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2020-05-15 第201回国会 衆議院 本会議 第25号
公式Web版
会議録情報
0
令和
二年五月十五日(金曜日) ――
―――――――――――
令和
二年五月十五日 午後一時 本
会議
――
―――――――――――
○本日の
会議
に付した案件
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後一時二分
開議
大島理森
1
○
議長
(
大島理森
君) これより
会議
を開きます。 ――
――◇―――――
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
大島理森
2
○
議長
(
大島理森
君) この際、
内閣提出
、
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
について、
趣旨
の
説明
を求めます。
国務大臣衛藤晟一
君。 〔
国務大臣衛藤晟一
君
登壇
〕
衛藤晟一
3
○
国務大臣
(
衛藤晟一
君) ただいま
議題
となりました
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
の
趣旨
を御
説明
申し上げます。
公益通報者保護法
の制定後においても、
消費者
の安全、安心を損なう社会問題化する
事業者
の不祥事が明らかになっています。こうした
国民
の生命、身体、
財産
その他の利益の
保護
に関わる
法令違反
の
発生状況等
に鑑み、これらの
法律
の
規定
の
遵守
を図る必要があります。 こうした
状況
を踏まえ、
事業者
に対しては
公益通報
に適切に
対応
するために必要な
体制
の
整備
を義務付けるとともに、
公益通報者
及び
通報対象
事実の
範囲
の
拡大
並びに
公益通報者
の
保護
の
強化
を行うなどの必要があるため、この
法律案
を
提出
した次第です。 次に、この
法律案
の
内容
につきまして、その概要を御
説明
申し上げます。 第一に、
通報者
に対する
不利益
な
取扱い
を未然に防止するとともに
内部通報
に適切に
対応
できるようにするため、
事業者
に対して必要な
体制
の
整備等
を義務付け、その
違反
に対して
行政措置
を
導入
することとしています。また、
通報者
を特定させる
情報
の
守秘
を義務付け、その
違反
に対して
刑事罰
を
導入
することとしています。 第二に、
行政機関等
への
通報
を行いやすくするため、
権限
を有する
行政機関
に対する
通報
の
保護要件
について、
氏名等
を記載した書面を
提出
する場合を追加するとともに、
被害
の
拡大
の
防止等
に必要と認められる者に対する
通報
の
保護要件
について、
財産
に対する
損害
のある場合等を追加することとしています。また、
公益通報
に適切に
対応
できるようにするため、
権限
を有する
行政機関
に対して必要な
体制
の
整備等
を義務付けることとしています。 第三に、
退職者
や役員を
保護
の
対象
となる者に追加するとともに、
行政罰
の
対象
となる不正を
保護
の
対象
となる
通報
に追加することとしています。また、
公益通報
をした
通報者
に対して
損害賠償
を請求することができないこととしています。 なお、一部の
附則規定
を除き、公布の日から起算して二年を超えない
範囲
内において政令で定める日から
施行
することとしています。 以上、
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げた次第であります。(
拍手
) ――
――◇―――――
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
大島理森
4
○
議長
(
大島理森
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。これを許します。
堀越啓仁
君。 〔
堀越啓仁君登壇
〕
堀越啓仁
5
○
堀越啓仁
君
立憲民主
・
国民
・社保・
無所属フォーラム
の
堀越啓仁
です。(
拍手
) まず最初に、
新型コロナウイルス感染症
でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、御
遺族皆様
にお悔やみ申し上げます。また、今なお闘病されておられる
皆様
にお見舞いを申し上げるとともに、
コロナ対策
にかかわっている全ての
医療
、介護、そして
障害福祉サービス
、
保健所業務等
で、まさに最前線で闘っておられる
皆様
に、心から深く感謝と敬意を表します。 さて、総理は、昨日、
緊急事態宣言
を三十九県で解除するとともに、ようやく二次
補正予算
の編成を指示されましたが、私
たち野党
は、既に、四月の一次
補正予算
への
組み替え動議
において、
家賃
への
支援
、地方への
臨時交付金
、
医療機関
への
支援
などについて、
予算
の
大幅増額
を提案してまいりました。また、
家賃支援
や
PCR検査拡充
、
学生支援
については、既に
法案
を
提出
し、
政府
・
与党
との建設的な
協議
を繰り返し求めてきました。
コロナ対策
に
与党
も
野党
も
関係
ありません。二次
補正予算
には
野党
の提案を全面的に取り入れ、
国民
の期待に
スピード感
を持って応えていただくよう、強く求めます。 さらに、現下の
コロナ禍
中のどさくさに紛れて
政府
・
与党
は
検察庁法改正案
を含む
国家公務員法等
の
改正案
を世論を無視し強行に採決しようとすることは、我が党の
枝野代表
が
指摘
したとおり、
火事場泥棒
以外の何物でもありません。
緊急事態宣言
のもと、
国民
には自粛と休業を要請しているすきに、
安倍政権
の
恣意的検察人事
を行うがための
不要不急法案
を強引に通過させることは、三権分立を破壊し、
検察
の
政治的中立性
を極めて危うくするもので、断じて許されることではありません。改めて、強く抗議をいたします。 それでは、
共同会派
を代表して、ただいま
議題
となりました
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
に対して質問いたします。 先日、御
遺族
が手記を発表され、みずからの死をもって
組織
の不正を告発した元
近畿財務局職員
の
赤木俊夫
さんは、森友問題で
決裁文書
の
改ざん
を強いられても、生前に告発をすることはかないませんでした。また、
内部
から告発することがどれほど大変なことなのか、そして
内部
から告発することがどれほど大切なことなのかを命をかけて世に問うことになりました。深い哀惜の念にたえません。 我が
会派
と共産党は、先月、森友学園問題に係る財務省による
文書改ざん等
に関する
予備的調査
の要請を
大島衆院議長宛て
に行いましたが、
立法府
としての事実の究明こそが
赤木
氏の魂の叫びに少しでも報いるものであります。人の大切な命が、とうとい命が失われた大きな問題です。
与党
も
野党
も
関係
ない。
立法府
として
責任
を、今、
国会議員全員
で果たそうではありませんか。 二〇〇四年に制定された
公益通報者保護法
は、本来、
赤木
さんのような、
正義
を貫き不正を
是正
したいという当然の行動をした人を守り、もって
通報
を促すことで、
企業等
の
組織
の
自浄作用
を高め、
公益
を確保しようとする
法律
であります。
成立
当時から、
通報者
や
通報対象
事実の
範囲
が狭過ぎること、
通報先ごと
の
通報者保護
の
要件
が厳し過ぎることなどから、不正を
通報
した人を守る
法律
になっていないと批判されてきました。
附則
第二条においては、
法施行
後五年を目途とした
検討条項
が
規定
され、衆参の
委員会
における
附帯決議
でも、
通報者
の
範囲
、
通報対象
事実の
範囲
、
外部通報
の
要件等
を含めて
検討
することとし、
早期
の見直しが求められてきました。 しかしながら、実際には、既に十四年が経過し、三倍もの年月がかかっています。なぜこれほどまでに
改正案
の
提出
が遅くなったのか、
衛藤国務大臣
にその
理由
をお伺いいたします。
内部通報体制
の
整備
の義務づけや、
通報窓口
の
担当者等
に
守秘義務
を
規定
するなど、評価するべき点も見られますが、全体として
内容
が不十分であると言わざるを得ません。 特に、
衛藤国務大臣
は、二〇一八年十二月の
消費者委員会
の
答申
を踏まえて本
改正案
を
提出
したと述べているものの、本
改正案
の
内容
を見ると、
答申
の
内容
がそっくり抜け落ちているものや、
改正項目
として盛り込まれているものの十分な
内容
となっていないものが見受けられます。 そこで、なぜこの
答申
の
内容
がしっかり反映されていないのか、本
改正案
が、
社会正義
を貫き、不正を
通報
した人を真に守る
法律
となっているのか、お伺いしていきたいと思います。 まず第一に、
通報経験者
、日弁連、
消費者団体
が何よりも求め、
答申
でも求めていた
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
がなぜ見送られたのか、伺います。
法施行
後においても、
通報者
が
事業者側
から
解雇
、降格、異動その他の事実上の嫌がらせといった
不利益取扱い
を受ける
事例
が後を絶たず、
消費者庁
が二〇一六年に実施した
調査
では、
通報
を行った
労働者
の約四割が何らかの
不利益取扱い
を受けたと回答しています。
現行法
においては、
通報
を
理由
とした
解雇
その他の
不利益取扱い
を禁止しているところではありますが、あくまでも
民事ルール
であり、
不利益取扱い
を
是正
するための
行政措置
や
刑事罰
の
規定
はなく、
事業者
には何らペナルティーが科せられているわけではありません。
答申
では、
不利益取扱い
に対する
抑止
の
観点
から、
通報
を
理由
として
通報者
に
不利益取扱い
をした
事業者
に対する
行政措置
を
導入
するべきであるとして、助言、指導を行うほか、重大かつ悪質な
事案
を
対象
に
勧告
を行い、
勧告
に従わない場合には公表を行うなどと
具体的措置
が示されていたにもかかわらず、本
改正案
には
措置
も
規定
されておりません。 このような
具体的措置
が
規定
されていない
状況
で、
不利益取扱い
を
抑止
できるとどうして考えられるのか、甚だ疑問と言わざるを得ません。 また、
通報者
を
保護
する
法律
といいながら、
通報者
みずからがみずからを守るために
裁判
を起こすほかに
救済手段
がありません。これでは、
不利益取扱い
を
抑止
するのではなく、
通報
を
抑止
する
法律
と思われても仕方がありません。 なぜ
不利益取扱い
をした
事業者
に対する
行政措置
を
導入
しなかったのか、
行政措置
なしに
不利益取扱い
を
抑止
できると考えられるのか、
衛藤国務大臣
の御
見解
を伺います。 あわせて、
立証責任
の
緩和
について
お尋ね
します。
事業者
が
通報者
に対して
不利益
な
取扱い
をしても、
事業者
には
民事
上の
損害賠償責任等
が生じる
可能性
があるにすぎず、
通報者
は、
裁判
において、圧倒的に
資金力
や
情報
、
交渉力
のある
事業者
を相手に、みずからのお金と労力と時間をかけて闘い、勝訴する以外に、
不利益取扱い
がもたらした
被害
を回復する
手段
はありません。
通報者
が
解雇
などの
不利益取扱い
を受けて提訴した場合、
公益通報者保護法
で
保護
されるには、その
不利益取扱い
が
通報
を
理由
とするものであるという
立証
を
通報者
みずからが行わなければなりません。
人事等
に関する
情報
や
証拠書類
は
事業者側
に偏在していることが多く、その
立証
は
通報者
にとって大きな
負担
となっています。 この
立証責任
の
緩和
について、
消費者委員会
の
答申
では、今後必要に応じて
検討
となっています。
消費者委員会
における
議論
の
過程
においては、特に
解雇
は重大な影響を与える
不利益取扱い
であることから、
通報者
の
立証
の
負担
を軽減し、
法令遵守
のための適切な
通報
を安心してできるよう、
立証責任
を
緩和
することへの
賛成意見
が多いものでありました。 本
改正案
によっても、
不利益取扱い
の
救済手段
が
裁判
しかないのであれば、
公益
のために
通報
したことに鑑み、
立証責任
を
事業者
に転換すべきであります。
答申
に係る経過を踏まえれば、
立証責任
の
緩和
について、少なくとも本
改正案
に
検討規定
を置く必要があると考えますが、
衛藤国務大臣
の御
見解
を伺います。 また、
答申
では、
命令制度
の
導入
及びそれを
前提
とした
刑事罰
の
導入
については、今後必要に応じて
検討
を行うべきであるとされておりました。 本
改正案
では、
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
は見送られておりますが、本
改正案
の
附則
には、
不利益取扱い
の
是正
に関する
措置
の
あり方
について
検討
を加え、その結果に基づいて必要な
措置
を講じる旨の
検討規定
が置かれております。喫緊の
課題
である
不利益取扱い
の
是正
に関する
措置
を本則に
規定
せず、
検討事項
にとどめた
理由
をお答えください。また、
検討
の
対象
には、
命令制度
の
導入
及びそれを
前提
とした
刑事罰
の
導入
も含まれると考えますが、
衛藤国務大臣
はいかがお考えでしょうか。 今般の
改正案
で、
不利益取扱い
に対する
行政措置
を
規定
しなかった
理由
について、
消費者庁
は、
不利益取扱い
に対する
行政措置
について、事実
認定
が難しく、
調査体制
も整っていないとしています。
消費者庁
として、
不利益取扱い
に対する
行政措置
は必要と考えているが、
調査体制
が整っていないというのであれば、早急に
体制
を整え、事実
認定
を行えるようにするべきです。
衛藤国務大臣
の
見解
をお聞かせください。 また、
不利益取扱い
に対する
行政措置
を
導入
した場合、
消費者庁
の
体制
を考えると、
関係省庁
、
関係行政機関
との
連携
が必要不可欠です。特に、各
省庁
に寄せられる
外部通報
の九七%が
厚生労働省
に寄せられていることを踏まえれば、
厚生労働省
との緊密な
連携
は必須です。 そこで、
加藤厚生労働大臣
にお伺いします。
不利益取扱い
に対する
行政措置
を
導入
することについて、
厚生労働省
は反対の立場でしょうか。
厚生労働省
が反対したから、
厚生労働省
が
消費者庁
との
連携
を拒否したから、
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
が見送られたと理解してもいいのでしょうか。 そもそも、
現行法
の第一の
目的
は
労働者
である
公益通報者
の
保護
を図るものであったことを鑑みれば、
厚生労働省
が主体的に
協力
をするのが当然のことであると考えます。
厚生労働省
は
公益通報者保護法
をどのように評価しているのか、
加藤大臣
の
答弁
を求めます。
消費者庁
は、
消費者行政
の
司令塔
として十年前に誕生しました。本
改正案
の
検討過程
において、この
司令塔機能
は存分に発揮されているのでしょうか。とてもそうは思えません。
消費者庁
が、消極的な
厚生労働省
を説得し、
公益通報者保護法
が
実効性
を持って機能するように
協力
を取り付けることは当然の責務です。なぜ
消費者庁
の
司令塔機能
を働かせないのか、
衛藤国務大臣
の
答弁
を求めます。 次に、
通報者
の
範囲
の
拡大
について
お尋ね
します。 本
改正案
では、
保護
される
通報者
として
退職者
を追加することとされていますが、
退職
後一年以内に
通報
した者との限定がなされています。
答申
では、
期間制限
を設けないことが望ましいとした上で、
退職
後
一定期間
内の者に限定する場合には、
労働基準法
で
労働者名簿
の
保存期間
を三年と定めており、
退職
後三年以内とすることも考えられるとされています。さらに、
労働者名簿
の
保存期間
を五年に延長することを
内容
とする
改正労働基準法
が既に
施行
されています。
通報
の多くは一年以内との
調査
結果もありますが、
事業者
から
損害賠償請求
や
退職金
の
返還請求
を受けるリスクがあるため、
保護
の
必要性
があります。
退職
後の
通報
の場合に
期間
の
制限
を設ける
理由
と、なぜその
期間
が、三年あるいは五年ではなく、一年なのか、それぞれ合理的な
説明
を
衛藤国務大臣
に求めます。 終わりに当たりまして、私は、九歳で得度してから、天台宗の僧侶として、現場で人と向き合い、
公益
に尽くす所存でまいりました。 開祖である最澄のお
言葉
に、おのれを忘れて他を利するは、
慈悲
のきわみなりという
言葉
があります。自分のことは後にして、まず世の人のために動く、それはまさに仏様の行いであり、深い
慈悲
であるという
言葉
です。まさにこの
言葉
は、おのれを顧みず、世のため、人のために知らしめる者を守る、
公益通報者保護制度
の根幹に通じる教えだと思います。 ですから、このたびの
法改正
を契機に、改めてこの
忘己利他
の
言葉
を念頭に、
正直者
が報われる真っ当な世の中になることを心から切望し、また、さらなる
厳格化
のために
修正協議
に応じていただくことをお願いし、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
) 〔
国務大臣衛藤晟一
君
登壇
〕
衛藤晟一
6
○
国務大臣
(
衛藤晟一
君)
堀越議員
にお答えいたします。 まず、
法案提出
が遅くなった
理由
について
お尋ね
がありました。
消費者庁
としては、
平成
十八年の
法施行
以来、御
指摘
の
附則等
の
趣旨
も踏まえ、法の
施行状況
に係る
調査
を実施するなどし、その結果を踏まえて、ガイドラインの策定、
改正
や
制度
の
周知
、広報に取り組むなど、
制度
の
実効性向上
に必要な
対応
を行ってきたところです。 また、
平成
三十年十二月に取りまとめられた
消費者委員会
の
専門調査会
の
報告書
には、更に
関係者
間の丁寧な
調整
を実施する必要がある論点があったため、取りまとめ後も、
関係者
の
意見
を丁寧に聞き、
調整
を進めてまいりました。 こうした
制度
の
実効性向上
に向けた取組や
調整
の結果、今
国会
においてこの
改正法案
の御審議をお願いすることとなったものです。 次に、
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
について
お尋ね
がありました。
公益通報者
に対する違法な
不利益取扱い
は、
通報
をちゅうちょさせるものであり、あってはならないと考えます。 今回の
改正法案
では、
制度
の
実効性確保
のため、事後的な
行政措置
ではなく、
不利益取扱い
を
事前
に
抑止
することが重要と考えたところです。この
観点
から、
公益通報者
に関する
情報
の
漏えい防止
のため、
刑事罰つき
の
守秘義務
を
導入
するほか、
不利益取扱い
の禁止を定めるなどの
通報体制整備義務
を
事業者
に課することといたしました。 今回の
改正内容
は
公益通報者保護制度
を大きく充実するものであり、
不利益取扱い
の
抑止効果
の大幅な
向上
を期待していますが、
施行
後の実態は十分検証していきたいと考えております。 次に、
立証責任
の
緩和
について
お尋ね
がありました。
通報者
の
負担軽減
の
観点
から、
立証責任
の
緩和
を求める
意見
があることは承知しています。
改正法案
の
附則
第五条では、
公益通報者
に対する
不利益
な
取扱い
の
是正
に関する
措置
の
あり方
について
検討規定
を設けていますが、これは
立証責任
の
緩和
についても含めて
検討
を行う
趣旨
です。
政府
としては、今後、
改正法案成立
後の
施行状況等
を分析しつつ、必要な
対応
を
検討
してまいります。 次に、
改正法案
において
不利益取扱い
の
是正措置
を
規定
しなかった
理由
と
附則
の
検討事項
について
お尋ね
がありました。 今回の
改正法案
では、事後的な
行政措置
による
不利益取扱い
の
是正
ではなく、
不利益取扱い
の
事前抑止
を通じて
制度
の
実効性
を高めることが重要であると考え、
通報者
に関する
刑事罰つき
の
守秘義務
の
導入等
で
対応
することとしたところです。 また、
附則
の
検討条項
では、
改正法
の
施行
後の
状況
を踏まえ、
不利益
な
取扱い
の
是正
に関する
措置
の
あり方等
を
検討
することとしており、御
指摘
の
命令制度
及び
刑事罰
の
導入
を含め、どのような
対応
が適当かについて
検討
してまいります。 次に、
不利益取扱い
に対する
行政措置
を行うための
体制整備
について
お尋ね
がありました。
政府
としては、
不利益取扱い
の
事前抑止
が、
制度
の
実効性向上
や
通報者保護
のため、まずは重要と考えております。その上で、
不利益取扱い
に対する事後的な
行政措置
を
導入
するには、事実
認定
や
執行体制
について多くの
課題
があるものと考えています。 仮に
行政措置
を
導入
するために十分な
執行体制
を確保できたとしても、
解雇
その他の
不利益取扱い
が
公益通報
を
理由
とすることの
因果関係
を
行政機関
が
立証
することは困難であるという
課題
が残ります。 こうした点も踏まえ、現時点において、
不利益取扱い
に対する
行政措置
を
導入
することは困難であると判断したものです。 次に、
消費者庁
の
司令塔機能
について
お尋ね
がありました。
改正法案
の
国会提出
に当たっては、
厚生労働省
を含む
関係行政機関
との間で必要な
議論
や
調整
を適切に実施してまいります。 こうした
議論
を踏まえて、今回の
改正法案
では、
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
に当たっては、事実
認定
や
執行体制
について
課題
があるものと考え、
事前抑止
の
強化
を中心として
制度
の
実効性
を高めることとしたものです。 さらに、今後、
関係行政機関
との
連携協力
を通じ、
通報
したことを
理由
として
解雇
その他
不利益
な
取扱い
を受けた
通報者
の
支援
を進めることとなっています。 このように、本
制度
の
実効性向上
に向け、
消費者庁
の
司令塔機能
を発揮してまいります。 次に、
退職
後に
通報
する場合の
期間制限
について
お尋ね
がありました。
法令違反行為
の
早期是正
を促すためには、
通報
を受けた
事業者
が適切に
対応
することを可能とする
観点
も踏まえ、
保護
される
通報
を
退職
後
一定
の
期間
内のものに限定し、
早期
の
通報
を促していく必要があります。 具体的な
期間
については、実際に
退職
後の
通報
を
理由
として
不利益取扱い
を受けた
事例
のほとんどが
退職
後一年以内に
通報
された
事案
であったことも踏まえ、今回の
改正法案
では、
退職
後一年以内に
通報
した者を
保護
の
対象
としたものです。(
拍手
) 〔
国務大臣加藤勝信
君
登壇
〕
加藤勝信
7
○
国務大臣
(
加藤勝信
君)
堀越啓仁議員
にお答えをいたします。
公益通報者保護法
に対する
厚生労働省
としての評価について
お尋ね
がありました。
公益通報者
に対する
不利益取扱い
は、
通報者
の
保護
及び
法令遵守
という同法の
目的
に照らして、
是正
されるべきものだと考えております。 今回の
改正法案
においては、
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
について、事実
認定
や
執行体制
の
課題
があることから、
規定
を設けないこととしたと承知はしております。 その上で、
厚生労働省
としては、同法の
対象法律
に関する
通報
があったときは、引き続き、必要に応じて、
通報
を受理した上で
調査
を行うなど適切な
対応
を行うとともに、今回の
法案
が
成立
、
施行
された場合には、
都道府県労働局
などの
窓口
において、
公益通報
の一層の
周知
や
相談者
に対する丁寧な
説明
を行うこと、
都道府県労働局
に設置をしている
労働相談
・
個別労働紛争解決制度関係機関連絡協議会
に
消費者庁
にも参加を求めた上で、
公益通報者保護制度
についても
情報共有
を行うことなどにより、
消費者庁
と
連携
し、
公益通報者保護
の一層の
実効性確保
に努力をしてまいります。(
拍手
)
大島理森
8
○
議長
(
大島理森
君) これにて
質疑
は終了いたしました。 ――
――◇―――――
大島理森
9
○
議長
(
大島理森
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十分散会 ――
――◇―――――
出席国務大臣
厚生労働大臣
加藤
勝信
君
国務大臣
衛藤
晟一
君
出席
副
大臣
内閣
府副
大臣
大塚 拓君