○松田功君 こんにちは。
立憲民主党・
無所属の松田功です。
私は、ただいま
議題となりました
地方税法等の一部を改正する
法律案並びに
地方交付税法等の一部を改正する
法律案に対し、会派を代表して、両案に
賛成の
立場から
討論を行います。(
拍手)
しかし、まず冒頭、
新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方に心から
哀悼の意を、闘病中の
皆様に心からお見舞いを申し上げ、そして、
医療従事者の
皆様、
介護従事者の
皆様、そのほか、
緊急事態宣言中も生命の危機と隣り合わせながら仕事を続けておられるエッセンシャルワーカーの
皆様に、心から感謝を申し上げます。
また、住民の
皆様に対するコロナ
対応や
ワクチン接種への準備に日々追われ、過労死ラインを超えて職務に従事しておられる自治体職員の方にも敬意と感謝を表します。
そのような
状況下において、自粛すべき時期にもかかわらず、
総務省の職員が高額の
接待を受けておりました。誠に恥ずかしい限りです。
武田
総務大臣は、放送
行政がゆがめられた事実はありませんと、いまだに発言を
撤回されておりませんが、
接待を受けた当事者は、皆一様に、
接待内容を覚えておりません、記憶にありませんと発言し、利害
関係を否定していました。しかし、マスコミからの音声リークにより、一転、利害発言を認めております。
そのようにいいかげんな
官僚の発言を信じ、ゆがめられた事実はないという発言を
撤回しない武田
大臣には、本当に真実を明らかにする気があるのかと疑問を抱きます。検証委員会を早急に立ち上げるとのことですが、委員に内部の人間が入ることのないよう、立ち上げ時期も含めて
国民とともにしっかりチェックさせていただきたいと思います。
そして、
菅総理大臣におかれては、今回の問題とは
関係ないと一線を引かれておりますが、
総理は、自身が総務副
大臣、
総務大臣を経験され、また、官房長官時代から、携帯電話料金の引下げに言及しておられました。そして、
総理に就任され、携帯料金の引下げを
政権公約にされるなど、総務
行政に関心が高く、
総務省への
影響力の大きさがうかがわれます。
総務大臣時代には、今回問題となっている御
長男、菅正剛氏を秘書官に登用され、正剛氏はその後、
総務省の許認可を必要とする
衛星放送事業を手がける
東北新社へ入社されております。
このような一連の流れの中で、決して
関係ないと言い切れるものではないことを自覚していただきたいと思います。
一九九八年の大蔵省の
接待汚職事件により、
官僚が逮捕され、
大臣、日銀総裁が引責辞任し、大蔵省の解体へとつながりました。その後、国家公務員倫理法が施行され、
官僚の意識に変化が生じたと言われてまいりました。しかし、
安倍政権となり、文書の改ざん、虚偽答弁など、忖度
政治なるものが横行しましたが、問題なしとされれば、
官僚の倫理意識が低下するのも当たり前ではないでしょうか。
森友問題にしろ、加計問題にしろ、時の
総理側に立てば出世し、退官させられても一時的なことで、その後、高い
報酬と地位を得られている事実を見れば、
官僚は
総理の方を向いて仕事をすることになるでしょう。
このように、倫理観が低下した原因を正しく認識していただき、
国民に疑念が残るような
調査で終了することがないよう、
総理からも
総務大臣へ強く指示していただきたいと思います。
さて、それでは、
地方税法等の一部を改正する
法律案について申し上げます。
第一に、本来目指すべき分権
社会に向けた税源移譲がなされていない点は、極めて残念であると言わざるを得ません。
第二に、固定資産税の据置きは、納税者にとっては
負担軽減となりますが、一方で、市町村税の基幹税であるにもかかわらず、税収減になる自治体への代替措置が講じられていません。
第三に、車体課税の環境性能割税制では、新車を買わない限り税金は安くならず、自動車を買わない人にも恩恵はありません。交通
政策全体の視点には乏しいと言わざるを得ません。
第四に、住宅ローン控除が
延長されますが、新規購入や増改築に限っており、借家住まいを続ける人や増改築しない人には無
関係です。幅広い
国民に恩恵があるよう、家賃補助や住宅手当の
創設などを検討するべきです。
しかしながら、
新型コロナウイルス感染症により納税者の
負担が増大している現下の
状況に鑑み、固定資産税の
負担を軽減することや、地方財源の
確保のために航空機燃料譲与税の譲与割合を引き上げるなどの税制上の措置を講じることは必要であり、法案に
賛成するものです。
続いて、
地方交付税法等の一部を改正する
法律案について申し上げます。
第一に、地方財源不足の縮小、折半対象財源不足の解消、臨時
財政対策債の減額、交付税特会の着実な償還のいずれも
実現できず、地方
財政の危機的
状況はますます深まっています。
第二に、地方から縮減、廃止を求められていた、赤字地方債である臨時
財政対策債は、五兆四千七百九十六億円となっています。過去の臨財債の元利償還金を賄うためにも三兆七千六百二十七億円の増発となり、借金を借金で返済する異常
事態が
拡大しています。
第三に、交付税総額
確保のため、各種の繰延べ策を積み上げていますが、後年度の一般財源
確保の余地を考えると、そうそう多用できる
対策とは言えません。
第四に、地方交付税算定の基となった国の成長率や税収見通しが非常に甘く、当初
予算では高く見積もり、
補正で減額することが常態化しかねない懸念があります。
第五に、デジタル推進や災害
対策、地方回帰
支援など、施策の方向性は否定しませんが、地方が自由に使えるはずの一般財源の補助金化が
拡大していることについては、懸念が残ります。
第六に、地方交付税法に基づく交付税の法定率引上げ等を含めた抜本的な改革が見送られているのは問題です。
総務省の概算要求で毎年度の事項要求にとどまっている法定率の変更を本格的に議論しなければなりません。
他方、二〇二一年度の地方
財政は三・六兆円の大幅な減収となり、地方財源不足が前年度比五・六兆円増の十・一兆円までに
拡大しています。
そうした中、あらゆる手段を講じ、前年度を上回る一般財源総額を
確保したことは、自治体の新年度
予算における安定的な財源に目途をつけたやむを得ざる措置であったと言うこともできます。課題は山積していますが、住民や
事業者の命と
暮らしを支える自治体現場を
支援するために、
賛成するに至りました。
最後に、地方
財政計画は、地方の標準的
行政水準を具体化するとともに、
日本社会の指針を表すものであり、
立憲民主党は、
新型コロナ禍だからこそ、地方の
皆さんとともに、従来の中央集権的なシステムから脱却し、分権、自治の花開く
社会を目指し、地方税
財政制度のあるべき姿を描いていかなければならないことを申し上げ、
討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(
拍手)