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2020-03-31 第201回国会 参議院 財政金融委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年三月三十一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      加田 裕之君     大家 敏志君      山田 太郎君     森 まさこ君  三月三十一日     辞任         補欠選任      森 まさこ君     こやり隆史君      小池  晃君     井上 哲士君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中西 祐介君     理 事                 有村 治子君                 中西 健治君                 藤末 健三君                 那谷屋正義君                 熊野 正士君     委 員                 大家 敏志君                 こやり隆史君                 長峯  誠君                 西田 昌司君                 林  芳正君                 藤川 政人君                 宮沢 洋一君                 宮島 喜文君                 大塚 耕平君                 勝部 賢志君                 川合 孝典君                 熊谷 裕人君                 古賀 之士君                 杉  久武君                 音喜多 駿君                 井上 哲士君                 大門実紀史君                 浜田  聡君                 渡辺 喜美君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        麻生 太郎君    副大臣        財務大臣    藤川 政人君    事務局側        常任委員会専門        員        前山 秀夫君    政府参考人        外務省大臣官房        審議官      長岡 寛介君        外務省大臣官房        審議官      高杉 優弘君        外務省大臣官房        参事官      赤堀  毅君        外務省大臣官房        参事官      田村 政美君        財務省国際局長  岡村 健司君        文部科学省大臣        官房審議官    梶原  将君        文部科学省大臣        官房審議官    増子  宏君        厚生労働省大臣        官房生活衛生・        食品安全審議官  浅沼 一成君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律  及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する  法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆議  院送付)     ─────────────
  2. 中西祐介

    委員長中西祐介君) ただいまから財政金融委員会開会をいたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、山田太郎君及び加田裕之君が委員辞任され、その補欠として森まさこ君及び大家敏志君が選任をされました。  また、本日、小池晃君が委員辞任され、その補欠として井上哲士君が選任をされました。     ─────────────
  3. 中西祐介

    委員長中西祐介君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省国際局長岡村健司君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中西祐介

    委員長中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 中西祐介

    委員長中西祐介君) 国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 川合孝典

    川合孝典君 おはようございます。共同会派国民民主党川合でございます。  法案審議に入ります前に、新型コロナウイルス対策の関係で一件問題提起をさせていただいた上で、麻生金融担当大臣に御所見をお伺いできればと思うことがございますので、まず、そこから始めさせていただきます。  通告いたしておりませんが、実は昨日、現場の方から上がってきた声ということで、これはお耳に届けておいた方がいいだろうということがありましたので、問題提起させていただきます。  御承知のとおり、今、企業決算を控えて様々な処理をやっておる最中でございますが、その中で、保有株式のいわゆる減損処理の扱いのことについてということでございます。企業会計基準では、保有株式のうち五〇%、おおむね五〇%価格が下落した場合には、これを減損処理を行ってPL上に載せなければいけないというのが規定として決まっております。が、今回、このコロナウイルスの影響で、本当にこの半月、一か月ぐらいの間に非常に株価が乱高下しているという、こういう状況がありますので、ここを何とか対応できないのかということの問題提起ということでございます。  この企業会計基準確認してみますと、回復する見込みがあると認められる場合には、時価が著しく下落しても、五〇%未満であれば企業会計判断の中でやり取りができるということになっておるみたいなんですけれども、今回、今の制度上でいきますと、五割を超えた場合にはこれをきちっと処理しなければいけない、このことによって、実は企業黒字なのに、この処理を行うことで赤字に転落してしまうという、こういうことがあるわけでございます。  したがって、この回復する見込みがありやなしやというところが判断基準になっておりますので、したがって、今回のこのコロナウイルスによる株価の乱高下については、処理を繰り延べできるかどうか、この会計決算の時期に計上しなくてもいいような手続を取れないのか、このことが私からの問題提起ということであります。  現場の方から話が上がっておりますのは、計上してしまいますと、結果的に、春の若しくは夏のボーナス業績判断をする上でも非常に悪影響を及ぼすと、こういうことの指摘がございますので、ここをもし御議論されているのであれば是非進めていただきたいですし、まだそういうところにまで思いが至っていらっしゃらないのであれば早急に対応いただきたいと思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。
  7. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御意見がありましたけれども川合先生、ほかにもいろいろ、この繰越しの話やら欠損というのは、御存じのように、一億円未満の会社だと、前の年に黒字だったら今度還付できるとかいうことになっておりますけど、これ、一億以上になりますとできませんですもんね、御存じかと思いますけれども、できません。  そういった意味では、いろんな形でなかなか難しいものがありまして、そこらを何とかしなきゃいかぬとかいう等々いろいろ御意見を伺っておりますので、今言われましたのも拝聴させていただきましたので、そういった話がありますけど、株の場合ですけど、今はもうやたら上がったり下がったり、また、今日もまた上がっていますでしょうか。一日八百円も、アメリカの場合、一千ドル変わるんですから、十分の一といったってえらいことになっているんですけれども、百分の一とえらいことになっていますけれども。それで、それでも一日五百円だ、八百円だ、上がったり下がったりされたら、とてもじゃないけど、一般株式投資家としてはもう引いちゃうというような感じなんだと思いますが。  いずれにしても、今の話で、最後の三月三十一日、今日で幾らになるかというのが決まりますので、今日また少し上がっておりますので、いろんな形で、かつてみたいにどおんというんではなくて、今日一万九千円まで戻っていると思いますので、そういったところもいろいろ検討させていただきたいと思います。
  8. 川合孝典

    川合孝典君 この件の指摘に関する問題意識というのは、結果的に業績が悪い状態というものが次の期に温存されることになってしまうと結果的に景気回復に対する足かせになりかねないという、こういう問題意識なんですよね。したがって、この点についての指摘をさせていただきました。  実際に、期末、いわゆる賞与ですとか夏のボーナス交渉というのもこれからもうすぐに始まるということでもございますので、表面的に見えてきている業績の中にこの含み損の部分がダイレクトに今回反映されると非常に困る方が多いという、このことを問題指摘させていただきまして、是非御検討を速やかに進めていただきたいということをお願いして、法案中身の方に入らせていただきたいと思います。  では、法案中身についてでありますが、今回のこのいわゆる国際金融機関世銀グループへの出資に関わることについては、これまでも、いわゆる加盟諸国資金拠出状況ですとか情報収集情報開示の在り方についてということについては、繰り返し当委員会においても指摘をされ続けてきているわけでございます。  実際に、附帯決議にもこの点については繰り返し付されているわけでありますし、昨年、IBRDの出資に関するこの当財政金融委員会審議において、我が会派大塚耕平議員からの同様の質問に対しまして、世銀総裁がちょうど交代する時期で、デービッドマルパスに替わったということがあり、このことによって事前事後情報開示が進むことに対して期待感を示されているのがいわゆる質疑議事録に残されておりました。また、情報収集取組についても、大臣、更なる努力をせねばならぬと、こういう御認識を去年おっしゃっているわけでございます。  そこで確認させていただきたいんですが、加盟諸国資金拠出動向等に関する現在の情報開示状況が去年までと比べてどう変わっているのかということ、この成果と進捗状況について、現状の状況を御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  9. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) お答え申し上げます。  議員指摘のとおり、当委員会でも、加盟国拠出状況についての情報収集情報開示取組についてということで、適時適切に情報を提供することといった附帯決議など、あるいは御審議をいただいているところでございます。  今回、この増資法案の御審議をお願いするに当たりまして、財務省として、世銀事務局各国の当局に直接照会をいたしましてG7各国の対応をまとめた資料を作成いたしまして、当委員会の全委員皆様方事前に配付をさせていただいているところでございます。また、世銀におきましても、IDAIFCなど各機関ごと各国拠出状況について随時ホームページ上に情報を掲載しているところでございます。  引き続き、主要各国資金拠出動向等につきまして情報収集に一層努めまして、適時適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
  10. 川合孝典

    川合孝典君 ありがとうございます。  以前に比べると情報開示についての努力をしていただいているということについては、これは率直に評価しなければいけないと思っておるんですが、大切なことは、実際に拠出を行う上で適切な拠出なのかどうなのかということを委員皆さんが合理的に判断できるだけの資料かどうかという、ここでございます。  したがって、調べていただいた資料についても、配付いただいて既に目を通させていただいておりますけれども、残念ながら、あの資料だけで合理的な判断が下せるのかどうかということについてはまだ十分ではないのではないかと。物によっては、個人が努力すれば集められる程度の内容というものもこの中には多く含まれていると思っておりますので、働きかけを行うことで情報開示がきちんと進むのであれば是非それをやっていただきたいということなんですけど、大臣、この問題に関して、要は、ベテランでいらっしゃる麻生大臣働きかけを行うことで情報開示が進むのであれば是非それを積極的に働きかけていただきたいんですけど、いかがでしょうか。
  11. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的には、私どもとして、情報開示というのをした場合は、今の場合、世銀だとデービッドマルパスという前のアメリカ財務省財務官ですから、私どもでいえば今の武内のカウンターパートだった人が今回世銀総裁、それで、IMFの方はクリスタリナ・ゲオルギエバですから、これも同じく世銀にいた人がそのまま上、IMFにいた人、上に、世銀からIMFという形、あっ、ごめんなさい、IMFのクリスティーヌの下の人が上がった形になっておりますが、その下に我々はいろんなしかるべき人を送っておかないと情報が取れない、現場情報ですから。そのデービッドマルパスとかゲオルギエバとか、こういったような人たちとの付き合いというのはいろいろありますけど、この人たちも替わりますから。そういった意味では、下にいる職員と我々の方とがきちんとしておかないかぬというところが一番肝腎なんだと思っておりますが。  このところ、少しずつではありますけれども、しかるべきポジションにしかるべき人が少しずつ入りつつありますので、そういった意味で前に比べればとは思っておりますけれども、引き続き、今言われましたように、情報収集というのは努めてやっていかないかぬところだと思っております。
  12. 川合孝典

    川合孝典君 ありがとうございます。  時間があったら職員のことについてもお聞きしたいと思いますが、まずこの指摘させていただきましたのは、国際貢献を行う、発展途上国支援を行うのは我々経済大国としての責務であるということで、要は、拠出を行うことに関して反対される方は余りいらっしゃらないんだろうと思うんです。  ただ、この現下の厳しい経済情勢の中で、それでも拠出を行っていくということについて、国民皆さんやこのことに必ずしも積極的な受け止め方をしていらっしゃらない方々については、ネガティブな印象をお持ちになられている方も当然いらっしゃるわけでございますので、したがって、いかにしてそのことが合理的な理由があるのかということについて、国民皆さんがやっぱり納得できる説明をしなければいけないということなんだろうと思うんです。  したがって、次の質問をさせていただきたいと思いますが、この国際貢献取組について、これも、去年までの附帯決議の中で、理解を、国民理解を深めるための取組が不可欠であるということで、日本語表記を含めた広報活動充実等を行っていくということがこれも附帯決議で実は付されている内容でございます。  そこで、改めて確認ですが、去年から今年にかけてこうした広報活動をどのように充実されたのかということについて確認をさせていただきたいと思います。
  13. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) お答え申し上げます。  ただいま委員から御指摘いただきましたとおり、世銀など国際貢献を行うに当たって国民の御理解を得るということが極めて重要であるということは論をまたないと考えております。政府としても、広報活動情報公開充実に取り組んできております。  具体的に申し上げます。  第一に、財務省ウエブサイト世銀グループに関するページを設けまして、世銀を始めとする国際開発金融機関活動を紹介したパンフレット、あるいは具体的にそれを記載した各種の資料を掲載をいたしております。この中身充実してきているところでございます。  それから、第二に、IDA増資の妥結の際に財務大臣から談話を発表いたしまして、世銀への資金協力を通じた国際貢献につきまして国民の御理解を得られるよう努めているところでございます。  また、財務省から世銀に対して、世銀自身発信ということでございますが、これは日本語によって積極的な情報発信を行うよう求めておりまして、これも、具体的に申し上げますと、IDAIFC年次報告書について、この全文を日本語訳し、ホームページに掲載するようになってございます。また、世銀が設けております日本語ホームページにおいて世銀日本のパートナーシップに関するページを設けまして、世銀を通じた日本貢献説明、それから、世銀で現在活躍している日本人スタッフなどの紹介とか世銀採用情報などを掲載している、こういった取組を行っているところでございます。  引き続き、世銀を通じました国際貢献について国民理解が深まりますように、積極的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
  14. 川合孝典

    川合孝典君 ありがとうございます。  ODAと違って、この場合には日本資金拠出というものが被支援国に対してなかなか理解されにくいと。アプリシエートされないということになると、要は、正しく評価されないということになりますと、ある意味無駄金とは言わないまでも、いわゆる効果的な資金拠出につながらないということが問題意識としてありますので、一般方々財務省ホームページウエブサイトにアクセスすれば分かりますという話ではあるんですが、一般方々財務省のあの見にくいホームページにアクセスするかどうかというと、入口のところで大体嫌気が差して、多分見ないと思うんです。だから、一般方々がなぜそのことが必要なのかということを自然に理解していただけるような広報活動に心掛けていただきたいと思います。  済みません、時間がなくなってまいりましたので、先ほど大臣の御答弁の中にもありました、いわゆる日本人専門職員派遣状況についてということで御指摘というか御意見を聞かせていただきたいと思うんですが、先ほど大臣もおっしゃいましたとおり、実際にこの世銀グループ日本人職員がどれだけ配置されているのかということが、結果的に、その拠出した資金が適正に運用される、融資の審査が適正に行われることにつながっていくというふうに素朴に感じておるわけでございます。  世銀グループ職員の数見ておりますと、例えばインドなんかは、拠出している金額に対して出している専門職員の数が極めて高い、それに対して日本は、拠出金額というのは世界第二位なわけでありますが、実際、その拠出割合に対しまして職員の比率は半分以下という状況が続いているわけであります。  このことに対して、昨年までのいわゆる委員会審議の中で、麻生大臣の方から、処遇の問題だとかも含めて、なかなか行ってくださる方が見付からないといったような趣旨のこともおっしゃっておられるわけなんですが、やっぱりこれ、きちんとしたキャリアパスですとか資格が取れるですとか人材育成の枠組みをつくるだとかということをきちんと整えることで、若しくは、巨額の資金拠出しているということでもありますので、それに見合うだけの人材を確保できるような措置を講じた上で更なる日本人専門職員派遣についてというものをプッシュするべきなのではないのか、そういう時期なのではないのかという問題意識を持っております。  時間がないので、もうこれ最後麻生大臣に、この点についての御認識と今後の取組方向性について、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
  15. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、川合先生指摘のとおり、世銀に限りませんけれども国際機関等々いろいろありますけれども、こういった金融機関において日本人職員を増やすというのは極めて大事なんだと、これは前々から申し上げておるんですが。  今までは、安いんですよね。だから行かないんですよ、みんな。だから、もう圧倒的に安いですから、いわゆる日本の方が高かった、それが一番大きな理由だと思いますけれども、だんだんだんだん上がってまいったことも、こっちは上がっていないんですけど向こうが上がってきたものですから、何となく、そんなにどんと給料が下がるふうでもなくなったのが一つ。  もう一つは、役所に来ても、余りインターナショナルなところというのは、何となく、華のあるのは主計局とか主税局とかで、国際局というのは何となく余りお呼びじゃなかったんです。事実でしょう、事実でしょうが。間違いなくそうですよ。国際局といったらちょっと、外務省じゃないんだから。  それが、この十年ですかね、少なくとも、極端になったのが私の記憶ではやっぱり前回のリーマンのときだと思いますけれども、間違いなく、マーケットから現金がなくなったんですから。今のをリーマンの話とよく比べている人いるけど、あれ、全然リーマンのショックの意味が分かっていない。今は人と物が動かない、あのときは金がないんですから、全く。今は金は銀行にありますので、あのときは銀行に金がないんですから。一日の金利が五%ですからね、一日ですよ。今なんか、一年で〇・何%、全く違う状況だったんですよ、あのときは。あれ以来、財務省の中も雰囲気が何となく変わってきて、これはインターナショナルなことをやっておかぬとえらいことになるぞということになってきたというのが多分大きな理由だと思う。出向するという人は結構増えておりまして、結果として、ここのところ、あの頃は数名だったものが今は十七人、十四人、二十一人と、間違いなくこの三年間だけ見ましてもそれくらい増えてきておるというのが事実でありまして。  また、職員にしても、昨年の十二月ではついにドイツを抜いて五番に上がったと思いますけれども日本人口比ですかね。このIDAという、インターナショナル・ディベロップメント・エイド、IDAというの、投資するのを担当するのは副総裁、西尾という日本人ですし、それから、MIGAというのは、マルチラテラル、多数国間の投資保証機関、これも世銀下部組織ですけど、これの長官も俣野というのがやっておりますけれども、そういったところでいろいろな人が出てきたんだと思っております。  インドが多いじゃないかというお話はよく出るんですけど、まあ人口も多い、国内の給料が安いから、こういう国際機関給料って高いんですよ、彼らから見れば、英語ができる、この三つがやっぱりインドというところの人が非常に多かった大きな理由なんだと。これは何も金融機関に限りませんよ、ほかの機関でも同じようなことになっておりますので、そこが日本と基本的なところが違うところだと思っておりますけど。  いずれにしても、こういったのは大事にせにゃいかぬということになってきて、少しずつ少しずつではありますけれども、直接交渉したりなんかして、もうちょっと人という話をさせていただいております。
  16. 川合孝典

    川合孝典君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますけれども大臣認識はおおむね共有させていただいていると思いますので、引き続きお取組をよろしくお願いしたいと思います。  終わります。
  17. 熊谷裕人

    熊谷裕人君 立憲・国民.新緑風会・社民の熊谷裕人でございます。  議案に対する質疑させていただきたいと思います。  世銀グループホームページ見させていただきますと、二〇三〇年までに二つ達成目標というのが掲げられておりまして、一つは極度の貧困を撲滅する、一日一・九ドル未満で生活する人の割合を三%以下にしたいと、それから二つ目が繁栄の共有を促進ということで、各国所得の下位四〇%の人々の所得を引き上げることと、こういうふうに大きな目標が掲げられております。  この二つ目標達成をしていくために、これから世界で多額の開発資金というものが必要になってくるのではないかなというふうに思っておりまして、この中で、世銀総裁の方から、日本、我が国は、質の高いインフラ、国際保健、それから債務の持続可能性、自然災害に対する強靱性強化といった分野で重要な開発のリーダーシップを発揮をしてほしいと期待されているところでございますので、今日はその分野について幾つか私なりの課題を御質問させていただきたいなと思っております。  一つ目は、今回の資金拠出の意義と我が国のプレゼンスがどう変わるのかということについてをまず最初にお尋ねをしたいと思っております。  今回の法案で、我が国は、IFCに約六百十七億円、現在の為替レートで、それからIDAに四千五億円余りの資金拠出を行うことが目的になっている法案でございます。  先ほど言った二〇三〇年まで残された期間、十年になっておりますが、これからもより多くの資金が必要になることも見込まれている中、今回、アメリカのシェアが若干低下をしていて、日本のシェアをそこで穴埋めをするための拠出なんといううがった見方をしてしまう方もいらっしゃるのではないかなというふうに思っておりまして、先ほど川合議員の方から、情報収集と公開、理解を得るということが御質問にありましたが、そうならないようにしっかりと情報収集は行っていかなければいけないなというふうに私も思っております。  この四千六百億円に上る今回の資金拠出でございますが、我が国の財政状況も大変厳しいことを踏まえると、この拠出した資金が効果的に使われているのか、そして、事業の成果がきちんと上げられているのか、こういったことを検証して、随時、二〇三〇年までの間に見直しをしていくことも必要なんではないのかなというふうに思っております。  今回のこの四千六百億円余りの拠出をすることで、日本の、この増資の意義と、それから日本のプレゼンス、ポジションというものがどう変化をしていくのか、大臣の御認識をお尋ねしたいと思います。
  18. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今回のこのIDAIFC増資の話ですけれども、これは、昨年の六月に行われましたG20の大阪サミットの中でこの重要性がうたわれたということに象徴されておりますように、これは日本が極めて強いリーダーシップを発揮しながらこの議論を進めてきたものであります。  IDA、いわゆるディベロップメントエイドという、国際開発のエイドですけれども日本の議長の下で、この中で言わせていただけば、一番高い成果は、何といったって質の高いインフラ。いいかげんな国がいいかげんなものを輸出してというのがありましたでしょうが。五年もすれば壊れて元のもくあみみたいな、あんなのと一緒にしてくれるなと。俺のところは二十年たってもそのまま変わらず使えるって、メンテナンスも違う、質も違うといって、それと一緒にレベルを合わせてもらおうという話を言って、質の高いインフラという言葉をフレーズとしてはめ込んで、ついに中国ですらこの言葉を使うようになりましたから、この五年間で一番大きな変化はこれかと思っておりますが。  また、金を返済する側の立場に立って、ちゃんと返せる金を貸せと。返せないようにして、それを持ってくるとか、租借して、九十九年間租借するなんというスリランカでやったような手口は認めないというような話。  それから、自然災害というものの強靱性というのは、これは自然災害の多い国以外は全然興味がありませんから、そういった東南アジアの国々、インドネシア等々を含めて、これらの国を一緒にして、ここらのところだけは別の枠組みで金出すシステムにしろとか。  それから、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジというのは、何というか、世銀日本が一緒になって、これ後からアメリカがそれに乗っかってきましたけれども、こういったようなことをやらないと、今まさに起きていますけれども日本の場合は、昭和三十五年、岸内閣ぐらいから、あの辺から、何というんですか、国民皆保険なんて制度をやってこれだけやってきているので。健康大臣とか保健大臣だけ集まった会議やったって意味がないと、金がないんだから、金出すのはみんな財務大臣が出しているんだろうがと。財務省が出している。財務省と入れて二つ一緒で会議だと、それが条件と言って、その会議も始まりましたし、いろんなことが重点政策として位置付けるのを押し込めるような力になってきているんだと思っておりますので、今回のコロナウイルスの話を含めましても、これ、民間金融というものを総動員して一緒にやるなんて、これ日本が出した案で、それもみんな採用しておられますので、私どもとしては、今回、シェアが六%から六・八%になるのかな、それぐらいのものだと思いますけれども日本の存在感というものを高める上で極めて大きいんだと思っておりますが。  いずれにいたしましても、日本がこれまで言ってきた提案が確実に通るようになってきているというのがこの六年間の大きな変化だと思っておりますので、更にもっと上というような感じがしないでもありませんけど、まあ急激にやるのも、少しずつきちんと上げてまいりたいと思っております。
  19. 熊谷裕人

    熊谷裕人君 ありがとうございます。  先ほど川合議員とのやり取りの中でも人材の送り込みという話がありました。しっかりとそういった日本のプレゼンス高めるようなポジションに日本人の専門職就けていただいて、しっかりとこれからも国際貢献に励んでいただければなというふうに思っております。  次は、今大臣の答弁にもございましたけれど、債務の持続可能性の確保についてでございます。  近年、途上国における対外債務残高が急激に増加をしていると、資料を見るとそういう感じになっておりまして、一部の途上国では大変その債務の水準の悪化というものも見られております。債務の持続可能性の確保が世界的な課題になっておりまして、先ほど大臣の答弁にもありましたけれど、日本の期待されている中のしっかりと返せるファイナンスをするというのは、そこは注目をされているんだと思っております。  世銀の昨年十月に公開した資料、統計資料なんかも見ても、前年比五・三%増に対外債務がなっていたり、それから、IDA支援対象国の半数近くが債務の持続可能性のリスクが高いというような評価がされています。  そういった中で、今後、更に途上国の中で債務の水準が悪化をしてしまうということもあるんではないのかなというふうに思っております。そこはしっかりと我が国もモニタリングをして、中間で評価をしていくことが大切だと思っておりますが、その債務の持続可能性について、世銀からも期待されている分野でございますが、どのようにこのモニタリング、持続性が損ねないようにチェックをしていくかというところについてお聞かせをいただければと思っております。
  20. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) お答え申し上げます。  ただいま委員からの御指摘ございましたとおり、世界経済の安定的な成長のために、途上国の債務の持続可能性の確保ということは極めて重要かつ現下の国際的な課題であるというふうに認識しているところでございます。  日本の議長下のG20の大阪宣言でも、この点は、債務持続可能性あるいは債務の透明性の向上といった点が主要課題として位置付けられておりまして、その取組についての方向性をしっかりと位置付けたところでございます。  大きく言えば、債務者、それから公的・民間債権者双方の、共に働く、コラボレーションということを重要であるというふうな位置付けをした上で、具体的に、世銀IMFが連携いたしまして、債務国の債務管理あるいは財政の運営能力の能力構築、このための技術支援を行うという点が一つ。  それから、公的債権者による貸付慣行の改善。これはイリスポンシブル、無責任な貸付けと言われているようなことでございますが、この慣行の改善を目指しまして、債権国が国際的に協働して自分自身の行動を評価しようではないかということで、セルフアセスメント、債権国による自己評価、その結果を、世銀IMFが債権国の自己評価の結果を踏まえて政策提言を行うということ。  それから、第三に、民間の債権者、これも巻き込みまして、民間の債権者の債務の透明性のため、これは民間ですので、ボランタリーな、任意の原則ということですが、この原則を策定したといった取組を位置付けているところでございます。  また、今回のIDA増資におきましても、債務の持続性の確保というのは、幾つかあります重要政策の柱として位置付けられているところでございまして、途上国自身が債務管理の強化を図るように、途上国にインセンティブを与えるような枠組みを設けているところでございます。  こうした途上国の債務持続可能性の確保を図るために、引き続き、世銀、それからIMFと緊密に連携しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
  21. 熊谷裕人

    熊谷裕人君 ありがとうございます。しっかりと取り組んでいただければと思っております。  次に、新型コロナウイルス対策の関係でございます。  先般、世銀グループで最大百四十億ドルの緊急対策費を計上、パッケージとして公表しております。公衆衛生の分野、国際保健の分野、日本、大変期待をされているところでございますし、世界的に今コロナウイルスを抑制をしているのは韓国と中国、そして日本だというような評価もあるところでございますが、この新型コロナウイルス感染症対策に関して、我が国がどのような協力を行っていくつもりなのか、それから、今後長期化するというような見込みもある中で、更に資金拠出というものを求められたときにどう対応していくのか、お聞かせいただければと思います。
  22. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) お答え申し上げます。  新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療体制が脆弱な途上国に特に大きな影響が及ぶであろうし、現実に及びつつあるという状況でございますので、世銀といたしましても積極的な支援策を打ち出しているところでございます。委員からの御指摘もございましたように、三月の十七日に百四十億ドルの緊急支援パッケージを発表したわけでございまして、日本も、そういう意味では、世銀のこうした活動に対して主要株主としてその議論をリードしていくという点が一点でございます。  それから、議員から御指摘ございました、危機が長期化した場合あるいはその影響が長く残っていくということをどう考えるかという点でございますけれども、この点のその危機の長期化あるいは影響が長く残っていくということを視野に入れまして、三月の二十六日にG20の首脳のビデオ会議がございましたが、そこでマルパス総裁は、失業者に対する社会保障の充実でありますとか、それから民間ビジネスへの支援、経済回復を促すための政策支援、こういった分野につきまして、今後十五か月ということで最大千六百億ドル、日本円にしますと十七兆円程度ということだと思いますが、千六百億ドルのその支援を検討しているという旨を表明しているところでございます。  今回の新型コロナウイルスは国際社会が一丸となって取り組むべき重要な課題でございまして、引き続き、日本としても、世銀のボード、理事会などの場で主要株主としてこうした世銀取組を更に進めるように積極的に働きかけてまいりたいと考えてございます。
  23. 熊谷裕人

    熊谷裕人君 済みません、時間が参りましたので、ちょっと最後、防災分野の関係だけお尋ねをしたいと思います。
  24. 中西祐介

    委員長中西祐介君) 時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
  25. 熊谷裕人

    熊谷裕人君 分かりました。この問題につきましてはまた後日、機会があったらやらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  26. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。  初めに、国際金融に関連しまして、ここ数日報道がございます日韓通貨スワップについて伺いたいと思います。  御案内のとおり、過去に日韓は通貨スワップの取決めがありましたが、二〇一五年を最後に終了しております。ここ何日か麻生大臣からも発言がありますが、その後、二〇一六年の日韓財務対話において韓国から新しい通貨スワップの提案があり、議論を開始することに合意していたものの、日本総領事館前に慰安婦像が設置されたという事態を受けて協議が中断しております。  現在、韓国側から日韓の通貨スワップを望む声が上がっておりますが、通貨スワップの協議が中断した経緯や近年の日韓関係を踏まえますと、安易に協議を再開するのではなく、国際協調と同時に、日本の国益を考え、徴用工問題など外交課題の解決を考慮すべきと考えますが、麻生大臣の見解をお伺いいたします。
  27. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 長い話ですので。そうですね、外務大臣の頃からですからもう十数年、何百億ドルありましたかね、通貨スワップは。だんだん減ってきて、随分減ってきたんだと思っておりましたが、民主党政権の時代に更にがたっと減っていますわな。そして、安倍内閣が再スタートしたときに、たしか、音喜多先生、百五十ぐらい残っていたと思うんですね。日銀で五十、財務省で百ぐらい残っていたと記憶しますけれども、それだんだん減っていっていますので、日銀の五十がなくなって、最後に百が財務省になったときに、向こうの財務大臣に、大丈夫か、金回らなくなるだろうがと言ったら、いや、大丈夫だと。ああ、そうと言って、ほたっといたら何か困ったような顔になってきたんですけど、もう一回だけ言って、大丈夫かと言ったら、そっちが借りてくれと言えば借りてやらないこともないとぬかしたものですから、ふざけるなと思ってそのまま席立って、はい、さよなら、それが最後です。  それから今日まで、韓国の場合は、ウォンと元のスワップをしておられると思いますが、元とウォンとの間にスワップがもう一回入ってそれからまたドルに替わりますので、コストが上がるということで随分割食っておられるのだと思いますが。その後、再開というお話がありましたので、元はと言えば、そっちが断ってきた話だろうがと、こっちが言ったのをそっちが断ってきて、あなた何今更頼みに来るんだよと、ちゃんとしかるべき仁義は踏んでもらおうという話ですよね、日本的に言えば。  ちゃんとやってもらおうといったら、いきなり例の銅像ができちゃうという話ですから。もう全然話になりませんので。今のところ、向こうが言っておられるという話はうわさじゃ聞いていますけど、私ども財務省としてその話は直接聞いたことはありません。
  28. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 ありがとうございます。  歴史的経緯もございますので、ここは毅然とした御判断を是非いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、世界銀行グループ、IDAに関連してグローバルヘルスについてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症は、先進国を中心に感染者数が増加し、今や世界百七十以上の国、地域に蔓延しており、貧困国では感染者数が今後急増することも考えられます。グローバル化に伴い国際的な人の移動が活発であることを鑑みますと、自国や先進国だけが対策を行うわけではなく、貧困国に対しても対策を行うことが重要です。  一方で、国外の研究開発投資も必要とも考えております。そこでまず、二〇一九年六月時点で米国に次ぐ累積出資額である我が国において、IDAを通じた新型感染症対策でどの程度貢献しているのか、政府の見解をお伺いいたします。
  29. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) 新型コロナウイルス対策につきまして、特に、医療体制が脆弱なアフリカを始めとする貧困国での対応というのが重要な課題であるということ、委員指摘のとおりでございます。  このため、世銀グループ、三月十七日に百四十億ドル、それから二十六日に千六百億ドルといった支援のパッケージについての検討あるいはその実施を公表しているところでございます。今回のIDAIDA増資につきまして、日本のG20での主要成果の目玉の一つでもございますパンデミックへの対応、それからユニバーサル・ヘルス・カバレッジなどのグローバルヘルス、国際保健、これをIDAの重点施策として位置付けてございまして、こうした施策、途上国の新型コロナウイルス対策、ひいては日本自体の感染の防止といったことにも資するものというふうに考えてございます。  こうしたパンデミック対策を始めといたします国際保健は、国際社会が一丸となって取り組むべき重大な課題でございまして、日本としては、IDAを含む世銀グループにおける国際保健への取組の一層の充実を図るように働きかけてまいりたいと考えてございます。
  30. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 国際協調はもちろん重要であるので是非進めていただきたい一方で、先頃、我が党の東議員も予算委員会で発言しましたように、もっと国内の薬などの開発などにも、研究環境にもお金を出すべき、出資をすべきと考えます。  そこで次に、日本の研究者が新型コロナウイルスに関する研究がしやすい環境であるかについてお尋ねしたいのですが、現在、日本でも、文科省所管の独立行政法人である日本学術振興会において、科研費を通じた助成を行っております。この科研費の中でも、例えば、新型インフルエンザ等の感染症の研究が行われているようですが、研究者が望む場合には、科研費の助成期間中においても、新型コロナウイルス感染症に関連する研究を柔軟に可能とすべきと考えます。  現在の科研費の仕組みにおいて新型コロナウイルス感染症に関する研究を行うことができるかどうか、研究は申請テーマに限定されるのかどうか、こちら、文科省に確認いたします。
  31. 増子宏

    政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。  科研費に代表されます学術研究は当初予期していないことが起こり得ることから、科研費による研究の実施に当たっては、研究目的の達成のために研究計画を自由に変更することが可能でございます。したがいまして、御指摘の新型インフルエンザ等の感染症の研究計画として採択された研究課題におきましても、当初の研究計画に限らず新型コロナウイルス感染症に関する研究を実施することは制度上可能でございます。
  32. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 制度上可能ということでありました。しかしながら、研究者の間ではそのハードルが高いというような御意見もあり、やはり心理的なハードルというものはあるのだと思います。研究計画の変更は柔軟な手続でできるということを是非周知していただきたいと思います。  そして、研究費については厚労省の取組も参考になるかと思います。  三月五日に、厚生労働省の科学研究費補助金として、大阪大学と民間企業による新型コロナウイルス向けDNAワクチンの共同開発が採択されたと聞き及んでおります。今回の新型感染症拡大を受けて新たに支援した研究額や研究件数の状況について、こちら、厚労省にお伺いいたします。
  33. 浅沼一成

    政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。  厚生労働科学研究費における新型コロナウイルス感染症に関する研究開発に関しましては、予備費及び既存の予算を活用いたしまして、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の第一弾、これは令和二年二月十三日、及び第二弾、令和二年三月十日におきまして、既存薬の治療効果の確認、診断キット普及等を研究内容とする四つの課題に合計八・四億円を追加で交付したところでございます。  これらの予算措置によりまして研究開発の支援を行っていくとともに、令和二年度補正予算における更なる支援策を検討しているところでございます。
  34. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 追加で支援した実績が既にあるということでありました。  これらの取組を行う大学、研究機関、民間企業に対して引き続き柔軟な対応をしていただきたいと思いますし、他の研究費の取扱いについても、文科省を中心に、柔軟な対応を求めることを先導していただきたいと思います。  このテーマ、最後大臣にもお伺いしたいと思いますが、こうしたワクチンや治療薬の研究開発加速させるために、これらを研究する研究者、機関に対して迅速に財政支援是非行うべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
  35. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 極めて今は異常な事態、非常事態でもあろうかと存じますので、私どもとしては、緊急対応策において研究開発その他の環境整備の予算というのを措置しているところですが、この治療薬等々、これはかなり時間が掛かるものもあるんだとは思いますけれども、既に四つぐらいの薬は、何というの、臨床試験というか治療開始のところまで来ておるというものもありますので、そういったものをできるだけ早くきちんとした薬として出てこないと、今、景気対策なんて幾らやったって、気分的には、治る薬がないのに気分なんか上がるわけありませんから、そんなものにやるんだったら、この薬、先にできたら自然と気分は変わってきますので、そちらの方が私は大きいんだと思っておりますので。  是非、こういった研究動向というのを我々踏まえながら、是非応援をさせていただければと思っております。
  36. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 是非応援いただきたいんですが、経済対策も同時に重要ですので、そちらの方も是非お願いしたいと思います。  そして次に、この新型コロナウイルス感染拡大に伴い帰国した研究者、学生の支援状況についてお伺いいたします。  現時点では我が国は帰国要請はしていないという状況であると理解しておりますが、海外の研究機関、大学では、実質的に研究や学業が予定どおり遂行できない状況となっております。このような状況に鑑みて、研究者や学生の研究、学業の継続支援、帰国、再渡航費についての支援の状況、この現状について、文科省の見解、お伺いいたします。
  37. 梶原将

    政府参考人(梶原将君) お答え申し上げます。  日本学術振興会の若手研究者に対する主要な海外派遣事業である海外特別研究員事業と若手研究者海外挑戦プログラムでは、今般の新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、柔軟な運用を実施しております。具体的には、派遣先の国において日本からの入国停止措置がある場合には出発時期の延期を可能にする、派遣期間中の一時帰国を認め、帰国や再渡航に必要な航空賃を支給するなどの対応を実施しております。  また、日本学生支援機構の海外留学支援制度及びトビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムの奨学金においても、海外に留学する日本人について、一時帰国等の相談があった場合は、留学計画の一時中断の手続を取り、状況が改善され次第奨学金支給の再開を可能にすること、やむなく帰国した学生が帰国後もオンライン等により留学先大学の学習を継続している場合、支援を継続することなど、柔軟な取扱いを実施しております。  引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行状況や、研究者、学生が置かれている状況を踏まえながら、柔軟な対応を行ってまいります。
  38. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 ありがとうございます。  最後質問になるかと思いますが、一方で、柔軟な対応に至っていないと思われる事例も発生しております。  先日、検査結果を待たずに成田空港から沖縄県に移動してしまい、後に陽性と分かった十代の学生がいたことが発表されました。政府は、帰国者に対して公共交通機関を使用しないようにという要請しているんですが、この自宅や待機する宿泊施設に係るコスト、あるいはタクシーで移動するコスト、こうしたものが当然掛かってきます。でも、要請はするけどそのコストは自己負担ということであれば、これは従わない人が出てくるということは容易に想像できますし、こうした資金的余裕がない人ほどそうなってしまうということだと思います。  国が要請するのであれば、それが効果的に実施されるように具体的な支援策を検討すべきと考えますが、最後政府の見解をお伺いいたします。
  39. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは厚生労働省からも既に話が、まあ御存じなんだと思いますけれども、入国した日から過去十四日間にわたって、中国とか等々、欧州などの国に滞在歴のある帰国者に対しましては、自宅などで十四日間待機、空港からの移動も公共交通機関を使用しない、入国前に入国後の滞在先と滞在先まで移動する公共交通機関以外の交通手段を自分自身で確保することなどが要請されておるんだと思いますので、確保に要する費用をどのように考えるか、これはまずは厚生労働省において検討されるべきものなんだとは思いますが、帰国しようとする方々に向けて、厚労省から申し上げたような取扱いは事前に周知させておかないと、知らない人はいっぱいおりますから。私もその一部で、娘は帰ってこれなくなってきていますから、今。おまえ、帰ってきても、うちに入れないぜ、十四日間、成田に監禁って言ってありますので、しばらく帰ってこないと思っていますけれども。  いろんな話でこれを周知させておかないと、いきなり来ちゃったはいいけど、そのまま成田空港で宿泊するということになりますので、そういったことにならないように、宿泊施設に関する情報を提供するなど、これきちんとやっておいていただかにゃいかぬところだと思っております。
  40. 音喜多駿

    ○音喜多駿君 ありがとうございます。終わります。
  41. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門です。  この十年ぐらい、世銀グループ増資出資には賛成をしてまいりまして、今回も衆議院の委員会採決の二日前までは賛成の方向で審査もしていたんですけれど、ただ、今回、IDAだけでなくて、国際金融公社IFC増資が入っております。これはこの間なかったものですので、今回入っているということで、ちょっと調べてみたんですよね。  そうすると、大変問題のある世銀グループ一つの単位ではないかというふうに分かってまいりましたので、あらかじめ申し上げておきますと、今回の法案については、そういう懸念を示すということ、警鐘を鳴らして今後を見守りたいという意味で、賛成するわけにはいかないというふうに判断をさせていただきました。これ反対討論まではしませんので、質問通じて問題点を指摘したいというふうに思います。  IDAというのは、これはもうずっとやってきましたけれど、途上国、貧困国の公的部門に対する資金援助という形が基本でございます。ところが、このIFCは、国際金融公社というのは、同じく途上国、貧困国ではあるんですけれど、その民間プロジェクトに投資をする、融資をするという、しかもそのお金は投資家から集めるという、ちょっと世銀グループの中でも異質なやり方をしているところでございます。  このIDAIFCなど世銀グループがやっていることというのは、やっている資金援助とか投資というのは、融資というのは、オンブズマンが評価するという形になっておりまして、いろんな問題があればオンブズマンに見てもらって意見を聞くというふうに世銀全体としてなっております。あるいは、その住民から、そのプロジェクトの住民からいろんな問題点の指摘とかいろいろあれば、そのオンブズマンが苦情を受けて調停をするということになっております。IFCの場合は、CAOといいまして、コンプライアンス・アドバイザー・オンブズマンという国際オンブズマンが苦情を受けたりしております。  財務省参考人に聞きますけど、過去五年間、このIFCの案件で、今言いました国際オンブズマンのCAOに持ち込まれた案件、受理した案件、何件でしょうか。この五年間、ちょっと教えてください。
  42. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) お答え申し上げます。  IFCのコンプライアンス・アドバイザー・オンブズマン、CAOが受理した案件の数でございますが、過去五年間、二〇一五年度が十六件、一六年度が九件、一七年度が十二件、一八年度が十四件、一九年度が十二件でございます。
  43. 大門実紀史

    大門実紀史君 それは、CAO、オンブズマンが受理した件数だと思うんですね。持ち込まれた数はその倍以上あると思うんですけどね。  いずれにせよ、世銀グループで年間十件を超えてオンブズマンが受け付ける、案件を受け付けるというのは、ちょっとこれそのものが異常な数字じゃないかと思うんですが、いかがですか。
  44. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) お答え申し上げます。  CAO、IFCのCAOのその受理件数が、ただいま御報告申し上げましたように、年十数件。この数字が異常な数字かということは直ちには差し控えますが、世銀本体、IBRD、IDAのプロジェクトへの不服申立て、こちらの、これは名前としてはインスペクションパネルという名前ですけど、世銀本体の受理件数は年五件程度、五件以下ということで推移しておりますので、それと比較すれば多いというのは事実だと存じます。
  45. 大門実紀史

    大門実紀史君 その案件そのものが大変深刻な案件が多いんですね。  取りあえず資料を二枚お配りいたしましたけれども、これは大臣御存じないことが多いと思いますので、各委員皆さんにも、是非、今後の審議の点でも、このIFCどう見るかという点で知っていただきたいと思います。  資料の一枚目は南アフリカです。  二〇一二年に、マリカナ鉱山という、プラチナですね、プラチナの発掘している鉱山です、ここで労働争議が起きまして、低賃金で過酷な労働を強いられていて労働争議が起きたんですけど、警察が動員されて、労働者が三十四人射殺をされております。これはIFCの投資ですね。本来、貧困国の雇用を増やしてあげる、所得を向上させる、そのためにIFCは投資するんだ、融資するんだと言っていましたけれど、ところが、低賃金、過酷労働を強いていた事業、会社に出資をして、しかもその労働者が殺されるという事態になっているわけですね。これ、大変な大問題になりました。  二枚目はホンジュラスですね。  これは農園の企業、いわゆるパームオイルの農園企業でございますけど、その企業はディナント・コーポレーションというんですが、この企業が農地を拡大したいと、その事業にIFCが融資をしたんですね。その農地を拡大するのに強引なやり方をやって、住民に立ち退きを迫るとか、武装部隊までつくって住民や農民の運動を弾圧して、これも銃撃殺人が行われました。これはもうNGOが、何でこんなところにIFCが融資したんだということで、融資責任を問うということで裁判にもなっております。  資料にはありませんけど、いっぱいあるんですよね。インドの石炭火力発電所、これは水質汚染が問題になりました。住民の反対運動が起きました。環境基準を守らなかったということでIFCがやり玉に上がっております。ウズベキスタンの綿花、綿の畑では、これはIFCが行った投資で、ここでは何と児童労働、強制労働がさせられていたんですね。  もうこんなのいっぱいあるんですけど、ミャンマーでは、何と高級ホテルにIFCが融資をしていると。なぜこういうことが世銀グループはやるのかということですね。ミャンマーで困っている人たちのことならまだ分かるんですけど、なぜ高級ホテルに出資をするのかと。ペルーの鉱山でも労働争議が起きて、これは環境汚染も伴って住民が健康被害を訴えました。これは、ここも労働争議が起きましたが、警察動員して、五人が射殺されております。  ほかにも、インドのダム、ブラジルのダムとか、こういう問題がいっぱいあると。なぜこういうことがこの審議資料に出てこないのかということが不思議なんですね。財務省、知らなかったのかどうか分かりませんが、当然、こういうことを、委員皆さんがこの法案審議するときに資料として出すべきだというふうに思います。  しかも、もっと調べてみますと、このIFCが投資した、投資したプロジェクトの企業というのは、タックスヘイブンを利用して税逃れをやっていたということも指摘されております。これは国際NGOが指摘しております。特にアフリカに投資しているような企業、それにIFCが支援するわけですが、その企業がタックスヘイブンを利用して税逃れをしてきたと。ここまでのことを、ひどいことをやっているんですよね、このIFC。  そもそも、こういうこと全体を財務省は承知していたんでしょうか、知っていたんでしょうか。
  46. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) IFCにおいて個別案件の支援を行う際に、その案件組成を担当します部署と独立した部署が、法令、財務、環境社会配慮、こういった審査を行うという体制になっておりまして、その上で、その案件についての理事会での審議をいたしますので、その限りにおいて、先生御指摘の点、こういった案件についてIFCが融資をするということは知っておりましたし、その後の、CAOに、これ事後の話でございますけれども、苦情が申し立てられたという事実を把握はしておるところでございます。
  47. 大門実紀史

    大門実紀史君 把握をしていたなら、まず、そういうところに出資していいかというのを、すべきかというのを、IDAはいいとは思うんですけど、出資すべきかということを財務省としてもよくお考えになるべきだし、提案するときに、そういう公社ですよという情報提供は、やっぱり国会の審議に当然情報提供すべきだと、みんな知らないまま、額面ではいいことやっているとなっていますから、賛成、うちも最初賛成と思ったのはそういうことなんですけど、そういうことになってしまいますので、ちゃんと資料を出すべきだということで、もう審議の前提が崩れちゃうと思うんですよね、そういうこと、情報公開が、情報をちゃんと知らせないと。  そもそも、知っていたということならなんですけど、なぜIFCはこんなことをやっているのかと。なぜこんな問題案件ばっかり、全部とは言いませんよ、うまくいったところもあるかも分かりませんが、これだけことごとくニュースになるようなことをやっているのか、そこはどういう原因があると財務省はお考えですか。
  48. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) コンプライアンスアドバイザーにIFCが苦情を受ける件数が多いという点からでございますけれども世銀本体と比べて多いという点でございますけど、IFCのその制度自体は、二つの点で、一つはその不服申立ての対象となるプロジェクトの範囲が広いという点、それから、世銀本体と比べまして手続面で内部の手続を経ることなく直ちにCAOに訴えを提起することができる、こういう点で、IFCの方が世銀本体に比べて訴えを提起しやすく、逆に申し上げますと、何か問題事例があればそれを把握しやすいという制度を整えているところでございまして、CAOでの訴えを提起を受けるということを提起しやすくし、そしてそのCAOでの問題解決を促す仕組みが取られているところでございます。  ただ、それが件数が多いという点の背景として申し上げておきたかった点でございますが、それから、IFCの環境社会配慮の面での高い基準の確保、これは私どもも非常に重要だと思っておりますし、IFC世銀グループ機関として高い環境社会面での基準確保ということを求められるという点から、プロジェクトの準備段階から、環境保全でありますとか、地元住民に与える影響の緩和など十分な措置を講ずるため、そのためにIFCスタンダードという高い基準を設定しているところでございます。  ただ、委員から御指摘がありましたように、一部の例、全体から見れば数としては一部の例でございますが、住民との間で紛争が長期化しているという例があることは遺憾、残念だと考えております。  IFCには、これまで以上に環境社会配慮への対応の強化、迅速化が求められるわけでございますが、既にIFCとしても現在取組を始めておりまして、具体的に申し上げますと、第一に、昨年七月でございますけれども、従来法務担当副総裁の下に置かれておりました環境問題担当の部局を、IFCの長官直属の組織に格上げをいたしました。それから、第二に、住民から苦情が寄せられた場合、CAOに訴えが提起して具体化する、手続が開始する前であっても、苦情に対してはIFCとして能動的、積極的に対応するということを宣明いたしまして、そのため、IFC内に組織横断型の専門チームを立ち上げているというところでございます。  それから、財務省としても、引き続き、NGOとの定期協議などを通じましてNGOの方々問題提起に耳を傾けるとともに、理事会の審議などを通じまして適切な対応を求めていきたいと思っております。
  49. 大門実紀史

    大門実紀史君 私が聞いたのは、なぜこんなことが起きるのかということを聞いたんですね。何か問題が顕在化しやすいからだって、そういうことじゃなくて、そういうことじゃなくて、じゃ、顕在化しないのがいっぱいあるのかという話になりますからね。そうではなくて、これだけの問題が起きていて、これ少ない話じゃないですよ、全然。世界のNGOじゃ有名だし、実は世銀グループの中でも、このIFCは異質だと、異質のグループだということで、実はこれも調べてみたら問題になっているんですね、この間。おっしゃったように、もうこれ何とかしなきゃいけないということで、改革しなきゃいけないということで乗り出し始めたところなんですよね。  だから、問題だからそういうことをやっているわけで、世銀としてもそういう意識を持ってやっているわけですよね。それについて、そういうこと、何の情報も私たちに言わないで何か法案通してもらいたいというのはちょっと違うんじゃないかというふうに、ちょっとそもそもこういう法案審議の仕方って違うと思うんですよね。もっと率直に、こういう点はあるけど今後こういう改善の方法があるので、そういう点を見守りたいから増資に賛成してくれと率直に言えばいいんですけど、何も言わないで増資だけしてくれというのは違うんじゃないかというふうに思います。  最後麻生大臣にお聞きしますけれど、今言ったこともやっぱり法案審議の問題点だと思うんですけれど、世銀だから、世銀はもう目的は途上国、最貧国の支援ですから、大目的は誰も否定しないんですけど、世銀グループだからオーライとならないというのがこのIFCの例ではないかと思います。  私は、今回増資を見送るべきだというふうに思いますけれども、やっぱり世銀グループといえど、きちっと分析をして、情報の提供も含めてきちっとした評価をまず財務省としてすべきだというふうに思いますが、いかがですか。
  50. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、岡村からあったように、国際局長の方から申し上げましたとおりなんですが、いずれにしても、これ、地元住民ともめておりますのは、結構いろいろありますのは事実です。そして、そういった意味では、まあ訴えやすいこともあるせいもありますでしょうけど、確かに地元でもめておるという話も、結構長期化していますもんね、一部は。そういった意味ではこれはなかなか問題なんだと思っておりますので、私どもとしては、民間投資というのが入ってくると、そことの関係がまた難しくなるというのはよくある話なんです。  そういった意味では、きちんと増資をして民間投資の分を少し抑えていったら、いろんなことを考えて世銀グループとしては社会配慮への対応の強化というのに向けて既に取組を開始しておるというように承知しておりますけれども、いずれにいたしましても、今回のように増資を行われる場合はもとよりですけど、常日頃から理事会とか審議会とか等を通じて世銀グループの中での取組というものをきちんと精査して、引き続き適切な対応というものを世銀を通じて求めていくということにしないと、何となく世銀のイメージまで悪くなってくるというのはいかがなものかという感じがしますので、このIFCだけは少々ちょっとほかの組織と違う形になっておるところも踏まえて、今後対応させていただきます。
  51. 大門実紀史

    大門実紀史君 何が違うかと、私、投資を募って途上国にいろいろ援助するというこの仕組みは何も否定しないんですよね。先ほど申し上げましたが、タックスヘイブンを利用しているような人たちですから、そういうところの出資で、しかもこのIFCが集めているお金というのは投資家から募っているんですね。つまり、リターンを求めるわけですよね。そうすると、稼げる案件、リターンを返せる案件に出資するというのでこういうちょっと危ないのに出資する仕組みがありますので、いわゆるマイクロファイナンスのようなお金を集めて貧しい人たちを助けるという仕組みには否定しませんが、ちょっと異質だということは是非今後注意していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。     ─────────────
  52. 中西祐介

    委員長中西祐介君) この際、委員異動について御報告をいたします。  本日、森まさこ君が委員辞任され、その補欠としてこやり隆史君が選任をされました。     ─────────────
  53. 浜田聡

    ○浜田聡君 浜田聡です。所属政党、NHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。  新型コロナウイルス感染症について大変な状況の中、各方面で対策に当たっておられる方々に心より敬意を表します。  数日前、元厚生労働省の官僚であった方によるブログ記事がSNS上で話題になったようで、まずはそれを紹介させていただきます。反響の大きな記事でしたので、もしかすると国会でも話題となり重複となった場合には恐縮ですが、御容赦ください。  記事を書いた方、名前を千正康裕さんといいます。確かに厚労省に在籍されていた方であることを私の方でも厚労省の方に確認しております。現役の厚労官僚であれば言いにくいことを特に国会議員向けに書いたことであり、共有させていただこうと思います。  新型コロナウイルス感染症について、政府の方で多くの省庁や政府関係機関、対応に追われていることとは思いますが、やはりその中でも厚生労働省に大きな負荷が掛かっていることは想像に難くないのではと思います。国会開会中ですと各省庁が日夜、国会対応に追われるわけですが、その中でも、現在では特に厚生労働省に過剰な負荷が掛かっていることを心配された上で、この千正康裕さんの提言であると受け取りました。  国会議員としましては、行政のチェックや官僚の監視というものは非常に重要な職務であると思いますので、提言をそのまま受け入れることについてはそれなりに慎重であるべきことを私としては表明した上で、紹介させていただきます。ブログ記事の詳細については、御興味ある方は記事を読んでいただくとして、ここではその中で紹介されている三つの提言を取り上げさせていただきます。配付資料の方にも掲載させていただきました。  提言一、コロナに関する質問は、原則、厚生労働委員会と予算委員会に集約すべき。提言二、政党ごとの会議はまとめるべき、少なくとも、与党で一つ、野党は合同ヒアリングに集約するなど。提言三、個別議員の問合せは、衆議院、参議院の調査室などに一元的に議員の問合せに回答する窓口をつくって、まずはそこで受けるべき。  この三点について、厚労省の方に御意見を伺ってきました。忌憚のない意見をいただけないかと尋ねたところですが、回答は、いずれも厚労省の方からは意見を出す立場にないというような趣旨をいただいております。回答がそうでしたので、この委員会に参考人として来てもらって答弁してもらうのは私としては申し訳ないと思い、今回は私の方のみで述べるにとどめさせてもらいました。もちろん、厚労省の方からは、必要とあらば委員会出席しますというお返事はいただいております。  回答についてこれ以上踏み込もうとは思いませんが、ひとまず国会の議事録に残すことには意義があろうと思い、今回取り上げさせていただきました。  ちなみに、三つの提言については、私の所属政党は、国会議員、衆参合わせて二人、参議院ではみんなの党会派二人と、小さな政党でございますので、提言どおりするというのは難しいところかもしれませんが、できる範囲で工夫をしていきたいとは思っております。先ほど申しましたように、議員としては、行政のチェック、官僚の監視という大事な仕事を考えると難しい問題であることは繰り返し述べさせていただきます。  私が以前働いていた病院で、同級生が現在、厚労省の医系技官をやっていることをつい最近知りました。その方に話を聞いたところ、その方のここ数か月の残業時間が月百時間を超えているということを聞いて、さすがにそれはまずかろうということを最後にお伝えさせていただいて、次の話題に移ろうと思います。  次に、世界銀行総裁についてお聞きします。  昨年の参議院のこの財政金融委員会議事録を見せていただきましたところ、総裁が決まる前の段階での話がなされておりましたので、今回は総裁が決まってからの話ということになります。この世界銀行総裁について二点、財務省国際局の方にお聞きします。  現在はマルパス氏が就任されているのですが、以前総裁をされていたジム・ヨン・キム氏は、突然の辞任をされて、退任理由を明らかにされていなかったという報道がありました。時間がある程度経過した今、この退任理由というのは明らかになったのでしょうか、教えてください。
  54. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) お答えを申し上げます。  世銀のキム前総裁でございますが、元々二〇二二年の六月末までの任期であったところ、昨年の一月七日に辞意を表明されまして、その翌月の二月一日付けで退任をされております。  この辞意の表明に当たりまして、キム前総裁は、途上国が直面する最大の開発課題の一つは民間資金を活用しつつ持続可能なインフラ投資を進めることであるという点をおっしゃった上で、辞職後は民間セクターに転じる、そして途上国におけるインフラ投資の拡大に注力するとともに、あわせて、貧困層向けのヘルスケアの充実を図る非営利団体の活動に復帰するという旨を表明されておりまして、その後、このときにどういうお気持ちであったかということを追加するような情報というものが判明しているわけではございません。
  55. 浜田聡

    ○浜田聡君 ありがとうございます。まあ、いろいろな理由があって辞任されたのだと思います。  現在総裁マルパス氏なんですが、今回配付させてもらった資料に紹介させていただきましたように、対中強硬派とのことです。この方に関する現時点での財務省の評価を聞かせてもらえますでしょうか。
  56. 岡村健司

    政府参考人岡村健司君) お答え申し上げます。  マルパス総裁につきまして、就任後一年の間に幾つかのことをやられておりますので、まずそれを紹介させていただきますが、IDAについてですが、日本が重視しております質の高いインフラ投資や低所得国の債務持続可能性、国際保健などを重点項目とするという形でIDA増資をまとめておられます。  それから、中国について、前回、このIDAで、IDAの十九ですが、中国の拠出貢献ということで、前回IDAの六億ドルから数字的には金額的に倍になります十二億ドルに増額をしておりまして、つまり、中国に一定の負担、中国の負担を増加させるというような形でIDA増資をまとめられております。  それから、昨年十一月に、日本との関係ということでもう一点、マルパス総裁の一年間にやったことということでございますけれども、昨年十一月には、世銀グループの一角を構成いたしますMIGA、多数国間投資保証機関のトップに日本人である俣野氏を任命しているということでございます。  また、直近では、先ほど来、新型コロナウイルスの感染拡大に対して世銀グループの緊急支援、あるいはその先の支援といったものについてのリーダーシップを発揮しているところでございます。  特に、一点、中国の観点でのお尋ねでございますので、中国への世銀融資の在り方につきまして、昨年十二月に対中支援戦略というものが公表されておりますが、より貧しい国への支援に重点化をするために、中国向けの世銀融資は質、量共に絞り込んでいくという方向性を明示しております。  日本としては、更に進んで、世銀支援から中国は卒業するということ、これを目指してというか向けまして、中国への新規の融資額を縮減していくという具体的な道筋を示すよう、米国などと連携しつつ、世銀側、特にマルパス総裁に対する働きかけを継続していくという考えでございます。
  57. 浜田聡

    ○浜田聡君 そうですね。中国、世界各国から外資による多額の投資を受けて成長してきたと思います。今回、世界銀行による融資も受けてきたのだとは思います。今回、資料にありますように、日経新聞の記事にもあるんですが、対中融資縮小というのは現在では自然な流れではないかと思います。今後も折を見て見守っていきたいとは思います。  次に、レバノンについて外務省にお聞きしようと思います。  レバノンといえば、カルロス・ゴーン容疑者の逃亡先として記憶に新しいこととは思いますが、日本にとっては国際指名手配中の重大犯罪人である日本赤軍の岡本公三が現在レバノンにいるとも言われております。  今回、配付資料として、二〇一七年の毎日新聞の記事を掲載しました。これによると、多数の人々を殺害し、本人は、自身が起こしたテロ事件について、武装闘争との認識であり、武装闘争は今も昔も最高のプロパガンダになるとの発言があります。彼は今でもスカイプなどで支持者と交流したり、活動を続けているようです。  そこでお聞きします。日本赤軍メンバー岡本公三の引渡し要請というものはしているのでしょうか。経過と現状を聞かせていただければと思います。
  58. 長岡寛介

    政府参考人(長岡寛介君) お答え申し上げます。  いわゆる日本赤軍のメンバーである岡本公三については、一九九七年、ほかのメンバー四名とともにレバノン政府に拘束をされ、二〇〇〇年三月に刑期が終了したと承知をしております。  レバノン政府に拘束されて以降、日本政府からはレバノン政府に対して、レバノンにおける司法手続が終了次第速やかに身柄の引渡しを行うよう求めてきておりましたけれども、現時点において引渡しは実施をされておりません。  以上でございます。
  59. 浜田聡

    ○浜田聡君 次に、カルロス・ゴーン氏についてお聞きします。  日本政府は、彼に関しての引渡し要請の経過と現状を聞かせていただきたいと思います。
  60. 赤堀毅

    政府参考人(赤堀毅君) 委員お尋ねのゴーン被告人の身柄の引渡しについては、個別事件における具体的な捜査、公判に関わる事柄でございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
  61. 浜田聡

    ○浜田聡君 事情の方は了解しました。  配付資料の方に、外務省のODA案件検索ページでレバノンの検索結果を付けておきました。二百四十七件ヒットしております。言い方は悪いのかもしれませんが、ある意味日本の犯罪者の逃亡幇助をしているとも言えるレバノンに対してODAで援助を行うことについてはいろいろ問題があるような気はいたします。  そこでお聞きします。レバノンへのODAについて、今後の方針を聞かせてもらえればと思います。
  62. 高杉優弘

    政府参考人(高杉優弘君) レバノンへのODAにつきましては、二国間関係に与える影響等を総合的に判断の上、検討されるべき事項であると考えております。  以上です。
  63. 浜田聡

    ○浜田聡君 ありがとうございます。  レバノンでは三月に入ってデフォルトをしたとの報道があります。ODAについてはいろいろと種類があると思うんですが、その中で返還義務のある政府貸付けというものがありまして、今回、それに関しては通告していなかったので質問は控えますが、返還義務のある政府貸付けについては注意をしていくべきではないかということを最後に付け加えさせていただきます。  最後に、先ほども少し取り上げましたが、中国について外務省にお聞きしようと思います。  外務省ウエブサイトの中国を紹介するページで日中経済概況というものを見てみると、次のように書いてあります。日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、日系企業の海外拠点数で中国は第一位であるなど日中経済関係は一層緊密になっており、日中首脳間でも、双方の関心や方向性が一致している分野について、経済、実務協力を一層進めることで一致していると。同時に、日本側から中国側に対し、公平な競争環境の実現及び自由で公正な貿易体制の発展に共に努力していきたい旨伝えるとともに、法制度の運用改善、更なる市場開放、日中金融協力の強化等を通じ、ビジネス関係の改善に力強く取り組むことを働きかけてきているとあります。  このように、日本にとって中国というのは極めて重要な国であることは言うまでもないことでありますが、いろいろと懸念すべき国であることも確かだと思います。  まずお聞きしたいのは、中央政府での権力闘争でございます。現在、習近平国家主席でありますが、いろいろな派閥があることで、御存じだとは思いますが、江沢民派との争いなどもあるとお聞きしています。中央政府での権力闘争について、現状どのように把握されておりますでしょうか。
  64. 田村政美

    政府参考人(田村政美君) お答え申し上げます。  中国の動向につきましては平素より注視しており、委員指摘の論点等含め、中国の内政につきましては様々な見方があることは承知しておりますが、御指摘の論点につきまして政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  65. 浜田聡

    ○浜田聡君 微妙な、難しい立場であることは理解させていただきます。  習近平国家主席について心配なこととして、国をどんどん拡大させていく野心を隠していないことが挙げられると思います。  習近平国家主席、就任以来度々言っているとは思うんですが、アメリカと中国で太平洋を二分しようという発言を度々されているかと思います。この発言に関して、日本政府の見解を教えてもらえますでしょうか。
  66. 田村政美

    政府参考人(田村政美君) お答えいたします。  習近平国家主席が、太平洋は広く、米中両大国を受け入れる十分な空間がある、委員指摘のとおりの御発言を行ったことは承知しているところでございます。  この発言について具体的なコメントをすることは差し控えますが、その上で、米中両国が対立ではなく地域や国際社会における様々な問題に取り組んでいく方向に進むことは、地域及び国際社会の平和と安定の観点から重要であると考えています。  我が国としましては、米国との強固な信頼関係の下、中国とも関係改善が進む中、米中両国と緊密に意思疎通を図っていく所存でございます。
  67. 浜田聡

    ○浜田聡君 ありがとうございます。  最後に、中国へのODAについてお聞きします。  中国に対するODAを外務省のサイトで検索すると、千件以上ヒットします。これまで多くの支援を行ってきたということは明らかではあるんですが、今後の方針を聞かせてもらえればと思います。
  68. 高杉優弘

    政府参考人(高杉優弘君) お答えいたします。  対中ODAにつきましては、二〇〇七年に円借款、二〇〇六年に一般無償資金協力の新規供与を終了して以降、我が国国民が直接裨益する越境公害や感染症等の協力の必要性が真に認められる分野に限って実施してきておりましたが、中国の改革・開放四十周年を契機に、対等なパートナーとして、新たな次元の日中協力を推進すべきであるとの考えの下、二〇一八年十月の安倍総理訪中の機会に、二〇一八年度をもって対中ODAの新規採択を終了することを決定いたしました。現在実施中の継続案件が順次終了することをもって、二〇二一年度末までに全ての対中ODAが終了することとなっております。  以上です。
  69. 浜田聡

    ○浜田聡君 ありがとうございます。  最後に、中国による民族浄化について、ある書籍に記載されていることに関してお話をさせていただきます。これは質問ではありません。万が一事実でないなら、後で御指摘いただければと思います。  現在の中華人民共和国は、民族浄化が現在も進行中です。民族浄化とは、特定の民族や宗派を根絶やしにすることです。大量殺りくや追放、その土地に根付いた信仰の冒涜、記念碑の破壊など、人の集団を、文化や歴史、事実を消滅させることです。  一九四九年から始まったチベットの民族浄化は、指導層に当たる僧侶の逮捕や投獄、寺院の破壊、漢民族の政策的移入などによりチベット人が少数派となり、現在ではほとんど目的を完遂されている状況です。チベットでの民族浄化がほぼ総仕上げの段階なら、その隣の新疆ウイグルはまさに現在進行形で行われているところでございます。  こういうことをする国が、先ほど申し上げたように太平洋を二分するという発言については、日本にとって脅威だと思うのはさほど変わった考えではないかと思いますし、日中友好という言葉については、この民族浄化を肯定しかねないかと懸念を表明させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
  70. 中西祐介

    委員長中西祐介君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  71. 中西祐介

    委員長中西祐介君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、那谷屋君から発言を求められておりますので、これを許します。那谷屋正義君。
  72. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 私は、ただいま可決されました国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民、公明党、日本維新の会及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 国際金融公社及び国際開発協会を含む国際機関への資金拠出を行うに当たっては、欧米や新興国等の国際情勢の変化及び我が国の厳しい財政状況を踏まえ、加盟国資金拠出動向等に関する情報収集に努め、国会に適時適切に提供すること。  二 国際機関活動並びに我が国の貢献について国民理解を得るために、日本語表記を含めた広報活動情報公開のより一層の充実に努めること。  三 国際機関の融資等を通じた援助需要に機動的に対応し、効果的かつ戦略的な資金拠出となるよう、主要出資国としてふさわしいリーダーシップを発揮することにより、国際社会における日本の評価を高めるよう努めるとともに、資金使途や事業の成果について十分な検証を行い、必要な見直しを行うこと。  四 国際機関への出資割合に見合った日本国際貢献機会を確保する観点から、世界銀行グループを含む国際機関において日本人職員の登用機会を広げる活動をより進め、有能な人材が円滑に採用されるよう、主要出資国にふさわしい枢要なポスト獲得に更に尽力すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  73. 中西祐介

    委員長中西祐介君) ただいま那谷屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  74. 中西祐介

    委員長中西祐介君) 多数と認めます。よって、那谷屋君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生財務大臣
  75. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
  76. 中西祐介

    委員長中西祐介君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 中西祐介

    委員長中西祐介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十二分散会