民主主義的な社会をつくるための民生的な法整備のプロジェクトに協力している。もう一つは環境対策、最後に来年まで残るのがアスベストに関係するものですが、何かその内容を聞くとブラックジョークに聞こえるような案件も入っているわけでございますけれども。  茂木大臣には、もう先ほどの午前中の委員会で、一度、中国のODA完全に終わるわけですから、所期の目的、日本期待したことと、そして現状も踏まえて外務省としてレポートをまとめていただきたいということを申し上げました。是非、御検討いただきたいと思います。この件についてはもう要望だけ申し上げておきます。  こういう状況なので、日米関係についても、もう二十年前、三十年前とは当然のこととして、十年前と比べても国民感情というのは大分変わってきていると思います。だからこそ、日米同盟日米地位協定、そしてそれに基づく様々な事案について、正直に国民の皆さんにお話しするべきことをお話しすれば理解もされるし、また、理解していただくような努力をしないと、こういう重要な局面で、駐留米軍に対する国民感情、国民の信頼というものがいい方向に向かないようでは困るというふうに思っています。  そういう観点で、短い時間ですが質問させていただきますが、先ほど白委員のときの質問で、防衛大臣が御答弁で、日米地位協定第十六条を引用されて、十六条があるから航空法は守っているという御答弁されたんですが、で、先ほど控室の方から十六条をもらいました。そうすると、「日本国において、日本国の法令を尊重し、」と最初に書いてあるので、これをもってという趣旨だということは理解しました。  ところが、一昨年の一月のたしか十日だったと思いますが、外務省のホームページには、駐留外国軍にはその国の国内法は適用されないのは国際法の常識であるという説明がずっと載っていたんですよ。それを、二〇一八年に沖縄県が独自の調査を特にドイツとイタリアに対して行って、沖縄県がレポートを発表しました、県として。その中には、ドイツやイタリアでは駐留米軍にも国内法が適用されているということをきちっと調査をしてレポートされたので、それを、じゃ、二〇一九年、年が明けて二〇一九年の通常国会議論をしようかということで準備をしていたところ、二〇一九年の一月の十日くらいにそういう記述がなくなったんです。  それはそれでいいことなので、ちょっと話の流れからして、通告をしていない内容で恐縮ですが、外務大臣確認をさせていただきますが、駐留外国軍に対しても国内法が適用される、特に日本の場合は駐留米軍に対しても国内法が適用されるというのは当然であるという理解でよろしいですね。
  98. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、御指摘のQアンドAの基となります外国軍隊に対する受入れ国の法令の適用及び免除に関する原則でありますが、第一に、一般に、国家はその領域内で主権を有しており、その領域内にある者には、外国人を含め、属地的にその国の法令が適用されます。  第二に、一般に、受入れ国の同意を得て当該受入れ国内にある外国軍隊及びその構成員等は、受入れ国の法令を遵守する義務を負いますが、その滞在目的の範囲内で行う公務については受入れ国の法令の執行や裁判権等から免除されると考えられています。こうした基本的な考え方は国際的に広く共有をされていると理解をいたしております。  第三に、派遣国と受入れ国との間で外国軍隊の活動がその滞在目的に沿った形で問題なく行われるよう、個々の事情を踏まえ、受入れ国の法令の適用について具体的に調整を行うため、地位協定を含みます個別の取決めが結ばれているのが一般的であると考えております。  いずれにしても、認識が、例えばドイツ、イタリアまで含めて、これがこうだということについて、間違ったことがあったら訂正をしていくということは私はあるべきだと考えておりまして、そこの中で、やはり日本の国内法、これが極めて重要なんだと、それが適用される、若しくはそれと整合的な形で米軍の運用というものが行われるということが重要だと考えております。
  99. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 日米同盟が非常にこの局面重要で、駐留米軍に対する国民の信頼感、親しみと言ってもいいかもしれませんが、そういうものが大事だという観点からこれ質問申し上げているわけですね。  したがって、今の外務大臣答弁、あしたの本会議が立てば、本会議質問の中にも入れてあるんですけれども、今から質問することをお伺いしても多分同じ答弁をお読みになるので、質問だけ申し上げておきますが、つまり、じゃ、この日米地位協定十六条には日本国の法令を尊重しと書いてあるけれども日本国の法令の内容と日米合同委員会日米が合意した内容にそごが生じたときにどうしますかというふうにもし聞いたら多分同じ答弁をされるので、今日はこの問題はここまでにしておきます。  ただ、そういうことを調整していかなければいけないわけですが、それに絡む案件として、一つ、先ほどの白委員が取り上げたあの低空飛行の問題とも関係があるんですが、羽田空港の羽田新ルートの問題なんですよ。  これは通告してありますが、昨年三月末から運用開始になった羽田新ルートの着陸進入角度が、国際航空組織のルールでは三・〇度なんですが、これが突然三・四五度という急角度での着陸進入になって、現に去年の三月二十九日からそれが行われているわけですね。私は三月二十四日に安倍総理には委員会でそれをお伝えして、やめた方がいいと思いますよと申し上げましたが、余りその時点では詳しくは御存じなかったようでありますが。  そのようになった理由が、駐留米軍のヘリの飛行空域、とりわけ横田基地等から六本木ヘリポートに行くあのパトリオットエクスプレスのこの航空域との高度差を維持するための異例の調整の結果であるという認識でよろしいでしょうか。防衛大臣にお伺いします。
  100. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 羽田の新経路の降下角については、我々は騒音対策として実施されてきているものということで承知をしているところでございます。詳細については所管の国交省にお尋ねをいただきたいと、こういうふうに考えています。
  101. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、先ほど、日米同盟重要性については国民の皆さんの理解も進んでいるので、こういう局面だからこそ伝えるべきことは伝えていくべきだということを申し上げました。  昭和の時代は特によらしむべし知らしむべからずという感じで、国民の皆さんには決定事項には従ってもらうけれども、詳しい事情は言わなくていいんだみたいな雰囲気があったような気がします、私にも。  でも、やっぱりもう相当いろんなことが変わってきていますので、例えばこの件に関して言うと、これは報道されていますけれども日本の航空会社の社内の資料にこういう表現があるんですよ。ちょっと航空用語が入っていますので後で解説しますけれども。FAFであるT6R76に三千八百フィート・アット・オア・アバーブという制限が付されている、FAFからスレッシュホールドへ直線で結ぶと約三・四五度の降下角となることから、FAF以降の降下角が三・四五度のRNAV進入となっていると、これはもう現にこういう文書があるんです。  これを今、航空業界の用語で申し上げたところを日本語に直して言うと、最終降下開始地点である中野上空に三千八百フィート以上という制限が付されていると。最終降下開始地点から滑走路末端へ直線で結ぶと約三・四五度の降下角となることから、最終降下開始地点以降の降下角度が三・四五度の広域航法進入となっていると。つまり、中野上空である一定の高さを維持して大井町ぐらいまで来るということなんですね。  実は、その三度と三・四五って大した差じゃないと我々は思うかもしれませんが、パイロットの皆さんとか国際航空会社の団体はこれ反対をしていたんですよ、導入前に。私もこれに気が付いたのは去年の一月、それからおととしの十二月ぐらいですね。進入テストが行われていて、高輪の上空を飛んできますので、議員会館からも見えますよ、北から入ってきて。  これは、よく注意して見ていただくと、やっぱりやらないで済むならやらない方がいいなと。もしそこで航空機の何か事故でも起きて、そういう空域を飛ぶ、しかも通常より急角度な進入角度にしていたことが多少原因になっていて、それは米軍との調整の結果ですということになると、決していい方向には行かないわけです。  その後も注意して見ていましたら、新幹線で、私は地元愛知県ですからしょっちゅう行き来しているんですが、御殿山ヒルズ辺りに来ると、ちょうどその進入の時間帯と、そのタイミングに合うと、東京に向かって進行方向右側、つまり海側はずっと低くなっていますので、大分降下してきた航空機、旅客機が目線よりもちょっと高い位置ぐらいに見えるんですよ。これはいかにも危ない。  それで、コロナで残念ながら海外から入ってくる方もいらっしゃらない、そして東京五輪も外国人観光客は断念するということになりました。元々これ、もう東京五輪向けに便数を増やすために無理に北からの進入を計画したわけでありますので、ここで一旦立ち止まって、しばらくこの羽田新ルートは自粛するというふうにした方がいいと思います。  そして、コロナの結果、今後インバウンドがどういうふうに復元していくかも分かりませんが、そういう危険なルートで、しかも万が一のことがあったときに日米間の国民感情にも影響を与えかねないようなことがあれば、それはもしやめられるものならやめて、成田もあれば、関西空港もあれば、中部もあるし、福岡もあるし、札幌もあるし、ほかのルートから入ってもらうというふうにすれば地方も助かるわけだし、いろんな意味においてここは立ち止まって考えるべきだと思いますが、防衛大臣外務大臣、それぞれのお立場で御意見を伺いたいと思います。
  102. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 今委員からのお尋ねでございますけれども、この新経路については、いずれにしても国交省が中心になって設定をされたものと了解をしておるところでございます。  我々も、関係省庁の一つとして、我が国の安全保障や日米同盟抑止力という観点から、自衛隊の運用との関係も含めて、しかるべく協力を、設定について協力をしてきたところでありますが、この羽田への進入経路、進入角度については、民間航空機の運航に関わるということでございます。防衛省としてこれについてお答えすることは難しいかなと考えております。
  103. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 大塚委員の計算式については、自分なりに、今聞きましたが、理解したつもりです。それから、懸念についても理解したつもりであります。  その上で、新経路をどうするか、降下角度をどうするかと、まさに所管する国交省中心に検討を進める必要があると思っております。
  104. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 もちろん国交大臣にもお伺いするつもりでおります。  私が申し上げたいのは、六本木ヘリポートと横田等の間にパトリオットエクスプレスを運航しなければならないという事実も含めて、そういうことなんですということを国民の皆さんに説明をするいいタイミングだと思うんですよ。  これだけ国際情勢が変わった変わったということをそれぞれの所信でも述べておられて、重要な局面だということですから何度も申し上げますが、もう二十年前、三十年前と国民感情違います。私は二十年目ですが、最初に国会に来たときに日米同盟という言葉を使ったら、野党なのに日米同盟と言う人がいるんだみたいに言われました。でも、今、日米同盟と言っても、誰ももう違和感ないですよね。  だからといって、国民の皆さんに対して、よらしむべし知らしむべからずということを言っていて、そして不測の事態が起きると、結局駐留米軍に対する国民の理解は進まないということになるので、是非、羽田新ルートについては、いい機会ですので、閣内でよく議論していただいて、事故が起きないうちに善処していただくことをお願いして質問を終わります。  以上です。
  105. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  今日は、くしくも米軍の低空飛行訓練について先ほど白議員が質問をされ、この後、伊波議員も質問されます。今、大塚議員も関連して地位協定質問されました。  私も、米軍の岩国基地の大増強と中四国での被害についてお聞きをいたします。  まず防衛省、お聞きしますが、米軍の岩国基地が沖合移転をされて以降、米軍機が次々と追加配備をされました。沖合移転後に新たに配備をされた米軍機の種類と数、それぞれの配備の理由についてお示しいただきたい。
  106. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 御指摘の岩国飛行場におきます滑走路沖合移設事業による新滑走路の運用は二〇一〇年に開始されましたが、その後の米軍機の配備につきましては、米軍再編事業のため、まず二〇一四年、普天間飛行場から岩国飛行場へのKC130十五機の移駐、二〇一七年から一八年にかけまして、厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機部隊FA18、EA18G、E2D及びC2計約六十機の移駐が行われました。また、現在までに、CH53D及びEA6B約十数機がこの岩国基地から他の施設に移駐しております。なお、全体の機数に変動はありませんが、岩国飛行場のFA18及びAV8BからF35B約三十二機への機種更新につきましては、一つ目の部隊更新が二〇一七年に行われ、二つ目の部隊更新が昨年二〇二〇年十月から開始されているところでございます。  こうした配備の結果、現在、岩国飛行場には米海兵隊機約六十機、米海軍機約六十機の計百二十機が配備されているというところでございます。
  107. 井上哲士

    ○井上哲士君 配置数は倍加をいたしまして、極東最大級の基地ということに増強をされました。  滑走路の沖合移転は騒音の軽減だったはずなんですね。ところが、今、住民の苦情に対して、移転前の水準を超えなければ問題ないと、こういうような姿勢がありまして、目的は増強だったのかということになるわけです。実際には、防衛省が設置をした測定器でも、騒音回数は超えている地域もありますし、艦載機が戻ってくる十一月は一気に倍に騒音回数が増えるわけで、本当に多くの苦情が寄せられております。  私、二月に調査に行ってまいりました。午後に基地に行きますと、米軍機が次々と戻ってきます。朝から監視をされた人の話聞きますと、午前九時過ぎから約二十五分で約二十五機の戦闘機などが離陸をして、タッチ・アンド・ゴーも行われていると。岩国市によりますと、その日は基地の北側で一日で九十四回騒音をカウントし、最大は約九十二デシベルだったということであります。  一方、この滑走路の時間外の運用についての情報公開が、一八年の秋以降、共用している米軍と海上自衛隊の飛行を区別できない形に変更されました。ちょうど艦載機の部隊の移転で騒音が増大したという中に、この米軍機を特定することが非常に困難になったと。基地問題を追及している関係者からは、これもう騒音公害隠しだと批判の声も上がっておりますけれども、以前のような情報公開に戻すべきだと思いますけれども防衛省、対応はいかがでしょうか。
  108. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 岩国飛行場におきましては、滑走路の運用時間である六時半から二十三時以外に米軍、自衛隊が運用するに当たって、米軍が岩国市に通報しているものと承知しております。その上で、二〇一八年頃から米軍の通報内容について変化があったことは事実ですが、滑走路の時間外運用の予定については、引き続き適切に通報がなされているものと認識してございます。  また、防衛省といたしまして、夜間を含めた騒音状況の把握のため、岩国飛行場周辺に騒音測定装置を設置しておりまして、その結果につきましては地元の皆様にも定期的にお知らせしているところでございます。このため、今、騒音公害隠しという御指摘いただきましたが、これは当たらないというふうに考えてございます。  防衛省といたしましては、米軍に対しまして、騒音や安全面に最大限配慮しつつ、地域住民に対する影響を最小限にとどめるよう働きかけてまいりたいと存じております。
  109. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、適切に行うと言われましたけど、区別ができなくなっているんです。だから、皆さんは騒音公害隠しだと言われているんですね。  この騒音被害の増大は岩国市内にとどまりません。お手元の資料の二枚目に、岩国基地は、岸大臣よく御存じのように、山口県の一番東側であります。発進した、離陸した米軍機は広島県に向かって離陸いたしますから、広島県内の騒音が非常に深刻なわけですね。岩国基地の東側には宮島があります。世界遺産である大聖院も私訪問してまいりました。  我が党の大平前衆議院議員が副住職にお会いした際には、この大聖院には日本三大道場の一つの求聞持道場があって、全国から青年僧が修行に訪れて、百日間にわたって道場にこもって修行すると。お経を唱え続けるのに、騒音に邪魔をされ集中が途切れてしまうと。特にこの宮島の弥山の山頂の騒音がひどくて、山頂近くにある本堂でのお参りの際の大きな弊害があるというお話でありました。あの山頂まで高齢者の方が登るの大変ですけれども、なかなか来られないからといって登っていらっしゃると。そんなときに、お参りの最中に騒音があると、自分たちのせいじゃないのにごめんなさいと言ってしまうと。こういうことも言われていたそうであります。  大臣、宮島という島がどういう場所かというのはよく御存じかと思うんですね。世界遺産の一つであって、日本三景の一つであって、有数の観光地であって、そして島自身が聖地だとも言われてきたわけですね。そういうところがこういう騒音の被害を受ける、私はこれ許されないと思いますけれども大臣、いかがでしょうか。
  110. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 岩国飛行場におきまして、航空機の離陸後、宮島の方向である北側に向かう場合、宮島に至る前に海側に旋回するルートが標準であって、米側も、米軍もこれを尊重しているものとまず承知をしております。  また、防衛省としても、世界遺産である宮島の騒音状況の把握、これは大変重要であると考えております。地元からの御要請も受けまして、騒音測定装置を設置し、その状況把握に努めているところでございます。当該の装置による測定結果によれば、艦載機移駐後においても人の健康への影響に関する環境基準値七十Wを下回っていると承知をしております。さらに、米側は、岩国飛行場に係る運用上の所要を勘案した上、航空機騒音の軽減についてできる限りの措置を講じているものと認識をしております。  その上で、防衛省としては、米側に対し、岩国飛行場周辺の住民への騒音面また安全面での影響に最大限の配慮を行うよう申入れをしてきております。今後とも、あらゆる機会に米側に対して申入れを行ってまいりたいと考えています。
  111. 井上哲士

    ○井上哲士君 お手元のその二枚目の資料ですね、確かに宮島の手前で右に旋回することになっているんですね。それを尊重していると、米側が、今おっしゃいました。私、驚きました。ちょうど私が行ったときも、大聖院に向かって歩いていると、私のちょうど真上を騒音を上げて三機編隊の米軍機が飛行いたしました。観光客の皆さんも驚いていらっしゃいました。  資料一にその測定器の数が出ておりますけれども、宮島ですね、移駐前と比べますと年間で二・二倍になっているんです。尊重していたらこんなことになるはずがないんですよ。なぜ尊重しているのに宮島の真上を飛行して騒音があると、なぜこんなことになっているんですか。
  112. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 今大臣からお話ございましたように、こちらにつきましては、米軍が岩国飛行場から離陸して、そして上昇するに当たりまして、宮島の方角、北に向かう場合、至る前に海側に旋回するルートが標準であるということでございます。これを米側からも尊重しているというふうに我々聞いておりまして、そういうものだと承知しております。  その上で、騒音測定を実際に宮島の方でしております。その結果といたしまして、今の状況におきましても、つまり艦載機の移駐後におきましても、人の健康の影響に関する環境基準値、これを下回っているというのが実態であるというふうに承知してございます。  ただ、そうはいいましても、この航空機の騒音の軽減というのは、これ非常に重要なことでございますので、できる限りの措置を講じていかなければいけないということで、米側にあらゆる機会に地元住民の皆様方への生活面の影響に最大限の配慮を行うよう申し入れてきているということを今大臣から申し上げさせていただいた次第でございます。
  113. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、また尊重と繰り返されましたけど、じゃ、私が見たもの何なんですか。短時間の間に二回往復しましたよ、二回通りましたよ、三機編隊がね。そして、健康被害には至らないような数字だと言われましたけど、健康被害なんかあったら大変なんですよ。それがこの宮島の上を通っていると。それだけじゃありません。広島のは原爆ドームの上も通ることがあるんですね。  広島県の県北の北広島町などもすさまじい騒音の低空飛行訓練が行われております。広島県は国に対して、米軍機の低空飛行や騒音被害などにより県民の日常生活に影響が生じている現状は容認できないとして、米軍機による低空飛行訓練の中止を要望しておりますけれども政府はどのように対応してこられたんでしょうか。
  114. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 御指摘の要望につきましては、広島県からの御意見としてしっかりと受け止めております。  その上で、米軍機の飛行訓練は、パイロットの技能の維持向上を図る上で必要不可欠な要素でございます。在日米軍日米安保条約上の義務である我が国防衛を全うするという観点から重要なものですが、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動するというのが当然の前提でございます。  このため、防衛省としては、これまでも地元の自治体等から米軍機の飛行に関する苦情を受けた場合には、米側にその情報を伝えるとともに、地元の皆様の生活に与える影響を最小限にとどめるよう配慮を求めてまいっております。  広島県から要望のございました地域行事への配慮については、これまでも累次の機会に米側に対し、土日あるいは祝日を始め、年末年始、入試といった地元の重要な行事等に配慮するよう申入れを行い、米側としてもこうした申入れを理解し、配慮を努めているものと認識をしております。さらに、二〇一三年以降、広島県内に三台の騒音測定装置、一台の観測カメラを設置し、防衛省自身の取組として米軍機の飛行実態の把握に努めているところでございます。  防衛省としては、広島県を始めとする関係自治体と緊密に連携をしつつ、引き続き米側に対して、安全面に最大限配慮をし、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくとともに、飛行に当たっての安全確保については最優先の課題として日米協力して取り組んでまいります。
  115. 井上哲士

    ○井上哲士君 アメリカに申入れをして、アメリカ側は理解をしているという答弁がありました。全然実態と違うんですね。  今、どんどん中国地方の被害の範囲も広がっております。鳥取県では過去最高レベルの目撃情報です。特に激化しているのが島根県の西部で、中四国防衛局が公開するデータでも、浜田市旭町では七十デシベルを超えた騒音は昨年十月に百八十五回を超えました。そのうち九十六回が二十七日の一日に集中したと。地元紙には、「空がうなる感覚。家の中でも身をすくめる時がある」という住民の声が載っておりました。この町の旭小学校では、学習発表会の最中に轟音が響いて、二度中断をした。測定値は電車が通るときのガード下に当たる百四デシベルだった。それから、江津市のさくらえ保育園。外遊びや昼寝の最中に上空を米軍機が通り過ぎる、子供たちは怖がったり、起きてきて泣き出すような状況だと。これも報道されております。  大臣、これでも日本がしっかり申入れをして、アメリカがちゃんと理解をしていると、これがこんな実態だと、そういう認識なんですか。
  116. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 米軍機の飛行につきまして、地域住民の方々から不安の声が上がっているということは我々も承知をしているところでございます。  防衛省として、御指摘の島根県あるいは鳥取県などの関係自治体から情報を集めて、含めて、米軍機の飛行等に関する苦情を受け付けた場合は、自衛隊機の飛行ではないことを確認した上で、米側に伝えるとともに、地元の皆様の影響に、与える影響を最小限にとどめるように配慮を求めているところでございます。また、防衛省自身の取組としても、各関係自治体とともに緊密に連携をし、飛行実態の把握に努めてきておるところでございます。  先ほど広島県の騒音測定装置のお話をさせていただきましたけれども、島根県には、二〇一三年以降、順次五台の騒音測定装置を設置するとともに、得られたデータは住民の皆様に幅広く情報提供をさせていただいています。現地防衛局のホームページにおいても公表しているところです。  いずれにしても、大切なことは、米軍の運用が地域の皆様の生活環境に与える影響を最小限にとどめなければいけない、このために関係機関が緊密に連携をして全力を尽くすことでございます。
  117. 井上哲士

    ○井上哲士君 この問題でずっと同じような答弁が繰り返されてきたんですけど、どんどん被害が広がっているんですね。  例えば四国も、高知県や徳島県でも様々な目撃情報寄せられておりますが、お手元の資料の最後の二枚、四と五ですけど、昨日、おとついの報道であります。愛媛県で大変激化をしております。  県によると、米軍機と見られる低空飛行訓練の目撃情報は、一八年には三件だったのが、一九年度は九十件、二〇年度は二月三日まででも二百五十七件で、年度別に過去最高なんですね。そして、これを、情報を地図に落としたというのが最後のページなんです。一九、二〇年度の全目撃情報三百四十七件を地図に落としたら、これまでいわゆる米軍が公表してきたオレンジルートではなくて、大洲市とか久万高原町などに偏っている。そして、大洲市の拡大がありますけれども、川に沿って十文字の航空ルートが浮かび上がってくると。まさに、この谷筋や山の上を傍若無人に飛び回る姿が浮かび上がると、愛媛新聞、書いています。  このオレンジルート以外に新しい訓練ルートを米軍側が設定したのではないかと愛媛新聞は指摘していますけれども、これ、是非米側にただして、そんな勝手な訓練ルートの設定はやめろと求めるべきだと思いますけれども大臣、いかがでしょうか。
  118. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 米軍機によります飛行訓練については、米側が、訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすという観点から、一定の飛行経路を念頭に置いて飛行することがございます。また、最大限の安全を確保するため、飛行訓練を実施する区域を継続的に見直していると承知をしております。また、一般に、米軍日米安保条約の目的達成のため、実弾射撃を伴わない通常の飛行訓練を米軍の施設・区域でない場所の上空で行うことは認められているものと承知をしております。  防衛省としては、四国地方関係自治体からの情報を含めて、米軍機の飛行等に関する苦情を受け付けた場合に、自衛隊機の飛行でないことを確認して米軍に伝えるとともに、地元の皆様の生活に与える影響を最小限にとどめるよう配慮を求めています。さらに、愛媛、高知、徳島の苦情が多く寄せられている地域には、職員を派遣し、現地調査を実施するなど、関係自治体とも緊密に連携をし、防衛省自身の取組として米軍機の飛行の実態の把握に努めてきております。  防衛省として、引き続き米側に対し、最大限の配慮をし、住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくとともに、飛行に当たっての安全確保について、最優先の課題として日米協力して取り組んでまいります。
  119. 井上哲士

    ○井上哲士君 米軍が訓練ルートを適宜設置していて、それを見直す、それが当たり前のように言われました。私、運用だからといって容認するんじゃなくて、アメリカの運用であっても日本の上空なんだから勝手なことはさせないというのが主権国家として当たり前のことだと思いますよ。  こういうようなことはやめさせるし、ヨーロッパなどのようにちゃんと基地に規制ができるような地位協定の抜本改定も必要だということを外務大臣にも防衛大臣にも求めまして、時間ですので終わります。
  120. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  前回は中国ミサイルの脅威圏の外をめぐっての認識の違いが明らかになりました。日本アメリカ同様に、政府には中国軍のミサイルの脅威を直視して安全保障政策を考えていただき、外交安全保障を重視していただきたいことを要望し、本日の質疑に入ります。  米国は、中国ミサイルの長射程化、高性能化を正確に評価した上で、攻撃の第一段階では、米軍は第一列島線から撤退し、自衛隊など第一列島線の同盟国の部隊に標的になることを求めるシナリオを想定しています。そのために、今、インド太平洋軍司令部は、グアムにイージス・アショアを整備するよう要求しているのです。  宮古も石垣も中国ミサイルの射程圏内です。脅威圏の外から撃てるという一二式誘導弾改を南西諸島に配備するのは標的を増やすだけの効果しかなく、隊員や島民の命を犠牲にする結果にしかなりません。  新たな長射程ミサイルを宮古島や石垣島の陸自に配備すべきではないと考えますが、いかがですか。
  121. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) まず、我が国防衛政策や防衛力整備は特定の国を対象とするものではございません。  その上で、我が国防衛に当たっては、敵の探知範囲、射程といった脅威圏の外から、すなわち敵に近づくことなく敵の水上部隊、上陸部隊に対処する能力を持つことが不可欠でございます。  この点、技術的進展等により、各国の早期警戒管制能力や各種ミサイルの性能が著しく向上し、敵の脅威圏が拡大していることを踏まえれば、現在自衛隊が保有している地対艦ミサイルの射程では、これを運用する自衛隊の部隊は、敵の水上部隊やこれを支援する敵の航空機部隊の脅威圏内において対処に当たらなければなりません。  このような認識の下、隊員の安全を確保しつつ我が国防衛するために、一二式の地対艦誘導弾の能力向上型の開発を行うこととしたものであります。  その上で、現時点で具体的な配備先については決まっておりませんが、配備先の検討に際しては、即応性や抑止力の確保、他の部隊との連携、部隊練度の維持等の点を総合的に勘案してまいります。
  122. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 中国のような強大な軍事力に対して、同じような軍事で対抗しようと考えるからやられっ放しでいいのかという発想になるんだろうと思います。ミサイルの射程距離については既に勝負は付いているのですから、困難であっても軍事力とは別の抑止手段を構想するしかないと思います。  日本政府は、米軍がグアムにイージス・アショアの整備を求めるに至った脅威分析をよくよく確認してはいかがでしょうか。南西諸島に配備された射程の限られた陸自のミサイル部隊は、米軍司令官が標的と表現したグアム以上に中国ミサイルの標的でしかありません。現在、宮古、石垣にはそれぞれ約五万人の住民が暮らしています。自衛隊に玉砕を求め、島民を巻き添えにして、米国の覇権と日本本土のために沖縄を捨て石にするような防衛政策は方向転換すべきです。  昨年三月、米海兵隊は、戦力設計二〇三〇、フォースデザイン二〇三〇を公表し、この中で海兵沿岸連隊を新たに組織する計画であると表明しました。海兵沿岸連隊とはどのようなものでしょうか。
  123. 岡真臣

    政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。  ただいま委員からお話がございましたとおり、昨年三月の下旬に、アメリカの海兵隊がインド太平洋地域を重視した大国間競争へ適切に対応するため、戦力デザイン二〇三〇と呼ばれるものを公表いたしました。この構想の中で海兵沿岸連隊の創設が言及されるなど、海兵隊の組織再編に向けた議論が行われているものと承知をしております。  他方、この構想の内容につきましては、今後アメリカの国防省内で検討されていくものというふうに理解をしておりまして、アメリカ政府として正式に決定した立場ではないと承知をしております。  その上で申し上げますと、海兵沿岸連隊につきましては、今後より厳しさを増す海洋地域において分散して展開し、海洋拒否や海洋のコントロールを達成するための新しい部隊として構想されているものと承知しております。
  124. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 米海兵隊のバーガー総司令官は、三個連隊のうち一つを二〇二七年までに沖縄に配備する、また、既存の海兵連隊を再編するため、沖縄に駐留する総兵数が増えることはないと発言したと報道されています。  防衛大臣、沖縄に駐留する海兵隊の人数が増えないのは確かでしょうか。
  125. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) バーガー司令官の御指摘のような発言をしたという報道については承知をしているところですが、その上で、日米間では平素から意思疎通を行っておりますが、この海兵沿岸連隊の沖縄への配備について打診をされたというような事実はございません。仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  126. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 米国議会調査局のレポート、新たな米海兵隊の戦力設計イニシアチブによれば、海兵沿岸連隊は千八百人から二千人規模で、ハワイの第三海兵連隊の再編に続いて、現在、キャンプ・シュワブに駐留する第四海兵連隊、キャンプ・ハンセンに駐留する第十二海兵連隊が再編されると言われています。第四海兵連隊はグアム移転が計画されていますから、沖縄への配備は、このハンセンの第十二海兵連隊が海兵沿岸連隊に再編されることを示していると考えられます。  沖縄の配備について、政府には先ほど何も連絡がないということありましたけれども、協議については行っていないんですか。
  127. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 海兵沿岸連隊の沖縄への配備については、全く打診されている事実はございません。
  128. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 海兵沿岸連隊の配備は、海兵隊の新たな作戦構想、遠征前方基地作戦、EABOに沿ったものです。遠征前方基地作戦は、以前委員会で指摘した伊江島補助飛行場でのノーブル・フューリー演習に見られたように、中国軍によって米軍の海空での優位が揺らぐ中、紛争状態において、レーダー探知困難な低空飛行で侵入したオスプレイで小規模な部隊を輸送、強襲着陸、飛行場を占拠し、C130輸送機によって移動式ミサイルである高機動ロケット砲システム、HIMARSを展開し、射撃し、四十八から七十二時間ごとに島から島へ移動し、制海権の確保や中国軍の海洋進出の拒否を目指すものです。  配付資料の一ページ目にあるように、今月、三月十五日にも伊江島で訓練が行われました。普天間でのF35の爆音、嘉手納でのF15の早朝からの爆音などもEABOと関連していると報じられています。海兵沿岸連隊が沖縄に配備されれば、現在問題になっている米軍機による低空飛行訓練が今以上に深刻化することが懸念されます。  大臣は、所信でも、沖縄の基地の負担軽減を明言しています。海兵沿岸連隊の新たな配備は、沖縄の負担軽減という方向と全く矛盾するものであり、容認すべきではありません。日本政府として、米国在日米軍に対し、部隊再編だろうと新設だろうと、沖縄への配備は受け入れられないと明確に拒否すべきと考えますが、いかがですか。
  129. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 繰り返しになりますけれども、海兵沿岸連隊の沖縄への配備というものを打診されていることはございません。仮定の質問にはお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  130. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 お手元の資料にありますけれども、二〇一九年九月頃、秋頃から、MC130輸送機が、敵の支配地域に超低空飛行で進入するという遠征前方基地作戦のシナリオをなぞるように、MC130の超低空飛行が頻繁に行われるようになりました。  昨年から、慶良間諸島の座間味村、渡嘉敷村、辺戸岬の国頭村、金武町、大宜味村など、観光名所でもMC130の超低空飛行が確認されています。住民からは不安の声が上がるとともに、観光への影響も懸念されています。低空飛行が海兵隊の作戦構想に沿ったものであるとすると、今後、危険な訓練が日常的に繰り返されるおそれが強く、極めて深刻な問題です。  防衛大臣は、米側から、低空飛行について、日米間の合意に基づいて行っていると回答を受けていると答弁されています。この合意は、平成十一年一月十四日の日米合同委員会合意、在日米軍による低空飛行訓練についてだと思いますが、米軍が遵守しているようには思えません。  地方防衛局は米軍の低空飛行訓練の実態を把握すべきではありませんか。
  131. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 今御指摘のございました慶良間諸島、それから辺戸岬における飛行、それぞれにつきましては、日米合意に基づき行っている旨の説明米側から受けております。  また、こうした昨年来からの飛行を受けまして、防衛省から米側に対しまして、航空機の運用に際しましては引き続き日米合意を遵守するとともに、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう、様々な機会を捉え、様々なレベルで申入れを行っております。  防衛省といたしましては、引き続き、関係自治体、関係省庁及び米側と緊密に連携し、皆様の御不安を払拭すべく、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
  132. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 資料にありますように、低空飛行訓練についての合意については、日本航空法や、あるいはICAOなどの規定される最低高度基準をやっぱり超えないという前提があるんですけれども、どんな訓練やっているかといいますと、レーダーに探知されないように海面を低く飛びながら、その島の上でぐっと上がっていくんですね。辺戸岬がなぜ使われているかというと、沖縄本島の両側の海から行って、その辺戸岬になると、その島を、その上を飛べる、飛ぶ訓練をしているわけです。つまり、そういう技量訓練をやっている。それが観光地なんですよ。そういったことをそのまま放置してはならないと思うんですね。  それでは、次の質問をしますけれども地方協力局補償課長が三十年三月三十日に通知を出しているようですが、発出された経過、内容について伺います。  この概要は、これによって地方防衛局ごとに把握された航空機騒音の苦情は何件ありましたか。
  133. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 御指摘ございました文書は、地域の皆様から各地方防衛局に対して寄せられた苦情等につきまして、その内容を防衛本省に適切に報告するための書式として定め、通知したものでございます。  この通知に基づく苦情の件数は、例えば、昨年七月から十二月末までの間で、北海道防衛局一件、東北防衛局九件、北関東防衛局八十九件、南関東防衛局三十九件、東海防衛支局ゼロ件、近畿中部防衛局六件、中国四国防衛局二百九件、九州防衛局七十六件。それから、沖縄防衛局にはこの通知に基づく報告はございませんが、このほか、各地方防衛局では地域の実情に応じまして幅広く苦情の受付を行ってございまして、例えば、沖縄県内の米軍関係飛行場等の周辺住民の皆様や自治体から沖縄防衛局に寄せられた米軍航空機騒音苦情として、同じ時期で申しますと、令和二年七月から十二月までの間に合計八百二十一件を受理してございます。  防衛省といたしましては、これらの受け付けた全ての苦情について米側に伝えるとともに、地元の皆様の生活に与える影響を最小限にとどめるよう配慮を求めているところでございます。
  134. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 全国的に極めて広がっているということが思われます。  このような通知を出したのであれば、騒音や低空飛行について、どのような通報を求めるか、きちんと住民に公開すべきです。ホームページなどで公開すべきではありませんか。
  135. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) この文書は、各地方防衛局に対して寄せられた苦情等について、その内容を防衛省内、防衛本省に適切に報告するための書式として定め、通知したものでございまして、私どもといたしましては、ホームページ等で地域の皆様にお知らせする性格のものではないとも考えてございますけれども、その上で申しますと、苦情の受付については、地域の実情に即して、各地方防衛局、様々な部署が様々な相手方から幅広く受理してございます。  私どもといたしまして、大切なことは、地域住民の皆様の声をできる限り具体的かつ正確に受け止めること、そして全ての苦情をしっかりと米側へ伝え、米軍機の運用による影響を最小限にとどめることだというふうに考えてございまして、私どもといたしましては、引き続き、関係自治体や関係機関と緊密に連携して、苦情の処理、米側への伝達について真摯に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  136. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 現在、四国の高知、徳島、愛媛では、防衛局が実態調査をしているといいます。どのような経緯で実現したんでしょうか。防衛局による低空飛行調査について、他の自治体からも、例えば座間味村、渡嘉敷村、国頭村などからも要望があれば実施していただけるんでしょうか。
  137. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 御指摘の地方防衛局による現地調査につきましては、地元自治体から防衛省に対して米軍の低空飛行訓練の実態調査に関する累次の要請があったことを受けまして、昨年から、愛媛県、高知県及び徳島県に職員を派遣し、現地調査を実施しているものでございます。  その上で、今御指摘ございました沖縄県における現地調査ということにつきましても、関係自治体等からの御要望を伺いつつ、真摯に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
  138. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 是非、皆さんが調査をしてほしい。どうしてかというと、報告してもこれはその高度が不明瞭だということで却下されるわけですね。そこはやはり防衛省が、沖縄防衛局がやっていただきたいと思います。  先ほど申し上げたように、平成十一年の日米合意は全く守られていません。これをやはり米軍に遵守させるべきではないでしょうか。どう考えますか。
  139. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 米軍機の飛行訓練は、パイロットの技能の維持向上を図る上で必要不可欠な要素でございます。在日米軍が安保条約上の義務である我が国防衛を全うする観点から重要なものですが、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動することが当然の前提でございます。  その上で、米軍機の低空飛行訓練については、御指摘の一九九九年の日米合同委員会におきまして、ICAOや日本の航空法により規定される最低安全高度と同様の米軍飛行高度規制を適用している旨、日米間で合意しており、米軍は当該合意を遵守し、低空飛行訓練を行うこととしていると認識してございます。また、米軍機は全く自由に飛行を行ってよいわけではなく、地位協定十六条に基づき航空法等の我が国の国内法を尊重する義務を負ってございます。  防衛省といたしましては、外務省、国土交通省等と緊密に連携し、引き続き米側に対して安全面に最大限の配慮を求めるとともに、地域の皆様に与える影響が最小限にとどまるよう、日米連携して対応してまいります。
  140. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今日は、三名の委員からこの低空飛行問題あるいは米軍機の飛行についての質疑がありました。つまり、それだけ沖縄、日本の上空で米軍の飛行が多くなっているということなんですね。こういうふうに苦情もたくさん寄せられているのは、合意があってもそれを守らせる仕組みがないからだと思います。日米合意に反するような米軍機の低空飛行訓練を防止するための日米間での実効的な協議を行う場を設けるべきだと思いますが、既存のものがあるのか、それともなければ新設すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
  141. 岸信夫

    国務大臣岸信夫君) 一般に、米軍機の飛行訓練は、パイロットの技能の維持向上を図る上で必要不可欠な要素であります。在日米軍日米安保条約上の義務である我が国防衛を全うするという観点から重要なものですが、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動することは当然の前提であります。この認識について、日米間では様々な機会を捉えて様々なレベルで共有するとともに、一層安全な運用がされるように協議を重ねてきております。政府として、現時点で新たな枠組みを設ける必要があるとは考えておりません。  さらに、今月十六日に実施をいたしました私とオースティン米国防長官との会談においても、在日米軍が安定的な駐留と日々の活動をするためには地域社会の理解協力が必要で、不可欠である、また、米軍の安全かつ環境に配慮した運用の確保が重要であるということについて確認をしたところでございます。  防衛省として、引き続き、関係自治体、関係省庁及び米側と緊密に連携をし、皆様の御不安を払拭するようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
  142. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 先日、GAOが沖縄の状況についての報告書を辺野古新基地建設問題で出しておりますが、あそこに書かれていたのは、たしか九名の専門委員との意見を紹介しての話ですけれども、沖縄でのやはりそういう負荷が強いというのは、六名の委員がそういうふうなことにイエスと言っているんですね。で、複数の委員が、今のままでは、このようなことが続けば、要するに沖縄での米軍のプレゼンスというのは政治的にはもたないであろうというふうなことを米議会に提案をしているんですよ。  これは、仕組みは何かというと、そもそも米軍と沖縄、日本政府が対等に議論していないからなんです。アメリカで今のようなこと、許されませんよ。連邦議会議員に言えば、ちゃんと国会議論して、米軍に通知されて、ちゃんと直すんですから。でも、日本はそれを直す仕組みが全くないんですよ。全くないからこういうことがずっとずっと繰り返されている。どうして日本政府はあれだけ莫大な金出して、七千億円以上の金を出しながらですね、年間、一言も物が言えない今の状況をいつまで維持するんですか。  そのことをやっぱりしっかり考えていくことこそが大変大事だということを指摘して、質疑を終わりたいと思います。
  143. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  防衛大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。     ─────────────
  144. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 次に、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。茂木外務大臣
  145. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  改正の第一は、ベトナムに在ダナン日本国総領事館を新設するとともに、同総領事館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めることであります。  改正の第二は、既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。  改正の第三は、在勤基本手当の月額について、内部の他の職員との関係で必要と認められる範囲内において必要な調整を行うための措置を定めることであります。  改正の第四は、在外公館に勤務する外務公務員の子女教育手当の支給開始年齢を改めることであります。  以上の改正内容のうち、在勤基本手当の改正及び調整、並びに子女教育手当の支給開始年齢の改定につきましては、令和三年度予算案に計上しているため、四月一日に実施することが必要であります。  以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
  146. 長峯誠

    委員長長峯誠君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三分散会