○石井苗子君
日本維新の会の石井苗子です。
両
大臣、政
務官、御
就任おめでとうございます。参議院の
農林水産担当は維新は私だけでございますので、毎回
質問させていただくことになります。よろしくお願い申し上げます。
今日は、最初ということなので、まず
農林水産業の
構築について、つまりは強い
農家づくりについて、
大臣に具体的なイノベーションの紹介とお願いをしたいと思っております。
所信のその
大臣発言の十ページに、
SDGsについて以下の発言をしていらっしゃいます。
SDGsや
環境の
重要性が国内外で高まっていますと。また、後半に以下の発言がつながっています。
先端技術は、生産基盤の強化への貢献が
期待されています、
スマート農林水産業の
推進に向けた
技術開発や
現場の実装の促進、スマート
技術を用いた
農業支援サービスの育成を進めてまいりますと書かれております。これらの発言を踏まえまして、本日は、
SDGs戦略、特に強い畜産
農家づくりに合致するスマート
技術の直近の成功例の具体的なものをまず御紹介させていただきます。
北海道は、現在、
コロナ禍の第三波と言われております時期に、大変な苦労をされているようでございます。その中で、釧路の湿地
地域にあります、標茶町と読むんですけれども、畜産
農業が多い標茶町では、黒牛で星空の黒牛というブランド牛の生産が盛んでございます。そこの生産地です。
なのですが、大規模な畜産
農家になりますと、肉牛が四千五百頭、乳牛が百三十頭という、そういう飼育をしていらっしゃいまして、これらから出るふん尿が一日五十トン、一週間で四百トン余りと、大量な処理を必要とされます。天候が優れない時期などは強烈なアンモニア臭を発生して、先ほどからありますその
農泊ですね、
農泊事業という周囲の
観光業にも悪い
影響を与えております。ふん尿処理のために牧場と同じ敷地面積が必要でございまして、堆肥にするために半年掛かるということで、水質への
環境汚染も長年の懸念とされてきました。
この問題を
解決するために、この度、同町初となる牛のふん尿処理のシステムを標茶町の
農業生産法人が
導入をいたしました。本日は詳しい資料を配付しておりませんが、簡単にそのシステムを
説明します。
牛のふん尿をそのまま運んで真空タンクに入れます。真空タンク内で微生物を使って発酵し、低温、加熱乾燥させて水分を三〇%以下に減少します。約四時間で微生物がアンモニアを分解して、臭いのしないさらさらの土状になります。
おがくず代わりに敷料として使えるほか、肥料としても活用できるというリサイクルイノベーションシステムです。微生物を生かしたままこれをまた牛小屋におがくずの代わりに敷きますと、牛のふん尿のその臭いもそこでだんだん吸収していくことになりますので、徐々に周囲への悪臭も減少していくことになります。労働条件も良くなってきて、貢献度も高いということで、釧路総合振興局も、この臭い問題も含めて、
地域の大きな問題
解決につながる画期的なイノベーションシステムだと評価をしております。
このシステムを個人で
導入しますと、費用は三億五千万円、約、掛かります。個人で
導入した法人を私は視察に行ったことがございますが、現地に行かないと分からないほど牛のアンモニア臭というのはすごくて、生きたもののふん尿を処理するというのがいかに重労働であるか、アンモニア臭というのがどのくらいきついのかも
体験してまいりました。
この臭いがなくなるというのが一番ではありますが、真空タンクのメンテナンスの費用を聞きますと、大変安価です。水分がなくなるということで、河川の汚染
対策にもなります。海を守る
環境保護にも、内外ということでは
日本国はアピールすることができるということにつながっていきます。アンモニアを分解する微生物は、北海道の場合ではクマザサ生息地から大量に入手可能だということでございます。
ざっと
説明をさせていただきましたが、国はこれまでも
農業のトラクターあるいは乳牛の搾乳機には
補助金を出してまいりました。
農林水産政策の現状と
課題でしたか、現状と
課題の八十一ページを見ますと、家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針というのが出ております。
ここでお願いなんですが、
大臣はこの
SDGsや国内外の
環境への高まりを踏まえて、貢献度も鑑み、このイノベーションを来年度
予算のふん尿
対策システムということで、国の
補助金対象としていただけますでしょうか。御
検討お願いいたします。