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山花委員 今、そうした特性について
説明がありましたが、私、ここ数年、
NHK予算のときには、特に災害時こそ
公共放送としての役割が大きいのではないかということを申し上げてまいりました。また、特に今年は東
日本大震災から十年という節目の年ですが、これも毎年この場でお話をしていますけれども、当時、与党側におりましたので、岩手県で現地対策本部長も経験をいたしました。
そのときに、これも毎年言っていることなんですが、思ったのが、あのとき、どうしても
報道というのが
東京目線で、恐らく、どれだけの規模の災害かということを伝えることが大事だからということだから、
理解はできなくはないです。今日何人御遺体が発見されましたとか、すごい数字だというのは分かるんですけれども、現場で避難所にいる方々にとっては、どうでもいいと言うと
言葉がよくないかもしれないけれども、そんなことよりも、避難生活が続いていて、どこどこに物資が届いたとか、やっとあそこの銭湯のところに水がつながったとか、そういうことの方がよっぽど大事で、
地域のFM
放送の方が、申し訳ないけれども、
NHKよりもよっぽど役に立っていたわけですよ。
そういう経験も踏まえて、この間、例えば、災害のとき、台風
情報とかL字の形で文字
情報で出す中に、単にそうした気象のことだけではなくて、生活
情報なども入れるべきではないかということを
指摘をしてまいりました。最近では、どこどこのスーパーが開いたみたいなことも入れていただいていると思います。その点は評価をしたいと思うんですけれども。
今回、波の
整理に当たって、今、FM、AM、それぞれ波の特徴についてお話しいただきました。FMはちょっと災害のときは余り強くないのかな。また、AMであれば、障害物があったとしても、例えば停電をしてしまって、
ネット環境もよくない、
インターネットも見られないというときでも、ラジオであれば、電池があれば聞けます。ちょっと、今どき鉱石ラジオがあるのかどうか分からないですけれども、あれは電池がなくても聞こえます。つまり、災害時には極めて強い、強いというか、強みを発揮するものだと思います。
先ほど、特にラジオ第一と第二の違いということで、全国
放送か県域かということでありました。これも、一々中身についてこうせよということではありません、アイデアとして聞いていただきたいんですが、例えば、近年、局地的な災害というものを我々経験していると思います。
例えば、南房総での台風被害のときがそうですが、あれも、どうしても
東京目線の
報道になってしまったりとか、近くといっても千葉支局からの目線であったりとかするんですけれども、先ほどお話があった、ラジオ第一みたいな県域
放送が可能であるという特性を考えると、そこを利用する。日常的にそんなことをする必要はありませんけれども、大規模なそういう局地的な災害があったときには、例えば、ちょっと矛盾するようなことを言うようですけれども、語学
放送なんかを止めてでも、そうした
地域の
情報を流すということが大事になることもあるかもしれません。例えば、もう孤立してしまってというところに
情報を届けるには、もしかしたらラジオしかないということも起こり得ます。
ですので、今回、波の
整理をされるということですけれども、そこのところについては是非御留意いただいて、アイデアとして受け止めていただきたいと思いますが、こうした局地的な災害について、場合によってはこうしたラジオ第一の特性を生かすということも有用ではなかろうかと思いますけれども、何か御所見があれば、お話しいただけますでしょうか。