○
参考人(
渡辺由美子君) ありがとうございます。NPO
法人キッズドアの渡辺です。
私は、
松本先生、周先生と違って、現場で学習支援ということで、日々、
子供たちとかお母様、お父様とも接しているので、そのような声を代弁できればというふうに思っております。(
資料映写)
私の方からは、学習支援の
現状とこれからということで、
お話としては、学習支援の
現状が
一つ、また、
子供の
貧困の一因となっている教育格差がなぜ生じるのかとか、どうすればいいのかというふうなことの観点が二つ目、それから
三つ目が、これから学習支援をどんどん進めていく中でどうすればいいのかと、そういうふうなことを
お話しさせていただければと思っております。
まず、こちらの前提条件として、なぜ学習支援が必要なのかということでは、教育格差のグラフ、非常に有名なものですけれども、親の
所得に
日本の
子供の学力がくっついているという非常に特徴的なものです。親を選んで
子供は生まれるわけではないので、お金持ちの生まれに生まれるか
貧困なおうちに生まれるかは
子供は決められないんですけれども、本来的には、要は、どんなおうちに生まれても自分が努力をすれば頑張れるという
社会がいいと思うんですけれども、今
現状としては、このように親の
所得が高い家に生まれると学力が高くなるということがあります。
なので、学習支援はなぜ行われるかといいますと、そのようなことが続くと、要は、親御さんの収入が低いおうちに生まれてしまうとなかなかいい学力が身に付かないので、やはり進学や就職に不利になってしまって結局お子さんたちも
貧困になってしまうという、格差が固定してしまうので、これは
貧困の連鎖につながるということで、これをなくすために教育支援ということで、十分な教育が受けられないというところを無料で担保をすることで
子供たちがちゃんと高等教育、十分な教育を受けて自立をしていくと、自立をしてもらおうということが一番重要だと思っております。
これ、
子供とか
保護者にとっても非常にいいんですけれども、少し
社会にとってもどうかという観点で見ると、非常に
子供たち、学力が低い
状況になってしまうので、高校に行けないとか、高校に行っても高校を中退してしまうというふうになると、その後、なかなか稼ぐとか自立をすることが難しいので、将来的に
社会保障、受け手になる可能性が高いんですけれども、何らかの支援を
子供のうちに受けることでしっかりと自立をしていくと。
例えば、学習会で大学生のボランティアに出会って、もちろん両親は大学出ていないですし、大学出ている人初めて会ったんだけれども、何か楽しそうだから行ってみようというふうなことで自分も大学に行って、正社員になったりとかすると、ちゃんと稼いでくれて税金も納めてくれるので、一人当たりにとってもプラスマイナスが非常に大きいのではないかと。
これ、私たちの手計算でも一億円ぐらいあるかねと言っているんですけれども、
日本財団さんがちゃんとした試算をしても、十五歳の一学年だけを取っても、要は、
経済的損失が二・九兆円ぐらいあって、さらに
社会福祉の増加一・一兆円あるので、一学年だけでも四兆円分ぐらいの
経済効果があるのでやった方がいいだろうと。なので、
子供の
貧困対策、内閣府さんの方でも、これは福祉ではなくて、将来への投資として捉えようというふうな考え方になっています。
子供の学習支援の
現状でいきますと、
生活困窮者自立支援法ですとか
子どもの
貧困対策法ができまして大分進んできました。
生活困窮者自立支援法の学習支援の実施率でも五九%ということで、徐々に上がってきています。それ以外にも、一人親家庭の学習支援ですとか、文科省がやられている地域未来塾ですとか、民間による学習支援なども進んできています。
また、学習支援というと、勉強というと学力向上で、冒頭のテストの点みたいなことで考えられがちなんですけれども、実はそうではなくて、
生活支援ですとか、非認知能力の向上ですとか、ソーシャルスキルの獲得とか、要は、
貧困の
状況の
子供にはいろんなものが欠けているのでそういったものを補っていくと、そういう効果が非常に大きいというふうなことが分かってきました。また、食が実は不足しているんだとか家に安全な居場所がないんだというふうなところでは、食事の提供ですとか安全な居場所の機能というものもこの学習支援が兼ねているというふうなことになっています。
そういう中で、学習支援の形態自体も非常に多様化しています。集団授業型とか個別の指導塾型とか自習型とか家庭教師型とか居場所とか、様々な学習支援の形態が今は出てきていて、それが、地域特性、対象とか求める成果とか費用とかボランティアの有無だとか、そんなことで決まっているというふうな
状況です。
また、もう
一つ、学習支援事業では、今その成果をどう測っていくのかということで、テストの点ではないというふうなところでどうしていくのかですね。例えば、私どもではロジックモデルをつくって、最終的なアウトカムとしては
子供が自立していくというところで、それに向かってどんな力が必要なのかということを測ってソーシャルインパクトマネジメントをやっているんですけれども、いわゆる学力向上や受験の合格率のみではなくて将来的にちゃんと自立につながっているかと、そういうふうなことをちゃんと見る仕組みが必要だなと思っております。
次が、
子供の
貧困の
階層といいますか、私たち十年ぐらいやらせていただいているんですけれども、十年前は本当に
日本で初めて
子供の
貧困というものがあるというふうなことが
社会の認知が出てきたところで、実際どういう人がいてというふうなことも分からなかったんですけれども、十年間やっている中で、本当に一言で
子供の
貧困といってもいろんな
状況の方々がいらっしゃるということが分かってきました。
やっぱり、一番大変な方々は、
生活保護とか児童施設に入っていたりだとか、いろんな家庭の、まず
経済的だけではなくて家庭機能がなかなか厳しいようなおうちというのがありまして、勉強以前に
生活全般の立て直しが必要だと。だから、
子供だけに勉強を教えようと思っても無理で、家庭の支援とか
家族支援とか、そういったこと等も一緒にならないとなかなか難しいというふうなおうちがあります。
その先に、家庭では何とかやっているんだけれども、非常に収入が低いので、やっぱり勉強がどうしようもないというふうなところで学力が低くなるとかというふうなところがあります。
貧困ラインでいくと多分これ以下ぐらいなところだと思うんですけれども。
じゃ、その上が楽かというと、実はそんなことは全くなくて、
貧困ライン超えているおうちでも、例えば一人親家庭で
子供が二、三人いるだとか、二人親だけど非正規みたいなおうちでは非常に苦しい
生活をされていますし、中流というふうに自分たちが思っている方々でも、例えば大学に
子供を行かせようと思ったら奨学金を借りないと
子供を行かせられないというふうなところでは厳しい
状況でございます。
続きまして、学習支援事業の類型というものも非常にたくさん出てきておりまして、
一つがアウトリーチ型の学習支援とか家庭教師型ということです。これは、
一つは地方ですね。非常に
子供がいろんなところにいて、数も少なくて公共交通機関もないと、そもそもどこかに集まって勉強するということが難しかったりだとか、あとは不登校
傾向、お金もなくて不登校みたいなお子さんたちで集団に入ることが難しいというふうな
子供たちのためにおうちに出向いていって勉強を教えると、こういうふうな事業が
一つあります。
それから、一般的に一番多いかなと思うのが塾型の学習支援ということで、週一回二時間、公共施設に集まってとか、そんなことで曜日や時間を決めて
子供を集めて勉強を教えています。これも本当にいろいろあって、高校受験の対策というふうなことで受験勉強を一生懸命やるところもあれば、開いている時間に来ればそこに教えている人もいますよだとか、自習室として開けていますよだとか、勉強以前に居場所として利用してくれればいいですよと、そんなことも含めていろんな形が出てきています。
三つ目が居場所型の学習支援ということで、これは私たちがやっているものなんですけれども、非常に
貧困率が高くて、
貧困度が高くておうちも大変な
子供たちは、週一回集めて勉強を教えてもなかなか良くはなっていかないので、毎日来させて勉強を教えると、いろんな面倒を見るというふうな学習会です。
そのほかに、クーポンとか塾代の補助をして民間の塾等を利用してもらうと、そういったものもございます。
いわゆる塾型の学習支援だとこんな感じですね。これはうちの様子なんですけれども、大学生とか
社会人の方が勉強を教えるだとか、あとはもう本当に学力もいろいろなので、寄り添って分からないことを教えていくというふうな形です。
居場所の授業というのをちょっと御説明しますと、要は物件を借り上げて毎日
子供たちが来られるような施設です。学習支援のほかに特徴的なのは食事の提供ですね。おうちで本当に御飯が用意されていないというふうな御家庭がかなりあるということが分かってきたので、毎日御飯を出してあげるということと、あと、
松本先生の
お話にもあったように、要は体験、キャンプに行くとかそういったものが一切おうちではできないようなこともあるので、様々な体験活動を実施するというふうなことです。あとは、家庭に安心して勉強できるスペースがないだとか、一人親家庭で親が
仕事のために夜まで遅いから、家に一人でいるのでどうしても勉強に向かえないだとか、そういったことがあるとか、あとは本当に虐待等々のおうちもあるので、そういった子たちが安心していられる、本当に第二の家みたいなものなんですけれども、そういったものです。
なので、学習支援と食の支援と居場所の支援と体験活動が付いておりまして、例えば平日ですと、毎日放課後の三時から八時まで、私たちは中学生をやっているんですけれども、開けていて、夕食として簡単ですけれども毎日出して、六時から八時はちゃんと勉強しようねというふうなことをしていますし、夏休み、冬休みとか土日は、おうちでお昼も食べられないので、朝から開けて、昼夜出して、勉強も教えますし、夏休みも、本当にどこにも行かないので、そういった子たちを集めて、いろんな企業さんの職場体験に行ったりだとか、寄附を集めてキャンプに連れていったりだとか、そういったことをやっています。
様子としてはこんな感じで、おうちで料理を習うみたいなこともできないので、みんなで一緒に料理をしたり、ちょっとミニプランターで畑やってみたりとか、あとはいろんなところで体験活動をするだとか、そんな形です。
じゃ、これはどういう子たちが利用するのかというと、例えば、二つだけ例を持ってきたんですけれども、一人親家庭で
生活保護も受給していらっしゃるので、なぜかというと、やっぱり、
お母さんがうつ病で、足が悪くて長時間の歩行も困難なので働けないというふうなことですね。背景としては、もう本当に幼児期からDV環境にいて、離婚をされたんですけれども、異父の姉とか兄もいるけれども、御兄弟も
状況良くないしというふうなことで、結局食事は弟が作っているとかですね。この子も部活も入っていないですし、中一から不登校みたいなことでおうちにいたんですけれども、私どもの居場所に来るようになって、学力も非常に低かったんですけれども、来て勉強を少しずつやっていく中で明るさが出て、一応定時制の高校に進学をしていくというふうなことです。
もう一人のおうちも、本当に、お母様が
病気で、一人親家庭で
生活保護で、この子が料理を作っていると。非常に家も不衛生でゴキブリがいたりだとか、そういう
状況で、一応学校には行っていて、いじめられてはいないんだけれども無視はされているというふうな学校の居心地も良くない子で、この子もここに毎日来ることでちょっとずつ明るくなって、工業高校に進んでいくというふうなことですね。
今までは、要はこういうおうちの子は本当に支援がなかった、何もなかったんですけれども、こういった場所ができることで、ここにつながって自立をしていくというふうなことができています。
少し私どもの学習支援、どれぐらいやっているかといいますと、二〇一八年度、一昨年の事業でいって、居場所みたいなもののほかに週一回の学習会とか、そういうこともやっているので、一応拠点としては六十五か所ぐらいあって、千九百人の生徒さんが登録してくださって、非常に多くのボランティアさんが関わってくださっていると。これも、大学生だけではなくて、最近は本当に
社会人の方ですね、現役の方もいらっしゃいますし、定年退職された方もいらっしゃいますし、いろんな方がいるんですけれども、ボランティアさんが非常に多く関わっているということが特徴です。
進学実績といいますか、そうはいっても学習支援で自立をしていくためにどうなのというところでは、やっぱりどんな子も高校は行った方がいいよねというふうに言っているので、進学実績としては九年間やっていて一〇〇%ですね。行く高校は本当にいろんな高校で、全日制の学校に入れたいと思っているんですけれども、なかなかそうはいかずに、定時制とか通信とかチャレンジに入る子もいますけれども、高校はちゃんと行っていますし、最近は本当にやっぱり大学進学する子が増えてきました。
生活保護家庭の子でも、つながってくる中で、やっぱり大学行きたいんだといって進学したり、一人親家庭の子も進学しています。
いいのは、そうやって学習支援を受けて大学に進んだ子がボランティアとして戻ってくるというふうなところで、
子供たちにとっては一番いいロールモデルで、ここで頑張って勉強して大学に行けばいいんだというふうなことがあるので、非常にいい事業になっているかなと思っています。
子供はどれぐらいやっているかというと、まずは最初の高校受験ということで中学生をメーンでやっていたんですけれども、それ出た後で、高校生というのは本当に大変だというふうなことで、最近は高校生の支援に非常に力を入れています。下は小学生から、あとは高校を中退しちゃった子だとか、そんなこともやっています。
では、続きまして、少し教育格差の背景といいますか、なぜ生じるのかということで、これは実は二〇一七年から二〇一八年にかけて、お茶の水女子大学、当時の、今、青山学院大学にいらっしゃる耳塚寛明先生と一緒に、私どもの学習支援に通っている親御さんとお子さんたち、なので、基本的には低
所得の御家庭のお子さんたちの中で、どういった家庭の背景があるかとか
状況があるかというふうなことを調べた
調査を行いました。
本当に今日はお時間が短いので、すごく抜粋をしますけれども、
一つ分かってきたのは、家庭
状況としては非常に厳しいというふうなことが分かってきました。一人
親世帯の比率というのはやはり非常に高くて、一般だったら七・六%のものが、うちの学習会だと六三・二%です。収入も非常に少なくて、
年収の二百万円未満という方が三割いらっしゃって、三百万円未満までにすると約半分というふうなところですね。この文科省の
調査と比べると、平均値でも半分以下ですし、非常に苦しいということです。
お母さんの就労
状況を見ても、パート、アルバイトが四七%ということで、これ、収入が少ないということと、もう
一つは非常に不安定であるということがあります。例えば、今の時期、風邪を引いたとかインフルエンザで一週間
仕事を休まなければいけないとなると、来月の収入が要は四分の三になると。月十二万何とか稼いでいたのが要は九万になるとか、そういうふうなところで来月どうしようという不安が常にあると。先ほど病院に行かれないという話もありましたけれども、病院に行ってもし
病気が見付かったらどうするんだみたいなところの不安をずっと抱えているので、非常に大変だと思います。
なので、現在の
生活をどう感じているかということだと、苦しいと思っている方が四五%で、やや苦しいが三三%で、八割ぐらいの方が苦しいと。
子供にとってみると、要は、もうずっと苦しい苦しいと思っている
お母さんと狭いおうち、本当にアパートの狭いところで一緒にいるのでなかなか前向きになれないと、これが大変な
状況なのかなというふうに思っております。
学習会の成果は、本当に簡単に申し上げますと、例えばキッズドアの学習会に通うようになったことで褒められる
機会が増えると。逆に言うと、こういう環境の子たちは、親御さんも忙しいから
子供のことを見れないので
子供を褒めないですし、学校でもなかなか褒められる
機会がないのでなかなか自己肯定感が上がらないんですけど、褒める
機会が増えるだとか、あとは学校の授業で分かるようになると。これは感覚値なので、成績としてはこんなにできるようにはなっていないんですけれども、それまでは全く分からなかった、学校の授業で座っているだけで苦痛だったのが、学習支援でちょっとやったことがあると、あっ、これ聞いたことあるとか、これ分かるみたいなふうになって、ちょっと積極度が出るというか、学校で過ごすことが楽しくなると、こんなことが効果としてあるだろうと思われています。
もう
一つ、すごく重要だなと思っているのが、この頑張れば報われるということで、これは非常に
貧困バッシングともひも付いているかと思うんですけれども、要は、
貧困層の方たち、基本的には努力をされないというか、非常にだらしないというふうなことを思われがちなんですけれども、なぜかというと、要は、この子たちは、頑張る
機会というのがほとんど、頑張って何かしなさいとか、そういうことを言われたことがないので、本当に頑張らないんですね。テストもやってみて、最初、単語テスト十個やって零点だと、もうほら駄目じゃんと言って、もう無理無理、私ばかだからいいのいいのみたいになるんですけど、それを学習支援で横に付いて、いやいや、そんなことはないから、やっぱりこれやらなきゃ駄目だからと言って、嫌がるのを、でもちょっとやろうよと言って一生懸命やらせると。そうすると、やってみたら半分できるようになると、あっ、嫌だけどやらないと駄目なんだとか、本当に勉強するとテストの成績上がるんですねとか。だから、高校受験も本当はしないとか言っていたんだけれども、何とかやると受験受かるみたいな。やっぱりそうやって頑張ると、嫌なことでもやらないと駄目なんだなということが初めて学習支援に来て分かるみたいな子が結構いて、やっぱりそういうことがすごく重要だと思っています。
本当に、この
調査のまとめとして耳塚先生がまとめてくださったのがまさしくこれで、要は、
子供の
貧困ということで、
経済的に厳しいということなので、本当に、塾の代わりに学習支援だとか、おなかすいているんだったら御飯食べさせるみたいなことをやればいいのかと思っていたんですけれども、実はそうではなくて、欠けているものとして、
一つは文化的資本。本当に、家に全く本がないだとか、やっぱりどこにも行ったことがないとかだと意欲、モチベーションが上がらないので、やっぱりそういったものを足していかなきゃいけないということと、あと重要なのが
社会関係資本で、これは本当にボランティアさんたちなんですけれども、いい人的ネットワークにいかに触れさせるかですね。例えば、母子家庭のおうちだと
大人の男性と話す
機会とか触れる
機会がほとんどないので、
社会に触れることがないんですよね。それが、ボランティアに来てくださっているサラリーマンの人と話をすることで、会社ってこんな感じなのかとか、そういうことが初めて分かるというふうなことで、この
三つをそろえていかないとなかなか難しいだろうというふうに思っております。
最後に、少し課題といいますか、
お話しさせていただきますと、
一つが、本当に今、高校生世代、高校生の支援というのがほとんどない
状況です。なぜかというと、基礎自治体が中心にしてやっているので、どうしても自分たちが市立中学校であったり中学生までみたいなところで、高校生がぽっかりと空いてしまうんですけれども、ここが本当に苦しいところで、高校生になっても家庭の
状況は全く変わらなくて、お金は余計に掛かるので非常に大変です。
私たちもやるまでは、高校中退しちゃうのは本人の努力でしようがないと思っていたんですけれども、決してそうではなくて、要は、その高校
生活に掛かる費用というのをほぼ自分でやんないと、ぎりぎりの
生活でやっているので、それこそ通学定期のお金も、バイトをするか、本当片道何十分も自転車こがないといけないとかですね。どうしてもバイトをしなきゃいけないんだけれども、要は、その子たちというのが、学力もないので非常に駄目なバイトをしてしまうということで、遅刻、欠席が増えるとか、そういうことです。なので、高校中退というのをどうにかしていかなきゃいけないなと思っております。
現状施策といたしましては、若者サポートステーションというのがあるんですけれども、これは基本的に就業なので、じゃ、その十五歳、十六歳でなかなか勉強もできない子たちが就業しましょうといっても難しいですし、本人の気持ちも付いていかないので、要は、ここで引きこもり
状態というか、
社会からすぽっと抜けてしまって、最初どうしようもないと八〇五〇問題みたいなところにつながっていくので、私たちとしては、なるべく早くつなげてもらって、高校のときに、高校中退しないようにとか、高校中退してもすぐオントラックに乗せるというふうな支援がすごい重要だと思っています。
これは私たちが自分たちでお金を集めてやっているんです、高校世代のユースセンターということで、学習支援も
生活支援も相談支援もキャリア支援もやっているので、やっぱりこれは非常に成果が上がっていて、就職も進学もしますし、中退はしなくなります。
それから次に、事業評価ですね。これ本当に非常に重要なことだと思っておりまして、学力で測ってしまうと、とても一番大事な、本当に厳しい不登校の子とか、
発達障害の子とか、勉強がとても苦手な子だとか、自立するのが一番難しい子が違うからといって抜かされちゃうという可能性があるんですね。なので、そうではなくて、要は、自立に向けてどうやっていくのかという評価軸、これ本当に今厚労省さんとかともいろいろやっていますが、そこをしっかり見ていかないと本当に間違った事業になってしまうので、これはすごく重要だなと思っております。
それから、福祉と教育の連携といいますか、やはり
子供のことなので、学校現場とかといろんな情報交換ができればもっといいんだろうなと思っているんですけれども、非常にこれが難しいというのでずっとここが壁になっているんですけれども、これを何とかできればと思っております。
それからもう
一つが、行政と受託事業者との
関係といいますか、NPOが民間で頑張っているんですけれども、なかなかそこのところで受託、委託という
関係の中でやりづらいと。例えば、プロポーザルがあって、一生懸命今までつながっていた子たちと事業側になって切れてしまうとか、そういうことがあるんですけれども、本当にやっぱり
子供たちとつながっている、親御さんとつながるというのが一番の財産だと思うので、これをどう評価して、その事業者を選ぶかというふうな新しい軸が必要なのではないかなと思っております。
最後、第二ステージに向けてということで五つほどありますが、本当に学習支援も多様化している中で、より洗練されていかなければいけないですし、やっぱり学習支援というのが、
子供の支援だけではなくて
世帯の支援だとか、そういったことにもつながっているということで、つながり続けることが重要ということですね。あとは、やはりこれ重要だよということを、やっぱり世論形成をますますしていただかないといけないかなというふうには思っております。あとは、本当に切れ目のない支援をしていくとか、高校生の支援をしていくとか、そういったことをしていただければと思います。
済みません、長くなりましたが、以上です。どうもありがとうございました。