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2020-11-11 第203回国会 衆議院 厚生労働委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十一月十一日(水曜日)     午前九時六分開議  出席委員    委員長 とかしきなおみ君    理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君    理事 菅原 一秀君 理事 長尾  敬君    理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君    理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君       青山 周平君    安藤 高夫君       上野 宏史君    大串 正樹君       大隈 和英君    加藤 鮎子君       木村 次郎君    木村 哲也君       木村 弥生君    国光あやの君       小島 敏文君    後藤田正純君       高村 正大君    佐藤 明男君       塩崎 恭久君    繁本  護君       白須賀貴樹君    田畑 裕明君       百武 公親君    村井 英樹君       山田 美樹君    渡辺 孝一君       阿部 知子君    稲富 修二君       尾辻かな子君    大島  敦君       川内 博史君    白石 洋一君       津村 啓介君    西村智奈美君       山川百合子君    山井 和則君       高木美智代君    桝屋 敬悟君       宮本  徹君    青山 雅幸君     …………………………………    厚生労働大臣       田村 憲久君    厚生労働大臣     三原じゅん子君    厚生労働大臣      山本 博司君    農林水産大臣      宮内 秀樹君    厚生労働大臣政務官    大隈 和英君    厚生労働大臣政務官    こやり隆史君    国土交通大臣政務官    鳩山 二郎君    政府特別補佐人    (内閣法制局長官)    近藤 正春君    政府参考人    (法務省大臣官房審議官) 堂薗幹一郎君    政府参考人    (財務省主計局次長)   宇波 弘貴君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君    政府参考人    (厚生労働省健康局長)  正林 督章君    政府参考人    (厚生労働省医薬生活衛生局長)         鎌田 光明君    政府参考人    (厚生労働省職業安定局長)            田中 誠二君    政府参考人    (厚生労働省雇用環境均等局長)         坂口  卓君    政府参考人    (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局長)           橋本 泰宏君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君    政府参考人    (厚生労働省老健局長)  土生 栄二君    政府参考人    (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君    政府参考人    (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君    厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十一日  辞任         補欠選任   木村 弥生君     加藤 鮎子君 同日  辞任         補欠選任   加藤 鮎子君     木村 弥生君     ――――――――――――― 十一月十日  予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案内閣提出第一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案内閣提出第一号)  厚生労働関係基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これより会議を開きます。  厚生労働関係基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房審議官堂薗幹一郎君、財務省主計局次長宇波弘貴君厚生労働省医政局長迫井正深君、健康局長正林督章君、医薬生活衛生局長鎌田光明君、職業安定局長田中誠二君、雇用環境均等局長坂口卓君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会援護局長橋本泰宏君、社会援護局障害保健福祉部長赤澤公省君、老健局長土生栄二君、保険局長浜谷浩樹君、国立感染症研究所長脇田隆字君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。菅原一秀君。
  5. 菅原一秀

    菅原委員 おはようございます。自民党の菅原一秀です。  田村大臣におかれましては、満を持しての二度目の御就任、まことにおめでたく思います。大変エキスパートでありますから、闊達な議論を期待をしております。  早速質問に入りたいと思っております。  新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は既に五千万人を超えて、死亡者も百二十六万人となっております。我が国が先進国の中では多いか少ないかという議論は別として、既に十万八千人を超え、死亡者も千八百二十八人、大変ゆゆしき事態に至っていることは言うまでもありません。北海道でも二百人を超えたり、東京も一週間平均で二百人を超えている。こういう状況の中で、冬場になって更に感染拡大が広がってきている。大変懸念すべき事態にある、このように思っております。  マスク着用手洗い励行消毒液励行、三密を避ける等々、当然自己防衛はしっかりやらなきゃいかぬわけでありますが、きのうから審議入りした法案は、ワクチンあるいは特効薬を始めさまざまな対策を組み合わせて感染拡大を防ぎ、また、終息に向けて努めていくということが喫緊課題であります。  そこで、新型インフル特措法についてこの春からいろいろ議論がございました、まずこれを聞きたいと思っております。  緊急事態宣言が出た際に営業自粛や時短ということを都道府県知事から要請するということは、特措法の二十四条の九項、あるいは緊急事態宣言の間は四十五条の二項に規定をされていまして、知事営業自粛を要請する権限があるわけですが、御案内のとおり、営業自粛を要請した場合に、いわば休業補償というものがついてきていない、規定がない、ここがやはり一番問題でありまして、やはり休業補償がなければ知事が幾ら要請しても事業者方々実効性が伴わないということが現実でありますから、今後、補償あるいは罰則等も含めて特措法改正を急ぐべきだ、こう思っております。  確かに大臣所管ではないということは重々心得ておりますが、ぜひ大臣の御所見を伺えればと思います。
  6. 田村憲久

    田村国務大臣 ありがとうございます。  今委員おっしゃられましたとおり、厚生労働省所管ではないわけでありまして、所管大臣西村大臣となりますので、私から細かく申し上げられるわけではないんですけれども、いろんな御議論があることは我々も承っております。  もちろん、いろんなお店、業種によって違うわけでありますが、そういうものに対してもっと強い規制をかけた方がいいのではないか、それに対して、補償という言い方がいいのか、それとも支援という言い方がいいのかというのはいろんな議論があるわけでありますけれども、一定支援をした方がいいのではないか、こういう議論もあります。  ただ、一方で、それは私権制限にかかわってくる問題でありまして、実は分科会の中でも賛否両論あるという状況であります。  いずれにいたしましても、内閣官房の方で検討を今進めていただいておるわけでございまして、しっかりと関係者方々の御議論をいただきながら検討いただけるものというふうに存じております。
  7. 菅原一秀

    菅原委員 確かに内閣府、内閣官房ということでありますが、ぜひ、発信力の高い田村大臣終息に向けての一助としてアシストしていただきたい、こんなふうに思っております。  次に、検査充実についてお伺いいたします。  感染防止策として、検査充実ということはもう喫緊課題だと思っております。特に、これから冬場になって気温が下がって、いわば湿度が下がってくる。そうすると、今、これからインフルエンザ流行期ということもあって、例えば、自分が熱を出した、熱が出たらば、これはコロナなのかインフルなのかわからないわけであります。  したがって、今までは三十七・五度の熱が四日あって、味がしなくなった、においがしなくなって初めて保健所を通してPCR検査という流れであったんですが、ここに来て、いわゆるかかりつけ医に診ていただいて、そこから検査ということの流れになった。これはいろんな課題があることも指摘をされていますが、身近なところで自分かかりつけ医に診てもらってコロナ検査に入るという動線ができたことは私は極めて重要なんだ、こう思っております。  二月のころはPCR検査は一日に二千件ぐらいだったのが、今や一日七万五千件。累積を聞いたら三百万件。一億二千万人に対して三百万件が多いか少ないか、十万八千人の感染者について三百万件が多いか少ないかの議論は別として、やはりもうちょっと検査体制を強化するということが大事だ、こう思っております。  そして、国民一人一人が、いわば、本来は行政検査で無料がいいんだけれども、もうちょっと自由な選択肢が提供されてしかるべきだ、こう思っていますが、この点いかがでしょうか。大臣
  8. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  感染拡大防止の観点から、行政検査需要に適切に対応するために全体の検査能力の底上げが重要であって、その結果として、いわゆる自費検査需要への対応に活用できる検査能力の余力がふえるというふうに考えております。  また、御指摘のとおり、自主的に検査を受けたいというニーズもあり、その選択支援することも必要であります。  このため、厚生労働省においては、利用者による検査機関選択に資する情報提供の強化と、検査機関情報オープンデータ化に取り組んでいこうと思っています。  このように、自費検査を希望する方が納得のできる価格と質の自費検査を受けられるよう、検査価格内容等情報について利用者に提供していく仕組みを構築し、利用者検査機関選択しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
  9. 菅原一秀

    菅原委員 ぜひそれはお進めをいただきたいんですが、例えば、お父さんが、会社である方が感染しました、そうすると、そこの会社の同僚として濃厚接触者になるんです。ところが、うちに帰って、そこの家族が三人いれば、三人は検査対象にならないんです。これはやはり行政検査を拡充していくべきではないかな。つまり、会社濃厚接触者となったけれども、家に帰って、その家族対象にならない、こういう現状があると思うんです。そのとおりですよね。それはやはり検査の範囲を広げてほしいと思います。それは要望だけにしておきます。  次に、やはり、検査がふえれば、当然、感染確認者数がふえて、重症者数も自然に一定程度ふえてくると思います。そこで、医療提供体制崩壊につながりかねないゆえに、その崩壊を招かないということが何よりも大事でありまして、これまでも、二次補正重点医療機関病床確保ですとか、診療報酬において、救急医療管理費加算、最大で三倍から五倍ということで、そういう算定になってきたということは非常に評価をしたいと思っておりますが、これから冬場を迎えて感染拡大が見込まれる中で、さらなる医療機関への支援が必要だと思っております。この点の御所見をお伺いしたい。  あわせまして、一時期、マスクがない、医療物資がないということで大変騒ぎになりました。その後、政府厚労省を始め御努力いただいて、大きな病院大学病院なんかはほぼ今普及をしてきたわけですが、やはり町中のクリニックとか小さな診療所なんかは、ニトリル手袋がないとか、あるいは使い捨てのガウンを実は毎日使っているんですよなんという声もあって、こういうところにきめ細かに対策を講ずるべきだと思いますが、この点も含めてお答えいただきたいと思います。
  10. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  医療機関等への支援については、これまで、第一次、第二次の補正予算によって一兆八千億円を措置し、新型コロナウイルス感染症疑い患者受入れのための支援等を行ってきたところであります。  また、インフルエンザ流行期には多数の発熱患者が発生することも想定し、これに対応する十分な医療提供体制確保も含め、予備費一兆二千億円を措置し、医療機関へのさらなる支援を講じたところであります。具体的には、緊急包括支援交付金を増額し、十月以降の病床宿泊療養施設確保していくとともに、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関診療報酬病床確保料の引上げを行っております。  また、マスク等個人防護具については、小規模な診療所も含めた医療現場需給状況を踏まえ、無償配付を実施してまいりました。サージカルマスク、アイソレーションガウン、フェースシールドについては、医療機関需給状況が改善してきているため、これまでの応急的な対応から、必要な備蓄を計画的に確保していく対応に移行しております。  なお、今後、感染拡大等により需給が再度逼迫するような場合には、都道府県を通じたプッシュ型配付を再開する予定であります。  N95等のマスク、非滅菌手袋については、依然として十分な量の確保が困難な医療機関があるため、現在、都道府県を通じた無償プッシュ型配付を継続し、緊急配付要請仕組みによる無償配付を実施しております。加えて、この冬のインフルエンザ流行期に向け、発熱患者等診療検査に必要な個人防護具無償配付も行っております。  まずは、これらの支援医療現場皆様に速やかにお届けするとともに、今後の感染状況地域医療実態等を踏まえ、類型ごと医療機関等経営状況も把握しながら、国民皆様に必要な地域医療確保できるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
  11. 菅原一秀

    菅原委員 しっかりやっていただきたいと思います。  ワクチンの問題についてお話を進めたいと思っております。  きのうの本会議答弁でも、菅総理から、令和三年前半までに全国民に提供できる数量を確保するという御答弁がありました。ずばり大臣にお伺いしたいんですが、今から来年の年央ということを含めると大体八カ月間というふうに見ていますが、このスケジュール感を簡潔にお示しいただきたいんですが。
  12. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 お答え申し上げます。  御案内のとおり、ワクチンにつきましては、国内外複数ワクチンについて複数治験が進められてございます。既に大規模に投与する第三相の試験も行われているところでございますが、具体的な開発時期につきましては、予断を持ってコメントすることは差し控えたいと存じます。  いずれにいたしましても、新型コロナウイルスワクチン承認申請があった場合には、国内外治験データ最新科学的知見を踏まえまして、ワクチン有効性安全性などについてしっかりと確認してまいります。
  13. 菅原一秀

    菅原委員 総理が本会議でも答弁されていますし、国民の関心が極めて高いわけでありますから、そのスケジュールですとか、どういう流れ臨床試験薬事承認、そしてPMDAを始め順序があるわけですから、ここをしっかりと捉えていただきたいと思います。  今それぞれお話がありましたけれども、アメリカモデルナ社契約を既にして、アメリカファイザー社、英国のアストラゼネカ社基本合意をしている、こういうふうに受けとめております。  先ほどのスケジュールの中で、例えば、海外承認した医薬品を迅速に国内承認手続をするいわゆる特例承認という制度があって、これは今回そういう流れなのかなというふうに私は予測をしているわけでありますが、やはり国内における薬事承認というのはしっかりやらなきゃいかぬのだと思います。PMDA始め、薬事食品衛生審議会における審査が本当に慎重かつ十分に行われて、ただ、海外で認められても日本で認められないということもあるんだと思いますよ。  その辺、やはり、この特例承認という手続でいいのかどうかも含めて、この場合の有効性安全性、ここをしっかり担保できているかどうかが一番の問題点でありますから、このあたりはどうでしょうか。
  14. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 新型コロナウイルスワクチン承認に当たりましては、先生御指摘のとおり、国内外治験データ、そして最新科学的知見を踏まえまして、有効性安全性などにつきましてしっかりと確認していくことは当然でございます。したがいまして、特例承認であるかを問わず、御指摘PMDA医薬品医療機器総合機構、それから薬事食品衛生審議会におきまして適切に審査を進めてまいります。  その際には、海外だけではなく国内臨床試験の結果やワクチンの品質につきましてもあわせて総合的に確認した上で、日本における承認の可否を判断してまいります。
  15. 菅原一秀

    菅原委員 一つ前の質問で、予断を持ってなかなかお答えできないというのも理解できなくはないんですけれども、いざ承認された後、あるいは使われた後、ここはやはりフィードバックしてしっかり検証しなきゃいかぬと思っております。そこは指摘をしておきたいと思います。  ワクチン接種しますと、どうしても、インフルエンザもそうですけれども、一定の副反応が生じるわけであります。言ってみれば、ワクチンを打たないで感染症拡大したり、あるいは重症化するというリスク、一方で、ワクチンを打って副反応が出るというリスク、どちらをとるかということを考えたときに、やはり、予防接種という制度においては、一定の副反応リスクをとってでもワクチンを打った方がパンデミックが起きない、あるいは感染拡大がしないんだということで、まずはその効果としてこれまでインフルエンザ等をやってきたわけであります。  しかし、今回の法案の中身、今後審議に入りますけれども、ここで指摘をしておきたいのは、健康被害救済措置としての医療費給付、これはしっかりやるべきだと思いますが、条文を見ると、製薬会社損失補償契約の部分がちょっと際立っている感じがあるんですね。では患者はどうなんだというところがちょっと条文から、行間では読み取れるけれども、なかなかそこら辺が際立っていないので、この点、大臣にお伺いしたいのは、健康被害が生じた場合、国がしっかり救済措置を行って責任を果たすということでいいんですね。
  16. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  今般提出している予防接種法改正案では、新型コロナワクチン接種により健康被害が生じた場合には、他の予防接種と同様に、予防接種法に基づく健康被害救済制度対象となります。  具体的には、健康被害が生じた住民からの申請を受けて、専門家により構成される疾病障害認定審査会において審査が行われ、審査を踏まえ、厚生労働大臣が認定したときに、市町村により給付を行うことになります。  なお、給付水準については、病原性感染力の程度に鑑み、緊急の蔓延予防を目的とする趣旨から、A類疾病定期接種と同様の高い水準とすることとしております。
  17. 菅原一秀

    菅原委員 話をまた努力義務のところに触れたいと思います。  今回の予防接種法改正では、接種対象者に対して努力義務義務ではない努力義務ということが課されています。一方で、その次を読むと、政令によって努力義務を課さないということも可能、そういう条文になっているわけであります。努力義務でありますから、打つか打たないかは御本人の判断ということになるわけですが、言ってみれば、薬事承認をしていながら、予防接種の段になったらば、ここは自由ですよというような、拡大をしているような法案になっているんですね。  ここは、例えば、子供に対して効果が薄いワクチンについて接種対象から子供を外すなんということもあるのか、あるいは、エッセンシャルワーカーは打つけれども、そうではない方は義務を課さない、努力義務を課さないというようなことなのか。その辺はどうなんでしょうか。
  18. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  議員御指摘のとおり、改正案では、新型コロナワクチン予防接種について、原則として接種勧奨努力義務を適用することとしている一方、必要に応じて例外的にこれらの規定を適用しないことを可能としております。  改正案では、努力義務をかけるかどうかは、対象者ごとリスクとベネフィットが異なり得ることから、例えば年齢とかそういう形で対象者を指定して適用除外とすることができるとしております。  対象者を指定する場合の具体的なケースについては、新型コロナワクチンはいまだ開発中のものであるため、ワクチンの特性や新型コロナウイルス感染症感染状況等も踏まえて検討していくことになると考えております。
  19. 菅原一秀

    菅原委員 ワクチン分科会でそこを徹底して議論していただいて、法律が非常にある意味ではファジーというか、行間を読み取れ的なところがあるので、そこはやはり国民にきちっとわかりやすい説明を、分科会等議論したものを披瀝をしていただきたい、こう思っています。  話がかわりますけれども、きょうは国交政務官鳩山政務官にお運びいただきました。済みません、お待たせをして。  最近、私は相変わらず駅に立っているんですが、駅に立っていますと、これだけ在宅勤務だ、テレワークだ、オンライン授業だと言われながら、八割、九割の方が相変わらずやはり駅に通って通勤通学をしていらっしゃる。ここにいらっしゃる多くの皆さんもそうだと思うんですが。そうすると、やはり、これから冬場になって暖房が入る。暖房が入るとどうしても、窓をあけろと言ってもあけない、換気が悪くなる。そうすると、電車、地下鉄、バスの中の空気感染リスクが高まるんだと思います。  やはり、これを避けるためには、電車の中、バスの中の換気空調設備に例えば高性能フィルターを張るとかあるいは高度な空気清浄機能を取り付けて、これは鉄道会社バス会社等でお金がかかることですけれども、これはやはりやらないと、くしゃみをする、せきをする、中にはマスクをしない人もいて、しゃべる、飛沫が飛ぶ。飛沫が飛んで、乾燥していますから、これがエアロゾルになって飛び回る、浮遊すると、これが結局感染の要因になるということを考えると、やはり、電車バスの中の空気清浄化機能を高める。飛行機は空の上で三分に一回空気の入れかえをしていますよね。空の上でできて地上でできないことはありませんから、ぜひこの点を国交省から全ての公共交通機関に要請していただきたい。  あと、ここにもある、デパートにもある、コンビニにもありますが、消毒液。駅の構内や電車の中に消毒液は見当たりません。これもやはり公共交通機関に奨励をしていただきたいと思いますが、政務官、いかがでしょうか。
  20. 鳩山二郎

    鳩山大臣政務官 御質問にお答えをさせていただきます。  鉄道等公共交通事業者においては、感染拡大予防ガイドラインに基づき、車内等消毒窓あけを含めた適切な換気の実施、新幹線駅等における消毒液の設置など、各種感染予防対策が行われております。  車内換気については、強制換気装置窓あけなどにより状況に応じて適切に実施しており、こうした取組について、冬季を含めて可能な限り実施いただくとともに、利用者の御理解、御協力を得るため、車内における放送等を通じ呼びかけを行っているところであります。  また、バス、タクシーにおいては、新技術を活用して高性能フィルターによりウイルスを除去するとともに、車内空気清浄状態を見える化する取組など、各種感染予防対策を通じて、利用者に安心して御利用いただける環境整備を進めてまいりたいと考えております。  国土交通省といたしましては、引き続き、感染予防対策の徹底が図られるよう、関係業界に対し、ガイドラインを個々の事業者にしっかり周知し、感染予防に万全を期すよう要請するとともに、事業者取組を一層支援するため、第二次補正予算により、地域公共交通事業者による駅、車両等の衛生対策や、車内等の密度を上げないよう配慮した運行等の実証事業への支援などを行ってまいりたいと考えております。
  21. 菅原一秀

    菅原委員 ありがとうございます。  電車の中、AIを使って、空気流れがどうなるかみたいなことも研究を進めていただければなと思っております。  ありがとうございます。引き取りいただいて結構です。  次に、雇調金の話をしたいと思います。  コロナ対策として、上限額の引上げ、十分の十、あるいは売上要件緩和等々をやってまいりまして、非常にこの特例措置が好評といいましょうか、時宜を得たものだと思っておりますが、十二月末で期限が来てしまいます。ぜひ、コロナ関係の解雇だけでも七万人を超えているという報道もありますし、自殺者の数も先月だけでも二千人を超えている。四割増なんですね。これは、全てがそうではないにしても、コロナ禍の中で本当に苦しい方々が多い中で、経営者側も大変ですから、この雇調金をぜひ、せめて来年の三月末までは延長すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  22. 田村憲久

    田村国務大臣 委員おっしゃられましたとおり、雇調金、特例措置で非常に手厚い対応をさせていただいております。  正規でいいますと、前年同月比で実は正規雇用はふえているという状況でありまして、これは雇用調整助成金が一定の役割を果たしていただいているのかなというふうに思います。  一方で、いろいろな団体からこの延長の話があるんですが、九月の時点でしたか、前任の加藤大臣が、失業者それから休業者が急増するような雇用情勢が大きく悪化しない限り、通常制度に向けて段階的に戻していく、こういう発言をしておられます。  労働者、働く方々がずっと休み続けるとモチベーションが下がるというようなお話もありまして、そういう意味では、やはり何とか働いていただける努力もしていかなきゃならない。そこで、在籍したままの出向という形、実は雇調金の中でもそれを支援する制度はございます。貴重な労働力が社会に参加いただいて初めて、経済成長等々、社会を動かしていただけるわけでありまして、全体を見据えながら、そういうものも含めて、しっかりと失業なき労働移動のような形の中で雇用が守れるように、こういうふうな考え方のもとでこれから制度自体を検討してまいりたいというふうに思っております。
  23. 菅原一秀

    菅原委員 そうだろうと思いますが、特例措置の間はぜひ縮減ということは行われるべきじゃないということを私は申し上げておきたいと思っております。  不妊治療の保険適用拡大についてお話をしたいと思っております。  私も、十五年前に初めてこの問題を国会で取り上げて、予算委員会始め、もう四回、五回、この問題を質問してまいりました。  十五年前、私が不妊治療を保険適用してほしいと言ったら、厚生労働省や中医協は、妊娠、出産は病気じゃない、疾病じゃないからと言って、保険医療になじまないんだと言うんですね。それはおかしいだろうと言って食い下がった中で、ここに来てようやく、時を経て、ホルモン検査ですとか子宮卵管造影法ですとか、こういったものは保険適用の対象になってきたんですが、やはり数が多いのが顕微授精あるいは体外受精ですね。これは一回四十万平均で、回を重ねると二百万、三百万とかかってくる。年収三百万、四百万のサラリーマン家庭ではとても無理です。ですから、ここをぜひ保険適用してほしい、すべきだ、菅総理の思いを形にしていただきたいと思っています。  大臣からは、年末に向けて工程を明らかにするという所信がございました。年齢の高い方にとっては、もう一分一秒、スピード感が本当に命綱であります。この保険適用に向けて、ぜひともリーダーシップを発揮していただきたいんです。  一方で、不妊治療というのは、患者とパートナーの年齢あるいはその状態に応じて治療方法をオーダーメードでやっていくというところがあって、最先端の治療法ですと、それが保険適用外になっていることが多いんですが、それを、両方の治療をかけ合わせると、混合診療は原則禁止ということで、全額払わなきゃだめなんです。保険適用になっているものも全部自分で負担しなきゃいかぬ。こんなばかな話はありません。  やはり、お子さんを授かりたい、その可能性を広げていくという意味では、是が非でも解消していきたい、してほしい、こう思っておりますので、この改善をお願いをしたいと思っておりますし、言ってみれば、自分に合った治療法が受けられなくなるのではないかという不安をお持ちの方も多いと思います。  したがって、この不妊治療の保険適用の実現というのは、治療の質そのものが後退してしまったのでは元も子もありませんし、保険適用ということ自体が目的化して治療の質が後退するようなことがあったらばもとのもくあみでありますから、ここはぜひ大臣に強い決意を持って実現かたがたやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  24. 田村憲久

    田村国務大臣 総理から任命いただきまして、総理から、不妊治療の保険適用をぜひとも早急に実現をするようにという指示をいただきました。それまでの間、若干時間がかかりますので、助成制度拡大というような話も指示を受けておりました。  今言われたとおり、不妊治療はいろいろな技術があるわけでありまして、それを保険適用するということ自体、やはりどの部分を保険適用するのか、また、それによって保険に入らない部分があったとした場合、それをどう考えるのか、例えば保険外併用療養等々をこの中に組み込むというのも一つだというふうに思います。  いずれにいたしましても、委員が言われておられるような、これによって不妊治療の技術が進まないというようなことがあったのでは、これは本当に、不妊で大変お困りの方々にとっては大変困ったことになるわけでございますので、その両立ができるように、関係者方々としっかりと議論をさせていただきながら制度をつくってまいりたいというふうに考えております。
  25. 菅原一秀

    菅原委員 終わります。ありがとうございました。
  26. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、桝屋敬悟君。
  27. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。  大臣ときょうは議論ができることを楽しみにしておりました。  最初に、今臨時国会における取組についてちょっとお話をしたいのでありますが、この臨時国会、先ほどから議論がありますように、コロナ対策のために必要な予防接種法等の改正案など、この法律を成立させることが大きな責務といいましょうか、役割だというふうに考えておりますけれども、日程的にも非常に短い期間でございまして、ぜひとも議員立法の法律審議、成立させたいと強く希望してございます。  さきの通常国会で、六月の十二日、衆議院に提出をされました労働者協同組合法案、これは全会派一致で提出されたものでありまして、何とかこの国会で成立をさせたいと希望しているところでございます。提出者の一人として、委員長及び与野党の理事皆様方に、ぜひとも御理解、御協力をお願いしたいというふうに思っている次第でございます。  なお、本当は、私は、さきの内閣改造、新しい政権の誕生、たしか田村大臣は安倍総理がスタートのときも厚労大臣、今回も新しい政権の誕生で厚労大臣ということで、そういうことになるんじゃないかなと私は随分懸念をしておりました。田村大臣以外にいないとも思っていたわけでありますが、この労働者協同組合法案の筆頭提出者でありましたので、審議がありますと、大臣答弁を期待したいなと、それもできない話でありまして、橋本岳先生にも提出者にお入りいただいたので、しっかり取り組みたいと思います。どうぞ、委員長理事皆様、よろしくお願い申し上げます。  さて、コロナ法案の中でしっかりコロナ対策議論したいと思いますが、私は、今、令和三年度の厚生労働省の予算の編成作業、概算要求も終わりまして、編成作業が続いているわけでありまして、気になる話題を二つほど議論をさせていただきたいと思います。  ことしの概算要求もいつにない形でありましたし、これから予算編成に向けて、例えば、これは全てコロナなんですけれども、シーリングがはっきりしない、あるいは社会保障の自然増がどういう形になるのか、これもコロナ対策における医療の動向等が気になるところでありますが、そうした予算編成作業、いつにない予算編成作業の中で解決しなければならない問題が幾つかあるというふうに思っております。  今申し上げました、コロナ禍における医療費の動向、社会保障関係費の伸びがどうなるのかというようなこと、あるいは薬価改定をどうするか、さらには介護や障害報酬の改定なども見込まれているわけでありまして、大きな課題があるなと思っております。  加えて、きょうは、例のB型肝炎の給付金の問題があると考えてございます。  この法律、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、実は私が落選中にできた法律でありまして、再び国会に帰ってきますと、いろいろ、特に財源をめぐって、これは将来にわたって整理をしなければならないな、これは与党も野党も超えた大きな課題ではないかと思っている次第でございます。  そこで、局長で結構でございますが、今、この給付金、B型肝炎訴訟に係る給付金の動向、これは支払基金に基金を積んで支払い事務が行われていると理解しておりますが、その基金、給付金の状況、あるいは基金の残高、さらには今後の見通しなどについて、概要で結構でございますので、御説明をいただきたいと思います。
  28. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給状況については、令和元年度末までの提訴者数、総数は約七・六万人、支給総額は約六千六百億円であり、令和元年度末現在の基金残高は約三百億円であります。  近年、提訴者数が増加しており、令和元年度においては約千三百億円の給付を行いました。これまでの提訴の状況から、給付額が高水準で推移しているここ数年の状況が今後もしばらく続くと見込んでおり、今後五年程度は給付額が毎年一千億円以上になると想定しております。
  29. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 今、現状を御報告をいただきました。  やっと請求者の方々もふえてきたということで、ここ五年ぐらいは一千億オーダーで給付費が重なっていくということでございますが、もともと、このB型肝炎訴訟の解決のための枠組みでは毎年一千四百億円の税財源が確保されるはずであったわけでありますが、復興増税の時期と重なったこともございまして、毎年五百七十二億円にとどまっている。したがって、財源不足はこの特別措置法制定時からの課題ではなかったか、こう思っているわけであります。  ここは与党も野党も超えて、ぜひ解決しなければならない問題ではないかと認識をいたしております。この財源にめどをつけなければ、来年のみならず、ずっとこれからの厚生労働省の予算を圧迫し続けることになるんじゃないかと私は懸念をしているわけでありまして、ここは田村大臣の御所見を伺いたいと思います。
  30. 田村憲久

    田村国務大臣 委員おっしゃられましたとおり、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法ということで、平成二十三年七月でしたか、B型肝炎訴訟の全体解決の枠組みに関する基本方針ということで方向性が決まってきたものであります。  当時、民主党政権だったと記憶いたしておりますが、超党派で、何度か私もメンバーでこの中に参加させていただきまして、議論をさせていただいた中での枠組みであったというふうに記憶いたしております。  言われたとおり、五年間で必要な費用一・一兆円ということで、これに対しては、年間一千四百億円、そのうち〇・七、七千億円ですかね、これを税制上の措置により確保するということだったんですが、ちょうど復興増税と重なってなかなか難しかったというふうに記憶をいたしております。  財政上及び税制上の措置に基づく財源確保、こういうことを法律に書き込んだ中において、毎年五百七十二億円措置しておるわけでありますが、令和元年度一千三百億円ということでありまして、来年度に向かって、この五百七十二億円と、それから積立金の残高、さらには基金の余剰金の返納分等々、こういうものをあわせながら予算措置をしていかなければならないということでございまして、大変厳しい社会保障財源でございますので、私も苦慮しておるわけでありまして、今、予算編成上で検討いたしておる最中であります。  何とか財源を確保しないと、これはもう支払わなきゃいけない、そういう意味でのお金になってまいりますので、いろいろな知恵を我々も出しながら、何とかお困りの皆様方に対して対応をしていかなきゃならぬ、そんな思いでございますので、また委員にもいろいろな御協力をいただければありがたいというふうに思います。
  31. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 ありがとうございます。  今、B型肝炎訴訟の経緯などについてお話をいただいたわけであります。  今大臣からもお話がありましたB型肝炎訴訟の全体解決の枠組みに関する基本方針、これのお話もいただいたわけでありますが、ここはやはり、この基本方針の中では、財源は、御案内のとおり、これは注射器の使い回しということで、本当に不幸な歴史があるわけでありまして、この解決のためには国民全体で分かち合うということが大事なわけでありまして、そういう意味でも、税財源で確保するという議論もなされたわけであります。  心配するな、厚労省だけにしわ寄せは行かさぬぞ、財務省に任せなさいと宇波主計局次長から一言いただければ私は大変安心なのでありますが、財務省のお考えもちょっと確認をしておきたいと思います。
  32. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、B型肝炎給付金でございますけれども、これは平成二十三年七月の閣議決定、今、田村大臣からお話のあったものに基づいて給付金を支給しております。  おっしゃった、国民全体で広く分かち合うということで、税制上の措置、それから、その基本方針の中では、あわせて厚生労働省における基金の剰余金の返納、遊休資産の売却等によりというようなことが書いてあって、財源を確保しながら、ただ、きちんと、要するに支給に滞りのないようにしていこうということがここに書いてあることかと思います。  この基本方針を踏まえまして、税制上の措置については先ほど田村大臣から御答弁いただいたような経過を踏まえておりますけれども、それを踏まえて、例年、当初予算において五百七十二億円、これに加えまして、これまで厚生労働省における基金の返納などによって必要な財源を確保するなど、毎年の予算編成において給付金に必要となる財源を確保してきたところでございます。  引き続き、この給付金の支給に支障が生じないということが大前提かと考えておりますので、提訴、和解状況を踏まえつつ、毎年度の予算編成を通じて適切に財源を確保してまいりたいというふうに考えてございます。
  33. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 先ほど大臣からもお話があり、今は宇波次長さんからも、五百七十二億の当初予算、これに対して当面は一千億を超える給付が見込まれるという状況でありますから、この財源をどう確保するかということは極めて大きな課題だと思っております。  そこで、十一月の六日でありました、私ども与党の肝炎対策推進議員連盟、参議院の尾辻先生が会長でありますけれども、国会内で会合を行いまして、先ほどから大臣からもあったような状況も実態を確認をさせていただいたわけであります。  来年の通常国会では恐らく請求期限のさらなる延長の法案も見込まれる中で、ここは、この財源問題、きちっと決着をつけておかないと、いたずらに結論を先送りし毎年毎年苦しむということは、これは国民の理解が得られないのではないかと。  特に、何度も言いますけれども、厚労省予算というのはもう本当に、医療、介護あるいは福祉等、毎年悩みながら作業をしているわけでありますから、そこへしわ寄せが行くということは断固避けなくてはならないんじゃないか、こう私は考えているところでございまして、そういう方向で尾辻会長とも協議をいたしまして、議連で決議をさせていただいたところでございます。  この問題は決着をつけよう、当面の見通しをしっかりと整理しようということで、きのう総理も第三次補正予算編成の指示をなされたというふうに理解をしております。既に自民党、公明党、与党の政調会長も言及をされておられまして、議連としては、請求期限の延長なども見越した上で、この五百七十二億円では足らない部分、今後の、先ほど五年間という話もありましたが、令和八年までも想定をして、不足分三千五百億円、この程度をぜひこれは補正予算で措置をした方がいいというような議論も行いまして、これからそれぞれの政調で働きかけていきたいというふうに思っているわけでございます。  本日は、議連の一員としての思いをこの場で報告をさせていただいたところでございます。何度も言いますけれども、宇波次長、こんなので毎年苦しむのは嫌なのでありまして、ぜひとも我々議連の思いもお酌み取りいただいて、心配するなと一言お声をいただければこんなうれしいことはないのでありますが、いかがでしょうか。
  34. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 三年度の当初予算、今、予算編成期でございますので、そういう意味では、かたい答弁になることを御容赦いただければと思います。  予算編成過程において厚生労働省とよく協議して検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、その支給に支障のないように財源を確保していくことが肝要かと考えております。  今お話のあった補正予算の方は、これまでは先ほど御説明申し上げました基本方針に沿って、厚生労働省における基金の返納等、これらによって確保した財源を補正予算という形で措置をするという形で進めてきているところでございます。これまではそういう形で進めてきているところでございます。この扱いも踏まえて、引き続き厚生労働省とよく相談してまいりたいというふうに考えております。
  35. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 いろいろなアイデアがあると思いますけれども、例えば政府保証つきの支払基金に借金をするとか、そういうこともありますけれども、先ほど申し上げた、多分来年の通常国会では、この問題、請求期限の延長ということも含めて、この委員会でも対策について議論をするようになると思いますので、私はやはり、いたずらに先送りする、基金の返納で何とかやりくりするというようなことではなくて、多くのB型肝炎の皆さん方が関心を持って見ておりますから、一定の方向性を示さなければならないというふうに考えている次第でございます。  それから、きょうはもう一点だけ、全世代型社会保障の議論もしておきたいと思います。安倍政権から検討が続けられております全世代型の社会保障改革について、一点だけ確認をしたいと思います。  既に昨年暮れ、全世代型社会保障検討会議において中間報告が取りまとめられました。これから最終報告に向けて、医療の三位一体の改革、あるいは給付と負担の問題、とりわけ高齢者の窓口負担のあり方などについて議論を進めなければならないというふうに考えてございます。  中間報告では、後期高齢者であっても一定所得以上の方については、その医療費の窓口負担を二割とし、それ以外の方については一割とするという、わけのわからない文章になったわけであります。  その医療費の窓口負担を二割とし、それ以外の方については一割とするという、もっともの、当然の表現でありますが、これをぜひとも書いてもらいたいと強く要請したのは我が党でございまして、その心は、やはり、私ども、政府が中間報告をまとめる際も提言をさせていただきまして、今後の医療保険制度改革に当たっては、いたずらに働く現役世代と高齢者世代を対立関係に位置づけるのではなくて、お互いにウイン・ウインの関係といいましょうか、高齢者世代の安心とともに働く世代の納得といいましょうか、それも、働く現役世代も恩恵を受けるという、そうした整理をしなければならないというふうに思っております。  ぜひ、これからの議論、今後の検討に当たっては、大臣、我々公明党は、やはり原則一割という、一割を原則とするという理念を大事にしたいと。その心は、後期高齢者であっても、所得がいわゆる一般区分に該当する方々でも、例えば所得のある子供さんと一緒に暮らしているとか、あるいは、たとえ一割であっても、その他二割負担の方と金額的には、それだけ医療にたくさんかかっているわけでありますから、同じような負担になっているというケースもありまして、ここはやはり高齢者の疾病あるいは生活の状況というのをよく勘案をして検討を進めなきゃならぬと我々公明党は強く思っているわけでございまして、最後に大臣の御所見を伺って終わりたいと思います。
  36. 田村憲久

    田村国務大臣 委員がおっしゃられた窓口の負担の問題でありますけれども、今、七十五歳以上、現役並み所得の方々は三割負担ということになっていますが、それ以外は一割負担であります。  一方で、人口構成が変わってまいる中において、どうしても支え手が減ってくるということになれば、そこに過重な負担が行くというのも、これは持続可能な社会保障という意味からするといろいろな課題も出てくるわけでありまして、全世代型の社会保障というような考え方の中で、負担能力のある方々、こういう方々に関しては高齢者であっても御負担をお願いをするということで、二割負担という議論が出てまいりました。  ただ一方で、言われますとおり、やはり、加齢に伴う医療費というものは、当然、若い世代、現役世代よりも受診回数もふえるわけでありますし、費用、自分の窓口負担もふえてくるわけでありまして、そういう意味からいたしますと、高齢者の疾病状況でありますとか生活の状態、こういうものをしっかりと勘案をしながら、最終的には検討し、決定してまいりたいというふうに考えております。
  37. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 やはりこういう話になりますと、その後ろに座っておられる宇波さんの顔が大変気になるわけでありまして、きょうはこの議論も聞いていただきたいと。  我が党も政調会長がかわりまして、新しい、竹内という政調会長の体制になりました。前の政調会長が、原則一割というのは、その当該世代の半分以上はやはり一割でなきゃならぬというようなことを言った節もあります。  私は、実はその声は賛成ではありませんで、そんな簡単な話ではないというふうに思っておりまして、今大臣がおっしゃった、やはり高齢者の疾病状況、特にコロナで今大きく外来の状況というのは変わっております。あるいは、その外来の機能の検討も政府で、厚労省で行われているという状況がございますから、よくよく高齢者の疾病の状態そして生活の実態というものも、あわせてここは大きなテーマになるというふうに思ってございますが。  何か宇波さん、言いたそうな顔をされていますが、もし発言がございましたら、どうぞ。
  38. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 通告のいただいていない御質問であります。  全世代型社会保障改革会議の中間報告に沿って、今後、年末までに向けて、一定以上の水準をどういうふうにするかということを政府内でも検討いたしますし、その際に、与党に十分御相談しながら進めてまいりたいと考えておりますが、財務省といたしましては、御指摘いただいたような高齢者の疾病、生活実態、それに与える影響というのも一方にありつつ、他方で、コロナの影響も含めて、現役の世代の御負担というのもやはりございます。  後期高齢者医療の拠出金、御承知のとおり、足元で七兆円近いお金を現役から御負担をいただいておりますし、これは二千億を超える規模で毎年毎年ふえており、それが現役世代の保険料の上昇、毎年の保険料の上昇になっておりまして、それが可処分所得を圧迫するということにもなっております。  やはり、全世代型社会保障改革という考え方に立って、現役負担等の軽減ということもあわせて考えながら、これは検討していくべき課題ではないかというふうに私どもとしては考えてございます。
  39. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 済みません、通告もしないで、そこへ座っておられる姿を見るとどうしても声をかけたくなりまして、恐縮でございますが。  今、宇波次長がおっしゃったとおりでありまして、全世代型の中間報告、あれは本当によくよく整理された文章だろうと思っております。当時の安倍総理も、特に高齢者の生活実態ということはよくよく考えなきゃいかぬと、私どもが提言をお持ちした際にもそういう御発言もいただいているわけであります。私も一度落選を経験いたしましたが、やはり国民の負担を求める、負担増を求めるというときにはよほど丁寧に議論しなきゃならないということを痛いほど感じている一人でございます。  と同時に、今、宇波次長がおっしゃったように、これからの作業は、お年寄りの方々が何とかこれだったら安心できる、同時に若い方々もこれだったら希望が持てる、この両方が必要でありまして、そういう意味では、宇波次長がおっしゃった、現役世代の高齢者医療への負担というのは、それは相当のものになっているわけであります。特に、健保連の皆さん方がおっしゃっているように、現役並みの収入のある方はこれは三割、なおかつ、そこは公費が入らない、こういう問題もありまして、もう現役世代の保険が限界を来しているということも、これも同時に事実でありますから、そうしたことを踏まえて、全世代型の困難な作業を進めなきゃならぬというふうに私どもも考えている次第でございます。  年末に向けてしっかりと議論をさせていただきたいということをきょう申し上げて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  40. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、長妻昭君。
  41. 長妻昭

    ○長妻委員 おはようございます。立憲民主党の長妻昭でございます。  まず、抗議を申し上げたいのでございますが、ある意味でこのコロナの危機、国家の危機でございますが、その中においても、国会を野党が要求しているのに全然開かない、何カ月も開かずに、やっと開いたということで、非常に遅過ぎるということについて、与党に厳重に抗議をしていきたいというふうに思います。  そして、田村大臣、二回目御就任おめでとうございます。ただ、今回、コロナ感染、私は、第三波の入り口に立っているどころかもう第三波になりつつあるというふうに思っておりますので、田村大臣の両肩には国民の命と暮らしが重く乗っている、この厚労委員会もそうでありますけれども、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。  そして、今回のパンデミックを見ますと、二十世紀以降、五度目のパンデミックじゃないかというふうに思います。スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪、新型インフルエンザ、そして今回の新型コロナ。そして、お亡くなりになった方は百二十六万人ということで、最もお亡くなりになった方が多かったのはスペイン風邪でございます、数千万人でございますが。二番目がアジア風邪で約二百万人ぐらいの方がお亡くなりになっておられるということで、お亡くなりになった方の数を比べるというのは不見識かもしれませんけれども、比べますと二十世紀以降のパンデミックで三番目に多いということで、この数がふえないことを祈りますけれども、ふえるとこのアジア風邪をしのぐようなお亡くなりになった方が出る、二十世紀で二番目に被害が大きいパンデミックになりかねないということで、これは本当に国家の危機、世界の危機として取り組まなきゃいけない。  そして、今の感染状況を概観いたしますと、感染者の八割が軽症、今の時点の日本ですけれども、残り二割が肺炎などで入院する要入院、入院されたうちの四分の一がICUで治療、こんなようなことだと思います。八十歳代では感染者の一六%がお亡くなりになっておられる、非常に高い。七十代で七%、六十代で二%、こういう今の日本の現状があります。  そこで、この冬を乗り切るということが大変重要になってまいります。その中で、一点、我々、共有しなきゃいけないのは、感染者を追い詰める社会自分の首を絞める社会である。つまり、感染者を追い詰める社会というのは、行動履歴を隠す人がふえたり、検査を受けない人がふえたりしてしまうので、感染者の方について、これは自己責任であなたの責任だというような差別、偏見というのが決して起こらないように、それはみずからの首を絞める社会になってしまうということも肝に銘じておかなきゃいけないというふうに思います。  そこで、私はちょっと首をかしげることがございます。  きょうは農水の副大臣も来られておられますけれども、きのうから北海道ではGoToイートの食事券が発売された。GoToイートキャンペーンということでありますが、私は、全部コロナ終息した後やっていただくのは、これはもちろん大歓迎だと思いますけれども、ほかの手段で、予算があるわけですから、予備費もまだあるわけですから、業界の方をお支えするというのをやった方がいいんじゃないのか、本当に大丈夫なのかということなんですが、GoToイートで感染された方というのは、利用者はゼロということですが、従業員、どのくらいですか、店舗数とか。
  42. 宮内秀樹

    ○宮内副大臣 お答えいたします。  従業員数でございますか。(長妻委員「はい。お店の数と従業員数」と呼ぶ)GoToイートキャンペーン事業の参加飲食店の従業員で、事業者を通じて新型コロナウイルス感染の報告があった人数でよろしいですか。(長妻委員「これの二番。配付資料しているじゃない、一番最後のページ」と呼ぶ)  感染の報告があった人数は十一月九日時点で十五名、店舗数は十一店舗となっております。また、その内訳ですが、北海道は四店舗八名、千葉県二店舗二名、愛知県一店舗一名、大阪府二店舗二名、広島県一店舗一名、徳島県一店舗一名となっております。
  43. 長妻昭

    ○長妻委員 これは十月から始まったばかりということで、本当にこれはちぐはぐじゃないかなと思いますね。きのうも、尾身先生座長のコロナ分科会で飲食店について厳重注意というお話があったわけです。  きょうは国立感染研の脇田所長も来ていただいて、田村大臣、政治の立場と、科学者の立場から、いろいろきょうお話をお伺いしたいと思うんですが、脇田所長、このGoToトラベルキャンペーンとかGoToイートキャンペーンというのは、科学者の立場から見てどういうふうにお考えですか。
  44. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答え申し上げます。  GoToトラベル事業それからGoToイート事業、これは、感染防止のために検温とか体調の確認とか換気消毒、三密回避、そういった感染防止を事業者、旅行者、それからGoToイートであれば利用者が徹底的にやっていただいて、事業を実施するというふうに伺っています。  一方で、分科会におきましては、主にそのときはGoToトラベルについて議論をしました。そのときに、ある都道府県がステージ3ということで判断をされれば、当該事業における感染リスクを総合的に考慮して、当該の都道府県を除外することも検討していただきたいというふうに政府には提言をしております。
  45. 長妻昭

    ○長妻委員 ちょっと、脇田所長、いろいろなマスコミのインタビューではもっと歯切れよく批判をされていた記憶があるんですが、余り、科学者ですから、今回ちょっと普通と違うんですよ。つまり、政治的判断も重要ですけれども、科学者が政治的判断に引きずられたら私は世も末だと思いますよ。やはり、科学者は科学者なりの判断を言っていただかなきゃいけないと思います。  ぜひ、GoToトラベル、GoToイートキャンペーン、私は、別の形で業者の支援、これをすべきだというふうな意見を申し上げておきます。ぜひ農水副大臣もお考えいただければ。  これで農水副大臣、御退席、結構ですので。  それで、田村大臣検査の件で一点お伺いしますが、十一月から通常は季節性インフルエンザがはやり出すということでございます。そういう意味では、同時に検査をする体制、インフルとコロナ田村大臣は、抗原検査キットの方ですね、キットの方を一日約二十万件検査できる体制をつくるとテレビ等でもおっしゃっておられて、きのう、うちの中島議員が総理に聞いたところ、来年一月までに二十万件一日の体制をつくります、こういうふうにはっきり答弁されましたけれども、大臣、一月ということは遅いんじゃないでしょうか。一月でいいんですか。
  46. 田村憲久

    田村国務大臣 私が申し上げた、一日二十万件と言いますが、大体ワンシーズン二千万回ぐらい、例年インフルエンザ検査をやっているという実態があります。毎年のようにインフルエンザが発症されるとすれば、ことしは今のところ比較的少なくて、十月の数字を見ていますと百分の一ぐらいの定点での数になっているんですけれども、しかし、これからシーズンですから、例年並みのことを考えなきゃいけないということで、それで、シーズン二千万回、毎年やっているのと同じぐらい、やはり、来た場合どちらをやるか、これは医師の判断になりますので、それぐらいの検査キットを確保できなければならないということで、ずっとこれは役所の方にも指示をしながら……(長妻委員「一月」と呼ぶ)ちょっと、全体の流れですから。  それで、メーカーにもお願いしてまいりました。大体一月で二千万ぐらい供給できるだけの体制をとっていただくということでお願いして、大体その方向でございます。  ただ、一日二十万件というのは、これは平均でございますので、当然十一月はまだ例年インフルエンザは少のうございまして、だんだん十二月から一月、二月の頭ぐらいがピークになってくるということが例年多いんです。ですから、それに向かって、需要があった場合にちゃんと供給できるようにというような体制をお願いをさせていただく中において、一月いっぱいで二千万件、何とかできるようにということを、大体こういう方向でメーカーの皆様方にお願いし、そのような体制をつくりつついただいているという状況であります。
  47. 長妻昭

    ○長妻委員 もっと早くそういう体制を整備していただきたいと強くお願いします。今、大臣も御存じのように、インフルエンザワクチン、地域によっては順番待ちというか相当殺到してなかなか打てない、こういう現状があります、後でもちょっと質問しますが。インフルワクチンコロナに効くというような話も一部出回っているようでございまして、それも後で確認しますけれども、ぜひ、いずれにしても、インフルワクチン、同時の検査体制を一月と言わず早目にやっていただきたい。  そして、きょうはこの一般質疑が終わった後に予防接種法の趣旨説明、それがあると聞いておりまして、このワクチンについて、これから残りの時間、質問をしたいというふうに思います。  まず、ワクチンのコンセプトというのは、弱い病気を起こさせて強い病気を予防するということで、つまり、薬は病気の方に投与しますが、ワクチンは多くの健康な方に投与するということで、より安全性が薬以上に、薬もそうなんですけれども、求められるというようなことだと理解しております。  いろいろな先生方と意見交換しますと、急がば回れ、急げばリスクは高くなる、ただ、その一方で急がなきゃいけないというニーズも我々わかります、そのバランスが必要だ。そして、真の勝負は承認後にある。つまり、打った後にちゃんとサーベイランスをしていくのが本当の勝負なんだということも言われておられます。  日本という国は、欧米に比べますと感染率が今のところ低い。つまり、自然免疫を持っておられる方が一%もないんじゃないか、こういう意見もありますから、ほっておいたら免疫がふえるわけじゃない。つまり、我が日本コロナ終息させるためには、何しろワクチンが非常に重要になってくる、ポイントだ、こういうふうに考えております。  そこで、先ほどもちょっと答弁いただきましたが、脇田所長に来ていただいて、脇田所長は、私も尊敬する、世界の、日本が誇る学者だと思います。世界で初めて培養細胞でのC型肝炎ウイルスの増殖に成功されたということで、それによってワクチン開発の道が開かれたということで、世界的権威でもありますので、きょうは本当に議論できることを喜ばしく思っておりますので、科学者の立場からお願いをしたいと思います。  先ほどちょっと触れましたことなんですが、先日、私、地上波のテレビを見ておりましたら、ある高名な、ワクチンの、ウイルス専門家の教授が、インフルエンザワクチンはある程度コロナよけに働くだろう、こういうようなお話をされておられて、これについて、私のところにもいろいろな方から、本当なのとかいろいろな問合せが来ているんですが、脇田所長、いかがですか。
  48. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  長妻先生お問合せのインフルエンザワクチンコロナにも効くかというところですけれども、さまざまな大学の先生方が御意見をお持ちということで、私もそこは調べておりますが、現在、インフルエンザワクチンの主要な効果は、もちろんインフルエンザウイルス感染症の重症化予防ということが明らかになっています。一方で、新型コロナウイルス感染症に対してインフルエンザワクチンが直接的に有効性を示したというコンセンサスは、今のところまだないというふうに承知をしております。
  49. 長妻昭

    ○長妻委員 直接的にというのはどういうことなんですかね。間接的にはあるということなんですか。
  50. 脇田隆字

    脇田政府参考人 今、科学論文というのが、査読を経て、それで出版をされるということなんですが、最近は査読前の論文も公開をされるということになっています。  その中の査読前の論文を見ますと、一部、臨床で研究をした内容で、インフルエンザワクチンを投与した人がコロナの発症が少ないというようなデータが出ていますけれども、これは臨床試験の結果ではないので、今のところまだ科学者の間ではコンセンサスはないというふうに承知をしています。
  51. 長妻昭

    ○長妻委員 次に、この新型コロナウイルスワクチン接種することになったとき、やはり国民の皆さんにはリスクとベネフィットを的確に説明するということが大変必要になってくると思います。そういう意味では、一つの肝は、この申請が上がってきたら、御存じのようにPMDA、独立行政法人で審査をして、そこの報告書をもとに薬事食品衛生審議会、いわゆる薬食審というところで先生方が審議をして、そこで了解がとられれば、今度は大臣のところに行って大臣承認するということで、非常に責任重大なわけでありますが、肝はこのPMDAの報告書と薬食審の議事録ということなんですが、これは早目に公開していただかないと、いろいろな揣摩臆測を呼びかねない。  国民の皆さんの関心も高いので、この薬食審でリスクとベネフィットが話し合われるわけでございますので、何カ月もかかっていてはこれは困りますので、大臣、最短で、一週間とか二週間とか、それ以内で公開していただけないでしょうか。いかがですか。
  52. 田村憲久

    田村国務大臣 御説明にも上がったんだと思うんですけれども、薬食審の議事録の公表、今現状、会議終了後から二カ月半ということになっております。  これはさまざまな理由があるわけでありますけれども、新型コロナウイルスワクチン承認というのは、非常に国民皆様方にとっても、期待といいますか注目を浴びる部分でございますので、でき得る限りこれを早くしなけりゃならない、それは我々も思っております。  そこで、期間を三週間程度まで、何とかこれを早めようと。委員、一週間だとかおっしゃられましたけれども、速記業者による速記録の作成でありますとか、審議会の委員による発言内容の確認でありますとか、また、関係製薬企業による企業秘密等の有無の確認、こういうものを早める。  全体的な日程感、ちょっと調べてみました。例えば、業者による速記録の作成、納品の早期化、これは、会議終了後、今二週間かかっているのを何とか一週間ぐらいでできないか。それから、納品版速記録の確認、体裁整理、これを二日を一日。委員や事務局への発言内容の確認の早期化、これは四週間を一週間。取りまとめ作業を二日から一日。製薬企業への議事録の非公開希望箇所の有無を確認、これを一週間から三日等々。いろいろなことをやって何とか三週間程度。  もっと早めろというお話もあるんですが、例えば、委員の先生方、いろいろなお仕事をされている中で、最大限これに、やはり国民の非常に期待をしている部分でありますので、そういう意味では時間を割いていただきたいというお願いをしたりでありますとか、また、それぞれ企業にも、でき得る限り、ほかの仕事もあるでしょうけれども、早めていただきたいというお願いをしての三週間でございますので、でき得る限り、この三週間もできれば早めたいとは思っておりますけれども、そこはやはり時間的な制約があるということは御理解をいただきたいというふうに思います。
  53. 長妻昭

    ○長妻委員 やはり長いと思うんですね、三週間でも。  この委員の先生方に議事録をチェックしていただくということですけれども、委員の先生方は自分が発言しているわけですから、しまった、ちょっとあれはまずい発言だったなとか、その場というか、すぐそれはわかるところでありますので、ちょっとこれは工夫をして短くしていただきたい。これは相当な肝になると思います。  そして、もう一つ、脇田所長、脇田先生にお伺いするんですが、今言われている三社の、政府契約を結んだモデルナ社もございますし、基本合意をしたアストラゼネカ、ファイザーもございますけれども、これについての今得られている知見の中で、これらのワクチンというのは感染予防というのはできるんでしょうか。  多分、三つのフェーズがあると思うんですね。感染予防、つまり、そのワクチンを打っていれば感染されない。そしてもう一つは、発症予防、感染しても症状が出ない。そしてもう一つは、重篤化予防、重症化予防ということだと思うんですが、どのくらいの状況になりそうな感じですか、今の段階で。
  54. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  ワクチン効果は、まさに長妻委員おっしゃるとおり、その三つのポイントが重要だと思います。  ただ、感染予防というのは、このコロナウイルス感染症の性質上、感染をした人がかなり多く無症状である、あるいは軽症であるということから、それを指標にすることは非常に難しいというふうに考えられていますし、実際そうなっていると思います。  一方で、昨日ですか、ファイザーから中間報告というのがありましたけれども、そこは、発症をどの程度予防できたかということがポイントになっていると思います。  ただ、インフルエンザワクチンなんかであれば、重症化をどの程度抑えられるかというところが有効性の基準になっていますので、我々としては、新型コロナワクチンに対して、少なくとも重症化予防というのがその目標にはなるだろうというふうに考えていますが、今回は発症予防ということでしたので、それはもう少しよい点ということになります。  予防効果について、感染予防、発症予防、重症化予防。重症化予防というのが一番最低ラインと言うとあれなんですけれども、それよりも、発症予防効果があるということはより効果がよい、そういうふうに受けとめております。
  55. 長妻昭

    ○長妻委員 これはいろいろ報道で、ファイザーが九割有効だと、ワクチン。  ファイザーのワクチンというのは、これは発症予防というのはどんな感じなんですかね。
  56. 脇田隆字

    脇田政府参考人 報道によりますと、九〇%の発症を予防したということですけれども、まだ九十名程度の結果を見たところという、四万人の対象者において九十数名の発症者を見て、その中で解析をしたところという結果ですから、第三相試験が最終的にエンドポイントまで行われて、その結果をしっかり見るということと、それから、安全性の結果がまだ十分に報道されていませんので、その結果をしっかり見ていく必要があるというふうに考えています。
  57. 長妻昭

    ○長妻委員 そして、今回三社と契約基本合意がありますが、そのうちの二社はメッセンジャーRNAというワクチンだと承知をしておりますが、これは史上初ですか。
  58. 脇田隆字

    脇田政府参考人 メッセンジャーRNAワクチンというのは、これまでに、迅速に開発ができるというメリットがありますので、いわゆる新興感染症ワクチンとして開発されてきた経緯はあるんですけれども、これまで世界各国で薬事承認をされているものはなく、世界いずれかの国で承認されれば、初めてのメッセンジャーRNAワクチンになるというふうに認識をしております。
  59. 長妻昭

    ○長妻委員 これは配付資料三ページですけれども、これもワクチンの権威の石井教授が作成した資料でございますが、この一番下に、mRNAワクチン、今おっしゃっていただいた、これは史上初で、まだ使ったことが人類はありません。これについて安全性がクエスチョンとなっております。それはまだ誰も使っていないということで、今も試験中ということでございますので、これはより一層の安全性の確認というのが私は必要だというふうに思うわけでございますけれども。  試験は、第一相試験、第二相、第三相、第四相試験、こういうふうにいわゆる段階があるということでございますが、実際に国民接種する前は第三相試験まででございますけれども、実際、日本で第三相試験、かなり大規模な、人間に打って調査をするということですが、これは脇田先生、第三相試験日本でできるんですか、mRNA。
  60. 脇田隆字

    脇田政府参考人 現在、一部その第三相試験日本日本人も対象に行われているということは承知しておりますので、日本でできないということはないと思いますが、日本人だけでこの第三相試験をやろうと思いますと、感染状況を考えますと少し難しいところはあるかというふうに考えております。
  61. 長妻昭

    ○長妻委員 今、日本でもやっているというお話がありましたが、ただ、普通第三相試験というと、常識的に考えると、数万人あるいは数十万人ですよね。そんな数万人、いわゆる第三相試験を数万人で日本でやっているんですか。ファイザーですか。
  62. 脇田隆字

    脇田政府参考人 済みません、私の勘違いで、日本人が入っているのは第一相、第二相の試験ということで、第三相試験が今現在日本人が入って行われているということではないということであります。
  63. 長妻昭

    ○長妻委員 そうすると、例えばmRNAワクチン、ファイザーでもいいんですけれども、第三相試験日本人で、人種が違いますから、欧米人と日本人は全然違いますから、効き方が。そうすると、第三相試験はすっ飛ばす、日本人に対する、そういうこともあり得るということなんですか、承認の前に。
  64. 脇田隆字

    脇田政府参考人 日本人で大規模な第三相試験が行われるかどうかということは私は承知はしていないんですけれども、しかし、その第三相試験の結果、有効性安全性というものはしっかり調査をして判断をする必要があるというふうに考えています。
  65. 長妻昭

    ○長妻委員 つまり、第三相試験はできないけれども、有効性を第三相試験的に判断するということは、田村大臣、これは史上初、人類が初めて使うmRNAワクチン、私ももちろん新型コロナのいいワクチンができればいいと願っている一人でありますけれども、こういうmRNAワクチンで、第三相試験日本でやらずに承認というのはできるんですかね。
  66. 田村憲久

    田村国務大臣 新型コロナウイルスワクチンの評価方法でありますけれども、これは、欧米、日本薬事規制当局間で意見交換をいたしまして、その考え方をもとにPMDAで策定、公表、考え方をしているわけなんですね。  その中において、一つは、やはり、海外での大規模な臨床試験を行う中において、発症予防でありますとか重症化予防、こういうものがしっかりと効果が示されるということ、それから、国内でやった場合、免疫原性、抗体価などの数値ですね、抗体価、こういうものがちゃんと一貫しているというようなこと、さらには、海外国内とも、まあ国内でも一相、二相はやっていますので、そういうところで副作用等々有害な事象が見れない、出ていないというようなことをしっかり確認した上で、有効性安全性、それを見て、その上で承認をするというような手続になってくると思います。
  67. 長妻昭

    ○長妻委員 そうすると、もう一回確認ですけれども、第一相試験、第二相試験日本人でやっている、これは百人ぐらいでしたっけ。
  68. 田村憲久

    田村国務大臣 数百人ということであります。
  69. 長妻昭

    ○長妻委員 そうすると、それは、いろいろなデータをとって今やっていただいていると。ただ、第三相試験日本ではやらずに、その今の第一相、第二相の日本人のデータをもって承認プロセスに進んでいく、こういう御理解ですか。
  70. 田村憲久

    田村国務大臣 言われますとおり、海外では第三相で数万人規模でやられて、その効果安全性も踏まえながら、一方で、国内では一相、二相で、効果、それと安全性を踏まえた上で、先ほど言いました免疫原性、抗体価がしっかりついていれば、それだけの効果があるのであろうということが考えられますので、その上で承認プロセスに入ってくるということであります。
  71. 長妻昭

    ○長妻委員 これはぜひ資料要求させていただきたいんですが、数百人規模で第一相、第二相を日本人でやったというような結果について、当然、出せるもの、出せないものはあると思いますけれども、できる限り出せるものをこの委員会に出していただきたい。委員長、お願いします。
  72. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 理事会で協議させていただきます。
  73. 長妻昭

    ○長妻委員 それで、結局、非常に、安全性確認が欧米に比べてなかなかできにくいところ、日本承認になると、これはやはり、スピードも重要ですけれども、拙速にならないようにぜひしていただきたい。  こういう話もあるんですね。多少副反応が強くても効果を重視する、こういう考え方も、一部、欧米ではあるようでございます。  それは、死者の数とか感染の率が全然違いますから、多少の副反応の判断について、我が日本と考え方が違う可能性もありますから、ここはよくよく考えていただいて、これは大臣、本当に重要ですので、ここで失敗をしたらコロナ終息は遠のいてしまうと思いますので、本当に全体を見て差配をしていただければと思います。  その中で、ちょっと心配なことがいろいろございますが、例えば、配付資料七を見ていただきますと、これは、大変失礼ながら、脇田所長の御発言なんですけれども、きのう共産党の宮本先生も本会議で触れられておられましたが、このコロナ分科会十回目、ことし九月二十五日、脇田先生がこういうことをおっしゃられているんですね。品質の確保についてでございますが、「恐らく、非常に迅速に承認を求められるという状況なので、ほとんど実際の試験は行わずに、書類審査だけで行うということになろうかと思う。」と。  ちょっとこれだけ聞くと、大丈夫かなと思うのでございますが、脇田先生、いかがですか。
  74. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  分科会におきましては、ワクチン議論、これは八月からずっとやってきているところでございます。  それで、私は、議論の中でも、やはり安全性有効性というのは非常に重要なので、慎重にそこの品質の確保をしていくべきだということで発言をさせていただいています。  その上で、ワクチン承認に当たりましては、従前から、提出されたデータに基づいて、PMDAにおける審査及び調査と並行して、感染研における承認検査、これを行うということになって、実際に製品の品質をしっかり確認をしていくということになります。また、ワクチン承認後には、感染研におきましてロットごとに品質の検査、確認を行う国家検定というものを実施しております。  ですから、こういった迅速な対応はもちろん求められるわけですけれども、この新型コロナウイルスワクチンに関しては、しっかりと品質を確保するということを前提として、承認検査及び国家検定の実施方策については厚労省とも相談をして検討をしていきたいというふうに考えております。
  75. 長妻昭

    ○長妻委員 ちょっとなかなか理解しにくい御答弁だったと思うんですが、そうすると、今回のコロナウイルスについては実際の試験は行わないということですか、品質について。
  76. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  こちらは、実際に承認申請があった後に、実試験を行うかどうかということ、実際に試験を行うかどうかについては検討をするということになります。
  77. 長妻昭

    ○長妻委員 そうであれば、この発言、ほとんど試験は行わずにと。じゃ、検討をする、今の発言とこの発言がちょっと違うわけでございまして、書類審査だけで行うということになろうかと思うと。  いずれにしても、これは相当重要だと思うんですね、リスクとベネフィット。日本ワクチン行政において過去いろいろなことがございまして、残念ながら先進国の中でワクチン行政はおくれております。これは誰の責任ということではないんですけれども。  今回失敗したらこれは本当に大変な事態になりかねないということで、相当最悪の事態国民とのコミュニケーションがきちっとできていないと、本当に、いいワクチンができても多くの方が打たない、こういう事態にもなりかねないし、ですから、そこら辺を本当にきちっとやっていただきたいんです。  少し私の心配を申し上げますと、レムデシビルという、これは治療薬、ワクチンじゃありませんが、私はあっと驚きましたけれども、申請から承認まで四日でおりたと。普通は一年かかるところでございますけれども、迅速なのが全部悪いわけではありませんが、これは政治的にもいろいろ取り沙汰されて、政治家の口からも出た薬だし、ワイドショーでも連日この薬が言われていた。  つまり、私が言いたいのは、冒頭もちょっと言いましたけれども、政治的判断と科学的判断、これはせめぎ合うのはあると思いますよ、最終的に判断するのは政治家ですから。ただ、そのときに科学者の皆さんもそれをそんたくして政治的判断に引きずられてはならないということを私は本当に科学者の方々に申し上げたいんです。  これは本当に命がかかっている問題でございますので、ぜひその意気込みというか覚悟というか、脇田所長が本当に頼りでございますので、それをちょっと、脇田所長、そういう今のことについてお覚悟をお述べいただければ。
  78. 脇田隆字

    脇田政府参考人 長妻先生がおっしゃられるとおり、この新型コロナウイルスワクチンは新しいワクチンでありまして、品質の確保有効性安全性確保は非常に大事だということを認識していますので、そこは十分に感染研として役目を果たしていきたいというふうに考えています。
  79. 長妻昭

    ○長妻委員 本当にそれをお願いしますね。本当にお願いします。  そして、先ほどファイザーのワクチンの話を申し上げましたけれども、一部報道で出ていますのは、来週にでもファイザー社アメリカのFDA、食品医薬品局に申請すると言われておりまして、ですから、日本での申請も、あるいは認可も、早ければ、物理的には十二月、来月、ワクチン申請が来て認可ということもあるのかなと。これは私の勝手な推測ですけれども、すごく急ピッチでいろいろ物事が動いていますので、我々政治家が、ちゃんとチェックする仕組みをつくって、我々はチェックできませんけれども、素人ですから。これは、ちゃんと国民の皆さんと適切なコミュニケーションをとっていかないと大変なことになるというふうに思います。  その中で、脇田所長にお伺いしますが、ファイザーのワクチンについては、これも一部、有効性が数カ月ということも言われておりますけれども、数カ月だと。どのくらい有効性というのはあるんですか、期間。
  80. 脇田隆字

    脇田政府参考人 現時点では、メーカー側で今まさにその有効性安全性、それから有効期間、こういったものに関して検討を行っているというところですので、まだ我々の方にそういった条件が知らされているところではないということでございます。
  81. 長妻昭

    ○長妻委員 ですから、田村大臣、有効期間が仮にすごく短いとすると、全国民確保しましたといっても、何カ月かで切れちゃう、有効が。そうすると、個数は、一人二回打つにしても確保しても、もっと確保しないと確保したことにならない、こういうことも想定しないといけないわけであります。  その中で、五ページでございますが、今のところ、政府からいただいている資料は、ファイザー社新型コロナワクチンの有害事象についての結果というのが、これは公開している資料で出ておりますけれども、これについて、「新型コロナワクチン群でより多く見られた。」ということでございますけれども、これは、何と何を比べて、どんな副反応、有害事象が出たのでございましょうか。脇田所長に。
  82. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  先ほどコントロール群というお話がありましたと思いますが、これは、生理食塩水を接種をした群というものと、実際のワクチン、実ワクチン接種した群を比較して、局所の反応でありますとか、それから全身の反応といったものを比較したというふうに承知をしております。
  83. 長妻昭

    ○長妻委員 これは、副反応、有害事象についてはインフルエンザワクチンよりも強い傾向がある、そういうことなのでございますか。
  84. 脇田隆字

    脇田政府参考人 臨床試験におきましては、インフルエンザウイルスワクチンと直接の比較をしていないので、そこは明らかにされていないということになりますが、プラセボ群、コントロール群というふうに言いますけれども、それよりは副反応の事象が多いというふうに報告されております。
  85. 長妻昭

    ○長妻委員 アストラゼネカ社は、これはウイルスベクターワクチンということで、またmRNAと違うんですけれども、このアストラゼネカが初めに国民に打っていただくようになる可能性もありますので、アストラゼネカ社は有害事象について、六ページ、政府が発表しておりますが、これは、何と何を比べて、「より多く生じる傾向が見られた。」というふうになっているんでしょうか。
  86. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  アストラゼネカ社から公表されている論文を見ますと、半分は実際のコロナワクチンを投与し、半分のコントロール群というのは髄膜炎菌ワクチン接種しているということになりまして、その髄膜炎菌ワクチンの投与群よりもコロナワクチン群の方がその出現が多く見られる傾向があったというふうに書かれております。
  87. 長妻昭

    ○長妻委員 ということは、インフルエンザワクチンよりも、より多くそういう傾向が見られるというふうに推察してよろしいんですか。
  88. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  実際の局所の反応につきましては、新型コロナワクチンとそれから対照群、どちらでも見られたということでありますので、そこは余り差がないということになりまして、全身反応、疼痛であったり、発熱であったり、不快感であったり、そういうものがやや多く生じる傾向があるということですから、あくまで髄膜炎菌ワクチン新型コロナワクチンを比べたということになりますので、それは髄膜炎菌ワクチンよりもやや多く……(長妻委員「インフルワクチン」と呼ぶ)インフルワクチンとは比較をしていないので、それを直ちにこの結果から申し上げるというのはできないというふうに思います。
  89. 長妻昭

    ○長妻委員 これらの資料は七月二十日の資料なんですね。ぜひ委員長にお願いしたいのは、アストラゼネカ社ファイザー社モデルナ社の、その会社に開示も要求をしていただいて、でき得る限りの有害事象のデータ、あるいは有効性データ、これをこの委員会に提出いただけるようにお願いします。
  90. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
  91. 長妻昭

    ○長妻委員 そして、もう一つは、このロジスティクス、ロジの件なんですが、これは、脇田所長、ファイザーが、このmRNAワクチンは壊れやすいので、マイナス七十度で輸送しなきゃいけないと。こういうフリーザーは余り日本にないと。ただ、解かして五日間は少し大丈夫のようなことも聞いているのでございますけれども、これは、一部報道等によりますと、保管はマイナス七十度で最大六カ月、そして、五日間だけは二度から八度でオーケー。つまり冷蔵で、普通の冷蔵庫でオーケーと。ということは、集中的に早く使わないと、それを期間を超えたら捨てることになっちゃう、こういう非常に難しいロジスティクスなんですが、まずは、今私が申し上げたような知見でよろしいのかどうか、お願いします。
  92. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  このファイザーのワクチンというのは、新たに開発が進められているメッセンジャーRNAワクチンということでございますので、これは非常に不安定な性質があります。ですから、有効性を保つためには、マイナス七十度以下で冷凍した状態で保存する、それから流通をさせるということが必要になるというふうに考えております。  医療機関で適切に保管管理ができるように、厚労省におきまして、ディープフリーザーという、いわゆる超低温で保管ができる冷凍庫、あるいはドライアイスの確保とか、その供給の方法についての検討を進めるということが必要で、そういった情報を実際に提供しているというふうに伺っております。  現時点では、メーカー側で、先ほどの有効期間といいますか、そういうものと同じように、治験臨床試験とか製剤の安定性に関する試験を行っている途中であって、現在は融解後の冷蔵保存の必要性とか有効期間についてはまだ明らかではないということですので、今後、そういった詳しい情報が、保管について、必要な温度条件、あるいは可能な保管の期間というものが明らかになってきますので、それは、そういうものが明らかになってから、更に詳しくロジスティクスについても検討されるというふうに承知をしております。
  93. 長妻昭

    ○長妻委員 最後にちょっと大臣とやりとりをしたいのでありますけれども、いろいろな難しい点が今お聞きのようにございまして、ぜひいろいろな視点で準備をしていただければ、我々も協力すべきところは全部協力いたしますのでということと、あと、これはちょっと、私、若干不安なのが、PCR検査のとき、政府の中に推進派と抑制派があって、いろいろちょっと哲学の違いがあって混乱したという経験があります。  今回のワクチン接種についても、今、政府の中あるいは世の中にちょっと二つの哲学がせめぎ合っているような感じを私は受けて、それが顕在化したときにやはり政治屋が科学者の皆さんと議論して決定していかなきゃいけないんじゃないかということなんです。  どういうことかというと、一つの考え方は、効果が、例えば何%の方に効果があるのか、今わかりませんけれども、いずれにしても、いろいろな、承認されればですね、効果がないのを承認するわけありませんから、一定程度効果がある、副反応安全性の範囲内と信じたいわけですけれども、これをきちっとやっていただくのは大臣の仕事ですが、そうなったワクチン、一つの考え方は、であれば、日本は自然免疫もつきにくいので全国民に打っていただく、御理解をいただいた上で。これは強制はできませんからね、個人の判断。そういう一つの哲学もあると思います。  もう一つの考え方というのは、これは、例えば、重篤化予防しかない、重症化予防が主な効果で、発症予防はなかなか、あるかもしれないけれども確認がしにくい、重症化予防ということが効果が打ち出された場合、じゃ、若い人は重症化しないんだから、若い人は打たないで、副反応もある可能性があるから、それはお年寄りと慢性疾患の方と医療従事者だけにしようという考え方、そういう哲学も私はあると思うんですよ。  それはせめぎ合っていく。ただ、その場合、若い方も、これは実際、製品が出てみないとわかりませんが、重篤化予防の効果があるということは、多分ウイルス増殖が抑えられるということでしょうから、恐らく人に感染する力も弱まる可能性もあるから、若い方が重症化しなくてもそれは打つべきだ、つまり蔓延防止のためにという考え方もある。  ですから、この二つの考え方が既に今、いろいろな学者の皆さん、評論家の皆さんの中で二つが私はせめぎ合っているような気がしておりますので、これが最終的に政府の中までいって、どっちだ、どっちだというふうになって混乱しないように私は願っているんですが、大臣、どういう哲学で臨まれますか。
  94. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、前段の部分ですが、やはりワクチンというものをまずしっかり確保しなきゃならないという前提があります。今、契約を結んだり、基本的合意をやっていますけれども、その中で、やはり、確保したとしてもちゃんとこれを供給できなきゃいけませんので、今、Vシステムというのをつくって、ワクチンの供給システムですね、接種円滑化システムというのをつくって、ここでちゃんと情報を、それぞれ自治体やそれから医療機関と共有しながら、もちろん卸も含めて共有しながら、ちゃんと供給ができるようにする。  その上で、自治体には、やはり人員も確保していただかなきゃなりませんし、それから、接種のためのクーポンみたいなものも配っていただかなきゃなりません。相談窓口もつくっていただかなきゃならぬと思います。  そして、今ほど来話がありましたマイナス七十度という話であれば、これは、例えばそれを、七十度のワクチンが来たときに、今言われたとおり、余り置いておけませんから、ある程度の人数を短期間に打たなきゃならないわけでありまして、場所の確保でありますとか、場合によっては、冷蔵の仕組み、システム、まあドライアイスということもあるかもわかりません。そういうものをちゃんと、ロジといいますかオペレーションを組めるようなお願いもしていかなきゃならない。  そういう仕組みをしっかりつくった上でワクチン接種を始めていかなきゃならぬということを、しっかり今進めている最中であります。  そして、後段の部分でありますけれども、それは、まず、今まだ十分にどういう効果があるかわかっておりません。重症化予防に重き効果があるのか、発症予防の効果が強いのか。一部ファイザーの話がありましたけれども、そこもしっかりと、我々、国内で一応承認手続をやりますので、見きわめながら、そのときに、接種義務というのも一応かけておりますが、場合によっては外せるようになっておりますので、どういう方々接種義務をお願いするのかということも含めて、今委員が言われたような、どこに力点があるのかというのは、これからしっかりと議論した上で、ベネフィットとリスクというものをちゃんと計算した上で、国民皆様方にまずは御理解をいただかないと、どれだけいいものであったとしても、ちゃんとした情報をお伝えしなければ、打っていただくのは国民の皆さんの意思でございますので、これが御理解いただかなければ打っていただけないということにもなってまいります。  ですから、それぞれの判断において打っていただけるような情報提供もしっかりしてまいりたいというふうに思っております。
  95. 長妻昭

    ○長妻委員 これで質問を終わりますが、ぜひ、混乱しないように、一定の考え方というのを大臣に持っていただければと思います。  どうもありがとうございました。
  96. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、西村智奈美さん。
  97. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 田村大臣、御就任おめでとうございます。  西村です。どうぞよろしくお願いいたします。  新型コロナウイルス、COVID―19の感染拡大で、やはり、私は、本当に社会の中で弱い人のところから先にしわ寄せが行ってしまっている、これを大変深刻に受けとめております。  もともと日本の中では、非正規の働き方、特に女性の賃金が低いということで、今回も、事業の休業とか休職というところで、そういったところが真っ先に切られてしまっているという実態があります。  それを顕著にあらわしているのが、一人親の八割が収入減、ないしは、そもそも仕事がなくなっている、こういう民間団体の調査だと思っておりまして、私たちは、一人親世帯へのさらなる支援法案としても提出をし、求めていきたいと思っておりますので、ぜひそこは政府にも取り組んでいただきたいというふうに思っております。  こんな中で、先月、大変気になる最高裁判決が二件ありました。メトロコマース事件、退職金をめぐっての事件と、それから大阪医科大学の賞与に関する判決ということの二件でございまして、一言で申しますと原告側が敗訴したということだったんですけれども、私、この判決を受けまして、本当に、自分自身、立法府の中にいる一員として、また、いっときは行政の側にいて、まさに労働契約法の二十条にかかわった者の一人として、大変深く反省をいたしました。反省をしつつ、やはりこのままじゃいけないというふうに思ったんです。  旧労働契約法二十条をめぐっての裁判ではありましたけれども、大臣はこの判決をどういうふうに受けとめていらっしゃるか、そこから聞かせていただきたいと思います。
  98. 田村憲久

    田村国務大臣 委員指摘の最高裁の判決でありますけれども、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の退職金でありますとか賞与の差について、不合理とまで評価することはできないとの判決であったというわけであります。  今回のことは個別の民民の判決でございますので、司法の判決に対して我々が何か言うというわけにはいかないわけでありますけれども、ただ、同判決において、賞与や退職金の相違が旧労働契約法第二十条に言う不合理と認められるものに当たる場合はあり得るというふうなことも示されているというふうに承知をいたしております。  いずれにいたしましても、我々、関係者に適切な理解がなされるよう、丁寧な情報提供を努めてまいりたいというふうに思っております。
  99. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 この判決が私も怖いと思っているのは、これがひとり歩きしていってしまうということです。つまり、非正規の方に退職金や賞与が出ないということが最高裁判決で示されたわけですので、その理由について、判決の趣旨についてはいろいろありましょうけれども、やはりこれを定着させないために、まさに今、法制度を抜本的に見直していかないといけない時期に私は本当に来たんじゃないかというふうに考えているんです。  これまでも、法制度の見直し、改善、いろいろな形で行われてきました。私たちも法案を議法として出したりしたし、政府の方からも、今回、労契法の二十条だけでなくて、二年半前の働き方改革関連法でガイドラインなどを新たにつくり直していただきました。  だけれども、これまで下級審から含めて最高裁まで積み重ねられてきた判決の枠組み、それがやはりどうしようもなくあって、そういった手直しではちょっと追いつかないんじゃないかというふうに私は思ったんです。  大臣、端的に伺いますけれども、二年半前の法改正、働き方改革関連法、そして、それに引き続いてガイドラインの改定も行われました。これを、恐らく、今の大臣答弁ですと、周知していくということだと思うんですけれども、本当にそれで非正規の皆さんへの退職金や賞与が支払われないというこの現実が改善をされていくというふうに言い切れますか。
  100. 田村憲久

    田村国務大臣 先ほども申しましたけれども、今回のこの判決でありますが、賞与や退職金の相違が旧労働契約法第二十条に言う不合理と認められるものに当たる場合はあり得るということも言っておるわけであります。そこはあの議論のときにもいろいろな議論をしたと思いますが、職務の内容、それから職務の内容や配置の変更、それにその他の理由、こういうものが同じだった場合には、同一労働同一賃金という概念のもとで、同じ待遇でなければならないという話でございますから、そういう観点をいろいろと御判断されて今回の判決になられたんだろうというふうに思いますが、いずれにいたしましても、我々は、同一労働同一賃金のガイドライン、これをしっかりと実現できるよう、このガイドラインの周知、これを徹底してまいりたいというふうに思っております。
  101. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 まさにその不合理と認められるものがあった場合ということなんですけれども、やはり、これまでの日本の雇用慣行を引きずった中での判断だったんじゃないかと私は思っているんですよ。  一つには、女性の労働は安い、非正規の労働は安い、こういうバイアス。それからもう一つは、長期的な正社員ないしは有為な社員として貢献が期待できるかどうかというバイアス。それから、それと一体不可分、もう全て一体不可分なんですけれども、困難な仕事を任せられるのかどうか、処理できる仕事の困難度の違いがあるんだというバイアス。全てはやはり日本型の雇用慣行というか、長期で雇用するのが当然だという考え方の中で、不合理かどうかということを判断されたんじゃないか。  やはり、今までの、例えば男女別のコース、雇用管理区分による賃金格差についてもいろいろ争われてまいりました。この中では、示されてきた司法判断は、一概に違法とは言えないということで、男女間、男女別のコース制というのが差別ではないということで、結果としてやはりその差別を承認してきたということが私は経過としてあるんじゃないかというふうに思うんです。  ですので、今回のことはやはり非常に大きい判断だったというふうに思うんですけれども、今私が申し上げたことについて、大臣のお考えはどうでしょうか。  つまり、男女間の賃金格差というのは、日本型雇用の問題点、長期雇用の慣行、それから女性の仕事は安くていいというジェンダー格差、こういったものがやはり問題の底に潜んでいるんじゃないかというふうに思うんですけれども、これについて、大臣のお考えはいかがですか。
  102. 田村憲久

    田村国務大臣 男女間という性別で賃金格差があっては本来いけないことであることは、もう委員も御承知のとおりだというふうに思います。  ただ、勤務年数だとか、それから役職だとか、労働時間もそうかもわかりません。平たく言うと、人材活用、こういうものがどうであるかということもあるかもわかりません。こういうものに違いがあるとすれば、それは賃金として差が出てくるということはあり得るわけでありまして、女性だから例えばこの役職にはつけさせられないだとか、女性だから長期雇用というわけにはいかないだとか、こういうようなことを企業が強いれば、それは問題があるのは明白なことであります。  一方で、では、日本の国でキャリア形成していく上において、今、労働時間の話をしましたけれども、一定の長時間労働をしなければキャリアが形成できないということであれば、女性は、女性の生理的な問題もあります。それから、どうしても、出産ということをみずから望んだ場合には、出産という形の中において、会社の中において一定期間休まなければならない、また短時間の労働になるというようなこともあります。  そういうものがある中において女性の活躍が妨げられているとすれば、それはやはり女性にとって我々はゆゆしきことだと思っておりますので、だからこそ、長時間労働是正という形で我々が目指しているものは、男性ももちろん短時間で、短時間というか長時間労働を是正しなければいけませんが、女性もキャリア形成ができるような、そういうような働き方にしていくことが大変重要なところであろうということで働き方改革にも取り組んでおるわけでありまして、やはり、みずから望んでこうしようということがちゃんとできるような、そんな労働環境というものを整備していかなければならぬというふうに考えております。
  103. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 女性のキャリア形成が可能になるような、そういった政策というのはやはりやっていかなければいけない、大臣おっしゃったとおりだと思うんです。  ただ、今の、例えばパート・有期法の八条、九条の構図を見ますと、やはり長期雇用を前提にしているというふうに読める部分が非常に強いです。今現に働いている、何かさっき大臣答弁の中で長期の就業というふうにおっしゃったかな、長期の就業がつまり見込まれるということを前提に評価がなされているのではないか。事業主が裁量で、これは長期の雇用が見込まれるということで、裁量の部分で待遇を決めているというところが裁量の自由の範囲の中であるんじゃないかというふうに、私は八条と九条の構図を見ると、そういうふうに思うんです。ですので、ここはやはり引き続きの大きな課題だというふうに思います。  それで、ちょっと具体的なことでお伺いしたいんですけれども、労働契約法二十条、パート・有期法の八条と九条、それから派遣法の三十条の三に移管したということになっておりますけれども、民事効も、それから行政指導の根拠としてもここは変わりないということで前回も答弁はあったと思いますが、この新法のもとで、どのような場合に行政指導の対象となっているのか。また、現に、これまでどういった指導が何件くらい、どういったケースに対して行われているのか、そこを示していただきたいと思います。
  104. 田村憲久

    田村国務大臣 有期雇用労働法第八条及び労働者派遣法第三十条の三の第一項、先ほども申し上げましたけれども、職務の内容、それから職務の内容及び配置の変更の範囲、さらにはその他の理由、こういう三要素を照らした上で適切と認められないもの、これに対しては、不合理と認められる相違を設けてはならないとされているわけでありまして、行政指導を行う際には、同条に照らして不合理な待遇差があることが明確な場合に行うこととしているということでございます。先ほど委員がおっしゃられた不合理というようなものが認められる場合には、行政指導の対象となるということであります。  ちなみに、件数でありますけれども、本年四月から九月末までのパートタイム・有期雇用労働法第八条に係る助言は二十五件、それから指導が二件であります。労働者派遣法第三十条の三に係る指導は九件となっておりまして、助言はありません。
  105. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 つまり、不合理な待遇差であることが明確な場合に行政指導等の対象といたしますということなんですけれども、明確な不合理に対してのみ指導するということであれば、これはやはり、非常に助言や指導の件数が少ないのもむべなるかなというふうに思うんですよね。やはり非常にハードルが高いのではないか。  また、先ほど大臣答弁くださったように、八条の均衡待遇では助言、指導、それぞれ二十五件、二件ということなんですけれども、九条の均等待遇関係がゼロ件ということ、また派遣法の方でも指導が九件。五百万を超える企業が日本にある中で、男女間の賃金格差はもう明確に出ているわけで、明確に出ている中でこの指導件数、助言件数というのは、やはり私は少ないというふうに思います。  きょうは資料として、いろいろなところで明示されている男女間の賃金格差、その中でも正規と非正規の区分ということで、本当にこれだけのものが、たくさんたくさん出ているんですよね。厚生労働省の出しているガイドラインを見ても、待遇差、上げるためにすごく長い時間がかかっています。このまま同じスピードで格差を改善していった場合に、本当に男女間の賃金格差が是正されたと言える状況になるまでに相当な時間がかかってしまうんじゃないかというふうに、私はやはり指摘せざるを得ません。  これまでの裁判の積み重ね、判例の積み重ねというものもあります。コース別であれば男女間の賃金格差は是認されるというような、こういった社会慣行の中で、やはり私は、これを解決するキーワードというのは職務評価なんじゃないかというふうに思うんです。  大臣、済みません、これは通告をしていなかったんですけれども、職務評価についてお聞かせをいただきたいと思います。  私は、正規と非正規、そして男女の間の賃金の、待遇の格差の問題、これを解決するために、やはり職務評価というのが極めて重要だというふうに思っています。それは行政指導のツールとしても、また、事業主がそれぞれの事業所において取り組む場合においても、また、裁判の規範としても極めて重要だというふうに思うんですけれども、大臣自身の職務評価に対するお考え、また、これを本格的に日本の法制度の中に組み込むことについて、意見を伺いたいと思います。
  106. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、前提で申し上げれば、賃金表、賃金テーブル、これが同じならば同じでなければいけない。これは男女であっても、同じところに位置すれば同じでなければならないわけですよね。  そういう意味からすると、職務評価や、そういう職務評価だけじゃなくて、そもそも勤続年数であるとかいろいろなものがそれにかかわってくるわけで、まず、そこに関して、スタートでもし違うものであれば、それは行政指導の対象になってまいります。  一方で、職務評価というのはなかなか難しいところもあるんですが、職務を因数分解すると、多分、業務と責任という形になると思うんです。  業務というのは、それぞれの能力等々も一定評価されるものだというふうに思いますけれども、それをどのような形で職務評価をしていくかというものが男女によって同じでなければならない。これが男女で違っていれば、それは問題があるわけであります。  一方で、職務の内容と、それから人材活用の仕組み、ここもポイントであるわけでありまして、当然、人材活用の仕組みが違っていれば、例えば配置の変更等々が比較的範囲が広かったりでありますとか、転勤があったりでありますとか、いろいろな違いがあります。そういうところも含めた上で、本来、待遇というものは見ていかなければならないわけでございまして、何を言いたいかというと、職務の評価だけではなくて、さまざまな部分、つまり人材活用の仕組みも含めた部分、いろいろなものも含めた上で、どう待遇というものを同一労働同一賃金という形の中でまとめていくか、ここが重要であるのではないかというふうに考えております。
  107. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 まさにそれが日本型の雇用慣行じゃないかというふうに思うんですよね。  配置の変更の範囲等々なんですけれども、時々聞く話として、例えば転勤があるコースの人、転勤がないコースの人、そこでテーブルが違って別の待遇になるという話は時々聞きます。だけれども、気がついてみたら、転勤がありますよと言っていたグループの人たちがほとんど転勤していないとか、それから、正社員への転換の仕組みがあるとします。あるんだけれども、気がついてみたら、正社員への転換のルートに乗っているのはほとんど男性であって、最初は非正規で女性と男性がいたのに、気がついてみたら非正規に男性は残っていなかったとか、こういうような実態があるということを踏まえないと、大臣が今せっかく答弁してくださった、まさに同一労働同一賃金が絵に描いた餅に終わっちゃうんだというふうに思うんですよ。  ですので、私はやはり職務評価というのは導入しなければいけないというふうに思います。そうでないと、いつまでたってもこの賃金格差が、それこそこの後、いつかは埋まっていくんでしょう、いつかは埋まっていくんだけれども、何十年先になるかわからない。その間に一体どれだけの非正規で働く女性たちがつらい思いをしなければいけないかということです。  また、今回のような新型ウイルス感染拡大の中で、働く一人親は多くが非正規ですから、そういった人たちが本当に困難な状況に遭ったときに、真っ先に更に困難な状況に追いやられるということになってしまいますから、私は、そこは重要だということはもう一回申し上げたいと思っています。  重ねてなんですけれども、我が国はILO百号条約を批准しております。同一価値労働同一報酬の原則ですけれども、日本国内法でどうですかと聞くと、返ってくる答えは労基法四条で担保していますということなんですけれども、それでもなおかつ、お配りをした資料のように、明確な男女間の賃金格差があり続けるということなんですね。  これは一体なぜですか、大臣。理由を教えてください。
  108. 田村憲久

    田村国務大臣 何度も繰り返しになって恐縮なんですけれども、要は、いろいろなパターンがあると思います。そもそも、非正規で働く中において、正規で働く方々と対比して重い責任を望まない、そういう方々がおられるのも事実。これはもう委員も御承知だと思います。  一方で、先ほど言われたように、例えば転勤、職場の異動等々、そういうものがあるかないかということで待遇が違っているんだけれども、実態としてどちらもなかったという場合は、これは本来、その部分に関しては同じでなければいけないわけでありまして、そこは我々も、そういう問題を見つければ、そこに対してはいろいろと企業に対して言っていかなければならないというふうに思っております。  違いというのは、いろいろな理由がある。これを言うとまた委員に怒られるかもわかりませんが、やはりその中には雇用期間も当然入ってきているわけで、もちろんそれだけじゃなくて、もともと成果というものだけを見れば、それは雇用期間が長かろうと短かろうと、成果だけを判断するという話になれば、それはそれでまた違ったあれが出てくるわけでありますけれども。  基本的に、言うなれば、先ほど来何遍も申し上げておりますが、職務の内容だとか人材活用の仕組み等々、こういうものが同じで、その他という理由の中には、例えば労働協定を結んで、定年、終わった後はちょっと給料が安くても仕方がないよねというようなものを結んでいた場合には、ここには差が出てくるわけでありますけれども、そういうその他の事情を考慮して、同じであれば同じでなければならないので、女性だからといって、他の条件が一緒なのに低いというのは、これは許されないことであります。  しかしながら、他の理由がいろいろある中で低い、先ほど言ったような、責任をあえてみずから望まないという場合で、同一労働同一賃金にはなっていないといいますか同じ待遇になっていないというのは、これはいたし方がない。  でも、その間の、言うなれば何かグレーみたいなところを多分委員はおっしゃっておられるんだというふうに思いますけれども、それに関しては、我々も、同一労働同一賃金、そういうような一つの大きな哲学があるわけで、各企業に対してはしっかりと周知をさせていっていただきたいというふうに思っております。
  109. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 そういう御答弁だろうなと思いましたが、やはりそんなのわかり切ったことですよ。わかり切ったことは、今の法律、法体系の中でもうそれは現にこうなっていて、私が申し上げたいのは、つまり、ここから先の待遇差を本当に埋めるために何が必要か、そして、この構図を生み出してきた日本の雇用慣行、もっと言えば歴史、そういうものが男女間の賃金格差、本当に根深いところに埋め込まれてしまっているということを大臣には理解してもらいたいということなんです。  もう何度も言いませんけれども、やはり非正規、女性などの仕事は安くていい、そういうバイアスはあります。それから、一般的に勤続年数が短く、女性の働きは期待できないというバイアスもあると思います。それから、処理できる仕事の困難度が違うだろう、そういうバイアスもあると思います。  でも、そんなのはっきり言ってバイアスであって、それから、さっき、大臣、もう一回、大臣は雇用期間ということをかぎ括弧つきでおっしゃるんだけれども、確かに、実態として、雇用期間が、正規と非正規で入った人、気がついてみたら一緒に二十年たっていました、これも雇用期間です。だけれども、入社するときに、先ほど言ったバイアス、この人はきっと短い勤務期間だよね、短い雇用期間になるよねというバイアスがあって雇用する場合と、それから、いや、この人は男性だから長く働くはずだよねというバイアスと、やはりそこで、入り口のところで違っちゃっているということなんですよ。そこをぜひ理解していただきたいです。  だから、賃金格差、非正規、正規の問題というのは、ジェンダーの問題が本当に根深いところで組み込まれていて、そこに目を向けないと解決はしていかないし、また、そのためのツールとしては、私は職務評価だというふうに思っております。  アメリカのハリス副大統領候補が、自分が最後の女性副大統領ではない、なぜなら、小さい子供たちが、この国は希望の国だということ、可能性の国だということを自分が副大統領になったことで知るからだというふうに言いました。  私は、やはり日本にそういう法制度をつくりたい。女性のこれから社会に出ようという人たちが、これから先自分が出ていく社会は、ガラスの天井があるでもなく、同じように働くことができ、ワーク・ライフ・バランスももちろんなんだけれども、そういうふうに希望がある、可能性があるということを担保されたような法制度がある国に私はしたいというふうに思います。強く申し上げておきます。  それで、ちょっと時間がそろそろになってきてしまいましたので、済みません、きょうはコロナの関係で住居確保給付金についても通告しておりましたので、ぜひお願いします。  住居確保給付金、本当によかったと思いますけれども、ありがとうございます。フリーランスとか休職中の方々も一応対象者にしていただいて、よかったとは思うんですけれども、よくよく考えてみると、この住居確保給付金の要件が結構きついという話があちこちから聞かれます。  一つは、所得水準。住民税の非課税所得と家賃を、家賃というのは住宅扶助基準の上限額ということなんですけれども、これを合わせた額以下ということなんですが、これはやはりちょっと低過ぎるんじゃないかということが一つ。  それから、対象期間が一応最初は三カ月ということになっていて、反復、九カ月まで可能ということになっていますけれども、自分の住んでいるところについて三カ月ごとに不安になるというのはやはりよろしくないと思いますので、この辺の条件の改善を求めたいんですが、いかがですか。
  110. 田村憲久

    田村国務大臣 委員おっしゃられましたとおり、基本的には職を失った方々対象ということであって、そういう意味では生活困窮者自立支援法に基づいて行っておる事業でありますけれども、休業者やまたフリーランスの方々まで、今回、コロナ禍において対象を広げさせていただきました。  今、住民税非課税プラス住居費というのがどうも条件として厳し過ぎるんじゃないかというようなお話でございましたが、もともと、御承知だと思いますが、これはリーマン・ショックのときに創設した事業でありまして、このときには住居の費用というのは入ってございませんでして、言うなれば住民税非課税というのが一つの基準になっていたわけでありまして、これを平成二十二年四月に要件緩和をいたしました。  いろいろな御議論はあろうと思いますが、ある意味、困っておられる方々に対して、何とか、住居がなければ職も探せないとかいろいろな御事情がある中において、先ほど申し上げました生活困窮者自立支援法の中において行っておる事業でございますので、そういう意味では、福祉政策といいますか公的扶助といいますか、言うなれば困った方々に対しての対応であるということを御理解いただければありがたいのと、それから、今、九カ月という話、これも、本来ならば自立していただいて生計を立てていただくための間のものでございますので、そういうものを一応我々は期待して、こういうような九カ月という形にしております。  これを延長しろというようなお声もあるのは重々承知しておりますけれども、それぞれ今状況を判断しながら、どうしていくかということは検討してまいりたいというふうに思います。
  111. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 やはり住居というのは基本なんですね。ですので、私は、ぜひここには、厚生労働省として、住居政策をきちんともう一回位置づけ直してつくってもらいたいというふうに思うんです。  新しい住居手当のあり方について、これはぜひ厚労省に旗を振ってやってもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  112. 田村憲久

    田村国務大臣 厚生労働省でございますので、そういう意味からすると、困っておられる方々に対してどうするかという観点で、住宅といいますか、住居の対策というものは考えてまいりたいというふうに思います。  全体の住居は、これは国土交通省等々、所管の方だというふうに考えております。
  113. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 私は、それがやはり福祉としての住宅政策を日本で後退させてきた一つの構造になっているんじゃないかと思うんですよ。  ほかの先進国を見ますと、住居政策というのはほとんど福祉部局が取り扱っている国が多いです。やはりそういった現実を見ましたときに、基本中の基本ですから、まさにベーシック・ヒューマン・ニーズの、住むというところ、寝るところがある、夜露をしのいで寝るところがあるというのが基本だと思いますので、そこはぜひ考えていただきたい。  あわせて、これは決意を伺いたいんですけれども、住居確保給付金の補正予算額と、それから経産省でやっている家賃支援給付金の予算額が、天と地ほども額が違うんですよね。住居確保給付金が補正予算で百億、経産省の家賃支援給付金の予算額が二兆超え。  確かに重要なことではあるんですけれども、それから考えると、まさに人が暮らすところ、寝るところ、これが必要だという意味で、もうちょっとここは頑張ってもらいたい。余りに落差があり過ぎるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  114. 田村憲久

    田村国務大臣 家賃支援金の方は、これはちょっと所管外でございますので。  これはもともと、もう御承知で、言わずもがなだと思いますが、事業者方々が、要は、本当を言うと持続化給付金で対応したんですけれども、長期化する中において、家賃というものが非常に固定費として負担感が強いということがございまして、事業を行う上においてその家賃を何とか支援しようというものであります。  一方で、こちらは、それぞれの個々の住居を何とか困っている方々確保しようということでございますので、必要な予算額はまた確保のために頑張ってまいりたいというふうに思っておりますけれども、ちょっと性格の違うものだということだけは御理解をいただきたいというふうに思います。
  115. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 私は、頑張ってくださいとエールを送る意味でこの質問をさせていただいているんです。もうちょっとはっきり言っていただかないと、本当に大丈夫かいなとちょっと思っちゃいます。  家賃支援給付金が必要であるということは、これは私も同じ考えです。なんだけれども、一人一人の家賃への支援がそれと比べると額が余りにやはり少ないんじゃないか。ここは、今後第三次補正があるやに聞いておりますけれども、実態を見ながら、また、政策ももっと使いやすく、先ほど申し上げたような要件緩和なども検討していただきながら、ぜひ一人一人の命をその人に寄り添って守るということをやっていただきたい。  このことを申し上げて、終わります。
  116. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、山井和則君。
  117. 山井和則

    ○山井委員 三十五分間質問をさせていただきます。どうかよろしくお願いします。  質問通告は休業支援金の拡充と一人親家庭への支援についてさせていただいておりますが、この間コロナが急増しておりますので、そのことについて前半お聞きをしたいと思っております。  まず、何よりも、経済にとっても暮らしにとっても私たちにとって今最大の課題は、第三波をいかに防ぐかということだと思います。  ところが、私も、基本的に、GoToトラベル、GoToイートは地域経済のために必要だと思っております。しかし、問題は、感染拡大地域においてGoToトラベルやGoToイートは感染爆発につながってしまうのではないかという懸念だと思うんです。  そこで、田村大臣にお伺いしたいんですが、第三波を防ぐという私たちの目的において、感染拡大地域においてはやはりGoToトラベル、GoToイートは一定抑制していかねばならない、こういう考え方はいかがでしょうか。
  118. 田村憲久

    田村国務大臣 先ほどもお話がございましたけれども、政府の方で四段階のステージを、一応指標を示させていただきながらお示しをいたしております。もちろん、この中でそれぞれの項目をどれだけオーバーしたかということも含めて、最終的に判断されるのは各都道府県ということになります、どのステージに位置するか。  今ほど来もお話がありましたが、第3ステージになったらばGoToトラベルに関しては抑制することを考えた方がいいのではないかというのを分科会から御提言いただいております。まだ政府としてこれは決めているわけではありません。  一方で、そういうことも踏まえながら、各都道府県がどういうステージであるか。例えば北海道がこの間言われたのは、あれは独自のステージなので、政府が示しているものとはちょっと違いますので、そこはちょっと勘違いしていただきたくないんですけれども、それぞれ各都道府県の御判断でステージを示される場合に、当然、そのような提言もあるわけでありますから、政府との間でいろいろな話があるのであろうというふうに推測はいたしております。  いずれにいたしましても、やはり、各都道府県、各自治体の話をしっかりと聞かせていただきながら、感染を防いでいくためにどういうような形がいいのか、今、現状、ヨーロッパほどではないですけれども、しかし、日本も一日に国内で一千人を超えてくる新規感染者が出てきておりますから、我々としては、感染拡大を何としても防いでいかなきゃならないというふうに考えております。
  119. 山井和則

    ○山井委員 念のために申し上げますが、私も地域経済のためにGoToトラベル、GoToイートは必要だと思うんです。しかし、アクセルとブレーキを両方踏む結果、結局、感染爆発になったら地域経済はますます疲弊して失業、倒産がふえるというのはこれも一つの問題点でありますから、そういう意味で私も申し上げております。  今、ステージ3の話がありましたが、例えば北海道、こちらにございますが、国が定めた指標七つのうち四つ、病床全体の充足率、療養者数、新規報告者数、前週比においては七つの指標のうち四つがもうステージ3を超えております。残り三つ、感染経路不明、PCR陽性率はもうほとんどステージ3に近づいておりまして、あと、重症用のベッドがどれだけ逼迫しているかというところがまだ少し余裕があるんですけれども。  ということは、これから北海道が、この残りの三つですね、国の定めた指標の重症用ベッドの逼迫率、PCR陽性率、感染経路不明、この三つがまだステージ3以下なんですけれども、ここが上回った場合にはGoToトラベルの北海道除外も検討になるという理解でよろしいですか。
  120. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、GoToトラベル、GoToイート等々、GoToキャンペーンが、それ自体が感染拡大を引き起こしておるという認識ではありませんでして、しっかり感染防止策をとっていただかずにそういうようなことをしていただく中において感染が広がってきているという実態があるというふうに認識いたしております。  いずれにいたしましても、ただいまの質問に対しては、これは一義的に、幾つこの数値を、指標を超えたからすぐに第3ステージということではなくて、各都道府県で御判断されることになってくると思います。そのプロセスにおいて、今言われたGoToキャンペーンをどうするかというのは、当然いろいろな話合いの中には出てくるんだろうというふうには思います。
  121. 山井和則

    ○山井委員 これは、どこの地域であれ、感染爆発しつつある地域をそのままGoToキャンペーンをやったら、そこから感染拡大するリスクというのは当然ありますし、例えばイギリスでは、報道によりますと、GoToイートが一つの感染拡大のきっかけになったのではないか、そういう報道もイギリスでは出てきております。  ついては、先ほど長妻委員質問にもありましたが、先ほどの話の中で、GoToイートキャンペーン開始後の事業者を通じて、参加飲食店の従業員さんが感染を報告した人数は十五名で十一店舗、北海道においては四店舗八名ということなんですね。  それで、私も、地域経済を回すという立場から、GoToイート、GoToトラベル、ぜひとも推進して地域経済を立て直したいという基本的な立場であります。しかし、問題は、感染拡大しているときにGoToキャンペーンというのは大丈夫なのかという不安なんですね。  例えば、北海道では、今、感染拡大期に入っていまして、時短営業しているわけですね。時短営業しているさなか、昨日、北海道では、GoToイートのクーポン券、食事券の販売が始まりまして、長蛇の列になったということなんです。  一方では、約二百人、ホテル療養に入れなくて、感染された方が、ホテルに入るべき方が療養施設に入れなくて自宅待機。一方では、それだけ感染拡大して療養、医療現場が逼迫しつつあるのに、GoToイートの食事券、クーポン券を同じタイミングで発売する、これについては問題はないですか。
  122. 田村憲久

    田村国務大臣 GoToイートは厚生労働省所管ではございませんので、それに関して厚生労働省がどうだということはなかなか申しづらいわけであります。  いずれにいたしましても、感染をしっかり防いでいただく対応をしていただきながら経済活動をやっていただく、これは両輪でございますので、感染をしっかりととめて、爆発的な感染をとめながら、一方で経済活動も動かしていきませんと、結果的に、新型コロナウイルス感染症では例えば感染しなくても、他の困窮において大変な御不幸が生まれる、つまり貧困というような問題が生まれる、これも我々は防いでいかなきゃならぬわけでありますので、何とか両立できるように、最大限の感染防止。  ですから、今回、五つのアクションというものを分科会の方でお示しをいただきました。この中には、例えば、事業者、職場もそうなんですが、そういう方々に再び、もう一度、ガイドライン等々、こういうものをしっかりお守りをいただいて、例えばGoToイートにしても、感染防止策をちゃんとやっていただきながら、また、それに参加される一般の消費者の方々感染防止策をやっていただきながら、そういうものに参加をいただいて経済も動かしていただきたいというようなお願いをいたしておるような次第であります。
  123. 山井和則

    ○山井委員 私も、ぜひとも飲食店、旅館、ホテル、頑張っていただきたい、応援したい気持ちはやまやまです。  ただ、一つ反省をするならば、第二波のときに、歌舞伎町から始まったクラスターから全国に広がったんじゃないかという、そういう議論もありました。今回もそんなことにはなってほしくないんですけれども、万が一、今、北海道が一番心配ですから、すすきののクラスターが全国に広がって、全国に第三波ということになっては絶対ならないと思うんですね。だから、そこが本当に難しいところだと思っております。  ついては、一つは、先ほど言ったように、北海道では療養のホテルがもう二百人も足りていないということだけではなくて、PCR検査もなかなか追いつきにくいという話も聞いております。  そこで、今、二十万件検査と言っておられますが、実際、抗原の簡易キットも含んでいるわけでありまして、現時点において、今、調べましたけれども、一日のPCR検査は七万九千件、約八万件という理解でよろしいですか。
  124. 田村憲久

    田村国務大臣 これも毎週ふえている状況で、大体一月に一万件ぐらい検査能力が、一日当たりですが、ふえてきております。おっしゃられるとおり、私が若干二、三日前に聞いた数字が七万九千四百件ぐらいでしたので、場合によってはもう八万件にいっているかもわかりませんが、それぐらいの数字、PCR検査、今、検査能力があるというふうに考えております。
  125. 山井和則

    ○山井委員 これから寒い冬が来てインフルエンザとの同時流行も心配される中で、現時点で八万件のPCR検査ということで、ぜひとも目標値をつくって、例えば十一月末までには一日何件、十二月末までには一日何件ということで、やはり第三波を何が何でも防ぐということを、具体的な数値目標を持ってPCR検査をして早期発見、早期隔離というのはこれはもう世界の流れでありますから、PCR検査も、今八万件というのはわかりました、やはり数値目標を設けてもっと大幅に冬に向けてふやすべきだと考えますが、いかがですか。
  126. 田村憲久

    田村国務大臣 そういう意味で、抗原検査キット、これを今、このシーズンに二千万回できるようにということで、メーカーとこういうような体制整備をお願いしております。  PCR検査だけではなくて、例えば、今、空港では、ルミパルスと申しまして、抗原定量検査、これを主にして整備しておりまして、今一日一万件やれる検査体制でありますが、これをもう今月中に二万件まで拡大してこようと。ですから、PCR検査だけではなくて、ありとあらゆるものをふやしていかなきゃならぬと思っております。  一方で、PCR検査は、これは民間が今投資をしていただきながら進んでおります。毎月一万ぐらいずつふえてきているということは、やはりそれなりの需要があるから設備投資をいただいておるということだというふうに思いますので、引き続き、国の方の助成制度もございますので、こういうものを活用しながら必要な件数をしっかりと整備をいただきたいというふうに思っております。
  127. 山井和則

    ○山井委員 私はそこが不思議でならないんです。これだけ第三波が危険だ、それで各都道府県などにおいてはPCR検査が追いつかないということが問題になっているにもかかわらず、旗振り役である厚生労働省がなぜ、前向きな話だと思いますよ、PCR検査検査数、数値目標をつけて大幅にふやそう。これは与野党関係なく。なぜそれについて前向きな答弁が得られないのかが私は実はちょっと残念なんです。  例えば、今第三次補正議論されていますが、私たちが思いますのは、第三次補正より前に、予備費七兆円を使って第三波を阻止するための取組を今すぐやるべきじゃないかと思うんですよ。なぜ第三次補正になるのか、そこがさっぱりわからないんです。  田村大臣、第三波を阻止するために、第三次補正より前に、七兆円の予備費を使って、医療現場支援PCR検査の拡充、療養するホテルの確保、そして、休業されるお店とかが残念ながら出てくると思いますよ、感染がふえてきたら。そういう支援を、第三次補正より前に予備費を使ってPCR検査の拡充、医療現場への支援をやるべきだと思いますが、いかがですか。
  128. 田村憲久

    田村国務大臣 PCR検査に関しては、私も大臣になる前に与野党、政府の連絡協議会のメンバーでありました、そのころから比べると倍以上になってきつつあるということを考えますと、かなり進んできています。  ただ、PCR検査だけでは対応できないというのは、やはり、インフルエンザを考えた場合に、医療現場でかなり早く検査結果が出ないとどうその患者の方を対応していいかわからない、そういう問題があります。  抗原検査キットに関しましては比較的結果が出るのが早うございまして、そういうものでしっかり対応して、医療現場コロナなのかインフルエンザなのかという判断のもとでしっかりとした対応をお願いしたい。まずはそこを全力を注いでくるということで、二千万件、平均すると一日二十万件というようなお話をさせていただいておるわけでありますが、今まで進めてまいりました。  それに対してはしっかりと、我々としても、ある意味、いろんな費用も準備して、予算も準備しながらやってきているわけでありまして、言われるとおり、しっかり感染拡大を防ぐためにいろんな対応を今やっている最中であります。
  129. 山井和則

    ○山井委員 いや、残念です。第三次補正予算は先じゃないですか。成立するのは来年の一月末とかでしょう、はっきり言って。それから予算がついて、実際施策ができるのは二月とか三月じゃないですか。第三波はもう今来ようとしているんですよね。  もう一回だけお願いしたいんですけれども、予備費を活用して第三波を防止する施策を厚生労働省としてやるべきじゃないか、それと、一番精度が高いのはやはりPCR検査なんですから、PCR検査の数値目標を決めるべきじゃないか。せめてその検討だけでもお答えください。
  130. 田村憲久

    田村国務大臣 当然、PCR検査が必要ということであれば、これは設備投資をしていただかなきゃならぬわけで、我々、決してPCR検査を否定しているわけでもないわけでありまして、使い勝手がそれぞれあると思います。  PCR検査がどれだけ早くなったといっても、やはり三時間、四時間かかりますから、そうなってくると、やはり、医療現場でどちらかわからないという発熱患者にはなかなか対応しづらいという部分もあります。そういう意味で検査キットの方もしっかりと整備しなきゃいけないということでやってまいったわけでありまして、PCR検査も、必要である部分にはしっかりと投資をいただいて、その中において検査能力を更に強化をしてまいりたいと思います。  一方で、今は行政検査だけでありますけれども、それぞれの民間で今PCR検査をやっていただいております。これに対しては、非常に費用が高いというようなお話もありますので、今回、データを公開するような仕組みをつくりまして、そこで競争していただきながら価格を下げていただいて、いろいろな使い方の中で、PCR検査、これも利用いただこう。そうなってくれば、またPCR検査自体の供給もふえてまいるわけでございますから、あらゆることをやりながら検査能力拡大を図ってまいりたいというふうに思っております。
  131. 山井和則

    ○山井委員 いや、私、謎なんです。コロナ対策の七兆円の予備費が残っている。第三波が来ようとしている。第三波が来たら、もう地域経済も大変なことになりますよ。にもかかわらず、お金があるのに対策をとろうとしない。私は、それは、別に田村大臣だけを責めるわけじゃありませんが、今の菅政権は、感染爆発を何としても防ぐと言いながら、やる気がないんじゃないかという気がするんです。  それで、そのことに関して、実は、非常に残念ですけれども、お金を、予備費を使いたくないということのようですが、でも、議題はかわりますが、休業支援金、これは五千四百億円、既に第二次補正で予算がついているんです、休業手当がもらえない中小企業の労働者に対して。ところが、三百三十億円、六%しか給付されていないんです、六%。五千億円まだ残っているわけですよ、それこそ予備費や第三次補正をしなくても。  なぜこれだけ使い勝手が悪いのかということについて、私も数十人の相談に乗っておりますが、例えば、私の地元の京都は学生さんの町なんですが、具体例を申し上げます。四ページ目ですね。  大学生Aさん。ホテルで四年間アルバイト。ホテルから、休業支援金については休業じゃないと断られた。日々雇用だ。要は、休業じゃないから休業支援金の対象になりませんと断られたわけですね。ところが、働いている人からすると、ホテルの仕事が休みだから、いや、休業じゃないですかと。ところが、ホテルやお店は、いや、休業じゃないんです、あなたは日々雇用だから求人していないだけなんですと。  ということで、田村大臣や長良課長も頑張っていただいて、十月三十日に新しいこのリーフレットをつくっていただいたんですね。その中で、対象拡大、要件緩和で、具体的には、そういう不毛な議論を避けるために、ここに書いてありますように、六カ月以上の間、二のところですね、原則として月四日以上の勤務の事実が確認でき、さらに、コロナの影響がなければ同様の勤務を続けていた意向が確認できたら、休業支援金の対象にしますと。これは私は大きな前進だと思って感謝しています。  つまり、休業とサインしてもらわなくてもいい、休業と言わなくても、コロナがなかったら仕事はありましたよねというだけの確認でいいと。半年間働いていて、月四日、これは多くの非正規の人は当てはまりますよ。コロナの前、半年、月四日、かなり低いハードル。それに、恐らくほとんどの人は、コロナがなかったら仕事はつながっているんです。  ところが、ここでまず田村大臣にお伺いしたいんですが、微妙に、例えば、具体例ですが、私が相談に乗っているこの大学生の方なんかは、半年間、平均月七回はホテルで働いていました。ただし、一カ月だけ就活のインターンに行って、その月だけは月一回なんです。こういう場合はどうなるんですか。  ちなみに、この方も学生さんだけれども、本当は三十万とかそれぐらいの額の休業支援金がもらえる可能性があるし、下宿代もあって大変困窮されているんです。平均七日働いているんですよ、月に。ところが、一カ月だけ就活活動でインターンに行っていて、月一回だったらだめなのか。  そこで、申請して断られたら、逆にシフトを外されるんじゃないかと。だから、とにかく申請してくださいとはいかないわけですよ。やはり、みんなびびっちゃっているわけです、シフトの方というのは。事業主と余り対立したくないから。  ついては、お聞きしたいんですが、ここに原則と入っているんですね、原則月四日以上、これは、今言ったようなトータルでおおむね月四日以上であれば、一カ月ぐらい何らかのそういう特段の事情があれば対象になりますよというふうに理解してよろしいでしょうか。いかがですか。
  132. 田村憲久

    田村国務大臣 委員おっしゃられるとおり、今般お示しをした部分は、六カ月以上の間、原則として月四日以上の勤務がある事実が確認可能な場合ということでありまして、継続して一定の頻度で就労していた、そういう実績があるということを求めておるわけであります。  原則としてと書いてありますので、今言われたみたいに、ずっとそういう四日以上の勤務実績があって、たまたま一月何か事情があってというようなことがあった場合に関しては、それは当然のごとく、相談をいただければ、この対象として認めるという部分もあると思いますので、それは、それぞれそういう状況を御相談をいただければありがたいというふうに思います。
  133. 山井和則

    ○山井委員 本当に前向きな答弁、ありがとうございます。  残念ながら、昨日も、十月の自殺者が去年に比べて四割ふえた、おまけに女性は八割ふえたと。それで、残念ながら、多くの女性は非正規だから休業手当は出ないんです。失業でもないから失業手当も出ない、無収入なんです。その方々の命綱がこの休業支援金なんです。  それで、今も一つ答弁いただきましたが、それに関連して、次、八ページを見ていただけますか。  東京の有名ホテル。先ほどの学生さんは四年間働いていたわけです。今度の方は、一年半、東京の有名ホテルで働いておられて、配膳の仕事をされていました。月十五日から二十五日出勤。月四日はクリアですよね。一年半ですから、半年もクリアですよ。それで、皆さんも御存じの有名ホテルですけれども、コロナで仕事がなくなったわけです、宴会が。もらえるのかと思いきや、その二条件目の、コロナがなければ仕事が続いていたと事業主の意向が確認できないとだめなんだけれども、この方がホテルに聞いてみたら、コロナがなければ配膳を使い続けていたんですよねと聞いたら、そうだったかもしれないし、そうでなかったかもしれないと。それで、コロナがなければ配膳を使っていたかの問いに、労働局はそういう聞き方をしないと思いますとも言われましたと。それで、この方も結局非常につらい思いをされているんです。  それで、もしかしたら皆さんは、そうしたら、とにかく申請してみたらいいじゃないのと思われるかもしれません。そうじゃないんです。次の十一ページを見ていただけますか。  じゃ、一回軽く申請してみようとなったらどうなったか。申請したことがきっかけで、労働局から、おたくのアルバイトの方が申請されましたよと言ったら、事業主に怒られて解雇されちゃった。これはきついですよね。厚生労働省がいい制度をつくってくださったと期待して申し込んだら、逆に首。これは実話ですよ、実話。実話なんです、これは残念ながら。  だから、私、田村大臣に聞きたいのは、先ほどの、コロナがなければ同様の勤務を続けていた意向が確認できるというこの記述なんですけれども、さっきも言ったように、店長さんが、いや、そうだったかもしれないし、そうじゃないかもしれないねと言ったりした場合にも、まあ、言っちゃ悪いけれども、ほとんどコロナが原因に決まっているじゃないですか、言っちゃ悪いけれども。これはもう、基本的にはコロナが原因と認める、申請者も同意して自己都合だったという例外的なケースだけここが当てはまらないという理解でよろしいですね。いかがですか、田村大臣
  134. 田村憲久

    田村国務大臣 雇用保険法の特例法でございますので、そういう意味では、雇っているということは、ここはやはりちゃんと証明しなきゃいけない。これはもういたし方がないことであります。  ただ一方で、言われるとおり、コロナであったかというのは、直接的じゃなくて間接的にもコロナであって、それで休業していればこれは対象になるわけでありまして、よく事情をお聞かせをいただいた上で、事業主の方に申請いただければ、労働局の方から確認をさせていただきまして、今委員が言われたようなことでよくわからないということであれば、ちゃんと説明した上で、これは休業手当の支払い義務があろうがなかろうが関係ない話でございますので、そこもちゃんと説明して、ちゃんと認めていただくように努力を我々もしますし、場合によっては、客観的事実がわかれば、それはもう労働局の方で判断をさせていただこうと考えております。
  135. 山井和則

    ○山井委員 本当に、この方もやはり六十万円ぐらいなんですよね。十五万円ぐらい、一年間働いていた仕事が四月からゼロですよ、ゼロ。十五万がゼロ。これで、数十万の休業支援金を申し込んでいるけれども、一回目は却下された。再申請していいのかということで、今回の新しいリーフレット。  それで、聞いてみますと、ホテルの配膳の仕事は女性の方が多いわけですよ。そうしたら、お子さんを抱えた方とかは、無収入になって子供に御飯が食べさせられない、助けてください、泣いているというんですよ、みんな。  そういう意味では、言っちゃ悪いけれども、店長さんや事業主さんの、コロナが理由かわかりませんよみたいないいかげんな話で数十万の休業補償が却下されたら、生きていけないんですよ。残念ながら女性の方の自殺がふえています。例えば、余り言ってはなんだけれども、シングルマザーの方やひとり暮らしの女性が半年間無収入だったらどうなりますか。年を越せないんですよ。  そういう中で、あと五千億残っているんですね、二次補正が。ぜひ、田村大臣の前向きな答弁を、QアンドAにぜひ、私が今、国会で答弁したって誰も知りませんから、これを早急に、今週中にQアンドAにしていただいてオープンにしてもらったら、申請者が、この意味はこういう労働者にとって前向きな意味であって、申請したからといって、だめ、解雇、雇いどめ、シフトを入れないなんていうことにはなりませんよと安心させていただきたいんです。  ぜひとも、今答弁いただいたような、幅広に申請者の立場に立って対象に加えるという趣旨をQアンドAで今週中に出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  136. 田村憲久

    田村国務大臣 リーフレットをお示ししたわけでありますが、疑義が生じている部分があるとすれば、これはQアンドAを早急に作成したいというふうに考えます。
  137. 山井和則

    ○山井委員 それで、例えば、本当に私も毎晩多くの方の相談に乗っているんですけれども、家賃を滞納したり子供の教育費がなくて苦しんでいる方からすると、この同様の勤務をコロナがなかったら続けさせていた意向が確認できるかどうかは本当に大丈夫でしょうかと、このお金が入らなかったら年を越せないと言うわけですよ。  そういう中で、じゃ、これはネガティブリストでどういうケースを想定しているのか。つまり、コロナ以外の理由だったというのは、具体的にこういう理由以外はコロナの理由ですよねということになると思うんです。具体的に、じゃ、この対象外になるのはどんなケースだというふうに考えておられますか。これは通告もしていて、例示をしてくださいと聞いているんですよね、だめなケース。
  138. 田村憲久

    田村国務大臣 制度上は、例えば、御本人がみずからの意思で休まれるというものは、これはさすがに対象にならないと思います。  しかし、先ほど申し上げましたが、直接的であれ間接的であれ、コロナが理由で対象になる場合は、これはもちろんこの休業支援金の対象になりますし、もし本当に明確にコロナじゃないというような理由での休業があれば、それは対象になりませんが、今般のいろいろな状況を考えると、やはり直接的、間接的にコロナの影響が高いというふうに考えられれば、それは、先ほど来申し上げておりますけれども、労働局の方からちゃんと御説明をさせていただいて、企業にも御理解をいただきたいというふうに思っております。
  139. 山井和則

    ○山井委員 ですから、もうほとんどはこれは認められるというふうに理解してよろしいですよね、コロナが理由だと言っているのであれば。今言ったように、自己都合の人は申請しませんよ、もとから。  それで、実は、実際にあったケースなんですけれども、不支給になった人から、なぜ不支給になったのかわからないと言われるんです。  例えば、言い方は悪いけれども、ある人間関係が壊れている労使の場合、店長さんが、いや、自己都合でやめたんですよと言っちゃう危険性がありますよね。そういうふうに申請者の意向と反することを事業主が言った場合は、事業主はこう言っていますけれども本当ですかという問合せは申請者に必ずしていただけますか。
  140. 田村憲久

    田村国務大臣 今のお話は、要するに、申請者の方から申請が来て、申請者の話を聞いて事業者の方に連絡をとって、事業者の方が、いやいや、そうじゃありませんという意見のそごが生まれた場合ですか。  その場合には、申請者から一回いただいていますから、申請者にもう一度確認をさせていただきたいと考えております。
  141. 山井和則

    ○山井委員 実は、残念ながら、今、田村大臣がおっしゃっているように、実際に私が相談に乗っているケースは、一回も連絡が来ずに却下されたというケースもあるんですね。きのうも、その方はもう寝込んでいられました。だから、そういう意味では、何とか知っていただきたいと思います。  例えば、昨日私が相談に乗ったケースは、八ページの試食販売の方は、ずっと、十三万から十五万、働いていて、勤続十年ですよ、半年じゃないんですよ、十年働いて、平均月七日から十日、十三万から十五万いっていた。コロナで試食販売がなくなった。申請した。何と、きのう不支給通知が来たんですよ。不支給。十年働いて、月七回。  ただ、この人は三十一日の決裁なんです、ここを見てもらったら。ということは、三十日にこのリーフレットが出た、これが三十一日だということであれば、この新しいリーフレットを知らずに、翌日だから、決裁しちゃったということでしょうか。もう一回再申請できますか。  というのは、十年勤続で月七回働いていたら、普通はオーケーに決まっているじゃないですか。もちろんわかりませんよ、個別のことは。でも、一般論としていかがですか、三十一日の決裁というのは。
  142. 田村憲久

    田村国務大臣 十分に周知できていなかったとすれば申しわけなかった話でありまして、周知いたしますが、もう一度御申請をいただければ、もう一回検討させていただきたいというふうに思います。
  143. 山井和則

    ○山井委員 ぜひとも今のことをQアンドAに書いていただいて、これは今週中に出していただけませんか。もうみんな生活に困っているんです。これは申請してからも、下手したら一カ月かかりますからね、お金が出るまで。  いかがですか。何とか今週中に、QアンドAというのは。
  144. 田村憲久

    田村国務大臣 なるべく早く出すようにいたしたいと思います。
  145. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 既に時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。
  146. 山井和則

    ○山井委員 最後に一問だけ。一人親家庭への給付金の件ですね。  昨日も、子ども貧困議連の会長として出ていただいたと。きょうの朝日新聞にもありますが、一人親、今助けてということで、もちろん第三次補正に入れるのは当然だと思うんですが、年内に予備費を使って、八月に出した一人親の緊急臨時給付金の二回目を何とかお願いできないか。これは年を越せないと思います、このままでは。  田村大臣も、貧困議連の会長で、御熱心だと聞いておりますので、何とか、このまま三次補正で、三月、二月まで待てないんじゃないかと思うんですが、ぜひともお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  147. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 答弁は簡潔にお願いします。
  148. 田村憲久

    田村国務大臣 実態をよく把握して、必要に応じて対応してまいりたいと思います。
  149. 山井和則

    ○山井委員 以上、終わらせていただきます。ありがとうございます。
  150. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 それでは、午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩といたします。     午後零時五分休憩      ――――◇―――――     午後一時一分開議
  151. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。阿部知子さん。
  152. 阿部知子

    ○阿部委員 立憲民主党の阿部知子です。  田村大臣の再びの御就任、心から期待を申し上げております。今、生活全般、並びに、きょう取り上げさせていただく医療現場も、もう本当に四苦八苦の状況ですので、大臣のリーダーシップのもとに、この国の医療が崩壊しないようお願いしたいと思います。  冒頭の一問目の質問です。大臣のお手元にもお届けしてありますが、私の本日の配付資料の一枚目であります。これはこの間の、コロナ感染症日本で発生して以来、各病院経営状況を四月、五月、六月、七月と追ったものでございますが、五月が一番医業利益も毀損されておりますが、七月になってもなおマイナス五・八という医業利益の推移、図にも出ております。  いずれにしろ、普通、医業利益はよくて二から三%で、毎月上手に運営してもそのくらいしかない。でも、これだけマイナス、マイナス、マイナスと累積してまいりますと、実は、今一番心配されていることは、この冬場コロナ感染者もまた拡大するやもしれません、そして、その中でせっかく働いている皆さんに果たしてボーナスが出せるだろうか、いずこの医療機関も同じ悩み、もう本当にいろいろ借入しても出せるだろうかという危機的な状況があろうかと思います。  先ほど菅原議員もお取り上げでありましたが、大臣には、こうした医療経営上の逼迫ということはどのようにお考えであるか、冒頭、一問お願いいたします。
  153. 田村憲久

    田村国務大臣 医療機関も、新型コロナウイルス感染症患者方々を診ていただいている医療機関、また、診てはいないけれども地域の医療を支えておられる医療機関、さまざまあられると思いますが、概して非常に厳しい状況が続いておる。最近の数字を見ていますと、若干、診療科においては、レセプトのデータを見ておりますと、戻ってきておるという医療機関もありますが、特に小児医療機関、それからあと耳鼻科等々は非常に厳しい状況が今なお続いておるということを、私もいろいろなデータを見させていただいて感じております。  もちろん、今までも数度、今ここでつぶさにはお答えしませんけれども、いろいろな対応をしてきておりますが、状況をしっかりと拝見をさせていただきながら、必要があれば必要な対応をしていかなければならないというふうに考えております。
  154. 阿部知子

    ○阿部委員 必要あればとおっしゃっていただきましたが、この数値を見たら必要だという数値でございまして、実は七月以降さして大きな改善はございません、実感としても。今お取り上げいただいた小児科や耳鼻科のことは後ほども更に問わせていただきますが、病院本体も同様な経営的な困難を抱えております。  私は神奈川の選出でありますので、大臣には、神奈川県の状況ということを御存じかどうかお尋ねをしたい、次の二問目でございますが。  神奈川は、二月三日にクルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号が横浜に寄港いたしまして、約七百六十九名の陽性者を、関東を中心に、遠く十五都道府県で受けたわけですが、うち二百三名は神奈川で受けております。二月のことであります。全体の二六・四%は神奈川で受けたということであります。  開いていただきまして上段と下段に、全国と神奈川の四月における収益の落ち込みを比較してございます。統計をとった母集団というか、少しは違いますが、ほぼ同じところをカバーしてございまして、全国でいえば、例えば四月がマイナス八・六の医業収益率であったところ、神奈川ではマイナス一五・二。約二倍の落ち込みがもう既に四月で発生しております。  大臣には、こうした状況を御存じか、また、その理由は何と認識しておられるか、お伺いいたします。
  155. 田村憲久

    田村国務大臣 令和二年の四月の医業利益率の前年同月対比でありますが、全国の病院での平均がマイナスの八・六%のところ、神奈川県の病院での平均は一五・二%であったというふうに承知をいたしております。  やはり四月は、病院の外来患者、入院患者とも大幅に減少しておるということで、特に全国の状況と比較しても、神奈川県の病院経営状況は、四月の医業利益率が著しく厳しい、悪化しているということであるようでございます。  病院によっては、今お話があったようなダイヤモンド・プリンセス号の受入れ等々で大変な御尽力をいただいて、なかなかそれに対して十分な対応ができていないというようなことも、いろいろと、病院関係者方々に対して、我々厚生労働省、御意見をいただいておるところであります。
  156. 阿部知子

    ○阿部委員 まことにそのとおりで、次のページの資料を見ていただけましょうか。これは、厚生連、JA関係の病院で、相模原協同病院というところの資料で、大変わかりやすくできておりますので、ぜひお目通しをいただきたいですが、この相模原協同病院は、実は、一月の十日、日本で初めてのコロナウイルス感染症患者さんを武漢から受け入れてございます。そして、引き続いて二月六日、今度はダイヤモンド・プリンセス号からの一例目を受け入れておりまして、三月までに既に三十人、ダイヤモンド・プリンセスだけではなくて、コロナ患者さんを受け入れました。  要は、波が一波早く神奈川の病院には押し寄せておりまして、ごらんになっていただくと、一月、二月、三月と、どんどんどんどんどんどん外来患者数も入院患者数も減ってまいります。外来については、感染を恐れての受診手控え等々もありますし、入院については、一人のコロナ患者さんを入れれば、例えばリハビリ病棟をほかに転用するなど、工夫をしなければなりませんので、この一、二、三、落ち込んで、さらに四月からは緊急事態宣言、そして四、五と落ち込んで、やっと六、七、八、九と何となく上がってきておりますが、到底もとに戻るほどではございません。  私は、この事態に関して、ちなみに、この相模原協同病院は、九月までに百八十一名、コロナ患者さんを受け入れてくださいました。公立病院ではありません。JAですから公的病院に分類されるところと思いますが、相模原の市立病院がないためにここが感染症病棟を持っていただいている、そして負荷をかけたということだと思いますが、一月から九月でこれを計算いたしますと、損益というかマイナスが二十三億三千九百万の減収でございます。  ちなみに、この病院は、非常に上手に運営されていて、ふだんは収支は黒でありますが、わずかこの一から九月までで二十三億の赤字が出てまいります。  大臣、正直言ってこれを、次にコロナ患者さんを診たら補填するとか言われても、もうベースが本当に危機的であります。普通、これはコロナ感染症災害と見るべきで、災害であれば、減収補填というのは、そのベースを維持していくためにもしっかりした減収補填が必要で、これは野党と与党との合同協議の中でも、もともとの減収補填という考え方をとって、例えば、今予備費がございますから、そういうものの御使用も検討していただきたいと申し述べているところで、これは一例、とてもわかりやすいので、まず大臣の御認識を伺います。
  157. 田村憲久

    田村国務大臣 今なお医療機関の経営が厳しいという話を私もお聞きをいたして、認識いたしております。  そのような意味で、いろいろな、一次、二次補正、それから予備費も使って対応してまいりました。三兆円ほど予算を確保して対応しております。  その中には、空床等々、ベッドをあけておいた場合に、ただ単にあけているベッドだけじゃなくて、それに付随する部分も当然のごとく収入が入ってこないというようなことがございますので、そういうものも広げて対応したり、単価自体も見直したり、さらには、いろいろな、感染防護のための措置に対する費用等々に関しても御支援をさせていただいたり、また、コロナ患者診療いただいている場合に関しては、重症者を診ていただいているところは診療報酬を三倍にしたり、中等症の呼吸管理をされているような患者皆様に対しては五倍にしてみたり、さまざまな対応をしてまいりました。  ただ、都道府県を通じて交付金という形でお支払いをいただくという部分が多いものでありますから、その手続が、都道府県に御無理をお願いしているという部分もございまして、おくれておりまして、実態として今配り始めたところであるという認識であります。その状況も若干拝見をさせていただきたいと思います。  一方で、今言われた、四月に遡及して診療報酬なんかは見ているんですが、二月、三月のダイヤモンド・プリンセス号の対応等々に関しては、ほとんど対応させていただいていないという状況があります、厚生労働省として。  これは、実は私も、党のコロナ対策本部長をやっておりました、大臣になる前。そういうお声をたくさんいただいております。これに対してどういうことができ得るのかというのは、ずっと検討をしてまいってきておりますけれども、そろそろ何らかの対応を考えないと、本当に、次にコロナが広く広がったとき、若しくは新たな新興感染症が発生したときに、一番初めに手を挙げて対応した医療機関が何か損をしたというふうに思われるのは、これはもう本当に申しわけない思いでございますので、しかるべく、どういう方法があるのか、更に検討を深めてまいりたいというふうに思っております。
  158. 阿部知子

    ○阿部委員 大臣は幾つか重要なポイントを御答弁くださいましたが、今いろいろな補助金や診療報酬の加点で行われておりますものは大半は四月からで、この一、二、三月は全く補填がありません。だから、いつまでも立ち上がれない。  そして、プラスです。その加点の仕方にも問題があって、例えば、ICUに患者さんを受け入れた場合と、ICUで個室対応ができないので感染症病床で受け入れると、ここにも非常に金額の差が出てきております。手間暇は倍以上かかっても、ICUに入室したか感染症病床かで、それも違ってまいります。  大臣には状況は御認識と伺いましたので、ぜひ、本当に、なぜ神奈川の医療機関がこれだけ損失を持ち越さざるを得ないのか。  ダイヤモンド・プリンセス号のときには、わざわざ加藤大臣が、私の藤沢ですけれども市民病院に連絡されて、副院長を、DMAT関係の先生でしたので、わざわざです、依頼をされて、そして、みんな本当に頑張りました、県下の病院は。実は、受け入れた病院の数も三十八に及びます。神奈川県下でコロナ患者さんを受け入れた病院は三十八。国公立が十七、公的あるいは民間が二十一です。  公的あるいは公立であれば、特に公立であれば、国や市町村、自治体の補助もというか、それも大変ですけれども入ります。ところが、公的は母体の方に負担ですし、民間はまるでもろかぶりです。  私たちは、やっていないことを要求しているんじゃなくて、やったんだ、本当に支えた、しかし、その結果、四月以降ねと言われたら、一体あの期間は何だったのかと。  みんな、戸惑いながら、しかし、家庭も犠牲にして必死に頑張りました。本当に、どの病院お話を聞いても、ありがたいと思いますし、頑張っていただいたと思いますので、そのことに報いる措置をぜひお願いしたいです。よろしくお願い申し上げます。  そしてもう一つ、実は、地域医療介護総合確保基金というものもございまして、地域医療介護総合確保基金だからこういう急場には何か使えるかなと思ったら、そうではないのです。これは、実は、病院をダウンサイズして統廃合したらそれで出しますよというもので、こんなにコロナで人手はかかる、ダウンサイズ、統廃合ではなくて、仮設病棟までつくっているときに総合確保基金と言われたって、何も役に立たないよと。これも私は強く指摘されることです。  今後のためにも、感染症対応の基金を、これは、繰り返しこの冬もあるかもしれません、ぜひ御検討いただきたい。統廃合、ダウンサイズのための基金じゃなくて、しっかりと感染症対応できる基金を、これから補正も組まれるといいますから、そこで医療機関側が使い勝手よく、診療が保持できるようにしていただきたい。私たちは逃げるつもりはない。だけれども、この冬の本当にボーナスが喫緊の難題であります。  ぜひ、大臣、迅速に一―三への遡及、そして基金等々での対応を御検討いただきたいが、再度更問いでお願いいたします。
  159. 田村憲久

    田村国務大臣 総合確保基金は、これはもう御承知のとおり、今言われた地域医療構想のためにある基金でございます。そういう意味では、消費税財源でありますので、使用目的も決まっておるということでございます。  一方で、地方創生臨時交付金、これは比較的使い勝手がよい基金でございます。こういうものでいろいろな対応も今なおしていただいているわけでありますし、物によってはといいますか、対応によっては包括基金の方、これは新型コロナ対応したものでありますけれども、これもあるわけでございまして、必要なものにしっかりと対応できるように、もちろん、臨時交付金の方は厚生労働省所管ではございませんから、私から物を申せる話じゃありませんけれども、必要な予算をしっかり確保すべく努力してまいりたいというふうに思います。
  160. 阿部知子

    ○阿部委員 今御答弁いただいた包括支援金は、先ほど大臣も言われたように、まだ来ていないんですね。県のところでまだとまっている、遅い。これも空床補填のためですが、一月までさかのぼっていただきたい。  それから、地方創生臨時交付金も、人口規模が多いところは、正直言って不利になります。これは、今度のコロナ感染症対応を考えると、ちょっと私はデザインが間違っているかなと思います。  大体、人口密集地にコロナは多いわけですから、どちらかというと、地方創生していただくという、周辺の、人口の少ないところに頑張っていただくというコンセプトで、この感染症のように、人が密集したところに多いということに対応を必ずしもしていないと思いますので、この点についてもよろしくテークノートしてくださいませ。  次に、小児医療のことを申しませば、もうこれは悲惨のきわみでございます。  次の資料を見ていただきますと、先ほど大臣が御答弁で、小児科とか耳鼻科とかは落ち込んでいますねと。あと、整形外科も当初落ち込んでおって、最近、岡山で倒産したところが出ましたけれども、いずれも患者さんは、四月、五月、六月、七月に入ってもまだ七割くらいで、赤囲みして小児科のところを出してございますけれども、内科や他の科に比べて非常に減収幅が大きい。正直言って小児科は今、予防接種すら来なくなるほど感染を恐れていらっしゃいますから、外来数を単にふやせばいいという問題でなく、また、発熱などの患者さんの場合は、トリアージといって、コロナか、インフルか、いろいろ、それは全部、全て予防衣を着てやりますので、手間暇ももう本当にかかっております。  もともと、小児科の診療報酬は低く設定をされておると私は思います。これではとても小児科が町中で当たり前に子供たちの第一線に立つことができなくなってきている。小児科で閉院したところももう既にございますので。きょう夕刻、申入れに三原副大臣に行くんですね。ぜひ、日本の中に小児科のクリニックが消えてしまったら、今、数多い虐待とか子育て支援とかもできなくなりますので、私も危機感、自分病院もそうですから、危機感を持って、この点についても別途ぜひ御検討いただきたいですが、大臣、いかがですか。
  161. 田村憲久

    田村国務大臣 発熱患者対象にしまして医療機関等々に対しての補助、一つは、これは先ほど申し上げました、新型コロナウイルスインフルエンザかわからないことも含めていろいろな体制を組んでいただいておりまして、これは小児科も当然対象になってくるわけで、ことしインフルエンザが少ないという話をいたしましたが、仮にこのままのようなことがあれば、これはインフルエンザが少ないということで大変ありがたいことではあるんですけれども、一方で、患者が来ないという意味ではダブルパンチで医療機関も大変なわけでありまして、体制をしっかり組んでいただいておりますので、お手を挙げていただいて指定したところに関しては、仮に患者が来なくても、一定程度、二十人程度まで上限で補償する等々の対応をさせていただいているわけであります。  また、新型コロナウイルス患者の疑われる場合には、救急、周産期、小児科等々に関して、これは支援をしておるというところ。  さらに、今トリアージのお話が出ましたけれども、これも、コロナの疑いがあるというふうに初めから感じていただいて医療を行っていただければ、このトリアージというもの、加点がとれるわけであります。  一方で、そうはいっても、もともと厳しい状況であります。どういう対応をすべきであるか、今私も非常に頭を悩ませておりまして、小児医療機関がもしなくなるようなことになれば、これだけ少子化対策子供たちを産み育てたい、そういう御家庭にはぜひともそういう環境をつくろうということで菅内閣は頑張っておるわけでございますので、しっかりと知恵を私もめぐらせながら、小児科を守るような対策を講じてまいりたいというふうに思います。
  162. 阿部知子

    ○阿部委員 いずれの事業、あるいは暮らしも大変な中ですから、小児科のことばかり申し上げて恐縮ですが、でもやはり、本当にそこにないと子供さんも安心できないと思いますので、今の大臣の御答弁、前向きと受けとめましたし、ぜひ策を検討していただきたい。  小児科医会の神川先生も何度も要請に来られて、お声は届いているとは思いますが、私からも重ねてお願いをいたします。  それから、コロナ患者さんの感染のチェックをすること、それを病院がやっていますと言うと、今度はほかの患者さんが来なくなるんです。これが非常に悩ましいところで、健診も手控える、予防接種も手控える、大体、クリニックに行かない、そこには行かないとなってしまう。  でも、私たちは応招義務があると思うので、それでも感染症を診ようと、みんな小児科医はそのように覚悟をしております。一番身近で診てさしあげたいから。だけれども、本当に、それと、ふだんの患者数がそっちをやると減っちゃうという。これがもう本当に悩みですので、ぜひ知恵を出していただきまして、存続のため御尽力いただきたいと思います。  引き続いて、私は、今感染拡大しておりますし、特に、クラスターと言われて、あるところで複数の方が感染されるという例が多いと思います。  大臣のお手元に、七月以降のクラスター等の発生状況の推移という一枚ペーパーがございますが、これを見ていただきますと、実は、七月、八月、九月、見ていただいて、集計いたしますと、例えば八月は五百二十三件で、うち百九十四が医療機関、四割が医療機関。少ないところでも大体ほぼそのような率で、クラスターの中で医療機関、福祉機関、あるいは保育園も多くなってございます。仕事自身が密ですし、密を避けてはやっていられないので、このようなクラスターの発生が非常に医療、介護、福祉施設で多いわけです。  しかしながら、国のいろいろな出される通知やあるいは専門家会議の、感染症対策分科会などの御発表を見ておりますと、おやっと思うことがございます。  資料の次のページをあけていただいて、九月十五日に厚生労働省が出された通達で、ここには確かに、医療機関や高齢者施設に勤務する者を対象に一斉、定期的な検査の実施を行うようにお願いしたい、すなわち、病院や介護施設や福祉施設で働いている人の検査をお願いしたいという文章が九月十五日の通達でございます。  これは、一定の、例えば感染者が多発している地域やクラスターが発生している地域では、その発生した当の施設でなくても、ほかの施設でも、働く人をやってくださいと。私は、とても重要なことだと思います。今、感染の六割以上が無症状者からの感染で、ここに暮らす皆さんはハイリスク群です、御高齢者にしろ、障害者にしろ。子供は比較的強いと言われておりますが、いずれにしろ、そうした御利用者を守るためにも、そこで働く皆さんの検査というものが必要となると思うのですが、その下は、十一月九日に出ました第十四回のコロナウイルス感染症対策分科会の文章から引きましたが、ここのクラスター対応は、幾ら穴があくほど見ても、医療機関とか介護、福祉機関のクラスターのことはどこかでふっと消えてしまっています。飲食店、外国人コミュニティー、高等教育機関、職場。職場も、飲み会のお話ですから、医療や介護や福祉ではない。  その業務ゆえに感染の方を扱う確率が高い、これが、エッセンシャルワーカー全体にそれは言えると思いますけれども、例えば緊急事態宣言下にも仕事は休めなかった、今も感染拡大のときにしっかりと仕事をやり続けなければならない。なぜ九月十五日の通達から、片やは専門家会議のものですが、こうした働く人を守ろうという視点が消えているのか、私は不思議でなりませんが、大臣、いかがでしょう。
  163. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えしたいと思います。  この配られている資料の、確かに上段のところは「勤務する者、」というふうに書いてあって、この下は、まさに分科会の先生方が出された資料だと思います。このときの先生方の問題意識は、最近、感染者の数がふえている、クラスターも多様化していると。多様化の意味は、ここにありますように、接待を伴う飲食店、これは従来から言われていましたが、外国人コミュニティーであるとか、あるいは大学であるとか。したがって、今までと着眼点が違う、そういう多様化しているクラスターに対してどういうアプローチをしていったらいいかという観点でこの資料をまとめられていますので、従事する方、勤務する方という表現が入っていないと思います。  ただ、決して、ここに入っていないから勤務する方を軽視しているわけではなくて、九月十五日のこの事務連絡、これは今でも生きていますし、更に言うと、十月十六日にもう一回事務連絡を出していますが、ここでは、医療とか介護の従事者で、もし発熱があったらできるだけ早目に受診して検査を受けてくださいという、そういう促すようなことも改めてしていますので、決して軽視しているわけではありませんので、念のため申し上げたいと思います。
  164. 阿部知子

    ○阿部委員 今の御答弁の認識が違っているんです。発熱してから行くんじゃないんです、いいでしょうか。発熱は症状があってのことです。そうではなくて、無症状でも感染を広げやすいということなんです。  そこで働く皆さんに、例えば二週間に一回とか、一カ月に一回かもしれません、財源がありますから、そういうふうにやってほしい。これは最近、医療関係従事者を定期的に検査した場合に感染のクラスターを二割以上抑えられるという米国の論文もあるはずです。  今おっしゃったのは、症状が出てからです。そうではないんです。そして、通達の意味もそうではないはずです。通達をみずから出されて、その理解がそこにとどまるから、なかなか広がらないんだと思います。  各自治体、どれくらいやっていますか。おわかりだったら数を教えてください。どうでしょう。
  165. 田村憲久

    田村国務大臣 ちょっと御理解をいただきたいのは、先ほど言いました発熱患者というのは、改めて、それはもう介護、医療現場で発熱したら間違いなく検査をやっていただかないと困りますという意味で、私が再度お願いをして、各都道府県等々に発出したという形であります。  あわせて、その前の、要は感染拡大地域での、言うなれば介護・医療従事者ですね、働いておられる方々、この方々に対してもでき得る限りやっていただきたい。というのは、それはやはり、行政検査といえども自治体の負担もございます。それから国自体も、例えば、これもちょっと試算してみたんですけれども、医療・介護従事者で例えば十日に一回、検査を定期的にやっても、年間やはり数兆円、今のPCR検査の費用でやればかかってくるということがあります。  でありますから、本当ならば、もうそれを全てやればいいのかもわかりませんが、費用対効果、いろいろ考えると、やはり、感染拡大している地域はそれだけ感染される蓋然性が高いわけでありますから、そういう意味でやっていただきたいということでこれは通達を出したわけでありまして、そういう意味では、思いとしては先生と同じ思いを共有をさせていただいているというふうに思っております。
  166. 阿部知子

    ○阿部委員 たしか長妻委員の御質疑の中でも、この検査についても、厚生労働省の方針は、正直言ってアクセルとブレーキ両方みたいなところがあって、私は、やはり感染症ですから、検査しなければわからない、隔離しなければ広がる、そして早く治療すれば軽症化する、当たり前の原則に戻るべきだと思います。  今、大臣が、それは全部、全国やるのは無理でしょうとおっしゃって、私も何もそこまで言ってはおりません。しかし、東京都などは今明らかに感染拡大、北海道でもそうです。そうしたところで御高齢者、障害者を守るために、施設に働く皆さんの検査をしていただきたい。  ちなみに、この間、世田谷区で始めておりますが、七百何十人かやって四例、介護施設で無症状な方で陽性に出たと。じゃ、陽性に出て、実際に感染力がどこまであるかというのはわからないのです。でも、出れば隔離をしておくのが、これは安全に幅をとったということで、決してこれは無謀なことではなく、実際に、その施設を守る、入所者さんを守る、弱い者を守るという政策だと私は思いますので。今の数値は世田谷区の区長から伺ったものですし、何検体かを集めてやっていらっしゃいますから、感染拡大すればそれも必要となると思いますので、大臣にはお伝えをしておきます。よろしくお願いいたします。  さて、残された時間を少しハンセン病のことでお伺いをしたいと思います。  ハンセン病については、この間、家族訴訟もございまして、長年御苦労をかけた御家族に対しての慰労のことを国は行わせていただいておりますが、なかなかこのハンセン病の抱える歴史というものは深く、そして闇も深いと思います。  きょう私が取り上げさせていただきたいのは、ハンセン病に関する資料保存の必要性ということでありまして、実は、この間、ハンセン病については、例えば胎児標本があることがわかって、それが六園くらいであったかと思いますが、そういうことの調査も必要だと言われ、今回は、二〇一三年のことですが、熊本日日新聞の報道から、熊本医科大学で、ハンセン病療養所菊池恵楓園のハンセンの患者さんの骨格標本をつくっていたと。これは戦前のこと、戦後にも少しわたっておりますが、療養所と大学がおのおの調査するわけですが、当初の調査では、入所者四十三人の遺体が解剖され、そのうち二十人の御遺体が骨格標本として残されたということが当初の調査ではわかりました。これは、多分、大臣が前回御就任のときでありましたので、御存じだと思います。  これについて、それくらいな数ではないだろうということで、入所者の皆さんが、二〇一四年から、自治会の要請で、もう一度再調査をしてくださいということをおっしゃって、六年かけて、この九月に調査報告書が出ました。  その調査報告書では、明治四十四年から昭和四十年にかけて亡くなられた入所者二千四百人のうち四百七十九体が解剖されて、そのうち個人が特定できたものが三百八十九。園に保存されて、園で解剖がわかったものが二百九十一、熊大の医学部が九十八となっておりますが、いずれにしろ膨大な数の解剖が行われていた。  それで、実は、この解剖は、園に入るときにあらかじめ解剖の承諾書というのをとられて、それではもう逃げ場のない中で承諾という形になって、それもいかがなものかということで、こういうことを一連、箕田先生とおっしゃるこの恵楓園の、療養所の園長先生以下職員が、本当に総がかりで六年かけて、一万時間以上を費やして調査をしてくださいました。調査に用いた段ボールが千百十五個、三万件のいろいろな資料がそこにはあったと。  調査は、一応六年かけて、今言ったような数値のことがわかりましたが、ただ、また物の見方を変えれば、ここからいろいろなことがわかってくるかもしれないというので、今、入所者の皆さんは、この資料を保存していただきたい。たまたまこれは残っていたというところから再調査もかけられましたが、療養所等々にある資料の保存ということについて大臣の御認識を伺います。
  167. 田村憲久

    田村国務大臣 今委員おっしゃられましたとおり、菊池恵楓園における調査報告書、入所者二千名強の方の中で三百八十九名以上が病理解剖を受けたということで、これ自体、本人の入所時の同意があったとはいえ、非常に重いものがあるというふうに認識いたしておりますし、故人の御遺体を丁寧にお扱いしなきゃいけないわけでありますし、尊厳というものを守るべきでありまして、倫理上は大変遺憾であるわけであります。  二度とこのようなことが、繰り返さないように、過去の過ちを教訓として、これからもハンセン病問題の解決に向けて取り組んでまいりたいというふうに思っております。  あわせて、その資料という意味で、これをしっかりと後世に管理、保存していくべきであるというようなお話でございました。  今、昨年三月に、歴史的建造物等の保存に向けた基本的な考えというもの、これを整理したところでございまして、検討会でいろいろと御議論をいただいたわけでございますけれども、隔離政策の歴史を象徴する文書、これも資料の保存の対象としておるわけでございまして、ワーキンググループ、これを設置し、保存すべき建造物、史跡、資料のリスト化に取り組んでいるところでございます。  各療養所における検討状況等を踏まえながら、引き続き、こういう資料に関しての保存、取り組んでまいりたいというふうに思います。
  168. 阿部知子

    ○阿部委員 入所者の皆さんは、公文書管理法にのっとると、国立公文書館とか現地じゃないところでの保存になる、そこにおいては、やはり現地の歴史と自分たちの生きたしるしですから、そこで残して、そして、そこでいろいろ今後も検証が続くことを願うということであります。  今大臣も御答弁いただきましたが、歴史的建造物等の資料として扱うか、あるいはハンセン病の解決促進法二〇〇八年の中にある十八条の中に、そうした資料の保存を行うこととありますので、何らかの法的担保を持ってやりますということを大臣が入所者の皆さんにもお約束いただけると、皆さん御高齢でありますし、しかし、その歴史は消すことができないんだということを国としてお伝えできると思いますので、公文書管理法上の扱いとして工夫をしていただければと思います。  同様に、実は各ハンセン病の療養所には、社会交流会館と申しまして、こうした入所者の皆さんの、あるいはハンセン病の歴史をしっかりと展示したり地域に伝えるためのものがございますが、日本全国で十二の社会交流会館があって、多磨などの国立ハンセン病資料館は別途ですが、各地方の療養所に付随したような社会交流会館がございます。  ここで働く学芸員の皆さんは、実は一年契約の雇用を繰り返していて、極めて身分が不安定です。調査研究を行うにも、本当に入所者の皆さんと一体になって、やはり、お気持ちを受けとめながらしかできない調査研究について、一年契約というのは、大変にこれは遇し方としてはいかがなものか。  現在、二十九人の定員枠に欠員が六名も生じております。私は、これは本来、例えばハンセン病療養所のきちんとした定員の職員に入れてもいいくらいのものだと思います。そうやってきちんと遇することが、どんどん御高齢化して散逸しやすい資料をしっかり学芸員が保護し、研究し、伝え、私たちが学べるということで、この学芸員の処遇について大臣の御見識を伺います。
  169. 田村憲久

    田村国務大臣 今言われました社会交流会館の設置でありますけれども、適切な啓発活動を進めていくためには、そこで働くやはり学芸員の皆様方の役割は非常に重要であると考えております。  今おっしゃられましたけれども、定員はふえてきておりまして、令和二年も二人ほど定員枠はふえているんですが、実際の人数もふえてはいるんですけれども、まだ六人の枠があいておるということは、これは実態としてあるわけであります。  いずれにいたしましても、学芸員の確保にしっかりと取り組んでいくということは大事でございますので、先生からの御意見、しかと受けとめさせていただきながら、定員確保のために頑張ってまいりたいと思います。
  170. 阿部知子

    ○阿部委員 では、これが最後の質問になろうかと思いますが、大臣ももしかしてお目にとまったことがあるかもしれませんが、菊池恵楓園では、金陽会、入所者の皆さんの絵画サークルがあって、大変貴重な作品が八百点余り保存をされております。  正直言うと、各地の療養所を回ると、みんな、その方が亡くなられると、せっかく描かれたものも燃やされてもうないということが多い中で、菊池恵楓園は、たまたま熊本市現代美術館の館長が保存に力を尽くされて、本当にすばらしい絵が残っております。  こういう絵も大臣御存じと思います。保存にとても気を使い、費用もかかるものですが、本当にその方たちのどの絵もすばらしい、きょう見せたいくらいですけれども、そういうものもしっかりと保存されるべく、予算含めてよろしくお願いしたいですが、いかがでしょうか。
  171. 田村憲久

    田村国務大臣 手元の資料にそのすばらしい絵の一つがあります。本当にすばらしい絵だなというふうに思って今拝見させていただいております。  やはり、偏見、差別をもって大変な思いをされた方々、こういう方々が名誉を回復するという意味からすると、こういうような活動というものを後世に残していくということは、これは大変重要だというふうに思います。  ちょうど今、資料館、リニューアルオープンに向けて改装中ということでありますので、資料の保存や展示作品、こういうものがちゃんと展示できるような必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
  172. 阿部知子

    ○阿部委員 ぜひよろしくお願いいたします。  その方たちの生きた歴史と尊厳の回復ということで、多く私たちが学ばねばならないと思うので、大臣の御活躍を期待しながら、終わらせていただきます。ありがとうございます。
  173. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、尾辻かな子さん。
  174. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 立憲民主党の尾辻かな子です。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、田村大臣、御就任おめでとうございます。しっかり議論をさせていただければと思います。  それでは、早速質問に入っていきたいと思います。  まずは、きょう午前中もありました後期高齢者医療制度のことについてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。  全世代型社会保障検討会議、十月にも開かれておりますけれども、昨年の中間報告で、後期高齢者であっても一定所得以上の方については、その医療費の窓口負担割合を二割とし、それ以外の方については一割とする、こういう考え方がまとめられているわけです。  私は、今本当に、コロナ感染症の問題、第三波が来ているというような認識をされている方も多い中で、高齢者の方々も受診控えをされているという状況がございます。ここに更に自己負担を二割、これは一割から二割、倍増ということになりますから、かなり支払い負担が重くなる、医療へのアクセスが阻害されてしまうのではないか、重症化しないと病院に通院されないことになるのではないか、こういうことを危惧しております。  ですので、ちょっとこの辺を聞いてまいりたいと思うんですけれども、まず、この窓口負担二割という話はいつまでに決定をされるものなのか、そして、一定所得以上の方というこの線引き、ここは大体どれぐらいを想定されているのかということについて大臣にお聞きしたいと思います。
  175. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、今、新型コロナウイルス感染症がふえてきている中において、高齢者の方々、以前の波のときもそうだったんですけれども、受診控えをされている方々が結構おられるという話で、これに関しましては、やはり慢性疾患を抱えておられる高齢者の方々が多うございますので、必要な医療はしっかりと受けていただきたいということでお願いをさせていただきながら、一方で、やはり医療機関が怖いと思われている方々もおられますので、そのためにも、感染防護のためのいろいろな費用もお渡しをさせていただきながら、私は、医療機関はしっかりと今御努力をいただいているというふうに思っております。ですから、ぜひとも高齢者の皆様方にも必要な医療は受けていただきたいという思いをお伝えさせていただきたいと思います。  その上で、今お話ございました全世代型社会保障検討会議において、昨年でありますけれども、この二割負担、これは、所得能力というか負担能力ですね、負担能力のある方々に対しては二割負担をお願いしたいというようなことになったわけでありまして、それはやはり、人口構成が変わる中において支える側がだんだんだんだん数が少なくなってくる中において、高齢者であられても負担能力のある方々に関しては、もちろんそれぞれの方々の生活もございますから、そこはいろいろ勘案していかなきゃならないわけでありますけれども、二割負担をお願いしたいということで、ことしじゅう、この十二月末までに全世代型社会保障検討会議の中において最終的な報告を出される、それまでの間、社会保障審議会の医療保険部会において議論をしていただいて検討を進めてまいる、このような日程でございます。
  176. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 この一定所得ということについては今どのような議論になっていますでしょうか。
  177. 田村憲久

    田村国務大臣 それは、今申し上げました負担能力に応じた負担ということでございますので、まだ具体的に所得が幾らというような数字が出ておるわけではございませんので、これからのプロセスの中でそういう議論になってくるのであろうというふうに思っております。
  178. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 あと、確認ですけれども、この二割負担、もし決定された場合に、大体いつから引上げになるのかとか、対象者の方が今の後期高齢者の方ではなくて新たに後期高齢者になる方からになるのかとか、そういったところは今決まっているんでしょうか。
  179. 田村憲久

    田村国務大臣 全世代型社会保障検討会議の中においては、新しくというわけではなくて、七十五歳以上の方々すべからく対象になるというような基本的な考え方のもとに議論をされているというふうに聞いております。  それから、もう一つは何でしたっけ。ごめんなさい、済みません。
  180. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 いつから引上げというところです。
  181. 田村憲久

    田村国務大臣 失礼いたしました。  これは、まだ今検討の最中でございますので、いつから引上げになるかということは、まだこれからの議論であろうと思います。
  182. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 これはかなり影響が大きい話であるというふうに思っております。やはり、午前中の議論もありましたけれども、財務省の方での議論というのが私はすごくやはり気になっております。  十月八日の財政制度審議会の分科会では、可能な限り広範囲で八割給付、つまり二割負担を導入するというようなことが分科会では指摘をされているわけで、こうなると、本当に高齢者の方々の生活というものが成り立つのかということが危惧されますので、ぜひともこれはやめていただきたいというふうに思っております。  あわせて確認します。  二割負担になるという場合において、私も医療現場でソーシャルワーカーをやらせていただいていたので、自己負担の限度額がどうなるのかというのはあわせて非常に気になるところであります。この自己負担限度額の変更というのは検討されているんでしょうか。
  183. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  全世代型社会保障検討会議の中間報告におきましては、具体的に高額療養費の自己負担限度額の見直しについては指摘されておりませんけれども、窓口負担の見直しにつきましては、その際に、高額療養費の負担限度額の見直しが必要かどうかもあわせて、また、高齢者の疾病や生活の状況も踏まえて検討することとしております。
  184. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 自己負担限度額を変更というのはぜひやめていただきたいというふうに思います。これで大分変わってしまいますので、ここはしっかり死守していただきたいと思いますし、この二割負担、私、本当に、今、現役並み所得の方はもう三割ですから、しっかり払える方は三割払っていただいているわけです。七十五歳以上の方というのはほぼ年金生活者の方々ですから、負担がふえるからといって所得をふやす方法はまずないだろうというふうに考えるわけです。なおかつ、消費税も今一〇%になっているということを見ても、やはり使えるお金が減ってきているんだろうということをすごく思っております。  後期高齢者は一人当たりの医療費も高いので、年収に対する患者の一部負担の割合は一割負担でも既に十分高いという指摘もされているところです。これに更に介護の方の負担というのもあるわけで、所得の線引きによっては、介護保険も二割負担、医療保険も二割負担、これではさすがにもう家計はもたないというふうに思います。  大臣、この辺はいかがでしょうか。
  185. 田村憲久

    田村国務大臣 今、委員おっしゃられました年齢別の窓口の負担額というもの、こういうものを見てまいりますと、確かに、若い方々といいますか現役世代の方々は三割負担でありますが、加齢に伴って逆に医療を受ける回数がふえてくるわけで、そういう意味からすると、窓口での負担額というのが、若い方と比して、決して高齢者の方々が一割負担だから低いというわけではないのは、これは数字を見ると事実であります。  また、介護等々に関しましても、三割負担、二割負担と広げてきておるわけでありまして、そういう意味では、負担感というものも以前と比べると年金生活者の方々も感じておられるというふうに思います。  それも含めて、家計の状況がどういう状況なのか、負担能力等々をしっかりとこういうデータももとに議論をしていただいて最終的には判断をしていただくというふうに思っております。
  186. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 特に、タイミングとして、私はやはり今じゃないだろうと本当に思うんですね。コロナで高齢者の方々もふだんどおりの活動もなかなかできないという、本当に不安が高まっている中です。そこで更に二割になるというと、本当に負担感も非常にあると思いますので、これは何か自民党さんの方でもかなり異論が出ているというふうにも聞いておりますので、ぜひともこの状況下で負担増はやめていただきたいということを強く申し上げておきたいと思うんですが、ちょっと大臣、いかがでしょうか。
  187. 田村憲久

    田村国務大臣 さまざまな御意見をいただいておりますので、さまざまな御意見にしっかりと耳を傾けさせていただきながら、検討会の方で最終的に報告を出していただくということになるというふうに思います。
  188. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 よろしくお願いします。  次に参りたいと思います。  ちょっと順番を変えまして、不妊治療の方を先にお聞きしてまいりたいと思います。  不妊治療の保険適用という方向性で進むということですけれども、まず、この不妊治療の保険適用は、私は少子化対策の一環として位置づけられていることには非常に違和感を覚えるわけですね。本来、産みたいと望む人が子供を産める社会であったり、環境にかかわらず生まれた子供の権利が守られる社会でなくてはならない。そこからの不妊治療の助成とか、仕事と両立できる職場環境整備、こういうことを進めていくべきであろうと私も思います。  ただ、一方で、保険適用ということについてはやはりさまざまな危惧がございます。保険外診療としてのそれぞれのクリニック等が独自性のある診療をされている現状、保険適用によって混合診療になり得ることなど、この辺、丁寧な整理が必要かと思います。  さらに、保険適用となった場合に、保険がきくのだから不妊治療を行うことが当然だ、スタンダードである、標準であるという考え方が主流になって、御本人の選択の余地が狭められるのではないか、やはりこういう危惧がございます。  もちろん、保険適用されても、治療のつらさとか成功率の低さなど、さまざま不妊治療にある問題というのは残るわけです。  更に言うと、子供を持たないことに対する生き方について否定するような方向性がこの保険適用によってつくられるのではないか、不妊治療によって出産奨励というような機運に逆に結びついてしまうのではないかという、このあたりも危惧をされるところであります。  大臣、この危惧に対してはどうお考えになるでしょうか。
  189. 田村憲久

    田村国務大臣 総理から、任命をいただくと同時に、不妊治療の保険適用化、指示をいただきました。  少子化だから不妊治療というよりかは、子供を産み育てたいと思っておられるそういう方々が経済的負担の中でなかなかそれを実現できない、不妊治療が実現できないという方々に対して、助成制度や、今回は保険適用を目指して今進めているわけでありますけれども、それによって自分の幸せといいますか望むことが実現する、その結果お子さんの数がふえるという意味で、不妊治療を保険適用化をするというのは非常に大きな意味があるというふうに思っております。  一方で、委員がおっしゃられるみたいに、保険治療だと、治療だから、どちらかというと、いろいろな自分の人生がある中において、子供をつくらなければだめなんだというような圧力がかかってはこれは問題がございますので、そこはしっかりと我々もそういうものではないということを申し上げていかなければならないと思っています。  一方で、助成制度と保険制度を見ると、助成制度はどうしても予算事業になりますから、安定性という意味では、確かに財政との関係でいろいろな局面があるかもわかりません。  一方で、保険に適用されれば、そこの安定性というものは一定程度確保できると同時に、私もいろいろな方からお話をお聞きしていて、なるほどなと思ったことがあったんですが、今までは、助成制度ですと、どうしても、国から助成をもらって行っているというような立場、それに対して、保険ということになると治療という位置づけですから、会社に対しても治療に行くんだということで言いやすくなるというような御意見もありまして、それは人さまざまだと思いますけれども、いろいろな見方があるんだなというふうに改めて感じさせていただいております。  いずれにいたしましても、今言われたような、もしこの不妊治療が保険適用された場合に、保険に適用されないような部分をどうするんだ、これが例えば混合診療だから保険が認められないという話になったのでは本末転倒になってくるわけなので、保険外併用療養も含めてどういうあり方があるのかということも踏まえながら、制度設計をしてまいりたいというふうに考えております。
  190. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 保険診療にすることのやはりメリットとデメリットは両方あるというふうに思うんですね。それは何でもそうだと思います。  その中で、私は、そういう選択が、その方自身の選択がやはり狭められるおそれがあってはならないと思いますので、あわせて、こういうときに、これは別に必ず不妊治療を受けなければならないというものではないということ、また、治療の対象になることで、不妊というものが治療対象というような考え方になってしまうのもやはり怖い部分がありますので、あわせてその辺はしっかり発信をしていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。  そのことにあわせてなんですが、例えば助成対象を事実婚まで広げる検討なんかもこれからされるというふうな報道も聞いております。今後、不妊治療とか生殖補助医療へのアクセスが更に容易になっていくということが予測されるんですが、あわせて、例えば子供の出自を知る権利とか、ここをしっかり担保することがあわせて重要になってまいります。親子関係についての法整備のあたりですね。  この辺で、きょうは法務省に来ていただいておりまして、ちょっと確認をしてまいりたいと思いますが、例えば事実婚の夫婦が第三者からの精子提供を受けた場合、父子の親子関係についてどうなるのか、現時点での法務省の見解をお聞きしたいと思います。
  191. 堂薗幹一郎

    ○堂薗政府参考人 お答えいたします。  事実婚の妻が第三者の提供精子を用いた生殖補助医療により子を出産した場合における子と精子提供者との父子関係や、その子と事実婚の夫との間の父子関係につきましては、現行法上、これを定める直接の規定はございません。  その上でお答えいたしますと、まず、事実婚の妻が出産した子につきましては、民法の嫡出推定規定の適用はありませんので、事実婚の夫が法律上当然に父親となることはないと考えられます。  また、民法上、他に父子関係を認める制度としては認知という制度がございますが、認知の規定が設けられた当時は御質問のような事案は想定されていなかったものと考えられ、また、この点について判示をした裁判例等も承知していないところでございます。  したがいまして、事実婚の夫が子を認知することができるか、あるいは精子提供者が子を認知することができるかといった問題につきましては解釈に委ねられることになり、最終的には、個別の事案に応じて裁判所が判断することになるというふうに考えているところでございます。
  192. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 確認ですけれども、認知ということになると、これは、嫡出でない子と血縁上の父との間に身分上の法律行為によって法律上の親子関係を成立させる制度ということで合っておりますよね。これは確認です。
  193. 堂薗幹一郎

    ○堂薗政府参考人 お答えいたします。  現行の認知の制度は、御指摘のとおり、生物学上の血縁関係にある父親が認知をすることによって父子関係を成立させるというものでございます。
  194. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 ということは、私の例示した場合であれば、生まれた子供というのは非嫡出子であり、父親欄はこの場合は空欄、そして、事実婚の夫は血縁がありませんので、これは認知ということにはならない。もし考えるとしたら、ドナーの方が認知することはできる。こういう整理でよろしいでしょうか。
  195. 堂薗幹一郎

    ○堂薗政府参考人 お答えいたします。  まず、現行の規定がそもそも生殖補助医療を前提とした規定にはなっておりませんので、今御指摘のような事案についてどういう解釈をされるかというところは最終的には裁判所によって判断されるということになりますが、認知の規定を形式的に今適用したとしますと、委員がおっしゃったとおり、精子提供者と子との間には血縁関係がありますので、認知の余地が生じることになりますし、事実婚の夫と子の間には血縁関係はありませんので、認知することはできないということになるのではないかというふうに思います。
  196. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 ちょっと確認をさせていただきました。  これから不妊治療とか生殖補助医療が進む中で、こういった父をどうするのかといったような問題は必ず出てきます。子供を不安定な立場に置かないためには、やはりこういった親子関係について法制化、これはあわせて進める必要があると思います。そのときには、子供の出自を知る権利をしっかりやはり担保すること、そして、事実婚やパートナーシップ婚で生まれた子供についても婚姻に準じた形で認めていく方向が必要ではないかということを指摘をしておきたいと思います。  不妊治療は以上です。  次、地域医療構想について今度お聞きをしていきたいというふうに思いますけれども、まず、現在の状況なんです。  まず、多くの方がそろそろ第三波ということを言われております。大臣はもう今第三波が来ているという認識に立たれているかどうか、お聞きしたいと思います。
  197. 田村憲久

    田村国務大臣 きょう、アドバイザリーボードが開かれていると思いますが、私はちょっと出席できなかったので、どういう議論か私はわからないので、もし健康局長がわかっているのであれば健康局長から話をさせたいと思います。(発言する者あり)まだこれからのようです。  ちなみに、きのうも分科会がありましたけれども、専門家方々を含めて、まだ第三波というような、そういうような考え方で統一されているわけではございません。
  198. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 ただ、ふえていて、増加傾向をどうするかということの認識はあるかと思いますので、ここはちょっとここで確認でおいておきたいと思いますが、これからやはり本格的に秋冬を迎える中で、コロナ感染者患者がふえることというのは皆さん予想されているところだと思います。その中で、やはり病院がしっかり体制を整えていただいてコロナ患者方々対応いただくことは本当に重要だというふうに思っております。  その観点からお聞きしていきたいというふうに思うんですけれども、この間、厚労省が把握をしているコロナ患者に対する公立、公的、民間病院の受入れ医療機関、この辺の実績とかはどうなっているのかということについて教えていただければと思います。
  199. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  まず、十月に開催いたしました第二十七回地域医療構想に関するワーキンググループ、この資料におきまして、G―MIS、これは新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システムというものでございますが、その報告のあった全医療機関のうち高度急性期・急性期病棟を有する医療機関、この集計結果をお示しをしております。  その結果によりますと、まず公立につきましては、全六百九十四医療機関中六九%に当たる四百八十二医療機関、公的等については、全七百四十八医療機関中七九%に当たる五百九十二医療機関、民間については、全二千七百五十九医療機関中一八%に当たる五百二医療機関が新型コロナ患者を受入れ可能というふうに回答いたしておりまして、このように、割合で見ますと、公立、公的等の医療機関の受入れ可能割合が大きいということになります。  なお、実際の医療機関数で見てみますと、民間、公立、公的等、それぞれ五百前後ということになってございます。
  200. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 今、御説明いただきました。  きょうは配付資料もつけております。これが地域医療構想に関するワーキンググループ第二十七回のときに出てきた資料、二枚物でございます。  見ていただいたら皆様わかりますように、人口規模等ありますけれども、やはり公立、公的な医療機関が受入れ可能といったところで割合が非常に高くなっているということがごらんいただけるかと思いますし、一枚めくっていただいた受入れ実績ということで見ても、公立、公的の医療機関が実績においても受入れにおいて力を発揮していただいたというふうにこれは見えるのかなというふうに思っております。  大臣にお聞きしたいと思うんですが、こうして今回、コロナ感染症の中で、公立、公的医療機関は地域において非常に重要な役割を果たしたのではないかというふうに思います。この数値を見て、大臣の受けとめをお伺いできればと思います。
  201. 田村憲久

    田村国務大臣 公立の医療機関も公的医療機関も、そして民間医療機関も、この新型コロナウイルス感染症感染が広がる中において大変な役割を果たしていただき、そしてまた、これから秋冬に向かって感染拡大が予想されるといいますか、ちょっと今言われるとおり増加傾向でございますから、我々も大変危機感を持っているわけでありますけれども、そんな中においてもしっかりと役割を担っていただけるものというふうに期待をさせていただいております。
  202. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 そうですね、本当にこれからの秋冬でもしっかりと重要な役割を担っていただかなければならないというふうに思っております。  ここで、昨年、地域医療構想に関するワーキンググループが、再検証が必要な公立・公的医療機関というのを公表されたわけですね。最初は四百二十四病院だったんですが、ちょっと入れかえとか追加があって、今、四百四十病院というふうになっております。その中には、感染症指定医療機関など、まさに今コロナ対応を行っている医療機関が多く含まれているわけです。  地域医療構想の調整会議からは、こうした感染症医療を担っている公立・公的医療機関の役割の位置づけについてやはり意見が上がっております。前回のこのワーキンググループの評価は、感染症に関する評価というものがございませんでした。ただ、今、この現状においては、やはり感染症に対する評価を入れてもう一度再評価をするべきではないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。大臣に聞いております。
  203. 田村憲久

    田村国務大臣 地域医療構想の中においても、いろいろな感染症、新興感染症、再興感染症がありますけれども、いろいろな考え方をこの中に入れていかなきゃならないという御意見もあります。そもそも地域医療計画の中にそういうものを位置づけていかなきゃいけないという御議論もいただいております。  いずれにいたしましても、こうしたいろいろな知見がございますから、こういうものもいただきながら、各地域地域で、地域医療構想、二〇二五年に向かって今議論を進めていただいておりますので、しっかりと、我々もそれに対して、このような観点も含めてでありますけれども、検討いただきたいというふうに思っております。
  204. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 私は、やはりもう一回、これは一回出されておりますので、いろいろ議論がありました、もう一度やはり感染症というものを入れて再評価をするべきだ、再評価の再評価をするべきではないかというふうに思います。  先ほど大臣がおっしゃられた、二〇二五年ということをおっしゃっておられますけれども、まだコロナ終息いたしませんので、これは二〇二五年までに再編議論をするというのはちょっとやはり私は難しいと思うんです。逆に、お尻が決まっていることで大事な議論が抜けてしまうのも本末転倒だなと思いますので、実はこのスケジュール自身も柔軟に見直していく必要があるかと思います。大臣、いかがでしょうか。
  205. 田村憲久

    田村国務大臣 高齢化のピークというのは二〇四〇年ぐらいになってくるわけで、そういう意味では、二〇二五年というのが最終到達目標ではないのは事実です。  なぜ二〇二五年という一つの数字を挙げさせていただいたかといいますと、それはちょうど、団塊の世代、一番人口的な固まりといいますかグループが多い、そういう世代が七十五歳、後期高齢者という言い方がいいかどうかわかりませんが、七十五歳以上に全員入られるのが二〇二五年ということで、そういう意味では、医療を受ける方々の構造が大きく変わってくるという中においてここに向かっての一定の方向性をお出しいただきたいということで、地域医療構想をお出しいただいております。  この二〇二五年で全て終わりではなくて、これは更にリニューアルをしていくものでございますので、いろいろな観点を踏まえながら、また新たなものを更にブラッシュアップしていっていただきたいというふうに思っております。
  206. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 いみじくもおっしゃっていただいたように、二〇四〇年というところに向かってやっていくというのも一つの手だと思います。今は、やはり、コロナという危機の中で、もともと予定があったからここでということではない柔軟な対応が求められていると思いますので、特にこの秋冬をまずは乗り切らなければいけないということを優先順位でやっていただければというふうに思います。  次ですけれども、ちょっとまだあと五分あるのでやらせていただきたいと思います。慰労金のことについてお伺いをしたいというふうに思います。  私どもも、医療、介護、障害現場については、今までにない御苦労をしていただいているという部分から何らかの給付をということで、慰労金の支給ということを決めていただきました。これについては私たちも非常に評価をしておるところでございます。  ただ、今現場で何が起こっているかというと、まだ、慰労金をもらった方というのも、実は私、地元の大阪で聞くと半分ぐらいかなということで、まだ半分の方が届いていない状況があります。  さらに、この期限が、六月三十日までにコロナ感染者が出たところ、介護と障害については、濃厚接触者が出たところに関しては二十万円、ほかの方は一律五万円ということで、六月三十日以降に感染者が出た医療機関とか介護施設は、自分たちも二十万円もらえるのかなと思ったら、七月になったから皆さん五万円ですということで、これはやはり不公平感がちょっと漂っているわけです。  同じように大変な思いをすることは間違いなくて、私も知っている施設でクラスターが出てしまって、リネンとかごみを収集に来ていただけないとか、業者が洗濯物をとりに来ていただけないとか、例えば保育園に子供を通わせられなくなったとか、さまざまな御苦労をされているのはもちろん七月になってからもなんですね。  こういったところで、何とか、この慰労金の、特に感染者が出たところ、濃厚接触者が出たところに関しては期日の延長をしての給付というのを考えていただけないかと思っております。大臣、いかがでしょうか。
  207. 田村憲久

    田村国務大臣 今なお新型コロナウイルス感染症患者皆様方に御対応いただいている医療の現場の方々皆様方に本当に心から感謝を申し上げますし、それのみならず、高齢者の皆様方、また、障害者の皆様方を始め、感染した場合に重症化のおそれの高い方々のいろいろな対応をいただいている従事者の方々には、本当に日々、自分感染をしてうつしたら大変なことになりますから、そういう意味で気苦労をしていただきながら日々の生活も抑制をいただいていること、これには本当に感謝を申し上げたいというふうに思っています。  今委員がおっしゃられた、感染者若しくは濃厚接触者等々対応された方々に対してというお話でございましたけれども、ずっと一連の、新型コロナウイルス自体にどういう性質があるかわからない、対処の方法もよくわからないというような中で、その後、緊急事態宣言が発令されて、そして、世の中が大変な、言うなれば自粛ムードや危機感モードやいろいろな中で、ある意味混乱があった。  こんな中で、本当に、重症化される方々対応していただきながら、また、感染されている方に対応するのは、自分がうつっちゃったらまたうつしちゃう可能性がありますから、そういうので御苦労をいただいておられるということに対してより多くの慰労金という話になっておるわけで、緊急事態宣言が終わって七月に入ってそれ以降、その一月、一日で変わるのはちょっとせつないのではないかというお話は、私もそれは思わないところではないんですけれども、どこかでは線を引かなきゃならないという思いの中で、今、ある程度、対処方法、対応方法、ウイルスの特性というのもだんだんわかってきておりますので、若干そのころの大変な思いと、まあ、楽になったとは決して言いません、言いませんけれども、しかし、若干なりとも対応方法等々は各施設、各医療機関である程度ノウハウを持っていただいておるということでございますので、そこは、大変申しわけないんですけれども、その後もずっと延長してというわけにはなかなかいかないということで、御理解をいただければありがたいというふうに思います。
  208. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 今、例えば医療も介護現場も、収支がよくないというか、なかなか上がってこないということで、冬のボーナスがほとんど削られていくというような現状があります。  そうすると、コロナでこんなに頑張っているのにというようなところでのモチベーションの問題にもなっておりますので、こういった冬のボーナスがどれぐらい介護、医療現場が下がるのかというのもしっかり見ていただきながら、そうしたら、現場を担っていただける方がいなくなる可能性が出てきます。ぜひ、大臣、そこも見ていただければというふうに思います。  ちょっと質疑時間が終了しましたので要望しておきますが、保育、学童の現場からも、自分たちはエッセンシャルワーカーで、やはり密な状態で接しているのに慰労金がないということについて、これは私たちも要望を出させていただいております。こういった線引きの中で、同じような仕事をしていらっしゃる方で慰労金がもらえない方についてもまた検討していただきたいということを要望して、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  209. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、津村啓介君。
  210. 津村啓介

    ○津村委員 尊厳死、安楽死、予防接種法、そして生殖補助医療について質問をいたします。  また、時間が許せば、裁判官訴追委員会についても少し皆さんに御紹介させていただきたいと思います。  と申しますのも、田村大臣大臣就任の前、約三年間にわたって裁判官訴追委員長をお務めになりまして、私もその間、約二年御一緒させていただきまして、三権分立をしっかり機能させていくために大切な組織ですけれども、必ずしも立法府の中で役割が十分に認識を共有されていないという面もございます。時間が許せばお願いいたします。  尊厳死の問題についてでございますが、日本先進国で唯一、いわゆる生前の遺言状とも言われるリビングウイルの法的担保がない、終末期の議論については最後進国に残念ながらなってしまっております。  配付資料の二ページ、三ページに概要をつけておりますので、ぜひ皆様にもごらんいただきたいんですが、尊厳死や安楽死の問題というのは古くて新しい問題でありまして、医療が発達をしたために、行き過ぎたとあえて申し上げますけれども、延命治療というものが可能になった結果、その線引きが難しくなっていっている。  日本は、言うまでもなく、世界で最先端の医療水準にある国ですし、また、今月二十五日、三島由紀夫氏のいわゆる楯の会の事件から満五十年を迎えますが、いわゆる介錯の伝統でありますとか、また、明治の時代には森鴎外が「高瀬舟」という本を書いていますけれども、これも、ドイツに留学した森鴎外が当時の欧米での最新の安楽死の議論日本に小説の形で紹介したものと読むこともできると思います。  残念ながら、資料三ページの右側に載せております、一九九一年の東海大学の不幸な事件によって、日本では安楽死あるいは尊厳死というものが大変マイナスのイメージになりました。お医者さんが御家族の強い要請を断り切れずに延命治療を中止したことによって殺人罪に問われたという大変不幸な出来事であります。以後、医療現場では大変な萎縮が見られているのではないかという指摘もございますが。  そうした中で、資料の四ページ、二〇一三年の参議院予算委員会におきまして、この議論、当時の田村厚労大臣そして安倍総理がこのようにお話しになっています。  田村さんは、「平成十九年に一定ガイドラインを作りました。」とおっしゃった上で、「今のところ問題自体は一応鎮静化はしておりますが、ただ一方で、お医者様のいろんなお話をお聞きしますと、そうはいっても、どこで担保されているのか、これは不安だというお話もお聞きいたしております。」と。安倍総理も、後段の部分を引用しますが、「人間が本来持っている、最期は尊厳を持って人生を終わりたいと、これが実現するように、そしてお医者様の側も安心してそう対応できるようなそういう仕組みは考えていきたい」、こういうふうにおっしゃっているわけでありますけれども、その後、厚労省あるいは法務省は、お医者様の刑事免責についての立法を進めるということはされていません。  二〇〇七年に策定された、田村大臣がお触れになった延命治療中止に関するガイドラインについては、二〇一八年に改定をされて、いわゆるACP、人生会議とも名づけられていますけれども、導入をされていましたが、これは果たして医療現場の不安の払拭にしっかりつながっているのか、大臣の御認識を伺いたいと思います。もし数字的にモニタリングをされているということであれば、ぜひデータを添えてわかりやすく御説明いただきたいと思います。
  211. 田村憲久

    田村国務大臣 今おっしゃられました、平成三十年三月に、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン、これを改定をさせていただきました。  私も以前答弁したときに、以前のガイドラインがあるという話をさせていただいたんですが、実は、いろいろなところで医療機関方々と話していて、余り認識がなかったということに衝撃を覚えました。  そういう意味で、平成三十年に更にガイドラインを改定したわけでありますけれども、その後、令和元年までに大体四千三百名の医療従事者が、医療人材、介護人材の育成の研修、こういうのを受けていただいておりまして、そういう意味では、一定の医療従事者がそういう認識をお持ちをいただきながら現場で御活躍をいただいているということであります。  また、令和二年度の診療報酬改定におきまして、これは地域包括ケア病棟入院料でありますとか療養病棟入院基本料について、当該ガイドラインの内容、これを踏まえて適切な意思決定支援に関する指針を定めているということが一つの要件になっておりますので、そういう意味では、医療現場でも、一つの要件の中に入っておりますので、だんだんだんだんこれが広がっていくものというふうに認識いたしております。  いずれにいたしましても、やはり尊厳を持って自分の人生を終えられるということは大変重要なことでありますので、これからも、委員おっしゃられたような一つの考え方、どのような形で進めていくか非常に難しいところもあるんですけれども、ACP等々を踏まえながら、自分の人生の設計をするというか、そういうものを広く医療関係者議論をしながら、家族とも議論をしながら、自分の人生を全ういただくということ、こういうことが実現できますように努力してまいりたいというふうに思います。
  212. 津村啓介

    ○津村委員 ありがとうございます。  自分の人生を設計するという表現で、いわゆる自己決定権についても踏み込んだお話をしていただいたと思います。  死ぬ権利について、内閣法制局長官にお尋ねいたします。  平成二十六年、二〇一四年の衆議院法務委員会におきまして、当時の法制局第一部長はこう答弁されています。  お尋ねの、死に方に関する自己決定権というのが憲法上の保障される権利に入るかどうかということにつきましては、現段階で、これを一般的に論じた判例があるというふうに私ども承知しておりませんでして、一概に申し上げることはちょっと困難であろうかというふうに思っております。  法の番人である内閣法制局が、国の法律の解釈を尋ねられて、判例がないから申し上げられないというのは、ちょっと法制局の役割としてどうなのかということをまず思うんですが。  それに加えて、二〇一九年には、日本尊厳死協会の公益法人化をめぐるいわゆるリビングウイル訴訟で、国は敗訴、そして上告を断念しているわけでありまして、死ぬ権利を主張するリビングウイルについて、司法が少なくともその存在を是認する判決を下したと言えるわけであります。  明らかにフェーズは変わったと思いますけれども、このリビングウイル訴訟の判決の趣旨を踏まえた上で、リビングウイル、死ぬ権利と憲法十三条の関係性について明確に御答弁いただきたいと思います。
  213. 近藤正春

    ○近藤政府特別補佐人 ただいまの先生の御質問の中で触れられました個別の判決の評価ということについては、法制局としてお答えする立場にはないと思いますけれども、御指摘の、死ぬ権利あるいはリビングウイルと憲法十三条の関係ということでございました。  憲法十三条は、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきとの趣旨であると認識しておりますけれども、リビングウイルあるいは死ぬ権利というものの具体的内容というのは必ずしも明らかでございませんし、また、政府においてこれに関する立法化の検討をしたことがあるということは承知しておりませんで、法制局としても全く検討をしたことがないため、お答えすることは困難でございます。
  214. 津村啓介

    ○津村委員 そのような御認識では、今の社会情勢の大きな変化に全く対応できないというふうに私は思います。ぜひ、しっかりと検討していただきたいと思います。  資料六ページを皆さんごらんください。これは超党派の終末期における本人意思の尊重を考える議員連盟のメンバー表でありまして、議連の方に御了解をいただいて載せているものですけれども、五ページもごらんいただきますと、この議連というのは、大変、二〇一四年の時点で、議員立法として先ほどから申し上げていますリビングウイルの法的位置づけというものを明確にする努力をされておりました。  ちなみに、このメンバーですけれども、現在の厚生労働委員会委員長理事九名のうち六名がメンバーでいらっしゃいますし、自民党議員の皆さん二十八人中十四人がメンバーとして名前を連ねていらっしゃって、この新聞記事の中にも自民党さんで熱心な議論がされていることも記されています。すばらしいことだと思います。  ぜひ、私たちの衆議院の任期のうちに、大臣の任期のうちに、このテーマ、前向きに取り組んでいくべきだと思うわけですけれども、大臣はこの間、一議員としてどういうお取組をされて、また政治家としてこれからどうお取組をなさっていくのか、政治家としての田村議員に伺いたいと思います。
  215. 田村憲久

    田村国務大臣 きょうは厚生労働大臣として答弁をさせていただいておりますので、政治家としての答弁をいたしますと何かと支障を来す部分がございます。お許しをいただきたいと思いますが、その当時の私の記憶をたどりますと、いろいろな尊厳死の議論を議員連盟でしておりました。  ただ一方で、重度の障害をお持ちの方々等の思いというものは、また違う思いがあられて、そういう方々お話をお聞きする、決してその方々が尊厳死というわけじゃないんですが、社会的なプレッシャーがかかってくるというようなお話もありまして、そういういろいろなお話を聞く中において、なかなかこれは法律にするのが難しいというような判断のもとで、その後、今に至っているというような認識でございます。
  216. 津村啓介

    ○津村委員 質問通告したのは以上ですので、次の話題に行きますけれども、これは私、同僚議員の皆さんに申し上げたいんですが、二〇一八年の一月には、間もなく三年になりますけれども、西部邁さんのいわゆる自殺幇助の事件がありました。また、昨年の六月には、NHKがスイスで安楽死を遂げられた日本人女性の亡くなるシーンをそのままノーカットで、ぼかしも入れずに放送されまして、大きな話題といいますか、反響がございました。  また、ことしは七月に、京都で嘱託殺人、ALSの女性の事件がございました。大変、事件自体は、係争中でもありますし、非常に問題を含むものですが、しかし、そういう思いをつづられた方がいたということは紛れもない事実で、大変これは大きな社会問題として、私たちの世代が取り組まなければいけない、向き合わなければいけない。法制局とか政府の方からなかなか出てこない類いのこうした生命倫理の事案というのは、私たちが動かなければ誰も動かない事案でありますので、ぜひ皆さん、一緒にやりませんか、呼びかけたいというふうに思います。  それでは、別の話になりますけれども、少し順番を変えまして、コロナ禍で子供が激減しているという話について伺いたいと思います。  厚労省は十月の二十一日に、ことしの妊娠届出数を公表されました。これはテンポラリーに公表されたもので、ふだんはこういうことをされていないようですけれども、五月は前年比マイナス一七・一%、六月は五・四%、七月は一〇・九%。  資料の十ページ目に都道府県別の数字を添えましたので、特に数字がマイナス幅の大きい五月と七月、ぜひ委員の皆さん、御地元の数字を確かめていただきたいと思いますが。ちなみに、最大のマイナスは、五月の山口県が前年比二九・七%減、兵庫県も二割以上マイナスですので、資料九ページのような新聞記事にもなっております。  昨年の子供の出生数が八十六万五千二百三十九人ということで大きな衝撃が走ったわけですが、これは、来年二〇二一年はかなりの確率で八十万人を割ると思うんですね、このペースですから。そして、仮に本当に二割も減ったら七十万人を割るわけで、そのことは、今後日本社会がこの一、二年間の子供の数ががくんと少ないという状態のまま国を動かしていかなきゃいけないという、大変大きな問題になると思います。  なぜこういうことが起きているかといえば、コロナで産婦人科の対応が大変だと、墨東病院の話とかいろいろ報道されまして、PCR検査を受けないと受け入れないとか、里帰り出産はお断りだとか、そういったことで、出産難民というニュースが随分流れましたので、そんな状況子供をつくることはできない、ちょっと様子見た方がいいな、これはというふうに若いカップルの皆さんが思われたんだと思います。  このことは、不安を払拭するのももちろんですし、どの地域でどういう影響が出ているかは一日も早く把握をして手を打っていかないと、この時期に厚労大臣をされている田村さんの大変大きな職責だと思うんですね。  まず数字の把握について伺いたいと思うんですが、これは七月の数字を見ている場合じゃないですよね。八月、九月、十月の数字も必要だと思うんですが、当然あるはずなんですけれども、今、厚労省としては把握されていますか。質問通告しているはずです。
  217. 田村憲久

    田村国務大臣 今、自治体に、令和二年の八月から十月までの件数、照会をいたしている最中でございます。結果集計次第、公表させていただきたいというふうに思います。
  218. 津村啓介

    ○津村委員 私が通告をして、早速動いてくださっていることはありがたいと思います。  私、通告の直後に自分でも電話をしました、スタッフにお願いしたんですけれども。厚労省からは七月までのやつだけでいいと、八月以降は聞かれていないから集計をしていないという市町村もありました。  ただ、私の地元の岡山市に尋ねましたところ、これは高橋雄大岡山市議会議員が協力をしてくださったんですが、皆さんに添付している資料十一ページのような数字が、いただくことができました。  これは、多分、天候や曜日構成で月々振れるようなんですけれども、ですので三カ月を足し上げてつくりましたが、去年、おととしに比べてやはり七%ほど減っているんですね。もちろん、岡山市の特殊要因があるかもしれませんから、これはまさに全国で調べていただきたいと思いますし、これは市町村に、母子手帳を発行するベースになっていますので、数字をカウントしていないわけない、母子手帳は印刷しなきゃいけませんから、カウントしているに決まっていますので。ただ、これを全国でフォローする体制になっていない。  ですので、私は確かに八月、九月、十月のを調べてほしいと言ったんですが、もうこれからずっと調べてくださいよ。そういう体制にしてウオッチしていかないと、これは大変な、少子化対策の、そもそも何が起きているかわからずに対策も何もあったものじゃないので、ぜひこの数字のウオッチというのはしていただきたいと思います。大臣、いかがですか。
  219. 田村憲久

    田村国務大臣 大きな出来事とすれば、やはりそれは新型コロナウイルス感染症拡大ですから、そういう意味で、急激な妊娠届出数の減少というのは、これはやはり新型コロナウイルス感染症の影響が大きいんだろうというふうに推測できます。これが一時的なものなのか、それとも継続的なものなのか、これは我々注視していかなきゃなりません。  そういう意味では、今までは五、六、七でありましたけれども、八月以降、そしてそれ以降もという話でございましたので、今までは年に一回ということでありましたが、これはなぜかというと、都道府県が集約して集計いただくので、都道府県に負担がかかるんです。しかしながら、一年に一回という形では、なかなか今の問題点、我々も注視していかなきゃいけない部分がございますので、都道府県にお願いしながら、ちょっと今、何カ月で一回というのはまだここではつぶさには申し上げられませんけれども、関係者方々と相談させていただいて、数字の方をなるべく早く出せるようにしていきたいというふうに思います。
  220. 津村啓介

    ○津村委員 一昨日の午後にこの委員会の開催が決まりまして、質問通告はその日の夕方以降させていただきましたので、その一日半の間で、大臣が毎月必ず公表しますとまで言い切れない、内部調整も含めてできないのは理解しますので、今の段階での御答弁としてはそれで結構なんですが。  繰り返し申し上げますけれども、これから日本にとって妊婦さんの置かれている環境でありますとか一番早くわかる指標がこの妊婦さんの届出数ですから、電話をしたら聞けるわけですし、実際に岡山市の分は聞かせていただきましたし、ほかの幾つかは、調べていないとか、少し時間をくれとか、いろいろな御対応はありましたけれども、ぜひ毎月厚労省としてモニタリングする体制を築いてください。お願いします。  それでは、予防接種法について一問聞かせていただきます。  予防接種法議論は、この後、いわゆるお経読みがあって、その後、今週の金曜日からまた議論が深まっていくと思うんですが、質問バッターに立たれる方々も大勢いらっしゃると思うので、皆さんにも問題提起をさせていただきたいんですが、そもそも定期接種法律で定める必要があるんでしょうか。  と申しますのも、法律でどういうふうに予防接種を指定していくかという枠組みは、もちろん、責任ある政治家が決めるべきテーマですけれども、どのワクチンがどのタイミングで指定されるべきかということは、正直、政治家の手に負える話ではないと思いますし、例えば今回も、新型コロナウイルスワクチンを指定するために、わざわざ国会で半年もおくれて議論をしているわけですね。これは国会を開かなきゃすぐに対応ができないわけですよね。もちろんワクチン開発には時間がかかりますから、結果として間に合っているわけですけれども、やはり、社会情勢の変化や科学技術の進歩によって、私たちが国会を開かないと、あるいは国会で政治家がいろいろな政治的な議論をしなきゃ決められないことなのか。むしろ、そうした政治行政のいわば介入なく、これは科学者の手に委ねられるべきではないのか。それは、例えばアメリカのACIPというのは、そういう趣旨なんだと思います。  科学と政治の関係というのは非常に難しい議論で、私も先月まで科学技術の委員長をさせていただいておりましたけれども、日本学術会議の問題もある意味ではその一つのあらわれですが、政治と学術、科学技術の関係性というものは、やはり少し、私たちにはわからないことがたくさんあるわけですから、そこの最終チェックだったり大きな哲学だったり枠組みだったりは我々が議論するべきことかもしれませんが、一つ一つの接種について、これは定期接種だ、これは任意接種だ、そういったことを我々が判断するというこの枠組み自体に、もう一回議論する必要があるんじゃないかなということを問題提起させていただきたいんですが、大臣、いかがですか。
  221. 田村憲久

    田村国務大臣 ちょっと、私がよく先生がおっしゃっていることを理解できていないのかもわかりませんが、我が国の予防接種法に基づく定期接種、これについては、疾病の発生の蔓延、こういうものを防ぐ、また、公衆衛生の見地から、広く国民に対して予防接種を実施していくということ。さらには、副反応等々のいろいろな情報収集でありますとか、被害が出た場合、これに対しての救済給付等々、これはしっかり行うというような観点から、こういうような法律で位置づけをしているというふうに認識しております。  対象疾病の指定について、ワクチン有効性だとか安全性だとかそういうものを、もちろん費用対効果も含めて、最新の知見に基づき、今、ACIPというようなお話がありましたけれども、日本ではこれがワクチン分科会に相当するんだと思いますけれども、ここにおいて専門家方々からやはりしっかりと議論をいただいた上で、場合によっては政令により柔軟に対応できるというような形にもなっているわけでございますので、そういう意味からすると、先生がおっしゃっておられることが、言うなれば、予防接種法定期接種として定義しているということとどういう部分でそごが生じてきているのか、ちょっと私、十分に認識できていないものでありますから、申しわけありません。
  222. 津村啓介

    ○津村委員 私がどういう趣旨で御質問申し上げているかをお示ししたくて、余り例のないことだそうですが、質問要旨を皆さんにお配りして、そこにるる書かせていただいているので、またお読みいただければと思いますけれども、予防接種法の戦後の歩みというのは、公衆衛生という部分、集団予防と個人の健康を守るというこの二つの、両立はするんですが、ある意味では緊張感のある二つの概念のある種の綱引きの中で、この七十年間、予防接種行政というのは行われてきて、そして、平成十五年でしたかね、大幅な改正があって、集団予防というところから個人の生命、健康を守るというところに大きくシフトをしてきているわけですけれども、私は、今のこの法律の枠組みというのは集団予防の考え方がまだ色濃く残ってしまっているので、そこでいわゆるワクチンギャップという、欧米との大きな乖離が起きているのではないか。  一つ一つの議論ももちろん大切ですし、金曜日には新型コロナウイルスワクチンについて、ぜひ皆さん、具体的な議論をしていただきたいんですけれども、そもそも予防接種法日本の置かれ方ということが、立ちどまって考えるべき時期じゃないのかという、法律の目的、第一条の話を今私はさせていただいています。  裁判官訴追委員の話をしたいのでこれで終わりますけれども、ぜひ今後とも、予防接種法はずっとある法律ですから、金曜日も、またそれ以降も皆さんと一緒に議論を深めていきたいというふうに思います。  最後に、裁判官訴追委員会お話であります。  厚労委員会でちょっと唐突かもしれませんが、田村大臣とは私、今まで二度一緒にお仕事をしていまして、古くは二〇〇六年、衆議院の事務局等に関する改革小委員会田村さんが小委員長で、当時、議員バスが減らされたりとか駐車場を売却したりとか、そういう、小泉改革のときでありましたけれども、ちょっと、議員バスは今、一つの宿舎に、赤坂宿舎になっていますので、もう少しふやしてもいいんじゃないかと思うんですが、それはちょっと本題から外れるので後にしますけれども。  裁判官訴追委員会、二〇一七年から二年間御一緒させていただきました。議事非公開の原則がありますし、プライバシー等への配慮がありますので、当然のルールだと思うんですが、ただ、新聞を一枚つけておりますけれども、ツイッターに関する事件、読んで、見てのとおりですから、岡口さんという裁判官のお話ですけれども、当時、彼自身が裁判官訴追委員会について何度も何度もまさにツイッターその他で批判をされたものですから、当時、委員長だった田村大臣は非常に御苦労されました。  私は、田村大臣の当時の対応はあれがベストだったと思っている人間なんですけれども、ただ、そもそもの制度のたてつけとして、非常にこの議事非公開の原則をちょっと事務局サイドがリジッドに私は運用し過ぎているからだと思うんですが、私たち国会議員にはやはり説明責任も求められる場面があるわけで、こういう記事も、先方からのリークも含めて出ていく中で、一体どういう議論をやっているんだ、委員長、何なんだという御批判というか、そういうものはたくさんあったんだと思うんです。  私は、一度予算委員会分科会でも裁判官訴追委員会の事務局と議論をして、個々人の議員がみずからの責任において一定の、自分以外の人のことはもちろん触れちゃいけませんけれども、自分はこういう考えで、こういう思いだという種類のことは、それはもう御自身の責任でやってくださいという答弁をいただいたことがあるんですが。  委員長、この裁判官訴追委員会というものの説明責任の果たし方ということや、また、委員がころころかわるわけです、毎年のように。私も二年間でやめちゃったんですけれども。そうすると、長い案件とかがなかなかさばき切れなかったり、三年間なさって御苦労があったと思うんですが、そうした、お感じになられた難しさ、そういった、三年間されたからこそお見えになった裁判官訴追委員会課題というものについて、ぜひ同僚議員に御紹介いただけませんか。
  223. 田村憲久

    田村国務大臣 大変御評価いただいて、ありがとうございます。  申し上げたいこともいろいろあるんですが、ここは厚生労働委員会で、私、厚生労働大臣という立場でございますので、特に裁判官訴追委員会のことに関して何か申し上げることはお許しをいただきたいというふうに思います。  ただ、先生から、先生が委員の間のいろいろな思いというのがそういうものであったんだなということを今ここでお聞かせをいただきました。どうか私からの答弁はお許しをいただきたいというふうに思います。
  224. 津村啓介

    ○津村委員 大臣の資質の問題とまでは申し上げませんが、しかし、議院内閣制において、立法府から行政のトップにつかれている田村さんが、立法府の議員として、公職としてなさってきたことについて何も答えられないというのはおかしいですよ。  私は質問通告もさせていただきましたし、ほかの委員会の所掌のことを、さっきも農林水産省とか呼んでいたじゃないですか。厚生労働省の話だけしかしちゃいけないというルールではないはずです。大臣、ちゃんと答弁してください。
  225. 田村憲久

    田村国務大臣 そうやっておっしゃられるとつらい思いもあるんですが、他の方々は他の、例えば農水関係のことをおっしゃられるのにこの委員会に来られて御答弁をされているわけで、私は厚生労働大臣としてこの委員会出席をいたしておるものでありますから、ここで厚生労働大臣の立場と違うことを申し上げるというわけにはいかないというのが一応ルールでございますので、大変申しわけないんですけれども、お許しをいただければというふうに思います。
  226. 津村啓介

    ○津村委員 私は、田村さんの委員長としての業績は、先ほど申し上げたように、立派なものだったと、僣越な言い方ですが、思っておりますし、今の御答弁は、それはそれとして理解いたします。  ぜひ、厚労委員会で厚労大臣として話ができないというのはわかりますが、三年間貴重な御経験をされた前裁判官訴追委員長として、どこかの場で、やはりこの委員会をきちっと、訴追委員会というものをちゃんと動かしていくというのは、これは三権分立の観点から必ず必要なことだと思うんですよ。田村さんだから言えることがあると思うので、ぜひ、何か雑誌に寄稿されても結構ですし、何かほかの形でも結構ですので、この問題を、きちんと説明責任を果たしていただきたいと思います。  終わります。
  227. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、山川百合子さん。
  228. 山川百合子

    ○山川委員 立民の山川百合子でございます。  厚生労働委員会に所属するのは初めてですので、いろいろと御指導を田村大臣始めとして皆様にも賜りますよう、よろしくお願いいたします。  私は、きょうは三十分いただいて、不妊治療のことを中心に取り上げさせていただきたいと思います。  私自身が不妊治療をしてきた当事者として、私、自分事としてもいろんなことが見えておりますし、また、いろんな方とお話をする機会もありますので、今回の菅総理の保険適用を拡大していくということについては、大変、私は、本当にようやくここに来たかという思いで受けとめております。  二〇一八年に体外受精が四十五万件を超えていますし、それで出生したお子さんが五万六千を超えているということで、本当に、体外受精によって子供が生まれるのがどんどんどんどんふえているという実態の中でありますし、私自身が不妊治療をして、残念ながら今まで授かってはいないんですけれども、自分がその当事者になって、このことをカミングアウトというんでしょうか、したことによって、いかに自分の周りに、本当に多くの人がこの問題に悩んでいてつらい思いをしているかということは、もう本当によくわかるんですね。私がカミングアウトしたことで、ああ、私もよとか、自分の息子もなのよとか、実はあの私が知っているお子さんが体外受精で生まれたのよとか、そういう話をよく耳にするようになったわけであります。  ただ、実は、保険適用というのはずっと議論はあって、過去にも厚生労働大臣が保険適用ということをおっしゃったけれども、しかし、結局はその方向に進んでいかなかった。私も、地方議員のときから取り組んできましたけれども、国会に来て、その問題を本当に一生懸命やりたいということで、保険適用を目指して、また、啓蒙啓発もそうだし、職場環境ということも取り組ませていただいたんですけれども、これまで保険適用ということに至らなかったのは、それなりにやはりいろいろな課題があるから今まで至ってこなかった。多くの方が与野党を問わず声を上げているのに、これまでそこに至らなかったという事情というか背景というかということもあるんだというふうに思います。  ですので、とにかく今回のことは本当に実現して前に進めていきたいという思いで、この質問をさせていただきます。  この保険適用は二〇二二年を目標にというか、めどにということもおっしゃっておられますが、まずその前に実態調査をしようということで、今年度取り組まれているわけであります。このことは、ことしの初めの予算委員会分科会で私が取り上げたときに、来年度は実態調査をしますという話もありまして、それを受けて、私たちも立民の方でいろいろ申入れなども行わせていただいたんですが、この実態調査状況がよくわからない。  今もう既に行われているというふうに理解しておりますけれども、この実態調査について少しまず伺いたいんですね。  これはもうスタートしていると理解していますが、いつからいつまでこれを行うのか、それから、どこが調査をしているのか、それから、調査対象と方法、調査内容、それから、調査結果というのはいつ、どのように公表されるのか、まずそこについてお伺いしたいというふうに思います。     〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕
  229. 渡辺由美子

    渡辺政府参考人 実態調査のまず現状ということでございますが、現在、実態調査は既に開始をしております。  大きく三つの調査、三本の調査をやっておりまして、一つ目は、不妊治療の実態に対して、医療機関に対して費用とか実態を聞くアンケート調査をやっております。それからもう一つは、不妊治療の実態について、まさに当事者の方々についてアンケート、これはウエブといいますか、電子的にやろうと思っておりますが、この調査と、それから、一般の男性、女性に対して不妊治療というものについての意識調査というこの三つの調査をやっておるところでございます。  現在、それぞれ調査も開始をしておりますけれども、これ自体は今年度の事業ですので、最終的に報告がまとまるのは、これは年度末、年を越すということになりますが、御指摘のございました、保険適用の前に助成を拡大するという、そういう大きな方向性も出ておりますので、そういった予算にかかわる、助成制度制度設計にかかわるようなデータにつきましては、年末の予算編成過程までに間に合うように、速報値的なものとして取りまとめたいというふうに考えております。  なお、この実施主体でございますが、これは厚生労働省がやっておりますが、実際の実務は、これは入札等を行いまして民間のシンクタンクに委託をしているところでございます。
  230. 山川百合子

    ○山川委員 もう少しその調査の内容について伺いたいというふうに思っているんですね。  というのは、調査対象は三つだということはわかりましたけれども、それぞれの調査対象に対して具体的に何を聞いているのか。その実態を把握するためにはこれは非常に大事な調査で、この実態調査にすごく思い入れを持って私たちは申入れもさせていただいたんですね。  私たちの五月に申し入れた内容、これは委員会の方でも少しお話ししたこともあるんですが、ちょっと箇条書きなのでお伝えさせていただくと、保険適用に向けた課題整理のための国際比較を含む調査研究。二つ目として、医院・クリニックの不妊治療の治療内容、治療技術・水準医療費等の実態。三つ目としては、特出しとして、男性不妊及び男性不妊治療をめぐる医院・クリニックの治療内容、治療技術・水準医療費の実態。四つ目として、特定不妊治療費助成の拡充の効果。これまでの、拡充してきたけれども、その効果。それから、職場の理解と支援策の有無などの実態。そしてまた、自治体の取組国民の不妊や不妊治療に関する意識調査。そして最後には、コロナがありますから、この感染症の影響ということで、これは申入れをさせていただいた項目なんですけれども、実際、調査の中身はどういうものなのか、もう少し詳しく教えてください。     〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕
  231. 渡辺由美子

    渡辺政府参考人 まず、先ほど申しました医療機関調査の方につきましては、不妊治療、これは、具体的には、今助成をしております体外受精、顕微授精、男性不妊治療以外の人工授精も含めて、実施の件数ですとか、あるいは、具体的に例えばどういう薬剤を使っているか、どういう技術を使っているか。これについては、かなり細かく、保険適用ということも視野に入れてお聞きをしております。  また、実際に今助成している以外の、人工授精も含めまして、どれぐらいの費用がかかっているのかということ。これも医療機関の方では調べておるところでございまして、まさにこういった結果をもとに、治療の有効性安全性を確認しながら、保険適用の範囲あるいは価格設定を決めていくに資する、そういうデータを集めているところでございます。  それから、御指摘のございました男性不妊のことにつきましても、今回の実態調査の中では、男性不妊治療の実施件数、あるいは具体的な内容、料金設定ですとか、あるいは具体的な薬剤、機器などについても調べておりますし、さらに、費用負担の状況についても調べているところでございます。  それから、先ほど申しました二つ目の当事者へのアンケート調査の中では、例えば不妊治療を開始した理由ですとか、あるいは通院している医療機関についての意識ですとか、それから、もちろん、患者さんの側から見た治療の内容、経過期間とか費用とか、そういったことについても調査をすることにしております。  さらに、一般女性それから一般男性に対しての意識調査につきましては、不妊症とか不妊治療一般についての認識、それから、具体的にそういう制度への要望ですとか不妊治療全体についての希望、期待すること、そういったことも幅広くとるということにしております。  それから、海外調査の方につきましては、今後、二次公募ということでやろうと思っておりますので、ちょっと今回の調査の中では海外までは至っておりませんけれども、これについても行う予定でございます。
  232. 山川百合子

    ○山川委員 ありがとうございます。  御答弁はそれなりに、それなりにというか、失礼しました。これまでヒアリングを行ってきたときはそういうことを全然教えてくれなくて、教えられません、教えられませんだったので、ちょっときょうはそれよりは進んだかなということで、よかったかなというふうに思っていますけれども。  実は、三原副大臣に、この調査が始まる前に、その調査、何を調査するんですかということが見えてこないので、ぜひ当事者の方々の見えているものがちゃんと実態調査の中で調査してその実態が浮かび上がってくるように、その調査項目を決めるに当たって当事者たちからの、複数団体からの意見をちゃんと踏まえていただきたい、そのために、項目を決めるところにぜひ加えていただきたいという申入れをさせていただいて、そのときはありがとうございました。  ただ、それは実質的にはかなわずスタートしているというふうに思うんですけれども、今回の調査は本当に大丈夫なの、本当に不妊治療の今の日本の中で起こっていることがこの実態調査によって浮かび上がってくるのというすごく心配があるんです。  私も当事者ですから、自分の経験から見えているものというのがありますし、それぞれ、いろいろ経験から見えていることというのがたくさんあると思うんですね。実は、当事者である私も、そういういろいろな方とお話をすると、えっ、そうなのというようなこともあるんです。  例えばなんですけれども、そもそも日本の不妊治療というのは、日本で晩婚化が進んで、それで、いろいろな意味で卵子や精子の質が落ちてきて、なかなか妊娠しづらくなる、晩婚化が一つの原因だというような認識は一般的にもうあると思うんですよね。それはそれだと。実際にそういうところはありますし、私も、だからこそ、啓蒙啓発で、体のこと、しっかりと若い世代に伝えていかなきゃいけないというふうに取り組んできているんです。  それはそれなんですが、しかし、今やっている方と話をすると、そういう面は片側ではあるけれども、今の若い人たちは実はもう結構こういうことをよく御存じで、自分が早く不妊治療をしなくちゃいけないんじゃないかとか、医療機関に行っていたりとか、結構もうされている方が私が理解しているよりも多い、その実態にちょっと驚かされることがあったんです。  さらには、治療の内容も本当に病院によってさまざまで、御存じだと思いますけれどもさまざまで、実は、日本産婦人科学会が余りよしとしていないような治療内容の病院が、とても希望のように、そこに行くと、移植して着床の率がすごく高いというような。それは、いろいろな課題はあるでしょうけれども、当事者にとってすごい希望になっているというような実態もあるとか。  そうすると、今回の調査、先ほどの御答弁の中にちょっと入っていたか入っていなかったか、済みません、きのう聞いた話も含めてなんですが、日本産婦人科学会に入っている会員の病院だということをお伺いしているんですが、そうでないところの病院で治療を受けているような人たちが、非常にその病院に対する希望になっているというような、着床率が非常に高いということで。  そういったことも含めて、いい、悪いじゃなくて、実態調査なので、一体今何が起こっているのかということを本当につまびらかにしていくために、やはり、当事者、先ほどアンケートでやるということはおっしゃられましたけれども、何かきのう聞いた話によると、あるところに登録している方に一斉に出して、そこで対象となっている方しか答えることができない。例えば、私が答えたいと思っても、それにアクセスすることも、どういう調査なのかも知ることもできないと言われたんですよね。  なので、やはり当事者団体の方のお話をしっかりと聞く場を持つ、きちっと持つ、要望書をもらうとかだけじゃなくて、そういう機会を設けることがすごく大事だと思うんですが、いかがでしょうか。
  233. 三原じゅん子

    ○三原副大臣 ありがとうございます。  子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添って、その切実な願いに応えるために、不妊治療の保険適用を早急に実現するための検討を進めているところであります。  現在行っている調査、先ほどるる局長からお話がありましたけれども、診療内容であったりとか価格でありますとか、そうしたことも実態調査の中で今医療機関や当事者に対してアンケートを行っているところであります。  そして、山川先生が私のところにお越しいただいた後に、私自身も当事者団体の方々から何組かお話を直接伺ったり、診療機関に直接視察に伺わせていただいて当事者の方にいろんなお話を聞いてまいりました。今山川先生おっしゃったとおり、私自身も不妊治療の当事者でありますが、二十代、三十代の皆さんのお話を聞きますと、余りに診療内容が変わっていたり、そしてまた、産婦人科学会に登録されている医院だけじゃなくて、違うところで治療された若い方たちの話もしっかりと聞いてまいっております。  そうしたことにも常にこれからも声を聞きながら寄り添って、これからの制度設計に参考にしてまいりたいと思っておりますので、先生のお気持ち、十分にきょうは受け取らせていただきましたので、お話は聞かせていただきたいと思います。
  234. 山川百合子

    ○山川委員 時間がちょっと長くしゃべり過ぎたんですが、資料としてきょうはちょっと提出する手続ができていなかったので、いろんな調査の、アンケート調査というか、当事者が当事者に向けてやった、気心が知れた五千人ぐらいにやっているということも出ていまして、例えば、病気とか障害が起因の不妊に対して、主治医から不妊について説明があったかということに対して、主治医から教えてくれなかったのが半数を超えているとか、これはすごく大変なことですけれども、こういう実態が、もしかしたら医院に聞いてもわからない、出てこない実態かもしれないんですよね。  だから、本当に大変なことが起こっているかもしれないので、やはり、そういうことも含めて、きちっと本当に実態をつまびらかにしていくということの次に、やはり保険適用とか助成の拡大というのが本当は成り立っていかないといけないんじゃないかなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。大臣にも、ぜひよろしく御理解いただいて進めていただきたいというふうに思います。  では、保険適用についてなんですけれども、今後のスケジュールをことしじゅうに工程表を示すということでありますが、この工程表はどんな感じで、今、示すと言っていますが、その工程表というのは、いついつまでに保険適用することをめどに、こういうところでこういうことを検討しますという具体的な内容まで示されるようなスケジュールというふうに理解してよろしいんでしょうか。
  235. 田村憲久

    田村国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、保険適用というものを総理から指示を受けたわけでありますが、今言われたとおり、十二月末までといいますか、今年中に工程表を示すようにという話でございます。  全体として、いつ保険適用かというところまで出せればいいと思っておりますが、ただ、今、検討、いろいろ調査をやっておりますけれども、なかなか難しいのも事実でございます。どこまで保険適用にするのか、しない部分はどうするのか、先ほど来話が出ております保険外併用療養等々も踏まえてどうするのかということまで精緻にある程度検討しなきゃなりませんので、ある程度国民の皆さんに、保険適用に向かって、それまでは多分助成の拡大になると思うんですけれども、こういうイメージなんだなということがわかるような形でお示しができればなというふうに思っております。
  236. 山川百合子

    ○山川委員 じゃ、それを本当に心待ちにしたいとは思うんですが、ただ、その後、具体的に何か部会なり委員会なり、どういう機関でそれを検討していくのか、その議論の中身を私たちは見たいわけですね、その経過を。どういう議論があってという。論点整理も含めてなんですけれども、それは可能なんでしょうか。
  237. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  まだ詳細についてはこれからでございますけれども、まずは実態調査の結果を見ながら保険適用の範囲等について検討していくということでございますけれども、想定しておりますのは、保険適用についての調査研究を行うということは、これはもう既に決まっております。そういった調査研究について、都度都度といいましょうか、公表できる時期に公表するといったこと。それから、保険適用になりますと当然中医協での議論になりますので、中医協における議論については当然公開ということで進めてまいりたいということでございます。
  238. 山川百合子

    ○山川委員 ぜひ、本当に、先ほどの最初の御答弁、どういう調査内容ですかという御答弁をいただくまでに、あの程度の御答弁をいただくまでにも何カ月もかかったんですね。すごく、本当に何かよくわからないまま動いている感じなんです。  ですので、ぜひ、国民の関心がここにありますし、この保険適用というのは、当事者、それから、これから当事者になるであろう方々のための制度なわけでありますから、当事者が置いてきぼりにされている中で話合いが進んでいくようなことのないように、ぜひ、都度都度の情報公開というか共有というか、みんなで国民議論がないと、そもそも保険適用がこれまでなされていなかった御説明の中に、国民的理解を受けられるかわからないというようなこともあったんですよね、御答弁の中に、過去の議事録にもありますけれども。ですので、やはり国民的な理解なり関心なり議論の中でこれが進んでいかないと、何か置いてきぼりに当事者がされるようなことがあっては本末転倒だというふうに思いますので、くれぐれもよろしくお願いをしたいというふうに思います。  その上で、当面は助成の拡充、ここのところなんですけれども、助成の拡充といえば、年齢制限をどうするのかとか、所得制限をどうするのかとか、あるいは事実婚までどうするのかというようなことがいろいろあろうかとは思うんですけれども、あわせて、やはり保険が適用されるまでは高額な治療費というのは変わらなくあるわけでありまして、その中で、当事者たちにとってみれば、保険適用という希望はあっても、今目の前なんですよね。だから、待てないというか、どんどん年齢は上がっていくわけですし。ですので、この助成の拡充ということについても、当面といいながらもすごく期待しているわけであります、どこが拡充されるかということ。  今言ったような点は当然検討されるんでしょうけれども、それとあわせて、今の体外受精の助成の対象というのは、採卵ができて初めて助成の対象となる。つまり、採卵ができない事情の方もいらっしゃるわけですよね。そうすると、疾病として排卵誘発をする、そこには疾病として一定の保険が適用されているものもあるけれども、特に、その状態が非常に重症化していると保険の適用にすらならない、しかし、採卵に至らないから助成の対象でもない。大変苦労している方たちもいるんです。  ですので、助成の拡大というときに、保険適用の手前ということではあるのかもしれないけれども、今の人たちが救われるようなさまざまな視点から検討をいただきたい。さっき言ったような三つの点は当然検討していただいていると思うんですが、より広く、だからこそ当事者たちの話を聞いて助成の拡大についても検討していっていただきたいんですが、田村大臣、いかがでしょうか。
  239. 田村憲久

    田村国務大臣 済みません、ちょっと私がよく勘どころがわかっていなくて申しわけないんですが、今助成の対象になっていないという分野という意味であるんでしょうか。  いずれにしても、一定安全性それから有効性というものが確認されるということを今までもやってきておりますので、そういう部分も踏まえながら、どこまでを、それは多分、技術だとかそういう意味なんですかね、治療の範囲というか。  保険適用になっている部分ですか。いや、違います。ちょっと、申しわけありません、もう一度お聞かせいただければ。
  240. 山川百合子

    ○山川委員 ちょっと時間も来てしまいましたが。  体外受精は、採卵して受精させて、それで移植をしますよね。そこまで至れば助成の対象になっているけれども、助成を申請する要件に合えば申請はできるんだけれども、例えば、ちょっと具体的になっちゃいますけれども、卵巣機能不全の方が排卵誘発をしても採卵できない場合もあるわけですね。でも、排卵誘発をするに当たっての、そこにお金がかかったとしても、そこは助成の対象にならない。採卵ができていないから、つまり、受精させるというプロセスに至っていませんよね。ということのようなんです、いろいろとお話を聞いてみると。  なので、そういう細かいことかもしれませんが、当事者にとってみればすごく大事なことでありますから、そういうところにも目を配ってほしいというお願いであります。
  241. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。答弁は簡潔にお願いします。
  242. 田村憲久

    田村国務大臣 済みません、そういうことで、しっかりとそういう方々お話もお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  243. 山川百合子

    ○山川委員 ありがとうございます。  きょうちょっと残してしまったのは、次回の機会にやらせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  244. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
  245. 宮本徹

    ○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。  新型コロナ第三波が始まりました。感染拡大しているわけですけれども、やはり、寒い中で暖をとるために密閉空間が生まれている、換気が大事だということだと思うんですね。  私、質問通告で、ちゃんと換気ができているかどうか確認するためには、CO2モニターだとか、活用は大事じゃないかということを月曜日のお昼にしていたんですけれども、その日の夜に分科会の緊急提言で、CO2濃度を具体的に定めてモニターすることが大事だという提言が出されていまして、以心伝心ではないですが、同じことを考えているんだなと思ったところでございます。  それで、問題は基準をどうするかということなんですけれども、きょうは配付資料でありますけれども、これはイギリスの、イギリスにも厚労省のアドバイザリーボードみたいなのがあるわけですよね。この緊急科学アドバイザリーグループの、あるところで出た提言ですが、この中では、二酸化炭素の濃度について、エアロゾルの発生率が高まる可能性がある空間、歌うだとか大声で話すだとか、そうしたところについては八〇〇ppm以下へ十分に維持するのが大事なんだ、これが感染リスクを下げる上で大事だということが書かれています。  一方、日本のビル管理法というのは一〇〇〇ppmですね、基準は。学校は、八千平米以上だとビル管理法の適用になりますけれども、多くの学校はそれよりも小さい場合が多いんですが、その場合は一五〇〇ppmなんですね、今の学校の環境基準というのは。環境衛生基準が一五〇〇ppmなんですね。  ですから、このイギリスの科学者の皆さんの提言からしても、日本の基準というのは高くて、リスクがあるのではないのかというふうに思うんですね。ですから、ちゃんと世界のやはり科学的な知見をしっかり踏まえて、これで十分なのかどうかもまだわからないということをこのイギリスの中でも言われていますけれども、少なくとも八〇〇ppm以下にすべきではないかというふうに思っているんですけれども、その辺を厚労省はどうお考えなんでしょうか。
  246. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  もう先生触れられていますけれども、CO2をモニターするというのは、既に分科会から緊急提言で出されておりますし、内閣官房の方で、専門家の意見を伺いながら、CO2センサーで二酸化炭素モニターを含めた寒い環境での換気の実施について、ポイントとしてまとめております。  御指摘の点ですけれども、確かに、今、ビル管法の基準を踏まえて厚生労働省で作成しているリーフレット上では、三十分に一回の換気とか、それから、CO2濃度を一〇〇〇ppm以下に保つといったことで周知をしております。  WHOのガイドラインにおいては、医療機関における一時間に六回以上の換気を推奨しているとか、あと、先生御指摘のイギリス政府の見解は八〇〇ppmとか、そういったことを承知はしております。  厚生労働省としては、引き続き、WHOとか専門家などの科学的知見についての情報収集に努めてまいりたいと考えております。
  247. 宮本徹

    ○宮本委員 情報収集は大事なんですけれども、もうどんどん感染が広がる状況で、寒い中、やはり換気をどうしようかというのは本当に皆さん悩んでいるわけですよね。どういうふうにやればいいのか、ちゃんとどこまでやればいいのかとあるわけですから、早急に、やはりここまでは最低でも換気をしなきゃいけないという新たなガイドラインを策定していただきたい、そして国民に知らせていただきたいと思いますが、いかがですか。
  248. 正林督章

    ○正林政府参考人 おっしゃるとおりでして、北海道は、換気と一言に言っても、マイナス何十度というところですので、簡単に換気はできないかなと思います。そうした中でどうしたらいいかということを、専門家の先生方の御意見も聞きながら、対応策を考えていきたいと思います。
  249. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、しっかりと数値も含めて決めていただきたいというふうに思います。  それから、CO2モニターの機器購入の支援ですね。業者に対してもそうですし、あと学校なんかも、学校なんかは本当に、窓を閉め切って十分たったら一五〇〇ppmを超えます。そういう話を聞きました。もうちょっとたったら三〇〇〇ppmというふうになっていくわけですよね。  寒い中でどういうふうにやるのかという工夫と同時に、やはり、ちゃんと換気ができているのかという点でいえば、そういうところまで含めて、まあこれは文科省に聞いているわけじゃないから、学校の話はここであれなのかもわからないですけれども、ですけれども、基準を、必要だと示すのはやはり厚労省ですから、こういうことが、そこはしっかり、田村大臣の方でいいですので、政府全体で換気対策をしっかりと、CO2のモニター、そしてそれができる財政的な援助も含めて政府として出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  250. 田村憲久

    田村国務大臣 英国の事例を委員は御提示いただいて御説明いただいたわけでありますが、どれぐらいの濃度ならばどうなのだということを含めて、ちょっと専門家皆様方に御意見をお伺いさせていただいて、一つの考え方がまとまれば国民皆様方に周知をしてまいりたいというふうに思います。
  251. 宮本徹

    ○宮本委員 財政的なところもよろしくお願いします。
  252. 田村憲久

    田村国務大臣 必要に応じて検討してまいります。
  253. 宮本徹

    ○宮本委員 次に、七十五歳以上の医療費の窓口負担の問題についてお伺いいたします。  先ほども議論がありましたが、年を重ねれば重ねるほど、当然、病院にはみんな多く通うようになるわけであります。受診率は、七十五歳以上というのはそれまでの年齢に比べて、外来で二・三倍、入院で六・二倍と。  きょう、配付資料の裏面に日本医師会作成の資料を載せておきましたけれども、やはり病院にかかる頻度が多くなりますので、収入に対する患者の負担率というのは、現状でも高齢者は大変、ほかの世代に比べて七十五歳以上というのは高くなっていっている、一割負担でも高いというのが現状なわけですよね。ですから、これは二倍に引き上げていって受診抑制につながっていくということがあっては絶対ならないと私は考えております。  それで、お伺いしたいんですけれども、介護保険については、既に年収二百八十万円以上の方は二割負担というのが導入されておりますが、この介護保険では、二割負担の導入で利用控えというのはどの程度起きたんでしょうか。
  254. 土生栄二

    土生政府参考人 御説明させていただきます。  介護保険制度におきましては、高齢化が進展する中で、必要な給付を行うとともに制度の持続可能性を高めるという観点から、平成二十七年八月からは、一定以上の所得がある方に対して二割の利用者負担をお願いしているということでございます。  この当時、一定の居宅介護支援事業所を通しまして抽出調査をしたという調査結果が残っております。この調査では、平成二十七年七月末時点と比較しまして、二割負担を導入した同年八月から十二月までの五カ月間の週間の利用単位数の変化を調査したというものでございます。  あくまで抽出調査ということでございますけれども、その結果、二割負担者全体の中で利用単位数が減った、ないしはサービスを中止したとされた方は、二割負担者全体の三・八%ということでございまして、その中で、さまざまな理由がある中ではございますけれども、複数回答も含めまして、介護に係る支出が重くサービス利用を控えたと回答された方は、二割負担者全体の中に占める割合は約一%であったという調査結果がございます。
  255. 宮本徹

    ○宮本委員 二割負担でサービスを控えた方が実際に介護保険でもあったということであります。  ちなみに、介護保険では、要介護、要支援認定者の中で、二割負担、三割負担の方というのはどれぐらいいらっしゃいますか。
  256. 土生栄二

    土生政府参考人 お答えいたします。  こちらの方は直近の数字ということで御説明させていただきますけれども、厚労省で実施しております介護保険事業状況報告によりますと、本年八月末時点で、要介護及び要支援認定者数は、全体で六百六十一万二千人ということでございます。このうち利用者負担割合が二割の方は三十三・三万人で全体の五・〇%、それから、現在では三割負担も導入されておりまして、三割の方が二十五・三万人で全体の三・八%となっております。
  257. 宮本徹

    ○宮本委員 今、介護保険については、二割の方が全体の五%、三割の方が三・八%。二割と三割合わせて八・八%というのが介護保険の現状と。それ以外の九割以上の方は一割というのが介護保険なんですよね。  今、きょうずっと議論になっていますけれども、一定の所得以上の人を二割負担ということを言われているわけですけれども、七十五歳以上の医療費の窓口負担について。この一定の所得以上というのは、介護保険の二割負担よりも範囲を広げるということなんでしょうか。
  258. 田村憲久

    田村国務大臣 委員のただいまの御質問ですけれども、昨年十二月の中間報告、これは全世代型社会保障検討会議でありますけれども、ここで一定所得以上の後期高齢者について、医療費の窓口負担を二割とするとともに、具体的な施行時期、所得基準、長期にわたり頻繁な受診が必要な患者の高齢者の生活等に与える影響を見きわめ、適切な配慮について検討を行うこととされる、こうなっておるわけであります。  今委員は、介護の二割負担と比べてどうなんだというようなお話がございましたが、それも含めて今検討している最中でございますので、年末に向かって議論をしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
  259. 宮本徹

    ○宮本委員 介護保険は、二割、三割の人を合わせて八・八%ですよ。一割未満の方が二割、三割になっているわけで、それでも二割に引き上げたら利用控えが起きてしまったというのが先ほどの数字であったわけですよね。  それで、医療で受診控えが起きるということになったら、これは命の問題に直結する場合があるわけですよね。私は、それは絶対にあってはならないと思うんです。  ところが、この一定の所得以上をめぐって、今、本当にいろいろなところから、できるだけ思い切って広くするんだとか、原則二割だとか、そういう話がいろいろな団体から出てきているわけです。ですけれども、そういうことをやったら、この二割負担の導入というのは受診抑制につながっていくんじゃないですか。そういう認識はありますか、大臣は。
  260. 田村憲久

    田村国務大臣 さまざまな団体がいろいろな御意見をおっしゃっておられます。  我々といたしましては、必要な医療を受けていただかなければならないということは重々認識いたしておりますので、必要な医療を受けていただけるような範囲の中において、今般のこの負担というもの、これを進めていかなければならないというふうに思っております。
  261. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、必要な医療を受けていただかなきゃいけない。介護は、何度も繰り返すが、介護は一割未満の方が二割、三割負担だけれども、一定の利用控えというのは生んでしまった。医療で介護保険以上にもっと負担を広げていったら、当然受診抑制が生まれていく。  先ほど、必要な医療が受けられないようになってはならないと大臣はおっしゃったわけですから、その考え方は非常に大事なわけです。その前提に立ったら、私は二割負担というのはやめるべきだというふうに思いますよ。  それで、あともう一点お伺いしたいんですけれども、今、このコロナのさなかで二割負担の検討がされているわけですけれども、ウイズコロナ時代の医療費というのはどうなっていくのかなということも考える必要があるんじゃないかと思うんですけれども、そういう検討というのは何かなされているんですかね。
  262. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症拡大以降における、まず現状、医療費の伸びを見ますと、対前年同月比で、令和二年四月はマイナス八・八%、五月はマイナス一一・九%ということで、一〇%程度の減少となりましたけれども、六月は少し回復いたしまして、マイナス二・四%の減少にとどまっております。  今後でございますけれども、新型コロナウイルス感染症状況次第で医療費一定程度の影響を受けるものと考えられますけれども、現時点で今後の医療費の見通しを立てることは困難でございます。  今後、新型コロナウイルス感染症医療費に与える影響を注視してまいりたいというふうに考えております。
  263. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、これから、換気をやる、マスクもやる、手洗いもやるというふうにみんな生活がなって感染症なんかが減って、阿部さんの議論じゃないですけれども、小児科にかかる子供たちも物すごく減っているわけですよね。  だから、医療費全体がどうなるのかというのが見えない中で、負担だけふやしていくという議論をするというのも私はちょっと違うんじゃないかなということを指摘しておきたいと思います。  次の問題に行きたいと思います。介護報酬についてです。  三年に一度の介護報酬改定の議論が進んでおります。この間も、コロナ禍の中で、デイサービスが閉まった、じゃ、ヘルパーさんにお願いしようと思ってもヘルパーさんが見つからないと。この間のヘルパーさんの人手不足が、対応できないという事態を生み出してしまったわけですけれども、やはり、余りにも介護の分野で働いている皆さんの処遇が低いということが、今回のコロナ対応でもいろいろな困難を生み出しているというのは言えるというふうに思います。  やはり、この間、いろいろな現場の皆さんにお伺いしても、過去の介護報酬引下げの影響がずっと重くのしかかっているというお話も伺います。その上、今度のコロナでデイサービスなんかは大きな減収が生まれた。ちょっと特例をつくりましたけれども、その特例も大変利用者に負担をかけるということで、大きな批判が上がっているとおりなわけですね。これも見直さなきゃいけないと思いますけれども。  やはり、必要な介護サービスの基盤を確保して人手もしっかりと確保していくということを考えたら、今回の介護報酬は、プラスで底上げをするということがどうしても私は必要だと思うんですよね。そこは、田村大臣の決意が大事だと思うんですよね。プラス改定で介護報酬を引き上げていく、断固としてそのために頑張るということを表明していただきたいと思います。
  264. 田村憲久

    田村国務大臣 処遇改善という意味からしますと、民主党政権時も含めて、七万五千円ほど処遇改善を進めてきた上に、さらに、例の八万円というような、一千億円の形の中で処遇は改善を、まだ十分ではないにしても進めてきたというような経緯があることは御理解をいただきたいというふうに思います。  その上ででありますけれども、いろいろとコロナ状況もあります、経営状況、経営実調等々、これも踏まえた上で、介護事業者がしっかりと運営できるような報酬を決めていかなければならないというふうに思っておりますので、その考えのもとで報酬改定に臨んでまいりたいというふうに思っております。
  265. 宮本徹

    ○宮本委員 しっかり運営できるというのは、心の中では絶対プラスにしたいんだというふうに思っているというふうに理解していいんでしょうかね。そういうふうに理解して、次の質問に行きます。  生活支援についてお伺いいたします。  求職者支援制度の問題について、こういう相談があったんですね、都内の方から、町田のお住まいの方なんですけれども。この制度は、授業の出席率が八割を超えないと十万円の給付金が出ない、新型コロナで保健所から濃厚接触者として自宅待機を求められて学校を休んだと。現状は、その場合は、授業日数から待機期間は引くという特例になっているんですね。  ですけれども、この現状の特例では、実は救われないケースがあるということなんですね。その分母と分子、分母もちっちゃくなっちゃいますから、分子で、一日通院して病院に行ったら、その比率が非常に大きくなっちゃうということで、本来であれば、濃厚接触者にならずに授業に出席していれば十万円が給付されていたケースでも、濃厚接触者になったために給付が受けられないというケースが生まれております。  私は、行政の側の要請で、濃厚接触者だから感染拡大防止のために待機してもらった、そういう方が、本来受給できた給付金を受けられないというのは大変理不尽なことだと思うんですね。  ですから、これはコロナ特例を設けて給付金を受け取れるようにすべきではないかと、月曜日に担当者に話をして、二日間考えてくれと言っておりますので、大臣、どうなったでしょうか。
  266. 田村憲久

    田村国務大臣 私、担当者ではないんですが、厚生労働省の責任者として、先生のおっしゃっている意味、いろいろと考えさせていただきます。  求職者支援制度におけるこの職業訓練の受講給付金でありますが、本来ですと、全ての日数、出席をいただかなければ出ないわけでありますが、やむを得ない場合には八割という、八〇%という特例を設けています。今言われたとおり、コロナ等々の濃厚接触みたいな話になりますと、当然分母から外すというような一応配慮はしておりますが、結果、それでも救われないといいますか、方々がおられると。  一方で、もちろんこの求職者の方々の生活等々を考えた場合に、しっかりと対応しなきゃいけない部分もあるんですが、濃厚接触でありますから、感染を防いでいくという意味からも、出席をしていただいては困るという側面もあるわけであります。そういう側面も含めて、今先生がおっしゃられたこと、担当者の方から私の方も話を聞いておりますので、検討をさせていただきたいというふうに思います。
  267. 宮本徹

    ○宮本委員 救済するという方向で考えるというふうに受けとめさせていただきましたので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  あと、生活支援でもう一点ですけれども、これは本会議でもお伺いしたんですけれども、緊急小口資金の特例貸付けというのは最長七カ月で、四月から借り始めた人は十月で、十一月は借りられないとなっているわけですね。十一月も借りられるようにせよとは私は言わないです、やはり。返さなきゃいけないというのは、膨れ上がるのはよくないと思います。  ですけれども、その際、じゃ、十一月を迎えて、まだ仕事が見つかっていない、生活が再建できていない場合、どうするのかと。総理からは生活保護で対応するというお話がありましたけれども、ですけれども、本当に生活保護を利用する上で多くの人のネックになっているのは、扶養照会が本当にどうしてもこれだけは嫌なんだ、親兄弟に照会されたくない、それをされるぐらいだったら使いませんという方が本当にいるわけですよ。  これはやはりコロナ特例で、思い切って扶養照会を当面やらない、こういう扱いにしていただきたいと思うんです。そうしないと、今、きょうも自殺率の話が出ていますけれども、本当に、住宅確保給付金でも同じなんですよね。生活保護を使わずに住宅確保給付金で頑張っている人はもう切れちゃうわけですけれども、その人なんかも、私たちが生活保護があるじゃないかと言っても、どうしても扶養照会をされたくないんだと。  そういういろいろな家族関係の方もいらっしゃるわけですから、ここはやはりコロナ特例をぜひ設けていただきたいと思いますが、大臣の決断をよろしくお願いいたします。
  268. 田村憲久

    田村国務大臣 扶養義務者の扶養は保護に優先する、これは法律規定されていて、この原則は、やはりどうしても明記されておりますので、曲げられないのは、これはもういたし方がない話であります。  一方で、そういう意味では、扶養関係といいますか、もう家族関係が完全に壊れているような場合があります。例えば、二十年間音信不通、こういう場合、また一方で、配偶者から暴力、DVなんかで、知られてしまうと御本人の自立を妨げる、こういう場合もあります。いろいろな事情があると思いますので、そういうものをしっかりとお聞かせをいただいて、そういうような、もう完全にこれは扶養されるような家族関係でないなという場合には、これは照会をしないという運用をさせていただいておりますので、まずは、しっかりとお話をお聞かせをいただきながら対応させていただきたいというふうに思います。
  269. 宮本徹

    ○宮本委員 そこを更に踏み込んでいただきたいというふうに思いますので、もう一つ、ぜひ考えていただきたいと思うんです。そこまでやっているのは、それはもう私も知っているわけですけれども、それでもという方々がいらっしゃるわけですよ。総理は弾力的と答弁していましたから。長妻さんのおっしゃるとおりで、更に弾力的に考えていただきたいと思います。  あとは、次に、雇用の問題をちょっとお伺いしたいと思いますが、休業手当、休業支援金についてお伺いします。  この間、大企業についてはどうなのかというのがいろいろなところで議論になっています。政府からは、休業手当不払いを把握した場合は、雇調金を活用した休業手当の支払いについて、しっかりと働きかけてまいります、こういう答弁がされているわけですけれども、しかし、現実には、労働局が働きかけても、労基署が働きかけても休業手当を支払わないケースというのは、大企業についていっぱいあります。  労働組合だとかいろいろなところに相談しておられて、私も厚労省の担当者にはいろいろお話をしておりますけれども、例えば、はとバス。ある契約社員は、シフトによるとの契約で、三月末からずっと休業手当なしが続いております。また、九月末まで休業手当が出ていた、これはシフトによるよりももうちょっと、契約書に何日というのがあったので、休業手当が出ていた非正規の方々のうち、有期の方は数十名、九月末で雇いどめになりました。無期転換をしていた非正規の方々は、解雇かシフトゼロへの契約変更を迫られました。労働組合をつくって団交して、解雇は撤回しましたが、いまだ休業手当は出ておりません。労基署が会社に改善を促しておりますけれども、会社はいまだに休業手当は払わない状態が続いているわけですね。  ですから、政府がしっかり働きかけてまいりますと言っても、出さないわけですよ。どうしてくれますか。
  270. 田中誠二

    田中政府参考人 お答えいたします。  雇用調整助成金につきましては、労働基準法二十六条の休業手当の支払い義務を事業主が負わないような場合でも、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において労働者を休業させる場合には支給対象とする、そういう運用を確立してきております。  事業主にこうした義務のない休業手当につきましては、雇用調整助成金を有効に活用して休業手当を支払っていただくよう、しっかりとお願いをしていくという形をとらせていただきます。  ただ、この中には、今申し上げましたように、労働基準法二十六条の「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合」が含まれております。労働基準法にこういう事業主の責任のある休業手当の支払い義務があるということをしっかりと雇用調整助成金活用のお願いとあわせて周知徹底をしているところでございます。  また、同一労働同一賃金の観点からは、正社員に休業手当を支払う一方で、雇用形態が非正規雇用であることのみを理由に非正規雇用労働者には一律に休業手当を支払わないような場合、パートタイム・有期雇用労働法等の規定に違反する可能性がございます。同法の違反が認められる場合には、都道府県労働局による助言指導等を行っていきたいと考えております。
  271. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、それはもう何回もその話は聞いているんですよね。それでも、労働局から雇調金を勧めても、大企業の場合は七五パーですから、負担が残るので、体力がなくなってきたらどうしようかという問題が起きているわけですよ。  これは、はとバスだけじゃないですよ、いっぱいあるわけですね。例えば、イベント関連業界大手のシミズオクト、オリンピック関連も受注していますけれども、Aさんは、働く三日前に仕事が確定するシフト制というので、ほぼフルタイムで二年半働いてきましたが、三月後半からほぼ全てのイベントが中止、延期になって収入はゼロだ、会社からは日々雇用だから休業という概念はないということで休業手当は支払われない。労基署が雇調金を使っての手当支払いを要請したけれども、会社は、行政指導があれば払うがないから払わないと居直っていると。ずっと払っていないままです。  政府、労基署がやっても払わないところがいっぱいあるんですよ。救われないままの方々が大企業に非正規で残っている。これに対して政治はこのままでいいのかということを私、本当に日々感じております。  大臣も、どうすればいいと思いますか、こういう事態について。
  272. 田村憲久

    田村国務大臣 非常に難しい問題でありまして、休業支援給付金に関しましては、雇用保険法の特例で、これは要は中小企業に限ってでありますけれども、大企業ほど雇調金の制度自体をよく御理解いただいていなかったり、それだけの申請書等々の手続に人員を割けない等々、いろいろな理由がある中で、中小零細企業が雇調金を申請しない、できないという状況の中で何とか対応しようということでこの特例法をつくったわけであります。  一方、大企業の場合はそれがやれるだけの能力があるわけで、そういう意味からすると、大企業までこれをまた広げますと、今やっていただいている部分に関してまで、じゃ、それとの公平性はどうなるんだとか、いろいろな問題が出てくると思います。  やれる能力のあるところにはしっかりとみずからの責任等々を全うしていただきたいという思いで、我々もそういうような応対を、例えば総合雇用相談センター等々、いただきましたら、しっかりと企業等々に物を申し上げて、しっかりと対応いただくように大企業の皆様方には申し上げている次第でございます。  いずれにいたしましても、働く方々が休業等々で収入が得られないというのは大変つろうございますので、ぜひとも雇調金を使っていただいて、ぜひとも大企業においては対応いただけるように、今後ともしっかりと我々周知をしてまいりたいというふうに思っております。
  273. 宮本徹

    ○宮本委員 その答弁だと、本当に自分たちのところはまた何も変わらないやという思いで聞いていると思いますよ。今、見ているかどうかちょっとわからないですけれども。  これは、ちょっと与党も野党も、もう一つやはり知恵を出し合わなきゃいけないんじゃないですかね。大企業の非正規労働者の人たちは本当の大穴があいたままです。  はとバスだって、雇調金を当初は使って払っていたんだけれども、やはり七五パーというのだときつくなったというのもあるわけですよね。じゃ、雇調金を思い切って引き上げるのか。そうでなければ、業種だとか、あるいはいろいろなことを加味して休業支援金の対象拡大するのか。これはぜひ考えていただきたい。ぜひ与党の皆さんでも議論していただきたいというふうに思います。  だんだん時間がなくなってまいりましたけれども、もう一点、新しいこの間のコロナ対応制度で、小学校休業等対応助成金・支援金があるわけですけれども、これは予算の執行率は今幾らですか。
  274. 坂口卓

    坂口政府参考人 お答え申し上げます。  お尋ねの小学校休業等対応助成金・支援金の執行状況でございますけれども、十一月六日時点で約十三万八千件の支給決定を行い、約三百五十九億円の支給を行っております。執行率という意味では、予算は初めてのことで、十分な額ということを計上いたしましたので、それを分母に計算いたしますと、執行率は二〇・九%ということになっております。
  275. 宮本徹

    ○宮本委員 執行率二〇・九%ということで、八割の予算がまだ使われていないわけですよね。  これもさっきの話と同じなんですよね。フリーランスの方は個人で申請する仕組みになっていますけれども、雇用されている方は、事業主が申請しなければ使われない。保護者が事業主に使ってくださいと言っても使ってくれない。しようがないので労働局に行って、うちの会社は使ってくれないので労働局から指導してくださいと。労働局からその会社に働きかけても使わない。こういうところが幾つもあるんですね。本当にもう何カ月間も闘い続けているという保護者の方々がいらっしゃるんですね。  これは参議院の予算委員会でも議論になっていましたね。田村さんも答弁されていましたけれども、菅総理が前向きな答弁をされていましたよね。菅総理答弁。とにかく、申請者、対象者に届くような政策というのをできるだけ丁寧にいろいろな角度から検討してみたいとおっしゃったんですね。  総理答弁を受けて、総理がいろいろな角度から検討してみたいというふうにおっしゃっているんですから、ぜひ、今までの答弁とは違い、検討してほしいと思うんですよ、総理答弁ですから。総理から指示されているようなものですね、あの答弁は。  基本は、やはり企業で働いている方についても個人申請が可能になるような制度変更をするしかないというふうに思いますけれども、ぜひ、菅総理答弁を受けて、検討してみたいということを言っていただけるでしょうか。
  276. 田村憲久

    田村国務大臣 事業主が助成金を利用してくれないという声があるというのは我々も認識いたしておりますが、事業主に、要するに、助成金の支給要件となる有給の休暇制度導入等の積極的な働きかけをこちらから今行っている最中であります。  やはり、事業主がまず有給の休暇というような形で対応いただいて賃金を払っていただくものに対して国が助成をしておるという制度でございまして、直接個人に支給をしている、そういうたてつけではないわけでございますので、やはり事業主が申請をしていただかなければならない。そのためには事業主がお支払いをいただかなければならない。  こういうことでありますので、総理からいろいろなお話がございますので、丁寧に事業主の皆様方にこういう制度を御利用いただきたいということを周知をしてまいりたいと思いますが、それではなかなか先生も御理解をいただかないのでありましょうから、またしっかりと、これは担当者を行かせまして先生の御意見等々をお伺いさせていただきたいというふうに思います。
  277. 宮本徹

    ○宮本委員 いや、別に担当者とのやりとりじゃなくて、これは大臣が決断すればいいんですよ。だって、総理はいろいろな角度から検討してみたいと言ったんですから、今言った話は、今までやってきた話なんですよ。更に検討をいろいろな角度からしてみたいと言っているんですから、正面から検討してみてください。お金がないわけじゃないんですから。予算はついて、八割も余っているんですから。それで困っている人がいるんですから。  だって、もともと一斉休校というのは安倍さんが突然言い出して、私は、何の根拠があるんだということを詰めましたよ。政治判断だと。これに伴う責任は全て政府が負うといってやったのに、責任をとられていないんです。詐欺じゃないですか。起きていることはそういうことだと思いますよ、これは。  とりわけ、いろいろなつくった制度はありますけれども、この小学校休業等対応助成金については、本当に政府が責任をとらなきゃいけないというふうに思いますので、よろしくお願いします。  それと、最後、時間になっちゃいますので、一点だけお伺いしたいと思いますが、西村さんからもお話がありましたけれども、十月に正規、非正規の格差についての一連の最高裁の判決がありました。  手当や休暇については、これは不合理な格差は許されないという非常にすばらしい判決が出ましたけれども、退職金やボーナスが一円も出ないことについて相違があることは不合理とまでは言えないという、大変私からすれば不当な判決が出ました。  やはり、正規と非正規、どこで格差が大きいかといったら、基本給で格差が大きい。退職金なし、ボーナスなしでは、ここはもっと格差が大きいわけですよ。本当に正規と非正規の格差を正そうと思ったら、退職金そして一時金での格差を正すために政治がもう一歩頑張らなきゃいけないと思うんですね。司法が、今の法律でいえばああいう解釈をしてしまうということなんですから、そういう法解釈をさせない、格差是正に更につながる法改正を政治の責任でやる必要があるんじゃないかと思うんですよ。  その点についてはいかがお考えかということをお伺いして、質問を終わります。
  278. 田村憲久

    田村国務大臣 先ほども西村委員の御質問にお答えしたんですけれども、今般の判決でありますが、賞与、退職金も含めてでありますけれども、その相違が旧労働契約法第二十条に言う不合理と認められるものに当たる場合はあり得る、こういうことも言っているわけでありまして、そういう意味では、決して、必ずそのような形で不合理なものに当たらないということはないわけでありますので、そういう意味からしますと、委員の言われている部分というものは、司法の判断の中においても起こり得るといいますか、委員の主張がなし得ることもあり得るんだというふうに思います。  そのような意味からいたしましても、十四条の二項に、事業主から労働者への待遇差の内容や理由の説明、これは、本人から申出があればこの理由を説明しなきゃならないという義務があります。それから、均等、是正等に係る相談、助言、これに関しても、労働局がしっかり受けなければならない。それから、ADR等々、これに対しての対応、これもあるわけでございますので、我々といたしましては、同一労働同一賃金というものは、これはしっかりとこれからも実現をしていかなければならないと思っておりますので、ガイドライン等々でさらなる周知を図ってまいりたいというふうに思っております。
  279. 宮本徹

    ○宮本委員 メトロコマースの件でいえば、契約社員の人の方が働いている期間が長かったわけですよ。正社員の人たちというのは、メトロから、途中で、五十代後半とか六十になってから来た人たちで、本当に何でこの格差が最高裁で正せなかったのかというのは、本当に、原告の方も崖から突き落とされたような気分だということをおっしゃっていましたけれども、そういう判決だったんですよね。  やはり、一つ一つの中身を見たら、あのメトロコマースの事件であんな判決が出るんだったら法律を変えるしかないということを再度訴えまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  280. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。
  281. 青山雅幸

    青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。  本日は、質問の機会をありがとうございます。  早速ですが、質問に入ります。  まず、八月の厚労委員会で、私は、厚労省のオープンデータに基づく統計的グラフをつくらせて、添付させていただきまして、皆さんに御配付いたしました。そこから二カ月余り経過したので、更新版をつくりました。  まず、3、4、5をごらんいただきたいんですけれども、七月、八月、第二波と言われておりましたけれども、結局のところ、死亡者数、第一波よりも大分少ない状況。そして、それが続いている。今般も、第三波と言われておりますけれども、やはり同様に、今のところ、もちろんタイムラグがあるので、ここからふえる可能性はありますけれども、低い水準で続いております。資料3をごらんいただければ、これは明らかだと思います。  そして、資料4、5、これは若干御説明しますと、一般的に陽性者としてカウントされてから三週間後くらいに、仮にお亡くなりになる場合には亡くなる場合が多いので、そのタイムラグを見込んでつくったグラフでございますけれども、これを見ると、上の方を見ていただくとおわかりのとおり、四十代以下はほぼゼロ。二十代未満は完全にゼロなんですね。そして、二十歳代も二名しか今のところ、その二名の方は大変残念ではございますけれども、日本では出ていない、死亡者は。  下の方を見るとわかるんですけれども、やはり今回の日本における新型コロナウイルスは、六十代、七十代以上に非常にリスクが高い、そうはいっても春先よりは大分減ってはいるわけですけれども、そういう特徴のある疾患である。  それからもう一つは、よく言われていることではございますけれども、糖尿病だとか尿酸値が高い方とか、そういう持病のある方、そういう方にリスクが偏在している疾患だと考えておりますけれども、そういう認識でよろしいでしょうか。  大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  282. 田村憲久

    田村国務大臣 委員おっしゃられました、まず、重症化する割合や死亡する割合は、これは年齢が高くなるほど高くなっているということであります。  以前から比べると確かに数字は低くなっておりまして、これは国際医療研究センターの大曲先生の研究の中身で、六月の四日以前と以降ですかね、入院時重症者の方が死亡している率を見ますと、以前はたしか一九%強だったのに対して、以降の平均、これはアップデートしていないので、ちょっとまだ最近の数字は入っていませんが、一〇%強ということでございますので、そういう意味では、入院時重症者、なかなか、ただ単に発症者という話になりますと、発症者といいますか感染者という話になりますと、比較的以前よりも今の方が間口を広げていろいろな検査をやっておるものでありますから、入院時重症者というのが比較的、同じ比較としては適しているだろうということで、そういうような研究結果を見ましても、やはり重症者の中の死亡率も下がってきておるということがございます。  ただ、そうはいっても、やはり高齢者、基礎疾患を持っておられる方々は若い方々に対しまして重症化しやすいということがございますので、しっかりと我々、これに対しては注意をしていかなければならないと思っております。
  283. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ありがとうございます。  前回も、加藤厚労大臣も同様の形で、七十代以上というか高齢者、そして持病をお持ちの方、リスクが偏在しているというようなお答えをいただいております。  そういった状況を踏まえて、現在、北海道などで陽性者数増加が言われておりまして、GoToキャンペーンの除外が議論されたり、自治体によっては営業時間短縮などを飲食店などに要請されているところもあるようです。後者については、現場を預かられる自治体の御判断であり、それを尊重されるべきだと考えております。  したがいまして、そういった御判断の、現実の御判断の是非の話としてではなく、一般的な話として質疑させていただきたいんですけれども、例えば、もとに戻りまして資料の2、これは今大臣も例に出されました重症者、これも厚労省のオープンデータからですけれども。これを見ると、八月中旬過ぎから重症者の数はふえておりますけれども、二百名前後というところでずっと続いております。現状もこの数が、第三波とは言われておりますけれども、重症者がふえる気配は余りない。もちろん、ここからある可能性もあります。  ただ、あくまで現状を見ると、私、重症者というのが非常に注意すべき指標だと思っておりまして、それはなぜかというと、ドイツのメルケル首相もはっきりと最初のころから言われているんですけれども、新型コロナとの戦いというのは、要は医療システムを守る戦いである、高齢者、リスクある人を守る戦いである。医療システムさえ守られていれば、それは一定程度、最近もいろいろな治療法の改善もございまして、救命率は高くなっております。  医療システムが破綻するようですと、これはもう極端な手段をもちろんとらなきゃいけないこともあろうかと思いますけれども、死亡者数あるいは重症者数がこういうコントロールされるような範囲である以上は、私はやはり余り極端な手段をとる必要はないんじゃないかと思っております。  具体的に言うと、前にされたような広範な外出制限、移動制限、あるいは営業の制限、学校の休校、そういったことを今直ちにとるべき時期ではなく、きょうも幾つか御指摘がありましたけれども、病院、介護施設などの焦点を絞った感染拡大対策をとるのが現状必要であって、課題であろうかと思っております。  その点について大臣のお考えをお知らせください。
  284. 田村憲久

    田村国務大臣 重症者、それから重症者の中での死亡率といいますか、そういうものが一定程度で、以前よりかは抑えられているというのは、幾つかの要因があるんだと思います。  一つは、レムデシビルでありますとかリウマチ等々の薬、これがどの時点でどういうふうに使っていくかというような、治療法が一定程度ですけれども確立をされつつあるという中で、それが標準化して、いろいろな形で、皆さんがそういう対応をしていただいておる。  ただ、その前提は、言われますとおり、医療現場がしっかりと対応ができるということでありまして、医療現場が第一波のときのように混乱しますと、どうしてもそういう対応ができない。だから、医療提供体制、これは非常に重要であるというふうに思っております。  そういう意味からいたしますと、先生がおっしゃったように、医療や介護、特に重症化される方々のところがクラスターが起こりますと、これは大変なことになりますので、こういうものをどう防いでいくか、大変な、重要な観点だというふうに思います。  一方で、先週金曜日、私、G7の保健大臣会合をオンラインでやりました。比較的優等生だったドイツが、今、感染拡大、再度広がっておりまして、一万人を超える一日新規感染者が出ておるようでありますが、保健大臣がおっしゃられるのには、二週間でICUが三倍、病床を塞いだというようなお話をお聞きしました。  でありますから、今大丈夫であっても、いつ病床がいっぱいになるかわからないという危機感を持って我々対応しなきゃなりません。  言われるとおり、全て要は営業自粛をお願いするというのがいいのか、部分的にやるのがいいのかというのは、これは所管官庁の皆さん、また自治体の方々にお任せする話でありますけれども、常にそういう危機感を持って我々は対応しなきゃいけないということだけは、厚生労働省としてしっかり肝に銘じてまいりたいというふうに思っております。
  285. 青山雅幸

    青山(雅)委員 厚労省あるいは大臣がそういった危機感を持たれて担当する、これは大変、当然のことでありますし、また期待されているところではあると思います。  ただ一方で、それが過剰な対策になってしまうと、せっかく持ち直してきたところの経済がだめになる。これもまた一つの人々の幸福を奪う原因にもなりますので、そこら辺の見きわめはぜひお願いしたいと思います。  そして、今御指摘の入院とか介護施設、日本と同じような対策をとっておられましたスウェーデンで当初死者が多かったのは、介護とか入院施設でクラスターが発生したからというところは御承知のところだと思います。そこをきちんとやっていけば、コントロールして一般の社会生活と両立できる、そういうふうな対策が可能だと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。  もう一つ、厚労省は、今、オープンデータを出されているんですけれども、これはエクセルの表のようなもので数字が並んでいるだけなんですね。これは、全部うちの方で拾って表にしているわけです。  これは、今回のコロナのことが始まったときに私は内閣府にも再三申し上げたんですけれども、政府は非常にいい経済対策をされているんだけれども、余りにも当初わかりにくかった、一体どこを見れば自分に対して適用される対策があるのかと。繰り返し言って、そして、今、本当に非常にわかりやすいものが、内閣府の経済対策のやつはなっていると思います。  厚労省はそこの意識が少し足りないのではないかと私は思っています。なぜかというと、相変わらず報道は感染者数のみなんですね。こういった重症者数あるいは死者数の変動についてわかりやすく解説するような報道はほとんどなされていません。その原因としては、やはり厚労省のホームページとか情報開示のところがわかりにくいということがあると思います。  これは、やはり、適切な対策という意味では、やる必要があると思います。この点、ぜひ改善していただきたいんですけれども、大臣の御所見、お願いいたします。
  286. 田村憲久

    田村国務大臣 今、新型ウイルス感染症に関しましては特設ページを厚生労働省のホームページに開いておりまして、検査陽性者数、死亡者数、重症者数等の必要な情報を日々発信をいたしております。国民皆様にとって関心の高いデータだというふうなことも認識いたしておりますので、一応グラフも掲載するとともに、データをCSVファイルで提供いたしておるということであります。  また、政府分科会の方から特に感染リスクが高まる五つの場面というもの、これを御発表いただいておりますので、これを国民皆様方にしっかりとわかるような形でお示しをさせていただいているところでありますけれども、いずれにいたしましても、まだわかりづらいということでございますれば、更に我々、国民の皆さんにまずしっかりと正しい情報を御提供することが、何よりも国民皆様方が正しい行動をしていただける基本だ、基礎だと思っておりますので、心がけてまいりたいというふうに思っております。
  287. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ぜひよろしくお願いいたします。  続きまして、Ct値の問題についてお聞きいたします。  新型コロナウイルスについて専門的関心をお持ちの国民の間で関心が高いのは、PCR検査におけるCt値です。皆さん当然御存じのこととは思いますけれども、質問の前提として若干御紹介すれば、PCR検査というのは、簡単に言うと、一本鎖にしたDNAを、鋳型のテンプレートDNAとプライマーと呼ばれるDNAの断片を、アニール、なますという意味のようですけれども、なまして増幅して、それを繰り返すことによって、倍々ゲームのように、指数関数的にふやしていく、こういうものだと承知しております。  Ct値というのは、スレッショルドサイクルということですけれども、このサイクルを、増幅するということを何回までやるのか、それの上限値ということだというふうに理解しております。理論的には、三十サイクルで一つのDNAから十億コピーまで増幅産物が再製されるということですので、すればするほど非常にふえていく。  こういった仕組みであるため、よく疑問が呈されているのがPCR検査の陽性の意味です。PCR検査というのは、要は、何がわかるかといえば、新型コロナウイルスの遺伝子が存在していたということがわかるというだけの話なんですね。問題は、その遺伝子に意味があるのかないのかというところです。  というのは、御承知のとおり、陽性になった場合には、発症していなくても、無症候者でも原則入院というところが、つい先日まではそういう取扱いだったのが、今般改正されまして、政令が、無症候者も含めて原則入院という取扱いは改められましたけれども、それでも無症候者の方でも自宅待機が原則とされるというような不便がございますし、それから、症状があって入院された方においてはPCR検査が陰性になるまで退院できないという御不便があるわけです。  そういう法律上、あるいは法律上の、国の方で感染者の方に迷惑をかける、迷惑というと変ですけれども、お願いをする、そういうような状況があるわけですから、やはり、単にPCR検査で陽性になったからといって、こういった不便をかけ続ける、あるいは不便をかける可能性があるということは極力控えるべきだと私は考えております。  そこでお聞きしたいんですけれども、現在の陽性者とされている方たちが、本当に感染力がある、意味のある陽性者なのかと。  これについては簡単な話で、検査時に検体を同時に二つに分けて、一つは培養検査に回す、一つはPCR検査に回す。PCR検査で確認して陽性であっても、培養できなければ、それはもう感染力のない、いわば死んだウイルスなわけですね。  こういう検討がジョンズ・ホプキンス大学でも臨床研究でなされておりまして、それが添付資料の6です。これをごらんいただくと、左側は、培養した結果、陽性だったもの。これを見ると、先ほど言ったCt値が三十未満のところにほとんど集中しております。培養が陰性であったもの、これは培養陽性と二つなっておりますけれども、ネガティブですから、こちらの方は陰性で感染力がないものですけれども、これは三十を超えていったところにも非常に多く存在する。  この結果から考えて、三十を超えたところにポジティブのやつが一個だけありますので、三十五くらいまでが適当なんじゃないかというようなことがよく議論されているわけです。これは、フランスの研究でも同じようなものがなされています。  そういった前提でお聞きするんですけれども、我が国において行われているPCR検査のCt値は、私が以前厚労省にお聞きしたときは、国立感染症研究所のマニュアルを示されて、四十か、若しくは四十から四十五との回答をいただいていました。  もう一回聞き直したところ、資料7のとおり、機械が、あるいは試薬の組合せが非常に多くあって、これによって非常にばらつきがあっていろいろ違うんだという御回答だったんですけれども、これでよろしいかどうか。イエスかノーかだけで結構です。お答えください。
  288. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 先生御指摘のように、我が国で承認されているPCR検査用の試薬については、その性能がそれぞれ異なりますので、Ct値の上限についてもその試薬ごとに設定されており、異なっているのが現状でございます。
  289. 青山雅幸

    青山(雅)委員 そうしますと、これもごらんいただければすぐわかるんですけれども、例えば、低いものですと三十七、三十八。四十とか四十五もございます。  私がちょっと疑問に思うのは、都道府県ごとに陽性者数の人口対比にばらつきがありますけれども、これは例えば、こういうふうに、どこの都道府県がどの機械と試薬の組合せを使っているかということに起因する可能性もあるわけですね。一般の医療機関自分の信じるところに従っていろいろなものを使うのはいいと思うんですけれども、例えば保健所あるいはそういう公的な機関が余りばらばらであるというのもいかがなものかという気はするわけですね、今言ったように感染症法上の取扱いで不利益があるわけですから。  それから、もう一つ心配しているのは、オリンピックの話なんですね。  各国の状況を調べたんですけれども、どうもよくわからない。国会図書館の御協力も得て調べたんですけれども、報道ベースのものしかなくて、アメリカ日本と同じような状況、台湾は一般的に三十五未満ということなんです。  今後、オリンピックを控えて、各国によってここのCt値がばらばらだと、例えばある国の選手が自国を出国するときには、Ct値三十五でやったからネガティブ、陰性であった。ところが、日本に来たら四十五まで回されてやって陽性になるなんてことがあったりすると、これはちょっと国際問題にもなりかねない。  そういうことを踏まえると、一定の線というのをちょっと考えておくべき必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  290. 田村憲久

    田村国務大臣 PCR検査承認でありますけれども、必要な精度が確保できている、保たれているということで、薬事承認、又は国立感染症研究所が評価をするわけであります。  そういう意味では、それぞれ、カットオフ値となるCt値でありますけれども、同検査で用いられる試薬によってその差が出てくるわけで、そういう意味では、試薬を全部一緒にすれば、多分委員がおっしゃられているような一定の基準は保てるのかもわかりませんが、では、今の話、世界じゅう全く一緒にするかみたいな話にもなってくるわけでありまして、もちろん国内だけでも同じ試薬で全て今供給できるかというと、検査体制の中で限界もあるというふうに考えておりますので、今のところ、統一するというような方針、これは世界的にもそういう話があるということも聞いておりませんので、我々としては今の状況の中で更に精度をどう上げていくかということを考えてまいりたいというふうに思っております。
  291. 青山雅幸

    青山(雅)委員 現状では、現状を前提とする限りはそのとおりの御答弁としかならないと思うんですね。  ただ、日本においても、たしか東海大学の先生だったと思いますけれども、世界規格をきちんと提唱すべきである、こういうことをおっしゃっている方もおられるわけですね。ぜひ、ちょっと検討は進めていただきたい。  それに関連して、今言った感染能力のあるウイルスの陽性者かどうかというのはすごく大事だと思うんです。単にPCR検査というのは陽性反応があるだけのものという意味しかないわけですね。だから、そこを区別をする研究というのをきちんとやっていくべきだと思うんです。せっかく国立感染症研究所などあるわけですから、適正なCt値というようなものを探っていく。  つまり、感染症法上の隔離であるとか、感染者としての対象者としてはどのようなCt値の方が適切なのかということについて研究を進めていくべきだと思うんですけれども、その点については大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  292. 田村憲久

    田村国務大臣 二つ論点があると思っています。  まず、検査のときにちゃんと検体をとれているか、つまり、ウイルスをすくえているかという問題が一つあります。それから、潜伏期間の問題もあって、ちゃんととれていた、とれているというか、潜伏期間がありますから、要は、まだそれまでウイルス量がふえていないので、そういう場合には、仮にちゃんととったとしても、感染能力があるかないか、これがなかなかわからないという問題と、もう一つは、今委員が先ほど来おっしゃられておられますCt値で、どの数字ならば感染能力があるんだと。  これは、実は、アドバイザリーボードでしたかね、分科会かでも、そういう話が専門家方々からも出ました。しかし、今の現時点で、どこまでが感染能力があるかというのは、ある意味、何か人体実験に近いような話になってくるわけで、要するに感染させる能力があるかどうか確かめなきゃなりませんから。そういう意味では、なかなか今の現状ではそういうものを出すのは難しいというようなお話であったかのように記憶をいたしております。
  293. 青山雅幸

    青山(雅)委員 私、申し上げたとおり、人体実験するまでもなく、培養検査して培養ができないようだったら、普通はそれはもう感染能力がないとみなすのが医学的な見解だと思います。その観点でちょっともう一度よくお考えいただきたいと思います。  ちょっと時間がないので、またこの点は次の機会にさせていただきます。  それから、今度はインフルエンザ及び風邪の季節を迎えてまいります。非常にここは危惧されていたところですけれども、発熱患者の受診における交通整理の問題。発熱した方が気軽に受診できることが重症化予防への第一歩だと思うんですね。血液検査によってある種のたんぱく質が出ると重症化が予測できるような、そういうような研究もなされておりますので、そういう方が、要はうちにずっとこもっているよりは、きちんと発熱外来をお受けになることが非常に大事だと思っています。  その点について、余り報道されていませんけれども、九月四日に厚労省は事務連絡を出されて、私の理解によれば、保健所が仕分けるようなやり方、これを改めて、自治体が電話相談窓口を設ける、あるいは、かかりつけ医などの地域の医療機関に電話で相談して、発熱外来というものに回す、こういうふうにされたようですけれども、その発熱外来というものがどの程度整備されているのか、また、自治体の規模によって偏在がされていないか、その点について現状をお伺いしたい。
  294. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  従来は、帰国者・接触者相談センター、いわゆる保健所ですね、そこに相談して帰国者・接触者外来を受診する、そういう仕組みでありました。  それから、新たに、かかりつけ医等の身近な医療機関に直接電話相談し、地域の診療検査医療機関を受診する仕組みに変えることといたしました。  発熱等の症状のある方が確実に医療機関を受診できる体制を十月中を目途に整備していただくよう各都道府県に依頼をしており、各都道府県においては、関係者と協議の上、体制整備を進めていただいていると承知しております。  各都道府県における発熱患者等に対する診療検査を行う医療機関の指定状況については随時報告を受けておりますが、今、厚生労働省において報告内容について精査をしているところでありまして、取りまとめが終わり次第、速やかに公表したいと考えております。
  295. 青山雅幸

    青山(雅)委員 そうしますと、大きな病院だけではなくて一般開業医などでも受診が可能というふうに理解できるんですけれども、そういう理解でよろしいか。それから、そういった場合にどういう感染予防対策が当該医療機関でなされることを期待されておられるのか。簡単で結構です、お答えください。
  296. 正林督章

    ○正林政府参考人 御指摘のとおり、大病院に限らず一般の診療所も含めて、発熱等の症状がある方とそれ以外の方が接触しないよう物理的に動線確保できる、それから時間的分離、あるいはドライブスルー、駐車場にテント等々、さまざまな方法でそういう診療体制を組んでいただくということを想定しております。
  297. 青山雅幸

    青山(雅)委員 私が一番心配しておったところで、そして、実は、ちょっと残念だったのが、三十七度五分が四日続かないとお医者さんに行くなというような広報に誰がどう見ても見えていたのが、そういうことをしたつもりはないと、加藤厚労大臣はそういうふうな答弁をされて、これはちょうど二十代の力士の方が亡くなられたときですね。私は、それはちょっと無責任なんじゃないかなと思っていたんです。そこは絶対に改めていただきたいと思っていたんですけれども、今回、これはポンチ絵も出されておられますし、事務連絡を見ましたけれども、診療拒否、医師法上の問題にもなるというようなことまで踏み込んだ事務連絡をなされていて、私は、大変一歩進んだ対応を出されていると思って、大変評価しております、個人的に。  そういういい体制をつくられているんですけれども、これもまた広報の問題で、余りマスコミでも聞きませんし、どの程度の広報をされているのか。やはり、国民はそれを知ると大分安心感が違うと思うんです。これはぜひやっていただきたいんですけれども、大臣の御決意というか、取組に対するお考えをお聞きしたいと思います。
  298. 田村憲久

    田村国務大臣 初動で、今、三十七度五分の話がありました。当時から私は、インフルエンザも決しておろそかにできないので、やはりちゃんと診れる体制をつくるべきだということを党の方から政府の方に要望しておりました。実態としては、そういうような取扱いを現場でしていただくように一応通知は行っておったようでありますけれども、初めに流れた広報がどうも強烈過ぎて、十分に国民の皆さんに伝わらなかったという意味では、我々厚生労働省、反省しなきゃいけない部分、多々あるというふうに思っております。  今般に関しましては、いろいろな事情が、私は、実は、いろいろなところで言っているので、ある程度御理解いただきつつあるのではないかと思っておったんですが、先生がそうやっておっしゃられるというのは、まだまだなんだなと改めて反省いたしておりますけれども。  いろいろなパターンがあると思うんです。例えば、町中、東京のようなところでは、どうやったって動線確保できず、雑居ビルの中で開業をやられている先生方は、飲食店等々があったりなんかして、どうしても受けられないと。そうなった場合には、場合によっては、PCR検査センターというのをつくっておりましたが、ああいうような、どこかの病院の駐車場等々で外来で受けるというような形もあると思います。それから、場合によっては、午前中は発熱者をお受けするけれども午後は一般の診療をやるよ、曜日によって変えるよ、いろいろなパターンがあると思います。  これは各自治体で事情が違うと思っておりますので、それぞれでお考えをくださいということで都道府県知事さんにお願いをさせていただいて、きょう、多分、もう数が発表されるかどうかと思うんですけれども、ある程度の数がそろってまいりました。  そういう意味では、これからしっかりと広報しなきゃなりませんが、まずはお電話をいただきたいと。わからぬまま行っていただくと、自分感染するかもわからないし、自分もうつすかもわからない。まずお電話をしていただいて、ちゃんとそこで、自分かかりつけ医でやっているのかどうか、やっていなければ、どこでやっているのかということを確認する。これも、自治体によってはもう、開業医の先生方がわからなかった場合にはコールセンターで受け付けますよ、実は神奈川の県知事さんがそうやって言われていました。そういうような体制を組んでいる都道府県もありますので、しっかりと都道府県でも広報していただく、国でも広報する、自治体、市町村でも広報する、そういうことをしっかり進めて、国民皆様方に安心して、発熱しても医療にかかっていただけるというような体制を早急に整備してまいりたいというふうに考えております。
  299. 青山雅幸

    青山(雅)委員 そういった大変ないい体制をおつくりになる、そして、実際に診療に携わる医療機関が差別されることのないよう、そこもお願いしたいと思います。  時間ですが、最後に一問だけ。  今の診療体制、新しいやり方です。診療報酬による後押しなどの間接的やり方だけではなくて、今おっしゃったように、自治体の状況を把握して、必要な場合は現地調査とかも織りまぜていただいて、本当に地域によって格差がないように、そして今言ったようなものが現実に機能しているのかきちんと厚労省でも確認いただきたいと思うんですけれども、その点だけお願いいたします。
  300. 田村憲久

    田村国務大臣 なかなか、厚生労働省の職員は限られておりまして、全国四十七都道府県、津々浦々までというわけにいかないんですが、しっかりと都道府県と連携して状況をつぶさに聞くようにと指示しておりますし、都道府県皆様方には市町村ともしっかり連携してくださいというお願いをさせていただいておりますので、今委員おっしゃられましたとおり、各地域の現場の声をしっかり我々も吸収させていただきながら、適切な対応をしてまいりたいというふうに思っております。
  301. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力お願いします。
  302. 青山雅幸

    青山(雅)委員 御丁寧な答弁ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。  ありがとうございます。      ――――◇―――――
  303. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、内閣提出予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。     ―――――――――――――  予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  304. 田村憲久

    田村国務大臣 ただいま議題となりました予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。  新型コロナウイルス感染症については、感染拡大を防止し、国民の生命及び健康を守るため、総力を挙げて対策に取り組み、あわせて社会経済活動との両立を図っていく必要があります。  現在、我が国を含め世界各国でワクチン開発が進められており、今後、有効で安全なワクチン開発された場合には、当該感染症蔓延予防のため、必要なワクチン確保し、全国的に円滑な接種を実施していく必要があります。  また、新型コロナウイルス感染症については、検疫法第三十四条の感染症の種類として指定することで、同法に基づく水際対策を講じていますが、その指定の期間は一年以内とされており、この後も引き続き必要な水際対策を行うためには、指定の期間を延長する必要があります。  このような状況に対処し、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施体制の整備等を行うとともに、検疫法に基づく必要な措置を引き続き講ずることができるようにするため、この法律案を提出いたしました。  以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、新型コロナウイルス感染症について、予防接種法の臨時の予防接種に関する特例措置等を定めることとします。  具体的には、厚生労働大臣は、新型コロナウイルス感染症蔓延予防上緊急の必要があるときは、その対象者や期間等を指定して、都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができることとします。この場合において、予防接種を行うために要する費用は、国が負担することとします。  また、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン確保のため、政府は、ワクチンの製造販売業者等と、予防接種による健康被害に係る損害を賠償すること等により生ずる損失を政府補償することを約する契約を締結することができることとします。  第二に、検疫法規定を準用できる期間を延長することができることとします。  具体的には、検疫法第三十四条に基づき政令で感染症の種類を指定し、一年以内の期間を限り、同法の規定を準用できることとされていますが、当該期間について、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができることとします。  最後に、この法律案の施行期日は、公布の日としています。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。  御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
  305. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る十三日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十分散会