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2020-03-27 第201回国会 参議院 財政金融委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
令和二年三月二十七日(金曜日) 午後一時五分
開会
─────────────
委員
の
異動
三月二十六日 辞任
補欠選任
大家
敏志
君
加田
裕之
君 森
まさこ
君
山田
太郎
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
中西
祐介
君 理 事 有村 治子君
中西
健治君 藤末 健三君
那谷屋正義
君 熊野
正士
君 委 員
加田
裕之
君 長峯 誠君 西田 昌司君 林 芳正君
藤川
政人
君 宮沢 洋一君 宮島 喜文君
山田
太郎
君 大塚 耕平君 勝部 賢志君 川合 孝典君 熊谷 裕人君
古賀
之士君 杉
久武
君 音喜多 駿君 小池 晃君
大門実紀史
君 浜田 聡君 渡辺 喜美君
国務大臣
財務大臣
麻生
太郎
君 副
大臣
財務
副
大臣
藤川
政人
君
事務局側
常任委員会専門
員 前山 秀夫君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
関税定率法等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
国際金融公社
への
加盟
に伴う
措置
に関する
法律
及び
国際開発協会
への
加盟
に伴う
措置
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、衆議
院送付
) ─────────────
中西祐介
1
○
委員長
(
中西祐介
君) ただいまから
財政金融委員会
を
開会
をいたします。
委員
の
異動
について御
報告
をいたします。 昨日までに、
大家敏志
君及び
森まさこ
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
加田裕之
君及び
山田太郎
君が
選任
をされました。 ─────────────
中西祐介
2
○
委員長
(
中西祐介
君)
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
本案
に対する
質疑
は既に終局しておりますので、これより
討論
に入ります。 御
意見
のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
古賀之士
3
○
古賀
之士君
立憲
・
国民
.
新緑風会
・
社民
の
古賀
之士です。 私は、会派を代表し、ただいま
議題
となりました
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
に対し、
反対
の
立場
から
討論
を行います。 本法案の基となった
与党税制大綱
が発表された昨年の十二月の
時点
で、我々三党は談話を発表しております。
立憲民主党
は、様々な
立場
にある人々が、その個性と能力を十分に発揮し、
多様性
を力にする
社会
への
転換
を図るための
税制
にシフトをすることを求めました。
国民民主党
は、既にこの
時点
で
世界経済
の
減速
を認識していたことから、
減税
など
家計
第一の
政策
を
提案
しており、
社会
民主党も、
不公平税制
からの
脱却
と
所得
・
法人課税
などを
パッケージ
とした
税制改革
を迫っております。
多様性
を力にする
社会
への
転換
を図るための
税制
としては、
未婚
の一人親への
税制
上の
措置
や
寡婦控除等
の
見直し
が不十分であることを指摘しました。今回の
改正
により、
未婚
の一人親も一人
親控除
の
対象
となったことは一歩前進であると評価できますが、
寡婦控除
における死別と離婚の差が残されたことは遺憾です。多様な家族の
在り方
を受け入れる
社会
をつくるため、更なる
対応
を行うべきです。
世界経済
の
減速
への
対応
については、本
委員会
で
議論
が進む中で、
新型コロナウイルス
の
影響
が深刻となってきました。学校の一斉休校や
イベント等
の
自粛要請
によって
事業継続
が困難になる
事業者等
も出てきています。こうした
経済的損失
に対しては、速やかな
救済措置
を講じるとともに、
納税猶予
や
滞納処分
の停止など、
事業者
の不安を解消するよう
対応
することが必要ですが、
政府側
は、柔軟かつ迅速な
処理
を行うとする
一般論
に終始し、
具体策
を示すことはありませんでした。
不公平税制
からの
脱却
と
所得
・
法人課税
などを
パッケージ
とした
税制改革
について言えば、
格差
の
固定化防止
の
観点
から、
金融所得課税等
の
見直し
が不十分なまま
議論
を終わりました。
我が国
では、
金融所得
の多くが
分離課税
の
対象
となっており、一億円超の
所得
を有する層で
所得税
の
負担率
が軽減されています。
所得
再
分配機能回復
のため
課税強化
を再三指摘してきたにもかかわらず、今回も十分な
議論
が行われないまま見送られました。誠に残念な結果です。さらに、働き方の
多様化
に
対応
する
観点
から、
退職所得課税
をより公平な
制度
とする
見直し
も見送られました。 以上、今回の
税制改正
は、
経済
の
停滞リスク
への
対応
が抜け落ちている上に、
格差
や不公平の是正など、あるべき
税制
の構築にも程遠いものであることを申し上げ、私の
反対討論
といたします。
大門実紀史
4
○
大門実紀史
君 本
改正案
に
反対
の
討論
を行います。
反対
する最大の
理由
は、現下の
経済情勢
が求める
税制改正
に逆行するものだからです。
消費税
の増税に
新型コロナウイルス
が重なり、
日本
は大不況に突入しています。今求められているのは、内需、とりわけ
家計
と
中小企業
への
支援
に思い切って力を集中することです。とりわけ
消費税
の
減税
が求められています。 ところが、今回の
税制改正案
は、
家計
と
中小企業
を応援するどころか、
巨額
の
内部留保
をため込んでいる大
企業
に更に
補助金
を与えるようなとんでもない中身が含まれております。 例えば、
オープンイノベーション促進税制
です。大
企業
は、それぞれの
経営戦略
から、既に
ベンチャー投資
を急速に
拡大
させています。
巨額
の
内部留保
を積み上げ、十分な余力のある大
企業
が前から取り組んでいることをわざわざ
支援
する必要は全くありません。
大手通信事業者
の
設備投資
を
支援
する5G
導入促進税制
も同様です。そんなお金があるなら、
コロナ対策
に回すべきです。 以上の点などから、本
改正案
に
反対
をいたします。
中西祐介
5
○
委員長
(
中西祐介
君) 他に御
意見
もないようですから、
討論
は終局したものと認めます。 これより
採決
に入ります。
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
中西祐介
6
○
委員長
(
中西祐介
君) 多数と認めます。よって、
本案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと
決定
をいたしました。 この際、
那谷屋
君から
発言
を求められておりますので、これを許します。
那谷屋正義
君。
那谷屋正義
7
○
那谷屋正義
君 私は、ただいま可決されました
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
に対し、
自由民主党
・
国民
の声、
立憲
・
国民
.
新緑風会
・
社民
、
公明党
、
日本維新
の会、
日本共産党
及びみんなの党の
各派共同提案
による
附帯決議案
を
提出
いたします。
案文
を朗読いたします。
所得税法等
の一部を
改正
する
法律案
に対する
附帯決議
(案)
政府
は、次の
事項
について、十
分配
慮すべきである。 一
金融所得課税
については、
勤労所得
に対する
課税
とのバランスや
所得
再
分配
に配慮する
観点
から、諸
外国
の例も踏まえつつ、引き続き、その
在り方
を総合的に検討すること。 二
税制
の
公平性等
を
確保
するため、
租税特別措置
の
適用実態調査
の結果に関する
報告書
を踏まえ、
適用実績
の把握と
効果
の検証を十分に行うとともに、
効果
が不明確なもの等は縮減・廃止するなど、
租税特別措置
の
徹底
した
見直し
を推進すること。 三 高水準で推移する
申告件数
及び
滞納税額
、
経済取引
の
国際化
・
広域化
・
高度情報化
による
調査
・
徴収事務等
の複雑・
困難化
、新たな
経済活動
の
拡大
に加え、
軽減税率制度
の実施をはじめとする
税制改正
、
社会保障
・
税一体改革
への
対応
などによる
事務量
の増大に鑑み、適正かつ公平な
課税
及び
徴収
の
実現
を図り、国の
財政基盤
である税の歳入を
確保
するため、
国税職員
の
定員確保
、
職務
の
困難性
・
特殊性
を適正に評価した
給与水準
の
確保
など
処遇
の
改善
、
機構
の
充実
及び
職場環境
の
整備
に
特段
の
努力
を払うこと。 特に、
社会的関心
の高い国際的な
租税回避行為
、
富裕層
への
対応
を
強化
し、更には
納税者
全体への
税務コンプライアンス向上
を図るため、
定員
の拡充及び
職員
の
育成等
、従来にも増した
税務執行体制
の
強化
に努めること。 四
新型コロナウイルス感染症
をめぐる状況を踏まえ、
確定申告等
の
税務事務
における適切な
対応
、
国税職員
の
健康管理
の
徹底等
、
感染拡大防止
に万全を期すとともに、税収など
経済
への
影響
を注視しつつ、
納期限
の
延長等
を含め、更なる
納税
の緩和について、必要に応じ迅速かつ適切な
措置
を講ずること。 右
決議
する。 以上でございます。 何とぞ
委員各位
の御
賛同
をお願い申し上げます。
中西祐介
8
○
委員長
(
中西祐介
君) ただいま
那谷屋
君から
提出
されました
附帯決議案
を
議題
とし、
採決
を行います。 本
附帯決議案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
中西祐介
9
○
委員長
(
中西祐介
君)
全会一致
と認めます。よって、
那谷屋
君
提出
の
附帯決議案
は
全会一致
をもって本
委員会
の
決議
とすることに
決定
をいたしました。 ただいまの
決議
に対し、
麻生財務大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
麻生財務大臣
。
麻生太郎
10
○
国務大臣
(
麻生太郎
君) ただいま御
決議
のありました
事項
につきましては、
政府
といたしましても、御
趣旨
を踏まえて配意してまいりたいと存じます。
中西祐介
11
○
委員長
(
中西祐介
君) なお、
審査報告書
の
作成
につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中西祐介
12
○
委員長
(
中西祐介
君) 御
異議
ないと認め、さよう
決定
いたします。 ─────────────
中西祐介
13
○
委員長
(
中西祐介
君) 次に、
関税定率法等
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
本案
に対する
質疑
は既に終局しておりますので、これより
討論
に入ります。──別に御
意見
もないようですから、これより直ちに
採決
に入ります。
関税定率法等
の一部を
改正
する
法律案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
中西祐介
14
○
委員長
(
中西祐介
君)
全会一致
と認めます。よって、
本案
は
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと
決定
をいたしました。 この際、
那谷屋
君から
発言
を求められておりますので、これを許します。
那谷屋正義
君。
那谷屋正義
15
○
那谷屋正義
君 私は、ただいま可決されました
関税定率法等
の一部を
改正
する
法律案
に対し、
自由民主党
・
国民
の声、
立憲
・
国民
.
新緑風会
・
社民
、
公明党
、
日本維新
の会及びみんなの党の
各派共同提案
による
附帯決議案
を
提出
いたします。
案文
を朗読いたします。
関税定率法等
の一部を
改正
する
法律案
に対する
附帯決議
(案)
政府
は、次の
事項
について、十
分配
慮すべきである。 一
関税率
の
改正
に当たっては、
我が国
の
貿易
をめぐる諸
情勢
を踏まえ、
国民
経済
的な視点から
国内産業
、特に
農林水産業
及び
中小企業
に及ぼす
影響
を十分に配慮しつつ、調和のとれた
対外経済関係
の
強化
及び
国民生活
の安定・
向上
に寄与するよう努めること。 二
輸入消費税
の脱税を
目的
とした金の
密輸入
や急増する
覚醒剤等
の
不正薬物
の
密輸入
を阻止する
観点
から、
税関
においては、
警察庁等
の
関係省庁
との
連携
及び
情報共有
を
強化
しつつ、一層厳格な
水際取締り
を行うこと。 三 最近における
グローバル化
の進展や
日米貿易協定
の
発効等
に伴い、
税関業務
が増大し、複雑化する中で、適正かつ迅速な
税関業務
の
実現
を図り、また、
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の開催に向けて、
覚醒剤等不正薬物
・銃器を始めとした
社会
悪
物品等
の
国内持込み
の阻止など
水際
におけるテロ・
治安維持対策
の遂行により、
国民
の安全・安心を
確保
するため、
取締検査機器等
の
整備
に努めるとともに、高度な
専門性
を要する
職務
に従事する
税関職員
の
定員
の
確保
、
処遇改善
、
機構
の
充実
及び
夏季休暇等
の積極的な取得に向けた
体制づくり
を始め
職場環境
の
整備等
に
特段
の
努力
を払うこと。 四
豚熱
の
水際
での
対応
、
新型コロナウイルス感染症
の
蔓延防止
への
対応等
のため、
税関
における
業務処理体制
の
整備
、
安全管理
の
徹底
、
職員
への
感染症対策
に万全を期すこと。 五 牛肉及び豚肉に係る
関税
の
緊急措置
の
適用期限
を延長しない点につき、
我が国
と
経済連携協定等
を締結しない国については、
畜産業
を始めとする
産業保護
の
観点
から、
輸入
の動向に今後留意すること。 六 とん税及び特別とん
税特例措置
の創設については、
国際基幹航路
に就航する
外国貿易船
の
国際戦略港湾
への
入港数
を
維持
・
拡大
するという
目的
を踏まえつつ、
税率引下げ
に伴う
政策効果
を不断に検証し、今後の適切な
措置
を検討すること。 右
決議
する。 以上でございます。 何とぞ
委員各位
の御
賛同
をお願い申し上げます。
中西祐介
16
○
委員長
(
中西祐介
君) ただいま
那谷屋
君から
提出
されました
附帯決議案
を
議題
とし、
採決
を行います。 本
附帯決議案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
中西祐介
17
○
委員長
(
中西祐介
君)
全会一致
と認めます。よって、
那谷屋
君
提出
の
附帯決議案
は
全会一致
をもって本
委員会
の
決議
とすることに
決定
をいたしました。 ただいまの
決議
に対し、
麻生財務大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
麻生財務大臣
。
麻生太郎
18
○
国務大臣
(
麻生太郎
君) ただいま御
決議
のありました
事項
につきましては、
政府
といたしましても、御
趣旨
に沿って配意してまいりたいと存じます。
中西祐介
19
○
委員長
(
中西祐介
君) なお、
審査報告書
の
作成
につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中西祐介
20
○
委員長
(
中西祐介
君) 御
異議
ないと認め、さよう
決定
いたします。 ─────────────
中西祐介
21
○
委員長
(
中西祐介
君) 次に、
国際金融公社
への
加盟
に伴う
措置
に関する
法律
及び
国際開発協会
への
加盟
に伴う
措置
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
政府
から
趣旨説明
を聴取いたします。
麻生財務大臣
。
麻生太郎
22
○
国務大臣
(
麻生太郎
君) ただいま
議題
となりました
国際金融公社
への
加盟
に伴う
措置
に関する
法律
及び
国際開発協会
への
加盟
に伴う
措置
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
提案
の
理由
及びその
内容
を御説明申し上げます。
国際金融公社
は、
民間金融機関等
と
連携
して、
開発途上国
における
民間プロジェクト
の
支援
を行うことを、
国際開発協会
は、低
所得向け
に超長期かつ低利の融資や
贈与等
を行うことを、それぞれ主たる
業務
とする
世界銀行グループ
の
国際機関
であります。
政府
は、両
機関
が果たす役割の
重要性
や、
日本
が
国際社会
で発揮すべきリーダーシップに鑑み、両
機関
の増資に係る
追加出資
を行うこととし、本
法律案
を
提出
した次第であります。 以下、本
法律案
の
内容
につきまして御説明申し上げます。 第一に、
国際金融公社
に対し、五億六千百十八万八千
合衆国ドル
の
範囲
内で、新たに
出資
を行うことを
政府
に授権する
規定
を追加することとしております。 第二に、
国際開発協会
に対し、四千五億二千二百十五万円の
範囲
内で、新たに
出資
を行うことを
政府
に授権する
規定
を追加することといたしております。 以上が、この
法律案
の
提案
の
理由
及びその
内容
であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御
賛同
くださいますようお願いを申し上げます。
中西祐介
23
○
委員長
(
中西祐介
君) 以上で
趣旨説明
の聴取は終わりました。
本案
に対する
質疑
は後日に譲ることとし、本日はこれにて
散会
をいたします。 午後一時二十一分
散会