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2020-03-11 第201回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
令和
二年三月十一日(水曜日) 午前十一時五十五分開会 ─────────────
委員
の
異動
一月二十三日
辞任
補欠選任
渡辺
喜美
君
浜田
聡君 三月十日
辞任
補欠選任
上月
良祐君
森屋
宏君
川田
龍平
君
小沼
巧君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
青木
愛君 理 事
石井
浩郎
君
高階恵美子
君 滝沢 求君
滝波
宏文
君
木戸口英司
君 杉尾 秀哉君
浜田
昌良
君
石井
苗子君 委 員 石田 昌宏君 宇都 隆史君
片山さつき
君 酒井
庸行
君 清水 真人君
進藤金日子
君 堂故 茂君 豊田 俊郎君
羽生田
俊君 福岡
資麿
君 古川 俊治君 宮本 周司君
森屋
宏君 和田
政宗
君
石垣のりこ
君 小沢
雅仁
君
小沼
巧君 須藤 元気君 真山
勇一
君 増子 輝彦君 横沢
高徳
君 塩田 博昭君
横山
信一
君 若松
謙維君
梅村みずほ
君 音喜多 駿君 岩渕 友君 紙
智子
君
高良
鉄美
君
嘉田由紀子
君
浜田
聡君
国務大臣
国務大臣
(
復興大臣
)
田中
和徳
君 副
大臣
復興
副
大臣
横山
信一
君
事務局側
常任委員会専門
員 林 浩之君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
東日本大震災復興
の
総合的対策
に関する
調査
(
東日本大震災復興
の
基本施策
に関する件) (
令和
二年度
復興庁関係予算
に関する件) (
派遣委員
の
報告
) ─────────────
青木愛
1
○
委員長
(
青木愛
君) ただいまから
東日本大震災復興特別委員会
を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。
東日本大震災
の
発災
から九年が経過いたしました。改めて
被災地
に思いを致し、被災された
方々
に寄り添いながら、本
委員会
として、
被災地
の
復興
が加速されるよう、力を尽くしてまいりたいと存じます。 ここに、
犠牲
になられた
方々
の御冥福をお祈りし、
黙祷
をささげたいと存じます。 どうぞ御
起立
を
お願い
いたします。
黙祷
。 〔
総員起立
、
黙祷
〕
青木愛
2
○
委員長
(
青木愛
君)
黙祷
を終わります。御着席ください。 ─────────────
青木愛
3
○
委員長
(
青木愛
君)
委員
の
異動
について御
報告
をいたします。 昨日までに、
渡辺喜美
君、
上月良祐
君及び
川田龍平
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
浜田聡
君、
森屋宏
君及び
小沼巧
君が選任されました。 ─────────────
青木愛
4
○
委員長
(
青木愛
君)
東日本大震災復興
の
総合的対策
に関する
調査
を議題といたします。 まず、
東日本大震災復興
の
基本施策
について、
復興大臣
から
所信
を聴取いたします。
田中復興大臣
。
田中和徳
5
○
国務大臣
(
田中和徳
君)
復興大臣
及び
福島原発事故再生総括担当大臣
を拝命しております
田中和徳
であります。
所信表明
に先立ち、一言申し上げます。
東日本大震災
の
発災
、そして
東京電力福島
第一
原子力発電所
の
事故
から丸九年となりました。
震災
によって亡くなられた
方々
に改めて心から哀悼の意を表しますとともに、遺族の
方々
や今なお
避難生活
を続けておられる
方々
に心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。
東日本大震災復興特別委員会
の
開催
に当たり、
復興大臣
として
所信
を申し上げます。 未
曽有
の大
災害
であるこの
震災
や
原子力災害
からの
復興
には、多くの困難が伴うと同時に、
長期
にわたっての
取組
も必要となります。
安倍内閣
では、
東北
の
復興
なくして日本の
再生
なしとの強い
決意
の下、
復興
の
加速化
を
内閣
の最
重要課題
の一つとして位置付け、
政府
を挙げて
被災地
の
復旧復興
に取り組んでまいりました。 その
成果
もあり、
地震
・
津波被災地域
では、
住まい
の
復興
や
インフラ整備
が順調に進み、
復興
への総仕上げの段階を迎えております。 また、
福島
における
原子力災害被災地域
でも、今月には、
常磐線
の
全線開通
に加え、双葉町、大熊町、富岡町の
特定復興再生拠点区域
の一部において
帰還困難区域
としては初めてとなる
避難指示解除
が行われるなど、
復興再生
に向けた動きが本格的に始まっております。 一方、
長期
にわたりいまだ不自由な
生活
を送られている
方々
もいらっしゃいます。
発災
から時間が経過し、
被災者
の
方々
や
被災地
の置かれた
状況
が多様化する中で、
被災者
に寄り添い、
地域
の
実情
に応じてきめ細かい
対応
をしていく必要があります。 本年は、まず、
復興
・
創生期間
の
最終年度
として
期間
内の
取組
を着実に進めます。また、この夏に迫っております
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
を
復興五輪
として成功させるため、
全力
を尽くします。さらに、
復興
・
創生期間
後に向けて、
所要
の準備を確実に進めてまいります。 まず、
復興
・
創生期間
内における具体的な
取組
について申し上げます。
避難生活
の
長期化
に伴う見守り、
心身
の
ケア
、
住宅
や
生活
の
再建
に向けた
相談支援
、
生きがいづくり
への
支援
、
災害公営住宅等
での
コミュニティー形成
など、
生活再建
の
ステージ
に応じた
切れ目
のない
支援
を行ってまいります。
住まい
の
確保
については、
災害公営住宅
や宅地の
整備
がおおむね
完了
しており、
岩手
県や
宮城
県においては、
復興
・
創生期間
中に
仮設生活
を解消できるよう、しっかりと取り組んでまいります。 また、二〇二〇年度までに
復興道路
、
復興支援道路
が
完成予定
となっております。
被災地
の
経済発展
の
基盤
となる
交通物流網
の
整備
を着実に進めてまいります。
産業
、
なりわい
の
再生
については、
企業
の
新規立地
、
商業施設
の
整備
、
販路
の
開拓
や
人材
の
確保等
の
支援
のほか、
震災支援機構
の
支援先事業者
の
経営強化
などにも引き続き力を注いでまいります。
観光
については、二〇一九年の
東北
六県の
外国人延べ宿泊者数
が約百五十六万人泊となり、
震災
前の約三倍となっています。引き続き、
東北
の
魅力
の
発信強化
や
地域
が行う
訪日外国人旅行者
を呼び込むための
取組等
への
支援
を進めてまいります。
福島
については、
避難指示
が
解除
された
地域
において、医療、介護、
買物環境
、
教育等
の
生活環境整備
を進めるとともに、
除染
に伴い発生した
除去土壌
や
廃棄物
の
中間貯蔵
に係る
事業
を引き続き進めてまいります。
帰還困難区域
においては、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に
帰還困難区域
の全てを
避難指示解除
し、
復興再生
に
責任
を持って取り組むとの
決意
の下、六町村の
特定復興再生拠点区域
について、引き続き、
避難指示
の
解除
に向けて、
除染
や
インフラ
の
復旧整備等
を着実に進めます。
浜通り地域等
において、新たな
産業基盤
の
構築
を目指す
福島イノベーション・コースト構想
を
推進
いたします。今月には
福島水素エネルギー研究フィールド
が開所し、この春にも
福島ロボットテストフィールド
が全面開所するなど、
構想実現
の核となる
拠点
の
整備
が進んでおります。
産学官連携
による
魅力
ある
浜通り地域
を創出するため、
国内外
の
人材
が結集する
国際教育研究拠点
の
構築
について、
有識者会議
による検討を進め、本年夏頃を
目途
に取りまとめを行い、
政府
としても本年内を
目途
に成案を得てまいります。また、
事業再開
の
支援
、
営農再開
の
加速化
、
森林整備
、漁業の本格的な
操業再開等
、
産業
、
なりわい
の
再生
を図ります。 加えて、今もなお続く
風評
の
払拭
が
課題
であることから、
復興
が進む
福島
の姿や
食品
の
安全性
、
放射線
に関する正しい
知識
などについての分かりやすい
情報発信
や、
被災地産品
の
販路拡大
、
輸入規制
の撤廃、
緩和等
に向けた諸
外国
・
地域
への
働きかけ等
を積極的に行ってまいります。 この夏に控える
東京大会
においては、
被災地
での
競技開催
や
聖火リレー
の
実施等
の
取組
が
予定
されています。世界中から寄せられた
支援
に対する感謝と、
被災地
の
復興
しつつある姿や
魅力
を
国内外
に積極的に
発信
するなど、
復興五輪
としての
取組
を進めます。 また、新しい
東北
の創造に資する観点から、
人口減少等
の
地域課題
の解決に向け、
企業
、大学、
NPO等
の多様な主体の
連携
を促進するとともに、意欲的な
取組
の
成果
などを普及、展開してまいります。 昨年十二月に、
復興
・
創生期間
後の
基本方針
を閣議決定いたしました。この
基本方針
において、
地震
・
津波被災地域
では、心の
ケア等
の
被災者支援
を始めとする残された
課題
に
全力
で取り組むとともに、
原子力災害被災地域
では、
帰還
に向けた
生活環境
の
整備
に加え、新たな住民の移住の促進、
福島イノベーション・コースト構想
の
推進
、
風評
の
払拭
などについて、
復興
・
創生期間
後も中
長期
的に
対応
することとしています。 こうした
課題
を踏まえ、政治の
責任
とリーダーシップの下で
東日本大震災
からの
復興
を成し遂げるため、
復興庁
を十年間延長するとともに、
福島
の
復興再生
に向けた
施策
を
強化
することとし、今国会に
復興庁設置法等
を改正する
法律案
を提出したところでございますので、どうぞよろしく
お願い
を申し上げます。 また、この
基本方針
において、今後五年間の
事業規模
と
財源
の
見込み
をお示ししたところであり、引き続き、精査した上で、本年夏頃を
目途
に新たな
復興財源フレーム
を定めてまいります。 本年は、
復興期間
の
節目
となる重要な年になります。
被災地
の
生活
を守り、発展させるため、
復興大臣
として、
現場主義
を徹底し、
被災者
に寄り添うとともに、
関係自治体
と緊密に
連携
しながら、
復興
の司令塔としての役割をしっかり果たし、引き続き、
東日本大震災
からの
復興
に
全力
で取り組んでまいります。
青木委員長
を始め
理事
及び
委員各位
の御理解と御教導をよろしく
お願い
を申し上げ、
所信
とさせていただきます。 ありがとうございました。
青木愛
6
○
委員長
(
青木愛
君) 次に、
令和
二年度
復興庁関係予算
について、
復興
副
大臣
から
説明
を聴取いたします。
横山復興
副
大臣
。
横山信一
7
○副
大臣
(
横山信一
君)
令和
二年度
復興庁予算
につきまして御
説明
申し上げます。
復興庁
におきましては、
復興
・
創生期間
の
最終年度
である
令和
二年度において必要な
復興施策
を確実に
実施
するための
予算
として、
東日本大震災復興特別会計
に総額一兆四千二十四億円を計上しております。 以下、その
主要施策
につきまして御
説明
申し上げます。 第一に、
被災者支援
については、
避難生活
の
長期化
や
恒久住宅
への移転に伴う
被災者
の
心身
の健康の維持、
住宅
や
生活
の
再建
に向けた
相談支援
、
コミュニティー
の
形成
、
生きがいづくり等
の心の
復興
など、
生活再建
の
ステージ
に応じた
切れ目
のない
支援
に必要な
経費
として、四百九十三億円を計上しております。 第二に、
住宅再建
と
復興まちづくり
については、
住宅再建
に関する
事業
の
進展等
を踏まえつつ、
復興まちづくり
を進めるほか、
復興道路
、
復興支援道路等
の
社会インフラ
の
整備
について、一日も早い
完了
を目指して
推進
するために必要な
経費
として、五千四百七十二億円を計上しております。 第三に、
産業
や
なりわい
の
再生
については、
被災事業者
の
施設復旧
への
支援
や
観光業
、
水産加工業等
への
ソフト支援
に引き続き注力するほか、
福島
について、
福島イノベーション・コースト構想
の
推進
、
福島
県
農林水産業
の
再生
、
原子力災害被災
十二市町村における
事業再開支援等
に必要な
経費
として、五百十六億円を計上しております。 第四に、
原子力災害
からの
復興再生
については、
特定復興再生拠点
や
避難指示解除区域等
における
帰還環境
の
整備
を進めるとともに、
汚染廃棄物等
の適正な処理を着実に
推進
するほか、
風評払拭
及び
放射線
に関する
リスクコミュニケーション
の
強化
に必要な
経費
として、七千四百八十一億円を計上しております。 また、
東日本大震災
の
発災
から十年の
節目
を迎えるに当たり、
各種取組等
に必要な
経費
として、
所要額
を計上しております。 なお、
東日本大震災復興特別会計
においては、
復興庁予算
に加え、
震災復興特別交付税交付金
など、六千七百十六億円を計上しており、全体では、二兆七百三十九億円を計上しております。 以上、
令和
二年度の
復興庁予算
の
概要
について御
説明
申し上げました。 何とぞよろしく
お願い
申し上げます。
青木愛
8
○
委員長
(
青木愛
君) 以上で
所信
及び
予算
の
説明
の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
青木愛
9
○
委員長
(
青木愛
君) 次に、先般本
委員会
が行いました
委員派遣
につきまして、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。
高階恵美子
君。
高階恵美子
10
○
高階恵美子
君 去る二月二十日、二十一日の二日間、
岩手
県、
宮城
県及び
福島
県において、
東日本大震災
の
被災地
における
復旧
・
復興状況等
の
実情
を
調査
してまいりました。
参加者
は、
青木愛委員長
、
石井浩郎理事
、
滝波宏文理事
、
木戸口英司理事
、
浜田昌良理事
、
羽生田俊委員
、
石垣のりこ委員
、
梅村みずほ委員
、
紙智子委員
、
高良鉄美委員
、
嘉田由紀子委員
、
浜田聡委員
及び私、
高階
の十三名であります。 以下、
調査
の
概要
について御
報告
いたします。 初日は、まず、
岩手
県に赴き、新花巻駅から大船渡市に向かう
バス
の
車中
にて、
岩手
県における
復興
の
現状
と
課題
について
復興庁岩手復興局
から、また、
東日本大震災津波
からの
復興
の
取組状況
について
岩手
県から、それぞれ
説明
を聴取した後、
同市
の有限会社三陸とれたて
市場
を訪れ、
八木代表取締役
から
同社
の
取組
について
説明
を聴取し、
鮮魚加工室等
の
施設
を視察しました。
岩手
県の
主力産業
である
水産
・
食品加工業
は、売上げが
震災
前の水準以上まで回復した
企業
の割合は約三割にとどまっており、その主な要因として、
不漁
による
原材料不足
や
人手不足
、
販路
の
喪失等
が挙げられております。
八木代表取締役
からは、三陸とれたて
市場
では、三陸で水揚げされる多様な
魚種
について、その
加工度
に係る
市場
のニーズを的確に分析して、計画的な
原料原価設定
を行い、
見込み製造
のロスを削減するとともに、最新の
技術
を用いた
加工
を行い、
飲食店事業者等
が
利用
しやすい高品質かつ
長期保存
が可能な商品として
提供
を行っているとの
説明
を受けました。また、
同社
の新たな
市場開拓
に係る
取組
は、国の
事業
である同
業種
、異
業種
間の
連携
に基づく
チーム化
による
水産加工業等再生モデル事業
に採択されており、EU・
HACCP認証
も視野に
海外展開
に向けた体制の
確保
にも注力されているとのことであります。
派遣委員
との間では、
不漁
による
原材料不足
への
対応
、
水産加工技術
による高
付加価値化
の方策、三陸とれたて
市場
における
ビジネスモデル
の
横展開等
について
意見
が交わされました。 次に、
陸前高田
市の
高田松原津波復興祈念公園
を訪れました。同
公園
では、
東日本大震災
による
犠牲者
への
追悼
と鎮魂や、
震災
の
教訓
の
伝承
、
国内外
に向けた
復興
への意志の
発信
のための
国営追悼
・
祈念施設
の
整備
が進められており、現在は一部
利用
が開始されております。
到着
後、まず、
公園
内の海を望む場に移動し、同所にて、本
委員会
を代表し、
青木委員長
から献花が行われるとともに、
派遣委員一同
により、
震災
による
犠牲者
に対して
黙祷
がささげられました。 次いで、
陸前高田
市における
被災市街地復興土地区画整理事業
について
同市
から
説明
を聴取し、同
事業
の
現状
を視察しました。
陸前高田
市は、
震災
により市内のほぼ全域が被災し、
まち
の
復興
に当たり、
中心部
の大
規模
な
土地
の
かさ上げ
などが進められてきました。
同市
によれば、本年十二月を目標に
ハード整備
を終え、
地権者
に
土地
を引き渡す
予定
であるとのことであります。なお、
戸羽市長
から、
土地区画整理事業等
の
事業完了
までの
支援
の継続などを求める
要望書
が手交されました。 次いで、
公園
内に
整備
された
復興
のシンボルである奇跡の一本松を視察した後、同じく
公園
内にある
東日本大震災津波伝承館
、いわて
TSUNAMIメモリアル
に移動しました。昨年九月に開場した同館は、
展示等
を通じ、
震災津波
の事実と
教訓
の
国内外
に向けた
発信
に取り組まれています。
展示物等
の案内を受けながら、館内を視察いたしました。 次に、
宮城
県仙台市に移動し、
郡市長
から市の
復興
に向けた
取組等
について
説明
を聴取しました。 二日目は、宿所から
山元
町に向かう
バス
の
車中
にて、
宮城
県における
復興
の
現状
と
課題
について
復興庁宮城復興局
から
説明
を聴取した後、
同町
の
農業生産法人株式会社GRA
を訪れ、
岩佐代表取締役CEO
から
同社
の
取組
について
説明
を聴取し、
イチゴ
の
栽培施設等
を視察しました。
イチゴ
は
山元
町の
特産品
でありますが、
東日本大震災
の
津波
により町内の
ビニールハウス
がほぼ全て流されるなど甚大な被害が生じ、大きな打撃を受けました。
同町出身
である
岩佐代表取締役CEO
は、故郷の
産業復興
のために、
震災
後、
地元農業者等
とともに
GRA
を設立されたとのことであります。
岩佐代表取締役CEO
からは、
GRA
では、
IT関係
の
企業
で得た
知識
や技能を活用した最先端の
イチゴ栽培
などを展開するとともに、その
営農ノウハウ
を基に
新規就農支援
に尽力しているほか、
イチゴ
のブランディングや、山梨県の
酒造会社
とのコラボレーションによる
イチゴ
を使用した
スパークリングワイン造り
など、
地域
間の
連携
による六次
産業化
に取り組んでいるとの
説明
を受けました。
派遣委員
との間では、
事業
を進める中で苦労した
経験
、
既存農業者
、
流通業者
との
関係等
について
意見
が交わされました。 次いで、
山元
町
農水産物直売所
、
やまもと夢いちご
の郷を訪れ、
山元
町から、
同町
の
震災
による
被災状況
や
復興まちづくり
の
取組
について
説明
を聴取した後、
直売所内
を視察しました。
やまもと夢いちご
の郷は、
震災
により被災した
農産物直売所
や
交流拠点施設等
が有していた機能を備えた
複合施設
として
平成
三十一年二月にオープンしました。これまでの
来場者数
が六十万人を超えるなど、にぎわいを見せております。
山元
町からは、
直売所
の運営を行う
株式会社やまもと地域振興公社
の株式の一部を
一般公募
により選ばれた個人などが保有している点が特徴的であるとの
説明
を受けました。 次に、
福島
県に赴き、
相馬市役所
を訪れ、
立谷市長
から
復興
の
現状
と
取組等
について
説明
を聴取しました。
立谷市長
からは、
被災者支援
として、
心的外傷
後
ストレス障害
、いわゆる
PTSD
への
対策
や
震災孤児等
の
支援
、
孤独死対策等
に尽力してきたこと、
震災
の
経験
を生かして
令和元年
の台風第十九
号災害
に
対応
したことなどの
説明
を受けるとともに、
震災
後の十年間で
ハード面
の
整備
がおおむね
完了
する一方で、
PTSD対策
を含め、
ソフト面
の
対策
については国による十分な
支援
を求める旨の
要望
が示されました。 その後、
派遣委員
との間では、
学校教員
に対する
PTSD対策
に係るカウンセリングの
実施
に至った経緯、
放射線
の
影響等
に関する不安への
対応等
について
意見交換
がなされました。 次に、そうま
IHIグリーンエネルギーセンター
を訪れました。同
センター
は、
福島イノベーション・コースト構想
に基づき、
再生可能エネルギー
の
地域
内での
有効活用
を実践し、将来の
水素社会
に向けた
実証研究
を行う場として、
平成
三十年四月、
相馬
市と
株式会社IHI
との共同により開設されております。
到着
後、
相馬
市及び
株式会社IHI
から、同
センター
における
取組
について
説明
を聴取した後、各
施設
を視察しました。同
センター
では、
太陽光発電
などの
再生可能エネルギー
の
地産地
消による
スマートコミュニティー
の
構築
を目指し、
太陽光余剰電力
の蓄電及び
水素
、熱への転換による
有効利用
が実践されているとのことであります。
相馬
市からは、今後は、
水素関連
の
研究
に係る
オープンイノベーション
の場の
提供
による
研究者等
の
交流人口拡大
や、
地域
の小中学校と
企業
との
連携
による
体験学習
の場の
提供
について、市としても取り組んでいきたいとの
説明
を受けました。 その後、
福島
駅に向かう
バス
の
車中
にて、
福島復興加速
への
取組
について
復興庁福島復興局
から
説明
を聴取しました。 以上が
調査
の
概要
であります。
震災
から九年が経過し、
住まい
や
復興道路
などの
インフラ
の
整備
、
まちづくり
については
相当程度復興
が進展してきているほか、
産業
、
なりわい
の
再生
に向けた
取組
についても確実に実を結んでいるように思われます。しかしながら、その一方で、
地域
の
主力産業
である
水産
・
食品加工業
の
業績回復
の遅れなどの
課題
が依然として存在しております。また、
土地区画整理事業
については、
事業
の
長期化等
により生じた
空き地の利活用
なども重要な
課題
となっております。さらに、
被災者
の心の
ケア
を含む
ソフト対策
については、よりきめ細かな
対応
に一層の重きを置く必要があると強く認識した次第であります。 最後に、私どもの
調査
に協力いただきました皆様に対し厚く御礼を申し上げますとともに、
被災地
の一刻も早い
復興
が果たされますようお祈り申し上げまして、
派遣報告
を終わります。
青木愛
11
○
委員長
(
青木愛
君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会